JP4870327B2 - 固体電解コンデンサ - Google Patents

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本発明は、固体電解コンデンサに関し、特に導電性高分子からなる固体電解コンデンサに関する。
タンタル固体電解コンデンサ等の固体電解コンデンサは、タンタルやアルミニウム等の弁作用金属からなる焼結体や箔を用いている。そしてこの焼結体や箔を陽極酸化処理して酸化皮膜を形成する。この酸化皮膜の表面には、二酸化マンガンあるいは導電性高分子であるポリピロールやポリアニリン等からなる固体電解質層を積層している。
また、固体電解質層表面には、導電粒子を含むペーストからなる陰極層を積層する。陰極層として導電性の高い銀ペーストを使用するが、高温高湿下で銀はマイグレーションを起こしやすいので、一般的に、カーボン粒子を含むカーボンペースト層を設けてから、銀粒子を含む銀ペースト層を積層したりしていた。また、耐マイグレーションの改善として、例えば撥水性の弗素樹脂を、このカーボンペースト層や銀ペースト層に2〜6重量%程度添加したり二酸化マンガン層と陰極層の中間に層として設けたり (例えば、特許文献1参照)していた。そしてその後、その表面に外部接続端子を積層し、外部接続端子の一部が露呈するように全体を絶縁樹脂で被覆する外装を設けていた。
ところで、固体電解質層として、ポリピロールやポリアニリン等からなる導電性高分子を使用するものは、粒状の導電性高分子が緩く結合した状態になっていて、二酸化マンガン層に比較して柔らかくなっている。そして、トランスファーモールド法等により絶縁樹脂の外装を形成する際に、高温状態で金型内に注入された絶縁樹脂は温度が低下すると収縮して硬化するため、この外装の収縮時に圧力が陰極層を介して固体電解質層に加わり、固体電解質層と酸化皮膜との接触状態が変化したりする。リフローの際にも同様な応力問題が発生するため、固体電解質層や陰極層に弗素系等のエラストマー(弗素ゴム)を含めたり(例えば、特許文献2参照)、陰極層としてカーボンペースト層と銀ペースト層の積層体の場合、その間で剥離が発生する場合があるために、その中間層に機械的な緩衝弾性体として弗素系等のエラストマー(弗素ゴム)と銀とのペースト層を設けたり(例えば、特許文献3参照)していた。
特開平6−20877 再公表WO 00/49632 特開平2001−160524
ところで、導電性高分子からなる固体電解コンデンサを高温に長期間放置した場合、急激な温度変化による一時的な機械的変化では効果のあった陰極層に弗素ゴムを使用する方法では固体電解質層と陰極層と外部接続端子間の応力緩和の対策が十分ではなく、このために、固体電解コンデンサの誘電損失や、等価直列抵抗(以下ESRという)の増加を抑えることができなかった。
本発明は、以上の欠点を改良し、高温高湿下での銀のマイグレーションを抑制しながら、高温に短期間だけでなく、長期に放置した場合でも、誘電損失や、ESRの増加を抑えることができる導電性高分子からなる固体電解コンデンサを提供することを課題とするものである。
弁作用を有する金属の表面に酸化皮膜を形成し、この酸化皮膜の表面に導電性高分子からなる固体電解質層と、カーボンペースト層と銀ペースト層とからなる陰極層とを順次積層する固体電解コンデンサにおいて、前記カーボンペースト層と前記銀ペースト層の中間にのみバインダーとして、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/ビニリデンフルオロライド系共重合体またはテトラフルオロエチレン/パーフルオロプロピルビニルエーテル系共重合体プラストマーを使用した導電ペースト層を設けることを特徴とする固体電解コンデンサを提供するものである。そして、前記カーボンペースト層のバインダーを熱硬化性樹脂にしてより効果を上げた固体電解コンデンサを提供するものである。
本発明によれば、固体電解質層と陰極層の中間層に弗素系プラストマーを含む導電層を設けているので、高温高湿下での銀のマイグレーションを抑制しながら、高温に長時間放置した場合でも、陰極層の中間層が塑性的に変形して、固体電解質層と陰極層と外部接続端子間に発生する応力を十分緩和することができるので、各層間の界面の割れ、剥離から生じる電気的導通性の劣化を防止したり、この割れから酸素などが進入して導電性高分子が酸化劣化したりするのを防止し、固体電解コンデンサの誘電損失や、ESRの増加を抑えることができる。
特に、電解質が比較的軟質な導電性高分子からなる場合、その直接上層のバインダーに熱硬化性樹脂等を使用することにより表面の硬度を上げるため、塑性的な変形を主に陰極層の中間層に集中できるので、この導電性高分子層を効果的に保護することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1において、1は、角形(あるいは円筒形)の焼結体であり、タンタルやアルミニウム,ニオブ,チタン,ジルコニウム,ハフニウム等の弁作用金属の微粉末を、タンタル等の弁作用金属からなる陽極用リード線2を引き出した状態にして、圧縮成形したものを真空中において高温で加熱し、焼結したものである。なお、この場合、焼結体1の代わりに弁作用の金属箔を積層したり巻回したりしたものを用いてもよい。
3は陽極用リード線2の根本に配置した弗素樹脂やシリコーンゴム,シリコーン樹脂からなる円板状の絶縁板である。
また、焼結体1には、陽極酸化処理することによってその表面に厚さ200〜6000Å程度の酸化皮膜4が形成されている。
そして酸化皮膜4の表面には固体電解質層5が積層されている。この固体電解質層5は、ポリアニリンやポリピロール,ポリフェニレンビニレン,ポリチオフェン,ポリオキシチオフェン等のポリマーの導電性高分子からなる。
6は、固体電解質層5の表面に積層した、カーボン粒子と樹脂とを主成分とするカーボンペースト層である。樹脂は熱硬化性樹脂あるいは熱可塑性樹脂のどちらでもよいが、熱可塑性樹脂としては高温でも硬度の高い高密度のものが好ましい。熱硬化性樹脂は加熱により容易に高温硬度が得られるのでより好ましい。熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂や弗素樹脂,シリコーン樹脂,ポリアミド樹脂,不飽和ポリエステル樹脂,ポリエチレン樹脂,エポキシ樹脂等を用いる。また、熱可塑性樹脂としては、飽和ポリエステル樹脂,弗素樹脂、ポリアミド樹脂,ポリイミド樹脂,ポリアミドイミド樹脂,ポリエチレン樹脂,ポリプロピレン樹脂,ポリスチレン樹脂等で高密度のものを用いる。このカーボンペースト6の厚さは、1μm〜100μmが好ましく、特に5μm〜50μmの範囲が好ましい。
7は、カーボンペースト層6の表面に積層した中間層である。金属粒子、カーボン粒子またはその混合導電粒子にバインダーとして弗素系プラストマーを使用する。粒子の形状は球状のほか、鱗片状、珊瑚状、コンペー糖状などのものを使用する。粒子としては、銀、銅,金、カーボンまたはその混合等の粒子を用いる。
プラストマーとはプラスチックのように可塑性をもつ高分子化合物の総称で、本発明で用いられる弗素系プラストマーとしてはテトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/ビニリデンフルオロライド系共重合体、テトラフルオロエチレン/パーフルオロプロピルビニルエーテル系共重合体用いられる。特に柔軟性が優れ接着性が高いテトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/ビニリデンフルオロライド系共重合体が好適である。また、複数種類の弗素系プラストマーを用いても差し支えないし、同じ種類の弗素系プラストマーの重合度等を変えたもの、例えば溶剤可溶体とデスパージョン体の混合体を用いてもよい。
この中間層7の厚さは、0.1μm〜30μmが好ましく、特に1μm〜10μmの範囲が好ましい。これより薄いと応力を十分緩和することができず、これより厚いと層抵抗やこの層部分の上下の接続抵抗が増加したりばらついたりする場合が生じやすい。


8は、中間層の表面に積層した、銀粒子と樹脂とを主成分とする銀ペースト層である。樹脂としては熱硬化性樹脂あるいは熱可塑性樹脂を用いる。熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂や弗素樹脂,シリコーン樹脂,ポリアミド樹脂,不飽和ポリエステル樹脂,ポリエチレン樹脂,エポキシ樹脂等を用いる。また、熱可塑性樹脂としては、飽和ポリエステル樹脂,弗素樹脂、ポリアミド樹脂,ポリイミド樹脂,ポリアミドイミド樹脂,ポリエチレン樹脂,ポリプロピレン樹脂,ポリスチレン樹脂等を用いる。この銀ペースト層8の厚さは、0.1〜50μmが好ましく、特に5〜30μmの範囲が好ましい。
なお、カーボンペースト層8の厚さを5〜50μm,中間層7の厚さを1μm〜10μm,と銀ペースト層8の厚さを5〜30μmとすることにより、誘電損失や、ESRをより顕著に改良できる。
そして銀ペースト層8には、銀等の導電性接着剤9により陰極端子10を接続している。また、陽極用リード線2には陽極端子11を溶接している。
また、陰極端子10及び陽極端子11を部分的に残して、全体をエポキシ樹脂等の絶縁樹脂により被覆して外装12を形成している。陰極端子10及び陽極端子11の露出部分は、この外装12の側面及び下面に沿って折り曲げられている。
次に、上記の実施の形態の固体電解コンデンサ13の製造方法を説明する。
先ず、タンタル等の弁作用金属の微粉末にアクリル系樹脂等を有機溶媒で溶かしたバインダーを添加し、混合する。混合した後、加熱して有機溶媒を蒸発し除去する。次に、この弁作用金属の微粉末を、陽極用リード線2を引き出した状態にして角形や円筒形等の形状にプレス等で圧縮成形する。圧縮成形後、10−4〜10−5Torr程度の真空中等の雰囲気中において、1600〜2200℃程度の高温度で、15〜60分間程度加熱して焼結し、図2(イ)に示す通り焼結体1を形成する。この焼結時に粉末中の不純物も蒸発させる。なお、弁作用金属の箔を用いる場合には、エッチングした箔を用い、これを積層したり巻回したりする。
そして焼結後、図1(イ)に示す通り、陽極用リード線2の根本に弗素樹脂等からなる円板状の絶縁板3を配置する。次に、図2(ロ)に示す通り、陽極用リード線2の先端をアルミニウムやステンレス等の金属板14に溶接する。金属板には作業の効率化のため焼結体を複数個取り付ける。そしてこの状態で焼結体1を硝酸やリン酸などの化成液中に目視等により所定のレベルまで浸漬するとともに、これに定格電圧に応じた直流電圧を印加して化成処理する。この化成処理により約16Å/V程度の割合で図2(ハ)に示す通り酸化皮膜4を形成する。
酸化皮膜4を形成後、図2(ニ)に示す通り、導電性高分子からなる固体電解質層5を形成する。この固体電解質層5を形成するには、化学酸化重合法や電解酸化重合法により行う。前者の化学酸化重合法によるには、次の通りに行う。すなわち、モノマー,ドーパント,酸化剤を適当な溶媒に溶解した溶液に固体電解質層5を形成後の焼結体1を浸漬し、この焼結体1を一定の温度に保持して反応させる。次に、溶液から焼結体1を取り出して溶媒を蒸発する。そしてこの工程を繰り返すことによって、所定の厚さの導電性高分子からなる固体電解質層5を形成する。
また、第2の方法として、モノマーとドーパントを適当な溶媒に溶解した溶液Aと、酸化剤あるいは酸化剤とドーパントを溶解した溶液Bとを調整する。
そして焼結体1を溶液Aに浸漬した後、溶液Bに浸漬して反応させ、さらに溶媒を蒸発する。この工程を繰り返すことにより所定の厚さに形成する。
さらに、第3の方法としては、第1の方法と第2の方法とを組み合わせてより均質な導電性高分子からなる固体電解質層5を形成できる。
なお、モノマーとしては、ピロールやチオフェン,フェニレンビニレン,ジオキシチオフェン,アニリン等を用いる。
また、酸化剤としては、重クロム酸カリウムや重クロム酸ナトリウム,ペルオキソ二硫酸アンモニウム,塩化第二鉄,塩化第二銅,過マンガン酸カリウム,過酸化水素等を用いる。
そしてドーパントとしては、P−トルエンスルホン酸やP−フェノールスルホン酸,ナフタレンスルホン酸,ドデシルベンゼンスルホン酸,カンファスルホン酸などのスルホン酸、リン酸などを用いる。
さらに、溶媒としては、エチルアルコールやメチルアルコール,プロピールアルコール,ブチルアルコールなどの低級アルコール,あるいは水,水と低級アルコールとの混合液等を用いる。
導電性高分子からなる固体電解質層5を形成後、焼結体1をドーパントを含む水溶液中に浸漬し、この状態で、焼結体1をプラス、溶液をマイナスにして直流電圧を印加して、コンデンサの漏れ電流を下げる処理を行う。
この場合、溶液中に含まれる電解質は、導電性高分子を形成したときと同じドーパントでも、あるいは別のドーパントでもよい。
また、溶液中のドーパント濃度は、導電性高分子を形成するときに用いる溶液中のドーパントの濃度と同程度であり、0.1wt%〜20wt%の範囲が好ましい。
そして電圧の印加方法は、所定の電圧を最初から印加するか、あるいは昇圧しながら印加する。この際、最高到達電圧は化成皮膜を形成したときの化成電圧の0.2倍〜1.0倍とする。また電圧印加時の溶液の温度は室温〜40℃とする。さらに印加時間は10分〜60分間とする。
この後、カーボン粒子と樹脂等とを溶媒に分散させたカーボンぺーストを固体電解質層5の表面に塗布し、加熱乾燥または加熱硬化して、図2(ホ)に示す通り、カーボンぺースト層6を形成する。
カーボンぺースト層6を形成後、金属粉やカーボン粉などとプラストマーとの成分を有機溶媒に分散させた適当な粘度のペーストをカーボンぺースト層6の表面に塗布し、加熱乾燥して、図2(へ)に示す通り、中間層7を形成する。
なお、有機溶媒としては、酢酸ブチル、酢酸エチル,メチルエチルケトン、エチルアルコールやブチルアルコールなどを用いる。
中間層7を形成後、銀粉などの金属粒子と樹脂等とを有機溶媒に分散させた適度な粘度の銀ペーストを中間層7の表面に塗布し、加熱乾燥または加熱硬化して、図2(ト)に示す通り、銀ぺースト層8を形成する。
なお、有機溶媒としては、シクロヘキサンやジエチレングリコールジメチルエーテル,ブチルセロソルブアセテート,N−2−メチルピロリドン,2−(2−エトキシジエトキシ)エチルアセテート(カルビトールアセテート),2−ブトキシエタノール,ジプロピレングリコールモノメチルエーテル,ブチルセロソルブ,酢酸ブチル,あるいはこれらの混合溶媒等を用いる。
銀ぺースト層8を形成後、図2(チ)に示す通り、この銀ぺースト層8を銀ペースト等の導電性接着剤9により、リードフレームの陰極端子部分10に接続する。
また、リードフレームの陽極端子部分11に陽極用リード線2を溶接する。
そして図2(リ)に示す通り、エポキシ樹脂等の絶縁樹脂を用いてトランスファーモールド処理をして外装12を形成する。
外装12を形成後、高温度(例えば85℃以上)の雰囲気中において定格電圧の1.5〜2.0倍程度の電圧を印加してエージング処理する。なお、エージング処理時の温度は85〜125℃が好ましく、特に85〜105℃の範囲が効果的である。
エージング処理後、リードフレームを切断し、図1に示す通り、陰極端子10及び陽極端子11を外装12の表面に沿って折り曲げる。
次に、本発明の実施例について、比較例とともに、ESRの初期値と、リフロー後の値と125℃、500時間高温放置試験後の値を測定し、表1に示した。
実施例及び比較例の製造条件は次の通りとする。
実施例1〜実施例12:図1に示す通りの構造で、定格6.3V,150μFのタンタルチップ型固体電解コンデンサとする。
弁作用金属であるタンクル粉末としてはCV値:公称30,000gのものを用いる。
そしてこのタンタル粉末にバインダーとしてアクリル樹脂を加え、顆粒状にしたタンタル粉にタンタル金属からなる陽極用リード線の一端を埋め込み、成形機を使用して角形に成形する。
次に、この成形後の成形体を焼結して、幅1.5mm,厚さ3.0mm,長さ4.0mmの焼結体を作成する。
焼結体を作成後、陽極用リード線の先端を幅1cm,長さ20cmのステンレス製の金属板に溶接する。
溶接後、焼結体をリン酸中に浸漬し、直流電圧30Vを印加して陽極化成し、酸化皮膜を形成する。
酸化皮膜を形成後、0.1mol/lのアニリン,0.1mol/lのペルオキソ二硫酸アンモニウム,0.1mol/lのP−トルエンスルホン酸を水30%,エタノール70%の溶媒に溶解した溶液中に焼結体を1分間浸漬する。浸漬後、温度50℃の空気中に放置して重合反応を完了させる。
そしてこの浸漬から高温放置までの工程を15回繰り返して行い、焼結体の孔の内部と外周部分に導電性ポリアニリンからなる固体電解質層を形成する。
固体電解質層を形成後、カーボン粒子とアクリル樹脂またはフェノール樹脂とを成分とするカーボンペースト中に焼結体を浸漬し、固体電解質層の表面にカーボンぺーストを塗布し、温度150℃で乾燥して厚さおおよそ30μm程度のカーボンペースト層を形成する。
カーボンペースト層を形成後、表1に示す通りの導電粉とプラストマーとを成分とする導電ペーストをカーボンペースト層の表面に塗布し、温度150℃で乾燥して厚さおおよそ5μm程度の中間層を形成する。
中間層を形成後、銀粉とポリエステル樹脂とを成分とする銀ペーストを中間層の表面に塗布し、温度150℃で硬化し、厚さおおよそ20μm程度の銀ペースト層を形成する。
銀ペースト層を形成後、リードフレームに、銀ペースト層は導電性接着剤によりそして陽極用リード線は溶接により各々接続する。
その後、エポキシ樹脂を用い、トランスファーモールド処理を行って外装を形成する。
比較例1〜4:カーボンペースト層に表1の樹脂を用いることと中間層を設けないこと以外は実施例と同一の条件とする。
また、ESRは100KHzの周波数で測定した値とする。
リフローは、コンデンサを接続できるようにしたプリント基板にはんだペーストを塗布し、このプリント基板に試料のコンデンサを接続したものを、最高到達温度が240℃のリフロー炉中に通し、温度200℃以上の温度帯域を10〜20秒間通過させて行う。また、高温放置試験は、125℃、500時間行う。
Figure 0004870327

この表1から明らかな通り、比較例1〜比較例4のESR値は実施例1〜実施例12のそれと比べると初期値においてはほぼ同じ大きさであるが、リフロー後で少し、そして高温放置後は大幅に増加している。
また、同じ実施例でも高温放置後のESR値は実施例7〜実施例12のようにカーボンペースト層に熱硬化性のフェノール樹脂を使用したほうが、実施例1〜実施例6のように熱可塑性のアクリル樹脂を使用したものより増加が抑制されている。
以上の通り、本発明によれば、陰極層の中間層に弗素系プラストマーを含む層を設けているので、高温高湿下での銀のマイグレーションを抑制しながら、高温に長時間放置した場合でも、陰極層の中間層が塑性的に変形して、固体電解質層と陰極層と外部接続端子間に発生する応力を十分緩和することができるので、各層間の界面の割れ、剥離から生じる電気的導通性の劣化を防止したり、この割れから酸素などが進入して導電性高分子が酸化劣化したりするのを防止し、固体電解コンデンサのESRの増加(誘電損失の増加)を抑えることができる。
特に、電解質が比較的軟質な導電性高分子からなる場合、その直接上層のバインダーに熱硬化性樹脂等を使用することにより表面の硬度を上げるため、塑性的な変形を主に陰極層の中間層に限定できるので、この導電性高分子層を効果的に保護することができる。
本発明の実施の形態の断面図を示す。 本発明の実施の形態の製造工程を示す。
符号の説明
1…焼結体、2…陽極用リード線、3…絶縁板、4…酸化皮膜、 5…固体電解質層、 6…カーボンペースト層、7…中間層、 8…銀ペースト層、9…導電性接着剤、10…リードフレームの陰極端子部分、11…リードフレームの陽極端子部分、12…外装、13…固体電解コンデンサ。

Claims (2)

  1. 弁作用を有する金属の表面に酸化皮膜を形成し、この酸化皮膜の表面に導電性高分子からなる固体電解質層と、カーボンペースト層と銀ペースト層とからなる陰極層とを順次積層する固体電解コンデンサにおいて、前記カーボンペースト層と前記銀ペースト層の中間にのみバインダーとして、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/ビニリデンフルオロライド系共重合体またはテトラフルオロエチレン/パーフルオロプロピルビニルエーテル系共重合体プラストマーを使用した導電ペースト層を設けることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 弁作用を有する金属の表面に酸化皮膜を形成し、この酸化皮膜の表面に導電性高分子からなる固体電解質層と、カーボンペースト層と銀ペースト層とからなる陰極層とを順次積層する固体電解コンデンサにおいて、前記カーボンペースト層のバインダーが熱硬化性樹脂からなり、かつ前記カーボンペースト層と前記銀ペースト層の中間にのみバインダーとして、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/ビニリデンフルオロライド系共重合体またはテトラフルオロエチレン/パーフルオロプロピルビニルエーテル系共重合体プラストマーを使用した導電ペースト層を設けることを特徴とする固体電解コンデンサ。
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