JP4874693B2 - 画像処理装置及びその処理方法 - Google Patents
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Description
図1は本実施の形態における概念を説明するための図である。自動車にカメラを装着し、時間すなわち自動車の位置を少しずつ変えて対象物である市街地を撮影し、これら複数の撮影画像における追跡結果から、カメラの位置座標すなわち自動車の軌跡を求める例である。これによりカーナビゲーションに自動車の位置を連続的に表示可能になるが、GPS電波を受信できない区間で補完的に利用される意義も大きい。以下の実施の形態では、撮影画像において、誤って対応付けされた特徴点、動きのある特徴点、揺らぎの大きい特徴点等の誤対応点については、カメラの位置座標を求めるのに不適当であるため除去する。なお、第1の実施の形態では、残差算出部で算出された残差の時系列データに基づいて特徴点を不適切と判定する例を説明する。
以下に、必要に応じ、各工程について説明する。
特徴抽出部3では各撮影画像から特徴点を抽出する(S110、図5参照)。典型的には初期フレームでは全画面から抽出を行い、次のフレームからは、初期フレームと重複しない新たな画面領域から抽出が行われる。初期フレームにおける特徴点の抽出には、例えばMORAVECオペレータ(H. P. Moravec. Towards Automatic Visual Obstacle Avoidance. Proc. 5th International Joint Conference on Artificial Intelligence, pp. 584, 1977.)や、Hariss,Pressy,Susanなどのオペレータを適宜採用できる。
図5に特徴点追跡の処理フロー例を示す。特徴点追跡部4では、特徴抽出処理により選点された各特徴点を追跡処理する(S120)。すなわち、特徴点に対応する候補対応点を求め、特徴点の移動ベクトル及び画面相対移動量を求め、さらに、これらを連結して移動軌跡を求める。画面相対移動量とは撮影カメラと撮影対象間の画面上での相対的移動量であり、移動ベクトルとは二次元の撮影画像上における各特徴点の相対的移動ベクトルをいう。特徴点の追跡にあたり、まず、隣接撮影画像についてテンプレートマッチングを行い(S13)、特徴点に対応する候補対応点を求める。これにより各特徴点の移動ベクトルが求められる。また、隣接撮影画像を用いて射影変換することにより(S15)、撮影カメラに対する画面相対移動量が求められる。すなわち、フレーム間の全体的な移動は、時間的に非常に短いことから、射影変換によりほぼ近似できるものとの仮定をおき、射影変換により画面相対移動量を推定する。次に、各特徴点の移動ベクトルをフレーム間の画面相対移動量と比較し、移動ベクトルの良否を判断する(S14)。そして、異常な動きを示す誤対応と思われる候補対応点を除去する(S16)。工程S15とS16を繰り返すことにより射影変換の精度が向上する。
次に、標定計算について説明する。
図6は相互標定を説明するための図である。モデル座標系の原点を左側の投影中心にとり、右側の投影中心を結ぶ線をX軸にとるようにする。縮尺は、基線長を単位長さにとる。このとき求めるパラメータは、左側のカメラのZ軸の回転角κ1、Y軸の回転角φ1、右側のカメラのZ軸の回転角κ2、Y軸の回転角φ2、X軸の回転角ω2の5つの回転角となる。この場合左側のカメラのX軸の回転角ω1は0なので、考慮する必要はない。
(i)パラメータ(κ1、φ1、κ2、φ2、ω2)の初期近似値は通常0とする。
(ii)共面条件式(2)を近似値のまわりにテーラー展開し、線形化したときの微分係数の値を式(3)、(4)により求め、観測方程式をたてる。
(iii)最小二乗法を適用して、近似値に対する補正量を求める。
(iv)近似値を補正する。
(v)補正された近似値を用いて(ii)〜(v)までの操作を収束するまで繰り返す。
収束した場合、更に接続標定を行なう。これは、各モデル間の傾き、縮尺を統一して同一座標系とする処理である。
ΔXj=(Xjr−Xjl)/(Z0−Zjl)
ΔYj=(Yjr−Yjl)/(Z0−Zjl)
ΔZj=(Zjr−Zjl)/(Z0−Zjl)
ΔDj=√(ΔXj 2+ΔYj 2)
(ΔXjlΔYjlΔZjl)):統一された座標系の第j番目の左モデル
(ΔXjrΔYjrΔZjr):統一された座標系の第j番目の右モデル
ΔZjおよびΔDjが0.0005(1/2000)以下なら接続標定が正常に行われたとみなされる。正常に行われなかった場合は、標定結果表示でエラーを出力しどこの画像が悪いか表示する。この場合、画像上に別の標定点があれば変更して(ii)〜(v)までの上記計算を繰り返す。だめなら標定点の配置変更を行なう。
次に三次元計測に用いるバンドル調整について説明する。バンドル調整は、(5)式に示すように対象空間座標(X,Y,Z)とその画像座標(x,y)、及び投影中心(X0,Y0,Z0)が同一直線上に存在するという共線条件式を基本としている。
前述の対応点追跡部4における追跡処理により、全てのフレームに対して、特徴点の対応付けがされていることになる。しかし、これらの対応付けは2次元的な解析によるものであり、実際には擬似特徴点、擬似基準点のような不適切な特徴点や対応点が含まれるおそれがある。
そこで本実施の形態ではかかる擬似特徴点、擬似基準点、誤って対応付けされた特徴点、撮影対象物と異なる動きをする物に付された特徴点等、三次元計測に不適切な特徴点や対応点(対応特徴点)、すなわち誤対応点の除去を行なう。これらの不適切な対応特徴点の除去は、標定処理及び三次元計測処理の結果を用いて、対応点評価除去部8において、図3の逆投影工程(S170)〜誤対応点等削除工程(S190)で行なわれる。
逆投影部81において、三次元計測工程(S160)で求められた対応特徴点の三次元座標を撮影画像に逆投影する(S170)。逆投影は、基本的には共線条件式(5)に代入することにより行われる。共線条件式は、対象空間座標(X,Y,Z)とその画像座標(x,y)、及び投影中心(X0,Y0,Z0)が同一直線上に存在するという共線条件式(5)を基本としている。また、逆投影の投影中心(X0,Y0,Z0)として、三次元計測工程(S160)で求められた撮影装置の位置が用いられる。
次に、残差算出部82で、対応特徴点が付された一連の撮影画像について、対応特徴点の座標と逆投影された対応特徴点の座標との残差を算出する(S175)。残差については、たとえば全体の平均二乗誤差σを求め、この値の例えば3倍(3σ)を閾値とする。この場合、ループ処理(S140〜S190)を繰り返してすべての閾値が3σを下回った時点で終了とする。なおこれらの統計的な性質が使えるだけの特徴点数が必要であるが、一連の撮影画像から多数のステレオ画像を選択して処理することにより十分可能である。
三次元計測の結果には、誤対応点、すなわち不適切な特徴点や対応点が含まれている可能性がある。もし三次元計測に不適切な特徴点や対応点があれば、時系列データのいずれかの残差に反映される可能性が高いと推測される。そこで、残差計測の結果から、画像上の残差が大きいものを取り除くことにより誤対応点を除去する(S185〜S190)。
この場合、左右のステレオペアA,Bの時点で残差が小さいが、実際は擬似特徴点などの誤対応点と考えられる。したがってこのステレオペアA,Bとその間にあるフレーム上の対応点はAB間の全期間で除去される。
この場合、ステレオペアA,Bに挟まれるフレームのうち残差が大きいフレームだけ対応点を除去することになるが、残差が大きいフレームが極端に多い点については第1の例とおなじく対応点はA,B間の全期間で除去される。具体的には、ステレオペアA,B間の6割以上で残差が大きくかつ連続性がない(たとえば1秒以上連続したものがない)場合には第1の例と同じく対応点はA,B間の全期間で除去される。
この場合、対応点は三次元的に移動していたか擬似基準点であったと考えられ、誤対応点として除去する。ただし、残差が非常に小さいフレームが連続する場合は(たとえば1秒以上連続した場合)、この期間では移動していないと判定できるので、その部分については除去しない。
この場合、ステレオペアA,B上の対応点とステレオペアA,Bに挟まれるフレーム上の対応点に問題はない。しかしそれ以外のフレーム上の残差が大きい点については除去する。
次に、対応点評価除去部8で削除された対応特徴点を除いて、再度、ステレオ画像選択(S140)、標定(S150:第2の標定工程)、三次元計測が行なわれる(S160:第2の三次元計測工程)。これらの工程では、検出された誤対応点、すなわち不適切な対応特徴点を除いて処理が行なわれ、全体の残差が閾値以下になるまで繰り返されるので、高精度の三次元座標が算出される。
以上より、本実施の形態によれば、三次元計測に不適切な特徴点や対応点を特定し削除する処理が必要とされるような動画像等の時系列的に変化する撮影画像の場合においても、不適切な特徴点や対応点を除去して三次元計測ができるので、動画像等の時系列的に変化する撮影画像から、撮影装置の撮影位置、姿勢又は対象物の座標を精度良く計測できる画像処理装置及びその処理方法を提供できる。
第1の実施の形態では、特徴点適否判定部は、残差算出部で算出された残差の時系列データに基づいて前記特徴点を不適切と判定する例を説明したが、本実施の形態では、前記残差算出部で算出された残差が所定の閾値を超える場合に前記特徴点を不適切と判定する例を示す。残差は、たとえば全体の平均二乗誤差σを求め、この値の3倍(3σ)を閾値とする。より高精度な結果を求める場合は、2σまで閾値を下げても良い。また、特徴点適否判定部での判定回数を重ねるにつれて、閾値を小さくして精度を高めることも可能である。このように閾値で判定する場合には、時系列データを参照するまでもなく、自動的に残差の大きい対応特徴点を一律に削除できる。典型的には、いずれかの時点でかかる閾値を超える対応特徴点が見出された場合には、全撮影画像から当該対応特徴点を削除するが、例えば3回連続して閾値を超えた場合に削除する、閾値を超えた近くの対応特徴点のみ削除する等、除去条件を適宜定めることも可能である。その他の点では第1の実施の形態と同様である。
本実施の形態は、対応特徴点を削除するだけでなく、残差の大きい対応特徴点を多数有する撮影画像を画像ごと除去する例である。したがって、いずれかの撮影画像について、残差の大きい対応特徴点が多数見出された場合には、当該画像自体を一連の撮影画像から削除して、ステレオ画像選択、標定、三次元計測を含むループ処理を行なう。揺らぎや瞬時の動き等により特徴点全体が不安定になる画像が生じた場合に、その特徴点を除いて三次元計測の信頼度を高めるためである。その他の点では第1の実施の形態と同様である。
本実施の形態は、残差算出部で算出された残差の時系列データに基づいて移動している対応特徴点を抽出する例を示す。残差が時系列に一定の傾向で安定に推移している対応特徴点は、移動している特徴点であると判断する。例えば、一定の割合で残差が増加又は減少する特徴点、緩やかな周期で残差が変化する特徴点等である。これらの特徴点については、例えばステレオ画像間における移動体の座標差(距離)を一定値に仮定する等により、移動体の三次元座標の軌跡を推測することも可能である。その他の点では第1の実施の形態と同様である。
第1の実施の形態では、三次元座標の算定において、複数のステレオ画像から求められた三次元座標を統計処理して各特徴点の三次元座標を算定し、これを撮影画像上に逆投影して残差を求めたが、本実施の形態では、個別のステレオ画像から求められた三次元座標を撮影画像上に逆投影して残差を求める。この場合、第1の実施の形態に比して残差は表れ難いが、例えば基線長を十分に取れば、不安定な特徴点は残差が現れ易いので、不適切な特徴点を除去可能である。その他の点では第1の実施の形態と同様である。
本実施の形態では、ステレオ画像選択部は、ステレオ画像の基線長と三次元座標の測定精度との関係を表す対応表を有し、対応表から要求精度を満たす基線長となるようにステレオ画像を選択する例を示す。測定精度は基線長に依存するので、要求精度に合わせてステレオ画像の基線長を決めることにより、要求に合った三次元計測結果を提供できる。その他の点では第1の実施の形態と同様である。
第1の実施の形態では、撮影対象が静止状態で、撮影装置が移動する例について説明したが、本実施の形態は撮影装置が静止状態で、撮影対象が移動する例である。この場合においても、本来の対象物の他に、撮影装置と対象物の間に動くものが割り込んだり、撮影装置に揺動が生じる場合があり、特徴点を追跡し、動画像等の順次少しずつ変化する撮影画像における対象物に係る特徴点の三次元座標を求めることができる。また、対象物自体が回転するようなものであれば、その特徴点が消失と復活を繰り返すので、本発明を適用可能である。また、複数の対象物が異なる動きをする場合もあり、このような場合についてもそれぞれの対象物について本発明を適用可能である。
2 撮影画像取得部
3 特徴抽出部
4 特徴点追跡部
5 演算処理部
6 ステレオ画像選択部
7 標定処理・三次元計測部
8 対応点評価除去部
9 対応点情報メモリ
10 画像メモリ
11 表示部
81 逆投影部
82 残差算出部
83 対応点適否判定部
84 誤対応点削除部
100 画像処理装置
Claims (9)
- 対象物を撮影した撮影画像であって、隣り合う3以上の画像が重複部分を共有するように時系列的に撮影した一連の撮影画像を取得する、前記対象物に対して相対的に移動する撮影画像取得部と;
前記時系列的に撮影されたいずれかの撮影画像から特徴点を抽出する特徴抽出部と;
前記一連の撮影画像について前記特徴点を追跡し、特徴点を相互に対応付ける特徴点追跡部と;
前記一連の撮影画像から対をなす画像であるステレオ画像を選択するステレオ画像選択部と;
前記ステレオ画像選択部で選択されたステレオ画像の前記相互に対応付けられた特徴点である対応特徴点を用いて、標定および三次元計測を行なう標定処理・三次元計測部と;
前記標定処理・三次元計測部において前記三次元計測により求められた前記対応特徴点の三次元座標を前記特徴点追跡部にて特徴点が追跡された前記一連の撮影画像の各撮影画像に逆投影する逆投影部と;
前記各撮影画像について、前記特徴点追跡部で求められた対応特徴点の撮影画像上の座標と前記逆投影部において逆投影された対応特徴点の撮影画像上の座標との残差を算出する残差算出部と;
前記残差算出部で算出された残差の時系列データに基づいて、前記対応特徴点の三次元計測への適否を判定する対応点適否判定部と;
前記対応点適否判定部で不適切と判定された対応特徴点を削除する誤対応点削除部とを備え;
前記標定処理・三次元計測部は、前記対応特徴点から前記誤対応点削除部により削除された対応特徴点を除いて、再度標定および三次元計測を行なう;
画像処理装置。 - 前記標定処理・三次元計測部は、前記ステレオ画像選択部で選択されたステレオ画像として、基線長がほぼ等しい複数のステレオ画像からの計測値を統計処理して前記対応特徴点の三次元座標を求める;
請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記対応点適否判定部は、前記残差算出部で算出された残差が所定の閾値を超える場合に前記対応特徴点を不適切と判定する;
請求項1又は請求項2に記載の画像処理装置。 - 前記所定の閾値は、前記対応点適否判定部での判定回数毎に可変とする;
請求項3に記載の画像処理装置。 - 前記対応点適否判定部は、前記残差算出部で算出された残差の時系列データに基づいて前記対応特徴点の適否を判定する;
請求項1又は請求項2に記載の画像処理装置。 - 前記対応点適否判定部は、前記残差の時系列データにおいて、残差が異常に大きいデータを含む対応特徴点が見出された場合に、当該対応特徴点を不適切と判定する;
請求項5に記載の画像処理装置。 - 前記対応点適否判定部は、前記残差の時系列データに基づいて、前記対応特徴点が移動中の点であるか否かを判定する;
請求項5に記載の画像処理装置。 - 撮影画像を取得する撮影画像取得部に対して相対的に移動する対象物を撮影した撮影画像であって、隣り合う3以上の画像が重複部分を共有するように時系列的に撮影した一連の撮影画像を取得する撮影画像取得工程と;
前記時系列的に撮影されたいずれかの撮影画像から特徴点を抽出する特徴抽出工程と;
前記一連の撮影画像について前記特徴点を追跡し、特徴点を相互に対応付ける特徴点追跡工程と;
前記一連の撮影画像からステレオ画像を選択するステレオ画像選択工程と;
前記ステレオ画像選択工程で選択されたステレオ画像の前記対応特徴点を用いて、標定を行なう第1の標定工程と;
前記第1の標定工程の標定結果を用いて三次元計測を行なう第1の三次元計測工程と;
前記ステレオ画像から前記第1の三次元計測工程で求められた前記対応特徴点の三次元座標を前記特徴点追跡工程にて特徴点が追跡された前記一連の撮影画像の各撮影画像に逆投影する逆投影工程と;
前記各撮影画像について、前記特徴点追跡工程で求められた対応特徴点の撮影画像上の座標と前記逆投影工程において逆投影された対応特徴点の撮影画像上の座標との残差を算出する残差算出工程と;
前記残差算出工程で算出された残差の時系列データに基づいて、前記対応特徴点の三次元計測への適否を判定する対応点適否判定工程と;
前記対応点適否判定工程で不適切と判定された対応特徴点を削除する誤対応点削除工程と;
前記対応特徴点から前記誤対応点削除工程で削除された対応特徴点を除いて、再度標定を行なう第2の標定工程と;
前記第2の標定工程の標定結果を用いて三次元計測を行なう第2の三次元計測工程とを備える;
画像処理方法。 - 請求項8に記載の画像処理方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラム。
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