JP4869926B2 - 多孔質アルミナ粒子およびその製造方法 - Google Patents

多孔質アルミナ粒子およびその製造方法

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Description

本発明は、多孔質アルミナ粒子、その製造方法、およびその使用方法に関する。
多孔質アルミナを製造する方法として、界面活性剤を利用する方法が提案されている(たとえばケミストリー オブ マテリアルズ(Chemistry of Materials)、フレデリック バウドリー(Frederic Vaudry)ら、1451−1464(1996))。また、このような多孔質アルミナをリチウムイオン伝導体として用いることが提案されている。
近年、燃料電池などに用いるために、高温におけるプロトン伝導性が高い無機のプロトン伝導体の研究が行われている。しかしながら、従来の無機のプロトン伝導体では十分な伝導度が得られていなかった。
このような状況に鑑み、本発明は、プロトン伝導度が従来のものに比べて飛躍的に高い多孔質アルミナ粒子、その製造方法、およびその使用方法を提供することを目的の1つとする。
上記目的を達成するために検討した結果、本発明者らは、特別な方法で作製した多孔質アルミナ粒子が高いプロトン伝導性を示すことを見出した。本発明は、この新たな知見に基づくものである。
本発明の多孔質アルミナ粒子は、細孔が形成された多孔質アルミナ粒子であって、前記細孔の平均孔径が15.0nm以上であり、前記細孔の容積が1.52cm3/g以上であり、30℃で測定されたプロトン伝導度が3.1×10-3Scm-1以上であり、ランタンを含む。
また、多孔質アルミナ粒子を製造するための本発明の方法は、(i)界面活性剤と、有機溶媒と、水と、ランタンイオンと、アルコキシ基およびハロゲン原子から選ばれる少なくとも1つが結合したアルミニウム原子を含むアルミニウム化合物とを混合することによってアルミナを含む固形物を析出させる工程と、(ii)前記固形物を熱処理することによって、ランタンを含む多孔質アルミナを得る工程と、(iii)前記多孔質アルミナを相対湿度が60%以上の雰囲気下におくことによって、前記多孔質アルミナの表面に水分子を吸着させる工程とを含み、前記固形物がランタンを含む。
また、別の観点では、本発明の多孔質アルミナ粒子は、上記本発明の製造方法で製造された多孔質アルミナ粒子であって、30℃で測定されたプロトン伝導度が3.1×10−3Scm−1以上である。
また、本発明の使用方法は、平均孔径が15.0nm以上であり容積が1.52cm/g以上である細孔が形成された多孔質アルミナ粒子を、相対湿度が60%以上の雰囲気下でプロトン伝導体として使用する方法である。
本発明によれば、プロトン伝導度が従来のものに比べて飛躍的に高い多孔質アルミナ粒子が得られる。この多孔質アルミナ粒子は、高温でも高いプロトン伝導性を示す。この多孔質アルミナ粒子は、プロトン伝導体として燃料電池などに用いることができる。
[図1]図1は、本発明の多孔質アルミナ粒子の細孔の内部における水分子の状態を模式的に示す予想図である。
[図2]図2は、実施例の多孔質アルミナ粒子について細孔の平均孔径と伝導度との関係を示すグラフである。
[図3]図3は、実施例の各サンプルについて伝導度の温度変化を示すグラフである。
[図4]図4は、相対湿度が30%の雰囲気下で水分子を吸着させたアルミナ粒子の伝導度を示すグラフである。
[図5]図5は、アルミナ粒子に水分子を吸着させる際の相対湿度と、伝導度との関係を示すグラフである。
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
(多孔質アルミナ粒子)
本発明の多孔質アルミナ粒子は、細孔が形成された多孔質アルミナ粒子である。細孔の平均孔径は15.0nm以上である。細孔の容積(アルミナ粒子1gあたりの容積)は、1.52cm/g以上である。本発明のアルミナ粒子は、30℃(相対湿度がたとえば80%の雰囲気)で測定されたプロトン伝導度(イオン伝導度)が3.1×10−3Scm−1以上である。
本発明の多孔質アルミナ粒子の比表面積は400m/g以上であることが好ましい。
本発明のアルミナ粒子に形成されている細孔の形状は、柱状であることが好ましく、粒子を貫通する柱状であることが好ましい。また、本発明のアルミナ粒子は、複数の円柱状の細孔がほぼ一定の方向にほぼ一定の間隔で並んで配列されているメソ孔アルミナ粒子であることがより好ましい。そのように配列された細孔はプロトンを伝導するチャンネルとして機能するため、高いプロトン伝導性が得られることが期待される。この明細書において「柱状の細孔」は、直線状の細孔に加えて、曲がった細孔を含む。円柱状の細孔がほぼ一定の方向にほぼ一定の間隔で並んで配列されている場合、(1)窒素の吸着等温線においてヒステリシスが少ない、(2)X線小角散乱におけるq=0.02〜0.05(オングストローム)−1のポロド領域の傾き(対数−対数プロット)が−1に近いという特徴が現れる。本発明のアルミナ粒子のポロド勾配(ポロド領域の傾き)は、通常、−2から−1の範囲であり、たとえば−1.5から−1の範囲である。
本発明の多孔質アルミナ粒子の平均粒径に特に限定はなく、通常、0.1μm〜2μmの範囲(たとえば、0.2μm〜1μmの範囲)である。
本発明の多孔質アルミナ粒子は、本発明の効果が得られる限り、アルミナ以外の物質や元素が添加されていてもよい。たとえば、本発明の多孔質アルミナ粒子は、ランタンを含んでもよい。また、本発明の多孔質アルミナ粒子は、塩素を含んでもよい。また、本発明の多孔質アルミナ粒子は、リンや、イットリウムなどランタン以外の希土類元素といった元素を含んでもよい。
本発明の多孔質アルミナ粒子は、表面(特に細孔の表面)に多量の水分子が吸着している。これによって、特に高いプロトン伝導性が得られる。細孔の表面に水分子が吸着している状態の予想図を、図1に模式的に示す。アルミナ表面には水和水領域が存在し、水和水領域で弱く束縛・解離されるプロトンイオンの割合が上昇することによって、プロトン伝導度が向上すると考えられる。
(多孔質アルミナ粒子の製造方法)
以下、多孔質アルミナ粒子を製造するための本発明の方法について説明する。本発明の製造方法では、いわゆるゾル・ゲル法によってアルミナを製造する。この製造方法によれば、上述した多孔質アルミナ粒子が得られる。この製造方法によって製造された多孔質アルミナ粒子は、本発明のアルミナ粒子の別の側面を構成する。
本発明の製造方法では、界面活性剤と、有機溶媒と、水と、アルコキシ基およびハロゲン原子から選ばれる少なくとも1つが結合したアルミニウム原子を含むアルミニウム化合物とを混合することによってアルミナを含む固形物を析出させる(工程(i))。
工程(i)で用いられる有機溶媒には、たとえば非極性溶媒を用いることができる。非極性溶媒としては、たとえばシクロヘキサン、トリメチルベンゼン、ジエチルエーテルが挙げられる。
界面活性剤には、様々な界面活性剤を適用でき、たとえば、非イオン性の界面活性剤を適用できる。非イオン性の界面活性剤としては、たとえば、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルや、オクタエチレングリコールドデシルエーテルが挙げられる。界面活性剤は、工程(i)で用いられる有機溶媒と水との混合液中で柱状ミセルを形成する界面活性剤であることが好ましい。そのような界面活性剤を水中に分散させて有機溶媒を混合すると、有機溶媒は柱状ミセルの疎水基側、すなわち中央部に取り込まれると考えられる。そのため、混合する有機溶媒の量を増やすことによって、柱状ミセルの直径を大きくすることが可能であり、それによって形成される細孔径を大きくできると考えられる。本発明の製造方法の典型的な一例では、有機溶媒が非極性溶媒であり、界面活性剤が非イオン性界面活性剤である。
アルコキシ基およびハロゲン原子から選ばれる少なくとも1つが結合したアルミニウム原子を含むアルミニウム化合物は、いわゆるゾル・ゲル法の材料として用いることができるアルミニウム化合物であり、典型的には、アルミニウムアルコキシドまたはハロゲン化アルミニウムである。
アルミニウムアルコキシドとしては、たとえば、アルミニウム−sec−ブトキシドや、アルミニウム−iso−プロポキシド、アルミニウムエトキシドといったトリアルコキシアルミニウムを用いることができる。また、ハロゲン化アルミニウムとしては、たとえば、塩化アルミニウムや臭化アルミニウムを用いることができる。
なお、特定の元素(たとえばランタンや塩素)が添加されたアルミナを製造する場合には、反応溶液にその元素のイオン(たとえばランタンイオンや塩素イオン)を加えればよい。反応溶液にランタンイオンを加えることによって、ランタンを含む固形物が析出する。また、反応溶液に塩素イオンを加えることによって、塩素を含む固形物が析出する。また、反応溶液には、ゾル・ゲル法で用いられる触媒を加えてもよい。
工程(i)では、アルミニウム化合物の加水分解・縮合反応が進行し、アルミナが析出する。このアルミナは、界面活性剤によって形成されたミセル(好ましくは柱状ミセル)を取り込んで析出する。アルミナが析出する際の混合液の成分およびその濃度によって、アルミナ粒子に形成される細孔の平均孔径および細孔容積、アルミナ粒子の平均粒径、アルミナ粒子の比表面積などを制御できる。たとえば、有機溶媒および/または水に対するアルミニウムアルコキシドのモル比を減少させることによって、平均孔径を大きくすることができる。また、柱状ミセル内にとりこまれる有機溶媒の量を多くすることによっても平均孔径を大きくできる。
工程(i)は、以下の工程(i−a)と工程(i−b)とを含むことが好ましい。まず、界面活性剤と、有機溶媒と、水とを含む混合液を形成する(工程(i−a))。この混合液は、他の成分、たとえばランタンイオンを含んでもよい。次に、上記混合液中に上記アルミニウム化合物を混合することによって、アルミナを含む固形物を析出させる(工程(i−b))。アルミナ粒子の平均孔径、細孔容積および比表面積は、通常、プロトンの伝導性に影響を与える。この方法では、工程(i−a)でミセル(好ましくは柱状ミセル)を形成してからアルミニウム化合物を添加しているため、ミセルのサイズの均一性や直線性(柱状ミセルの場合)を向上させるうえで有利であり、より高いプロトン伝導度が得られると考えられる。なお、ミセルを形成する前にアルミニウム化合物を添加して多孔質アルミナ粒子を形成することも可能である。この場合には、たとえば、水を最後に加える。
工程(i)ののち、工程(i)で得られた固形物を熱処理する(工程(ii))。熱処理(焼成)によって、アルミナに取り込まれた界面活性剤(柱状ミセル)が除去され、複数の細孔が形成された多孔質アルミナ粒子(粉末)が得られる。焼成は、界面活性剤を除去できる条件で行われ、たとえば500℃以上の温度で数時間熱処理すればよい。
次に、工程(ii)によって得られた多孔質アルミナを相対湿度が60%以上の雰囲気下におくことによって、多孔質アルミナの表面(細孔内部の表面も含む)に水分子を吸着させる(工程(iii))。この工程によって、細孔の内部にも水分子が吸着し、プロトン伝導性が高いアルミナ粒子が得られる。この工程を行う際の雰囲気の相対湿度は、好ましくは80%以上である。この工程は、たとえば4時間〜48時間のあいだ行われ、水分子の吸着が平衡状態に達するまで(たとえば24時間以上)行うことが好ましい。この工程を行う温度に特に限定はないが、たとえば20℃〜80℃の範囲で行ってもよい。工程(iii)の一例では、相対湿度が80%以上の雰囲気下に24時間以上アルミナ粒子をおいて、アルミナ粒子の表面に水分子を吸着させる。
このようにして、本発明の多孔質アルミナ粉末が得られる。本発明の方法によれば、相対湿度80%の雰囲気下において30℃で測定されたプロトン伝導度が3.1×10−3Scm−1以上である多孔質アルミナ粒子が得られる。
(多孔質アルミナ粒子の使用方法)
本発明の多孔質アルミナ粒子の使用方法は、平均孔径が15.0nm以上であり容積が1.52cm/g以上である細孔が形成された多孔質アルミナ粒子を、相対湿度が60%以上の雰囲気下でプロトン伝導体として使用する方法である。多孔質アルミナ粒子には、上述した本発明の方法で製造したアルミナ粒子を適用できる。本発明の方法で製造した多孔質アルミナ粒子を、相対湿度が60%以上(好ましくは80%以上)の雰囲気下で使用することによって、高いプロトン伝導性を発現させることができる。
また、別の観点では、本発明は、上記(i)および(ii)の工程によって得られたアルミナ粒子を、プロトン伝導体として使用する方法に関する。この場合、アルミナ粒子を相対湿度が60%以上(好ましくは80%以上)の雰囲気下において使用する。
また、別の観点では、本発明は、プロトン伝導部を備える装置の製造方法であって、上記(i)および(ii)の工程によって得られたアルミナ粒子を用いてプロトン伝導部を構成する工程を含む。この装置は、プロトン伝導部の相対湿度が60%以上(好ましくは80%以上)となる状態で使用される。このような装置としては、たとえば燃料電池が挙げられる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。以下の例では、本発明の多孔質アルミナ粉末を作製し、その特性を評価した。
(サンプル1)
シクロヘキサン93.5g中に、界面活性剤であるTriton X−114(オクチルフェノキシポリ−エトキシエタノール(Octylphenoxypoly−ethoxyethanol)、ユニオンカーバイド社製:アルドリッチから入手)62gを溶解した。この溶液に、塩化ランタン6水和物1.39gを溶解させた水溶液20gを投入し、30分間攪拌した。
次に、上記溶液にアルミニウムトリ−sec−ブトキシド54.7gを投入して混合液(L1)を作製し、これを10分間攪拌した。この混合液を、次に、蓋つきのビンに移して45℃で15時間、攪拌機によって攪拌した。混合液中には、沈殿が生じた。
次に、得られた沈殿を濾過し100℃で乾燥したのち、焼成した。焼成は、1℃/分の昇温速度で500℃まで昇温したのち、500℃で6時間熱処理することによって行った。このようにして、多孔質アルミナ粉末(サンプル1)を作製した。
(サンプル2〜5)
上記混合液(L1)とは、界面活性剤の種類および各成分の混合比のみが異なる混合液を用いることを除き、サンプル1と同じ方法で4種類の多孔質アルミナ(サンプル2〜5)を作製した。界面活性剤には、Span80またはSpan85(いずれもアルドリッチから入手)、またはTriton X−114を用いた。なお、各成分の混合の順序は、サンプル1の作製時と同じ順序とした。各サンプル作製時の成分比(モル比)を、表1に示す。
Figure 0004869926
(各サンプルの評価)
上記5種類のサンプル粉末について、平均孔径および細孔容積、BET法による比表面積、プロトンの伝導度を測定した。平均孔径および細孔容積、ならびに比表面積については、77Kにおける窒素ガスの吸着・脱離等温線から算出した。測定には、マイクロメリティクス社(Micromeritics)のASAP2010を用いた。
伝導度を測定する前には、相対湿度80%で室温(25℃)のチャンバ中に、重量変化がなくなるまでサンプル粉末を保存することによって、アルミナ粒子の表面に水分子を吸着させた。保存時間は、約24時間であった。このようにして得られたサンプル粉末を、交流インピーダンス測定用のセルの2つのステンレス電極の間に配置し、2つの電極を約10N/cm(約1000kgf/cm)の圧力で固定し、セルをシールした。したがって、このときのセル内の相対湿度は実質的に80%である。2つの電極の間隔は、約10mmとした。
このセルの交流インピーダンススペクトルを、ヒューレットパッカード社(Hewlett Packard)の4194Aを用いて測定した。測定は、シールされたセルを用いて30℃で行った。そして、100Hz〜100MHzまでのCole−Coleプロットから抵抗値を求め、サンプル厚さ(約10mm)と電極面積(0.78cm)とから伝導度を求めた。ここで算出される伝導度は、アルミナの表面(特に細孔の内部)におけるプロトンの移動に基づくものである。
各サンプルの評価結果を表2に示す。
Figure 0004869926
表2に示すように、サンプル1および2では、高いプロトン伝導度が得られた。平均孔径と伝導度との関係を図2に示す。図2に示すように、平均孔径が大きいほど、高い伝導度が得られた。この実施例のアルミナ粒子では、平均孔径が15.0μm以上であるサンプル1および2では、特に高い伝導度を示した。また、サンプル1および2では、アルミニウムブトキシドのモル比を減らすことによって、細孔の平均孔径を大きくすることができた。また、サンプル3〜5では、界面活性剤の種類やモル比を変化させることによって、細孔の平均孔径を変化させることができた。
また、各サンプルについて、伝導度の温度変化を図3に示す。図3のデータにおいて、25℃で測定したときのサンプル2の伝導度は3.7×10−3Scm−1であり、サンプル3の伝導度は1.8×10−4Scm−1であり、サンプル5の伝導度は6.3×10−4Scm−1であった。この伝導度は、焼成によって得られたアルミナ粒子に水分子を吸着させる際の条件によって大きく変化する。
たとえば、サンプル1および2のアルミナ粉末を、相対湿度が30%で室温のチャンバ中に重量変化がなくなるまで保存したのちプロトン伝導度を測定した場合のデータを図4に示す。この場合、伝導度は1桁程度低下する。したがって、高いプロトン伝導度を得るためには、アルミナ粒子の表面に吸着する水分子の量が多いことが重要である。
上述した方法で得られた平均孔径が15nmのアルミナ粉末を、冷間等方圧縮処理(Cold Isostatic Press)し、ペレット状のサンプルを作製した。そして、このサンプルの両端に、スパッタリング法で白金電極を形成した。このサンプルを相対湿度が60%〜95%の恒温・恒湿チャンバ内に、約24時間配置した。その後、恒温・恒湿チャンバ内において、30℃でサンプルの伝導度を測定した。チャンバ内の湿度と伝導度との関係を図5に示す。なお、図5の縦軸は、相対湿度が80%の場合の伝導度を1としたときの相対値である。図5に示すように、相対湿度が60%〜95%の範囲で伝導度はあまり変化せず、高い伝導度が得られる。なお、冷間等方圧縮処理によって得られるペレット状のサンプルを測定したときの伝導度は、アルミナ粉末を密閉型セルで測定したときの伝導度よりも低い値となる傾向にある。図5の相対湿度が60%のときの伝導度は、1.3×10−3Scm−1であった。
本発明の多孔質アルミナ粒子は、プロトン伝導体として利用でき、様々な分野に利用でき、たとえば、燃料電池、水素ポンプ、燃料改質器などに利用できる。本発明の多孔質アルミナ粒子は、高温でも高いプロトン伝導性を維持できるため、燃料電池などに特に好ましく用いられる。

Claims (9)

  1. 細孔が形成された多孔質アルミナ粒子であって、
    前記細孔の平均孔径が15.0nm以上であり、
    前記細孔の容積が1.52cm3/g以上であり、
    30℃で測定されたプロトン伝導度が3.1×10-3Scm-1以上であり、
    ランタンを含む、多孔質アルミナ粒子。
  2. 比表面積が400m2/g以上である請求項1に記載の多孔質アルミナ粒子。
  3. 前記細孔の形状が柱状である請求項1に記載の多孔質アルミナ粒子。
  4. (i)界面活性剤と、有機溶媒と、水と、ランタンイオンと、アルコキシ基およびハロゲン原子から選ばれる少なくとも1つが結合したアルミニウム原子を含むアルミニウム化合物とを混合することによってアルミナを含む固形物を析出させる工程と、
    (ii)前記固形物を熱処理することによって、ランタンを含む多孔質アルミナを得る工程と、
    (iii)前記多孔質アルミナを相対湿度が60%以上の雰囲気下におくことによって、前記多孔質アルミナの表面に水分子を吸着させる工程とを含み、
    前記固形物がランタンを含む、多孔質アルミナ粒子の製造方法。
  5. 前記(iii)の工程において、前記多孔質アルミナを相対湿度が80%以上の雰囲気下におくことによって前記多孔質アルミナの表面に水分子を吸着させる請求項4に記載の多孔質アルミナ粒子の製造方法。
  6. 前記界面活性剤は、前記有機溶媒と水との混合液中で柱状ミセルを形成する界面活性剤である請求項4に記載の製造方法。
  7. 前記(i)の工程は、前記界面活性剤と、前記有機溶媒と、水とを含む混合液を調製する工程と、前記混合液に前記アルミニウム化合物を添加する工程とを含む請求項4に記載の製造方法。
  8. 前記有機溶媒が非極性溶媒であり、前記界面活性剤が非イオン性界面活性剤である請求項4に記載の製造方法。
  9. 請求項4〜8のいずれか1項に記載の製造方法で製造された多孔質アルミナ粒子であって、
    30℃で測定されたプロトン伝導度が3.1×10-3Scm-1以上である多孔質アルミナ粒子。
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