JP4874607B2 - 物体測位装置 - Google Patents
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Description
以下、この実施の形態1において、「相対座標」とはカメラを中心とした3次元の座標系における座標を指し、「地理座標」とは地理座標系における座標(緯度、経度、標高)を指し、「画像座標」とは2次元の画像上の座標(正規化カメラ座標)を指し、「対象物」とは検出の対象となっている物体を指すものとする。
図3はこの発明の実施の形態1による物体測位装置の初期化フェイズの処理手順を示すフローチャートである。この初期化フェイズは映像中に対象物を初めて検出して対象物の事前分布を予測する段階である。
L(xt|yt)=P(Yt=yt|xt) (1)
上記尤度関数Lは、画像ytを観測したときの対象物の情報xtの尤もらしさを表す指標と考えることができる。
以下では、道路標識の大きさと、種類、カメラからの相対座標の情報を収集する状況を想定する。また、時刻tにおける対象物の大きさをstとし、時刻tにおける対象物の種類をatとし、時刻tにおける対象物の相対座標をztとし、時刻tにおける対象物の情報をxt={zt,at,st}とする。
L(xt|yt)=exp(K(rt,at))/(exp(K(rt,at))
+exp(−K(rt,at))) (4)
Jerome Friedman,Trevor Hastie and Robert Tibshirani,“Additive Logistic Regression: a Statistical View of Boosting”,Ann.Statist. 28,no.2(2000),pp.337-407
[参考文献2]
Viola,P.;Jones,M.,“Rapid Object Detection Using a Boosted Cascade of Simple Features”,IEEE Computer Society Conference on Computer Vision and Pattern Recognition(CVPR),ISSN:1063-6919,Vol.1,pp.511-518,December 2001
ここで、事前分布は過去の画像y1:t-1に依存せず、また、対象物の位置と大きさと種類はそれぞれ独立であると仮定すると、次の式(5)のように分解できる。
P(xt|y1:t-1)=Pz(zt)Pa(at)Ps(st) (5)
ここで、xt={zt,at,st}であり、Pz(zt)は対象物の相対座標の事前情報を反映した確率分布とし、Pa(at)は対象物の種類の事前情報を反映した確率分布とし、Ps(st)は対象物の大きさの事前情報を反映した確率分布とする。
Ps(st)=Asexp(−Bs(st−s0)2) (6)
ここで、Asは規格化定数であり、Bsは分布の広がりを調節する定数である。
Pa(at)=1/N (全てのatに対して) (7)
ここで、Nは対象物の種類の総数である。
Pz(zt)=Azexp(−Bz(zt−z0)2) (8)
ここで、Azは規格化定数であり、Bzは分布の広がりを調節する定数である。
P(xt|y1:t-1)=C×L(xt|yt)×P(xt|y1:t-1) (10)
ここで、Cは規格化定数である。また、L(xt|yt)は観測部102が求めた尤度関数で、P(xt|y1:t-1)は事前分布計算部103が算出した事前分布である。また、事後分布P(xt|y1:t-1)は、時刻1からt−1までの画像y1:t-1を与えたときの対象物の情報xtの条件付確率分布である。
図5は推定部104が求めたzt(1)の事後分布の例を示す図である。図5(a)と図5(b)において、事後分布を最大化するような値はどちらもmである。しかし、図5(a)に示す事後分布は分布の広がりが大きいため、出力した値mの精度が低い(信頼度が低い)と解釈することができる。一方、図5(b)に示す事後分布は分布の広がりが小さいため、出力した値mの精度が高い(信頼度が高い)と解釈することができる。
以下では、時刻tにおけるカメラの位置情報及び姿勢情報をGtとする。また、時刻1からtまでのカメラの位置情報及び姿勢情報をG1:tとする。
例えば、予測部106は、次の式(11)に従って事前分布を予測しても良い。
P(xt+1|xt,G1:t+1)
=P(zt+1|zt,G1:t+1)P(at+1|at)P(st+1|st) (12)
ここで、P(zt+1|zt,G1:t+1)は対象物の相対座標の状態遷移確率分布であり、P(at+1|at)は対象物の種類の状態遷移確率分布であり、P(st+1|st)は対象物の大きさの状態遷移確率分布である。
P(zt+1|zt,G1:t+1)
=Aexp(−B(zt+1−zt−Tt)2) (13)
ここで、Ttはカメラの位置情報とカメラの姿勢情報から算出した対象物の相対座標の移動ベクトルである。また、zt+Ttは次の時刻における対象物の相対座標の予測値である。このように、予測部106は、位置情報取得部105により取得されたカメラ位置情報及び姿勢情報を用いて、次の時刻における対象物の相対位置の確率分布を求めて、時々刻々と対象物の相対座標及び画像座標を追跡(トラッキング)する。
P(at+1|at)=0.6δ(at+1−at)+0.2δ(at+1−α)
+0.2δ(at+1−β) (14)
ここで、α、βは対象物の種類のインデックスである。これは、時刻t+1における対象物の種類が、確率0.6で種類atに、確率0.2で種類αに、確率0.2で種類βに遷移することを表している。
P(st+1|st)
=Asexp(−Bs(st+1−st)2) (15)
ここで、Asは規格化定数であり、Bsは対象物の大きさの測定精度により決定される定数である。
例えば、推定部104は、次の式(16)に示すベイズの定理を用いて、対象物の情報の事後分布P(xt+1|y1:t+1,G1:t+1)を推定しても良い。
P(xt+1|y1:t+1,G1:t+1)
=C×L(xt+1|yt+1)×P(xt+1|y1:t,G1:t+1) (16)
ここで、Cは規格化定数である。また、P(xt+1|y1:t,G1:t+1)は前の時刻において予測部106が予測した事前分布であり、L(xt+1|yt+1)は観測部102が求めた尤度関数である。
その他の処理の方法は前述したステップST104の方法と同一であるので、ここでは記述を省略する。
予測された事前分布は、次の時刻(時刻t+2)において、推定部104が事後分布を推定するために用いる。
このとき、検出部107は、例えば、推定部104により推定された事後分布P(xt+1|y1:t+1,G1:t+1)=P(zt+1,at+1,st+1|y1:t+1,G1:t+1)を最大とするような値を対象物の情報の検出値としても良い。すなわち、検出部107は、次の式(18)に従って、時刻t+1における対象物の相対座標の検出値
例えば、まず、検出部107は下記の式(19)の条件を満たすzt+1を抽出する。
次に、検出部107は、抽出したzt+1のうち、距離が近いデータをまとめてグループ化する。ここで、グループ化の方法には、例えばk−meansアルゴリズム等の既存のクラスタリングアルゴリズムを用いても良い。
w=Qt+1zt+1+Pt+1 (21)
ここで、zt+1は検出部107により算出された対象物の相対座標である。Qt+1は、時刻t+1におけるカメラ座標系から地理座標系へ座標変換を行うための行列であり、位置姿勢取得部105により取得されたカメラの姿勢情報から求めることができる。また、Pt+1は時刻t+1におけるカメラの地理座標であり、位置姿勢取得部105により取得されたカメラの位置情報から求めることができる。
通常、位置姿勢取得部105により取得されたカメラの位置情報及び姿勢情報には計測誤差が伴う。このため、位置姿勢取得部105により取得されたカメラの位置情報やカメラの姿勢情報に対して、例えばカルマンフィルタを用いて計測誤差を低減し、Qt+1及びPt+1を算出する。
例えば、画像取得部101が“速度規制”の道路標識が写る画像を取得したところ、日照変化や遮蔽等が原因で、図7(a)に示す時刻tにおける対象物の種類に関する尤度関数が得られたとする。この場合、もし、尤度関数のみを使用して対象物の種類を判断すると、最も尤度の大きな“駐車禁止”が誤って選択されてしまう。
[参考文献3]
S.Arulampalam,S.Maskell,N.J.Gordon,and T.Clapp,“A Tutorial on Particle Filters for Online Non-linear/Non-Gaussian Bayesian Tracking”,IEEE Transactions on Signal Processing,Vol.50(2),pages 174-188,February 2002.
図8はこの発明の実施の形態2による物体測位装置の構成を示すブロック図である。この物体測位装置は、上記実施の形態1の図1に示す構成に、対象物情報データベース110を追加したものであり、その他の構成は図1と同じである。
上記実施の形態1では、データベース100に記憶されている映像情報並びにその映像情報に同期して計測されたカメラの位置情報及び姿勢情報に基づき、対象物の情報の確率分布を求める方法について説明しているが、この実施の形態2では、予め与えられた対象物情報データベース110を利用して、対象物の情報の確率分布を求める方法について説明する。
事前分布計算部103は、対象物情報データベース110に記憶されている情報Dに基づき、対象物の事前情報を反映した確率分布を対象物の情報の事前分布として算出する。ここで、対象物の情報の事前分布とは、時刻1からt−1までの画像y1:t-1と、対象物情報データベース110に記憶されている情報Dを与えたときの、対象物の情報xtの条件付確率分布P(xt|y1:t-1,D)のことを指す。
P(xt|y1:t-1,D)
=Pz(zt|D)Pa(at|D)Ps(st|D) (22)
ここで、xt={zt,at,st}であり、Pz(zt|D)は対象物情報データベース110に基づいた対象物の相対距離の確率分布、Pa(at|D)は対象物情報データベース110に基づいた対象物の種類の確率分布、Ps(st|D)は対象物情報データベース110に基づいた対象物の大きさの確率分布である。
Pz(st)=Asexp(−Bs(st−s0)2) (23)
ここで、Asは規格化定数であり、Bsは分布の広がりを調節する定数である。対象物情報データベース110に記憶されている対象物の大きさs0の精度が悪い(信頼度が低い)場合はBsを小さく設定する。また、s0の精度が良い(信頼度が高い)場合にはBsを大きく設定する。
Pa(at)=1(at=a0の場合)
Pa(at)=0(その他の場合) (24)
Pz(zt)=Azexp(−Bz(zt−H(w0))2) (25)
ここで、Hは地理座標系の座標をカメラ座標系の座標に変換する関数であり、位置姿勢取得部105で取得したカメラの位置情報とカメラの姿勢情報から求めることができる。また、Azは規格化定数であり、Bzは分布の広がりを調節する定数である。例えば、対象物情報データベース110に記憶されている対象物の大きさw0の精度が悪い場合は、Bzを小さく設定する。また、w0の精度が良い場合には、Bzを大きく設定する。
Claims (10)
- 映像情報並びにその映像情報に同期したカメラの位置情報及び姿勢情報を記憶するデータベースと、
該データベースに記憶されている映像情報から画像を取得する画像取得部と、
該画像取得部により取得された画像上に射影された対象物を囲む矩形領域に含まれる色のヒストグラムを利用して、対象物の情報の尤度関数を求める観測部と、
該観測部により求められた対象物の情報の尤度関数と予測された対象物の情報の確率分布である事前分布に基づき、ベイズ定理を用いて対象物の3次元座標、対象物の種類、対象物の大きさ等の対象物の情報の確率分布を同時に更新して対象物の情報の事後分布を推定する推定部と、
上記データベースに記憶されているカメラの位置情報及び姿勢情報を取得する位置姿勢取得部と、
該位置姿勢取得部により取得されたカメラの位置情報及び姿勢情報を用いて、次の時刻における対象物の相対位置の確率分布を求めて時々刻々と対象物の相対座標を追跡し、該追跡した対象物の相対座標と上記推定部により推定された対象物の情報の事後分布に基づき、対象物の情報の事前分布を予測する予測部と、
上記推定部により推定された対象物の情報の事後分布を最大とする値を検出値として算出する検出部と、
該検出部により算出された対象物の情報の検出値と上記位置姿勢取得部により取得されたカメラの位置情報及び姿勢情報に基づき、対象物の地理座標を算出する測位部とを備えた物体測位装置。 - 上記観測部は、対象物の地理座標や相対座標、種類、大きさ、向き、経年変化、対象物の周辺情報等の対象物の情報の尤度関数を求めることを特徴とする請求項1記載の物体測位装置。
- 上記推定部は、推定した対象物の情報の事後分布の分布状況に基づき、分布幅が小さい場合には対象物の情報の精度が高く、分布幅が大きい場合には対象物の情報の精度が小さいと推定することを特徴とする請求項1記載の物体測位装置。
- 上記推定部は、前の時刻で求めた対象物の情報の確率分布を用いて現在の時刻における確率分布の推定を行うことにより、各画像から得られる対象物の情報を時々刻々と累積していき、対象物の情報の確率分布を更新して対象物の情報の事後分布を推定することを特徴とする請求項1記載の物体測位装置。
- 上記予測部は、カメラの位置情報及び姿勢情報の測定精度を状態遷移確率分布によってモデル化して、対象物の情報の事前分布を予測することを特徴とする請求項1記載の物体測位装置。
- 上記検出部は、上記推定部により推定された事後分布の分布状況に基づき、分布幅が小さい場合には対象物の情報の検出値の精度が高く、分布幅が大きい場合には対象物の情報の検出値の精度が小さいと判定することを特徴とする請求項1記載の物体測位装置。
- 上記検出部は、画像に複数の対象物が同時に移っている場合に、対象物の相対座標の距離が近い情報をグループ化し、各グループに属する対象物の情報を加算して対象物の大きさの検出値および種類の検出値を算出することにより、複数の対象物の情報の検出値を算出することを特徴とする請求項1記載の物体測位装置。
- 対象物の事前情報を反映した確率分布を対象物の情報の事前分布として算出する事前分布計算部を備え、
上記推定部は、上記観測部により求められた対象物の情報の尤度関数と上記事前分布計算部により算出された対象物の情報の事前分布に基づき、対象物の情報の確率分布を更新して対象物の情報の事後分布を推定することを特徴とする請求項1記載の物体測位装置。 - 対象物の情報を記憶する対象物情報データベースを備え、
上記事前分布計算部は、上記対象物情報データベースに記憶されている対象物の情報に基づき、対象物の事前情報を反映した確率分布を対象物の情報の事前分布として算出することを特徴とする請求項8記載の物体測位装置。 - 上記対象物情報データベースは対象物の情報の精度を記憶し、
上記事前分布計算部は、上記対象物情報データベースに記憶されている対象物の情報の精度に基づき、対象物の情報の事前分布を算出することを特徴とする請求項9記載の物体測位装置。
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