JP4871905B2 - 軌道分岐部の異物除去装置 - Google Patents
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Description
従って、レールの強度に影響を与えることなく、且つレール保守作業の手間を削減することができる、軌道分岐部の異物除去装置を提供することができる。
図1は、本発明の一実施の形態に係る軌道分岐部の異物除去装置1(以下、単に「異物除去装置1」という)とこの異物除去装置1が設けられた軌道分岐部100とを示す平面図である。図1に示すように、この軌道分岐部100においては、一対の基本レール101、101、一対のトングレール102、102、転轍機103、グリッドまくらぎ104等が設置されている。一対の基本レール101、101は、所定の間隔を離間した状態で配設され、この一対の基本レール101、101間に、一対のトングレール102、102が配設されている。基本レール101及びトングレール102は、グリッドまくらぎ104上に床板107及びベアリング床板108を介して配設されており、トングレール102がベアリング床板108により移動可能に構成されている。これにより、各トングレール102は、各基本レール101に対して当接及び離間可能に設けられている。また、各トングレール102の端部同士は、転轍機103に備えられる転轍棒103aによって一定間隔が維持された状態で連結されている。そして、図示しない制御装置からの指令に基づいて転轍機103が作動することにより、基本レール101に対してトングレール102が当接又は離間する方向に移動し、軌道分岐部100における走行レールの切り換え動作(ポイントの切り換え動作)が行われるようになっている。
次に、本実施形態に係る異物除去装置1の構成について説明する。異物除去装置1は、上述した軌道分岐部100に設けられ、圧縮空気を噴射することで基本レール101とトングレール102との間に落下した雪や飛石などの異物を除去するために設置される。図1に示すように、空気源装置11、空気配管12、配管ユニット13、ノズルユニット14等を備えて構成されている。空気源装置11は、軌道分岐部100における軌道の近傍に配置されている。一方、配管ユニット13及びノズルユニット14は、軌道分岐部100における基本レール101とトングレール102との間、及びその近傍の領域において、基本レール101が途中から緩やかに湾曲している分岐線側(図1において空気源装置11が配置されている側)とその反対側で基本レール101が真っ直ぐに延びている基準線側(空気源装置11が配置される側とは反対側)とにそれぞれ配置されている。
図2は、空気源装置11を示す空気回路図である。図1及び図2に示す空気源装置11は、配管ユニット13を介してノズルユニット14に圧縮空気を供給する圧縮空気供給源として設けられており、コンプレッサ18、空気タンク19、電磁切換弁20a、20bなどを備えて構成されている。コンプレッサ19にて生成された圧縮空気は、空気タンク19へと貯留されるようになっている。空気タンク19には、電磁切換弁20a及び空気配管12を介して、分岐線側の基本レール101及びトングレール102の間及びその近傍領域に配置される配管ユニット13及びノズルユニット14が接続されている。同様に、空気タンク19には、電磁切換弁20b及び空気配管12を介して、空気源装置11が配置される側とは反対側の基本レール101及びトングレール102の間の領域に配置される配管ユニット13及びノズルユニット14が接続されている。
図3は、図1のA−A線矢視位置における断面を示した図であり、基本レール101についてはその図示を省略し、縦まくらぎ106についてはその内部の状態を図示したものである。図4は、軌道分岐部100の基準線側における配管ユニット13の一部を基本レール101及びトングレール102とともに拡大して示す平面図である。また、図5は、配管ユニット13についてその長手方向における一部を示す図であり、配管ユニット13の平面図(図5(a))と、図5(a)のE線矢視方向から見た配管ユニット13の正面図(図5(b))と示す図である。図1、図3乃至図5に示すように、配管ユニット13は、分岐線側及び基準線側にそれぞれ配設されている。そして、各配管ユニット13は、それぞれヘッダー配管15、分岐配管16、ブラケット部17等を備えて構成されている。
ノズルユニット14は、空気源装置11から供給された圧縮空気を基本レール101とトングレール102との間の領域に噴射するノズル機構として設けられている。このノズルユニット14は、図1、図3、図4に示すように、配管ユニット13に対してその上面側において軌道に沿って(配管ユニット13の長手方向に沿って)直列に配設されている。また、図8はノズルユニット14の平面図を示したものであり、図9は図8のF線矢視方向から見たノズルユニット14の正面図を示したものである。また、図10は、図9のG−G線矢視位置での断面図(図10(a))及び図9のH−H線矢視位置での断面図(図10(b))を示したものである。図7乃至図10に示すように、ノズルユニット14は、ノズル本体23、ノズル24、プレート25等を備え、これらが溶接により一体的に接合されて構成されている。
上述した異物除去装置1は、図示しない制御装置が、例えば、異物の落下検知センサ(図示せず)や降雪センサ(図示せず)等の各種センサでの検知結果、或いは転轍機103の動作信号(ポイントの切り換え信号)等の各種機器の動作指令信号などに基づいて、電磁切換弁20a又は電磁切換弁20bの切り換え指令が発せられることで作動して、異物除去動作が行われることになる。車両運行中の時間帯等の異物除去動作が必要となる可能性のある時間帯においては、図2に示す空気源装置11において、コンプレッサ18から供給される圧縮空気は、空気タンク19に貯留されている。そして、上記のように、制御装置からの指令に基づいて各電磁切換弁20a、20bが図2に示す遮断位置から連通位置に切り換えられることで、空気タンク19に貯留された圧縮空気が、各電磁切換弁20a、20bを介して各空気配管12へと流動することになる。
以上説明した異物除去装置1によると、横まくらぎ105と縦まくらぎ106とが組み合わされるまくらぎ構造のグリッドまくらぎ104に対して、配管ユニット13においてノズルユニット14に接続するヘッダー配管15が、縦まくらぎ106に内蔵されるように配設される。このため、ノズルユニット14やヘッダー配管15を取り付けるための加工が基本レール101及びトングレール102に施されることが無く、これらのレールの強度に影響を及ぼしてしまうことが防止されることになる。そして、縦まくらぎ106内における十分に余裕のあるスペースを活用してヘッダー配管15を配置できるため、各ノズル24から噴射される圧縮空気の量を必要量確保する観点から十分な大きさのヘッダー配管15を容易に配設することができる。さらに、圧縮空気を供給する空気配管12が、横まくらぎ105の長手方向における端部にて配管ユニット13に接続するようになっている。このため、空気配管12を配管ユニット13に接続するに際して、レールや転轍機等との設備的な干渉がほとんど無く、各ノズル24から噴射される圧縮空気の必要量を確保するのに十分な径の大きさの空気配管12を接続することができる。これにより、ノズル24が多く設けられたヘッダー配管15であっても、1本の空気配管12を接続することで必要な量の圧縮空気の供給を確保することができる。また、上記のように、縦まくらぎ106にヘッダー配管15が配設されて横まくらぎ105の端部にて空気配管12が配管ユニット13に接続する構成のため、レール交換やマルタイ工事等のレール保守作業の際には、ノズルユニット14や配管ユニット13を取り外す必要がなく、空気配管12を取り外す手間もほとんどかからなくなる。このため、従来技術に比して、レール保守作業の手間が大幅に削減されることになる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができるものである。例えば、次のような変形例を実施することができる。
11 空気源装置
12 空気配管
13 配管ユニット
14 ノズルユニット
15 ヘッダー配管
24、24a、24b ノズル
100 軌道分岐部
101 基本レール
102 トングレール
105 横まくらぎ
106 縦まくらぎ
Claims (7)
- 基本レールと当該基本レールに対して当接及び離間可能なトングレールとを有する軌道分岐部に対して設けられ、圧縮空気を噴射することで前記基本レールと前記トングレールとの間に落下した異物を除去する、軌道分岐部の異物除去装置であって、
圧縮空気を噴射するノズルを有するノズルユニットと、
前記ノズルユニットに接続するヘッダー配管を有する配管ユニットと、
前記配管ユニットを介して前記ノズルユニットに圧縮空気を供給する空気源装置と、
を備え、
前記軌道分岐部には、軌道と垂直な方向に配置される横まくらぎと軌道に沿って配置される縦まくらぎとが組み合わされて構成されるまくらぎ構造が配置され、
前記ヘッダー配管は、少なくとも一部が前記縦まくらぎに内蔵され、
前記空気源装置からの圧縮空気を供給する空気配管は、前記横まくらぎの長手方向における端部において前記配管ユニットに接続することを特徴とする、軌道分岐部の異物除去装置。 - 請求項1に記載の軌道分岐部の異物除去装置であって、
前記縦まくらぎの上面には、スリット状の開口が形成され、
前記ヘッダー配管の上面には、前記開口を塞ぐとともに当該ヘッダー配管を前記縦まくらぎに対して固定するブラケット部が設けられていることを特徴とする、軌道分岐部の異物除去装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の軌道分岐部の異物除去装置であって、
前記配管ユニットは、前記ヘッダー配管から分岐し、当該ヘッダー配管に連通するとともに前記横まくらぎに少なくとも一部が内蔵されて当該横まくらぎの端部で前記空気配管に接続する分岐配管を有することを特徴とする、軌道分岐部の異物除去装置。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の軌道分岐部の異物除去装置であって、
前記ノズルユニットは、前記ノズルが上面側に配置される平板状のプレートを備えるとともに、前記ノズルから噴射される圧縮空気が斜め上方に向かって噴射されるように形成され、
前記プレートは、軌道に沿う方向で前記ノズルが圧縮空気を噴射する方向の先端側において、斜め上方に向かって突出するように形成されているスロープ部を有することを特徴とする、軌道分岐部の異物除去装置。 - 請求項4に記載の軌道分岐部の異物除去装置であって、
前記プレートは、軌道と垂直な方向で側方に向かって平板状に広がる側方平板部をさらに有することを特徴とする、軌道分岐部の異物除去装置。 - 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の軌道分岐部の異物除去装置であって、
前記ノズルユニットは、
前記ヘッダー配管の上面側に配置され、当該ヘッダー配管に連通する中空部が形成されているノズル本体と、
前記ノズル本体の上面側に配置され、前記ノズル本体の前記中空部に連通するとともに斜め上方に向かって開口するノズル孔が形成されているブロック体として設けられている前記ノズルと、
を有していることを特徴とする、軌道分岐部の異物除去装置。 - 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の軌道分岐部の異物除去装置であって、
前記ノズルユニットは、圧縮空気を斜め上方に向かって噴射するように形成されるとともに軌道に沿って並んで配置される複数の前記ノズルを備え、
前記複数のノズルとして、軌道に沿う方向で前記ノズルが圧縮空気を噴射する方向において前方側に配置される第1ノズルと後方側に配置される第2ノズルとが備えられ、
前記第2ノズルにおいて斜め上方に向かって開口するノズル孔の中心線の延長方向が前記第1ノズルの上方を通過するように、前記第2ノズルが形成されていることを特徴とする、軌道分岐部の異物除去装置。
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