JP4869982B2 - 検査キット - Google Patents
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Description
本発明の第1の実施の形態に係る検査キットは、図1及びA-A方向からみた断面図である図2に示すように、井戸130、井戸130の上部につながる注入流路11、及び井戸130の上部につながる排出流路12が設けられた基板10と、基板10に設けられた井戸130に堆積される複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…と、基板10に設けられた排出流路12に配置され、複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…を井戸130の内部に堰き止める堰き止め部131とを備える。
それぞれ表面にビオチンを結合させた直径が30μmの複数のガラスビーズを分散させたビーズ溶液を準備した。次に、1μg/mlの濃度で蛍光試薬(Cy3)標識ストレプトアビジン(KPL社製、カタログ番号078-30-00)を含む標識溶液を準備した。その後、10μlのビーズ溶液に990μlの標識溶液を添加し、混合液を得た。混合液を室温で1時間転倒混和させ、複数のガラスビーズのそれぞれの表面にCy3標識ストレプトアビジンを結合させた。混合液を遠心後、上澄みを除去し、濃度が0.05%のTween20-リン酸緩衝液(PBST)を沈殿物に1ml加えて撹拌し、複数のガラスビーズを洗浄した。洗浄は3回行った。
まず、図2に示す井戸130の深さが100μmの第1の実施の形態に係る検査キット、井戸130の深さが200μmの第1の実施の形態に係る検査キット、図12に示す流路111の深さが100μmの比較例に係る検査キット、及び流路111の深さが40μmの比較例に係る検査キットを用意した。次に、それぞれ表面にウサギ抗体が結合された複数のガラスビーズを用意した。その後、複数のガラスビーズを図2に示す深さが100μmの井戸130、深さが200μmの井戸130、図12に示す深さが100μmの流路111、及び深さが40μmの流路111に堰き止めた。
図2においては、堰き止め部131が複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…を直接堰き止める例を示した。これに対し、第1の実施の変形例に係る検査キットにおいては、図25に示すように、複数の堰き止め用ビーズ61a, 61b, 61c…が堰き止め部131で堰き止められている。さらに複数の堰き止め用ビーズ61a〜61cによって、複数の検査用ビーズ151a, 151b, 151c…が堰き止められている。
第1の実施の形態の第2の変形例に係る検査キットは、図26及びA-A方向から見た断面図である図27に示すように、注入流路11に溶液を注入するための注入用漏斗部201、及び排出流路12を流れた溶液を排出するための排出用漏斗部202が基板10に設けられている。注入用漏斗部201は注入流路11に接続されており、注入用漏斗部201に注がれた溶液は、注入流路11に導かれる。排出用漏斗部202は排出流路12に接続されており、排出流路12を流れた溶液は排出用漏斗部202で外部に排出される。注入流路11の入り口の幅は例えば1.5mm、深さは200μmである。注入用漏斗部201の直径は例えば4mm、深さは4mmである。注入用漏斗部201によって、数十μlの溶液を注入流路11に導入することが可能となる。
本発明の第2の実施の形態に係る検査キットは、図28及び拡大上面図である図29に示すように、一定の方向に延伸する流路111が設けられた基板10、基板10に設けられた流路111に堆積される複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…、複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…のそれぞれの直径よりも長い間隔Sdで流路111に配置され、流路111が延伸する一定の方向とそれぞれ平行に延伸する複数のガイドレール35a, 35b, 35c, 35d, 35e, 35f, 35g、及び基板10に設けられた流路111に複数のガイドレール35a〜35gより下流に配置され、複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…を堰き止める堰き止め部133を備える。複数のガイドレール35a〜35gのそれぞれは、例えば同一の直方体であり、図29のA-A方向から見た断面図である図30に示すように高さは流路111の深さに等しい。堰き止め部133は、図29に示すように、複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…のそれぞれの直径よりも短い間隔Sbで配置された、流路111が延伸する一定の方向とそれぞれ平行に延伸する複数の堰き止め用直方体31a, 31b, 31c, 31d, 31e, 31f, 31gを備える。
第2の実施の形態の第1の変形例に係る検査キットは、図31に示すように、複数のガイドレール135a, 135b, 135c, 135d, 135e, 135f, 135g、及び複数のガイドレール235a, 235b, 235c, 235d, 235e, 235f, 235gが基板10に設けられた流路111にさらに配置されている。複数のガイドレール135a〜135gは、複数のガイドレール35a〜35gに対して流路111の上流側に配置されている。複数のガイドレール135a〜135gのそれぞれの形状は、複数のガイドレール35a〜35gのそれぞれの形状と同一でもよい。複数のガイドレール135a〜135gは、複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…のそれぞれの直径よりも長い間隔Sdで流路111に配置されている。複数のガイドレール235a〜235gは、複数のガイドレール135a〜135gに対して流路111の上流側に配置されている。複数のガイドレール235a〜235gのそれぞれの形状は、複数のガイドレール135a〜135gのそれぞれの形状と同一でもよい。複数のガイドレール235a〜235gは、複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…のそれぞれの直径よりも長い間隔Sdで流路111に配置されている。
本発明の第2の実施の形態の第2の変形例に係る検査キットにおいては、図36に示すように、複数のガイドレール335a, 335b, 335c, 335d, 335e, 335f, 335gが、複数の堰き止め用直方体31a〜31gにそれぞれ接続されている。複数のガイドレール335a〜335gによって分散され、堰き止め部133によって堰き止められた複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…の流路111の幅方向の移動は、複数のガイドレール335a〜335gによって抑制される。そのため、堰き止め部133によって複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…を堰き止めた後、流路111に溶液を流すことを繰り返しても、流路111における堰き止められた複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…の分布は変化しない。そのため、複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…上で生じる蛍光反応等の検出実験の再現性を一定にすることが可能となる。
図29においては、堰き止め部133が複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…を直接堰き止める例を示した。これに対し、第2の実施の第3の変形例に係る検査キットにおいては、図37に示すように、複数の堰き止め用ビーズ61a, 61b, 61c…が堰き止め部133で堰き止められている。さらに複数の堰き止め用ビーズ61a〜61cによって、複数の検査用ビーズ151a, 151b, 151c…が堰き止められている。
第2の実施の形態の第4の変形例に係る検査キットは、図38及びA-A方向から見た断面図である図39に示すように、流路111に溶液を注入するための注入用漏斗部201、及び流路111を流れた溶液を排出するための排出用漏斗部202が基板10に設けられている。注入用漏斗部201は流路111の上流側に接続されており、注入用漏斗部201に注がれた溶液は、流路111に導かれる。排出用漏斗部202は流路111の下流側に接続されており、流路111を流れた溶液は排出用漏斗部202で外部に排出される。注入用漏斗部201によって、数十μlの溶液を流路111に導入することが可能となる。
第3の実施の形態に係る検査キットは、図40に示すように、流路111が設けられた基板10を有する。流路111の拡大斜視図である図41に示すように、基板10に設けられた流路111は2つの側壁121a, 121bを有する。側壁121aには段138aが設けられている。また側壁121bには段138bが設けられている。また第3の実施の形態に係る検査キットは、図42に示すように、基板10に設けられた流路111に配置され、段138a, 138bに接する堰き止め部137を有する。堰き止め部137は流路111を横切る構造物であり、複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…を基板10に設けられた流路111に堆積させる。
第3の実施の形態の第1の変形例に係る検査キットは、図55及び流路111の拡大斜視図である図56に示すように、基板10に設けられた流路111を横切るように配置された潜堤部147をさらに備える。図57に示すように、複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…は潜堤部147と堰き止め部137の間に堆積する。
図60及び流路111の拡大斜視図である図61に示すように、第3の実施の形態の第2の変形例に係る検査キットが有する段148a, 148bのそれぞれの奥行きWは、上流から下流に向かって、堰き止め部137に近づくにつれて狭くなる。段148a, 148bのそれぞれの奥行きWが狭くなるにつれて、段148a, 148bの間隔は広くなっていく。そのため、図62に示すように、溶液に分散された複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…が段148a, 148bに堰き止められにくく、溶液に分散された複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…を堰き止め部137まで送ることが容易となる。
図63に示すように、第3の実施の形態の第3の変形例に係る検査キットが有する段158a, 158bのそれぞれは、図60に示した段148a, 148bのそれぞれを流路111の途中から設けた構造に相当する。第3の変形例に係る検査キットにおいても、図64に示すように、溶液に分散された複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…が段158a, 158bに堰き止められにくく、溶液に分散された複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…を堰き止め部137まで送ることが容易となる。図65は実際に製造された第3の変形例に係る検査キットの写真であり、図66に示すように、複数の検査用ビーズ51a, 51b, 51c…が堰き止め部137まで送られたことが確認された。
上記のように、本発明を実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。例えば第1の実施の形態では、捕捉物質はタンパク質であると説明したが、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、及びペプチド核酸(PNA)等の核酸、あるいは生体分子に限定されず、その他の化学物質であってもよい。標識試薬としては、FITC等も使用可能である。また、図1においては基板10に注入流路11、井戸130、堰き止め部131、排出流路12、及び排出孔22が1つずつ設けられた例を示した。これに対し、図67に示すように、注入孔21、注入流路11、井戸130、堰き止め部131、排出流路12、及び排出孔22を基板10に複数設けてもよい。また図26においては、基板10に注入用漏斗部201、注入流路11、井戸130、堰き止め部131、排出流路12、及び排出用漏斗部202が1つずつ設けられた例を示した。これに対し、図68及び図69に示すように、注入用漏斗部201、注入流路11、井戸130、堰き止め部131、排出流路12、及び排出用漏斗部202を基板10に複数設けてもよい。なお図69に示すように、正方形の頂点となるように配置された4つの注入用漏斗部201に対して、4つの排出用漏斗部202を中心近傍に配置することにより、基板10の周囲に余白ができ、例えばゴムパッキン等の配置が容易となる。図25乃至図31、図36乃至図39、図40乃至図47、図55乃至図64に示す流路111も基板10に複数設け、それぞれに複数のガイドレール35a〜35g及び堰き止め部133を配置してもよい。以上示したように、この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明からは妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
11…注入流路
12…排出流路
21…注入孔
22…排出孔
31a〜31g…堰き止め用直方体
35a〜35g, 135a〜135g, 235a〜235g, 335a〜335g…ガイドレール
51a, 51b, 51c…, 151a, 151b, 151c……検査用ビーズ
53…官能基
54…架橋剤
55…捕捉物質
60…蓋板
61a〜61c…堰き止め用ビーズ
111…流路
121a, 121b…側壁
130…井戸
131, 133, 137…堰き止め部
138a, 138b, 148a, 148b, 158a, 158b…段
141a〜141c…ビーズ
147…潜堤部
200, 200a, 200b…気泡
201…注入用漏斗部
202…排出用漏斗部
Claims (9)
- 段が設けられた側壁を有する流路が設けられた基板と、
前記基板に設けられた流路に堆積され、前記流路の前記段が設けられた部分の深さよりもそれぞれ直径が長い複数の検査用ビーズと、
前記基板に設けられた流路に配置され、前記段に接し、前記複数の検査用ビーズを前記流路に堰き止める堰き止め部
とを備えることを特徴とする検査キット。 - 前記段の高さは、前記堰き止め部の高さと等しいことを特徴とする請求項1に記載の検査キット。
- 前記段の奥行きは、前記堰き止め部に近づくにつれて狭くなることを特徴とする請求項1又は2に記載の検査キット。
- 前記基板に設けられた流路を横切るように配置され、前記複数の検査用ビーズを通過させる潜堤部を更に備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の検査キット。
- 前記基板に設けられた流路に溶液を注入するための注入用漏斗部を更に備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の検査キット。
- 前記基板に設けられた流路を流れた溶液を排出するための排出用漏斗部を更に備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の検査キット。
- 前記複数の検査用ビーズのそれぞれは、捕捉物質で修飾されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の検査キット。
- 前記捕捉物質は、抗体であることを特徴とする請求項7に記載の検査キット。
- 前記捕捉物質は、受容体であることを特徴とする請求項7に記載の検査キット。
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