JP4872374B2 - 空圧センサ装置及び空圧センサ装置の閾値設定方法 - Google Patents

空圧センサ装置及び空圧センサ装置の閾値設定方法 Download PDF

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Description

本発明は、ドア、扉、蓋体等の開閉手段を有する空間において当該開閉手段の開放を検知する空圧センサ装置及び空圧センサ装置の閾値設定方法に関する。
従来、自動車のドアの開閉による車内空間の気圧の変化を検知する空圧センサを用いた自動車盗難防止用の空圧センサ装置が知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。このような空圧センサ装置は、車内空間内に配置されている空圧センサと、この空圧センサと接続されている圧力変化検知回路と、この圧力変化検知回路と接続されている警報装置とを有する。窃盗を試みる者が自動車のドアを開けると、このドアが開放されることにより車内空間の気圧が変化し、この気圧変化が空圧センサにより電圧変化へ変換され、この電圧変化が圧力変化検知回路により予め定めてある閾値を越えたと判定される場合に、警報装置により警報が発せられる。
特開2002−370618号公報 実用新案登録第3105130号公報
しかし、上記空圧センサ装置では、圧力変化検知回路又はプログラム内における閾値を予め設定しておく必要がある。この閾値を変更する場合はスイッチやボリューム抵抗等により手動によって設定しなければならない。そして、この閾値の設定は車内空間の空間容積やドアの面積に応じて適切に設定する必要がある。この閾値が適切に設定されていない場合、ドアの開放に起因しない僅かな気圧変化によっても警報が発せられたり、あるいは、ドアが開放されたにもかかわらず警報が発せられなかったりするという問題点がある。
さらに、車内空間の空間容積やドアの面積が同じ場合でも、空圧センサが配設されている位置によっても閾値を調整する必要がある。一般に自動車の車内空間には複数のドアが設けられているが、空圧センサと各ドアとの間の距離が異なる場合が多い。このような場合には、空圧センサに最も遠い位置のドアの開放による最も弱い気圧変化を基準にして圧力変化検知回路における閾値を定める必要があるが、各ドアの面積の相違を考慮する必要もあり、適切な閾値の設定を手動により行う事が難しかったという問題点がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、簡単な操作により開閉手段の開放を検知するための閾値を自動的に設定することができる空圧センサ装置及び空圧センサ装置の閾値設定方法を提供することを目的とする。
本発明に係る空圧センサ装置は、1以上の開閉手段を備えた空間において開閉手段の開放に伴う空間の気圧変化を電圧変化へ変換する空圧センサと、
前記空圧センサの出力電圧に基づき空圧センサ装置を制御するマイクロコンピュータとを有する空圧センサ装置であって、
前記空圧センサ装置は学習モードと通常モードとを有し、
前記学習モードは開閉手段の開放を検知するための閾値を自動的に設定するモードであり、前記通常モードは前記閾値に基づき開閉手段の開放を検知するモードであり、
前記学習モードにおいて、前記マイクロコンピュータは、全ての開閉手段が閉鎖されている状態における前記空圧センサの出力電圧である通常電圧と、1以上の各開閉手段の開放による空間の最大減圧時における最低電圧と前記通常電圧との差電圧である第1差電圧V1と、反動波による空間の最大加圧時における最高電圧と前記通常電圧との差電圧である第2差電圧V2とを計測し、前記第1差電圧V1よりも小さな電圧値になるように第1閾値電圧V4を、また前記第2差電圧V2よりも小さな電圧値になるように第2閾値電圧V5を設定し、
前記通常モードにおいて、前記マイクロコンピュータは、前記学習モードにおいて設定された前記第1閾値電圧V4、前記第2閾値電圧V5を順に超える前記空圧センサの出力電圧が計測された場合には、1以上の開閉手段の内、いずれかの開閉手段が開放されたと判定することを特徴とする。
さらに、本発明に係る空圧センサ装置は、前記学習モードにおいて、前記マイクロコンピュータは、前記第1差電圧V1と前記第2差電圧V3とを複数回計測し、前記第1差電圧V1および前記第2差電圧V2が最も小さな回の前記第1差電圧V1から最小第1差電圧Vs1を、前記第2差電圧V2から最小第2差電圧Vs2を選択し、
前記第1閾値電圧V4を、前記最小第1差電圧Vs1よりも小さな電圧値になるように設定するとともに、前記第2閾値電圧V5を、前記最小第2差電圧Vs2よりも小さな電圧値になるように設定することを特徴とする。
さらに、本発明に係る空圧センサ装置は、前記学習モードにおいて、前記最小第1差電圧Vs1の電圧発生時と前記最小第2差電圧Vs2の電圧発生時との間の第1時間間隔T1を計測し、前記第1時間間隔T1よりも短い最短時間間隔T2と前記第1時間間隔T1よりも長い第1最長時間間隔T3とを設定し、前記通常モードにおいて、前記マイクロコンピュータは、前記第1閾値電圧V4と前記第2閾値電圧V5を順に超える前記空圧センサの出力電圧が計測され、且つ、前記空圧センサの最低電圧の発生時と最高電圧の発生時との間の時間間隔が前記最短時間間隔T2と前記第1最長時間間隔T3の範囲内にある場合には、1以上の開閉手段の内、いずれかの開閉手段が開放されたと判定することを特徴とする。
さらに、本発明に係る空圧センサ装置は、前記学習モードにおいて、前記最小第1差電圧Vs1と前記最小第2差電圧Vs2から、前記第1閾値電圧V4よりも小さな電圧値になるように第3閾値電圧V3を設定し、前記第3閾値電圧V3の電圧発生時と前記第1閾値電圧V4の電圧発生時との間の第2時間間隔T4を計測し、前記第2時間間隔T4よりも長い第2最長時間間隔T5を設定し、前記通常モードにおいて、前記マイクロコンピュータは、前記第3閾値電圧V3、前記第1閾値電圧V4、前記第2閾値電圧V5を順に超える前記空圧センサの出力電圧が計測され、且つ、前記空圧センサの前記第3閾値電圧V3の発生時と前記第1閾値電圧V4の発生時との間の時間間隔が前記第2最長時間間隔T5の範囲内にある場合には、1以上の開閉手段の内、いずれかの開閉手段が開放されたと判定することを特徴とする。
本発明に係る空圧センサ装置の閾値設定方法は、1以上の開閉手段を備えた空間において開閉手段の開放に伴う空間の気圧変化を電圧変化へ変換する空圧センサと、前記空圧センサの出力電圧に基づき空圧センサ装置を制御するマイクロコンピュータとを有すると共に、学習モードと通常モードに切換え可能に構成されている空圧センサ装置の閾値設定方法であって、
前記学習モードは開閉手段の開放を検知するための閾値を自動的に設定するモードであり、前記通常モードは前記閾値に基づき開閉手段の開放を検知するモードであり、
前記学習モードは、全ての開閉手段が閉鎖されている状態における前記空圧センサの出力電圧である通常電圧であるかを判定する行程と、
前記空圧センサの出力電圧が通常電圧になっていると判断されると、使用者に対して測定開始可能であることを知らせる行程と、
使用者による開閉手段の開放による空間の最大減圧時における最低電圧と前記通常電圧との差電圧である第1差電圧V1と、反動波による空間の最大加圧時における最高電圧と前記通常電圧との差電圧である第2差電圧V2とを計測し、前記第1差電圧V1よりも小さな電圧値になるように第1閾値電圧V4を、また前記第2差電圧V2よりも小さな電圧値になるように第2閾値電圧V5を設定する行程とを有することを特徴とする。
本発明に係る空圧センサ装置の閾値設定方法は、前記学習モードが、前記第1差電圧V1と前記第2差電圧V2とを複数回計測し、前記第1差電圧V1および前記第2差電圧V2が最も小さな回の前記第1差電圧V1である最小第1差電圧Vs1と、前記第2差電圧V2である最小第2差電圧Vs2を選択する行程と、
前記第1閾値電圧V4を、前記最小第1差電圧Vs1よりも小さな電圧値になるように設定するとともに、前記第2閾値電圧V5を、前記最小第2差電圧Vs2よりも小さな電圧値になるように設定する行程とを有することを特徴とする。
本発明に係る空圧センサ装置の閾値設定方法は、前記学習モードにおいて、さらに、前記最小第1差電圧Vs1の電圧発生時と前記最小第2差電圧Vs2の電圧発生時との間の第1時間間隔T1を計測し、前記第1時間間隔T1よりも短い最短時間間隔T2と前記時間間隔T1よりも長い第1最長時間間隔T3とを設定する行程を有することを特徴とする。
本発明に係る空圧センサ装置の閾値設定方法は、前記学習モードにおいて、さらに、前記最小第1差電圧Vs1と前記最小第2差電圧Vs2から、前記第1閾値電圧V4よりも小さな電圧値になるように第3閾値電圧V3を設定する行程を有することを特徴とする。
本発明に係る空圧センサ装置の閾値設定方法は、前記学習モードにおいて、さらに、前記第3閾値電圧V3の電圧発生時と前記第1閾値電圧V4の電圧発生時との間の第2時間間隔T4を計測し、前記第2時間間隔T4よりも長い第2最長時間間隔T5を設定する行程を有することを特徴とする。
請求項1記載の本発明に係る空圧センサ装置は、学習モードと通常モードとを有し、学習モードは開閉手段の開放を検知するための閾値を自動的に設定するモードであり、通常モードは前記閾値に基づき開閉手段の開放を検知するモードであり、学習モードにおいて、マイクロコンピュータが、全ての開閉手段が閉鎖されている状態における空圧センサの出力電圧である通常電圧と、1以上の各開閉手段の開放による空間の最大減圧時における最低電圧と通常電圧との差電圧である第1差電圧V1と、反動波による空間の最大加圧時における最高電圧と通常電圧との差電圧である第2差電圧V2とを計測し、第1差電圧V1よりも小さな電圧値になるように第1閾値電圧V4を、また第2差電圧V2よりも小さな電圧値になるように第2閾値電圧V5を設定し、通常モードにおいて、マイクロコンピュータは、前記学習モードにおいて設定された前記第1閾値電圧V4、前記第2閾値電圧V5を順に超える前記空圧センサの出力電圧が計測された場合には、1以上の開閉手段の内、いずれかの開閉手段が開放されたと判定することを特徴とする。従って、開閉手段の開放を検知するための閾値を自動的に設定することができるため、空間の空間容積や開閉手段の面積の大きさ、また開閉手段と空圧センサとの間の距離にかかわらず、適切な閾値を自動設定することができる。さらに、閾値の自動設定を可能にすることにより様々な容積を有する空間に空圧センサ装置を対応させることができるため、空間容積毎の閾値を設定した空圧センサ装置を製造する必要がない。従って、空圧センサ装置の汎用性を高めることができ、空圧センサ装置の製造コストを低廉にすることができる。また、学習モードにおいて設定された第1閾値電圧V4と第2閾値電圧V5を順に超える空圧センサの出力電圧が計測された場合には、1以上の開閉手段の内、いずれかの開閉手段が開放されたと判定するため、開閉手段によらない空間内の圧力変化による誤検知を防止することができる。
請求項2記載の本発明に係る空圧センサ装置は、学習モードにおいて、マイクロコンピュータが、第1差電圧V1と第2差電圧V3とを複数回計測し、第1差電圧V1および第2差電圧V2が最も小さな回の第1差電圧V1から最小第1差電圧Vs1を、第2差電圧V2から最小第2差電圧Vs2を選択し、第1閾値電圧V4を、最小第1差電圧Vs1よりも小さな電圧値になるように設定するとともに、第2閾値電圧V5を、最小第2差電圧Vs2よりも小さな電圧値になるように設定する。
従って、学習モードにおける複数回の計測により、最も小さな空圧変化を基準に自動的に閾値を取得することが可能となる
請求項3記載の本発明に係る空圧センサ装置は、学習モードにおいて、最小第1差電圧Vs1の電圧発生時と最小第2差電圧Vs2の電圧発生時との間の第1時間間隔T1を計測し、この第1時間間隔T1よりも短い最短時間間隔T2とこの第1時間間隔T1よりも長い第1最長時間間隔T3とを設定し、通常モードにおいて、マイクロコンピュータは、第1閾値電圧V4と第2閾値電圧V5を順に超える空圧センサの出力電圧が計測され、且つ、空圧センサの最低電圧の発生時と最高電圧の発生時との時間間隔が最短時間間隔T2と第1最長時間間隔T3の範囲内にある場合には、1以上の開閉手段の内、いずれかの開閉手段が開放されたと判定する。
最短時間間隔T2と第1最長時間間隔T3を自動設定し、空圧センサの最低電圧の発生時と最高電圧の発生時との時間間隔がこの最短時間間隔T2と第1最長時間間隔T3の範囲外になる場合の空圧センサの電圧変動によるマイクロコンピュータの誤検知を防止することができる。従って、空圧センサ装置の検知精度を高めることができる。
請求項4記載の本発明に係る空圧センサ装置は、学習モードにおいて、最小第1差電圧Vs1と最小第2差電圧Vs2から、第1閾値電圧V4よりも小さな電圧値になるように第3閾値電圧V3を設定し、第3閾値電圧V3の電圧発生時と第1閾値電圧V4の電圧発生時との間の第2時間間隔T4を計測し、第2時間間隔T4よりも長い第2最長時間間隔T5を設定し、通常モードにおいて、マイクロコンピュータは、第3閾値電圧V3、第1閾値電圧V4、第2閾値電圧V5を順に超える空圧センサの出力電圧が計測され、且つ、空圧センサの第3閾値電圧V3の発生時と第1閾値電圧V4の発生時との間の時間間隔が第2最長時間間隔T5の範囲内にある場合には、1以上の開閉手段の内、いずれかの開閉手段が開放されたと判定する。
空圧センサの通常電圧は開閉手段の開放以外の原因により僅かな電圧変動を生じる場合がある。この電圧変動は、例えば外部の騒音や振動により空間内において僅かな圧力変動が生じることにより発生する。第3閾値電圧を設定することにより、開閉手段の開閉以外の原因による僅かな空圧センサの電圧変動によるマイクロコンピュータの検知を防止する。更に第2時間間隔T4に基づいて第2最長時間間隔T5を設定することにより、開閉手段の開閉以外の原因による空圧センサの電圧変動によるマイクロコンピュータの誤検知を防止し、マイクロコンピュータによる第1閾値電圧V4と第2閾値電圧V5を用いた判定の精度を高めることができる。
請求項5記載の本発明に係る空圧センサ装置の閾値設定方法は、学習モードが開閉手段を開放することにより前記閾値を自動的に設定する行程を有している。従って、空圧センサ装置が実際に使用される状態における開閉手段の開放により閾値を自動的に設定することができるため、より適正な閾値の自動設定を実現することができる。さらに、請求項5記載の本発明に係る空圧センサ装置の閾値設定方法は、空圧センサの出力電圧が通常電圧となっていると判断されると、使用者に対して測定開始可能であることを知らせる工程とを有している。従って、使用者は学習モードにおける測定開始の時期を知ることができる。
請求項7記載の本発明に係る空圧センサ装置の閾値設定方法は、最小第1差電圧Vs1の電圧発生時と最小第2差電圧Vs2の電圧発生時との間の第1時間間隔T1を計測し、第1時間間隔T1よりも短い最短時間間隔T2と時間間隔T1よりも長い最長時間間隔T2とを設定する行程を有する。従って、空圧センサの最低電圧の発生時と最高電圧の発生時との時間間隔がこの最短時間間隔T2と第1最長時間間隔T3の範囲外になる場合の空圧センサの電圧変動による誤検知を防止することができる。
請求項8記載の本発明に係る空圧センサ装置の閾値設定方法は、最小第1差電圧Vs1と最小第2差電圧Vs2から、第1閾値電圧V4よりも小さな電圧値になるように第3閾値電圧V3を設定する行程を有する。この第3閾値電圧V3により、騒音や振動に起因する開閉手段の開閉以外の原因による僅かな空圧センサの電圧変動による誤検知を防止することができる。
請求項9記載の本発明に係る空圧センサ装置の閾値設定方法は、学習モードにおいて、さらに、前記第3閾値電圧V3の電圧発生時と前記第1閾値電圧V4の電圧発生時との間の第2時間間隔T4を計測し、前記第2時間間隔T4よりも長い第2最長時間間隔T5を設定する行程を有する。第2時間間隔T4に基づいて第2最長時間間隔T5が設定されるため、開閉手段の開閉以外の原因による空圧センサの電圧変動によるマイクロコンピュータの誤検知を防止し、マイクロコンピュータによる第1閾値電圧V4と第2閾値電圧V5を用いた判定の精度を高めることができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、空圧センサ装置1の概念説明図である。この空圧センサ装置1は自動車盗難防止用の空圧センサ装置であり、本実施形態においては4つのドアとトランクルームを備えているセダンの車内のダッシュボード上に設置されている。
空圧センサ装置1は、自動車の車内空間の気圧変化を電圧変化へ変換する空圧センサ2と、空圧センサ2の出力電圧を増幅する増幅器3と、増幅器3により増幅された出力電圧から騒音等に起因するノイズ成分を除去するためのローパスフィルタ4と、ローパスフィルタ4を通過した電圧変化を処理するマイクロコンピュータ5とを有する。なお、符号6によって示されているクロックは、マイクロコンピュータ5へタイミング信号を供給している。
マイクロコンピュータ5は、演算処理を行うCPU51と、ローパスフィルタ4を通過した電圧変化をデジタル変換するA/Dコンバータ52と、空圧センサ装置1のプログラムと予め設定されている初期データとが記憶されているROM53と、学習モードにおけるデータの一時保存に用いるRAM54と、学習モードにより獲得されたデータを保存する不揮発性メモリ55と、入出力部56と、シリアル通信部57とを有する。
この空圧センサ装置1には、外部装置7が接続されている。この外部装置7は、LEDドライバ71と、LEDドライバ71により点灯するLED72と、学習モードと通常モードとの切換えを行うためのスイッチ73と、外部リモコン(図示せず)等との通信を行うための通信ホスト部74と、マイクロコンピュータ5により制御され警報を発する警報装置75とを有している。
本実施形態の空圧センサ装置1は、空圧センサ2の出力電圧に対する閾値等を自動的に設定するための学習モードと、ドアの開放を検知する通常モードとを有している。以下、図2を参照しつつ、学習モードにおける空圧センサ2の出力電圧と閾値等の関係を説明する。
図2には、セダンが備えている一つのドアを開いた瞬間の車内の気圧変化による空圧センサ2の出力電圧の変化を示している。最初、全てのドアが閉じられており気圧が安定した車内においては空圧センサ2の出力電圧は定常電圧となっている。そして、何れかのドアが開放されると車内の減圧により空圧センサ2の出力電圧が下降し、次に、減圧された車内に外部空気が流入することによって反動波が生じ車内が一時的に加圧状態となるため空圧センサ2の出力電圧が上昇する。その後、反動波の減衰により車内はドアの開放前の気圧に復帰するため、空圧センサ2の出力電圧はドアの開放前の定常電圧に復帰する。
学習モードにおいては、ドアの開放による最大減圧時における最低電圧と定常電圧との差電圧である第1差電圧V1と、反動波による最大加圧時における最高電圧と定常電圧との差電圧である第2差電圧V2とをマイクロコンピュータ5が計測する。さらに、空圧センサ装置1は最低電圧発生時と最高電圧発生時との間の第1時間間隔T1を計測する。
そして、マイクロコンピュータ5の上記計測により得られた第1差電圧V1からは第1閾値電圧V4が、また、第2差電圧V2からは第2閾値V5がマイクロコンピュータ5の演算処理により求められる。具体的には、第1差電圧V1に予め定められている定数を乗算し第1差電圧V1よりも小さな電圧になるように第1閾値電圧V4が求められ、同様に、第2差電圧V2に予め定められている定数を乗算し第2差電圧V2よりも小さな電圧になるように第2閾値電圧V5が求められる。なお、この第1差電圧V1から第1閾値電圧V4を、また第2差電圧V2から第2閾値V5を求めるため演算は、1/fゆらぎ等を考慮した演算方法により実行されるが、どのような演算方法を用いた場合でも第1差電圧V1よりも第1閾値電圧V4は小さな電圧値となり、また第2差電圧V2よりも第2閾値電圧V5は小さな電圧値となる。
また、第1差電圧V1と第2差電圧V2から、第3閾値電圧V3がCPU51の演算処理により求められる。この第3閾値電圧V3は、ドアの開放による車内の減圧開始を検知するために用いられ、第1閾値電圧V4と第2閾値電圧V5によるドア開放の検知精度を高めるために用いられる。
また、学習モードにおける計測により得られた第1時間間隔T1からは、最短時間間隔T2と第1最長時間間隔T3とがマイクロコンピュータ5の演算処理により求められる。具体的には、第1時間間隔T1に予め定められている乗数を乗算し第1時間間隔T1よりも短い最短時間間隔T2と、第1時間間隔T1よりも長い第1最長時間間隔T3とが求められる。
さらに、第3閾値電圧V3の電圧発生時と第1閾値電圧V4の電圧発生時との間の第2時間間隔T4がマイクロコンピュータ5により計測される。そして、この第2時間間隔T4よりも長い第2最長時間間隔T5がマイクロコンピュータ5の演算処理により求められる。具体的には、第2時間間隔T4に予め定められている乗数を乗算し第2時間間隔T4よりも長い第2最長時間間隔T5が求められる。
上記のような学習モードでは、セダンが備えている4つのドアとトランクルームの蓋体の開閉を順次行うことにより、自動的に適切な閾値等の設定が行われる。図3は、この学習モードにおける4つのドアやトランクルームの蓋体の開閉による空圧センサ2の出力電圧の変化を示すグラフ図である。
最初に、図3に示される符号aによって示されている通常モードの状態では、空圧センサ装置1において未だ閾値等のデータの自動設定が行われていない。この状態において、予め設定されている初期データによりドアの開放がマイクロコンピュータ5により監視されている。この初期データは、学習モードにより最終的に自動設定される第3閾値電圧V3、第1閾値電圧V4、第2閾値電圧V5、最短時間間隔T2、第1最長時間間隔T3、及び第2最長時間間隔T5の各データに対応する初期第3閾値電圧、初期第1閾値電圧、初期第2閾値電圧、初期最短時間間隔、初期第1最長時間間隔、及び初期第2最長時間間隔から構成されている。閾値等の自動設定を行うためには、何れかのドアを開放した上で、スイッチ73を通常モードから学習モードへ切換え(符号b参照)、開放されているドアを閉じる(符号c1参照)。学習モードに切換えられると、マイクロコンピュータ5は、ドアを閉じて車内の気圧が一定となり、空圧センサ2の出力電圧が定常電圧になるまで待機状態に移行する。
マイクロコンピュータ5が空圧センサ2の出力電圧が定常電圧になっていると判定すると、マイクロコンピュータ5は待機状態から計測状態へ移行し、LEDドライバ71に点灯信号を出力し、このLEDドライバ71にLED72を点灯させる。このLED72の点灯は使用者に計測開始可能であることを知らせ、使用者に対して何れかのドアを開くことを要求する。
使用者がLED72の点灯により測定開始の時期を知り、前方右側ドアを開くと、マイクロコンピュータ5は前方右側ドアの開放に伴う第1差電圧V1、第2差電圧V2、及び第1時間間隔T1を計測し(符号d1参照)、それら電圧と時間間隔の各データをRAM54に一時的に記憶する。これら各データは計測状態における1回目のデータとして保存される。そして、マイクロコンピュータ5は、空圧センサ2の出力電圧が定常電圧に復帰すると1回目のデータの計測が終了したと判定し、これら1回目のデータをRAM54に記憶する。同時に、マイクロコンピュータ5はLEDドライバ71に消灯信号を出力し、LEDドライバ71にLED72を消灯させる。
使用者はLED72の消灯を確認した後、開放されている前方右側ドアを閉じる。マイクロコンピュータ5は、スイッチ73が学習モードから通常モードに切換えられていないことを確認すると学習モードが継続されていると判定し、2回目のデータを取得するために、空圧センサ2の出力電圧が定常電圧になるまで待機状態に移行する(符号c2)。そして、マイクロコンピュータ5の点灯信号出力に応じてLED72が点灯すると、使用者は後方右側ドアを開き、マイクロコンピュータ5は、後方右側ドアの開放に伴う第1差電圧V1、第2差電圧V2、及び第1時間間隔T1の2回目のデータを計測する(符号d2)。同時に、マイクロコンピュータ5は、この2回目の第1差電圧V1と第2差電圧V2をすでにRAM54に記憶されている1回目の第1差電圧V1と第2差電圧V2と比較し、小さな電圧値である方を選択する。2回目の第1差電圧V1と第2差電圧V2の方が小さな電圧値である場合には、RAM54に記憶されている1回目の第1差電圧V1、第2差電圧V2、及び第1時間間隔T1の各データを2回目の第1差電圧V1、第2差電圧V2、及び第1時間間隔T1の各データへと更新し、これらデータをRAM54に一時的に記憶する。
そして、そして、マイクロコンピュータ5は、空圧センサ2の出力電圧が定常電圧に復帰すると2回目のデータの計測が終了したと判定し、これら2回目のデータをRAM54に記憶する。同時に、マイクロコンピュータ5はLEDドライバ71に消灯信号を出力し、LEDドライバ71にLED72を消灯させる。
このようにマイクロコンピュータ5は、順次、トランク(符号c3及びd3)、後方左側ドア(符号c4及びd4)、前方左側ドア(符号c5及びd5)の開放に伴う第1差電圧V1、第2差電圧V2、及び第1時間間隔T1の3回目、4回目、及び5回目の各データを計測し、各回の計測後に第1差電圧V1と第2差電圧V2をRAM54内に記憶されているデータと比較し、より小さな電圧値の第1差電圧V1と第2差電圧V2へと更新してゆく。本実施形態においては、第1差電圧V1と第2差電圧V2が最も小さな電圧値を示す3回目のトランクの開放に伴うデータが最終的にRAM54に記憶されることになる。即ち、この3回目のデータの第1差電圧V1と第2差電圧V2がこの学習モードにおいて計測された最小第1差電圧Vs1と最小第2差電圧Vs2となっている。
そして、前方左側ドアの計測終了によるLED72の消灯を確認し(符号e参照)、使用者がスイッチ73を切換えると(符号f参照)、マイクロコンピュータ5は、3回目のデータの最小第1差電圧Vs1から第1閾値電圧V4を、最小第2差電圧Vs2から第2閾値電圧V5を、最小第1差電圧Vs1と最小第2差電圧Vs2から第3閾値電圧V3を上述した演算により算出し不揮発性メモリ55に記憶する。さらに、3回目のデータの第1時間間隔T1から最短時間間隔T2と第1最長時間間隔T3とを上記演算により算出し不揮発性メモリ55に記憶する。さらに、第3閾値電圧V3の電圧発生時と第1閾値電圧V4の電圧発生時との間の第2時間間隔T4から、この第2時間間隔T4よりも長い第2最長時間間隔T5を上記演算により算出し不揮発性メモリ55に記憶する。このような不揮発性メモリ55へのこれらデータの記憶が完了すると、空圧センサ装置1は学習モードから通常モードへと復帰する(符号g参照)。
学習モード終了後の通常モードにおいて、マイクロコンピュータ5は、空圧センサ2の出力電圧を監視し、不揮発性メモリ55に記憶されている自動設定データである第3閾値電圧V3、第1閾値電圧V4、第2閾値電圧V5を順に超える空圧センサ2の出力電圧を検知し、且つ、空圧センサ2の出力電圧の最低電圧発生時と最高電圧発生時との時間間隔(通常モードにおいて計測された第1時間間隔T1)が最短時間間隔T2と第1最長時間間隔T3の範囲内にあり、且つ、空圧センサの第3閾値電圧V3の発生時と第1閾値電圧V4の発生時との間の時間間隔が第2最長時間間隔T5の範囲内にある場合には、警報装置75へ検知信号出力を出力し、警報装置75は警報を発生して使用者にドアの開放があったことを告知する。
次に、図4を参照しつつ、空圧センサ装置1のROM53に記憶されているプログラムのフローチャートを説明する。最初にステップS1において、スイッチ73の状態が検知され、通常モードであるか学習モードであるかが判定される。学習モードである場合には、後述する学習モードのフローチャート(図5参照)へ移行する。なお、通常モードが選択されている場合には、学習モードにより自動設定されたデータを消去するか否かが判定される(ステップS3)。この自動設定データの消去は、ステップS4において不揮発性メモリ55に記憶されている自動設定データが消去される(ステップS4)。
不揮発性メモリ55に自動設定されたデータが記憶されていない場合には、予め設定されている初期データがROM53から読み出される(ステップS6)。一方、学習モードで取得されたデータが不揮発性メモリ55に記憶されている場合には、自動設定データを不揮発性メモリ55から読み出す(ステップS7)。
そして、マイクロコンピュータ5は、ステップS7において自動設定データが読み出された場合には、空圧センサ2の出力電圧が第3閾値電圧V3、第1閾値電圧V4、第2閾値電圧V5を順に超えたかを、また、ステップS6において初期データが読み出されている場合には、空圧センサ2の出力電圧が初期第3閾値電圧V3、初期第1閾値電圧V4、初期第2閾値電圧V5を順に超えたかが判定される(ステップS8)。
ステップS8において、空圧センサ2の出力電圧が第3閾値電圧V3、第1閾値電圧V4、第2閾値電圧V5を順に超えた場合、マイクロコンピュータ5は、空圧センサ2の出力電圧の最低電圧発生時から最高電圧発生時までの時間間隔が、最短時間間隔T2と第1最長時間間隔T3との範囲内であるかを判定する(ステップS9)。同様に、ステップS8において、空圧センサ2の出力電圧が初期第3閾値電圧V3、初期第1閾値電圧V4、初期第2閾値電圧V5を順に超えた場合、マイクロコンピュータ5は、空圧センサ2の出力電圧の最低電圧発生時と最高電圧発生時との時間間隔(通常モードにおいて計測された第1時間間隔T1)が最短時間間隔T2と第1最長時間間隔T3の範囲内であり、且つ、空圧センサの第3閾値電圧V3の発生時と第1閾値電圧V4の発生時との間の時間間隔が第2最長時間間隔T5の範囲内にあるかを判定する(ステップS9)。
ステップS9における判定により空圧センサ2の出力電圧が最低電圧発生時と最高電圧発生時との時間間隔(通常モードにおいて計測された第1時間間隔T1)が最短時間間隔T2と第1最長時間間隔T3の範囲内であり、且つ、第3閾値電圧V3の電圧発生時と第1閾値電圧V4の電圧発生時との間の時間間隔が第2最長時間間隔T5の範囲内にあると判定される場合には、ステップS10において、マイクロコンピュータ5は警報装置75へ検知信号出力を出力し、警報装置75は警報を発生して使用者にドアの開放があったことを告知する。
次に、図5を参照しつつ、空圧センサ装置1のROM53に記憶されているプログラムの内、閾値等のデータの自動設定を行うための学習モードにおけるプログラムのフローチャートを説明する。最初に、ドアを閉じて車内の気圧が一定となり、空圧センサ2の出力電圧が定常電圧なるまで待機状態となる(ステップS21)。この状態は、上述したように図3において符号c1により示されている。次に、空圧センサ2の出力電圧が定常電圧になったかが判定される(ステップS22)。空圧センサ2の出力電圧が定常電圧になっていると判定されると、マイクロコンピュータ5はLEDドライバ71に点灯信号を出力し、LEDドライバ71にLED72を点灯させ、使用者に対して測定可能であることを知らせる(ステップS23)。
測定開始の時期を知った使用者がドアを開き、車内空間の減圧により空圧センサ2の出力電圧が変化すると、マイクロコンピュータ5は減圧開始を検知し(ステップS24)、第1差電圧V1、第2差電圧V2、及び第1時間間隔T1を計測する(ステップS25)。このステップS25においては、上述したように、今回計測した第1差電圧V1と第2差電圧V2がすでにRAM54に記憶されている第1差電圧V1と第2差電圧V2と比較される。そして、今回計測した第1差電圧V1と第2差電圧V2がより小さな電圧値である場合には、今回計測した各データが一時的にRAM54に記憶され、一方、今回計測した第1差電圧V1と第2差電圧V2がより小さな電圧値でない場合には、RAM54に記憶されている各データは更新されない(ステップS25)。
空圧センサ2の出力電圧が定常電圧に復帰すると(ステップS26)、一時的にRAM54に記憶された各データがRAM54に記憶される(ステップS27)。その後、マイクロコンピュータ5は、LEDドライバ71に消灯信号を出力し、LEDドライバ71にLED72を消灯させる(ステップ28)。
スイッチ73が操作されず学習モードから通常モードに切換えられない場合、マイクロコンピュータ5はステップS21に戻って学習モードを継続する。このため、複数のドアやトランクルームを順次開くことにより、複数回の各データが計測され、RAM54に記憶されている各データの更新等がなされる。
スイッチ73が操作され学習モードから通常モードに切換えられると、マイクロコンピュータ5は学習モードが終了したと判定する(ステップS29)。そして、RAM54に記憶されている最小第1差電圧Vs1から第1閾値電圧V4を、最小第2差電圧Vs2から第2閾値電圧V5を、最小第1差電圧Vs1と最小第2差電圧Vs2から第3閾値電圧V3を上記演算により算出して設定し(ステップS30)、不揮発性メモリ55に記憶する(ステップS31)。さらに、RAM54に記憶されている第1時間間隔T1から最短時間間隔T2と第1最長時間間隔T3とを上記演算により算出して設定し、また、第3閾値電圧V3の電圧発生時と第1閾値電圧V4の電圧発生時との間の第2時間間隔T4から、この第2時間間隔T4よりも長い第2最長時間間隔T5を上記演算により算出し(ステップS32)、不揮発性メモリ55に記憶する(ステップS33)。このような不揮発性メモリ55へのこれら自動設定データの記憶が完了すると、空圧センサ装置1は学習モードを終了し通常モードへと復帰する。
以下、本実施形態の作用効果を説明する。
本実施形態の空圧センサ装置1は、学習モードにおいて、マイクロコンピュータ5が、全ての開閉手段が閉鎖されている状態における空圧センサ2の出力電圧である通常電圧と、1以上の各開閉手段の開放による空間の最大減圧時における最低電圧と通常電圧との差電圧である第1差電圧V1と、反動波による最大加圧時における最高電圧と通常電圧との差電圧である第2差電圧V2とを複数回計測し、第1差電圧V1と第2差電圧V2が最も小さな回の第1差電圧V1から最小第1差電圧Vs1を、第2差電圧から最小第2差電圧Vs2を選択し、最小第1差電圧Vs1よりも小さな電圧値になるように第1閾値電圧V4を、また最小第2差電圧Vs2よりも小さな電圧値になるように第2閾値電圧V5を設定する。
従って、学習モードにおける複数回の計測により、最も小さな空圧変化を基準に自動的に閾値を設定することが可能となり、空間の空間容積や開閉手段の面積の大きさ、また開閉手段と空圧センサ2との間の距離にかかわらず、適切な閾値を自動設定することができる。また、学習モードにおいて設定された第1閾値電圧V4と第2閾値電圧V5を順に超える空圧センサ2の出力電圧が計測された場合には、1以上の開閉手段の内、いずれかの開閉手段が開放されたと判定するため、開閉手段によらない空間内の圧力変化による誤検知を防止することができる。
なお、本実施形態においては複数のドアを有する車内について説明したが、例えば金庫等、開閉手段を一つしか備えていない空間においても本発明に係る空圧センサ装置を使用することができる。この場合、学習モードにおいて単一の開閉手段を複数回開閉し、それに応じて空圧センサ2の出力電圧を複数回計測する。この複数回の計測において、使用者は計測回毎に開閉手段の開き方(開閉手段の開放速度)を変化させ、開閉手段のあらゆる開き方に対応できる適切な閾値の自動設定を得ることができる。また、閾値の自動設定を可能にすることにより様々な容積を有する空間に対応することができるため、空間容積毎の閾値を設定した空圧センサ装置を製造する必要がない。従って、空圧センサ装置の汎用性を高めることができ、空圧センサ装置の製造コストを低廉にすることができる。
さらに、本実施形態の空圧センサ装置1は、学習モードにおいて、最小第1差電圧Vs1の電圧発生時と最小第2差電圧Vs2の電圧発生時との間の第1時間間隔T1を計測し、この第1時間間隔T1よりも短い最短時間間隔T2と第1時間間隔T1よりも長い第1最長時間間隔T3とを設定し、通常モードにおいて、マイクロコンピュータ5は、第1閾値電圧V4と第2閾値電圧V5を順に超える空圧センサ2の出力電圧が計測され、且つ、空圧センサ2の最低電圧の発生時と最高電圧の発生時との時間間隔が最短時間間隔T2と第1最長時間間隔T3の範囲内にある場合には、1以上の開閉手段の内、いずれかの開閉手段が開放されたと判定する。
最短時間間隔T2と第1最長時間間隔T3を自動設定し、空圧センサ2の最低電圧の発生時と最高電圧の発生時との時間間隔がこの最短時間間隔T2と第1最長時間間隔T3の範囲外になる場合の空圧センサ2の電圧変動によるマイクロコンピュータ5の誤検知を防止することができる。従って、空圧センサ装置1の検知精度を高めることができる。
さらに、本実施形態の空圧センサ装置1は、学習モードにおいて、最小第1差電圧Vs1と最小第2差電圧Vs2から、第1閾値電圧V4よりも小さな電圧値になるように第3閾値電圧V3を設定し、第3閾値電圧V3の電圧発生時と第1閾値電圧V4の電圧発生時との間の第2時間間隔T4を計測し、第2時間間隔T4よりも長い第2最長時間間隔T5を設定し、通常モードにおいて、マイクロコンピュータは、第3閾値電圧V3、第1閾値電圧V4、第2閾値電圧V5を順に超える空圧センサの出力電圧が計測され、且つ、空圧センサの第3閾値電圧V3の発生時と第1閾値電圧V4の発生時との間の時間間隔が第2最長時間間隔T5の範囲内にある場合には、1以上の開閉手段の内、いずれかの開閉手段が開放されたと判定する。
空圧センサ2の通常電圧は開閉手段の開放以外の原因により僅かな電圧変動を生じる場合がある。この電圧変動は、例えば外部の騒音や振動により空間内において僅かな圧力変動が生じることにより発生する。第3閾値電圧V3を設定することにより、開閉手段の開閉以外の原因による僅かな空圧センサ2の電圧変動によるマイクロコンピュータ5の検知を防止する。更に第2時間間隔T4に基づいて第2最長時間間隔T5を設定することにより、開閉手段の開閉以外の原因による空圧センサの電圧変動によるマイクロコンピュータの誤検知を防止し、マイクロコンピュータ5による第1閾値電圧V4と第2閾値電圧V5を用いた判定の精度を高めることができる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
本発明に係る実施形態の空圧センサ装置1の概念説明図である。 図1に示す空圧センサ装置1の空圧センサ2の出力電圧の変化を示すグラフ図である。 図1に示す空圧センサ装置1の学習モードにおける空圧センサ2の出力電圧の変化を示すグラフ図である。 図1に示す空圧センサ装置1のROM53に記憶されているプログラムのフローチャートである。 図1に示す空圧センサ装置1のROM53に記憶されているプログラムの内、自動設定を行うための学習モードにおけるプログラムのフローチャートである。
符号の説明
1 空圧センサ装置
2 空圧センサ
3 増幅器
4 ローパスフィルタ
5 マイクロコンピュータ
51 CPU
52 A/Dコンバータ
53 ROM
54 RAM
55 不揮発性メモリ
56 入出力部
57 シリアル通信部
6 クロック
7 外部装置
71 LEDドライバ
72 LED
73 スイッチ
74 通信ホスト部
75 警報装置
T1 第1時間間隔
T2 最短時間間隔
T3 第1最長時間間隔
T4 第2時間間隔
T5 第2最長時間間隔
V1 第1差電圧
V2 第2差電圧
V3 第3閾値電圧
V4 第1閾値電圧
V5 第2閾値電圧
Vs1 最小第1差電圧
Vs2 最小第2差電圧

Claims (9)

  1. 1以上の開閉手段を備えた空間において開閉手段の開放に伴う空間の気圧変化を電圧変化へ変換する空圧センサと、
    前記空圧センサの出力電圧に基づき空圧センサ装置を制御するマイクロコンピュータとを有する空圧センサ装置であって、
    前記空圧センサ装置は学習モードと通常モードとを有し、
    前記学習モードは開閉手段の開放を検知するための閾値を自動的に設定するモードであり、前記通常モードは前記閾値に基づき開閉手段の開放を検知するモードであり、
    前記学習モードにおいて、前記マイクロコンピュータは、全ての開閉手段が閉鎖されている状態における前記空圧センサの出力電圧である通常電圧と、1以上の各開閉手段の開放による空間の最大減圧時における最低電圧と前記通常電圧との差電圧である第1差電圧V1と、反動波による空間の最大加圧時における最高電圧と前記通常電圧との差電圧である第2差電圧V2とを計測し、前記第1差電圧V1よりも小さな電圧値になるように第1閾値電圧V4を、また前記第2差電圧V2よりも小さな電圧値になるように第2閾値電圧V5を設定し、
    前記通常モードにおいて、前記マイクロコンピュータは、前記学習モードにおいて設定された前記第1閾値電圧V4、前記第2閾値電圧V5を順に超える前記空圧センサの出力電圧が計測された場合には、1以上の開閉手段の内、いずれかの開閉手段が開放されたと判定することを特徴とする空圧センサ装置。
  2. 前記学習モードにおいて、前記マイクロコンピュータは、前記第1差電圧V1と前記第2差電圧V3とを複数回計測し、前記第1差電圧V1および前記第2差電圧V2が最も小さな回の前記第1差電圧V1から最小第1差電圧Vs1を、前記第2差電圧V2から最小第2差電圧Vs2を選択し、
    前記第1閾値電圧V4を、前記最小第1差電圧Vs1よりも小さな電圧値になるように設定するとともに、前記第2閾値電圧V5を、前記最小第2差電圧Vs2よりも小さな電圧値になるように設定することを特徴とする請求項1記載の空圧センサ装置。
  3. 前記学習モードにおいて、前記最小第1差電圧Vs1の電圧発生時と前記最小第2差電圧Vs2の電圧発生時との間の第1時間間隔T1を計測し、前記第1時間間隔T1よりも短い最短時間間隔T2と前記第1時間間隔T1よりも長い第1最長時間間隔T3とを設定し、
    前記通常モードにおいて、前記マイクロコンピュータは、前記第1閾値電圧V4と前記第2閾値電圧V5を順に超える前記空圧センサの出力電圧が計測され、且つ、前記空圧センサの最低電圧の発生時と最高電圧の発生時との間の時間間隔が前記最短時間間隔T2と前記第1最長時間間隔T3の範囲内にある場合には、1以上の開閉手段の内、いずれかの開閉手段が開放されたと判定することを特徴とする請求項2記載の空圧センサ装置。
  4. 前記学習モードにおいて、前記最小第1差電圧Vs1と前記最小第2差電圧Vs2から、前記第1閾値電圧V4よりも小さな電圧値になるように第3閾値電圧V3を設定し、
    前記第3閾値電圧V3の電圧発生時と前記第1閾値電圧V4の電圧発生時との間の第2時間間隔T4を計測し、前記第2時間間隔T4よりも長い第2最長時間間隔T5を設定し、
    前記通常モードにおいて、前記マイクロコンピュータは、前記第3閾値電圧V3、前記第1閾値電圧V4、前記第2閾値電圧V5を順に超える前記空圧センサの出力電圧が計測され、且つ、前記空圧センサの前記第3閾値電圧V3の発生時と前記第1閾値電圧V4の発生時との間の時間間隔が前記第2最長時間間隔T5の範囲内にある場合には、1以上の開閉手段の内、いずれかの開閉手段が開放されたと判定することを特徴とする請求項2又は3記載の空圧センサ装置。
  5. 1以上の開閉手段を備えた空間において開閉手段の開放に伴う空間の気圧変化を電圧変化へ変換する空圧センサと、前記空圧センサの出力電圧に基づき空圧センサ装置を制御するマイクロコンピュータとを有すると共に、学習モードと通常モードに切換え可能に構成されている空圧センサ装置の閾値設定方法であって、
    前記学習モードは開閉手段の開放を検知するための閾値を自動的に設定するモードであり、前記通常モードは前記閾値に基づき開閉手段の開放を検知するモードであり、
    前記学習モードは、全ての開閉手段が閉鎖されている状態における前記空圧センサの出力電圧である通常電圧であるかを判定する行程と、
    前記空圧センサの出力電圧が通常電圧になっていると判断されると、使用者に対して測定開始可能であることを知らせる行程と、
    使用者による開閉手段の開放による空間の最大減圧時における最低電圧と前記通常電圧との差電圧である第1差電圧V1と、反動波による空間の最大加圧時における最高電圧と前記通常電圧との差電圧である第2差電圧V2とを計測し、前記第1差電圧V1よりも小さな電圧値になるように第1閾値電圧V4を、また前記第2差電圧V2よりも小さな電圧値になるように第2閾値電圧V5を設定する行程とを有することを特徴とする空圧センサ装置の閾値設定方法。
  6. 前記学習モードは、前記第1差電圧V1と前記第2差電圧V2とを複数回計測し、前記第1差電圧V1および前記第2差電圧V2が最も小さな回の前記第1差電圧V1である最小第1差電圧Vs1と、前記第2差電圧V2である最小第2差電圧Vs2を選択する行程と、
    前記第1閾値電圧V4を、前記最小第1差電圧Vs1よりも小さな電圧値になるように設定するとともに、前記第2閾値電圧V5を、前記最小第2差電圧Vs2よりも小さな電圧値になるように設定する行程とを有することを特徴とする請求項5記載の空圧センサ装置の閾値設定方法。
  7. 前記学習モードにおいて、さらに、前記最小第1差電圧Vs1の電圧発生時と前記最小第2差電圧Vs2の電圧発生時との間の第1時間間隔T1を計測し、前記第1時間間隔T1よりも短い最短時間間隔T2と前記時間間隔T1よりも長い第1最長時間間隔T3とを設定する行程を有することを特徴とする請求項6記載の空圧センサ装置の閾値設定方法。
  8. 前記学習モードにおいて、さらに、前記最小第1差電圧Vs1と前記最小第2差電圧Vs2から、前記第1閾値電圧V4よりも小さな電圧値になるように第3閾値電圧V3を設定する行程を有することを特徴とする請求項6又は7記載の空圧センサ装置の閾値設定方法。
  9. 前記学習モードにおいて、さらに、前記第3閾値電圧V3の電圧発生時と前記第1閾値電圧V4の電圧発生時との間の第2時間間隔T4を計測し、前記第2時間間隔T4よりも長い第2最長時間間隔T5を設定する行程を有することを特徴とする請求項8記載の空圧センサ装置の閾値設定方法。
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