JP4868525B2 - 復調装置、受信装置、復調方法および復調プログラム - Google Patents

復調装置、受信装置、復調方法および復調プログラム Download PDF

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Description

本発明は、パイロット信号を含む信号を受信して復調処理を行う復調装置、復調方法および復調プログラムに関する。
従来、伝送の過程で変形した波形を補正するための技術として種々の手法が知られている。例えば、特許文献1には、FFT処理されたOFDM信号に、FFT窓位置補正手段による窓位置の補正量に相当する位相回転量を乗算することにより、FFT処理されたOFDM信号の位相を補正する技術が開示されている。
特開2004−304618号公報
しかしながら、従来の技術では補正できない妨害波成分があった。
すなわち、上述の補正技術においては位相回転量の乗算によって補正を行っているが、信号を補正する際には乗算によって除去可能な妨害波成分と除去不可能な妨害波成分とが存在し、後者については乗算によって除去することはできない。例えば、信号が変形した場合にはその変形の逆特性を示す情報を乗じれば補正を行うことができるが、ある信号が他の信号によって妨害を受けたときには、その妨害成分を減算によって除去しないと正確な補正を行うことができない。
このような妨害成分のより具体的な例としては、周波数ずれによる影響が挙げられる。例えば、OFDM信号の希望波に対して遅延波が存在し、その遅延波の周波数が送信信号の周波数とずれている場合、あるサブキャリア周波数の信号は複数の遅延波からの妨害成分が加算された状態となる。このように、複数の遅延波からの妨害成分が加算された信号に対して乗算によって補正を行って妨害成分を除去することは困難である。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、乗算によって補正できない妨害波成分を除去することが可能な技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明にかかる復調装置は、希望波に対する周波数のずれを取得し、当該取得した周波数のずれが生じている遅延波による各サブキャリアに対する妨害量を、各サブキャリアの周波数を中心とした所定の周波数域に分布した複数の遅延波による妨害量の和によって取得する。すなわち、OFDM信号の遅延波において周波数のずれが生じていない場合、あるサブキャリアの周波数に対応する他の遅延波の影響は0になるが、遅延波において周波数のずれが生じている場合、あるサブキャリアの周波数に対応する他の遅延波の影響は0以外の有限値となる。
さらに、遅延波において周波数のずれが生じている場合、あるサブキャリアの周波数に対応した信号は、そのサブキャリアの希望波に複数の遅延波からの妨害量が加え合わさった状態で観測される。そこで、本発明においては、周波数のずれが生じている遅延波による各サブキャリアに対する妨害量を、各サブキャリアの周波数を中心とした所定の周波数域に分布した複数の遅延波による妨害量の和によって取得する。そして、各サブキャリア希望波から前記取得した妨害量を減じ、この信号を復調する。この結果、希望波から各遅延波による影響を除去して正確な希望波を取得し、復調を行うことができる。
なお、遅延波による影響は、その遅延波の周波数に近い周波数域において、その遅延波の周波数から遠い周波数域よりも支配的である。すなわち、遅延波の成分は、遅延波の中心周波数で最も大きく、中心周波数との差分が大きくなるにつれて急速に遅延波の成分が小さくなる。すなわち、遅延波の成分は、中心周波数に近い周波数域で支配的である。そこで、本発明においては、各サブキャリアの周波数を中心とした所定の周波数域に分布した複数の遅延波による妨害量の和を各サブキャリアにおける妨害量とした。この構成によれば、極めて少ない処理負荷によって補正を行うことができる。
OFDM信号などの信号方式においては、5617個など、極めて多数のサブキャリア周波数を定義して信号を伝送する。この場合、あるサブキャリアに対する遅延波の影響は5616個の遅延波からの妨害量の積算になるが、この積算値において支配的な成分はサブキャリアの周波数を中心とした極めて狭い周波数域からの成分のみである。従って、周波数域を限定して妨害量を計算したとしても補正によって除去すべき妨害量をほぼ正確に取得できるとともに、その演算処理量を極めて小さくすることができる。この周波数域としては、演算処理の負荷と補正の正確性に応じて所望量の妨害成分を除去できるように決定すればよく、例えば、あるサブキャリア番号の前後10個(あるいはそれ以下)の番号のサブキャリア番号に対応した遅延波の周波数が含まれるように周波数域を定義する構成を採用可能である。
ここで、信号取得手段においては、パイロット信号を含む信号を取得することができればよく、通信に際して特定の規則(例えば、特定の時間、周波数間隔)でパイロット信号を送信する伝送方式で伝送された信号をアンテナで受信する構成等を採用可能である。なお、パイロット信号においては、その基準値が既知であればよく、例えば、送信タイミング、周波数、振幅、位相等が既知の信号を採用可能である。
パイロット信号取得手段においては、受信した信号に含まれるパイロット信号であって、異なる時間に送信された複数のパイロット信号を取得することができればよい。例えば、特定の時間における信号をフーリエ変換し、既知の周波数におけるスペクトルを抽出する構成等を採用可能である。
遅延プロファイル取得手段においては、複数のパイロット信号のそれぞれに含まれる遅延時間毎の信号の強度を示す遅延プロファイルを取得することができればよい。例えば、周波数に対するスペクトルで表現されているパイロット信号をフーリエ変換することによって取得可能である。
遅延波取得手段においては、各サブキャリアの希望波に対する遅延波を特定することができればよく、遅延波の周波数、振幅、位相等を特定すればよい。すなわち、遅延波における周波数、振幅、位相等の変動の様子(例えば、希望波に対する遅延波の相対振幅および相対位相)はパイロット信号の既定値(希望波)とパイロット信号の遅延波とを比較することによって推定することができ、この推定を任意の信号に適用すれば任意のサブキャリア信号の希望波に対して遅延波ではどのように周波数、振幅、位相等が変動しているのかを特定することができる。
より具体的な例としては、遅延プロファイルに基づいて希望波に対する遅延波の相対振幅AGと、相対位相φと、遅延時間t0を取得し、サブキャリア間隔Δfcで配置されているk番目(kは正の整数)のサブキャリア信号Rkの希望波に対する遅延波Gkを下記の式(1)に基づいて取得する構成を採用可能である。なお、サブキャリア間隔Δfcは予め伝送方式毎に決められている値を利用すればよい。
Figure 0004868525
周波数ずれ取得手段においては、遅延波における希望波に対する周波数のずれを取得することができればよく、例えば、ある時間間隔に渡って遅延波の位相変化量を取得し、その位相変化量を当該時間間隔によって除することによって周波数のずれを取得することができる。
妨害量取得手段は、前記周波数のずれによって生じる各サブキャリアの周波数における遅延波の妨害量成分を取得し、積算することができればよく、ここでは、遅延波の妨害量成分を周波数空間で特定し、各サブキャリアの周波数における妨害量をそれぞれの遅延波について特定することができればよい。
より具体的な例としては、周波数のずれをΔf、mを所定の周波数域に含まれるサブキャリアの周波数に対応した正の整数として、i番目(iは正の整数)のサブキャリアに対する妨害量を下記の式(2)に基づいて取得する構成を採用可能である。
Figure 0004868525
復調手段は、当該妨害量を各サブキャリアの希望波から減じて各サブキャリアについて復調することができればよく、復調については公知の手法を採用可能である。
むろん、以上の装置は、受信装置等、種々の装置に対して適用することが可能であるし、上述した復調は、本願特有の手順で処理を進めていくことから、その手順を特徴とした方法の発明としても実現可能である。また、その手順をコンピュータに実現させるためのプログラムの発明としても実現可能である。さらに、復調装置、方法、プログラムは他の装置、方法、プログラムの一部として実現されていてもよいし、複数の装置、方法、プログラムの一部を組み合わせることによって実現されていてもよく、種々の態様を採用可能である。むろん、前記プログラムを記録した記録媒体として本発明を実現することも可能である。
以下、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)受信装置の構成:
(2)復調処理部の構成:
(3)復調処理部の動作:
(4)他の実施形態:
(1)受信装置の構成:
図1は、本発明の一実施形態にかかる復調装置を含む受信装置10を示すブロック図である。受信装置10は、アンテナ11と前処理部12と復調処理部13と復号部14と表示部15とを備えており、アンテナ11を介して無線電波を受信する。以下に示す実施形態において、受信装置10はデジタル放送の受信装置であり、符号化されたデータをOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)伝送方式によって多重した放送電波を受信する。
すなわち、前処理部12は、アンテナ11を介してOFDM変調された放送電波を受信し、アナログデジタル変換やガードインターバルの除去等を実施して所定の変調方式によって変調された複数のサブキャリア信号を含む信号を生成する。復調処理部13はこの信号からパイロット信号を抽出し、周波数ずれの生じている遅延波からの妨害を除去した信号に対して復調処理を行う。
本実施形態においては、この妨害の除去に際し、遅延波の成分が本来"0"となるべき周波数において、周波数がずれることに起因して"0"ではなく有限の値となってしまう妨害成分を積算して妨害量を取得し、サブキャリア信号から減じる。また、このとき、妨害成分の積算対象となる遅延波を、あるサブキャリアの周波数を中心とした所定の周波数域に存在する遅延波に限定する。
すなわち、OFDM伝送方式において、各サブキャリア信号は、他のサブキャリアの周波数に影響を与えないように、他のサブキャリアの周波数においてその成分が0になるように設定されており、この特性は遅延波も同様である。しかし、遅延波の周波数がサブキャリアの周波数からずれている場合には、サブキャリア周波数においてこの遅延波の成分が0にならず、サブキャリア周波数における信号は複数の遅延波からの妨害を積算した信号となる。
また、遅延波の成分は、その遅延波の周波数から遠くなるにつれて急激に減衰する。従って、各サブキャリアに対する遅延波の妨害量を推定する際には、各サブキャリアの周波数に近い複数の周波数に対応した遅延波からの影響のみを考慮すれば充分である。そこで、本実施形態においては、あるサブキャリアの妨害成分を積算して妨害量を取得する際に参照する遅延波を、あるサブキャリアの周波数を中心とした所定の周波数域に存在する遅延波に限定している。この結果、極めて低い処理負荷によって比較的高精度にサブキャリアに対する妨害信号を除去することが可能である。
復号部14は復調された信号に基づいてデータの復号処理を行い、表示部15は復号後のデータに基づいて放送された映像を表示する。なお、復号部14における復号データに対する処理としては、映像の表示以外にもあらゆるデータ処理を想定することができる。例えば、デジタル放送映像の記録装置や携帯端末など、各種の装置が本発明の受信装置10となり得る。
(2)復調処理部の構成:
次に、復調処理部13の構成を説明する。復調処理部13はFFT処理部13aとパイロット信号取得部13bと遅延プロファイル取得部13cと遅延波取得部13dと周波数ずれ取得部13eと妨害量取得部13fと補正部13gと仮復調部13hと復調部13iと減算回路13jを備えており、各部の出力信号を必要に応じてバッファメモリに蓄積しながら復調処理を行う。
FFT処理部13aは、前処理部12が出力した信号を取得し、FFT(Fast Fourier Transform)処理を行う。パイロット信号取得部13bは、FFT処理部13aの出力信号を取得し、その中からパイロット信号を取得して出力する。すなわち、パイロット信号の送信タイミングと周波数とは既知であるので、パイロット信号取得部13bはFFT処理部13aの出力信号から既定の時間における既定の周波数の信号を取得する。むろん、ここでパイロット信号として抽出すべき信号の周波数域は適宜調整可能である。
遅延プロファイル取得部13cは、パイロット信号取得部13bの出力信号を取得し、FFT処理を行って遅延プロファイルを出力する。すなわち、FFT処理によって各パイロット信号の振幅成分と位相成分とが時間に対して表現された遅延プロファイルを取得する。この遅延プロファイルにおけるピークは時間に対して離散的に配置されており、各ピークの時間が信号の遅延時間に対応している。
遅延波取得部13dは、遅延プロファイル取得部13cによって取得された遅延プロファイルの中で、遅延時間が0秒以外のところで最もピーク電力の大きい遅延時間の信号を遅延波とする。本実施形態においては、希望波に対する遅延波の特性を遅延プロファイルから算出されるパラメータに基づいて特定する構成としており、各信号の希望波に対する遅延波の相対振幅と相対位相とを算出し、後述する仮復調部13hによって仮復調された任意のサブキャリア信号を当該相対振幅および相対位相に基づいて補正することによって遅延波を特定する。
周波数ずれ取得部13eは、上述の遅延プロファイルに基づいて希望波に対する遅延波の相対位相を取得し、当該相対位相の時間変化に基づいて周波数のずれを特定する。妨害量取得部13fは、上述の遅延波において当該周波数のずれが生じているときの信号特性を特定し、各サブキャリアの周波数を中心とした所定の周波数域に存在する遅延波からの妨害成分を積算して妨害量を特定する。
補正部13gは、上述のパイロット信号取得部13bによって取得されたパイロット信号が予め決められた振幅および位相に合うように補正するための補正量を算出し、前記FFT処理部13aの出力信号を補正する。すなわち、複数のパイロット信号に基づいて算出された補正量に基づいて、補間演算等によって他の信号に対する補正量を算出し、各信号を補正する。なお、FFT処理部13aの出力信号はサブキャリア毎の信号であり、補正部13gにおいては各サブキャリア信号について補正を行って、サブキャリア毎の補正後の信号を出力する。
仮復調部13hは、当該補正後の信号に対して上述の妨害量を考慮しない状態で公知の復調処理を行う。すなわち、各サブキャリア信号の位相成分と振幅成分とを特定し、これらの位相成分と振幅成分とを位相空間上にプロットした点と位相空間上に予め定義された特定の点(例えば、64QAMであれば、位相空間上に定義された64個の点)との距離に基づいてサブキャリアの位相成分と振幅成分を特定する。そして、各サブキャリア信号が当該特定された位相成分と振幅成分の信号であるとして遅延波取得部13dに出力する。
本実施形態においては、減算回路13jが、上述の補正部13gによって出力される各サブキャリア信号から妨害量取得部13fによって特定された妨害量を減じることによって遅延波の影響を除去する。そして、復調部13iは、妨害量の減算処理がなされた信号に対して復調を行う。すなわち、妨害量の減算処理がなされた各サブキャリア信号の位相成分と振幅成分とを特定し、これらの位相成分と振幅成分とを位相空間上にプロットした点と位相空間上に予め定義された特定の点との距離に基づいてサブキャリアの位相成分と振幅成分を特定する。
(3)復調処理部の動作:
次に、上述の復調処理部13における動作を説明する。図2は、復調処理部13における処理を示すフローチャートである。前処理部12によって信号が出力されると、FFT処理部13aは、その信号を取得してフーリエ変換を行う(ステップS100)。図3は、当該フーリエ変換後の信号を示す模式図であり、各グラフにおいて横軸は周波数、縦軸はキャリアの電力を示している。
なお、FFT処理部13aは、ある時間間隔を単位にして逐次FFT処理を実行しており、それぞれの時間間隔毎にフーリエ変換を行って複数のキャリアに対応した振幅成分および位相成分を取得することができる。図3においては、異なる時間における信号のFFT処理結果から電力成分(振幅成分の2乗)を算出し、上方から下方に向けて時間が経過するように並べて別個のグラフで示している。また、パイロット信号はその送信タイミングと周波数とが既知であり、図3においてはPとして示している。
各キャリアの振幅成分および位相成分は周波数および時間によって変動し、この変動を反映して電力成分は図3に示すように変動するが、この変動要因には、各キャリアが複数の伝送路にて伝送されることと、伝送路毎に異なるノイズが混入されることとの2つの要因があり、図3に示す周波数スペクトルに現れる変動は極めて複雑である。
そこで、本実施形態においては、この複雑な要因を単純化して補正を行うため、まず、パイロット信号取得部13bがパイロット信号(図3のP)を特定し(ステップS105)、個別の信号スペクトルとしてパイロット信号を取得する(ステップS110)。なお、パイロット信号Pのタイミングおよび周波数は既知であるため、パイロット信号取得部13bは既定のタイミングにおける既定の周波数を特定することによって複数のパイロット信号を特定することができる。なお、信号を伝送する過程で周波数のずれが生じ得るが、ここではそのずれを考慮して最も確からしい信号(例えば、既定の周波数付近で最もピーク電力の大きなスペクトル)をパイロット信号として特定する。
遅延プロファイル取得部13cは、このようにして取得した複数のパイロット信号に対してフーリエ変換を行う(ステップS115)。得られた結果は、上述の遅延プロファイルである。なお、ここで、FFT処理後の信号を極表示したときのexpの係数が振幅成分であり、expの指数が位相成分である。図4は、ある周波数のパイロット信号についてフーリエ変換を行った結果から電力成分を算出した結果をグラフ上で模式的に示しており、異なる時間におけるパイロット信号についての算出結果を上下に並べて示している。これらのグラフにおいて、横軸は遅延時間、縦軸はその遅延時間の伝送路を伝送された信号の電力を示している。
また、本実施形態においては、遅延時間が0秒の信号を希望波としており、最も信号レベルが高い信号(図4に示す太字の矢印)が現れる遅延時間に対応した信号を遅延波とする。そこで、遅延波取得部13dは、当該遅延波の特性を特定するため、複数の遅延プロファイルにおいてピークが現れている遅延時間t0を特定する(ステップS120)。遅延プロファイルは、送信時間の異なる複数のパイロット信号について取得されており、各パイロット信号に対応した遅延プロファイルから遅延波に対応したプロファイルを取得すれば、遅延波の時間変化を分析することができる。
図5は、特定の遅延時間におけるプロファイルの振幅成分と位相成分との時間変化を示す図である。なお、図5においては、上部に振幅成分、下部に位相成分を示しており、横軸は時間である。図5の上部に示すように、特定の遅延時間におけるプロファイルにおいて振幅成分は特定の傾向を持って値が大きく変動することはないが、ノイズの混入によって値が変動する。一方、特定の遅延時間におけるプロファイルにおいて、位相成分は図5の下部に示すように一定の傾向を持って値が変動し、さらに、ノイズが混入して値が変動する。
このような特性に応じた遅延波の特性を特定するため、遅延波取得部13dは、希望波に対する遅延波の相対振幅を取得する(ステップS125)。すなわち、異なる時間毎の遅延波の振幅成分について時間平均を行ってその遅延波の振幅成分を特定し、この振幅成分をパイロット信号の既定振幅で除すことによって相対振幅AGを取得する。
さらに、位相成分については直線近似を行って相対位相を取得する(ステップS130)。例えば、遅延波をある時間間隔に渡って取得し、その位相成分を直線近似することによってその遅延波の位相成分を特定し、これを希望波に対する遅延波の相対位相φとする。ただし、遅延波の周波数がずれている場合は、この相対位相φは時間とともに変化する。
遅延波取得部13dと仮復調部13hとは、以上の処理と並行して処理を行っており、遅延波取得部13dは、サブキャリア毎の仮復調結果を取得し、パイロット信号に基づく補正を行う(ステップS200)。すなわち、補正部13gは、パイロット信号取得部13bの出力に基づいて、パイロット信号が予め決められた振幅および位相に合うように補正するための補正量を算出し、前記FFT処理部13aの出力信号を補正する。
仮復調部13hは、当該補正後の信号に対して仮復調処理を行う(ステップS205)。すなわち、仮復調部13hは、上述の妨害量を考慮しない状態で各サブキャリア信号の位相成分と振幅成分とを特定し、これらの位相成分と振幅成分とを位相空間上にプロットした点と位相空間上に予め定義された特定の点(例えば、64QAMであれば、位相空間上に定義された64個の点)との距離に基づいてサブキャリアの位相成分と振幅成分を特定し、サブキャリア信号Rkとして出力する。すなわち、公知の復調処理を行う。なお、ここで、k(kは正の整数)はサブキャリアの番号であり、周波数が小さな信号から順に付与された番号である。
遅延波取得部13dは、以上のようにして取得した相対振幅AGと、相対位相φと、遅延時間t0と、サブキャリア間隔Δfcで配置されているサブキャリア信号Rkとに基づいて、k番目のサブキャリアにおける希望波に対する遅延波Gkを下記の式(3)に基づいて取得する(ステップS135)。
Figure 0004868525
一方、周波数ずれ取得部13eは、遅延プロファイル取得部13cが出力する遅延プロファイルに基づいて、遅延波における希望波に対する周波数のずれΔfを取得する(ステップS140)。本実施形態においては、ある時間間隔における位相成分の変化に基づいて周波数のずれを特定する。例えば、図5の下部に示すグラフのようにパイロット信号の位相成分を取得すれば、特定の時間間隔Δtの間における位相成分の変化Δφを特定することができ、Δφ/(2π・Δt)によって周波数ずれΔfを特定することができる。
以上のようにして周波数ずれΔfを取得すると、妨害量取得部13fは当該周波数ずれΔfおよび上述の遅延波Gkに基づいて各サブキャリア信号に対する妨害量を取得する(ステップS145)。
本実施形態においては、サブキャリア番号i(iは正の整数)のサブキャリア信号に対する妨害量を下記の式(4)に基づいて取得する。
Figure 0004868525
なお、mは所定の周波数域に含まれるサブキャリアの周波数に対応した正の整数である。
図6は、当該妨害量を説明するための説明図である。同図6においては、横軸を周波数とし、縦軸を振幅としてi番目のサブキャリア信号Riと遅延波Gkとを太線の矢印で示している。なお、同図6に示す例においては、サブキャリアの周波数に最も近い遅延波Giとこの遅延波の前後の3個のサブキャリアに対応する遅延波Gi-3,Gi-2,Gi-1,Gi,Gi+1,Gi+2,Gi+3を示している。すなわち、上述のmは3である。
サブキャリア信号Riや遅延波Gkの周波数特性は、sinc関数(sin(x)/(x))となっている(図6においては、送信されたサブキャリア信号Siについてのsinc関数を実線にて示している。なお、Ri=Si+Giである)。このsinc関数は、x=0における特異点の値を"1"と定義した関数であって、一定の周期π毎に値が"0"となる関数である。従って、受信したサブキャリア信号や遅延波において周波数のずれが存在しない場合には、あるサブキャリア信号に対して他のサブキャリア信号の妨害成分が重畳されることはない。
しかし、遅延波に周波数のずれΔfが存在する場合には、他のサブキャリア信号の周波数において遅延波の成分が"0"とならず、妨害成分として重畳される。図6においては、遅延波Gi+1についてのsinc関数を破線で示しており、この遅延波Gi+1の成分は受信したサブキャリア信号Riの中心周波数(図6における周波数値"0")において"0"ではない有限の成分を持つ。
また、図6に示すように、sinc関数の振幅成分はx=0から遠ざかるに従って、急激に減衰する。そこで、本実施形態においては、サブキャリア信号Riの周波数を中心とした所定の周波数域に含まれる遅延波からの妨害成分のみを考慮することとし、上述のmを一定の値に限定することにした。すなわち、上述の式(4)は、サブキャリア信号Riの周囲の合計2m個のサブキャリア信号に対応した遅延波とサブキャリア信号Riの周波数に対応した遅延波とにおけるsinc関数の成分をサブキャリア信号Riの周波数にて積算した値であるが、この積算値によって大半の妨害波成分を考慮することが可能である。なお、mの値は、演算処理の負荷と要求される補正の正確性に応じて所望量の妨害成分を除去できるように決定すればよく、例えば、図6に示すように"3"とすることができる。また、mを10以下にすることによって大半の妨害波成分を考慮することが可能である。
ステップS145においては、以上の式(4)に基づいて、すべての番号iについて妨害量を取得する。妨害量が取得されると、減算回路13jにおいて妨害量除去処理が行われる(ステップS150)。すなわち、以下の式(5)に基づいて各サブキャリア信号Riから当該サブキャリア信号Riについて取得された妨害量を減じる処理がなされる。
Figure 0004868525
以上のようにして各サブキャリア信号Riについて周波数ずれに起因する妨害成分を除去した後には、復調部13iが復調処理を行う(ステップS155)。すなわち、妨害量の減算処理がなされた各サブキャリア信号の位相成分と振幅成分とを特定し、これらの位相成分と振幅成分とを位相空間上にプロットした点と位相空間上に予め定義された特定の点との距離に基づいてサブキャリアの位相成分と振幅成分を特定する。
以上の処理によれば、周波数ずれΔfに起因して生じる遅延波からの妨害成分の大半を極めて小さな演算負荷によって除去することができる。また、遅延波からの妨害成分は、遅延波毎に独立に各サブキャリア信号Riに対して影響を与える。従って、この妨害成分の特性をモデル化し、乗算によって一度に除去することは極めて困難である。しかし、本発明においては、遅延波毎に独立の妨害成分のそれぞれを積算して妨害量とし、サブキャリア信号Riから当該妨害量を減じることによって補正を行っているので、乗算によって除去できない妨害波成分を的確に除去することができる。
(4)他の実施形態:
上述の実施形態は本発明の一実施形態であり、本発明の実施形態は前記の実施形態に限定されない。すなわち、周波数ずれを取得して遅延波による妨害成分を取得し、サブキャリア信号から除去することができる限りにおいて、種々の構成を採用可能である。例えば、遅延波の特性を特定するための処理順序は種々の順序を採用可能である。より具体的には、上述のように、式(3)に基づいて各遅延波の特性を特定した後に式(4)に基づいて妨害量を特定してもよいし、相対振幅AGと、相対位相φと、遅延時間t0と、周波数ずれΔfを代入したsinc関数の積算値とから各サブキャリア信号Riの特性に乗じられるべき補正パラメータを予め計算してテーブルデータ等として登録しておき、このデータを参照しながら演算を行ってもよい。さらに、本発明は、上述の実施形態のようなデジタル放送の受信装置以外にも適用可能であり、デジタル放送以外の無線通信装置や、有線の信号など、無線放送以外の送信信号を受信する受信装置に本発明を適用しても良い。
本発明の一実施形態にかかる復調装置を示すブロック図である。 復調処理のフローチャートである。 フーリエ変換後の信号を示す図である。 遅延プロファイルの算出例を示す図である。 特定の遅延時間におけるプロファイルの時間変化を示す図である。 妨害成分を説明する説明図である。
符号の説明
10…受信装置
11…アンテナ
12…前処理部
13…復調処理部
13a…FFT処理部
13b…パイロット信号取得部
13c…遅延プロファイル取得部
13d…遅延波取得部
13e…周波数ずれ取得部
13f…妨害量取得部
13g…補正部
13h…仮復調部
13i…復調部
13j…減算回路
14…復号部
15…表示部

Claims (6)

  1. パイロット信号を含む信号を取得する信号取得手段と、
    前記信号から異なる時間に送信された複数のパイロット信号を取得するパイロット信号取得手段と、
    前記複数のパイロット信号における遅延プロファイルを取得する遅延プロファイル取得手段と、
    前記遅延プロファイルと前記信号に基づいて、前記信号における各サブキャリアの希望波に対する遅延波を取得する遅延波取得手段と、
    前記遅延プロファイルに基づいて、前記遅延波における希望波に対する周波数のずれを取得する周波数ずれ取得手段と、
    前記取得した周波数のずれが生じている遅延波による各サブキャリアに対する妨害量を、前記各サブキャリアの周波数を中心とした所定の周波数域に分布した複数の遅延波による妨害量の和によって取得する妨害量取得手段と、
    前記各サブキャリア希望波から前記取得した妨害量を減じた信号を復調する復調手段と、
    を備える復調装置。
  2. 前記遅延波取得手段は、前記遅延プロファイルに基づいて前記希望波に対する前記遅延波の相対振幅AGと、相対位相φと、遅延時間t0を取得し、サブキャリア間隔Δfcで配置されているk番目(kは正の整数)のサブキャリア信号Rkの希望波に対する遅延波Gkを下記の式(1)に基づいて取得する、
    Figure 0004868525
    請求項1に記載の復調装置。
  3. 前記妨害量取得手段は、前記周波数のずれをΔf、mを前記所定の周波数域に含まれるサブキャリアの周波数に対応した正の整数として、i番目(iは正の整数)のサブキャリア信号に対する妨害量を下記の式(2)に基づいて取得する、
    Figure 0004868525
    請求項2に記載の復調装置。
  4. 前記請求項1〜請求項3のいずれかに記載の復調装置を備えた無線信号の受信装置。
  5. パイロット信号を含む信号を取得する信号取得工程と、
    前記信号から異なる時間に送信された複数のパイロット信号を取得するパイロット信号取得工程と、
    前記複数のパイロット信号における遅延プロファイルを取得する遅延プロファイル取得工程と、
    前記遅延プロファイルと前記信号に基づいて、前記信号における各サブキャリアの希望波に対する遅延波を取得する遅延波取得工程と、
    前記遅延プロファイルに基づいて、前記遅延波における希望波に対する周波数のずれを取得する周波数ずれ取得工程と、
    前記取得した周波数のずれが生じている遅延波による各サブキャリアに対する妨害量を、前記各サブキャリアの周波数を中心とした所定の周波数域に分布した複数の遅延波による妨害量の和によって取得する妨害量取得工程と、
    前記各サブキャリア希望波から前記取得した妨害量を減じた信号を復調する復調工程と、
    を含む復調方法。
  6. パイロット信号を含む信号を取得する信号取得機能と、
    前記信号から異なる時間に送信された複数のパイロット信号を取得するパイロット信号取得機能と、
    前記複数のパイロット信号における遅延プロファイルを取得する遅延プロファイル取得機能と、
    前記遅延プロファイルと前記信号に基づいて、前記信号における各サブキャリアの希望波に対する遅延波を取得する遅延波取得機能と、
    前記遅延プロファイルに基づいて、前記遅延波における希望波に対する周波数のずれを取得する周波数ずれ取得機能と、
    前記取得した周波数のずれが生じている遅延波による各サブキャリアに対する妨害量を、前記各サブキャリアの周波数を中心とした所定の周波数域に分布した複数の遅延波による妨害量の和によって取得する妨害量取得機能と、
    前記各サブキャリア希望波から前記取得した妨害量を減じた信号を復調する復調機能と、
    をコンピュータに実現させる復調プログラム。
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