〔実施の形態1〕
本発明の第1の実施の形態について図1及び図2に基づいて説明する。図1は、本発明の気体流量測定装置1の概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、本発明の気体流量測定装置は、気体格納槽2、凝縮槽3、温度検出器4、流量計5を備えている。
気体格納槽2は、内部に気体が格納されており、必要に応じて所定量の気体を排出するようになっている。気体格納槽2にて格納されている気体は、本発明の気体流量測定装置1にて流量を測定する対象となっている気体であり、以下においては第1成分と称する。気体格納槽2は、気体を格納し排出するものであればよく、ボンベ等を用いることが好ましい。なお、気体格納槽2から排出された第1成分は、第1成分よりも沸点の高い気体(以下、第2成分と称する)と混合された後に凝縮槽3へと送られる。
凝縮槽3は、流入した第1成分及び第2成分の混合気体を凝縮する槽である。凝縮槽3では、第2成分が飽和状態となるように混合気体を凝縮するようになっている。従って、凝縮は第2成分を飽和状態とすることができる温度又は圧力にて行えばよいが、第1成分が気体格納槽2から排出される温度と同じ温度にて行うことが好ましい。凝縮槽3にて凝縮された混合気体は、流量計5へと送られる。
なお、凝縮槽3は、混合気体を凝縮することにより第2成分を飽和状態とすることで、第2成分を液化させて第1成分と分離させる分離槽であってもよい。第1成分と第2成分とは完全に分離することができない気体同士ではあるものの、分離槽とすることで第2成分の流量を低減させることが可能となるため、第1成分の流量を測定する際の誤差を低減させることができる。第2成分の分離は、凝縮にて行うことのみならず、吸着にて行ってもよい。
温度検出器4は、凝縮槽3にて混合気体を凝縮する際の温度を検出するものである。温度検出器4にて凝縮槽3の温度を検出することにより、凝縮槽3での温度調節を行うことが可能となり、所望の温度にて凝縮することができるようになっている。また、温度検出器4は、凝縮槽3の温度を検出することができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、白金側温抵抗体や熱電対等を用いることができる。なお、凝縮槽3での凝縮が第2成分を飽和状態とすることができる圧力にて行われる場合には、温度検出器4の代わりに、混合気体を凝縮する際の圧力を検出する圧力検出器を用いればよい。
流量計5は、凝縮槽3から排出された混合気体の流量を測定するものである。流量計5としては、凝縮槽3から排出された混合気体の流量を測定することができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、熱線式流量計、体積流量計、面積流量計、石鹸膜流量計、コリオリ式流量計、湿式流量計等を用いることができる。流量計5は、第1成分の流量を測定するための仕様となるように設定すればよく、この場合には、後述する事前の測定にて算出した補正値等を用いることにより、第1成分の流量を正確に測定することが可能となっている。
なお、流量計5は、第1成分用の仕様となるように設定することに限定されるものではなく、後述する補正値を考慮した上で混合気体用の仕様となるように設定してもよい。この場合には、混合気体の流量を測定することにより、流量計5にて示された流量値が第1成分の正確な流量値となる。
なお、本発明の気体流量測定装置1は、気体格納槽2から排出された第1成分の流量を制御する流量制御手段を備えていてもよい。この場合、気体格納槽2から排出された第1成分は、流量制御手段にて流量を制御されながら排出されるため、常に所望の流量を排出することが可能となる。また、流量制御手段による流量の制御は、第1成分の流量が一定の流量となるように制御することが好ましい。
また、気体流量測定装置1は、第1成分と第2成分とを混合するための混合槽を備えていてもよい。混合槽を備えていることにより、第1成分と第2成分とを均一に混合することが可能となる。さらに、混合槽は、第1成分と第2成分とを混合するとともに、ある特定の温度にて第2成分を飽和状態とするようになっている飽和槽であってもよい。
次に、上記構成を有する気体流量測定装置1を用いた気体流量測定方法について説明する。本発明の気体流量測定方法は、完全に分離することが不可能な2種類の成分が共存する流体のうち、一方の流体の流量を正確に測定する方法である。すなわち、沸点の異なる2種類の気体が混合された混合気体のうち、低沸点側の気体の流量を測定する方法である。
従って、本発明の気体流量測定方法は、流量を測定する対象である第1成分と、第1成分とは完全に分離することが不可能な第2成分との混合気体の流量を、第1成分用の流量計を用いて測定したとしても、第2成分の影響を排除して第1成分の流量を正確に測定することができるものである。また、流量計にて測定した流量値を、あらかじめ算出した補正値にて補正することによって、より正確な流量を測定することができるものである。
ここで、沸点の異なる2種類の気体とは、沸点の異なる2種類の液体が各々気体状となった場合における2種類の気体のことであり、また、各気体の露点及び凝固点が互いに大きく異なり、混合気体が共沸混合物を形成しない気体をいう。また、2種類の気体とは、例えば水素ガスや酸素ガス等といった単一成分の気体同士の組み合わせである場合のみならず、複数成分の気体が混合されて共沸混合物の如く単一成分のように振舞う気体同士の組み合わせや、単一成分の気体と、単一成分のように振舞う気体との組み合わせであってもよい。すなわち、実質的に2種類の気体とみなすことができる気体同士の組み合わせであればよい。
本発明に用いられる気体の組み合わせとしては、例えば、水素/水蒸気の組み合わせや、水素/水及びアルコールの共沸混合物の組み合わせ、ヒドラジン/空気の組み合わせや、メタノール/空気の組み合わせ、酸素/窒素及び水蒸気の混合気体の組み合わせや、酸素/窒素及びエタノールの混合気体の組み合わせ等を挙げることができる。
また、補正値とは、気体流量測定装置1にて測定した混合気体の流量を補正するためのものであり、この補正値を用いることにより、完全に分離することができない混合気体の第1成分の流量を正確に測定することができるようになっている。また、補正値は、第2成分を所定の温度にて凝縮して飽和気体とすることにより濃度既知とし、この濃度既知の第2成分の存在による測定誤差を計測することにより算出される。
まず、補正値の算出方法について説明する。補正値は、図2に示す補正用気体流量測定装置6を用いて、第1成分及び第2成分が共存する混合気体の流量を測定し、この測定結果から算出する。以下、具体的に説明する。図2に示すように、気体格納槽7から排出された第1成分は、流量制御手段8にて一定の流量となるように制御される。次いで、第1成分と、第1成分よりも高沸点の第2成分とを混合した後に、凝縮槽9へと送られる。凝縮槽9では、温度検出器10を用いながら混合気体を特定温度にて凝縮して第2成分を飽和状態とする。そして、流量計11にて凝縮された混合気体の流量を測定する。第2成分は、特定温度での飽和気体であるのでその流量は既知となるため第1成分の流量値を求めることができる。流量制御手段8にて制御された流量値と、流量計11にて測定された第1成分の流量値とから、第2成分の存在による測定誤差を計測する。そして、この測定誤差から補正値を算出する。
補正値は、種々のパラメータを変化させて流量を測定した結果を用いて流量偏差として算出される。算出結果は補正表、補正式又は補正グラフとして表すことができる。流量偏差は、流量制御手段8にて一定に制御された流量値から、流量計11にて測定された第1成分の流量値を引いた値である。また、パラメータとしては、例えば、第1成分の初期流量、系内(流路内)の圧力、凝縮温度、第1成分の種類等である。これらのパラメータを変化させて流量を測定することにより、様々な条件における流量偏差、すなわち補正値を算出することができる。
次に、本発明の気体流量測定装置1を用いて第1成分の流量を測定する方法について図1に基づいて説明する。まず、第1成分を気体格納槽2から排出して、第2成分と混合させ(混合工程)、この混合気体を凝縮槽3へ流入させる。そして、凝縮槽3にて、混合気体を凝縮する(凝縮工程)。凝縮は、第2成分が飽和状態となるように特定温度にて行われる。特定温度とは、第2成分を飽和状態とすることができる温度であれば特に限定されるものではないが、第1成分が気体格納槽2から排出される温度と同じ温度であることが好ましい。この第1成分の流量を測定することが目的であるためである。また、凝縮は温度検出器4を用いて行われる。温度検出器4を用いることにより、温度調節が可能となる。
また、混合気体の凝縮は、特定温度での凝縮に限定されるものではなく、特定圧力で行うこともできる。この場合、上記と同様に、第2成分を飽和状態とすることができる圧力にて凝縮すればよい。この場合、温度検出器の代わりに圧力検出器を備えていることが好ましい。
凝縮槽3にて特定温度で凝縮された混合気体は、第2成分が特定温度における飽和気体となって流量計5へと排出される。そして、流量計5にて混合気体の流量を測定し(流量測定工程)、流量計5から排出される。流量計5は第1成分用の仕様に設定されているものの、第2成分を飽和状態として濃度が既知であるため、混合気体の流量を測定することにより、第1成分の流量を測定することが可能となる。しかしながら、第2成分が混合した状態では、第1成分の真の流量値を測定することが困難であるため、上記補正値を用いて流量値を補正することが好ましい(補正工程)。補正値を用いることによって第1成分のより正確な流量を算出することが可能となる。具体的には、本発明の気体流量測定装置1にて求めた混合気体の流量値に、あらかじめ算出した補正値を加えることによって第1成分のより正確な流量値を算出することができる。補正値は、あらかじめ算出・作成した補正表、補正式又は補正グラフから求めればよく、実際に気体流量測定装置1にて用いた条件と同一条件に相当する補正値を用いればよい。
なお、上述のように混合気体を凝縮する温度が既知であるため第2成分の流量は既知となる。このため、気体流量測定装置1による測定条件(第1成分の初期流量、系内の圧力、凝縮温度等)が既知であり、かつ一定である場合には、あらかじめ流量計5の仕様を、第1成分と第2成分とが混合した混合気体用の仕様とすることにより、その指示値から真の第1成分の流量を算出することもできる。すなわち、この場合、流量値を測定した後に補正値にて補正する必要はなく、流量計5の値が真の第1成分の流量値となる。
以上により、完全に分離することが不可能な沸点の異なる2種類の気体が混合した混合気体の低沸点側の気体流量を、露点計やガスクロマトグラフィや室力分析計等を用いずとも容易かつ高精度に測定することができる。
〔実施の形態2〕
本発明の第2の実施の形態について図3に基づいて説明する。なお、本発明の気体流量測定方法は、上述のように、凝縮槽にて混合気体を凝縮することにより、第2成分の濃度が既知となり、その結果、混合気体の流量値を測定することにより第1成分の流量値を求めることができるものである。従って、第1成分が気体格納槽から排出されて凝縮槽に流入するまでの間に濃度が変化する系であっても第1成分の流量を正確に測定することができる。以下、第1成分の濃度が変化する気体流量測定装置を例に挙げて本発明の気体流量測定方法について説明する。
図3は、第1成分の濃度が変化する気体流量測定装置12の概略構成を示すブロック図である。図3に示すように、気体流量測定装置12は、気体格納槽13、反応槽14、凝縮槽15、温度検出器16、流量計17を備えている。このうち、気体格納槽13、凝縮槽15、温度検出器16、流量計17は、上記実施の形態1にて説明した気体格納槽2、凝縮槽3、温度検出器4、流量計5と同一である。すなわち、本実施の形態における気体流量測定装置12は、上記実施の形態1にて説明した気体流量測定装置1に反応槽14を加えた構成となっている。このため、説明の便宜上、上記実施の形態1にて示した部材に関する説明は省略する。また、本実施の形態に用いられる気体(第1成分及び第2成分)についても、上記実施の形態1にて用いた気体と同様の気体とする。
反応槽14は、第1成分と第2成分とが混合した混合気体が流入するようになっており、この流入した混合気体の第1成分を反応させる槽である。混合気体は、反応槽14にて所定の反応を行った後に、反応槽14から排出されて凝縮槽15へと送られるようになっている。従って、反応槽14に流入する第1成分と、排出される第1成分との濃度が異なるようになっている。なお、反応槽14は、説明の便宜上「反応槽」と称しているが、流入した混合気体に何らかの作用を施し、低沸点側の気体である第1成分の濃度が変化するシステムであればよく、第1成分が反応するものに限定されない。反応槽14としては、例えば、燃料電池、原油精製装置、蒸留装置等を挙げることができる。
なお、気体流量測定装置12は、流量制御手段や混合槽等を備えていてもよい。流量制御手段を備えている場合は、気体格納槽13から排出された第1成分は、流量制御手段にて流量を制御されながら排出されるため、常に所望の流量を排出することが可能となる。また、混合槽を備えている場合は、第1成分と第2成分とを均一に混合することが可能となる。さらに、混合槽が飽和槽である場合には、第1成分と第2成分とを混合するとともに、ある特定の温度にて第2成分を飽和状態にすることができる。
次に、上記構成を有する気体流量測定装置12を用いた気体流量測定方法について説明する。まず、上記実施の形態1と同様の方法にて補正値を算出しておく。そして、気体流量測定装置12の気体格納槽13から第1成分を排出し、第1成分と第2成分とを混合した後に混合気体を反応槽14へ流入させる。ここで、流量制御手段を備えている場合には、第1成分は、流量制御手段によって一定の流量となるように制御しながら排出される。また、混合槽を備えている場合には、第1成分と第2成分とが混合槽にて均一に混合された後に反応槽14へ流入する。さらに、混合槽が飽和槽である場合には、第1成分と第2成分とが均一に混合され、第2成分が飽和状態となった後に反応槽14へ流入する。
反応槽14に流入した混合気体は、反応槽14にて所定の反応が行われ第1成分の一部が反応により消費される。また、第1成分の反応によって、第1成分及び第2成分以外の副生成物が生成する場合もある。反応槽14での反応が終了した後には、残留する第1成分と第2成分と副生成物とが、残留気体として凝縮槽15へ流入する。
凝縮槽15では、流入した残留気体を特定温度で凝縮する。凝縮は、温度検出器16を用いて行われ、反応槽14での反応による発熱又は加熱等によって高温状態となった残留気体を低温状態とすることにより行われる。凝縮する温度は、上記実施の形態1と同様に、第1成分が気体格納槽13から排出される際の温度と同じ温度であることが好ましい。また、凝縮は特定温度にて行うことの他に、特定圧力にて行ってもよい。この場合、温度検出器16を圧力検出器に代えて行えばよい。
凝縮槽15にて凝縮された残留気体は、その第2成分が飽和気体となって流量計17へと排出され、流量計17にて流量が測定される。そして、流量計17で測定した流量値をあらかじめ算出した補正値にて補正することにより、第1成分の正確な流量を求めることができる。
以上により、完全に分離することが不可能な沸点の異なる2種類の気体を混合した混合気体のうち、低沸点側の気体の濃度に変化が生じる系であっても、その低沸点側の気体流量を、露点計やガスクロマトグラフィや質量分析計等を用いずとも容易かつ精度よく測定することができる。
〔実施の形態3〕
本発明の第3の実施の形態について図4に基づいて説明する。上記実施の形態1及び2においては、流量を測定する気体を含む混合気体が1種類の場合について説明したが、本発明では、流量を測定する気体を含む混合気体が2種類の場合であっても流量を測定することができる。例えば、実施の形態1に示すように、流量を測定する気体の濃度が変化しない系の場合や、実施の形態2に示すように、流量を測定する気体の濃度が変化する系の場合であっても、流量を測定する各混合気体同士が混合されない場合には、各混合気体の流量を測定する系をそれぞれ設ければよい。以下においては、流量を測定する気体を含む混合気体が2種類の場合であって、流量測定対象の気体濃度が変化する系の場合について説明する。
図4は、本実施の形態における気体流量測定装置18の概略構成を示すブロック図である。流量を測定する気体を第1成分a及び第1成分bとする。第1成分a及び第1成分bは、互いに同一の気体であってもよく、異なる気体であってもよい。図4に示すように、気体流量測定装置18は、第1成分aに対応した気体格納槽19a、凝縮槽21a、温度検出器22a及び流量計23aと、第1成分bに対応した気体格納槽19b、凝縮槽21b、温度検出器22b及び流量計23bと、第1成分a及び第1成分bに対応した反応槽20とを備えている。これら各部材は、上記実施の形態1及び2にて用いられる各部材と同一のため、説明は省略する。また、本実施の形態に用いられる気体(第1成分a・第1成分b及び第2成分a・第2成分b)についても、上記実施の形態1及び2にて用いた気体(第1成分及び第2成分)と同様とし、補正値の算出方法についても同様とする。
上記構成を有する気体流量測定装置18を用いて第1成分a及び第1成分bの流量を測定する方法について説明する。まず、第1成分aが気体格納槽19aから排出される。そして、第1成分aと、第1成分aよりも高沸点の気体(以下、第2成分aと称する)とを混合した後に、この混合気体(以下、混合気体aと称する)を反応槽20に流入させる。一方、第1成分bは気体格納槽19bから排出される。そして、第1成分bと、第1成分bよりも高沸点の気体(以下、第2成分bと称する)とを混合した後に、この混合気体(以下、混合気体bと称する)を反応槽20に流入させる。
なお、気体流量測定装置18においても、各気体に対応する流量制御手段や混合槽等を備えていてもよい。流量制御手段を備えている場合には、第1成分a及び第1成分bは、それぞれに対応する流量制御手段によって流量を制御されながら排出される。また、混合槽を備えている場合には、第1成分aと第2成分aとの混合や第1成分bと第2成分bとの混合が均一に行われた後に、それぞれの混合気体が反応槽20へ流入する。混合槽が飽和槽である場合には、第2成分aが飽和状態となった混合気体aと、第2成分bが飽和状態となった混合気体bとがそれぞれ反応槽20へ流入する。
反応槽20では、混合気体a及び混合気体bは、互いに混合されることはなく分離した状態となっている。そして、反応槽20では、流入した混合気体aと混合気体bとがそれぞれ独立して反応が行われる。
そして、反応槽20での反応が終了した後に、反応に用いられなかった混合気体aの残留物と、混合気体aの反応にて生成した副生成物との混合物(以下、残留気体aと称する)が凝縮槽21aへ流入する。また、反応に用いられなかった混合気体bの残留物と、混合気体bの反応にて生成した副生成物との混合物(以下、残留気体bと称する)が凝縮槽21bへ流入する。
凝縮槽21aでは、温度検出器22aを用いながら残留気体aを特定温度にて凝縮した後に流量計23aへ排出する。特定温度とは、第1成分aを気体格納槽19aから排出する際の温度と同じ温度であることが好ましい。また、凝縮槽21bでは、温度検出器22bを用いながら残留気体bを特定温度にて凝縮した後に流量計23bへ排出する。この場合の特定温度は、第1成分bを気体格納槽19bから排出する際の温度と同じ温度であることが好ましい。
その後、凝縮された残留気体aは流量計23aにて流量を測定された後に排出され、凝縮された残留気体bは流量計23bにて流量を測定された後に排出される。次いで、各々の流量計23a・23bにて測定した流量を、あらかじめ算出した補正値を用いてそれぞれ補正することによって、第1成分a及び第1成分bの正確な流量を求めることができる。補正値は、第1成分a及び第1成分bが気体流量測定装置18を移動する際の条件に応じた補正値を用いればよい。また、流量計23aが混合気体a用の仕様であり、流量計23bが混合気体b用の仕様である場合には、各流量計にて示された流量が各々第1成分a及び第1成分bの正確な流量となる。
以上により、流量を測定する気体が2種類の場合であっても、各々の気体流量を測定することができる。なお、流量を測定する気体が3種類以上の場合においても、上記と同様にして行うことができる。すなわち、各気体毎にあらかじめ補正値を算出しておき、各気体毎に気体格納槽、凝縮槽、流量計を設ければよい。このようにすれば、3種類以上の気体を用いた場合であっても、上記と同様にして各々の気体流量を個別に正確に測定することができる。
なお、本発明は、成分の特定された沸点の異なる2物質の混合流体の流量測定において、低沸点物質に対し目盛り付けされた流量計を用い、かつ高沸点成分を特定温度で凝縮させ、その成分の流量を既知とすることで、流量測定を可能ならしめる気体流量測定装置、及び気体流量測定方法と表現することもできる。
また、本発明の気体流量測定方法は、沸点の異なる2種類の気体を混合した混合気体における低沸点側の気体流量を測定する方法であって、混合気体を特定温度で凝縮することにより高沸点側の気体流量を既知としておき、あらかじめ低沸点側の気体で目盛り付けされた流量計を用いて混合気体の流量を測定し、その測定結果と上記気体温度との関係から低沸点側の気体流量を算出する方法と表現することもできる。
本発明の気体流量測定装置について以下の実施例に基づき、さらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。本実施例では、気体流量測定装置が反応槽として燃料電池を備えている場合について説明する。
燃料電池は、燃料を電気化学的に酸化させながら、燃料の持つ化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する発電装置である。また、燃料電池とは、反応に関与する物質が電池外から連続的に供給される電池をいい、基本的には燃料極(陰極)、酸化剤極(陽極)及び電解質から構成されている。燃料電池では、陰極側で燃料の燃焼反応(すなわち、燃料の酸化反応)が行われ、陽極側で酸化剤の還元反応が行われる。本実施例では、燃料電池として、電解質にイオン交換膜を用いた、高分子電解質形燃料電池について説明する。
高分子電解質形燃料電池は、高純度の水素及び酸素をそれぞれ燃料及び酸化剤とし、イオン交換膜を電解質とする燃料電池である。高分子電解質形燃料電池は、陰極側にて水素が発電に供され、陽極側にて酸素が発電に供される。すなわち、陰極側にて燃料の酸化反応が行われ、陽極側にて酸素の還元反応が行われる。その結果、水素の一部が燃焼して水を生じる。また、本実施例では、水素ガス及び酸素ガスと混合する高沸点側の気体として、水蒸気を用いる。
図5は、本実施例にて用いる気体流量測定装置24の概略構成を示すブロック図である。図4に示すように、本実施例の気体流量測定装置24は、水素ボンベ25、窒素ボンベ26、酸素ボンベ27、第1流量制御手段28、第2流量制御手段29、第1飽和槽30、第2飽和槽31、燃料電池32、恒温槽33、第1トラップ槽34、第1温度センサ35、第2トラップ槽36、第2温度センサ37、第1流量計38、第2流量計39を備えている。
水素ボンベ25、窒素ボンベ26及び酸素ボンベ27は、各々水素ガス、窒素ガス及び酸素ガスを格納したボンベである。水素ガス及び酸素ガスが燃料電池32の発電に用いられるものであり、窒素ガスは水素ガス及び酸素ガスの置換用である。
第1流量制御手段28は、水素ガスの流量を制御するものであり、第2流量制御手段29は、酸素ガスの流量を制御するものである。水素ボンベ25から排出された水素ガスは、第1流量制御手段28にて流量が決定され、この流量で一定となるように制御されながら第1飽和槽30へと送られる。また、酸素ボンベ27から排出された酸素ガスは、第2流量制御手段29にて流量が決定され、この流量で一定となるように制御されながら第2飽和槽31へと送られる。なお、水素ガスを水素ボンベ25から排出する際の温度は室温とする。また、酸素ガスを酸素ボンベ27から排出する際の温度も同様に室温とする。
第1飽和槽30では、流入した水素ガスと、水素ガスよりも高沸点の気体である水蒸気とを混合した後に、水蒸気を飽和状態とする。第2飽和槽31では、流入した酸素ガスと、酸素ガスよりも高沸点の気体である水蒸気とを混合した後に、水蒸気を飽和状態とする。そして、水蒸気が飽和状態となった水素ガス及び水蒸気の混合気体は、燃料電池32へと送られる。また、水蒸気が飽和状態となった酸素ガス及び水蒸気の混合気体も、燃料電池32へと送られる。
燃料電池32は、燃料電池32の周囲温度を一定にするための恒温槽33内に設けられている。燃料電池32では、陰極側の水素ガス及び陽極側の酸素ガスが発電に供される。陰極側では酸化反応が行われ、水素ガスの一部が消費されて水を生じる。また、陽極側では還元反応が行われ、酸素ガスの一部が還元される。また、陰極側及び陽極側の反応では、熱を生じるため燃料電池32は高温環境となる。この結果、陰極側では、発電に用いられなかった水素ガスと、第1飽和槽30で混合された水蒸気と、発電により生じた水に起因する水蒸気とが残留する。同様に、陽極側では、発電に用いられなかった酸素ガスと、第2飽和槽31で混合された水蒸気とが残留する。また、水素ガスの一部は水素分子のままクロスリークして陰極側に漏れ出す場合もある。さらに、燃料電池32がスタックである場合には、シール部から外部へと水素ガスが拡散することにより、水素ガスの損失が発生する場合もある。
そして、陰極側で残留した水素ガス及び水蒸気の混合気体は第1トラップ槽34へと送られ、陽極側で残留した酸素ガス及び水蒸気の混合気体は第2トラップ槽36へと送られる。第1トラップ槽34では、第1温度センサ35を用いて室温状態にして、流入した混合気体を凝縮し、第2トラップ槽36では、第2温度センサ37を用いて室温状態にして、流入した混合気体を凝縮する。本実施例において、流量を測定する気体は水素ガス及び酸素ガスであり、この水素ガス及び酸素ガスは、上述のように、共に水素ボンベ25及び酸素ボンベ27から排出される際に、特に加熱又は冷却を行っておらず室温で排出されている。このため、第1トラップ槽34及び第2トラップ槽36での凝縮は室温で行われる。
第1トラップ槽34及び第2トラップ槽36にて凝縮された混合気体は、各々室温露点の気体となって第1流量計38及び第2流量計39に送られる。第1流量計38及び第2流量計39は、流入した混合気体の流量を測定する。本実施例では第1流量計38及び第2流量計39として熱線式流量計を用いる。熱線式流量計は、流体が流れる際の温度変化を流量に換算して表示する流量計である。本実施例においては、流量を測定する気体が水素ガス及び酸素ガスであるため、第1流量計38及び第2流量計39は、各々水素ガス及び酸素ガス用に目盛り付けされたものである。水素ガス用の目盛り付けとは、上記熱線式流量計が温度変化を流量に換算する際に用いる換算式は流体の種類によって異なるため、水素ガス用の換算式を用いて流量を表示することを意味する。酸素ガス用の目盛り付けに関しても同様である。
以上により、燃料電池32を通過した後の水素ガス及び水蒸気の混合気体の流量と、酸素ガス及び水蒸気の混合気体の流量とが測定される。
なお、上記にて測定された流量は、混合気体の流量であることから、この流量から水素ガス及び酸素ガスの正確な流量を求める必要がある。水素ガス及び酸素ガスの正確な流量は、上記にて測定した流量に、あらかじめ算出した補正値を用いて補正することにより算出する。補正値は、燃料電池のない系、すなわち、水素ガス及び酸素ガスの濃度変化のない系において、水素ガスと水蒸気との混合気体、及び酸素ガスと水蒸気との混合気体の流量を測定し補正グラフとして算出する。
図6ないし図12は、補正値を表したグラフである。図6ないし図12に示すグラフは、燃料電池のない系にて水素ガス及び水蒸気の混合気体、又は酸素ガス及び水蒸気の混合気体の流量を測定した結果であり、いずれの図においても、流量制御手段にて制御された流量の値から流量計にて測定された流量の値を引いた差の値を流量偏差として示している。補正値を求めるパラメータは、水素ガス及び酸素ガスの初期流量(各流量制御手段にて制御する流量)、系内(流路内)の圧力(背圧)、凝縮温度、低沸点側の気体の種類である。高沸点側の気体とは水蒸気である。
図6及び図7は、水素ガス及び酸素ガスの初期流量を変化させた場合の水素ガス及び酸素ガスの流量偏差を示すグラフである。図6及び図7は、水素ガス及び酸素ガスの双方にて、凝縮温度が5℃、16℃及び35℃の場合を示している。また、背圧は大気圧である。
図8ないし図10は、背圧を変化させた場合の水素ガスの流量偏差を示すグラフである。凝縮温度は、図8は5℃、図9は16℃、図10は35℃であり、各図において水素ガスの初期流量が2l/min、6l/min、及び9l/minの場合の流量偏差を示している。
図11及び図12は、背圧を変化させた場合の酸素ガスの流量偏差を示すグラフである。凝縮温度は、図11は16℃、図12は35℃であり、各図において酸素ガスの初期流量が2l/min、6l/min、及び9l/minの場合の流量偏差を示している。
図6ないし図12に示すグラフのように、補正値を表すグラフは、各条件において数点の流量を測定し、その間の値は線型補間、スプライン補間等の既存の手法によってもよいし、あるいは、その結果から最小自乗法等によって換算式を導き出してもよい。このようにして、真値へ変換するための補正値をグラフとして保持しておく。なお、本実施例では熱線式流量計について述べているが体積流量計、面積流量計であっても同様にして行えばよい。
上記図6ないし図12にて流量偏差として示した補正値を用いて、水素ガス及び酸素ガスの正確な流量を求めることができる。例えば、図6において、凝縮温度が35℃、水素ガスの初期流量が2l/minである場合の流量偏差は、−0.2l/minである。上記気体流量測定装置24において、第1流量制御手段28を流れる水素ガスの流量が2l/minであり、第1トラップ槽34での凝縮温度が35℃であり、背圧が大気圧である場合には、第1流量計38にて測定された流量値に、流量偏差の−0.2l/minを足せば、正確な水素ガスの流量となる。
なお、気体流量測定装置24の条件が、上記条件であることがあらかじめ分かっている場合には、該当する条件の補正値(−0.2l/min)を用いて、第1流量計38を水素ガス及び水蒸気の混合気体用に目盛り付けしておき、第2流量計39を酸素ガス及び水蒸気用に目盛り付けしておくことにより、その測定結果を示す値をもって正確な水素ガス流量、及び酸素ガス流量とすることができる。
以上のようにして、水素ガス及び酸素ガスの濃度が変化する系であっても、濃度変化後の水素ガス及び水蒸気の混合気体、又は酸素ガス及び水蒸気の混合気体の流量を測定するだけで、水素ガス及び酸素ガスの正確な流量を求めることができる。また、燃料電池の流入前の水素ガス流量と、燃料電池から排出された真の水素ガス流量を正確に測定することができるため、その差を求めることにより、燃料電池にて発電に供した水素ガスの正確な量を測定することが可能となる。これにより、例えば、燃料電池の特性評価に用いることができる。また、燃料電池本体から外部へと漏れ出す水素ガスがある場合には、発電量から発電に関わった水素ガス流量を求め、燃料電池に流入する水素ガス流量と排出された水素ガス流量との差と比較することによって、その漏れ出した水素ガスの量を求めることができる。
なお、本実施例における気体流量測定方法は、上記の燃料電池以外にも、例えば、酸素及び窒素と水蒸気との混合気体や、酸素及び窒素とエタノールガスとの混合気体の流量測定にも適用することができる。この場合、流量計は、空気用に目盛り付けされた流量計を用いればよい。
本発明に係る気体流量測定装置は、上記課題を解決するために、沸点の異なる2種類の気体が混合された混合気体の流量を測定する流量計を備えた気体流量測定装置であって、上記混合気体を凝縮する凝縮槽を備えていることを特徴としている。
本発明の気体流量測定装置は、上記構成に加え、上記凝縮槽にて混合気体を凝縮する温度を検出する温度検出器をさらに備えていることを特徴としている。
本発明の気体流量測定装置は、上記構成に加え、上記2種類の気体を混合する混合槽をさらに備えていることを特徴としている。
本発明の気体流量測定装置は、上記構成に加え、上記2種類の気体のうち、低沸点側の気体の流量を制御する流量制御手段をさらに備えていることを特徴としている。
本発明に係る気体流量測定方法は、上記課題を解決するために、沸点の異なる2種類の気体を混合する混合工程と、混合気体の流量を測定する流量測定工程とを含む気体流量測定方法であって、上記流量測定工程の前に、混合気体を凝縮する凝縮工程を含むことを特徴としている。
本発明の気体流量測定方法は、上記構成に加え、あらかじめ、上記2種類の気体のうち、低沸点側の気体の流量を測定した後に、2種類の気体を混合し、該混合気体の流量を測定することにより、混合気体に含まれる低沸点側の気体の流量値を補正する補正値を算出しておき、上記流量測定工程にて測定された流量値を、上記補正値を用いて補正する補正工程をさらに含むことを特徴としている。
本発明の気体流量測定方法は、上記構成に加え、上記凝縮工程は、2種類の気体のうち、高沸点側の気体を飽和状態にすることを特徴としている。
本発明に係る気体流量測定装置は、以上のように、沸点の異なる2種類の気体が混合された混合気体の流量を測定する流量計を備えた気体流量測定装置であって、上記混合気体を凝縮する凝縮槽を備えているので、流量計にて測定された流量値から混合気体の低沸点側の気体流量を正確に測定することができる。
すなわち、上記凝縮槽にて混合気体を凝縮することにより、混合気体のうち、高沸点側の気体の露点温度が分かり、その結果、高沸点側の濃度が既知となる。このため、例えば、凝縮した混合気体の流量を測定し、あらかじめ算出した補正値等を用いることにより、流量計にて測定した流量値から低沸点側の気体流量を測定することができる。補正値は、高沸点側の気体を所定の温度にて凝縮させ、この所定温度での飽和気体とした後に、この濃度既知の高沸点側の気体が存在することによる測定誤差を計測することにより算出することができる。このように、上記にて算出された補正値を用いることにより、流量計にて測定した混合気体の流量値を求めれば、高沸点側の気体の影響を排除して低沸点側の気体流量を正確に測定することができるという効果を奏する。
また、流量計としては、例えば熱線式流量計等の種々の流量計を用いることができ、これら種々の流量計は、従来の露点計と比較して応答速度が速く、しかも精度が良好なため、気体流量の測定を迅速かつ高精度に行うことができるという効果を併せて奏する。
上記の気体流量測定装置において、上記凝縮槽にて混合気体を凝縮する温度を検出する温度検出器をさらに備えているので、凝縮槽にて混合気体を凝縮する温度を所定温度に保つことができる。これにより、凝縮槽での凝縮を所望の温度にて行うことができるという効果を奏する。また、上記気体流量測定装置における測定精度は、流量計及び温度検出器の精度のみに依存し、これら流量計及び温度検出器は一般に高精度である。さらに、上記気体流量測定装置は、ペルチェ素子やピエゾ素子等のアクチュエータを用いていないため制御精度が要求されない。従って、気体流量測定装置のシステム全体としての精度に優れているという効果をも奏する。また、上記気体流量測定装置は、流量計、凝縮槽及び温度検出器から構成されているため、簡易な構成であるとともに、露点計を用いた装置と比較して安価であるという効果を併せて奏する。
上記の気体流量測定装置において、上記2種類の気体を混合する混合槽をさらに備えているので、沸点の異なる2種類の気体を混合槽にて混合すれば、均一に混合することができるという効果を奏する。
上記の気体流量測定装置において、上記2種類の気体のうち、低沸点側の気体の流量を制御する流量制御手段をさらに備えているので、混合する前の低沸点側の気体流量を所望の流量とすることができるという効果を奏する。例えば、気体流量測定装置が、低沸点側の気体の濃度が変化する系である場合に、上記流量計にて測定した流量値と流量制御手段にて制御した流量値とを比較することにより、濃度変化量を求めることができる。
本発明に係る気体流量測定方法は、以上のように、沸点の異なる2種類の気体を混合する混合工程と、混合気体の流量を測定する流量測定工程とを含む気体流量測定方法であって、上記流量測定工程の前に、混合気体を凝縮する凝縮工程を含むので、沸点の異なる2種類の気体を混合した混合気体のうち、低沸点側の気体流量を測定することができる。
すなわち、上記混合気体が完全に分離することが不可能な2種類の気体からなる混合気体であっても、混合気体を凝縮することにより、凝縮した温度における高沸点側の気体流量を既知とすることができる。このため、混合気体の流量を測定することにより、低沸点側の気体流量を算出することができる。従って、高価で取扱いに熟練を要するガスクロマトグラフィ等の分析機器を使用することなく、2種類の気体が混合された混合気体の流量を測定するだけで、混合気体の低沸点側の気体流量を測定することができるという効果を奏する。
上記の気体流量測定方法において、あらかじめ、上記2種類の気体のうち、低沸点側の気体の流量を測定した後に、2種類の気体を混合し、該混合気体の流量を測定することにより、混合気体に含まれる低沸点側の気体の流量値を補正する補正値を算出しておき、上記流量測定工程にて測定された流量値を、上記補正値を用いて補正する補正工程をさらに含むので、混合気体の低沸点側の気体流量をより正確に測定することができる。
すなわち、流量計にて測定された混合気体の流量値は、高沸点側の気体が存在することによる誤差を含む場合があり、あらかじめこの誤差を補正する補正値を求めておき、この補正値を用いて流量値を補正することにより、より正確な流量値を求めることが可能となる。なお、低沸点側の気体の流量を測定した後に、2種類の気体を混合して、この混合気体の流量を測定することにより高沸点側の気体が存在することによる誤差を求めることができる。補正値はこの誤差を用いて算出することができる。これにより、高沸点側の気体の影響を排除して低沸点側の気体流量を正確に測定することができるという効果を奏する。
上記の気体流量測定方法において、上記凝縮工程は、2種類の気体のうち、高沸点側の気体を飽和状態にするので、高沸点側の気体流量を既知とすることができるという効果を奏する。
本発明の気体流量測定装置は、前記課題を解決するために、沸点の異なる2種類の気体が混合された混合気体が流入するようになっており、流入した前記混合気体のうち、低沸点側の気体の濃度が変化する反応を行う反応槽と、前記反応槽から排出された前記混合気体が流入して、高沸点側の気体のみを凝縮する凝縮槽と、前記混合気体に含まれる低沸点側の気体の流量を補正するために予め算出された補正値を用いて、前記凝縮槽から排出された前記混合気体のうち、低沸点側の気体の流量を測定する流量計と、を備えることを特徴としている。
また、本発明の気体流量測定方法は、沸点の異なる2種類の気体が混合された混合気体が流入するようになっており、流入した該混合気体のうち、低沸点側の気体の濃度が変化する反応を行う反応工程と、前記反応工程から排出された前記混合気体が流入して、高沸点側の気体のみを凝縮する凝縮工程と、前記混合気体に含まれる低沸点側の気体の流量を補正するために予め算出された補正値を用いて、前記凝縮工程から排出された前記混合気体のうち、低沸点側の気体の流量を測定する流量工程と、を備えることを特徴としている。
さらに、本発明に係る気体流量測定装置では、前記の構成において、前記反応槽に流入する、前記2種類の気体のうちの低沸点側の気体の流量を制御する流量制御手段をさらに備え、前記流量制御手段にて制御された低沸点側の気体の流量と、前記流量計にて測定された低沸点側の気体の流量とから、前記反応槽にて反応に供した低沸点側の気体の反応量を測定する構成としてもよい。
さらに、本発明に係る気体流量測定装置では、前記の構成において、前記補正値は、高沸点側の気体を所定の温度にて凝縮して飽和気体とすることにより濃度既知とし、この濃度既知の高沸点側の気体の存在による測定誤差を計測することにより算出される構成としてもよい。
本発明に係る気体流量測定装置は、以上のように、沸点の異なる2種類の気体が混合された混合気体が流入するようになっており、流入した前記混合気体のうち、低沸点側の気体の濃度が変化する反応を行う反応槽と、前記反応槽から排出された前記混合気体が流入して、高沸点側の気体のみを凝縮する凝縮槽と、前記混合気体に含まれる低沸点側の気体の流量を補正するために予め算出された補正値を用いて、前記凝縮槽から排出された前記混合気体のうち、低沸点側の気体の流量を測定する流量計と、を備えることを特徴としている。
また、本発明に係る気体流量測定方法は、以上のように、沸点の異なる2種類の気体が混合された混合気体が流入するようになっており、流入した該混合気体のうち、低沸点側の気体の濃度が変化する反応を行う反応工程と、前記反応工程から排出された前記混合気体が流入して、高沸点側の気体のみを凝縮する凝縮工程と、前記混合気体に含まれる低沸点側の気体の流量を補正するために予め算出された補正値を用いて、前記凝縮工程から排出された前記混合気体のうち、低沸点側の気体の流量を測定する流量工程と、を備えることを特徴としている。