本発明は、管腔内に挿入部を挿入し、管腔内の被検部位を照明し、被検部位を観察する内視鏡装置に関する。
近年、体腔内に細長の挿入部を挿入することにより、体腔内臓器等を観察したり、必要に応じて処置具チャンネル内に挿通した処置具を用いて各種治療処置できる医療用の内視鏡が広く利用されている。
また、工業用の管路等の腐食や傷等の検査に工業用の内視鏡が利用されている。
ところで、内視鏡の使用時に体腔内や管腔内等を照明するための手段としては、外部の照明装置からの照明光を内視鏡の挿入部内に配設されたライトガイドを用いて伝送を行うものがあるが、照明装置は大型であるために内視鏡装置全体が大型化してしまう。
そこで、例えば特開平11−155811号公報等に示されるように、照明ランプを挿入部の先端部に配置し、内視鏡装置の小型化をねらった技術があり、照明ランプとしては主としてLED(Light Emitting Diodes)を用いている。
LEDは消費電力が少ない一方で過電流に弱く破壊されやすいので、信頼性の要求される医療器に用いるのは難しいものであるが、小型化を要求される内視鏡においては注目される技術の一つである。
上記特開平11−155811号公報の内視鏡装置は、挿入部先端にLEDを配置し、電流値検出手段、電流値比較手段、電流値制御手段等を用いて、LEDの電源ラインの長さが異なる種々の内視鏡を用いても常に必要な光量を確保するものである。
また、特開平11−225952号公報は、複数のLEDを挿入部先端に配置し、内視鏡画像の映像信号をモニタし、モニタ結果により特定のLEDの輝度調整を指示する内視鏡装置を開示している。
さらに、特開2005−342010号公報は、照明光学系のある挿入部を備えた内視鏡とは別体に、シースにLEDを設け、そのシースのLEDの照明制御を内視鏡挿入部の湾曲に連動させる内視鏡装置を開示している。
特開平11−155811号公報
特開平11−225952号公報
特開2005−342010号公報
しかしながら、上記特開平11−155811号公報の内視鏡装置においては、挿入部先端を湾曲動作させながら照明光の照明領域を検査対象物上で移動させる場合、湾曲させる方向(検査しようとしている方向)が暗く、検査対象物上の注目部位を発見することが難しいといった問題がある。
また、上記特開平11−225952号公報の内視鏡装置においては、湾曲させる方向(検査しようとしている方向)を明るくするめには、モニタ結果によりユーザが特定のLEDの輝度を手動で指示しなければならず、操作が煩雑になるといった問題がある。
さらに、上記特開2005−342010号公報の内視鏡装置においては、上述の特開平11−155811号公報あるいは特開平11−225952号公報と比較すると、シースのLEDの照明制御を内視鏡挿入部の湾曲に連動させるという点で湾曲させる方向(検査しようとしている方向)を明るくといった操作性の向上が可能であるが、内視鏡挿入部を覆うために追加したシースにバッテリやローカルCPU等の付加的手段を内蔵させているため、挿入部全体の径が太くなり、使用できる環境が制限されるといった問題がある。
本発明は、上述した点に鑑みてなされたもので、挿入部の細径化を維持し、かつ検査箇所(注目部位)を適切な輝度で照明し、検査効率を向上させることのできる内視鏡装置を提供することを目的としている。
前記目的を達成するため本発明の一態様による内視鏡装置は、先端部に対物光学系を備え細長で湾曲部を有した、管腔内に挿入される挿入部と、前記挿入部が挿入される前記管腔内の被検部位を撮像する撮像手段と、前記撮像手段からの撮像信号を信号処理して前記被検部位の画像を表示手段に表示させる信号処理手段と、前記湾曲部の湾曲動作を指示する湾曲指示手段と、を有する内視鏡装置において、
前記挿入部の先端より前記被検部位を照明する照明光を発光する光源手段と、前記挿入部の先端内部の前記撮像手段の近傍の温度を検出する温度検出手段と、前記湾曲指示手段の湾曲指示に基づき前記湾曲部を湾曲させる湾曲制御手段と、前記湾曲指示手段により前記湾曲制御手段が湾曲させた湾曲部の湾曲状態を検出する湾曲検出手段と、 前記温度検出手段により検出された温度データと前記湾曲検出手段により検出された湾曲状態データとに基づく前記光源手段の輝度データを格納する輝度データ格納部と、前記温度データと前記湾曲状態データとに基づき、前記輝度データ格納部に格納されている輝度データより前記光源手段の輝度を制御する輝度制御手段と、を備えている。
本発明によれば、挿入部の細径化を維持し、かつ検査箇所(注目部位)を適切な輝度で照明し、検査効率を向上させることができるという効果がある。
本発明の参考例1に係る内視鏡装置の構成を示す構成図、
図1の制御部の機能構成を示すブロック図、
図2の制御部の処理の流れを示すフローチャート、
図3の処理を説明する第1のタイミングチャート、
図3の処理を説明する第1の説明図、
図3の処理を説明する第2のタイミングチャート、
図3の処理を説明する第2の説明図、
本発明の参考例2に係る内視鏡装置の構成を示す構成図、
図8の挿入部の先端面に配置される先端面を示す図、
図9の挿入部の先端側面を示す図、
図8の制御部の処理の流れを示すフローチャート、
図8の挿入部先端の変形例を示す図、
本発明の実施例1に係る内視鏡装置の構成を示す構成図、
図13のテーブルメモリに格納されるテーブルデータを示す図、
図13の制御部の機能構成を示すブロック図、
図15の制御部の処理の流れを示すフローチャート、
図16のLED輝度制御処理の処理の流れを示すフローチャート。
以下、図面を参照しながら本発明の実施例について述べる。
参考例1
図1ないし図7は本発明の参考例1に係わり、図1は内視鏡装置の構成を示す構成図、図2は図1の制御部の機能構成を示すブロック図、図3は図2の制御部の処理の流れを示すフローチャート、図4は図3の処理を説明する第1のタイミングチャート、図5は図3の処理を説明する第1の説明図、図6は図3の処理を説明する第2のタイミングチャート、図7は図3の処理を説明する第2の説明図である。
図1に示すように、本参考例の内視鏡装置1は、管腔内に挿入され、先端部4の先端面に設けられた対物光学系10を介して管腔内の検査箇所(注目部位)を撮像する撮像手段としての撮像素子である例えば CCD7を先端内に有する挿入部3と、CCD7が撮像した撮像信号を信号処理する信号処理手段としての信号処理装置2とから構成される。なお、撮像素子はCCDに限らず、CMOSセンサにより構成しても良い。
前記先端部4の先端面には、前記対物光学系10を中心として、例えば上下左右に第1(上)LED6a,第2(下)LED6b,第3(左)LED6c及び第4(右)LED6dの4つの白色LEDを発光素子とする光源手段が配置され設けられている。
前記挿入部3は、細長で可撓性を有し、先端部4の近傍は複数の湾曲コマ8からなる湾曲部5が形成されており、この湾曲部5を湾曲させることで、先端部4を上下左右に湾曲させることかできるようになっている。
前記信号処理装置2は、LEDドライバ11、湾曲ドライバ12、信号処理部13、表示部14、湾曲上方向指示ボタン15、湾曲下方向指示ボタン16、湾曲左方向指示ボタン17、湾曲右方向指示ボタン18、主メモリ19及び制御部20を備えて構成されている。
前記LEDドライバ11は、上記の第1(上)LED6a,第2(下)LED6b,第3(左)LED6c及び第4(右)LED6dを後述する制御に基づいた輝度で点灯させるドライバである。
また、前記湾曲ドライバ12は、複数の湾曲コマ8の上下左右に連結されている4本の湾曲ワイヤ9を駆動することで、湾曲部5を湾曲させるドライバである。
前記信号処理部13は、CCD7を駆動すると共に、CCD7からの撮像信号を信号処理して検査箇所(注目部位)の観察画像を、例えば信号処理装置2の前面に配置された液晶モニタからなる前記表示部14に表示させる。
また、湾曲上方向指示ボタン15、湾曲下方向指示ボタン16、湾曲左方向指示ボタン17及び湾曲右方向指示ボタン18は、例えば信号処理装置2の前面に配置された、湾曲部5の湾曲方向を指示するメカニカルボタンから構成される湾曲指示手段としての湾曲指示入力部である。
前記制御部20は、主メモリ19に格納されている制御プログラムに従って、装置内部の各部を制御する。なお、主メモリ19は、制御プログラムを格納すると共に、制御部20が制御に必要なデータをリード/ライトできるようになっている。
また、前記制御部20は、図2に示すように、システム制御部20a、湾曲方向判定部20b、湾曲制御手段としての湾曲駆動制御部20c及び輝度制御手段としてのLED駆動制御部20dの各部を有して構成される。
システム制御部20aは、主メモリ19に格納されている制御プログラムに従って処理を実行する機能部である。湾曲方向判定部20bは、湾曲上方向指示ボタン15、湾曲下方向指示ボタン16、湾曲左方向指示ボタン17及び湾曲右方向指示ボタン18の操作を検知し、湾曲方向を判定する機能部である。
また、湾曲駆動制御部20cは、湾曲方向判定部20bが判定した湾曲方向に湾曲部5を湾曲させるために湾曲ドライバ12を制御する。LED駆動制御部20dは、湾曲方向判定部20bが判定した湾曲方向に基づいて湾曲部5の湾曲動作に連動して、第1(上)LED6a,第2(下)LED6b,第3(左)LED6c及び第4(右)LED6dの輝度を設定して、LEDドライバ11を制御する。
このように構成された本参考例の作用について、図3のフローチャートを用い、図4ないし図7を参照して説明する。
内視鏡装置1による管腔内の検査が開始されると、制御部20のシステム制御部20aにより制御プログラムが起動し、図3に示すように、制御部20のLED駆動制御部20dは、ステップS1にてLEDドライバ11を制御し、第1(上)LED6a,第2(下)LED6b,第3(左)LED6c及び第4(右)LED6dを所定の輝度レベルであるLevel1で点灯させる。
そして、ステップS2にて、制御部20の湾曲方向判定部20bは、湾曲上方向指示ボタン15が押下されたかどうか判断する。湾曲上方向指示ボタン15が押下されていないと判断するとステップS5に進む。
一方、湾曲方向判定部20bが湾曲上方向指示ボタン15が押下されたと判断すると、ステップS3にて制御部20の湾曲駆動制御部20cは、湾曲ドライバ12を制御し、複数の湾曲コマ8の上部に連結されている湾曲ワイヤ9を駆動することで、湾曲部5を上方向に湾曲させる。続いて、ステップS4にて制御部20のLED駆動制御部20dは、第1(上)LED6aの輝度レベルをLevel1より高い輝度レベル(Level2:Level2>Level1)に設定すると共に、第2(下)LED6bの輝度レベルをLevel1より低い輝度レベル(Level3:Level3<Level1)に設定し
て、LEDドライバ11を制御し、ステップS5に進む。
これにより第1(上)LED6aは輝度レベル=Level2(>Level1)、第2(下)LED6bは輝度レベル=Level3(<Level1)、第3(左)LED6c及び第4(右)LED6dは輝度レベル=Level1で点灯駆動される。
そして、ステップS5にて、制御部20の湾曲方向判定部20bは、湾曲下方向指示ボタン16が押下されたかどうか判断する。湾曲下方向指示ボタン16が押下されていないと判断するとステップS8に進む。
一方、湾曲方向判定部20bが湾曲下方向指示ボタン16が押下されたと判断すると、ステップS6にて制御部20の湾曲駆動制御部20cは、湾曲ドライバ12を制御し、複数の湾曲コマ8の下部に連結されている湾曲ワイヤ9を駆動することで、湾曲部5を下方向に湾曲させる。続いて、ステップS7にて制御部20のLED駆動制御部20dは、第2(下)LED6bの輝度レベルをLevel1より高い輝度レベル(Level2:Level2>Level1)に設定すると共に、第1(上)LED6aの輝度レベルをLevel1より低い輝度レベル(Level3:Level3<Level1)に設定し
て、LEDドライバ11を制御し、ステップS8に進む。
これにより第1(上)LED6aは輝度レベル=Level3(<Level1)、第2(下)LED6bは輝度レベル=Level2(>Level1)、第3(左)LED6c及び第4(右)LED6dは輝度レベル=Level1で点灯駆動される。
ステップS8では、制御部20の湾曲方向判定部20bは、湾曲左方向指示ボタン17が押下されたかどうか判断する。湾曲左方向指示ボタン17が押下されていないと判断するとステップS11に進む。
一方、湾曲方向判定部20bが湾曲左方向指示ボタン17が押下されたと判断すると、ステップS9にて制御部20の湾曲駆動制御部20cは、湾曲ドライバ12を制御し、複数の湾曲コマ8の左部に連結されている湾曲ワイヤ9を駆動することで、湾曲部5を左方向に湾曲させる。続いて、ステップS10にて制御部20のLED駆動制御部20dは、第3(左)LED6cの輝度レベルをLevel1より高い輝度レベル(Level2:Level2>Level1)に設定すると共に、第4(右)LED6dの輝度レベルをLevel1より低い輝度レベル(Level3:Level3<Level1)に設定
して、LEDドライバ11を制御し、ステップS11に進む。
これにより第1(上)LED6a及び第2(下)LED6bは輝度レベル=Level1、第3(左)LED6cは輝度レベル=Level2(>Level1)、第4(右)LED6dは輝度レベル=Level3(<Level1)で点灯駆動される。
ステップS11では、制御部20の湾曲方向判定部20bは、湾曲右方向指示ボタン18が押下されたかどうか判断する。湾曲右方向指示ボタン18が押下されていないと判断するとステップS14に進む。
一方、湾曲方向判定部20bが湾曲右方向指示ボタン18が押下されたと判断すると、ステップS12にて制御部20の湾曲駆動制御部20cは、湾曲ドライバ12を制御し、複数の湾曲コマ8の右部に連結されている湾曲ワイヤ9を駆動することで、湾曲部5を右方向に湾曲させる。続いて、ステップS13にて制御部20のLED駆動制御部20dは、第4(右)LED6dの輝度レベルをLevel1より高い輝度レベル(Level2:Level2>Level1)に設定すると共に、第3(左)LED6cの輝度レベルをLevel1より低い輝度レベル(Level3:Level3<Level1)に設
定して、LEDドライバ11を制御し、ステップS14に進む。
これにより第1(上)LED6a及び第2(下)LED6bは輝度レベル=Level1、第3(左)LED6cは輝度レベル=Level3(<Level1)、第4(右)LED6dは輝度レベル=Level2(>Level1)で点灯駆動される。
そして、ステップS14にて湾曲動作が停止した(湾曲上方向指示ボタン15、湾曲下方向指示ボタン16、湾曲左方向指示ボタン17及び湾曲右方向指示ボタン18の操作が中止された)かどうか判断し、湾曲動作が停止したと判断するとステップS1に戻り、湾曲動作が停止していないと判断するとステップS2に戻る。
図4は検査開始から第1ないし第4のLED6a〜6dの点灯駆動開始に至るタイミングを示すタイミングチャートである。図5は図4の点灯駆動開始のタイミングで第1ないし第4のLED6a〜6dを輝度レベル=Level1(所定の輝度レベル)点灯駆動した際に(ステップS1)、表示部14に表示される表示画像の明るさを模式的に示した図である。図5では第1ないし第4のLED6a〜6dの照明光の最も明るいエリアが主として画像の中心部になっている状態を示している。
また、図6は湾曲右方向指示ボタン18が押下された際の第1(上)LED6a、第2(下)LED6b、第3(左)LED6cを輝度レベル及び第4(右)LED6dの点灯駆動のタイミングを示すタイミングチャートである。図7は湾曲部5が右方向に湾曲される(ステップS12)と共に、図6での第1(上)LED6a及び第2(下)LED6bを輝度レベル=Level1、第3(左)LED6cを輝度レベル=Level3(<Level1)、第4(右)LED6dを輝度レベルの輝度レベル=Level2(>Level1)で点灯駆動された(ステップS13)際に、表示部14に表示される表示画像の明るさを模式的に示した図であり、図5と比較して照明光の最も明るいエリアが右方向に広がっている状態を示している。
このように本参考例によれば、LEDを挿入部3の先端に配置することで挿入部3の細径化を維持し、かつ、湾曲方向に応じ第1ないし第4のLEDの輝度レベルを増減させているので、少なくとも湾曲方向の先にある検査箇所(注目部位)を適切な輝度で照明し、検査効率を向上させることができる。
なお、上記ステップS4、S7、S10、S13においての第1ないし第4のLEDの輝度レベルの設定においては、制御部20のLED駆動制御部20dは、この4つのLED全体の消費電力を一定に保つように輝度設定の制御を行うようになっている。これは、近年、装置の携帯性、長寿命化等が求められるようになってきたこともあり、単純に輝度を上げた場合、LEDの発熱が増えることで挿入部3の先端の温度が上昇し、撮像素子での画像ノイズが増したり、場合によってはLEDや撮像素子が破損してしまうのを防止するためである。但し、発熱や消費電力が問題とならない場合には、湾曲動作に応じて全て
のLEDの輝度を上げても良い。
また、ステップS4、S7、S10、S13では第1ないし第4のLEDのいずれかのLEDの輝度レベルを下げるとしたが、輝度レベルを下げる対象のLEDを消灯させるようにしてもよい。
さらに、光源部は、挿入部3の先端面に設けるLEDは4つに限らず、複数系統であればLEDに関してはどのような数、組み合わせでも良い。また、複数のLEDを挿入部3の先端面に設けるとしたが、これに限らず、信号処理装置2内に複数のLEDを設け、挿入部3内にLEDに応じた複数の光ファイバ等の光伝送手段を設けて複数のLED毎の照明光を挿入部3の先端に伝送する構成としても本参考例と同様な作用・効果を得ることができることはいうまでもない。
また、本参考例では、例えば信号処理装置2の前面に配置されたメカニカルボタンにより構成される湾曲上方向指示ボタン15、湾曲下方向指示ボタン16、湾曲左方向指示ボタン17及び湾曲右方向指示ボタン18により湾曲指示手段としての湾曲指示入力部を構成するとしたが、これに限らず、キーボードや、ジョイスティック、マウスあるいは表示部14に設けるタッチパネル等のポインティングデバイスにより湾曲指示入力部を構成してもよい。
参考例2
図8ないし図12は本発明の参考例2に係わり、図8は内視鏡装置の構成を示す構成図、図9は図8の挿入部の先端面に配置される先端面を示す図、図10は図9の挿入部の先端側面を示す図、図11は図8の制御部の処理の流れを示すフローチャート、図12は図8の挿入部先端の変形例を示す図である。
参考例2は、参考例1とほとんど同じであるので、異なる点のみ説明し、同一の構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
図8に示すように、本参考例の内視鏡装置1aは、挿入部3の先端面に設けた第1(上)LED6a,第2(下)LED6b,第3(左)LED6c及び第4(右)LED6dの4つのLEDに加え、先端部4に先端面と挿入部3の側面に、例えば45°の角度の斜面部を設け、第1(上)LED6a,第2(下)LED6b,第3(左)LED6c及び第4(右)LED6dに隣接してこの斜面部にさらに4つのLEDを設けて構成され、この新たに設けられた4つのLEDを制御部20のLED駆動制御部20dの制御によりLEDドライバ11にて駆動するように構成される。
詳細には、図9及び図10に示すように、参考例1と同様に挿入部3の先端面に設けられた第1(上)LED6a,第2(下)LED6b,第3(左)LED6c及び第4(右)LED6dに加え、先端部4に先端面と挿入部3の側面に例えば45°の角度をなして形成された斜面部4aに第5(上側面)LED6e,第6(下側面)LED6f,第7(左側面)LED6g及び第8(右側面)LED6hが設けられ、制御部20のLED駆動制御部20dの制御によりLEDドライバ11にて、第1(上)LED6a,第2(下)LED6b,第3(左)LED6c及び第4(右)LED6dと同様に、第5(上側面)LED6e,第6(下側面)LED6f,第7(左側面)LED6g及び第8(右側面)LED6hが点灯駆動されるようになっている。その他の構成は参考例1と同じである。
このように構成された本参考例の作用を図11のフローチャートを用いて説明する。
内視鏡装置1による管腔内の検査が開始されると、制御部20のシステム制御部20aにより制御プログラムが起動し、図11に示すように、制御部20のLED駆動制御部20dは、ステップS1aにてLEDドライバ11を制御し、第1(上)LED6a,第2(下)LED6b,第3(左)LED6c及び第4(右)LED6dを所定の輝度レベルであるLevel1で点灯させると共に、第5(上側面)LED6e,第6(下側面)LED6f,第7(左側面)LED6g及び第8(右側面)LED6hを消灯する。
そして、ステップS2にて、制御部20の湾曲方向判定部20bは、湾曲上方向指示ボタン15が押下されたかどうか判断する。湾曲上方向指示ボタン15が押下されていないと判断するとステップS5に進む。
一方、湾曲方向判定部20bが湾曲上方向指示ボタン15が押下されたと判断すると、ステップS3にて制御部20の湾曲駆動制御部20cは、湾曲ドライバ12を制御し、複数の湾曲コマ8の上部に連結されている湾曲ワイヤ9を駆動することで、湾曲部5を上方向に湾曲させる。続いて、ステップS4aにて制御部20のLED駆動制御部20dは、第5(上側面)LED6eの輝度レベルをLevel1に設定すると共に、第2(下)LED6bの輝度レベルをLevel1より低い輝度レベル(Level3:Level3<Level1)に設定して、LEDドライバ11を制御し、ステップS5に進む。
これにより第5(上側面)LED6eは輝度レベル=Level1、第2(下)LED6bは輝度レベル=Level3(<Level1)、第1(上)LED6aと第3(左)LED6c及び第4(右)LED6dは輝度レベル=Level1で点灯駆動される。
そして、ステップS5にて、制御部20の湾曲方向判定部20bは、湾曲下方向指示ボタン16が押下されたかどうか判断する。湾曲下方向指示ボタン16が押下されていないと判断するとステップS8に進む。
一方、湾曲方向判定部20bが湾曲下方向指示ボタン16が押下されたと判断すると、ステップS6にて制御部20の湾曲駆動制御部20cは、湾曲ドライバ12を制御し、複数の湾曲コマ8の下部に連結されている湾曲ワイヤ9を駆動することで、湾曲部5を下方向に湾曲させる。続いて、ステップS7aにて制御部20のLED駆動制御部20dは、第6(下側面)LED6fの輝度レベルをLevel1に設定すると共に、第1(上)LED6aの輝度レベルをLevel1より低い輝度レベル(Level3:Level3<Level1)に設定して、LEDドライバ11を制御し、ステップS8に進む。
これにより第6(下側面)LED6fは輝度レベル=Level1、第1(上)LED6a=Level3(<Level1)、第2(下)LED6bと第3(左)LED6c及び第4(右)LED6dは輝度レベル=Level1で点灯駆動される。
ステップS8では、制御部20の湾曲方向判定部20bは、湾曲左方向指示ボタン17が押下されたかどうか判断する。湾曲左方向指示ボタン17が押下されていないと判断するとステップS11に進む。
一方、湾曲方向判定部20bが湾曲左方向指示ボタン17が押下されたと判断すると、ステップS9にて制御部20の湾曲駆動制御部20cは、湾曲ドライバ12を制御し、複数の湾曲コマ8の左部に連結されている湾曲ワイヤ9を駆動することで、湾曲部5を左方向に湾曲させる。続いて、ステップS10aにて制御部20のLED駆動制御部20dは、第7(左側面)LED6gの輝度レベルをLevel1に設定すると共に、第4(右)LED6dの輝度レベルをLevel1より低い輝度レベル(Level3:Level3<Level1)に設定して、LEDドライバ11を制御し、ステップS11に進む。
これにより第1(上)LED6aと第2(下)LED6bと第3(左)LED6c及び第7(左側面)LED6gは輝度レベル=Level1、第4(右)LED6dは輝度レベル=Level3(<Level1)で点灯駆動される。
ステップS11では、制御部20の湾曲方向判定部20bは、湾曲右方向指示ボタン18が押下されたかどうか判断する。湾曲右方向指示ボタン18が押下されていないと判断するとステップS14に進む。
一方、湾曲方向判定部20bが湾曲右方向指示ボタン18が押下されたと判断すると、ステップS12にて制御部20の湾曲駆動制御部20cは、湾曲ドライバ12を制御し、複数の湾曲コマ8の右部に連結されている湾曲ワイヤ9を駆動することで、湾曲部5を右方向に湾曲させる。続いて、ステップS13aにて制御部20のLED駆動制御部20dは、第8(右側面)LED6hの輝度レベルをLevel1に設定すると共に、第3(左)LED6cの輝度レベルをLevel1より低い輝度レベル(Level3:Level3<Level1)に設定して、LEDドライバ11を制御し、ステップS14に進む。
これにより第1(上)LED6aと第2(下)LED6bと第4(右)LED6d及び第8(右側面)LED6hは輝度レベル=Level1、第3(左)LED6cは輝度レベル=Level3(<Level1)で点灯駆動される。
そして、ステップS14にて湾曲動作が停止した(湾曲上方向指示ボタン15、湾曲下方向指示ボタン16、湾曲左方向指示ボタン17及び湾曲右方向指示ボタン18の操作が中止された)かどうか判断し、湾曲動作が停止したと判断するとステップS1aに戻り、湾曲動作が停止していないと判断するとステップS2に戻る。
なお、上記ステップS4a、S7a、S10a、S13aにおいての第1ないし第8のLEDの輝度レベルの設定においては、制御部20のLED駆動制御部20dは、第1参考例で説明した理由と同様に、この8つのLED全体の消費電力を一定に保つように輝度設定の制御を行うようになっている。
このように本参考例においても参考例1と同様の作用・効果を得ることができる。
なお、本参考例では挿入部5の先端面及び先端側部の斜面にLEDを設けるとしたが、これに限らず、図12に示すように、挿入部5の先端面に第1(上)LED6a,第2(下)LED6b,第3(左)LED6c及び第4(右)LED6dの4つLEDを設け、挿入部5の先端部4に着脱可能なアダプタ70の先端側部の斜面に第5(上側面)LED6e,第6(下側面)LED6f,第7(左側面)LED6g及び第8(右側面)LED6hを設けるように構成してもよい。
図13ないし図17は本発明の実施例1に係わり、図13は内視鏡装置の構成を示す構成図、図14は図13のテーブルメモリに格納されるテーブルデータを示す図、図15は図13の制御部の機能構成を示すブロック図、図16は図15の制御部の処理の流れを示すフローチャート、図17は図16のLED輝度制御処理の処理の流れを示すフローチャートである。
実施例1は、参考例1とほとんど同じであるので、異なる点のみ説明し、同一の構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
図13に示すように、本実施例の内視鏡装置1bは、挿入部3の先端面に、例えば第1(上)LED6aに隣接して検査箇所(注目部位)の照度を検出する照度センサ52と、先端部4内部のCCD7の近傍の温度を検出する温度センサ51が設けられている。
また、信号処理装置2は、参考例1の構成に加え、温度センサ51からの検出信号をデジタル信号の温度データに変換し制御部20に出力するA/D変換器53と、照度センサ52からの検出信号をデジタル信号の照度データに変換し制御部20に出力するA/D変換器54を設けている。
さらに、信号処理装置2は、湾曲ドライバ12から湾曲データ(引っ張られた4本の湾曲ワイヤ9の長さデータ)を検出し、湾曲部5の湾曲方向及び湾曲量等の湾曲状態データを制御部20に出力する湾曲検出部55を有している。
また、信号処理装置2は、上記の温度データ、照度データ及び湾曲状態データに基づいて、4つのLED、すなわち、第1(上)LED6a,第2(下)LED6b,第3(左)LED6c及び第4(右)LED6dの輝度データを図14に示すようなテーブルデータとして格納しているテーブルメモリ56を有している。
制御部20は、図15に示すように、参考例1で説明したシステム制御部20a、湾曲方向判定部20b、湾曲駆動制御部20c及びLED駆動制御部20dに加えて、A/D変換器53からの温度データを検出する温度検知手段としての温度データ検出部20eと、A/D変換器54からの照度データを検出する照度検知手段としての照度データ検出部20fと、湾曲検出部55からの湾曲部5の湾曲状態データを検出する湾曲検知手段としての湾曲状態検出部20g、テーブルメモリ56から温度データ、照度データ及び湾曲状態データに基づいて、テーブルメモリ56に格納されているテーブルデータより第1(上
)LED6a,第2(下)LED6b,第3(左)LED6c及び第4(右)LED6dの輝度データを抽出するテーブルデータ抽出部20hをさらに備えて構成されている。その他の構成は参考例1と同じである。
このように構成された本実施例の作用を、図16及び図17のフローチャートを用いて説明する。
内視鏡装置1による管腔内の検査が開始されると、制御部20のシステム制御部20aにより制御プログラムが起動し、図16に示すように、制御部20のLED駆動制御部20dは、ステップS1にてLEDドライバ11を制御し、第1(上)LED6a,第2(下)LED6b,第3(左)LED6c及び第4(右)LED6dを所定の輝度レベルであるLevel1で点灯させる。
そして、ステップS2にて、制御部20の湾曲方向判定部20bは、湾曲上方向指示ボタン15が押下されたかどうか判断する。湾曲上方向指示ボタン15が押下されていないと判断するとステップS5に進む。
一方、湾曲方向判定部20bが湾曲上方向指示ボタン15が押下されたと判断すると、ステップS3にて制御部20の湾曲駆動制御部20cは、湾曲ドライバ12を制御し、複数の湾曲コマ8の上部に連結されている湾曲ワイヤ9を駆動することで、湾曲部5を上方向に湾曲させる。
続いて、ステップS4bにて制御部20は、温度データ、照度データ及び湾曲状態データに基づき、テーブルメモリ56に格納されているテーブルデータより第1(上)LED6a,第2(下)LED6b,第3(左)LED6c及び第4(右)LED6dの輝度データを抽出してLEDドライバ11を制御する、後述するLED輝度制御処理を実行して、ステップS5に進む。
そして、ステップS5にて、制御部20の湾曲方向判定部20bは、湾曲下方向指示ボタン16が押下されたかどうか判断する。湾曲下方向指示ボタン16が押下されていないと判断するとステップS8に進む。
一方、湾曲方向判定部20bが湾曲下方向指示ボタン16が押下されたと判断すると、ステップS6にて制御部20の湾曲駆動制御部20cは、湾曲ドライバ12を制御し、複数の湾曲コマ8の下部に連結されている湾曲ワイヤ9を駆動することで、湾曲部5を下方向に湾曲させる。続いて、ステップS7bにてステップS4bと同様に、温度データ、照度データ及び湾曲状態データに基づき、テーブルメモリ56に格納されているテーブルデータより第1(上)LED6a,第2(下)LED6b,第3(左)LED6c及び第4(右)LED6dの輝度データを抽出してLEDドライバ11を制御する、後述するLE
D輝度制御処理を実行して、ステップS8に進む。
ステップS8では、制御部20の湾曲方向判定部20bは、湾曲左方向指示ボタン17が押下されたかどうか判断する。湾曲左方向指示ボタン17が押下されていないと判断するとステップS11に進む。
一方、湾曲方向判定部20bが湾曲左方向指示ボタン17が押下されたと判断すると、ステップS9にて制御部20の湾曲駆動制御部20cは、湾曲ドライバ12を制御し、複数の湾曲コマ8の左部に連結されている湾曲ワイヤ9を駆動することで、湾曲部5を左方向に湾曲させる。続いて、ステップS10bにてステップS4bと同様に、温度データ、照度データ及び湾曲状態データに基づき、テーブルメモリ56に格納されているテーブルデータより第1(上)LED6a,第2(下)LED6b,第3(左)LED6c及び第4(右)LED6dの輝度データを抽出してLEDドライバ11を制御する、後述するL
ED輝度制御処理を実行して、ステップS11に進む。
ステップS11では、制御部20の湾曲方向判定部20bは、湾曲右方向指示ボタン18が押下されたかどうか判断する。湾曲右方向指示ボタン18が押下されていないと判断するとステップS14に進む。
一方、湾曲方向判定部20bが湾曲右方向指示ボタン18が押下されたと判断すると、ステップS12にて制御部20の湾曲駆動制御部20cは、湾曲ドライバ12を制御し、複数の湾曲コマ8の右部に連結されている湾曲ワイヤ9を駆動することで、湾曲部5を右方向に湾曲させる。続いて、ステップS13bにてステップS4bと同様に、温度データ、照度データ及び湾曲状態データに基づき、テーブルメモリ56に格納されているテーブルデータより第1(上)LED6a,第2(下)LED6b,第3(左)LED6c及び第4(右)LED6dの輝度データを抽出してLEDドライバ11を制御する、後述する
LED輝度制御処理を実行して、ステップS14に進む。
そして、ステップS14にて湾曲動作が停止した(湾曲上方向指示ボタン15、湾曲下方向指示ボタン16、湾曲左方向指示ボタン17及び湾曲右方向指示ボタン18の操作が中止された)かどうか判断し、湾曲動作が停止したと判断するとステップS1に戻り、湾曲動作が停止していないと判断するとステップS2に戻る。
次に上記ステップS4b、ステップS7b、ステップS10b及びステップS13bにおける温度データ、照度データ及び湾曲状態データに基づくLED輝度制御処理について説明する。
このLED輝度制御処理では、図17に示すように、制御部20は、ステップS21にて温度データ検出部20eにより挿入部3の先端内部の温度データを検出すると共に、ステップS22にて照度データ検出部20fにより検査箇所(注目部位)の照度を検出する。さらに制御部20は、ステップS23にて湾曲状態検出部20gにより湾曲部5の湾曲状態データを検出する。そして、制御部20は、ステップS24にてテーブルデータ抽出部20hにより、検出した温度データ、照度データ及び湾曲状態データに基づき、テーブルメモリ56に格納している図14に示したテーブルデータより第1(上)LED6a,第2(下)LED6b,第3(左)LED6c及び第4(右)LED6dの輝度データを抽出し、ステップS25にて抽出した輝度データで第1(上)LED6a,第2(下)LED6b,第3(左)LED6c及び第4(右)LED6dを発光させるようにLEDドライバ11を制御し、LEDを点灯駆動する。
このように本実施例では、参考例1の効果に加え、温度データ、照度データ及び湾曲状態データに基づいて第1(上)LED6a,第2(下)LED6b,第3(左)LED6c及び第4(右)LED6dの輝度を設定するので、より適切な輝度制御が可能となる。
また、本実施例では、湾曲部5の湾曲状態を検出しているので、湾曲上方向指示ボタン15、湾曲下方向指示ボタン16、湾曲左方向指示ボタン17及び湾曲右方向指示ボタン18が押下されて、湾曲ドライバ12が湾曲部5を湾曲させている場合に、例えば先端部4が体腔内壁に当接し湾曲動作が停止した場合には、図14に示したように、第1(上)LED6a,第2(下)LED6b,第3(左)LED6c及び第4(右)LED6dの輝度を同一輝度で発光させるので、画像の中心部が最も明るいエリアとして照明することができる。
なお、上記ステップS4b、S7b、S10b及びS13bにおいてのLED輝度制御処理による第1ないし第4のLEDの輝度レベルの設定においては、制御部20は、参考例1で説明した理由と同様に、この4つのLED全体の消費電力を一定に保つように輝度設定の制御を行うようになっている。
本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
1…内視鏡装置、
2…信号処理装置、
3…挿入部、
4…先端部、
5…湾曲部、
6a…第1(上)LED、
6b…第2(下)LED、
6c…第3(左)LED、
6d…第4(右)LED、
7…CCD、
8…湾曲コマ、
9…湾曲ワイヤ、
10…対物光学系、
11…LEDドライバ、
12…湾曲ドライバ、
13…信号処理部、
14…表示部、
15…湾曲上方向指示ボタン、
16…湾曲下方向指示ボタン、
17…湾曲左方向指示ボタン、
18…湾曲右方向指示ボタン、
19…主メモリ、
20…制御部、
20a…システム制御部、
20b…湾曲方向判定部、
20c…湾曲駆動制御部、
20d…LED駆動制御部。