JP4869982B2 - 検査キット - Google Patents

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Description

本発明は化学物質の検査技術に係り、特に検査キットに関する。
生体内では複数の生体分子が複雑に反応し合い、反応系を形成している。そのため個々の生体分子の機能を解明するためには、特異的に反応する別の生体分子を探索することが重要となる。例えば受容体の機能を解明するためには、受容体と結合するリガンドが探索される。探索研究においては、それぞれ受容体で修飾された複数のビーズが基板の流路に設けられたフィルタに堰き止められ、リガンドの候補物質を含む溶液が流路に流される(例えば特許文献1参照。)。また、抗原抗体反応の高選択性と高親和性を利用するイムノアッセイは、生体試料中のタンパク質やホルモン等の微量物質の分析法として幅広く活用されており、医療診断や生化学研究などの分野において不可欠な分析法である。イムノアッセイにおいてはそれぞれ抗原に対する抗体で修飾された複数のビーズが基板の流路に設けられたフィルタに堰き止められ、抗原を含む溶液が流路に流される(例えば特許文献2参照。)。さらに流路には、反応物質を含む複数種類の溶液が流される場合がある。この場合、溶液の交換のために流路を乾燥させると、フィルタに堰き止められた複数のビーズも乾燥してしまうという問題があった。また堰き止められた複数のビーズの分布が不均一な場合、実験結果の再現性が損なわれるという問題があった。また複数のビーズを堰き止める構造が、気泡まで堰き止めてしまうという問題があった。
特開2006-201091号公報 特開2001-4628号公報
本発明は、ビーズの乾燥を防止可能な検査キットを提供することを目的とする。また本発明は、流路にビーズを均一に堰き止めることが可能な検査キットを提供することを目的とする。また本発明は、流路に気泡が溜まらない検査キットを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の特徴は、(イ)段が設けられた側壁を有する流路が設けられた基板と、(ロ)基板に設けられた流路に堆積され、流路の段が設けられた部分の深さよりもそれぞれ直径が長い複数の検査用ビーズと、(ハ)基板に設けられた流路に配置され、段に接し、複数の検査用ビーズを流路に堰き止める堰き止め部とを備える検査キットであることを要旨とする。
本発明によれば、ビーズの乾燥を防止可能な検査キットを提供可能である。また本発明によれば、流路にビーズを均一に堰き止めることが可能な検査キットを提供可能である。また本発明によれば、流路に気泡が溜まらない検査キットを提供可能である。
次に図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。なお以下の示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は構成部品の配置等を下記のものに特定するものではない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において種々の変更を加えることができる。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係る検査キットは、図1及びA-A方向からみた断面図である図2に示すように、井戸130、井戸130の上部につながる注入流路11、及び井戸130の上部につながる排出流路12が設けられた基板10と、基板10に設けられた井戸130に堆積される複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…と、基板10に設けられた排出流路12に配置され、複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…を井戸130の内部に堰き止める堰き止め部131とを備える。
透明な基板10上には蓋板60が配置される。透明な蓋板60には、基板10に設けられた注入流路11に溶液を注入するための注入孔21が設けられている。注入流路11は、例えば幅が2mm、深さが40μmの基板10に設けられた溝である。注入孔21から注入された溶液は、例えばポンプ等を用いて、注入流路11を井戸130の上部に向かって流される。注入流路11がつながる井戸130の深さは、例えば100μmである。注入流路11を流された溶液は、井戸130の内部に貯められる。井戸130の上部につながる排出流路12は基板10に設けられた溝であり、堰き止め部131が配置された部分の排出流路の幅は2mm、深さは12μmである。基板10には排出流路12につながり、基板10を貫通する排出孔22がさらに設けられている。井戸130からあふれた溶液は、排出流路12を排出孔22に向かって流される。基板10、堰き止め部131、及び蓋板60のそれぞれの材料としては、酸化ケイ素(SiO2)、アクリル樹脂、環状ポリオレフィン(COP: Cyclo-olefin polymer)、及びポリジメチルシロキサン(PDMS: Polydimethylsiloxane)等の透明物質が使用可能である。基板10と堰き止め部131は一体であってもよい。注入流路11、井戸130、及び排出流路12が設けられた基板10と堰き止め部131は、エッチング法及び射出成形法等で製造可能である。
複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…のそれぞれの直径は例えば34μmであり、注入流路11の深さの40μmよりも短く、堰き止め部131が配置された部分の排出流路12の深さの12μmよりも長い。したがって、複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…を分散させた溶液を注入孔21から注入流路11に注入すると、複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…は注入流路11を流れ、井戸130に堆積される。井戸130からあふれた溶液は排出流路12を排出孔22に向かって流されるが、複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…のそれぞれの直径は堰き止め部131が配置された部分の排出流路12の深さよりも長いため、複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…のそれぞれは蓋板60及び堰き止め部131によって井戸130の内部に堰き止められる。複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…のそれぞれの材料としては、酸化ケイ素(SiO2)及びラテックス等が使用可能である。
複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…のそれぞれの表面には、例えばアルデヒド(-CHO)基、カルボキシル(-COOH)基、及び図3に示すアミノ(-NH2)基等の官能基53が導入されている。官能基53は、例えば図4に示す両端でアミノ(-NH2)基と反応するビスサルフォスクシンイミジルスベレート(Bis [Sulfo succinimidyl] suberate : BS3)等の架橋剤54と、図5に示すように結合している。さらに架橋剤54には、例えば、受容体、リガンド、アンタゴニスト、抗体、あるいは抗原等のタンパク質である図6に示す捕捉物質55が、リジン(Lys)のアミノ(-NH2)基を介して結合している。
なお架橋剤54として、他に、両端でアミノ(-NH2)基と反応するジスクシンイミジルスベレート(Disuccinimidyl suberate : DSS)、ジメチルスベルイミデート(Dimethyl suberimidate・HCl : DMS)、ジスクシンイミジルグルタレート(Disuccinimidyl glutarate : DSG)、ローマン試薬(Loman's Reagent)、 3, 3' - ジチオビスサルフォスクシンイミジルプロピオネート(3, 3' - Dithiobis [sulfo succinimidyl propionate] : DTSSP)、 及びエチレングリコールビススクシンイミジルスクシネート(Ethylene glycol bis [succinimidylsuccinate] : EGS)等が使用可能である。
捕捉物質55が、カルボキシル(-COOH)基を有するアスパラギン酸(Asp)及びグルタミン酸(Glu)を含む場合は、架橋剤54としてアミノ(-NH2)基とカルボキシル(-COOH)基と反応する1-エチル - 3 - [3 - ジメチルアミノプロピル]カルボジイミドヒドロクロライド(1 - Ethyl - 3 - [3 - Dimethylaminopropyl] carbodiimide Hydrochloride : EDC)等が使用可能である。
捕捉物質55が、チオール(-SH)基を有するシステイン(Cys)を含む場合は、架橋剤54として、アミノ(-NH2)基とチオール(-SH)基と反応するm-マレイミドベンジル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(m - Maleimidobenzyl - N - hydroxy succinimide ester : MBS)、 スクシンイミジル4 - [N - マレイミドメチル] - シクロヘキサン - 1 - カルボキシレート(Succinimidyl 4 - [N - maleimidomethyl] - cyclohexane - 1 - carboxylate : SMCC)、 スクシンイミジル 4 - [p - マレイミドフェニル] - ブチレート(Succinimidyl 4 - [p - maleimidophenyl] - buthrate : SMPB)、 N-スクシンイミジル3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート(N - Succinimidyl 3 - [2 - pyridyldithio] propionate : SPDP)、N-(γ-マレイミドブチリルオキシ)サルフォスクシンイミドエステル(N - [γ - Maleimidobutyloxy] sulfo succinimide ester : Sulfo - GMBS)、 サルフォスクシンイミジル6 - [3' (2 - ピリジルジチオ) - プロピオンアミド] ヘキサノエート(Sulfo succinimidyl 6 - [3' (2 - pyridyldithio) - propionamide] hexanoate : Sulfo - LC - SPDP)、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシサルフォスクシンイミドエステル(m - Maleimidebenzoyl - N - hydoroxysulfo - succinimide ester : Sulfo - MBS)、サルフォスクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(Sulfo succinimidyl 4 [N - maleimidomethyl] - cyclohexane - 1 - carboxylate : Sulfo - SMCC)、サルフォスクシンイミジル-4-(p-マレイミドフェニル)ブチレート(Sulfo succinimidy 4 - [p - maleimidophenyl] - butyrate : Sulfo - SMPB)等が使用可能である。
以上示した第1の実施の形態に係る検査キットによれば、図1に示す排出孔22から溶液をポンプ等で吸引し、注入孔21と排出孔22の間に気流を生じさせて、注入流路11及び排出流路12の内部を乾燥させても、井戸130の内部に溶液を残すことが可能となる。ここで、複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…のそれぞれの表面が、図6に示すように生体物質等の捕捉物質55で修飾されているため、乾燥することが許されない場合がある。しかし、複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…は堰き止め部131で堰き止められ、注入孔21と排出孔22の間に気流を生じさせても溶液が残る井戸130の内部に堆積させられている。そのため、注入孔21と排出孔22の間に気流を生じさせても、複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…は乾燥しない。
図7は、注入流路11及び排出流路12の内部が溶液で満たされている場合の、堰き止め部131によって深さが100μmの井戸130に堰き止められた複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…の顕微鏡写真である。なお、複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…のそれぞれには、セファロースビーズ(GEヘルスケアバイオサイエンス株式会社製、コード番号17-0716-01)を用いた。セファロースビーズは乾燥すると収縮する。図8は、5分間、注入孔21と排出孔22の間に気流を生じさせた場合の、堰き止め部131によって深さが100μmの井戸130に堰き止められた複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…の顕微鏡写真である。堰き止め部131近傍の一部の検査用ビーズがやや収縮したが、溶液が残る井戸130内部の検査ビーズの乾燥は抑制された。
図9は、注入流路11及び排出流路12の内部が溶液で満たされている場合の、堰き止め部131によって深さが200μmの井戸130に堰き止められた複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…の顕微鏡写真である。図10は、5分間、注入孔21と排出孔22の間に気流を生じさせた場合の、堰き止め部131によって深さが200μmの井戸130に堰き止められた複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…の顕微鏡写真である。井戸130の深さが200μmの場合も、溶液が残る井戸130内部の検査ビーズの乾燥は抑制された。
次に第1の実施の形態の比較例に係る検査キットについて説明する。比較例に係る検査キットは、図11及びA-A方向からみた断面図である図12に示すように、一定の方向に延伸する流路111が設けられた基板100、基板100に設けられた流路111に配置された堰き止め部133、及び基板の流路111中に堰き止め部133で堰き止められた複数のビーズ141a, 141b, 141c…を備える。
透明な基板100上には蓋板60が配置される。透明な蓋板60には、基板100に設けられた流路111に溶液を注入するための注入孔21が設けられている。流路111は、例えば幅が2mm、深さが40μmの基板100に設けられた溝である。堰き止め部133は、図13に示すように、複数の堰き止め用直方体31a, 31b, 31c, 31d, 31e, 31f, 31gを備える。複数の堰き止め用直方体31a〜31gは、複数のビーズ141a〜141cのそれぞれの直径よりも短い間隔で流路111に配置されている。また複数の堰き止め用直方体31a〜31gのそれぞれが延伸する方向は、流路111が延伸する方向と平行である。図12に示すように、基板100には流路111につながり、基板100を貫通する排出孔22がさらに設けられている。基板100、堰き止め部133、及び蓋板60のそれぞれの材料としては、酸化ケイ素(SiO2)、アクリル樹脂、PDMS、及びCOP等の透明物質が使用可能である。基板100と堰き止め部133は一体でもよい。流路111が設けられた基板100及び堰き止め部133は、エッチング法及び射出成形法等で製造可能である。複数のビーズ141a〜141cのそれぞれの材料としては、酸化ケイ素(SiO2)及びラテックス等が使用可能である。
以上示した第1の実施の形態の比較例に係る検査キットによれば、図12に示す排出孔22から溶液をポンプ等で吸引し、注入孔21と排出孔22の間に気流を生じさせて、流路111の内部を乾燥させると、複数のビーズ141a〜141cも乾燥してしまう。図14は、流路111の内部が溶液で満たされている場合の、堰き止め部133によって堰き止められた複数のビーズ141a〜141cの顕微鏡写真である。複数のビーズ141a〜141cのそれぞれには、セファロースビーズ(GEヘルスケアバイオサイエンス株式会社製、コード番号17-0716-01)を用いた。図15は、5分間、注入孔21と排出孔22の間に気流を生じさせた場合の、堰き止め部133によって堰き止められた複数のビーズ141a〜141cの顕微鏡写真である。複数のビーズ141a〜141cが乾燥し、収縮したのが観察された。
(第1の実施の形態の第1の実施例)
それぞれ表面にビオチンを結合させた直径が30μmの複数のガラスビーズを分散させたビーズ溶液を準備した。次に、1μg/mlの濃度で蛍光試薬(Cy3)標識ストレプトアビジン(KPL社製、カタログ番号078-30-00)を含む標識溶液を準備した。その後、10μlのビーズ溶液に990μlの標識溶液を添加し、混合液を得た。混合液を室温で1時間転倒混和させ、複数のガラスビーズのそれぞれの表面にCy3標識ストレプトアビジンを結合させた。混合液を遠心後、上澄みを除去し、濃度が0.05%のTween20-リン酸緩衝液(PBST)を沈殿物に1ml加えて撹拌し、複数のガラスビーズを洗浄した。洗浄は3回行った。
それぞれCy3標識ストレプトアビジンで標識された複数のガラスビーズを含む標識ビーズ溶液を、図2に示す第1の実施の形態に係る検査キットの注入孔21から注入流路11に注入し、複数のガラスビーズを堰き止め部131によって井戸130に堰き止めた。図16は、井戸130の深さが100μmの場合の、堰き止め部131によって井戸130に堰き止められた複数のガラスビーズの蛍光顕微鏡写真である。図17は、井戸130の深さが200μmの場合の、堰き止め部131によって井戸130に堰き止められた複数のガラスビーズの蛍光顕微鏡写真である。
また、それぞれCy3標識ストレプトアビジンで標識された複数のガラスビーズを含む標識ビーズ溶液を、図12に示す比較例に係る検査キットの注入孔21から流路111に注入し、複数のガラスビーズを堰き止め部133によって流路111に堰き止めた。図18は、流路111の深さが100μmの場合の、堰き止め部133によって堰き止められた複数のガラスビーズの蛍光顕微鏡写真である。図19は、流路111の深さが40μmの場合の、堰き止め部133によって堰き止められた複数のガラスビーズの蛍光顕微鏡写真である。なお、図16乃至図19に示す複数のガラスビーズは、同一条件でCy3標識ストレプトアビジンで標識された。
図20のグラフのカラム(a)は図16に示した蛍光顕微鏡写真で観察された蛍光強度、カラム(b)は図17に示した蛍光顕微鏡写真で観察された蛍光強度、カラム(c)は図18に示した蛍光顕微鏡写真で観察された蛍光強度、カラム(d)は図19に示した蛍光顕微鏡写真で観察された蛍光強度を示す。堰き止め部131によって深さが200μmの井戸130に堰き止められた複数のガラスビーズからは、堰き止め部133によって深さが40μmの流路111に堰き止められた複数のガラスビーズからよりも、約5倍の強度の蛍光が観察された。したがって、井戸130を設けることにより複数のガラスビーズの乾燥を防止すると共に、一定の面積あたりに堰き止められる複数のガラスビーズの数を上昇させることが可能となり、複数のガラスビーズのそれぞれの表面で生じさせる蛍光反応等の観察に有用であることが示された。
(第1の実施の形態の第2の実施例)
まず、図2に示す井戸130の深さが100μmの第1の実施の形態に係る検査キット、井戸130の深さが200μmの第1の実施の形態に係る検査キット、図12に示す流路111の深さが100μmの比較例に係る検査キット、及び流路111の深さが40μmの比較例に係る検査キットを用意した。次に、それぞれ表面にウサギ抗体が結合された複数のガラスビーズを用意した。その後、複数のガラスビーズを図2に示す深さが100μmの井戸130、深さが200μmの井戸130、図12に示す深さが100μmの流路111、及び深さが40μmの流路111に堰き止めた。
ビオチン標識ロバ抗ウサギ抗体(Jackson ImmunoResearch Laboratories社製、コード711-065-152)を含む10μlの抗体溶液を、図2に示す深さが100μmの井戸130を有する検査キットに流し、井戸130に堰き止められた複数のガラスビーズのそれぞれの表面のウサギ抗体と反応させた。その後、未反応のビオチン標識ロバ抗ウサギ抗体を、10μlのPBSTで洗浄した。
深さが200μmの井戸130を有する検査キット、図12に示す深さが100μmの流路111を有する検査キット、及び深さが40μmの流路111を有する検査キットのそれぞれにも10μlの抗体溶液を流し、堰き止められた複数のガラスビーズのそれぞれの表面のウサギ抗体と反応させた。その後、未反応のビオチン標識ロバ抗ウサギ抗体を、10μlのPBSTで洗浄した。
1μg/mlの濃度でCy3標識ストレプトアビジンを含む標識溶液を準備した。次に10μlの標識溶液を図2に示す深さが100μmの井戸130を有する検査キットに流し、井戸130に堰き止められた複数のガラスビーズのそれぞれの表面に結合しているビオチン標識ロバ抗ウサギ抗体と反応させた。その後、未反応のCy3標識ストレプトアビジンを、10μlのPBSTで洗浄した。
深さが200μmの井戸130を有する検査キット、図12に示す深さが100μmの流路111を有する検査キット、及び深さが40μmの流路111を有する検査キットのそれぞれにも10μlの標識溶液を流し、堰き止められた複数のガラスビーズのそれぞれの表面のビオチン標識ロバ抗ウサギ抗体と反応させた。その後、未反応のCy3標識ストレプトアビジンを、10μlのPBSTで洗浄した。
図21は、抗体溶液におけるビオチン標識ロバ抗ウサギ抗体の濃度が、1000ng/ml、333ng/ml、111ng/ml、37ng/ml、12.3ng/ml、4.1ng/ml、1.4ng/ml、及び0ng/mlのそれぞれの場合の、深さが100μmの井戸130に堰き止められた複数のガラスビーズの蛍光顕微鏡写真である。図22は、深さが200μmの井戸130に堰き止められた複数のガラスビーズの、ビオチン標識ロバ抗ウサギ抗体の濃度別の蛍光顕微鏡写真である。図23は、深さが100μmの流路111に堰き止められた複数のガラスビーズの、ビオチン標識ロバ抗ウサギ抗体の濃度別の蛍光顕微鏡写真である。図24は、深さが400μmの流路111に堰き止められた複数のガラスビーズの、ビオチン標識ロバ抗ウサギ抗体の濃度別の蛍光顕微鏡写真である。同一条件下では、図22に示す深さが200μmの井戸130に堰き止められた複数のガラスビーズから、最も強い蛍光が観察された。
(第1の実施の形態の第1の変形例)
図2においては、堰き止め部131が複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…を直接堰き止める例を示した。これに対し、第1の実施の変形例に係る検査キットにおいては、図25に示すように、複数の堰き止め用ビーズ61a, 61b, 61c…が堰き止め部131で堰き止められている。さらに複数の堰き止め用ビーズ61a〜61cによって、複数の検査用ビーズ151a, 151b, 151c…が堰き止められている。
複数の堰き止め用ビーズ61a〜61cのそれぞれの直径は、堰き止め部131が配置された部分の排出流路12の深さよりも長い。複数の堰き止め用ビーズ61a〜61cのそれぞれは、ガラスビーズ及びセファロースビーズ等が使用可能であり、補足物質等で修飾されていない。第1の実施の変形例に係る複数の検査用ビーズ151a, 151b, 151c…のそれぞれの直径は、堰き止め部131が配置された部分の排出流路12の深さよりも短い。
複数の検査用ビーズ151a, 151b, 151c…のそれぞれの直径が小さくなるほど、複数の検査用ビーズ151a, 151b, 151c…のそれぞれの表面積の総和は大きくなる。そのため、複数の検査用ビーズ151a, 151b, 151c…のそれぞれの直径が小さくなるほど、複数の検査用ビーズ151a, 151b, 151c…のそれぞれの表面で生じる化学反応の反応効率は上昇する。しかし、複数の検査用ビーズ151a, 151b, 151c…のそれぞれの直径を小さくすると、複数の検査用ビーズ151a, 151b, 151c…は堰き止め部131で堰き止められず、排出流路12に流される。これに対し、堰き止め部131で複数の堰き止め用ビーズ61a〜61cを堰き止めることにより、複数の堰き止め用ビーズ61a〜61cで複数の検査用ビーズ151a, 151b, 151c…を堰き止めることが可能となる。
(第1の実施の形態の第2の変形例)
第1の実施の形態の第2の変形例に係る検査キットは、図26及びA-A方向から見た断面図である図27に示すように、注入流路11に溶液を注入するための注入用漏斗部201、及び排出流路12を流れた溶液を排出するための排出用漏斗部202が基板10に設けられている。注入用漏斗部201は注入流路11に接続されており、注入用漏斗部201に注がれた溶液は、注入流路11に導かれる。排出用漏斗部202は排出流路12に接続されており、排出流路12を流れた溶液は排出用漏斗部202で外部に排出される。注入流路11の入り口の幅は例えば1.5mm、深さは200μmである。注入用漏斗部201の直径は例えば4mm、深さは4mmである。注入用漏斗部201によって、数十μlの溶液を注入流路11に導入することが可能となる。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係る検査キットは、図28及び拡大上面図である図29に示すように、一定の方向に延伸する流路111が設けられた基板10、基板10に設けられた流路111に堆積される複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…、複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…のそれぞれの直径よりも長い間隔Sdで流路111に配置され、流路111が延伸する一定の方向とそれぞれ平行に延伸する複数のガイドレール35a, 35b, 35c, 35d, 35e, 35f, 35g、及び基板10に設けられた流路111に複数のガイドレール35a〜35gより下流に配置され、複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…を堰き止める堰き止め部133を備える。複数のガイドレール35a〜35gのそれぞれは、例えば同一の直方体であり、図29のA-A方向から見た断面図である図30に示すように高さは流路111の深さに等しい。堰き止め部133は、図29に示すように、複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…のそれぞれの直径よりも短い間隔Sbで配置された、流路111が延伸する一定の方向とそれぞれ平行に延伸する複数の堰き止め用直方体31a, 31b, 31c, 31d, 31e, 31f, 31gを備える。
図13に示すように、複数のガイドレール35a〜35gが基板10に設けられた流路111に配置されていない場合、複数のビーズ141a〜141cは堰き止め部133に不均一に堰き止められ、例えば湾曲に堆積する。また実験毎に、堆積の態様が異なる場合がある。そのため、流路に流れる溶液の速度が実験毎に変化する。溶液の速度が不安定になると、複数のビーズ141a〜141c上で生じる化学反応も不安定となり、反応効率も実験毎に変化する。これに対し、第2の実施の形態に係る検査キットによれば、複数のガイドレール35a〜35gのそれぞれによって、流路111の幅方向において複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…が均一に分散される。そのため、堰き止め部133によって堰き止められる複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…の幅方向における分布を均一にすることが可能となる。そのため、複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…上で生じる蛍光反応等の検出実験の再現性を一定にすることが可能となる。
(第2の実施の形態の第1の変形例)
第2の実施の形態の第1の変形例に係る検査キットは、図31に示すように、複数のガイドレール135a, 135b, 135c, 135d, 135e, 135f, 135g、及び複数のガイドレール235a, 235b, 235c, 235d, 235e, 235f, 235gが基板10に設けられた流路111にさらに配置されている。複数のガイドレール135a〜135gは、複数のガイドレール35a〜35gに対して流路111の上流側に配置されている。複数のガイドレール135a〜135gのそれぞれの形状は、複数のガイドレール35a〜35gのそれぞれの形状と同一でもよい。複数のガイドレール135a〜135gは、複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…のそれぞれの直径よりも長い間隔Sdで流路111に配置されている。複数のガイドレール235a〜235gは、複数のガイドレール135a〜135gに対して流路111の上流側に配置されている。複数のガイドレール235a〜235gのそれぞれの形状は、複数のガイドレール135a〜135gのそれぞれの形状と同一でもよい。複数のガイドレール235a〜235gは、複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…のそれぞれの直径よりも長い間隔Sdで流路111に配置されている。
図13に示すように、複数のガイドレール35a〜35g, 135a〜135g, 235a〜235gが基板10の流路111に配置されていない場合、複数のビーズ141a〜141cは堰き止め部133に不均一に堰き止められ、例えば図32に示す写真のように湾曲に堆積する。また実験毎に、堆積の態様が異なる場合がある。そのため、流路に流れる溶液の速度が実験毎に変化する。溶液の速度が不安定になると、複数のビーズ141a〜141c上で生じる化学反応も不安定となり、反応効率も実験毎に変化する。その結果、同一の実験を行っても、図33の写真に示すように検出強度が弱くなる場合と、図34の写真に示すように検出強度が強くなる場合とが生じる。これに対し、図31に示すように、複数のガイドレール35a〜35g, 135a〜135g, 235a〜235gを基板10の流路111に配置することにより、複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…が流路111の幅方向においてさらに均一に分散される。そのため図35に示す写真のように、堰き止め部133によって堰き止められる複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…の幅方向における分布をより均一にすることが可能となる。結果として、実験毎に複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…の堰き止められ方が実験毎に変化せず、一定の実験環境を提供することが可能となる。
(第2の実施の形態の第2の変形例)
本発明の第2の実施の形態の第2の変形例に係る検査キットにおいては、図36に示すように、複数のガイドレール335a, 335b, 335c, 335d, 335e, 335f, 335gが、複数の堰き止め用直方体31a〜31gにそれぞれ接続されている。複数のガイドレール335a〜335gによって分散され、堰き止め部133によって堰き止められた複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…の流路111の幅方向の移動は、複数のガイドレール335a〜335gによって抑制される。そのため、堰き止め部133によって複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…を堰き止めた後、流路111に溶液を流すことを繰り返しても、流路111における堰き止められた複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…の分布は変化しない。そのため、複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…上で生じる蛍光反応等の検出実験の再現性を一定にすることが可能となる。
(第2の実施の形態の第3の変形例)
図29においては、堰き止め部133が複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…を直接堰き止める例を示した。これに対し、第2の実施の第3の変形例に係る検査キットにおいては、図37に示すように、複数の堰き止め用ビーズ61a, 61b, 61c…が堰き止め部133で堰き止められている。さらに複数の堰き止め用ビーズ61a〜61cによって、複数の検査用ビーズ151a, 151b, 151c…が堰き止められている。
複数の堰き止め用ビーズ61a〜61cのそれぞれの直径は、複数の堰き止め用直方体31a〜31gが配置された間隔Sbよりも長く、複数のガイドレール35a〜35gが配置された間隔Sdよりも短い。複数の堰き止め用ビーズ61a〜61cのそれぞれは、ガラスビーズ及びセファロースビーズ等が使用可能であり、補足物質等で修飾されていない。第2の実施の第3の変形例に係る複数の検査用ビーズ151a, 151b, 151c…のそれぞれの直径は、複数の堰き止め用直方体31a〜31gが配置された間隔Sbよりも短い。
複数の検査用ビーズ151a, 151b, 151c…のそれぞれの直径が小さくなるほど、複数の検査用ビーズ151a, 151b, 151c…のそれぞれの表面積の総和は大きくなる。そのため、複数の検査用ビーズ151a, 151b, 151c…のそれぞれの直径が小さくなるほど、数の検査用ビーズ151a, 151b, 151c…のそれぞれの表面で生じる化学反応の反応効率は上昇する。しかし、複数の検査用ビーズ151a, 151b, 151c…のそれぞれの直径を間隔Sbよりも小さくすると、複数の検査用ビーズ151a, 151b, 151c…が堰き止め部133で堰き止められない。これに対し、堰き止め部133で複数の堰き止め用ビーズ61a〜61cを堰き止めることにより、複数の堰き止め用ビーズ61a〜61cで複数の検査用ビーズ151a, 151b, 151c…を堰き止めることが可能となる。
(第2の実施の形態の第4の変形例)
第2の実施の形態の第4の変形例に係る検査キットは、図38及びA-A方向から見た断面図である図39に示すように、流路111に溶液を注入するための注入用漏斗部201、及び流路111を流れた溶液を排出するための排出用漏斗部202が基板10に設けられている。注入用漏斗部201は流路111の上流側に接続されており、注入用漏斗部201に注がれた溶液は、流路111に導かれる。排出用漏斗部202は流路111の下流側に接続されており、流路111を流れた溶液は排出用漏斗部202で外部に排出される。注入用漏斗部201によって、数十μlの溶液を流路111に導入することが可能となる。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態に係る検査キットは、図40に示すように、流路111が設けられた基板10を有する。流路111の拡大斜視図である図41に示すように、基板10に設けられた流路111は2つの側壁121a, 121bを有する。側壁121aには段138aが設けられている。また側壁121bには段138bが設けられている。また第3の実施の形態に係る検査キットは、図42に示すように、基板10に設けられた流路111に配置され、段138a, 138bに接する堰き止め部137を有する。堰き止め部137は流路111を横切る構造物であり、複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…を基板10に設けられた流路111に堆積させる。
図42のA-A方向から見た断面図である図43、及びB-B方向から見た断面図である図44に示すように、基板10上には蓋板60が配置される。基板10に設けられた段138a, 138b及び堰き止め部137のそれぞれの高さHは等しい。段138a, 138b及び堰き止め部137が設けられた部分の流路111の深さDbは例えば20μmであり、複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…のそれぞれの直径34μmよりも短い。そのため、流路111中の複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…は、段138a, 138b及び堰き止め部137と、蓋板60との間を通り抜けることができず、堰き止め部137で堰き止められる。図40に示す第3の実施の形態に係る検査キットのその他の構成要素は図1と同様であるため、説明は省略する。なお、図39で説明した注入用漏斗部201を注入孔21に設け、排出用漏斗部202を排出孔22に設けてもよい。
流路111を流れる溶液は、図45に示すように、気泡200を含む場合がある。気泡200は複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…のそれぞれの上で生じる化学反応の妨げとなったり、流路111を流れる溶液の流速を変化させ、複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…のそれぞれの上で生じる化学反応の反応効率を実験毎に変化させたりするため、流路111から排出する必要がある。ここで、図44に示すように、段138aと蓋板60の間、及び段138bと蓋板60の間には複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…は入り込めない。そのため気泡200は、図46に示すように、段138aと蓋板60の間、及び段138bと蓋板60の間を通り抜け、図40に示す排出孔22から排出される。図47は、実際に作成された第3の実施の形態に係る検査キットの写真であり、上流から堰き止め部137に向かう気泡200aと、堰き止め部137を通り抜けた気泡200bが観察された。
ここで第3の実施の形態の比較例に係る検査キットは、図48及び図48の拡大斜視図である図49に示すように、段138a, 138bが側壁121a, 121bに設けられていない。比較例に係る検査キットの流路111に複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…が分散された溶液を流すと、図50に示すように複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…は堰き止め部137で堰き止められ、図51に示すように堰き止め部137の上流側において流路111は複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…で充填される。そのため、図44に示す段138aと蓋板60の間のような気泡の逃げ道が存在しない。したがって、図52に示すように溶液に含まれる気泡200が堰き止め部137に向かって流れてくると、図53に示すように気泡200は複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…で堰き止められる。図54は、実際に作成された第3の実施の形態の変形例に係る検査キットの写真であり、堰き止め部137及び複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…で堰き止められ、動けなくなった気泡200が観察された。
(第3の実施の形態の第1の変形例)
第3の実施の形態の第1の変形例に係る検査キットは、図55及び流路111の拡大斜視図である図56に示すように、基板10に設けられた流路111を横切るように配置された潜堤部147をさらに備える。図57に示すように、複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…は潜堤部147と堰き止め部137の間に堆積する。
図56のA-A方向から見た断面図である図58に示すように、堰き止め部137が設けられた部分の流路111の深さDbは例えば20μmであり、複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…のそれぞれの直径34μmよりも短い。これに対し、潜堤部147が設けられた部分の流路111の深さDtは例えば50μmであり、複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…のそれぞれの直径34μmよりも長い。そのため、複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…のそれぞれは潜堤部147と蓋板60の間を通過するが、図57のA-A方向から見た断面図である図59に示すように、堰き止め部137と蓋板60の間は通過できない。第1の変形例に係る検査キットのその他の構成要素は図40と同様であるため、説明は省略する。
第1の変形例に係る検査キットによれば、図55に示す流路111に溶液を流した後、注入孔21と排出孔22との間を通気しても、潜堤部147と堰き止め部137との間には溶液が残る。そのため、複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…の乾燥を防止することが可能となる。
(第3の実施の形態の第2の変形例)
図60及び流路111の拡大斜視図である図61に示すように、第3の実施の形態の第2の変形例に係る検査キットが有する段148a, 148bのそれぞれの奥行きWは、上流から下流に向かって、堰き止め部137に近づくにつれて狭くなる。段148a, 148bのそれぞれの奥行きWが狭くなるにつれて、段148a, 148bの間隔は広くなっていく。そのため、図62に示すように、溶液に分散された複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…が段148a, 148bに堰き止められにくく、溶液に分散された複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…を堰き止め部137まで送ることが容易となる。
(第3の実施の形態の第3の変形例)
図63に示すように、第3の実施の形態の第3の変形例に係る検査キットが有する段158a, 158bのそれぞれは、図60に示した段148a, 148bのそれぞれを流路111の途中から設けた構造に相当する。第3の変形例に係る検査キットにおいても、図64に示すように、溶液に分散された複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…が段158a, 158bに堰き止められにくく、溶液に分散された複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…を堰き止め部137まで送ることが容易となる。図65は実際に製造された第3の変形例に係る検査キットの写真であり、図66に示すように、複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…が堰き止め部137まで送られたことが確認された。
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明を実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。例えば第1の実施の形態では、捕捉物質はタンパク質であると説明したが、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、及びペプチド核酸(PNA)等の核酸、あるいは生体分子に限定されず、その他の化学物質であってもよい。標識試薬としては、FITC等も使用可能である。また、図1においては基板10に注入流路11、井戸130、堰き止め部131、排出流路12、及び排出孔22が1つずつ設けられた例を示した。これに対し、図67に示すように、注入孔21、注入流路11、井戸130、堰き止め部131、排出流路12、及び排出孔22を基板10に複数設けてもよい。また図26においては、基板10に注入用漏斗部201、注入流路11、井戸130、堰き止め部131、排出流路12、及び排出用漏斗部202が1つずつ設けられた例を示した。これに対し、図68及び図69に示すように、注入用漏斗部201、注入流路11、井戸130、堰き止め部131、排出流路12、及び排出用漏斗部202を基板10に複数設けてもよい。なお図69に示すように、正方形の頂点となるように配置された4つの注入用漏斗部201に対して、4つの排出用漏斗部202を中心近傍に配置することにより、基板10の周囲に余白ができ、例えばゴムパッキン等の配置が容易となる。図25乃至図31、図36乃至図39、図40乃至図47、図55乃至図64に示す流路111も基板10に複数設け、それぞれに複数のガイドレール35a〜35g及び堰き止め部133を配置してもよい。以上示したように、この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明からは妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
本発明の第1の実施の形態に係る検査キットの上面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る検査キットの断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る検査用ビーズの模式図である。 本発明の第1の実施の形態に係る架橋剤の化学式である。 本発明の第1の実施の形態に係る架橋剤と結合した検査用ビーズの模式図である。 本発明の第1の実施の形態に係る捕捉物質と結合した検査用ビーズの模式図である。 本発明の第1の実施の形態に係る検査キットの第1の画像である。 本発明の第1の実施の形態に係る検査キットの第2の画像である。 本発明の第1の実施の形態に係る検査キットの第3の画像である。 本発明の第1の実施の形態に係る検査キットの第4の画像である。 比較例に係る検査キットの上面図である。 比較例に係る検査キットの断面図である。 比較例に係る検査キットの拡大上面図である。 比較例に係る検査キットの第1の画像である。 比較例に係る検査キットの第2の画像である。 本発明の第1の実施の形態に係る検査キットの第5の画像である。 本発明の第1の実施の形態の係る検査キットの第6の画像である。 比較例に係る検査キットの第3の画像である。 比較例に係る検査キットの第4の画像である。 本発明の第1の実施の形態に係る蛍光強度を示すグラフである。 本発明の第1の実施の形態に係る検査キットの第7の画像である。 本発明の第1の実施の形態の係る検査キットの第8の画像である。 比較例に係る検査キットの第5の画像である。 比較例に係る検査キットの第6の画像である。 本発明の第1の実施の形態の第1の変形例に係る検査キットの断面図である。 本発明の第1の実施の形態の第2の変形例に係る検査キットの上面図である。 本発明の第1の実施の形態の第2の変形例に係る検査キットの断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る検査キットの上面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る検査キットの拡大上面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る検査キットの断面図である。 本発明の第2の実施の形態の第1の変形例に係る検査キットの上面図である。 比較例に係る検査キットの第7の画像である。 比較例に係る検査キットの第8の画像である。 比較例に係る検査キットの第9の画像である。 本発明の第2の実施の形態の第1の変形例に係る検査キットの画像である。 本発明の第2の実施の形態の第2の変形例に係る検査キットの上面図である。 本発明の第2の実施の形態の第3の変形例に係る検査キットの上面図である。 本発明の第2の実施の形態の第4の変形例に係る検査キットの上面図である。 本発明の第2の実施の形態の第4の変形例に係る検査キットの断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る検査キットの上面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る検査キットの第1の拡大斜視図である。 本発明の第3の実施の形態に係る検査キットの第2の拡大斜視図である。 本発明の第3の実施の形態に係る検査キットの第1の断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る検査キットの第2の断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る検査キットの第3の拡大斜視図である。 本発明の第3の実施の形態に係る検査キットの第4の拡大斜視図である。 本発明の第3の実施の形態に係る検査キットの写真である。 本発明の第3の実施の形態の比較例に係る検査キットの上面図である。 本発明の第3の実施の形態の比較例に係る検査キットの第1の拡大斜視図である。 本発明の第3の実施の形態の比較例に係る検査キットの第2の拡大斜視図である。 本発明の第3の実施の形態の比較例に係る検査キットの第1の断面図である。 本発明の第3の実施の形態の比較例に係る検査キットの第3の拡大斜視図である。 本発明の第3の実施の形態の比較例に係る検査キットの第4の拡大斜視図である。 本発明の第3の実施の形態の比較例に係る検査キットの写真である。 本発明の第3の実施の形態の第1の変形例に係る検査キットの上面図である。 本発明の第3の実施の形態の第1の変形例に係る検査キットの第1の拡大斜視図である。 本発明の第3の実施の形態の第1の変形例に係る検査キットの第2の拡大斜視図である。 本発明の第3の実施の形態の第1の変形例に係る検査キットの第1の断面図である。 本発明の第3の実施の形態の第1の変形例に係る検査キットの第2の断面図である。 本発明の第3の実施の形態の第2の変形例に係る検査キットの上面図である。 本発明の第3の実施の形態の第2の変形例に係る検査キットの第1の拡大斜視図である。 本発明の第3の実施の形態の第2の変形例に係る検査キットの第2の拡大斜視図である。 本発明の第3の実施の形態の第3の変形例に係る検査キットの第1の拡大斜視図である。 本発明の第3の実施の形態の第3の変形例に係る検査キットの第2の拡大斜視図である。 本発明の第3の実施の形態の第3の変形例に係る検査キットの第1の写真である。 本発明の第3の実施の形態の第3の変形例に係る検査キットの第2の写真である。 本発明のその他の実施の形態に係る検査キットの第1の上面図である。 本発明のその他の実施の形態に係る検査キットの第2の上面図である。 本発明のその他の実施の形態に係る検査キットの第3の上面図である。
符号の説明
10, 100…基板
11…注入流路
12…排出流路
21…注入孔
22…排出孔
31a〜31g…堰き止め用直方体
35a〜35g, 135a〜135g, 235a〜235g, 335a〜335g…ガイドレール
51a, 51b, 51c…, 151a, 151b, 151c……検査用ビーズ
53…官能基
54…架橋剤
55…捕捉物質
60…蓋板
61a〜61c…堰き止め用ビーズ
111…流路
121a, 121b…側壁
130…井戸
131, 133, 137…堰き止め部
138a, 138b, 148a, 148b, 158a, 158b…段
141a〜141c…ビーズ
147…潜堤部
200, 200a, 200b…気泡
201…注入用漏斗部
202…排出用漏斗部

Claims (9)

  1. 段が設けられた側壁を有する流路が設けられた基板と、
    前記基板に設けられた流路に堆積され、前記流路の前記段が設けられた部分の深さよりもそれぞれ直径が長い複数の検査用ビーズと、
    前記基板に設けられた流路に配置され、前記段に接し、前記複数の検査用ビーズを前記流路に堰き止める堰き止め部
    とを備えることを特徴とする検査キット。
  2. 前記段の高さは、前記堰き止め部の高さと等しいことを特徴とする請求項に記載の検査キット。
  3. 前記段の奥行きは、前記堰き止め部に近づくにつれて狭くなることを特徴とする請求項又はに記載の検査キット。
  4. 前記基板に設けられた流路を横切るように配置され、前記複数の検査用ビーズを通過させる潜堤部を更に備えることを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の検査キット。
  5. 前記基板に設けられた流路に溶液を注入するための注入用漏斗部を更に備えることを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の検査キット。
  6. 前記基板に設けられた流路を流れた溶液を排出するための排出用漏斗部を更に備えることを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の検査キット。
  7. 前記複数の検査用ビーズのそれぞれは、捕捉物質で修飾されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の検査キット。
  8. 前記捕捉物質は、抗体であることを特徴とする請求項に記載の検査キット。
  9. 前記捕捉物質は、受容体であることを特徴とする請求項に記載の検査キット。
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