JP4876150B2 - 打ち抜きプラスチックフイルムの製造方法及び該製造方法に用いるプレス加工機 - Google Patents
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これらの化粧用の打ち抜きフイルムは、長尺の薄いプラスチックフイルムを一定長さで連続的に裁断して、裁断された一定の長方形の大型の単葉フイルムを、順次数十〜数百枚積層して、積層された長方形の大型フイルムをプレス打ち抜き加工機で1回のプレス打ち抜き工程で、数十〜数百の積層プラスチックフイルムを一挙に打ち抜いて製造する。
このような単葉の打ち抜きフイルムの製造は、単葉フイルムの外郭形状に形成された打ち抜き刃(トムソン刃)を1又は2以上を有する打ち抜きプレス台に、多数枚の積層フイルム載置して、載置された積層フイルムの上から平板状の上板によって強くプレス押圧して、単葉フイルムの外郭形状を一挙に切断して、単葉のプラスチックフイルムを打ち抜き刃の内部に残して、余白の長尺フイルムを除去して、打ち抜き刃内部の多数の単葉のプラスチックフイルムを集めて単葉のプラスチックフイルムを製造している。
従来技術の平板上板プレスによる打ち抜き工程においては、打ち抜かれた単葉のプラスチックフイルムが打ち抜き時の摩擦によって帯電してプレス後に、平板上板プレスを上方に持ち上げたときに、単葉の打ち抜きプラスチックフイルムの積層の上から2〜3枚が平板上板プレスに吸着して持ち上げられる。この上板に吸着するプラスチックフイルムの全体の打ち抜きプラスチックフイルムに対する比率は、プラスチックフイルムの材質によっても変化するが、フイルムの材質が同一であっても、打ち抜きプラスチックフイルムの厚さが薄いほど多くなり打ち抜き工程の環境が乾燥しているほど多くなる。環境条件によっては、数十枚のフイルムが上板に静電気によって貼り付くこともある。
このような、単葉のプラスチックフイルムの上板への貼り付きが、たとえ、1枚であっても、上板の持ち上げ後に、上板にピッタリと静電気で貼り付いている薄い単葉のプラスチックフイルムを上板から剥がして回収することは極めて面倒であり、打ち抜き単葉フイルムの製造効率を大幅に低下させる。
単葉のプラスチックフイルムの上板への貼り付きを防止する方法として、プラスチック製上板の表面を粗面にすることによって、フイルムに静電気が起こってもフイルムが上板に付着しにくくする方法が提案されている(特許文献1)。
しかしながら、この方法は、フイルム自体の静電気の発生を防止するものではないので相対湿度が低い乾燥環境においては、フイルムが上板に付着する欠点を完全に解消することはできない。
この上板への打ち抜きフイルムの貼り付き防止効果は、合成繊維布又はプラスチックフイルムで貫通孔を閉鎖しても全く効果はなかった。
すなわち、本発明は、
(1)プレス台に設けた打ち抜き刃と、該打ち抜き刃を上下移動によって押圧するプレス上板によって、大型長方形のプラスチックフイルムを多数枚積層して、該多数枚の積層を一挙に打ち抜くプレス加工機であって、プレス台に打ち抜き外郭形状の打ち抜き刃を1又は2以上を備え、該打ち抜き刃の位置に対向するプレス上板の位置に、プレス用上板の打ち抜き刃が当接する外郭形状の輪郭の内側に沿って形成される形状の天然繊維からなる布が設けられ、該天然繊維の布の形状の内側の輪郭部分の上板面積部分をくり貫いてなる貫通孔が形成されているプレス上板を有するプレス加工機のプレス台に、多数枚積層されたプラスチックフイルムを載置して、前記プレス上板を下降させて、外郭形状の打ち抜き刃の上にプレスして、打ち抜き外郭形状を打ち抜き、多数のプラスチックフイルムを余白部から分離して、プレス上板を上昇させてから、余白部を除去するとともに、多数の単葉プラスチックフイルムを打ち抜き刃の内部から回収することを特徴とする打ち抜きプラスチックフイルムの製造方法、
(2)打ち抜きプラスチックフイルムが印刷済みフイルムである(1)項記載の打ち抜きプラスチックフイルムの製造方法、
(3)プレス台に設けた打ち抜き刃と、該打ち抜き刃を上下移動によって押圧するプレス上板によって、大型長方形のプラスチックフイルムを多数枚積層して、該多数枚の積層を一挙に打ち抜くプレス加工機であって、プレス台に打ち抜き外郭形状の打ち抜き刃を1又は2以上を備え、該打ち抜き刃の位置に対向するプレス上板の位置に、プレス用上板の打ち抜き刃が当接する外郭形状の輪郭の内側に沿って形成される形状の天然繊維からなる布が設けられ、該天然繊維の布の形状の内側の輪郭部分の上板面積部分をくり貫いてなる貫通孔が形成されていて、該貫通孔を、前記天然繊維の布によって塞いだプレス上板を有することを特徴とするプレス加工機、及び
(4)プレス台に備えた打ち抜き外郭形状の打ち抜き刃の内部を底抜けに形成した(3)項記載のプレス加工機、
を提供するものである。
そして、このプレス台の上に、正確に積層された長方形状のフイルムの束を、プレス台の枠内に手作業で載置して、太い径のシリンダーで上下に滑動する上板プレスを電動力の強い力で機械的に下降させて、上板プレスによる押圧によって、トムソン刃の外郭形状にフイルム束を裁断する。
裁断後は、上板プレスを上昇させて、打ち抜きフイルム及び余白フイルムを、手動で回収する。
本発明のプレス加工機のプレス台には、打ち抜きフイルム単位の外郭形状の1又は2以上の打ち抜き刃を上向きに設置して備えている。
この打ち抜き刃の設置位置は、定寸の大型長方形のプラスチックフイルムの積層体をプレス台の所定の位置に載置したときに、単葉プラスチックフイルムの打ち抜くべき位置に正確に一致している。
本発明加工機のプレス上板は、プレス上板が打ち抜き刃の位置まで下降したときに、プレス上板の下面に打ち抜き刃の刃先が接する位置に、打ち抜きフイルム単位の打ち抜き外郭形状より寸法が小さい略相似形の貫通孔を有する。そして、該貫通孔の面積より大きくかつ、前記打ち抜き外郭形状より小さい外郭形状の天然繊維の布によって、前記貫通孔を塞いだプレス上板を形成している。
大型長方形プラスチックフイルムの表面に、八角形状の輪郭を有する印刷模様Bが6箇所に印刷されている。図1の印刷模様Bの八角形の外郭形状Cは、図1の単葉印刷プラスチックフイルムの積層体を打ち抜くときの打ち抜き刃の打ち抜き形状と一致している。
100枚の大型長方形プラスチックフイルムを積層した積層体を打ち抜くと、一回のプレス打ち抜きによって、600枚の単葉印刷プラスチックフイルムが製造できる。
実際のプレス加工機では、1個の印刷模様Bを打ち抜く加工機はあまりなく、少なくとも2個以上、殆どは、8〜数十個取りが慣用されている。また、積層体の枚数も400枚程度を一挙に打ち抜く場合もある。従って、例えば、6個取りで400枚を一挙に打ち抜くと、1回の打ち抜きで、2400枚の打ち抜きフイルムを製造できる。
打ち抜きフイルムの製造効率は、打ち抜いたフイルムをプレス台上の打ち抜き刃の中から回収する速度に依存して大きく変動する。
図2は、図1の単葉印刷プラスチックフイルムの積層体を打ち抜くときのプレス上板の上方から見た平面図である。プレス上板1に、外郭形状が八角形状の貫通孔2が6箇所にくり抜かれている。貫通孔2の八角形状の外郭の形状は、図1の八角形状の印刷模様Bの外郭形状、すなわち打ち抜き刃による打ち抜き形状よりも少し小さい相似形状にする必要がある。
図3は、図2のプレス上板1の裏側から見た平面図である。プレス上板1の貫通孔2はプレス上板の下面側では、打ち抜き外郭形状Cより小さく、貫通孔2より大きい外郭形状の天然繊維の布3によって閉鎖されている。
天然繊維の布3は、貫通孔2の縁に、接着剤によって固定されている。
天然繊維の布3の八角形状の寸法は、図1の印刷模様の八角形状、すなわち、打ち抜き刃の刃先の八角形状より小さく、貫通孔2の外郭八角形状より大きい寸法にする必要がある。さもないと、打ち抜き工程において、打ち抜き刃と単葉印刷プラスチックフイルムの間に天然繊維の布3の端が挟まったり、貫通孔2を天然繊維の布が封鎖できなかったりする不都合が生じる。
(A)図1の大型長方形プラスチックフイルムの6箇所の印刷模様Bの八角形の外郭形状Cに一致する形状に加工したトムソン刃の打ち抜き刃を、上方に向けて設けたプレス台に、多数の大型長方形状の積層フイルムを所定の位置に正確に載置する。
(B)このプレス台上の多数の大型長方形状の積層フイルムに対して、図2〜3の上板プレスを下降させて、積層フイルムを一挙に裁断する。
(C)上板プレスを上昇させて、プレス台の打ち抜き刃の内部にある打ち抜きプラスチックフイルムを取り出す。このとき、余白のフイルムを除去する。
(D)(A)〜(C)の工程を反復する。
プレス台の打ち抜き刃の底を、抜け穴にしておけば、プレス台の下に、打ち抜きプラスチックフイルムの束が落下する。この束を、プレス台の下に設けたコンベアで、自動的に回収することが製造効率の観点からは望ましい。
また、(C)の打ち抜き後のプレス台上に残存する余白部分のフイルムの除去には、加圧空気流又は吸引方式で除去することができる。
この方法によって、打ち抜き後の上板に、打ち抜きプラスチックフイルムが静電気で貼り付くことは完全に回避できる。
打ち抜きプラスチックフイルムは、主として、種々の商品の上に被せる化粧フイルムに用いることが多いが、単に、埃よけに用いる場合は、大型長方形プラスチックフイルムの印刷模様は不要である。
本発明において、製造される打ち抜きプラスチックフイルムは、食品包装その他の包装の表面を飾りつけるフイルム又は埃を防止する化粧フイルムとして広く使用することができる。
B 印刷模様
C 外郭形状
1 プレス上板
2 貫通孔
3 天然繊維の布
Claims (4)
- プレス台に設けた打ち抜き刃と、該打ち抜き刃を上下移動によって押圧するプレス上板によって、大型長方形のプラスチックフイルムを多数枚積層して、該多数枚の積層を一挙に打ち抜くプレス加工機であって、プレス台に打ち抜き外郭形状の打ち抜き刃を1又は2以上を備え、該打ち抜き刃の位置に対向するプレス上板の位置に、プレス用上板の打ち抜き刃が当接する外郭形状の輪郭の内側に沿って形成される形状の天然繊維からなる布が設けられ、該天然繊維の布の形状の内側の輪郭部分の上板面積部分をくり貫いてなる貫通孔が形成されているプレス上板を有するプレス加工機のプレス台に、多数枚積層されたプラスチックフイルムを載置して、前記プレス上板を下降させて、外郭形状の打ち抜き刃の上にプレスして、打ち抜き外郭形状を打ち抜き、多数のプラスチックフイルムを余白部から分離して、プレス上板を上昇させてから、余白部を除去するとともに、多数の単葉プラスチックフイルムを打ち抜き刃の内部から回収することを特徴とする打ち抜きプラスチックフイルムの製造方法。
- 打ち抜きプラスチックフイルムが印刷済みフイルムである請求項1記載の打ち抜きプラスチックフイルムの製造方法。
- プレス台に設けた打ち抜き刃と、該打ち抜き刃を上下移動によって押圧するプレス上板によって、大型長方形のプラスチックフイルムを多数枚積層して、該多数枚の積層を一挙に打ち抜くプレス加工機であって、プレス台に打ち抜き外郭形状の打ち抜き刃を1又は2以上を備え、該打ち抜き刃の位置に対向するプレス上板の位置に、プレス用上板の打ち抜き刃が当接する外郭形状の輪郭の内側に沿って形成される形状の天然繊維からなる布が設けられ、該天然繊維の布の形状の内側の輪郭部分の上板面積部分をくり貫いてなる貫通孔が形成されていて、該貫通孔を、前記天然繊維の布によって塞いだプレス上板を有することを特徴とするプレス加工機。
- プレス台に備えた打ち抜き外郭形状の打ち抜き刃の内部を底抜けに形成した請求項3記載のプレス加工機。
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