JP4870120B2 - 動画像階層符号化装置、動画像階層符号化方法、動画像階層符号化プログラム、動画像階層復号化装置、動画像階層復号化方法、および動画像階層復号化プログラム - Google Patents

動画像階層符号化装置、動画像階層符号化方法、動画像階層符号化プログラム、動画像階層復号化装置、動画像階層復号化方法、および動画像階層復号化プログラム Download PDF

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本発明は、入力動画像信号を解像度の異なる複数の階層毎に符号化し、少なくとも低解像度画像信号と高解像度画像信号の異なる解像度の画像信号を複数生成する動画像階層符号化装置、動画像階層符号化方法、動画像階層符号化プログラムと、少なくとも低解像度符号化データと高解像度符号化データとが多重化された多重化ビットストリームから少なくとも前記低解像度符号化データと前記高解像度符号化データとを復号して少なくとも低解像度画像信号と高解像度画像信号とを生成する動画像階層復号化装置、動画像階層復号化方法、および動画像階層復号化プログラムに関する。
映像の空間解像度スケーラビリティを実現する動画像階層符号化装置及び動画像階層復号装置として、例えば、ベースレイヤ(基底レイヤもしくは注目している基準レイヤ)のとエンハンスメントレイヤ(拡張レイヤ)の2層の階層符号化装置において、ベースレイヤの復号信号を空間的にインターポレーション(補間)してエンハンスメントレイヤの空間解像度にした信号と、エンハンスメントレイヤの映像信号との間で相関を利用した予測を行い、その予測誤差信号を符号化して符号化ビットストリームを復号装置へ伝送し、復号装置ではその符号化ビットストリームを復号するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
特開平7−162870号公報
ところで、ベースレイヤローカルデコード(局所復号)信号に対してインターポレーション(空間的拡大)を行い、その結果をエンハンスメントレイヤ符号化の予測信号に用いる場合、拡張レイヤに入力される映像の原信号と、基準レイヤの信号との間の相関性を利用するため、基準レイヤの局所復号信号と、拡張レイヤに入力される映像の原信号との相関をより高くすることができれば、符号化効率を向上させることが可能となる。
しかし、上記特許文献1の従来技術では、単純な空間的拡大によって基準レイヤの局所復号から予測信号を生成するため、対象となるレイヤの原信号に近づけるような予測信号が必ずしも十分得られない、という問題があった。
そこで、本発明は、階層符号化における階層間の予測効率の向上を図ることができる動画像階層符号化装置、動画像階層符号化方法、動画像階層符号化プログラムを提供すること、およびかかる符号化装置、符号化方法および符号化プログラムにより符号化された映像信号を正しく復号することができる動画像階層復号化装置、動画像階層復号化方法、および動画像階層復号化プログラムを提供することを目的とする。
そこで、上記課題を解決するために本発明は、以下の装置、方法、プログラムを提供するものである。
(1)入力動画像信号を解像度の異なる複数の階層毎に符号化し、少なくとも低解像度画像信号と高解像度画像信号の異なる解像度の画像信号を生成する動画像階層符号化装置であって、
前記入力動画像信号に対して空間的縮小処理を行い、前記入力動画像信号より解像度の低い低解像度画像信号を出力する、空間デシメーション部と、
前記低解像度画像信号を符号化して低解像度符号化データを出力する、低解像度符号化部と、
前記低解像度符号化データを復号した低解像度復号信号を生成する、低解像度復号化部と、
前記低解像度復号信号を空間的に拡大し、前記高解像度画像信号と同じ解像度の拡大復号画像信号を生成する、第1の空間インターポレーション部と、
前記復号信号に対し前記空間デシメーション部における空間的縮小処理により消失した高周波成分の推定拡大処理を行い、空間高周波成分推定拡大信号を生成する、空間高周波成分推定拡大部と、
前記拡大復号画像信号に前記空間高周波成分推定拡大信号を加算した信号を予測画像信号として使用して、前記高解像度画像信号を予測符号化し、高解像度符号化データを出力する、高解像度符号化部と、
を有し、
前記空間高周波成分推定拡大部は、
前記低解像度復号化部からの前記低解像度復号信号に対しハイパスフィルタリング処理を施し、低解像度高周波数成分ピクチャを出力する第1のハイパスフィルタリング部と、
前記低解像度高周波数成分ピクチャを空間的に拡大し、前記高解像度画像信号と同じ解像度の拡大復号画像信号を生成する、第2の空間インターポレーション部と、
前記拡大復号画像信号に対し閾値処理を行い、信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成すると共に、信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャに対し信号振幅の定数倍処理を行って、信号振幅が定数倍された拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成する、振幅制限・定数倍処理部と
前記拡大ラプラシアン成分ピクチャに対しハイパスフィルタリング処理を施し、高解像度高周波数成分ピクチャをレイヤ間予測ピクチャとして前記高解像度符号化部に送る第2のハイパスフィルタリング部と、
を有し、
前記振幅制限・定数倍処理部は、
外部からの分割合成制御指令に基づいて、前記第2の空間インターポレーション部からの前記拡大復号画像信号を所定の分割方法および分割数に基づいて分割処理を行うための分割制御情報と、所定の分割方法および分割数によって分割処理された拡大ラプラシアン成分ピクチャに対し、所定の合成方法および合成数に基づいて合成処理を行うための合成制御情報とを特定するラプラシアン成分分離合成制御器と、
前記分割制御情報に基づいて、前記第2の空間インターポレーション部からの前記拡大復号画像信号を分割するラプラシアン成分分離器と、
前記ラプラシアン成分分離器によって分割された前記拡大復号画像信号それぞれに対し、信号振幅を抑制するための閾値である所定のパラメータに基づいてそれぞれ振幅制限を行い、各パラメータによって信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成する複数の振幅制御器と、
前記複数の振幅制御器によって信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャそれぞれに対し、定数倍処理により信号振幅の拡大・縮小を行うための閾値である所定のパラメータに基づいてそれぞれ信号振幅の定数倍処理により信号振幅の拡大・縮小を行い、信号振幅が定数倍された拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成する複数の定数倍器と、
を有する動画像階層符号化装置。
(2)入力動画像信号を解像度の異なる複数の階層毎に符号化し、少なくとも低解像度画像信号と高解像度画像信号の異なる解像度の画像信号を生成する動画像階層符号化方法であって、
前記入力動画像信号に対して空間的縮小処理を行い、前記入力動画像信号より解像度の低い低解像度画像信号を出力する空間デシメーションステップと、
前記低解像度画像信号を符号化して低解像度符号化データを出力するステップと、
前記低解像度符号化データを復号した低解像度復号信号を生成する低解像度復号化ステップと、
前記低解像度復号信号を空間的に拡大し、前記高解像度画像信号と同じ解像度の拡大復号画像信号を生成する第1の空間インターポレーションステップと、
前記復号信号に対し前記空間デシメーションステップにおける空間的縮小処理により消失した高周波成分の推定拡大処理を行い、空間高周波成分推定拡大信号を生成する空間高周波成分推定拡大ステップと、
前記拡大復号画像信号に前記空間高周波成分推定拡大信号を加算した信号を予測画像信号として使用して、前記高解像度画像信号を予測符号化し、高解像度符号化データを出力する高解像度符号化ステップと、
を含み、
前記空間高周波成分推定拡大ステップは、
前記低解像度復号化ステップからの前記低解像度復号信号に対しハイパスフィルタリング処理を施し、低解像度高周波数成分ピクチャを出力する第1のハイパスフィルタリングステップと、
前記低解像度高周波数成分ピクチャを空間的に拡大し、前記高解像度画像信号と同じ解像度の拡大復号画像信号を生成する、第2の空間インターポレーションステップと、
前記拡大復号画像信号に対し閾値処理を行い、信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成すると共に、信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャに対し信号振幅の定数倍処理を行って、信号振幅が定数倍された拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成する、振幅制限・定数倍処理ステップと、
前記拡大ラプラシアン成分ピクチャに対しハイパスフィルタリング処理を施し、高解像度高周波数成分ピクチャをレイヤ間予測ピクチャとして前記高解像度符号化ステップに送る第2のハイパスフィルタリングステップと、
を含み、
前記振幅制限・定数倍処理ステップは、
外部からの分割合成制御指令に基づいて、前記第2の空間インターポレーションステップからの前記拡大復号画像信号を所定の分割方法および分割数に基づいて分割処理を行うための分割制御情報と、所定の分割方法および分割数によって分割処理された拡大ラプラシアン成分ピクチャに対し、所定の合成方法および合成数に基づいて合成処理を行うための合成制御情報とを特定するステップと、
前記分割制御情報に基づいて、前記第2の空間インターポレーションステップからの前記拡大復号画像信号を分割するラプラシアン成分分離ステップと、
前記ラプラシアン成分分離ステップによって分割された前記拡大復号画像信号それぞれに対し、信号振幅を抑制するための閾値である所定のパラメータに基づいてそれぞれ振幅制限を行い、各パラメータによって信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成する振幅制御ステップと、
前記振幅制御ステップによって信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャそれぞれに対し、定数倍処理により信号振幅の拡大・縮小を行うための閾値である所定のパラメータに基づいてそれぞれ信号振幅の定数倍処理により信号振幅の拡大・縮小を行い、信号振幅が定数倍された拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成するステップと、
を含む動画像階層符号化方法。
(3)コンピュータに、入力動画像信号を解像度の異なる複数の階層毎に符号化し、少なくとも低解像度画像信号と高解像度画像信号の異なる解像度の画像信号を生成する機能を実現させる動画像階層符号化プログラムであって、
前記入力動画像信号に対して空間的縮小処理を行い、前記入力動画像信号より解像度の低い低解像度画像信号を出力する空間デシメーション機能と、
前記低解像度画像信号を符号化して低解像度符号化データを出力する機能と、
前記低解像度符号化データを復号した低解像度復号信号を生成する低解像度復号化機能と、
前記低解像度復号信号を空間的に拡大し、前記高解像度画像信号と同じ解像度の拡大復号画像信号を生成する第1の空間インターポレーション機能と、
前記復号信号に対し前記空間デシメーション機能における空間的縮小処理により消失した高周波成分の推定拡大処理を行い、空間高周波成分推定拡大信号を生成する空間高周波成分推定拡大機能と、
前記拡大復号画像信号に前記空間高周波成分推定拡大信号を加算した信号を予測画像信号として使用して、前記高解像度画像信号を予測符号化し、高解像度符号化データを出力する高解像度符号化機能と、
をコンピュータに実現させ、
前記空間高周波成分推定拡大機能は、
前記低解像度復号化機能からの前記低解像度復号信号に対しハイパスフィルタリング処理を施し、低解像度高周波数成分ピクチャを出力する第1のハイパスフィルタリング機能と、
前記低解像度高周波数成分ピクチャを空間的に拡大し、前記高解像度画像信号と同じ解像度の拡大復号画像信号を生成する第2の空間インターポレーション機能と、
前記拡大復号画像信号に対し閾値処理を行い、信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成すると共に、信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャに対し信号振幅の定数倍処理を行って、信号振幅が定数倍された拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成する、振幅制限・定数倍処理機能と
前記拡大ラプラシアン成分ピクチャに対しハイパスフィルタリング処理を施し、高解像度高周波数成分ピクチャをレイヤ間予測ピクチャとして前記高解像度符号化機能に送る第2のハイパスフィルタリング機能と、
を含み、
前記振幅制限・定数倍処理機能は、
外部からの分割合成制御指令に基づいて、前記第2の空間インターポレーション機能からの前記拡大復号画像信号を所定の分割方法および分割数に基づいて分割処理を行うための分割制御情報と、所定の分割方法および分割数によって分割処理された拡大ラプラシアン成分ピクチャに対し、所定の合成方法および合成数に基づいて合成処理を行うための合成制御情報とを特定する機能と、
前記分割制御情報に基づいて、前記第2の空間インターポレーション機能からの前記拡大復号画像信号を分割するラプラシアン成分分離機能と、
前記ラプラシアン成分分離機能によって分割された前記拡大復号画像信号それぞれに対し、信号振幅を抑制するための閾値である所定のパラメータに基づいてそれぞれ振幅制限を行い、各パラメータによって信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成する振幅制御機能と、
前記振幅制御機能によって信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャそれぞれに対し、定数倍処理により信号振幅の拡大・縮小を行うための閾値である所定のパラメータに基づいてそれぞれ信号振幅の定数倍処理により信号振幅の拡大・縮小を行い、信号振幅が定数倍された拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成する機能と、
を含む動画像階層符号化プログラム。
(4)少なくとも低解像度符号化データと高解像度符号化データとが多重化された多重化ビットストリームから少なくとも前記低解像度符号化データと前記高解像度符号化データとを復号して少なくとも低解像度画像信号と高解像度画像信号とを生成する動画像階層復号化装置であって、
前記多重化ビットストリームより少なくとも前記低解像度符号化データと前記高解像度符号化データとを分離する、多重分離部と、
分離された前記低解像度符号化データを復号し、前記低解像度復号画像信号を生成する、低解像度復号化部と、
前記低解像度復号画像信号を空間的に拡大し、拡大復号画像信号を生成する、第1の空間インターポレーション部と、
前記低解像度復号画像信号に対し、高周波成分の推定拡大処理を行い、空間高周波成分推定拡大信号を生成する、空間高周波成分推定拡大部と、
前記拡大復号画像信号に前記空間高周波成分推定拡大信号を加算した信号を予測画像信号として使用して前記高解像度画像信号に加算し、前記予測画像信を加算した前記高解像度画像信号を復号して、高解像度化映像信号を出力する、高解像度復号化部と、
を有し、
前記空間高周波成分推定拡大部は、
前記低解像度復号化部からの前記低解像度復号信号に対しハイパスフィルタリング処理を施し、低解像度高周波数成分ピクチャを出力する第1のハイパスフィルタリング部と、
前記低解像度高周波数成分ピクチャを空間的に拡大し、前記高解像度画像信号と同じ解像度の拡大復号画像信号を生成する、第2の空間インターポレーション部と、
前記拡大復号画像信号に対し閾値処理を行い、信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成すると共に、信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャに対し信号振幅の定数倍処理を行って、信号振幅が定数倍された拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成する、振幅制限・定数倍処理部と、
前記拡大ラプラシアン成分ピクチャに対しハイパスフィルタリング処理を施し、高解像度高周波数成分ピクチャをレイヤ間予測ピクチャとして前記高解像度符号化部に送る第2のハイパスフィルタリング部と、
を有し、
前記振幅制限・定数倍処理部は、
外部からの分割合成制御指令に基づいて、前記第2の空間インターポレーション部からの前記拡大復号画像信号を所定の分割方法および分割数に基づいて分割処理を行うための分割制御情報と、所定の分割方法および分割数によって分割処理された拡大ラプラシアン成分ピクチャに対し、所定の合成方法および合成数に基づいて合成処理を行うための合成制御情報とを特定するラプラシアン成分分離合成制御器と、
前記分割制御情報に基づいて、前記第2の空間インターポレーション部からの前記拡大復号画像信号を分割するラプラシアン成分分離器と、
前記ラプラシアン成分分離器によって分割された前記拡大復号画像信号それぞれに対し、信号振幅を抑制するための閾値である所定のパラメータに基づいてそれぞれ振幅制限を行い、各パラメータによって信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成する複数の振幅制御器と、
前記複数の振幅制御器によって信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャそれぞれに対し、定数倍処理により信号振幅の拡大・縮小を行うための閾値である所定のパラメータに基づいてそれぞれ信号振幅の定数倍処理により信号振幅の拡大・縮小を行い、信号振幅が定数倍された拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成する複数の定数倍器と、
を有する動画像階層復号化装置。
(5)少なくとも低解像度符号化データと高解像度符号化データとが多重化された多重化ビットストリームから少なくとも前記低解像度符号化データと前記高解像度符号化データとを復号して少なくとも低解像度画像信号と高解像度画像信号とを生成する動画像階層復号化方法であって、
前記多重化ビットストリームより少なくとも前記低解像度符号化データと前記高解像度符号化データとを分離するステップと、
分離された前記低解像度符号化データを復号し、前記低解像度復号画像信号を生成する低解像度復号化ステップと、
前記低解像度復号画像信号を空間的に拡大し、拡大復号画像信号を生成する第1の空間インターポレーションステップと、
前記低解像度復号画像信号に対し、高周波成分の推定拡大処理を行い、空間高周波成分推定拡大信号を生成する空間高周波成分推定拡大ステップと、
前記拡大復号画像信号に前記空間高周波成分推定拡大信号を加算した信号を予測画像信号として使用して前記高解像度画像信号に加算し、前記予測画像信を加算した前記高解像度画像信号を復号して、高解像度化映像信号を出力する高解像度復号化ステップと、
を含み、
前記空間高周波成分推定拡大ステップは、
前記低解像度復号化ステップからの前記低解像度復号信号に対しハイパスフィルタリング処理を施し、低解像度高周波数成分ピクチャを出力する第1のハイパスフィルタリングステップと、
前記低解像度高周波数成分ピクチャを空間的に拡大し、前記高解像度画像信号と同じ解像度の拡大復号画像信号を生成する、第2の空間インターポレーションステップと、
前記拡大復号画像信号に対し閾値処理を行い、信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成すると共に、信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャに対し信号振幅の定数倍処理を行って、信号振幅が定数倍された拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成する、振幅制限・定数倍処理ステップと
前記拡大ラプラシアン成分ピクチャに対しハイパスフィルタリング処理を施し、高解像度高周波数成分ピクチャをレイヤ間予測ピクチャとして前記高解像度符号化ステップに送る第2のハイパスフィルタリングステップと、
を含み、
前記振幅制限・定数倍処理ステップは、
外部からの分割合成制御指令に基づいて、前記第2の空間インターポレーションステップからの前記拡大復号画像信号を所定の分割方法および分割数に基づいて分割処理を行うための分割制御情報と、所定の分割方法および分割数によって分割処理された拡大ラプラシアン成分ピクチャに対し、所定の合成方法および合成数に基づいて合成処理を行うための合成制御情報とを特定するステップと、
前記分割制御情報に基づいて、前記第2の空間インターポレーション部からの前記拡大復号画像信号を分割するラプラシアン成分分離ステップと、
前記ラプラシアン成分分離ステップによって分割された前記拡大復号画像信号それぞれに対し、信号振幅を抑制するための閾値である所定のパラメータに基づいてそれぞれ振幅制限を行い、各パラメータによって信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成する振幅制御ステップと、
前記振幅制御ステップによって信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャそれぞれに対し、定数倍処理により信号振幅の拡大・縮小を行うための閾値である所定のパラメータに基づいてそれぞれ信号振幅の定数倍処理により信号振幅の拡大・縮小を行い、信号振幅が定数倍された拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成するステップと、
を含む動画像階層復号化方法。
(6)コンピュータに、少なくとも低解像度符号化データと高解像度符号化データとが多重化された多重化ビットストリームから少なくとも前記低解像度符号化データと前記高解像度符号化データとを復号して低解像度画像信号と高解像度画像信号とを生成する機能を実現させる動画像階層復号化プログラムであって、
前記多重化ビットストリームより少なくとも前記低解像度符号化データと前記高解像度符号化データとを分離する機能と、
分離された前記低解像度符号化データを復号し、前記低解像度復号画像信号を生成する低解像度復号化機能と、
前記低解像度復号画像信号を空間的に拡大し、拡大復号画像信号を生成する第1の空間インターポレーション機能と、
前記低解像度復号画像信号に対し、高周波成分の推定拡大処理を行い、空間高周波成分推定拡大信号を生成する空間高周波成分推定拡大機能と、
前記拡大復号画像信号に前記空間高周波成分推定拡大信号を加算した信号を予測画像信号として使用して前記高解像度画像信号に加算し、前記予測画像信を加算した前記高解像度画像信号を復号して、高解像度化映像信号を出力する高解像度復号化機能と、
をコンピュータに実現させ、
前記空間高周波成分推定拡大機能は、
前記低解像度復号化機能からの前記低解像度復号信号に対しハイパスフィルタリング処理を施し、低解像度高周波数成分ピクチャを出力する第1のハイパスフィルタリング機能と、
前記低解像度高周波数成分ピクチャを空間的に拡大し、前記高解像度画像信号と同じ解像度の拡大復号画像信号を生成する第2の空間インターポレーション機能と、
前記拡大復号画像信号に対し閾値処理を行い、信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成すると共に、信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャに対し信号振幅の定数倍処理を行って、信号振幅が定数倍された拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成する、振幅制限・定数倍処理機能と
前記拡大ラプラシアン成分ピクチャに対しハイパスフィルタリング処理を施し、高解像度高周波数成分ピクチャをレイヤ間予測ピクチャとして前記高解像度符号化機能に送る第2のハイパスフィルタリング機能と、
を含み、
前記振幅制限・定数倍処理機能は、
外部からの分割合成制御指令に基づいて、前記第2の空間インターポレーション機能からの前記拡大復号画像信号を所定の分割方法および分割数に基づいて分割処理を行うための分割制御情報と、所定の分割方法および分割数によって分割処理された拡大ラプラシアン成分ピクチャに対し、所定の合成方法および合成数に基づいて合成処理を行うための合成制御情報とを特定する機能と、
前記分割制御情報に基づいて、前記第2の空間インターポレーション部からの前記拡大復号画像信号を分割するラプラシアン成分分離機能と、
前記ラプラシアン成分分離機能によって分割された前記拡大復号画像信号それぞれに対し、信号振幅を抑制するための閾値である所定のパラメータに基づいてそれぞれ振幅制限を行い、各パラメータによって信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成する振幅制御機能と、
前記振幅制御機能によって信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャそれぞれに対し、定数倍処理により信号振幅の拡大・縮小を行うための閾値である所定のパラメータに基づいてそれぞれ信号振幅の定数倍処理により信号振幅の拡大・縮小を行い、信号振幅が定数倍された拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成する機能と、
を含む動画像階層復号化プログラム。



本発明では、空間的縮小処理および空間的拡大処理の際に用いられるアップサンプル処理、LPF処理、ダウンサンプル処理を通じて任意解像度変換が行われる場合であっても、振幅制御器および定数倍制御器を導入することにより、解像度変換の状態に応じてより正しい閾値処理に関するパラメータや、定数倍処理に関するパラメータを設定し、本来必要とするエンハンスメントレイヤの原信号が持つ高解像度ラプラシアン成分に、より近い推定ラプラシアン成分ピクチャを生成することができる。したがって、生成されるレイヤ間予測ピクチャと上位階層のエンハンスメントレイヤで符号化対象となっている原信号との相関性が高まり、高解像度レイヤにおける符号化効率を向上させることができると共に、かかる高解像度レイヤにおける符号化効率を向上させた符号化ストリームでも正しく復号することができる。
特に、本発明では、ラプラシアン成分ピクチャを所定の分割方法により分離することにより、各分割ラプラシアン成分に対して、パラメータを用いて個別に閾値を制御することを可能とし、符号化劣化などの影響により混入した各種のノイズ成分に対し、後段の定数倍処理において不要な成分に対する信号振幅の拡大・縮小を回避するとともに、より重要なラプラシアン成分に対してより正しいラプラシアン成分の傾きに近づけるための前処理を行うことができる。
また、本発明では、ラプラシアン成分ピクチャを所定の分割方法により分離することにより、各分割ラプラシアン成分に対して、パラメータを用いて個別に信号振幅の拡大・縮小を制御することを可能とし、符号化劣化などの影響により混入した各種のノイズ成分に対し、後段の定数倍処理において不要な成分に対する信号振幅の拡大・縮小を抑制し、より重要なラプラシアン成分に対してより正しいラプラシアン成分の傾きに近づけることができる。
実施形態1.
図1に、本発明に係る動画像階層符号化装置と、動画像階層復号化装置の構成例を示す。ここでは、説明を簡単にするために、基本解像度または低解像度であるベースレイヤと、拡張解像度または高解像度であるエンハンスメントレイヤの2つの解像度のレイヤからなる動画像階層符号化装置と、動画像階層復号化装置について説明するが、本発明は、これに限らず、中解像度等の3層以上の複数のレイヤからなる動画像階層符号化装置と、動画像階層復号化装置についても同様の手段を多段に構成することで容易に拡張できることに注意する。
図1において、本実施の形態の動画像階層符号化装置101は、空間デシメーション器104、ベースレイヤエンコード器105、ベースレイヤデコード器106、空間インターポレーション器107、空間高周波数成分推定拡大器108、エンハンスメントレイヤエンコード器109、多重化器110、加算器111を有している。
また、図1において、本発明の動画像階層復号化装置103の一実施の形態である動画像階層復号化装置103は、ベースレイヤデコード器112、空間インターポレーション器113、空間高周波数成分推定拡大器114およびエンハンスメントレイヤデコード器115、エクストラクト器116、加算器117を有している。
次に動作を説明する。
動画像階層符号化装置101には、映像の原信号である高解像度ピクチャの映像信号が入力され、動画像階層符号化装置101によって所定の構文構造に基づいて生成された符号化ビットストリームが、通信回線または記録媒体など102を介して動画像階層復号化装置103に伝送される。動画像階層復号化装置103では、供給された符号化ビットストリームから所定の構文構造に基づいて必要な情報を取り出し、表示装置等の性能に合った空間解像度をもつ映像の復号信号である復号ピクチャを出力する。
ところで、動画像階層符号化装置101では、空間デシメーション器104は、映像の原信号である高解像度ピクチャを入力し、入力した高解像度ピクチャに対して、所定の空間解像度に空間デシメーション、すなわち空間解像度を低くする空間的縮小処理を行い、所定の空間解像度をもつ低解像度ピクチャを生成する。空間的縮小処理には様々な方法が存在するが、本発明および本実施形態では、ラプラシアンピラミッドと同様の関係を利用できるように、後述する空間インターポレーション器107および空間高周波数成分推定拡大器108で用いる空間的拡大処理で用いるフィルタ処理に対応した方法を用いる。この空間的縮小処理および空間的拡大処理は、任意縮小率、任意拡大率にも対応しており、空間デシメーション器104が有する空間的縮小処理の縮小率は、一般に所定の縮小率が設定される。この空間的縮小処理の縮小率は、符号化処理を開始する際に、符号化器の外部からの指示、例えば符号化処理の初期化情報などからの指示に応じて新たな縮小率を設定される。空間デシメーション器104は、所定の空間解像度に空間的縮小処理された低解像度ピクチャを、ベースレイヤエンコード器105に送る。
ベースレイヤエンコード器105は、空間デシメーション器104から低解像度ピクチャを入力し、入力した低解像度ピクチャに対して、所定の符号化を行いベースレイヤ符号化ビット列を生成し、生成したベースレイヤ符号化ビット列をベースレイヤデコード器106および多重化器110へ送る。ここで、符号化の方法は、例えば、MPEG−1,MPEG−2,MPEG−4およびMPEG−4 AVC(H.264)などの符号化器であることが望ましい。時間方向のスケーラビリティやSNRスケーラビリティなどの機能を実現できるような符号化器であると更に良い。
ベースレイヤデコード器106は、ベースレイヤエンコード器105からベースレイヤ符号化ビット列を取得し、ベースレイヤ符号化ビット列を復号し、低解像度復号信号を生成する。ここで、ベースレイヤデコード器106は、ベースレイヤエンコード器105の局所復号を行う機能として包含されるような構成であっても構わない。ただし、ベースレイヤエンコード器105と後述するエンハンスメントレイヤエンコード器109で採用される符号化器の符号化方法が異なる場合には、図1に示すようにベースレイヤエンコード器105によって符号化を行い生成した符号化ビット列をベースレイヤデコード器106が入力し、正しく復号することで低解像度復号信号を出力するような構成であることが望ましい。ベースレイヤデコード器106は、生成した低解像度復号信号を空間インターポレーション器107および空間高周波数成分推定拡大器108に送る。
空間インターポレーション器107は、ベースレイヤデコード器106から低解像度復号信号を入力し、入力した低解像度復号信号に対して、所定の空間解像度に空間インターポレーション、すなわち空間解像度を高くする空間的拡大処理を行い、所定の空間解像度を持つ高解像度復号ピクチャを生成して、加算器111へ出力する。空間的拡大処理には様々な方法が存在するが、本発明および本実施形態では、ラプラシアンピラミッドと同様の関係を利用できるように、前述した空間デシメーション器104で用いる空間的縮小処理で用いるフィルタ処理に対応した方法を用いる。この空間的縮小処理および空間的拡大処理は、任意縮小率、任意拡大率にも対応している。空間インターポレーション器107が有する空間的拡大処理の拡大率は、一般に対応する空間デシメーション器104で設定されている所定の縮小率の逆数が設定されている。この空間的拡大処理の拡大率は、符号化処理を開始する際に、符号化器の外部からの指示、例えば符号化処理の初期化情報などからの指示に応じて、新たな縮小率に対応した拡大率を設定されている。空間インターポレーション器107は、生成した高解像度復号ピクチャを後述するエンハンスメントレイヤエンコード器109に送る。
一方、空間高周波数成分推定拡大器108は、ベースレイヤデコード器106から低解像度復号信号を入力し、入力した低解像度復号信号に対し所定の空間方向に対する高周波数成分推定・拡大処理を行い、この空間方向に対する高周波数成分推定・拡大処理に基づいて、空間デシメーション器104で空間的縮小処理を行う前の元の空間解像度をもつピクチャに対応する推定された高周波数成分信号を含むピクチャである高周波数成分ピクチャ(推定ラプラシアン成分ピクチャ)を生成するとともに、加算器111へ出力する。
加算器111は、空間インターポレーション器107からの高解像度復号ピクチャに対し、空間高周波数成分推定拡大器108が生成する推定ラプラシアン成分ピクチャを付加してベースレイヤからのレイヤ間予測ピクチャとして、エンハンスメントレイヤエンコード器109へ出力する。
エンハンスメントレイヤエンコード器109は、原信号であるエンハンスメントレイヤ用の高解像度ピクチャを入力すると共に、加算器111から空間インターポレーション器107からの高解像度復号ピクチャと、空間高周波数成分推定拡大器108からの推定ラプラシアン成分ピクチャとを加算したベースレイヤからのレイヤ間予測ピクチャとを入力し、入力したエンハンスメント用の高解像度ピクチャと、ベースレイヤからのレイヤ間予測ピクチャとの相関を利用したエンハンスメントレイヤとしての符号化を行い、エンハンスメントレイヤの符号化結果である符号化ビット列を生成し、多重化器110に送る。
ここで、エンハンスメントレイヤの符号化は、空間方向および時間方向もしくはフレーム方向、そしてレイヤ間の相関を利用した符号化方式であれば特に限定されるものではない。つまり、エンハンスメントレイヤの符号化において、MPEG−1,MPEG−2,MPEG−4,およびMPEG−4 AVC(H.264)といったMPEG方式に代表されるような動き推定や動き補償、直交変換や量子化、逆直交変換や逆量子化、エントロピー符号化を行うための手段を実現する各部をエンハンスメントエンコード器109内に少なくとも備えるように構成し、ピクチャの空間方向および時間方向、そしてレイヤ間の相関を利用してエンハンスメントレイヤの符号化を行っても構わない。つまり、ベースレイヤ側から入力したレイヤ間予測ピクチャを参照フレームとしてエンハンスメントレイヤの動き推定、動き補償に利用できるように構成することで、より効果的な符号化装置を構成することができる。また、時間方向のスケーラビリティやSNRスケーラビリティなどの機能を実現できるような符号化器であると更に良い構成となる。
多重化器110は、ベースレイヤエンコード器105およびエンハンスメントレイヤエンコード器109からそれぞれの符号化ビット列を入力し、入力した各符号化ビット列に対して所定の構文構造に基づいて多重化処理を行い、エンベデッド構成をもつ多重化ビットストリームを生成し、生成した多重化ビットストリームを通信回線または記録媒体など102に出力する。
動画像階層復号化装置103では、通信回線または記録媒体など102を介し、動画像階層符号化装置101からの多重化ビットストリームを入力し、エクストラクト器116がその多重化ビットストリームを受信する。
そして、エクストラクト器116は、受信した多重化ビットストリームを所定の構文構造に基づいて解析し、動画像階層復号化装置103または表示装置等の性能にあわせて多重化ビットストリーム全体から復号に必要なものを切り出し、少なくともベースレイヤデコード器112、空間高周波数成分推定拡大器114、エンハンスメントレイヤデコード器115に送る。
ベースレイヤデコード器112は、エクストラクト器116によって抽出されたベースレイヤ符号化ビット列を入力し、入力した符号化ビット列を所定の復号化を行い低解像度復号信号を生成し、空間インターポレーション器113および空間高周波数成分推定拡大器114に送る。また、必要に応じて生成した低解像度復号信号を表示装置などに対して出力する。ここで、復号化の方法は、動画像階層符号化装置101における符号化方式に応じて、例えば、MPEG−1,MPEG−2,MPEG−4およびMPEG−4 AVC(H.264)等により復号化を行う。時間方向のスケーラビリティやSNRスケーラビリティなどの機能を実現できるような復号化器であると更に良い構成となる。
空間インターポレーション器113および空間高周波数成分推定拡大器114は、動画像階層符号化装置101中の空間インターポレーション器107および空間高周波数成分推定拡大器108が備える機能と同様である。また、空間インターポレーション器113、空間高周波数成分推定拡大器114および加算器117によって生成されたベースレイヤのレイヤ間予測ピクチャは、後述するエンハンスメントレイヤデコード器115に送られる。
エンハンスメントレイヤデコード器115は、エクストラクト器116からのエンハンスメントレイヤ符号化ビット列を取得すると共に、下位のレイヤであるベースレイヤのレイヤ間予測ピクチャを入力し、入力した符号化ビット列およびレイヤ間予測ピクチャを利用して所定の復号化を行い、高解像度復号ピクチャを生成する。また、必要に応じて生成した高解像度復号ピクチャを表示装置などに出力する。
図2に、図1に示した動画像階層符号化装置101の構成例を用いて映像信号を空間スケーラブル符号化する手順を示す。
まず、空間デシメーション器104は、原信号である高解像度ピクチャに対して所定の空間的縮小処理により空間デシメーションを行い(ステップS101)、空間的縮小処理によって生成された低解像度ピクチャをベースレイヤエンコード器105に送る。
ベースレイヤエンコード器105は、入力した低解像度ピクチャに対して所定の符号化によってベースレイヤのエンコードを行い(ステップS102)、生成したベースレイヤ符号化ビット列をベースレイヤデコード器106および多重化器110に送る。
ベースレイヤデコード器106は、送ったベースレイヤ符号化ビット列を所定の復号化によってベースレイヤのデコードを行い(ステップS103)、生成した低解像度復号信号を空間インターポレーション器107および空間高周波数成分推定拡大器108に送る。
空間インターポレーション器107は、復号された低解像度復号信号が入力すると、この復号結果に対して空間インターポレーションを行う(ステップS104)。これにより、高解像度復号ピクチャを生成する。
また、空間高周波数成分推定拡大器108は、復号された低解像度復号信号が入力すると、この復号結果に対して上述した空間高周波数成分の推定・拡大を行う(ステップS105)。これにより、推定ラプラシアン成分ピクチャが生成される。
加算器111は、高解像度復号ピクチャに対して推定ラプラシアン成分ピクチャを付加することでベースレイヤのレイヤ間予測ピクチャを生成し(ステップS106)、エンハンスメントレイヤエンコード器109に送る。
エンハンスメントレイヤエンコード器109では、原信号である高解像度ピクチャと、ベースレイヤからのレイヤ間予測ピクチャとを入力して所定の符号化によってエンハンスメントレイヤのエンコードを行う(ステップS107)。これにより、エンハンスメントレイヤの符号化ビット列が生成され、多重化器110に送られる。
最後に、多重化器110では、ベースレイヤエンコード器105およびエンハンスメントレイヤエンコード器109からの各階層の各符号化ビット列に対して所定の構文構造に基づいて多重化を行う(ステップS108)。これにより、多重化ビットストリームが生成され、所定の通信回線または記録媒体など102に出力されることで一連の符号化処理を完了する。
図3に、図1に示した動画像階層復号化装置103の構成例を用いて、動画像階層符号化装置101から所定の通信回線または記録媒体など102によって伝送される多重化ビットストリームに対し、所定の復号化を行う動画像階層復号化装置103の処理手順を示す。
一方、動画像階層復号化装置103では、エクストラクト器116は、通信回線や記録媒体など102を介し、多重化ビットストリームを受信し、受信した多重化ビットストリームに対し、所定の構文構造に基づいて多重化ビットストリームの解析を行う(ステップS201)。これにより、動画像階層復号化装置103および表示装置などの性能に合わせて必要な符号化ビット列を抽出する。ここでは、ベースレイヤの復号ピクチャを構成するための符号化ビット列と、エンハンスメントレイヤの復号ピクチャを構成するための符号化ビット列、および復号に必要な各種パラメータを抽出し、ベースレイヤデコード器112およびエンハンスメントレイヤデコード器115に送る。
ベースレイヤデコード器112は、エクストラクト器116で抽出されたベースレイヤ用の符号化ビット列を取得すると、所定の復号化によりベースレイヤのデコードを行う(ステップS202)。これにより、低解像度復号信号が生成され、空間インターポレーション器113および空間高周波数成分推定拡大器114に送られる。
空間インターポレーション器113では、ベースレイヤデコード器112から送られる低解像度復号信号に対して所定の空間インターポレーションを行う(ステップS203)。これにより、高解像度復号ピクチャが生成される。
また、空間高周波数成分推定拡大器114では、復号された低解像度復号信号に対して空間高周波数成分の推定・拡大を行う(ステップS204)。これにより、推定ラプラシアン成分ピクチャが生成される。
そして、加算器117にて、空間インターポレーション器113にて生成された高解像度復号ピクチャに対し、空間高周波数成分推定拡大器114にて生成された推定ラプラシアン成分ピクチャが付加されることにより、ベースレイヤからのレイヤ間予測ピクチャが生成され(ステップS205)、その後エンハンスメントレイヤデコード器115に送られる。
エンハンスメントレイヤデコード器115では、エクストラクト器116から送られるエンハンスメントレイヤの復号に必要な符号化ビット列と、下位のレイヤから送られるレイヤ間予測ピクチャから、所定の復号化によってエンハンスメントレイヤのデコードを行う(ステップS206)。これにより、高解像度復号ピクチャが生成されるとともに、必要に応じて表示装置などに出力される。
次に、図4を用いて、本発明の動画像階層符号化装置と、動画像階層復号化装置における、空間インターポレーション器107,113および空間高周波数成分推定拡大器108,114の詳細な構成例について説明する。
図4は、空間インターポレーション器107,113および空間高周波数成分推定拡大器108,114の詳細な構成例を示す機能ブロック図である。
図4において、空間インターポレーション器107,113は、第1レート変換制御器402、第1アップサンプル器403、第1LPF器404、第1ダウンサンプル器405を少なくとも有している。第1レート変換制御器402を備えることで、任意解像度にも対応できるような構成となっている。
第1アップサンプル器403は、ベースレイヤもしくは基準レイヤから得られる局所復号信号、つまり低解像度復号信号を取得する。第1アップサンプル器403は、入力した低解像度復号信号に対して所定のアップサンプル処理を行いオーバーサンプルピクチャを生成し、第1LPF器404に送る。
以下にアップサンプル処理の一例を示す。アップサンプル処理では、横方向、縦方向のそれぞれに対してアップサンプル処理を行う。仮に、低解像度復号信号の横方向の画素数がM画素、縦方向の画素数がN画素であり、最終目標とする空間的拡大処理後の高解像度ピクチャの横方向の画素数がP画素、縦方向の画素数がQ画素であるものとする。アップサンプル処理後に生成されるオーバーサンプルピクチャの横方向の画素数を決定するためには、以下の式(1)によってMとPとの最小公倍数lcm(M,P)を求めると良い。
lcm(M,P)= M*P / GCD(M,P)
・・・式(1)
ここで、*は乗算、/は除算、GCD(M,P)は、MとPの最大公約数を意味する。最大公約数は、例えばユークリッドの互除法などを利用することで容易に計算することができる。
次に、低解像度復号信号の横方向の各画素を、オーバーサンプルピクチャの横方向の画素列中のどの位置に再配置するかを特定するために、以下の式(2)によって求めると良い。
lcm(M,P)/M * (n+c) (n=0,1,2,・・・,M−1)
・・・式(2)
ここで、cは低解像度復号信号の空間解像度の画素間隔を基準とした、各画素の位相を合わせるための位相補正情報である。
このようにして求めた位置に基づいて、低解像度復号信号の横方向の各画素を再配置することで、横方向のアップサンプル処理が完了する。縦方向のアップサンプル処理に関しても横方向の場合と同様であるため、ここでは説明を省略する。以上のようなアップサンプル処理によって生成されたオーバーサンプルピクチャが、第1LPF器404に送られる。
第1LPF器404は、第1アップサンプル器403によって生成されたオーバーサンプルピクチャを入力し、所定のLPF(低域通過フィルタリング)によるフィルタリング処理を行った後に、LPF後のオーバーサンプルピクチャを第1ダウンサンプル器405に送る。
第1ダウンサンプル器405は、第1LPF器404によって生成されたLPF後のオーバーサンプルピクチャを入力し、所定のダウンサンプル処理を行い、エンハンスメントレイヤの解像度の高解像度ピクチャを生成し、信号合成器409に送る。
以下に、ダウンサンプル処理の一例を示す。ダウンサンプル処理では、横方向、縦方向のそれぞれに対してダウンサンプル処理を行うと良い。仮に、入力ピクチャであるオーバーサンプルピクチャの横方向の画素数がlcm(M,P)画素、縦方向の画素数がlcm(N,Q)画素であり、目標とする空間的拡大処理後の高解像度ピクチャの横方向の画素数がP画素、縦方向の画素数がQ画素であるものとする。
オーバーサンプルピクチャの横方向の画素列中のどの位置の画素を抽出するかを特定するために、以下の式(3)によって求めると良い。
lcm(M,P)/P * m + lcm(M,P)/M * c
(m=0,1,2,・・・,P−1) ・・・式(3)
また、変換後の高解像度ピクチャにおける位相補正情報は、c*P/M とすると良い。
このようなダウンサンプル処理において、抽出位置が整数でない場合には、周囲の最も近い位置の画素を対象画素としたり、周囲の画素からの線形補間などといった簡易な方法によって抽出位置の画素値としたりすることが一般に行われる。また、周囲の画素を利用して所定のフィルタリングを行い、画素の補間を行い抽出位置の画素値を新たに求めながらダウンサンプル処理を行うようにすると、更に良い構成となる。
第1レート変換制御器402は、第1アップサンプル器403、第1LPF器404、第1ダウンサンプル器405の動作を制御するために、各種パラメータを送る。ここで送られる各種パラメータは、第1アップサンプル器403に入力される低解像度復号信号の縦方向および横方向の画素数、低解像度復号信号の位相補正情報、空間的拡大処理を行った後の高解像度ピクチャの縦方向および横方向の画素数に関する情報を少なくとも含むパラメータであることが望ましい。
図4において、図1における空間高周波数成分推定拡大器108,114は、第1のハイパスフィルタリング部1402、第2のインターポレーション部1403、振幅制限・定数倍処理部1404、第2のハイパスフィルタリング部1405を少なくとも有している。
ここで、空間高周波数成分推定拡大器108,114における高周波数成分推定拡大処理の基本的な考えは、例えば、「高周波数成分推定を伴う任意倍率可能な画像拡大法』(高橋靖正,田口亮著,信学論(A),vol.J84-A,no.9,pp.1192-1201,Sep.2001.参照)や「PARAMETERSTIMATIONS FOR SUPER RESOLUTION BASED ON THE LAPLACIAN PYRAMID REPRESENTATION」(Shuai Yuan, Yasumasa Takahashi*, Akira Taguchi著)等に掲載されている。これは、階層符号化におけるラプラシアンピラミッドの考え方を応用したもので、以下に説明する。高周波数成分推定拡大処理は、階層間のラプラシアン成分の相関が強いことを利用して、注目する階層の信号のみから空間解像度が一つ高い階層のラプラシアン成分の推定を成し遂げる方法である。
第1のハイパスフィルタリング部1402は、ベースレイヤのローカルデコード(局所復号画像)信号に含まれる高周波数成分において、次の上位階層の符号化対象であるエンハンスメントレイヤの画像フレーム信号に含まれる高周波数成分と相関が高く、推定に適した高周波数成分を抽出する。ここでは、推定に適した高周波数成分を表現するための情報として、拡大対象であるベースレイヤのローカルデコード(局所復号画像)信号のラプラシアン成分を抽出する。
ここで、入力信号のラプラシアン成分の抽出は、例えば、次のように行う。説明を簡単にするために、1次元の信号モデルを例にして、入力信号をG0(x)、入力信号から抽出されるラプラシアン成分をL0(x)とすると、ラプラシアン成分L0(x)は、次の(4)式及び(5)式で演算される。なお、(5)式中のρは、ガウシアンフィルタの帯域を調整するためのパラメータで、ハーフバンドフィルタとなる値に設定されている。
Figure 0004870120
・・・式(4)
Figure 0004870120
・・・式(5)
ここで、第1のハイパスフィルタリング部1402は、入力信号から抽出した推定に適した高周波数成分を表現するための情報を第2の空間インターポレーション部1403へ出力する。ここでは、推定に適した高周波数成分を表現するための情報として、抽出したラプラシアン成分L0(x)の信号を第2の空間インターポレーション部1403へ出力する。
ここで、上記式(4)、(5)では、ガウシアン関数を用いて高周波数成分を抽出しているが、これを他の方法に置き換えても良い。ただし、ここで用いるフィルタや補間関数等と、図1における空間デシメーション部104、空間インターポレーション部107、113と、図4の第2の空間インターポレーション部1403、第2のハイパスフィルタリング部1405に用いるフィルタや補間関数等の関係は、ピラミッド構成を満たすものとなっていることが望ましい。例えば、空間デシメーション部にsinc関数を用いた場合、第2の空間インターポレーション部1403、第2のハイパスフィルタリング部1405にもsinc関数を用いることでsinc関数によるピラミッド構成の関係が構築できる。
第2の空間インターポレーション部1403は、第1のハイパスフィルタリング部1402より出力される推定に適した高周波数成分を表現するための情報を取得すると、その信号をエンハンスメントレイヤの空間解像度となるように、(エンハンスメントレイヤの空間解像度/ベースレイヤの空間解像度)の倍率rにインターポレーションを行う(ステップS502)。ここでは、ラプラシアン成分L0(x)の信号を入力として受け、その入力信号がエンハンスメントレイヤの空間解像度となるように、(エンハンスメントレイヤの空間解像度/ベースレイヤの空間解像度)の倍率rのインターポレーションを行う。
ここで、(エンハンスメントレイヤの空間解像度/ベースレイヤの空間解像度)の倍率rへのインターポレーションは、次のように行うことが望ましいが、必ずしもこの方法に限定するわけではない。
つまり、(エンハンスメントレイヤの空間解像度/ベースレイヤの空間解像度)の倍率rにインターポレーションした補間信号(EXPAND)r0(x)は、入力ラプラシアン成分をL0(x)とすると、次の(6)式、(7)式及び(8)式により演算算出される。
Figure 0004870120
・・・式(6)
Figure 0004870120
・・・式(7)
Figure 0004870120
・・・式(8)
ここで、int()は整数部分を取り出す操作を示す。
第2の空間インターポレーション部1403は、このようにして生成したインターポレーションされた補間信号(EXPAND)r0(x)を振幅制限・定数倍処理部403へ出力する。
振幅制限・定数倍処理部403は、第2の空間インターポレーション部1403から出力される補間信号(EXPAND)r0(x)を取得し、その取得した補間信号(EXPAND)r0(x)から未知の高周波数成分を推定するための低解像度工程を実施する(ステップS503)。この未知の高周波数成分を推定する低解像度工程の処理は、入力される補間信号(EXPAND)r0(x)に対して、次の(9)式で示すような振幅制限および定数倍処理を行うことにより実現する。
Figure 0004870120
・・・式(9)
すなわち、振幅制限・定数倍処理部403は、入力信号(EXPAND)r0(x)の振幅が、振幅制限のためのパラメータTと−Tとの間にあるときには、入力信号(EXPAND)r0(x)を定数倍処理のためのパラメータαr倍した信号を出力し、入力信号(EXPAND)r0(x)の振幅がT以上であるときには、αr・Tのレベルの信号を出力し、入力信号(EXPAND)r0(x)の振幅が−T以下であるときには、αr・(−T)のレベルの信号を出力する。ここで、振幅制限のためのパラメータT及び定数倍処理のためのパラメータαrは、例えば前記非特許文献1中で実験的に求められているような値を利用するようにしても構わない。なお、パラメータαrは、拡大率に応じて可変である。
振幅制限・定数倍処理部403により、上記のように振幅制限・定数倍処理された信号は、第2のハイパスフィルタリング部1405に供給される。
第2のハイパスフィルタリング部1405は、未知の高周波数成分を推定するための高解像度工程を実施する(ステップS504)。この第2のハイパスフィルタリング部1405による高解像度工程の処理は、振幅制限・定数倍処理部403から取得した信号、すなわち、未知の高周波数成分を推定するための低解像度工程が実施された信号から、不必要な低域成分を取り除き、本来求めようとしている高周波数成分のみを得るためのものである。これは、入力される信号に対してハイパスフィルタリングを行うことにより実現する。
第2のハイパスフィルタリング部1405によるハイパスフィルタリングが行われて、第2のハイパスフィルタリング部1405から出力される、推定した未知の高周波数成分は、次の(7)式で表されることが望ましい。推定された未知の高周波成分Lγ(ハット^)(x)は、入力される信号をLγ(アッパーバー ̄)(x)とすると、
Figure 0004870120
・・・式(10)
で与えられる。ここで、W(i)は式(5)に示すものである。
このような高周波数成分推定拡大処理を達成するため、空間高周波数成分推定拡大器108,114は、次のように構成されている。
図4において、第1のハイパスフィルタリング部1402は、第2LPF器406、信号合成器407によって構成される。
第2LPF器406は、ベースレイヤもしくは基準レイヤから得られる局所復号信号、つまり低解像度復号信号を入力し、入力した低解像度復号信号に対して所定のLPFによるフィルタリング処理を行った後に、LPF後の低解像度復号信号を信号合成器407に送る。
信号合成器407は、ベースレイヤもしくは基準レイヤから得られる局所復号信号、つまり低解像度復号信号を取得するとともに、第2LPF器406からLPF後の低解像度復号信号を取得する。信号合成器407は、入力した低解像度復号信号から、LPF後の低解像度復号信号の各画素値を減算することで信号を合成し、得られる低解像度高周波数成分ピクチャ(ラプラシアン成分ピクチャ)を、第2アップサンプル器412に送る。
図4において、第2のインターポレーション部1403は、第2アップサンプル器412、第3LPF器413、第2ダウンサンプル器414、第2レート変換制御器411によって少なくとも構成される。第2レート変換制御器411を備えることで、任意解像度にも対応できるような構成となっている。
第2アップサンプル器412は、信号合成器407からラプラシアン成分ピクチャを入力ピクチャとして取得する。基本的なアップサンプル処理の機能については、第1アップサンプル器403と同様であるため説明を省略する。入力したラプラシアン成分ピクチャに対して、所定のアップサンプル処理を行いオーバーサンプルラプラシアン成分ピクチャを生成し、第3LPF器413に送る。
第3LPF器413は、第2アップサンプル器412からオーバーサンプルラプラシアン成分ピクチャを入力し、所定のLPFによるフィルタリング処理を行った後に、LPF後のオーバーサンプルラプラシアン成分ピクチャを第2ダウンサンプル器414に送る。
第2ダウンサンプル器414は、第3LPF器413から生成されたLPF後のオーバーサンプルラプラシアン成分ピクチャを入力し、所定のダウンサンプル処理を行い、必要とする空間的拡大処理後の空間解像度をもつ、拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成し、第1振幅制限器415に送る。ここで、基本的なダウンサンプル処理の機能については、第1ダウンサンプル器405と同様であるため、説明を省略する。
図4において、振幅制限・定数倍処理部1404は、第1振幅制限器415、第1定数倍器416、振幅制御器417、定数倍制御器418を有している。
第1振幅制限器415は、第2ダウンサンプル器414から生成された拡大ラプラシアン成分ピクチャを入力し、入力した拡大ラプラシアン成分ピクチャに対して、信号振幅を抑制するための閾値である所定のパラメータTに基づいて閾値処理を行い、信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成し、第1定数倍器416に送る。また、後述する振幅制御器417から閾値処理で利用するパラメータTを随時取得すると更に良い構成となる。
第1定数倍器416は、第1振幅制限器415によって信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャを入力し、信号振幅を拡大・縮小するための所定のパラメータSに基づいて信号振幅の定数倍処理を行う。第1定数倍器416は、信号振幅が定数倍された拡大ラプラシアン成分ピクチャを信号合成器409および第4LPF器408に送る。また、後述する定数倍制御器418から定数倍処理で利用するパラメータSを随時取得すると更に良い構成となる。
振幅制御器417は、第1振幅制限器415における閾値処理を制御するとともに、所定のパラメータTを必要に応じて送る。また、通知したパラメータTを、所定のエントロピー符号化を行った後に、所定の構文構造に基づいて多重化を行うために多重化器110に送ることが望ましい。
定数倍制御器418は、第1定数倍器416における信号振幅の定数倍処理を制御するとともに、所定のパラメータSを必要に応じて送る。また、通知したパラメータSを、所定のエントロピー符号化を行った後に、所定の構文構造に基づいて多重化を行うために多重化器110に送ることが望ましい。
図4において、第2のハイパスフィルタリング部1405は、第4LPF器408、信号合成器409を有している。
第4LPF器408は、第1定数倍器416によって生成された信号振幅が定数倍された拡大ラプラシアン成分ピクチャを入力し、所定のLPFによるフィルタリング処理を行った後に、LPF後の信号振幅が定数倍された拡大ラプラシアン成分ピクチャを信号合成器409に送る。
信号合成器409(1407)は、第1定数倍器416から信号振幅が定数倍された拡大ラプラシアン成分ピクチャから、LPF後の信号振幅が定数倍された拡大ラプラシアン成分ピクチャを減算し、本来含まれるべき高周波数成分のみを通過させることで最終的な推定ラプラシアン成分ピクチャを生成し、加算器111へ出力する。加算器111では、この生成された推定ラプラシアン成分ピクチャに対し、第1ダウンサンプル器405からの高解像度ピクチャに加算することで、最終的な高解像度ピクチャ、つまりレイヤ間予測ピクチャを生成して、エンハンスメントレイヤエンコード部109へ出力することになる。
次に、図5のフローチャートを用いて、本実施の形態1における、空間インターポレーション器107,113および空間高周波数成分推定拡大器108,114の詳細な構成例である図4の構成例の動作手順について説明する。
まず、第1のハイパスフィルタリング部1402は、ベースレイヤもしくは基準レイヤから得られる局所復号信号、つまり低解像度復号信号を取得すると(ステップS301)、第1アップサンプル器403、第2LPF器406、信号合成器407に送る。
第1レート変換制御器402は、入力されるピクチャに対して空間的拡大処理を行うための準備として、第1アップサンプル器403、第1LPF器404、第1ダウンサンプル器405が正しく動作するために必要な各種パラメータを送る。
第1アップサンプル器403では、第1レート変換制御器402からの空間的拡大処理に必要なパラメータに基づいて、ベースレイヤデコード部106からの低解像度復号信号に対して所定の第1のアップサンプル処理を行う(ステップS302)。これにより、オーバーサンプルピクチャを生成し、第1LPF器404に送る。
第1LPF器404では、第1アップサンプル器403によって生成されたオーバーサンプルピクチャを入力し、第1レート変換制御器402からの空間的拡大処理に必要なパラメータに基づいて、所定の第1のLPF処理を行い(ステップS303)、LPF後のオーバーサンプルピクチャを第1ダウンサンプル器405に送る。
第1ダウンサンプル器405では、第1LPF器404によって生成されたLPF後のオーバーサンプルピクチャを入力し、第1レート変換制御器402からの空間的拡大処理に必要なパラメータに基づいて、所定の第1のダウンサンプル処理を行う(ステップS304)。これにより、エンハンスメントレイヤの解像度の高解像度ピクチャを生成し、信号合成器409に送る。
また、第1のハイパスフィルタリング部1402では、第2LPF器406が、第1アップサンプル器403と同様に、ベースレイヤデコード部106から得られる局所復号信号、つまり低解像度復号信号を入力し、入力した低解像度復号信号に対して所定の第2のLPF処理を行い(ステップS305)、LPF後の低解像度復号信号を信号合成器407に送る。
信号合成器407では、ベースレイヤデコード部106から得られる低解像度復号信号から、第2のLPF後の低解像度復号信号の各画素値を減算する(ステップS306)。これにより、信号を合成し、得られるラプラシアン成分ピクチャを第2の空間インターポレーション部1403の第2アップサンプル器412に送る。
第2の空間インターポレーション部1403では、第2レート変換制御器411が入力されるラプラシアン成分ピクチャに対して空間的拡大処理を行うための準備として、第2アップサンプル器412、第3LPF器413、第2ダウンサンプル器414が正しく動作するために必要な各種パラメータを送る。
第2アップサンプル器412は、信号合成器407からラプラシアン成分ピクチャを入力し、第2レート変換制御器411からの空間的拡大処理に必要なパラメータに基づいて、所定の第2のアップサンプル処理を行う(ステップS307)。これにより、オーバーサンプルラプラシアン成分ピクチャを生成し、第3LPF器413に送る。
第3LPF器413は、第2アップサンプル器412からオーバーサンプルラプラシアン成分ピクチャを入力し、第2レート変換制御器411からの空間的拡大処理に必要なパラメータに基づいて、所定の第3のLPF処理を行い(ステップS308)、第3のLPF後のオーバーサンプルラプラシアン成分ピクチャを第2ダウンサンプル器414に送る。
第2ダウンサンプル器414は、第3LPF器413から生成されたLPF後のオーバーサンプルラプラシアン成分ピクチャを入力し、第2レート変換制御器411からの空間的拡大処理に必要なパラメータに基づいて、所定の第2のダウンサンプル処理を行う(ステップS309)。これにより、必要とする空間的拡大処理後の空間解像度をもつ拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成し、振幅制限・定数倍処理部1404の第1振幅制限器415に送る。
振幅制限・定数倍処理部1404では、振幅制御器417は、第1振幅制限器415に対して振幅制限を行う際の閾値である所定のパラメータTを送ることで必要に応じて振幅制限の動作を制御する。
第1振幅制限器415は、第2ダウンサンプル器414からの拡大ラプラシアン成分ピクチャを入力し、入力した拡大ラプラシアン成分ピクチャに対して、信号振幅を抑制するための閾値である所定のパラメータTに基づいて第1の振幅制限を行う(ステップS310)。これにより、閾値処理を行い、信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成し、第1定数倍器416に送る。また、閾値処理で利用したパラメータTに対して所定のエントロピー符号化を行い、多重化器110に出力する。
定数倍制御器418は、第1定数倍器416に対して信号振幅の拡大・縮小を行う際に利用するパラメータSを送ることで必要に応じて定数倍処理の動作を制御する。
第1定数倍器416は、第1振幅制限器415によって信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャを入力し、所定のパラメータSに基づいて第1の定数倍処理により信号振幅の拡大・縮小を行い(ステップS311)、信号振幅が定数倍された拡大ラプラシアン成分ピクチャを信号合成器409および第4LPF器408に送る。また、定数倍処理で利用したパラメータSに対して所定のエントロピー符号化を行い、多重化器110に出力する。
第4LPF器408は、第1定数倍器416によって生成された信号振幅が定数倍された拡大ラプラシアン成分ピクチャを入力し、所定の第4のLPF処理を行い(ステップS312)、第4のLPF後の信号振幅が定数倍された拡大ラプラシアン成分ピクチャを信号合成器409に送る。
信号合成器409は、第1定数倍器416からの信号振幅が定数倍された拡大ラプラシアン成分ピクチャから、第4LPF器408にてLPF後の信号振幅が定数倍された拡大ラプラシアン成分ピクチャを減算し、本来含まれるべき高周波数成分のみを通過させることで最終的な推定ラプラシアン成分ピクチャを生成する。
加算器111では、空間高周波数成分推定拡大器108にて生成された推定ラプラシアン成分ピクチャに対し、空間インターポレーション分107の第1ダウンサンプル器405からの高解像度ピクチャに加算することで、最終的な高解像度ピクチャ、つまりレイヤ間予測ピクチャを生成し(ステップS312)、上位のレイヤに対して生成したレイヤ間予測ピクチャを送ることで、一連の処理が完了する。
従って、本実施の形態1の階層符号化装置によれば、空間的デシメーション(縮小)処理および空間的インターポレーション(拡大)処理にアップサンプル処理、LPF処理、ダウンサンプル処理等を用いて任意解像度変換を行う際、振幅制御器415および定数倍制御器417等によって、解像度変換の状態に応じてより正しい閾値処理に関するパラメータや、定数倍処理に関するパラメータを設定するようにしたので、本来必要とするエンハンスメントレイヤの原信号が持つ高解像度ラプラシアン成分により近い推定ラプラシアン成分ピクチャを生成することができる。
その結果、生成されるレイヤ間予測ピクチャと上位階層のエンハンスメントレイヤとの間で、符号化対象となっている原信号との相関性が高まり、エンハンスメントレイヤにおける符号化効率を向上させることができる。
実施の形態2.
次に実施の形態2について説明する。本実施の形態2では、図1に示す空間インターポレーション器107,113および空間高周波数成分推定拡大器108,114を、新たな構成例にしたものである。
図6は、本実施の形態2の動画像階層符号化装置と、動画像階層復号化装置における、空間インターポレーション器107,113および空間高周波数成分推定拡大器108,114の構成例を示すブロック図である。
図6に示す本実施の形態2の動画像階層符号化装置と、動画像階層復号化装置では、図4に示す実施の形態1の第1振幅制限器415および第1定数倍器416の代わりに、新たにラプラシアン成分分離合成制御器501、ラプラシアン成分分離器502、ラプラシアン成分合成器503、第1〜第Nの振幅制限器5071〜507N、および第1〜第Nの定数倍器5081〜508N、振幅制御器513、定数倍制御器514を有している。なお、図6において、図4と同一の番号が振られている各手段が備える同一の機能に関しては、重複を避けるため説明を省略する。
図6の構成において、第2ダウンサンプル器414は、図4の構成で第1振幅制限器415に送っていた、必要とする空間的拡大処理後の空間解像度をもつ拡大ラプラシアン成分ピクチャを、ラプラシアン成分分離器502に送る。
また、図6の構成において、第4LPF器408および信号合成器409は、生成された合成ラプラシアン成分ピクチャを、ラプラシアン成分合成器503から取得する。
ラプラシアン成分分離合成制御器501は、ラプラシアン成分を所定の分割方法および分割数に基づいて分割処理を行うための分割制御情報、および所定の分割方法および分割数によって分割処理されたラプラシアン成分に対して、所定の合成方法および合成数に基づいて合成処理を行うための合成制御情報を、少なくとも特定することができる分割合成制御指令504を、外部の初期化パラメータなどから取得する。符号化時には、更にラプラシアン成分分離合成制御器501によって生成された分割合成制御指令を、所定のエントロピー符号化を行った後に、図1の多重化器110に送る。
ラプラシアン成分分離合成制御器501は、ラプラシアン成分分離器502の動作を制御するために、ラプラシアン成分に対して行われる所定の分割方法および分割数を特定するための分割制御情報をラプラシアン成分分離器502に送る一方、ラプラシアン成分合成器503の動作を制御するために、分割されたラプラシアン成分に対して行われる所定の合成数および合成方法を特定するための合成制御情報をラプラシアン成分合成器503に送る
ここで、ラプラシアン成分分離器502において行われるラプラシアン成分に対して行われる所定の分割方法は、所定のフィルタ処理を伴う帯域分割であることが望ましい。
例えば、一般的な8タップや16タップのQMFフィルタを複数用意して必要に応じて切り替えながら、ラプラシアン成分をサブバンド分割により必要な分割数になるまで、再帰的に低周波数成分と高周波数成分に分離することで2のべき乗数の分割ラプラシアン成分ピクチャを生成し、合成するようにラプラシアン成分分離器502およびラプラシアン成分合成器503を制御するように構成しても構わない。また、必要であれば複数のウェーヴレット変換フィルタを用意して、ラプラシアン成分をオクターブ分割により必要な分割数になるまで、再帰的に分割することで2のべき乗数の分割ラプラシアン成分ピクチャを生成し、合成するようにラプラシアン成分分離器502およびラプラシアン成分合成器503を制御するように構成しても構わない。ここでは、処理の共通化を考慮して、本発明の構成手段であるLPF手段と、信号合成手段を利用して、ラプラシアン成分を更に低域と高域に分離するような構成をとるものとする。
ラプラシアン成分分離器502は、第2ダウンサンプル器414から必要とする空間的拡大処理後の空間解像度をもつ拡大ラプラシアン成分ピクチャを取得するとともに、ラプラシアン成分分離合成制御器501から分割制御情報を入力し、入力した分割制御情報から、拡大ラプラシアン成分ピクチャに対して行う所定の分割方法および分割数を少なくとも特定する。次に、ラプラシアン成分分離器502は、特定した分割方法および分割数Nにしたがって、入力した拡大ラプラシアン成分ピクチャに対して所定の分割処理を行い、第1分割ラプラシアン成分ピクチャ〜第N分割ラプラシアン成分ピクチャを生成し、後段の第1振幅制限器5071〜第N振幅制限器507Nに送る。
第1振幅制限器5071〜第N振幅制限器507Nは、ラプラシアン成分分離器502から対応する第1分割ラプラシアン成分ピクチャ〜第N分割ラプラシアン成分ピクチャをそれぞれ入力し、入力した各分割ラプラシアン成分ピクチャに対して、第1振幅制限器5071〜第N振幅制限器507Nのそれぞれに設定される、信号振幅を抑制するための閾値である所定のパラメータT1〜TNに基づいてそれぞれ振幅制限を行い、各パラメータT1〜TNによって信号振幅が抑制された第1分割ラプラシアン成分ピクチャ〜第N分割ラプラシアン成分ピクチャを生成する。ここで、これらの閾値処理で利用するパラメータT1〜TNを、後述する振幅制御器513から随時取得すると更に良い構成となる。生成した振幅制限後の第1分割ラプラシアン成分ピクチャ〜第N分割ラプラシアン成分ピクチャを、対応する第1定数倍器5081〜第N定数倍器508Nに送る。
このように、第1振幅制限器5071〜第N振幅制限器507Nは、各分割ラプラシアン成分に対して、パラメータT1〜TNを用いて個別に閾値を制御することにより、符号化劣化などの影響により混入した各種のノイズ成分に対し、後段の定数倍処理において不要な成分に対する信号振幅の拡大・縮小を回避するとともに、より重要なラプラシアン成分に対してより正しいラプラシアン成分の傾きに近づけるための前処理を行うことができる。
第1定数倍器5081〜第N定数倍器508Nは、第1振幅制限器5071〜第N振幅制限器507Nのそれぞれから、対応する振幅制限後の第1分割ラプラシアン成分ピクチャ〜第N分割ラプラシアン成分ピクチャを入力し、入力した振幅制限後の第1分割ラプラシアン成分ピクチャ〜第N分割ラプラシアン成分ピクチャに対して、第1定数倍器5081〜第N定数倍器508Nのそれぞれに設定される、所定のパラメータS1〜SNに基づいてそれぞれ信号振幅の定数倍処理により信号振幅の拡大・縮小を行い、信号振幅が定数倍された第1分割ラプラシアン成分ピクチャ〜第N分割ラプラシアン成分ピクチャを生成する。ここで、これらの定数倍処理で利用するパラメータS1〜SNを、後述する振幅制御器514から随時取得すると更に良い構成となる。生成した定数倍後の第1分割ラプラシアン成分ピクチャ〜第N分割ラプラシアン成分ピクチャを、後述するラプラシアン成分合成器503に送る。
このように、第1定数倍器5081〜第N定数倍器508Nは、各分割ラプラシアン成分に対して、パラメータS1〜SNを用いて個別に信号振幅の拡大・縮小を制御することにより、符号化劣化などの影響により混入した各種のノイズ成分に対し、後段の定数倍処理において不要な成分に対する信号振幅の拡大・縮小を回避するとともに、より重要なラプラシアン成分に対してより正しいラプラシアン成分の傾きに近づけることができる。
振幅制御器513は、第1振幅制限器5071〜第N振幅制限器507Nにおける閾値処理を制御するとともに、対応する振幅制限器に対して、所定のパラメータT1〜TNを必要に応じて送る。また、通知したパラメータT1〜TNを、所定のエントロピー符号化を行った後に、所定の構文構造に基づいて多重化を行うために多重化器110に送る。
定数倍制御器514は、第1定数倍器5081〜第N定数倍器508Nにおける信号振幅の定数倍処理を制御するとともに、対応する定数倍器に対して、所定のパラメータS1〜SNを必要に応じて送り、そのパラメータS1〜SNを、所定のエントロピー符号化を行った後に、所定の構文構造に基づいて多重化を行うために多重化器110に送る。
ラプラシアン成分合成器503は、第1定数倍器5081〜第N定数倍器508Nのそれぞれから生成された定数倍後の第1分割ラプラシアン成分ピクチャ〜第N分割ラプラシアン成分ピクチャを取得するとともに、ラプラシアン成分分離合成制御器501から合成制御情報を取得する。そして、入力した合成制御情報から、入力した定数倍後の第1分割ラプラシアン成分ピクチャ〜第N分割ラプラシアン成分ピクチャに対して行う所定の合成数および合成方法を少なくとも特定する。特定した合成数Nおよび合成方法にしたがって、入力した定数倍後の第1分割ラプラシアン成分ピクチャ〜第N分割ラプラシアン成分ピクチャに対して所定の合成処理を行い、合成ラプラシアン成分ピクチャを生成し、第4LPF器408および信号合成器409に送る。
次に、図7のフローチャートを用いて、図6に示す実施の形態2の構成例の動作手順について説明する。
まず、第1のハイパスフィルタリング部1402では、ベースレイヤデコード部106から得られる局所復号信号、つまり低解像度復号信号を取得すると(ステップS401)、入力した低解像度復号信号を、第1アップサンプル器403、第2LPF器406、信号合成器407に送る。
第1レート変換制御器402は、入力されるピクチャに対して空間的拡大処理を行うための準備として、第1アップサンプル器403、第1LPF器404、第1ダウンサンプル器405が正しく動作するために必要な各種パラメータを送る。
第1アップサンプル器403では、第1レート変換制御器402から送った空間的拡大処理に必要なパラメータに基づいて、入力した低解像度復号信号に対して所定の第1のアップサンプル処理を行う(ステップS402)。これにより、オーバーサンプルピクチャを生成し、第1LPF器404に送る。
第1LPF器404は、第1アップサンプル器403によって生成されたオーバーサンプルピクチャを入力し、第1レート変換制御器402から送った空間的拡大処理に必要なパラメータに基づいて、所定の第1のLPF処理を行い(ステップS403)、LPF後のオーバーサンプルピクチャを第1ダウンサンプル器405に送る。
第1ダウンサンプル器405は、第1LPF器404によって生成されたLPF後のオーバーサンプルピクチャを入力し、第1レート変換制御器402から送った空間的拡大処理に必要なパラメータに基づいて、所定の第1のダウンサンプル処理を行う(ステップS404)。これにより、エンハンスメントレイヤの解像度の高解像度ピクチャを生成し、加算器111へ送る。
また、第2LPF器406においては、第1アップサンプル器403と同様にベースレイヤデコード部106から得られる局所復号信号、つまり低解像度復号信号を取得する。その後、入力した低解像度復号信号に対して所定の第2のLPF処理を行い(ステップS405)、LPF後の低解像度復号信号を信号合成器407に送る。
信号合成器407では、ベースレイヤデコード部106から得られる局所復号信号を取得するとともに、第2LPF器406からLPF後の低解像度復号信号を入力し、局所復号信号から、第2のLPF後の低解像度復号信号の各画素値を減算する(ステップS406)。これにより、信号合成器407は、信号を合成し、得られる低解像度高周波数成分ピクチャ(ラプラシアン成分ピクチャ)を第2アップサンプル器412に送る。
第2アップサンプル器412は、信号合成器407からラプラシアン成分ピクチャを入力し、第2レート変換制御器411からの空間的拡大処理に必要なパラメータに基づいて、所定の第2のアップサンプル処理を行う(ステップS407)。これにより、オーバーサンプルラプラシアン成分ピクチャが生成され、第3LPF器413に送られる。
第3LPF器413は、第2アップサンプル器412からオーバーサンプルラプラシアン成分ピクチャを入力し、第2レート変換制御器411からの空間的拡大処理に必要なパラメータに基づいて、所定の第3のLPF処理を行い(ステップS408)、第3のLPF後のオーバーサンプルラプラシアン成分ピクチャを第2ダウンサンプル器414に送る。
第2ダウンサンプル器414は、第3LPF器413からLPF後のオーバーサンプルラプラシアン成分ピクチャを入力し、第2レート変換制御器411からの空間的拡大処理に必要なパラメータに基づいて、所定の第2のダウンサンプル処理を行う(ステップS409)。これにより、必要とする空間的拡大処理後の空間解像度をもつ拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成し、ラプラシアン成分分離器502に送る。
ラプラシアン成分分離合成制御器501は、分割合成制御指令504を外部の初期化パラメータなどから取得し、分割制御情報および合成制御情報を生成し、それぞれラプラシアン成分分離器502およびラプラシアン成分合成器503に送ると共に、その生成した分割合成制御指令504を、所定のエントロピー符号化を行った後に、多重化器110(図1参照)に送る。
ラプラシアン成分分離器502は、第2ダウンサンプル器414から必要とする空間的拡大処理後の空間解像度をもつ拡大ラプラシアン成分ピクチャを取得するとともに、ラプラシアン成分分離合成制御器501から分割制御情報を入力して、入力した分割制御情報から、入力した拡大ラプラシアン成分ピクチャに対して行う所定の分割方法および分割数を少なくとも特定し、特定した分割方法および分割数Nにしたがって、入力した拡大ラプラシアン成分ピクチャに対して所定の分割処理を行い、第1分割ラプラシアン成分ピクチャ〜第N分割ラプラシアン成分ピクチャを生成することでラプラシアン成分の分離を行う(ステップS410)。生成された第1分割ラプラシアン成分ピクチャ〜第N分割ラプラシアン成分ピクチャは、それぞれ後段の第1振幅制限器5071〜第N振幅制限器507Nに送られる。
振幅制御器513は、第1振幅制限器5071〜第N振幅制限器507Nに対して振幅制限を行う際の閾値である所定のパラメータT1〜TNを送ることで必要に応じて振幅制限の動作を制御する。
第1振幅制限器5071〜第N振幅制限器507Nは、ラプラシアン成分分離器502から対応する第1分割ラプラシアン成分ピクチャ〜第N分割ラプラシアン成分ピクチャをそれぞれ入力し、入力した各分割ラプラシアン成分ピクチャに対して、第1振幅制限器5071〜第N振幅制限器507Nのそれぞれに設定された、信号振幅を抑制するための閾値である所定のパラメータT1〜TNに基づいてそれぞれ振幅制限を行う(ステップS411)。これにより、各パラメータT1〜TNによって信号振幅が抑制された第1分割ラプラシアン成分ピクチャ〜第N分割ラプラシアン成分ピクチャを生成する。生成された振幅制限後の第1分割ラプラシアン成分ピクチャ〜第N分割ラプラシアン成分ピクチャは、対応する第1定数倍器5081〜第N定数倍器508Nに送られる。
一方、定数倍制御器514は、第1定数倍器5081〜第N定数倍器508Nに対して信号振幅の拡大・縮小を行う際の所定のパラメータS1〜SNを送ることで、必要に応じて定数倍処理の動作を制御する。
第1定数倍器5081〜第N定数倍器508Nは、第1振幅制限器5071〜第N振幅制限器507Nのそれぞれから、対応する振幅制限後の第1分割ラプラシアン成分ピクチャ〜第N分割ラプラシアン成分ピクチャを入力し、第1定数倍器5081〜第N定数倍器508Nのそれぞれに設定された、所定のパラメータS1〜SNに基づいてそれぞれ信号振幅の定数倍処理により信号振幅の拡大・縮小を行う(ステップS412)。これにより、信号振幅が定数倍された第1分割ラプラシアン成分ピクチャ〜第N分割ラプラシアン成分ピクチャを生成する。生成された定数倍後の第1分割ラプラシアン成分ピクチャ〜第N分割ラプラシアン成分ピクチャは、後述するラプラシアン成分合成器503に送られる。
ラプラシアン成分合成器503は、第1定数倍器5081〜第N定数倍器508Nのそれぞれから、生成された定数倍後の第1分割ラプラシアン成分ピクチャ〜第N分割ラプラシアン成分ピクチャを入力すると共に、ラプラシアン成分分離合成制御器501から合成制御情報を入力し、合成制御情報から定数倍後の第1分割ラプラシアン成分ピクチャ〜第N分割ラプラシアン成分ピクチャに対して行う所定の合成数および合成方法を少なくとも特定する。そしてラプラシアン成分合成器503は、特定した合成数Nおよび合成方法にしたがって、入力した定数倍後の第1分割ラプラシアン成分ピクチャ〜第N分割ラプラシアン成分ピクチャに対して所定の合成処理を行う(ステップS413)。これにより、ラプラシアン成分合成器503は、合成ラプラシアン成分ピクチャを生成し、生成した合成ラプラシアン成分ピクチャを、第4LPF器408および信号合成器409に送る。
第4LPF器408は、ラプラシアン成分合成器503から生成された合成ラプラシアン成分ピクチャを入力し、所定の第4のLPF処理を行い(ステップS414)、第4のLPF後の合成ラプラシアン成分ピクチャを信号合成器409に送る。
信号合成器409は、第1ダウンサンプル器405からエンハンスメントレイヤの解像度の高解像度ピクチャを入力し、またラプラシアン成分合成器503から生成された合成ラプラシアン成分ピクチャを入力し、第4LPF器408からLPF後の合成ラプラシアン成分ピクチャを取得する。信号合成器409は、入力した合成ラプラシアン成分ピクチャから、LPF後の合成ラプラシアン成分ピクチャを減算し、本来含まれるべき高周波数成分のみを通過させることで最終的な推定ラプラシアン成分ピクチャを生成し、生成した推定ラプラシアン成分ピクチャを、第1ダウンサンプル器405から入力した高解像度ピクチャに加算することで、最終的な高解像度ピクチャ、つまりレイヤ間予測ピクチャを生成し(ステップS415)、上位のレイヤに対して生成したレイヤ間予測ピクチャを送ることで、一連の処理が完了する。
従って、本実施の形態2の階層符号化装置によれば、上記実施の形態1の階層符号化装置と同様に、空間的デシメーション(縮小)処理および空間的インターポレーション(拡大)処理にアップサンプル処理、LPF処理、ダウンサンプル処理等を用いて任意解像度変換を行う際、振幅制御器415および定数倍制御器417等によって、解像度変換の状態に応じてより正しい閾値処理に関するパラメータや、定数倍処理に関するパラメータを設定するようにしたので、本来必要とするエンハンスメントレイヤの原信号が持つ高解像度ラプラシアン成分により近い推定ラプラシアン成分ピクチャを生成することができ、その結果、生成されるレイヤ間予測ピクチャと上位階層のエンハンスメントレイヤとの間で、符号化対象となっている原信号との相関性が高まり、エンハンスメントレイヤにおける符号化効率を向上させることができる。
特に、本実施形態2では、ラプラシアン成分ピクチャを所定の分割方法により分離することで、各分割ラプラシアン成分に対して、パラメータT1〜TNを用いて個別に振幅セ期限の閾値を制御するようにしたので、符号化劣化などの影響により混入した各種のノイズ成分に対し、後段の定数倍処理において不要な成分に対する信号振幅の拡大・縮小を回避するとともに、より重要なラプラシアン成分に対してより正しいラプラシアン成分の傾きに近づけるための前処理を行うことができる。
また、本実施形態2では、ラプラシアン成分ピクチャを所定の分割方法により分離することで、各分割ラプラシアン成分に対して、パラメータS1〜SNを用いて個別に定数倍処理の際の信号振幅の拡大・縮小を制御するようにしたので、符号化劣化などの影響により混入した各種のノイズ成分に対し、定数倍処理において不要な成分に対する信号振幅の拡大・縮小を抑制し、より重要なラプラシアン成分に対してより正しいラプラシアン成分の傾きに近づけることができる。
その結果、本実施形態2によれば、ベースレイヤもしくはエンハンスメントレイヤから推定することができる高周波数成分である推定ラプラシアン成分を、上述のような所定の帯域分割および適切な閾値処理を行うためのパラメータおよび適切な信号振幅の拡大・縮小を行うためのパラメータに基づいて生成することで、レイヤ間の差分を求めた際のレイヤ間差分情報の信号振幅を抑制し、レイヤ間差分情報の信号振幅が抑制されることで周囲のレイヤ間差分情報との相関が高まり、結果としてエントロピーを抑制するようにしたため、符号化を行う際により少ないビット数で符号化対象を表現することができ、さらに効率良く符号化を行うことができる。
なお、上記実施の形態1,2では、上述したように、本発明に係る動画像階層符号化装置および動画像階層復号化装置を、ブロック図によりハードウエア的に構成して説明したが、本発明では、これに限らず、CPUがCDやネックワークを介しダウンロードしたプログラムを実行することにより、上記実施の形態1,2の動画像階層符号化装置および動画像階層復号化装置をソフトウエア的に達成するようにしても勿論よい。
また、上記実施の形態1,2では、ベースレイヤ及びエンハンスメントレイヤの動画像符号化構成としてMPEG2符号化方式を用いたが、MPEG1やMPEG4−AVC等の他の動画像符号化規格をベースに用いた場合においても、勿論適用可能である。
本発明の実施形態を適用した動画像階層符号化装置と、動画像階層復号化装置の一例を示す構成図である。 図1に示す装置の符号化器の動作を示すフローチャートである。 図1に示す装置の復号化器の動作を示すフローチャートである。 図1に示す装置の符号化器および復号化器における空間インターポレーション器および空間高周波数成分推定拡大器の詳細を示す第1の構成例である。 図4に示す空間インターポレーション器および空間高周波数成分推定拡大器の詳細に関する動作を示すフローチャートである。 図1に示す装置の符号化器および復号化器における空間インターポレーション器および空間高周波数成分推定拡大器の詳細を示す第2の構成例である。 図6に示す空間インターポレーション器および空間高周波数成分推定拡大器の詳細に関する動作を示すフローチャートである。
符号の説明
101 符号化器
102 通信回線または記録媒体
103 復号化器
104 空間デシメーション器
105 ベースレイヤエンコード器(低解像度符号化部)
106 ベースレイヤデコード器
107 空間インターポレーション器
108 空間高周波数成分推定拡大器
109 エンハンスメントレイヤエンコード器(高解像度符号化部)
110 多重化器
111 エクストラクト器
112 ベースレイヤデコード器(低解像度復号化部)
113 空間インターポレーション器
114 空間高周波数成分推定拡大器
115 エンハンスメントレイヤデコード器(高解像度復号化部)
402 第1レート変換制御器
403 第1アップサンプル器
404 第1LPF器
405 第1ダウンサンプル器
406 第2LPF器
407 信号合成器
408 第4LPF器
409 信号合成器
411 第2レート変換制御器
412 第2アップサンプル器
413 第3LPF器
414 第2ダウンサンプル器
415 第1振幅制御器
416 第1定数倍器
417 振幅制御器
418 定数倍制御器
501 ラプラシアン成分分離合成制御器
502 ラプラシアン成分分離器
503 ラプラシアン成分合成器
507 第1振幅制限器
508 第1定数倍器
509 第2振幅制限器
510 第2定数倍器
513 振幅制御器
514 定数倍制御器
5071〜507N 第1〜第Nの振幅制御器
5081〜508N 第1〜第Nの定数倍器

Claims (6)

  1. 入力動画像信号を解像度の異なる複数の階層毎に符号化し、少なくとも低解像度画像信号と高解像度画像信号の異なる解像度の画像信号を生成する動画像階層符号化装置であって、
    前記入力動画像信号に対して空間的縮小処理を行い、前記入力動画像信号より解像度の低い低解像度画像信号を出力する、空間デシメーション部と、
    前記低解像度画像信号を符号化して低解像度符号化データを出力する、低解像度符号化部と、
    前記低解像度符号化データを復号した低解像度復号信号を生成する、低解像度復号化部と、
    前記低解像度復号信号を空間的に拡大し、前記高解像度画像信号と同じ解像度の拡大復号画像信号を生成する、第1の空間インターポレーション部と、
    前記復号信号に対し前記空間デシメーション部における空間的縮小処理により消失した高周波成分の推定拡大処理を行い、空間高周波成分推定拡大信号を生成する、空間高周波成分推定拡大部と、
    前記拡大復号画像信号に前記空間高周波成分推定拡大信号を加算した信号を予測画像信号として使用して、前記高解像度画像信号を予測符号化し、高解像度符号化データを出力する、高解像度符号化部と、
    を有し、
    前記空間高周波成分推定拡大部は、
    前記低解像度復号化部からの前記低解像度復号信号に対しハイパスフィルタリング処理を施し、低解像度高周波数成分ピクチャを出力する第1のハイパスフィルタリング部と、
    前記低解像度高周波数成分ピクチャを空間的に拡大し、前記高解像度画像信号と同じ解像度の拡大復号画像信号を生成する、第2の空間インターポレーション部と、
    前記拡大復号画像信号に対し閾値処理を行い、信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成すると共に、信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャに対し信号振幅の定数倍処理を行って、信号振幅が定数倍された拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成する、振幅制限・定数倍処理部と
    前記拡大ラプラシアン成分ピクチャに対しハイパスフィルタリング処理を施し、高解像度高周波数成分ピクチャをレイヤ間予測ピクチャとして前記高解像度符号化部に送る第2のハイパスフィルタリング部と、
    を有し、
    前記振幅制限・定数倍処理部は、
    外部からの分割合成制御指令に基づいて、前記第2の空間インターポレーション部からの前記拡大復号画像信号を所定の分割方法および分割数に基づいて分割処理を行うための分割制御情報と、所定の分割方法および分割数によって分割処理された拡大ラプラシアン成分ピクチャに対し、所定の合成方法および合成数に基づいて合成処理を行うための合成制御情報とを特定するラプラシアン成分分離合成制御器と、
    前記分割制御情報に基づいて、前記第2の空間インターポレーション部からの前記拡大復号画像信号を分割するラプラシアン成分分離器と、
    前記ラプラシアン成分分離器によって分割された前記拡大復号画像信号それぞれに対し、信号振幅を抑制するための閾値である所定のパラメータに基づいてそれぞれ振幅制限を行い、各パラメータによって信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成する複数の振幅制御器と、
    前記複数の振幅制御器によって信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャそれぞれに対し、定数倍処理により信号振幅の拡大・縮小を行うための閾値である所定のパラメータに基づいてそれぞれ信号振幅の定数倍処理により信号振幅の拡大・縮小を行い、信号振幅が定数倍された拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成する複数の定数倍器と、
    を有する動画像階層符号化装置。
  2. 入力動画像信号を解像度の異なる複数の階層毎に符号化し、少なくとも低解像度画像信号と高解像度画像信号の異なる解像度の画像信号を生成する動画像階層符号化方法であって、
    前記入力動画像信号に対して空間的縮小処理を行い、前記入力動画像信号より解像度の低い低解像度画像信号を出力する空間デシメーションステップと、
    前記低解像度画像信号を符号化して低解像度符号化データを出力するステップと、
    前記低解像度符号化データを復号した低解像度復号信号を生成する低解像度復号化ステップと、
    前記低解像度復号信号を空間的に拡大し、前記高解像度画像信号と同じ解像度の拡大復号画像信号を生成する第1の空間インターポレーションステップと、
    前記復号信号に対し前記空間デシメーションステップにおける空間的縮小処理により消失した高周波成分の推定拡大処理を行い、空間高周波成分推定拡大信号を生成する空間高周波成分推定拡大ステップと、
    前記拡大復号画像信号に前記空間高周波成分推定拡大信号を加算した信号を予測画像信号として使用して、前記高解像度画像信号を予測符号化し、高解像度符号化データを出力する高解像度符号化ステップと、
    を含み、
    前記空間高周波成分推定拡大ステップは、
    前記低解像度復号化ステップからの前記低解像度復号信号に対しハイパスフィルタリング処理を施し、低解像度高周波数成分ピクチャを出力する第1のハイパスフィルタリングステップと、
    前記低解像度高周波数成分ピクチャを空間的に拡大し、前記高解像度画像信号と同じ解像度の拡大復号画像信号を生成する、第2の空間インターポレーションステップと、
    前記拡大復号画像信号に対し閾値処理を行い、信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成すると共に、信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャに対し信号振幅の定数倍処理を行って、信号振幅が定数倍された拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成する、振幅制限・定数倍処理ステップと、
    前記拡大ラプラシアン成分ピクチャに対しハイパスフィルタリング処理を施し、高解像度高周波数成分ピクチャをレイヤ間予測ピクチャとして前記高解像度符号化ステップに送る第2のハイパスフィルタリングステップと、
    を含み、
    前記振幅制限・定数倍処理ステップは、
    外部からの分割合成制御指令に基づいて、前記第2の空間インターポレーションステップからの前記拡大復号画像信号を所定の分割方法および分割数に基づいて分割処理を行うための分割制御情報と、所定の分割方法および分割数によって分割処理された拡大ラプラシアン成分ピクチャに対し、所定の合成方法および合成数に基づいて合成処理を行うための合成制御情報とを特定するステップと、
    前記分割制御情報に基づいて、前記第2の空間インターポレーションステップからの前記拡大復号画像信号を分割するラプラシアン成分分離ステップと、
    前記ラプラシアン成分分離ステップによって分割された前記拡大復号画像信号それぞれに対し、信号振幅を抑制するための閾値である所定のパラメータに基づいてそれぞれ振幅制限を行い、各パラメータによって信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成する振幅制御ステップと、
    前記振幅制御ステップによって信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャそれぞれに対し、定数倍処理により信号振幅の拡大・縮小を行うための閾値である所定のパラメータに基づいてそれぞれ信号振幅の定数倍処理により信号振幅の拡大・縮小を行い、信号振幅が定数倍された拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成するステップと、
    を含む動画像階層符号化方法。
  3. コンピュータに、入力動画像信号を解像度の異なる複数の階層毎に符号化し、少なくとも低解像度画像信号と高解像度画像信号の異なる解像度の画像信号を生成する機能を実現させる動画像階層符号化プログラムであって、
    前記入力動画像信号に対して空間的縮小処理を行い、前記入力動画像信号より解像度の低い低解像度画像信号を出力する空間デシメーション機能と、
    前記低解像度画像信号を符号化して低解像度符号化データを出力する機能と、
    前記低解像度符号化データを復号した低解像度復号信号を生成する低解像度復号化機能と、
    前記低解像度復号信号を空間的に拡大し、前記高解像度画像信号と同じ解像度の拡大復号画像信号を生成する第1の空間インターポレーション機能と、
    前記復号信号に対し前記空間デシメーション機能における空間的縮小処理により消失した高周波成分の推定拡大処理を行い、空間高周波成分推定拡大信号を生成する空間高周波成分推定拡大機能と、
    前記拡大復号画像信号に前記空間高周波成分推定拡大信号を加算した信号を予測画像信号として使用して、前記高解像度画像信号を予測符号化し、高解像度符号化データを出力する高解像度符号化機能と、
    をコンピュータに実現させ、
    前記空間高周波成分推定拡大機能は、
    前記低解像度復号化機能からの前記低解像度復号信号に対しハイパスフィルタリング処理を施し、低解像度高周波数成分ピクチャを出力する第1のハイパスフィルタリング機能と、
    前記低解像度高周波数成分ピクチャを空間的に拡大し、前記高解像度画像信号と同じ解像度の拡大復号画像信号を生成する第2の空間インターポレーション機能と、
    前記拡大復号画像信号に対し閾値処理を行い、信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成すると共に、信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャに対し信号振幅の定数倍処理を行って、信号振幅が定数倍された拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成する、振幅制限・定数倍処理機能と
    前記拡大ラプラシアン成分ピクチャに対しハイパスフィルタリング処理を施し、高解像度高周波数成分ピクチャをレイヤ間予測ピクチャとして前記高解像度符号化機能に送る第2のハイパスフィルタリング機能と、
    を含み、
    前記振幅制限・定数倍処理機能は、
    外部からの分割合成制御指令に基づいて、前記第2の空間インターポレーション機能からの前記拡大復号画像信号を所定の分割方法および分割数に基づいて分割処理を行うための分割制御情報と、所定の分割方法および分割数によって分割処理された拡大ラプラシアン成分ピクチャに対し、所定の合成方法および合成数に基づいて合成処理を行うための合成制御情報とを特定する機能と、
    前記分割制御情報に基づいて、前記第2の空間インターポレーション機能からの前記拡大復号画像信号を分割するラプラシアン成分分離機能と、
    前記ラプラシアン成分分離機能によって分割された前記拡大復号画像信号それぞれに対し、信号振幅を抑制するための閾値である所定のパラメータに基づいてそれぞれ振幅制限を行い、各パラメータによって信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成する振幅制御機能と、
    前記振幅制御機能によって信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャそれぞれに対し、定数倍処理により信号振幅の拡大・縮小を行うための閾値である所定のパラメータに基づいてそれぞれ信号振幅の定数倍処理により信号振幅の拡大・縮小を行い、信号振幅が定数倍された拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成する機能と、
    含む動画像階層符号化プログラム。
  4. 少なくとも低解像度符号化データと高解像度符号化データとが多重化された多重化ビットストリームから少なくとも前記低解像度符号化データと前記高解像度符号化データとを復号して少なくとも低解像度画像信号と高解像度画像信号とを生成する動画像階層復号化装置であって、
    前記多重化ビットストリームより少なくとも前記低解像度符号化データと前記高解像度符号化データとを分離する、多重分離部と、
    分離された前記低解像度符号化データを復号し、前記低解像度復号画像信号を生成する、低解像度復号化部と、
    前記低解像度復号画像信号を空間的に拡大し、拡大復号画像信号を生成する、第1の空間インターポレーション部と、
    前記低解像度復号画像信号に対し、高周波成分の推定拡大処理を行い、空間高周波成分推定拡大信号を生成する、空間高周波成分推定拡大部と、
    前記拡大復号画像信号に前記空間高周波成分推定拡大信号を加算した信号を予測画像信号として使用して前記高解像度画像信号に加算し、前記予測画像信を加算した前記高解像度画像信号を復号して、高解像度化映像信号を出力する、高解像度復号化部と、
    を有し、
    前記空間高周波成分推定拡大部は、
    前記低解像度復号化部からの前記低解像度復号信号に対しハイパスフィルタリング処理を施し、低解像度高周波数成分ピクチャを出力する第1のハイパスフィルタリング部と、
    前記低解像度高周波数成分ピクチャを空間的に拡大し、前記高解像度画像信号と同じ解像度の拡大復号画像信号を生成する、第2の空間インターポレーション部と、
    前記拡大復号画像信号に対し閾値処理を行い、信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成すると共に、信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャに対し信号振幅の定数倍処理を行って、信号振幅が定数倍された拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成する、振幅制限・定数倍処理部と、
    前記拡大ラプラシアン成分ピクチャに対しハイパスフィルタリング処理を施し、高解像度高周波数成分ピクチャをレイヤ間予測ピクチャとして前記高解像度符号化部に送る第2のハイパスフィルタリング部と、
    を有し、
    前記振幅制限・定数倍処理部は、
    外部からの分割合成制御指令に基づいて、前記第2の空間インターポレーション部からの前記拡大復号画像信号を所定の分割方法および分割数に基づいて分割処理を行うための分割制御情報と、所定の分割方法および分割数によって分割処理された拡大ラプラシアン成分ピクチャに対し、所定の合成方法および合成数に基づいて合成処理を行うための合成制御情報とを特定するラプラシアン成分分離合成制御器と、
    前記分割制御情報に基づいて、前記第2の空間インターポレーション部からの前記拡大復号画像信号を分割するラプラシアン成分分離器と、
    前記ラプラシアン成分分離器によって分割された前記拡大復号画像信号それぞれに対し、信号振幅を抑制するための閾値である所定のパラメータに基づいてそれぞれ振幅制限を行い、各パラメータによって信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成する複数の振幅制御器と、
    前記複数の振幅制御器によって信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャそれぞれに対し、定数倍処理により信号振幅の拡大・縮小を行うための閾値である所定のパラメータに基づいてそれぞれ信号振幅の定数倍処理により信号振幅の拡大・縮小を行い、信号振幅が定数倍された拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成する複数の定数倍器と、
    を有する動画像階層復号化装置。
  5. 少なくとも低解像度符号化データと高解像度符号化データとが多重化された多重化ビットストリームから少なくとも前記低解像度符号化データと前記高解像度符号化データとを復号して少なくとも低解像度画像信号と高解像度画像信号とを生成する動画像階層復号化方法であって、
    前記多重化ビットストリームより少なくとも前記低解像度符号化データと前記高解像度符号化データとを分離するステップと、
    分離された前記低解像度符号化データを復号し、前記低解像度復号画像信号を生成する低解像度復号化ステップと、
    前記低解像度復号画像信号を空間的に拡大し、拡大復号画像信号を生成する第1の空間インターポレーションステップと、
    前記低解像度復号画像信号に対し、高周波成分の推定拡大処理を行い、空間高周波成分推定拡大信号を生成する空間高周波成分推定拡大ステップと、
    前記拡大復号画像信号に前記空間高周波成分推定拡大信号を加算した信号を予測画像信号として使用して前記高解像度画像信号に加算し、前記予測画像信を加算した前記高解像度画像信号を復号して、高解像度化映像信号を出力する高解像度復号化ステップと、
    含み
    前記空間高周波成分推定拡大ステップは、
    前記低解像度復号化ステップからの前記低解像度復号信号に対しハイパスフィルタリング処理を施し、低解像度高周波数成分ピクチャを出力する第1のハイパスフィルタリングステップと、
    前記低解像度高周波数成分ピクチャを空間的に拡大し、前記高解像度画像信号と同じ解像度の拡大復号画像信号を生成する、第2の空間インターポレーションステップと、
    前記拡大復号画像信号に対し閾値処理を行い、信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成すると共に、信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャに対し信号振幅の定数倍処理を行って、信号振幅が定数倍された拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成する、振幅制限・定数倍処理ステップと
    前記拡大ラプラシアン成分ピクチャに対しハイパスフィルタリング処理を施し、高解像度高周波数成分ピクチャをレイヤ間予測ピクチャとして前記高解像度符号化ステップに送る第2のハイパスフィルタリングステップと、
    を含み、
    前記振幅制限・定数倍処理ステップは、
    外部からの分割合成制御指令に基づいて、前記第2の空間インターポレーションステップからの前記拡大復号画像信号を所定の分割方法および分割数に基づいて分割処理を行うための分割制御情報と、所定の分割方法および分割数によって分割処理された拡大ラプラシアン成分ピクチャに対し、所定の合成方法および合成数に基づいて合成処理を行うための合成制御情報とを特定するステップと、
    前記分割制御情報に基づいて、前記第2の空間インターポレーション部からの前記拡大復号画像信号を分割するラプラシアン成分分離ステップと、
    前記ラプラシアン成分分離ステップによって分割された前記拡大復号画像信号それぞれに対し、信号振幅を抑制するための閾値である所定のパラメータに基づいてそれぞれ振幅制限を行い、各パラメータによって信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成する振幅制御ステップと、
    前記振幅制御ステップによって信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャそれぞれに対し、定数倍処理により信号振幅の拡大・縮小を行うための閾値である所定のパラメータに基づいてそれぞれ信号振幅の定数倍処理により信号振幅の拡大・縮小を行い、信号振幅が定数倍された拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成するステップと、
    含む動画像階層復号化方法。
  6. コンピュータに、少なくとも低解像度符号化データと高解像度符号化データとが多重化された多重化ビットストリームから少なくとも前記低解像度符号化データと前記高解像度符号化データとを復号して低解像度画像信号と高解像度画像信号とを生成する機能を実現させる動画像階層復号化プログラムであって、
    前記多重化ビットストリームより少なくとも前記低解像度符号化データと前記高解像度符号化データとを分離する機能と、
    分離された前記低解像度符号化データを復号し、前記低解像度復号画像信号を生成する機能と、
    前記低解像度復号画像信号を空間的に拡大し、拡大復号画像信号を生成する第1の空間インターポレーション機能と、
    前記低解像度復号画像信号に対し、高周波成分の推定拡大処理を行い、空間高周波成分推定拡大信号を生成する空間高周波成分推定拡大機能と、
    前記拡大復号画像信号に前記空間高周波成分推定拡大信号を加算した信号を予測画像信号として使用して前記高解像度画像信号に加算し、前記予測画像信を加算した前記高解像度画像信号を復号して、高解像度化映像信号を出力する高解像度復号化機能と、
    をコンピュータに実現させ、
    前記空間高周波成分推定拡大機能は、
    前記低解像度復号化機能からの前記低解像度復号信号に対しハイパスフィルタリング処理を施し、低解像度高周波数成分ピクチャを出力する第1のハイパスフィルタリング機能と、
    前記低解像度高周波数成分ピクチャを空間的に拡大し、前記高解像度画像信号と同じ解像度の拡大復号画像信号を生成する第2の空間インターポレーション機能と、
    前記拡大復号画像信号に対し閾値処理を行い、信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成すると共に、信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャに対し信号振幅の定数倍処理を行って、信号振幅が定数倍された拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成する、振幅制限・定数倍処理機能と
    前記拡大ラプラシアン成分ピクチャに対しハイパスフィルタリング処理を施し、高解像度高周波数成分ピクチャをレイヤ間予測ピクチャとして前記高解像度符号化機能に送る第2のハイパスフィルタリング機能と、
    を含み、
    前記振幅制限・定数倍処理機能は、
    外部からの分割合成制御指令に基づいて、前記第2の空間インターポレーション機能からの前記拡大復号画像信号を所定の分割方法および分割数に基づいて分割処理を行うための分割制御情報と、所定の分割方法および分割数によって分割処理された拡大ラプラシアン成分ピクチャに対し、所定の合成方法および合成数に基づいて合成処理を行うための合成制御情報とを特定する機能と、
    前記分割制御情報に基づいて、前記第2の空間インターポレーション部からの前記拡大復号画像信号を分割するラプラシアン成分分離機能と、
    前記ラプラシアン成分分離機能によって分割された前記拡大復号画像信号それぞれに対し、信号振幅を抑制するための閾値である所定のパラメータに基づいてそれぞれ振幅制限を行い、各パラメータによって信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成する振幅制御機能と、
    前記振幅制御機能によって信号振幅が抑制された拡大ラプラシアン成分ピクチャそれぞれに対し、定数倍処理により信号振幅の拡大・縮小を行うための閾値である所定のパラメータに基づいてそれぞれ信号振幅の定数倍処理により信号振幅の拡大・縮小を行い、信号振幅が定数倍された拡大ラプラシアン成分ピクチャを生成する機能と、
    含む動画像階層復号化プログラム。
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