JP4868181B2 - インキ用添加剤及びこれを用いたインキ - Google Patents

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Description

本発明は、インキ用添加剤及びこれを用いたインキに関するものであり、特には、インキに配合した場合に動的表面張力が低いため、優れた濡れ性、浸透性及び分散性を発揮し、更に近年の環境問題にも適合したインキ用添加剤、及びこの添加剤を用いたインキに関するものである。
印刷業界、製紙業界、塗料業界においては、近年の環境問題などの点から水性化が進みつつある。しかし、水系の場合、乾燥スピードが遅いため、溶剤系より生産スピードが遅くなることから、常に生産性向上に伴う高速化への対応が余儀なくされており、高速印刷や高速塗工に適応したインキなどの性能向上が要求されている。
このような背景から、水性インキ業界などにおいては、基材に対する湿潤化、浸透性及び分散性付与のため、優れた表面張力低下能を付与する界面活性剤を必要としている。界面活性剤を選択する場合、系が静的状態にある時には静的表面張力が低いことが、また、前述の生産性向上による印刷スピードアップの必要性から、高速度使用時には動的表面張力が低いことが非常に重要になっている。
アセチレングリコール及びそのエチレンオキサイド誘導体のようなアセチレングリコール系界面活性剤は、静的表面張力と動的表面張力の低下能とのバランスがとれており、従来の非イオン及び陰イオン性界面活性剤のマイナス点をほとんど有していないこと、しかも消泡性も有することから、インキ、塗料用の湿潤剤、分散助剤などとして使用されてきた。
また、アセチレングリコール系界面活性剤は、水への溶解性が低い、あるいは常温で固体などの問題点を有するため、ポリエチレングリコールやポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどを可溶化剤として併用し、水性インキなどに添加した際の自己乳化性を付与していた。
可溶化剤として使用してきたポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルは、近年の環境問題から、PRTR対象物質、環境ホルモン含有物質の使用が危惧されており、法的な規制が厳しくなりつつあるが、このような情勢の中、環境に対応した界面活性剤の要求が多くなり、各社からその代替品が提供されている。
しかし、これら代替品は、動的表面張力や接触角が高くなるものが存在し、アセチレングリコールの可溶化剤として配合した組成物をインキに使用しても、ハジキの発生や吸収性が悪くなることが原因のインキの滲みが発生したり、被記録材の種類によってはインキの紙上での広がり方に差がみられる。そのため、印字品質に大きな差が生じ、高品位で汎用性の優れたカラー記録を得るための十分な手段になり得ていなかった。
なお、本発明に関連する公知文献としては、下記のものがある。
特開平6−24006号公報 特開2000−290549号公報
本発明は、上記事情を改善するためになされたもので、低い動的表面張力を有するため、印刷時に優れた基材への濡れ性、浸透性、分散性を発揮し、高速印刷にも対応でき、更に水への溶解性や環境問題にも配慮したインキ用添加剤、及びこの添加物を用いたインキを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、アセチレングリコール系界面活性剤と特定のイオウ含有界面活性剤とを配合した界面活性剤組成物をインキなどの添加剤として使用した場合に、低い動的表面張力による優れた濡れ性、浸透性及び分散性を有し、しかも環境問題にも適合するため、上述した従来の問題点を解決し得ることを知見し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、
(A)下記一般式(1)
Figure 0004868181
(式中、R1及びR2はそれぞれ炭素数1〜5のアルキル基を示す。)
で表されるアセチレングリコールの1種又は2種以上 10〜90質量%
(B)下記一般式(5)
Figure 0004868181
(式中、Mは独立にアルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウム基であり、R7は独立に水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を示す。)
で表されるイオウ含有界面活性剤 10〜90質量%
を含有し、その0.1質量%水溶液の滴下30秒後の接触角が60度以下、1Hz及び10Hz時の動的表面張力がそれぞれ50mN/m以下であることを特徴とするインキ用添加剤、並びにこの添加剤を用いて製造されたインキを提供する。
本発明のインキ用添加剤を用いて製造したインキは、低い動的表面張力を有するため、印刷時の優れた基材への濡れ性、浸透性、分散性を発揮し、高速印刷にも対応でき、更に水への溶解性や環境問題にも適合した優れたものである。この特性により、本発明は実用的に極めて有利である。
以下、本発明について更に詳しく説明する。
本発明のインキ用添加剤の成分(A)は、上述したように、下記一般式(1)で表されるアセチレングリコール及び下記一般式(2),(3)で表されるアセチレングリコールのアルキレンオキサイド付加物から選ばれる1種又は2種以上のアセチレングリコール類である。
Figure 0004868181
(式中、R1及びR2はそれぞれ炭素数1〜5のアルキル基を示す。)
Figure 0004868181
(式中、R3及びR4はそれぞれ炭素数1〜5のアルキル基を示し、Aは−(C24O)W1−(C36O)X1−(C24O)Y1−(C36O)Z1−Hであり、Bは−(C24O)W2−(C36O)X2−(C24O)Y2−(C36O)Z2−Hであり、W1,W2,X1,X2,Y1,Y2,Z1,Z2はそれぞれ0又は0.5〜25の正数であり、W1+W2+Y1+Y2は0.5〜50、X1+X2+Z1+Z2は0.5〜50であり、W1+W2+X1+X2+Y1+Y2+Z1+Z2は1〜100、好ましくは5〜85、更に好ましくは10〜85である。)
Figure 0004868181
(式中、R5及びR6はそれぞれ炭素数1〜5のアルキル基を示し、Dは−(C24O/C36O)m−Hであり、Eは−(C24O/C36O)n−Hであり、m及びnはそれぞれ0又は0.5〜50の正数であり、m+nは1〜100、好ましくは5〜85である。)
上記一般式(1)で表されるアセチレングリコールとしては、例えば、
2,5,8,11−テトラメチル−6−ドデシン−5,8−ジオール、
5,8−ジメチル−6−ドデシン−5,8−ジオール、
2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、
4,7−ジメチル−5−デシン−4,7−ジオール、
2,3,6,7−テトラメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、
3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、
2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール
等を挙げることができる。
上記一般式(2)で表されるアセチレングリコールのエチレンオキサイド/プロピレンオキサイドブロック型付加物として具体的には、例えば、
2,5,8,11−テトラメチル−6−ドデシン−5,8−ジオールのアルキレンオキサイド付加物(エチレンオキサイド付加モル数10、プロピレンオキサイド付加モル数40、W1=2モル、W2=2モル、X1=8モル、X2=8モル、Y1=3モル、Y2=3モル、Z1=12モル、Z2=12モル)、
2,5,8,11−テトラメチル−6−ドデシン−5,8−ジオールのアルキレンオキサイド付加物(エチレンオキサイド付加モル数40、プロピレンオキサイド付加モル数10、W1=20モル、W2=20モル、X1=5モル、X2=5モル、Y1,Y2,Z1,Z2=0モル)、
5,8−ジメチル−6−ドデシン−5,8−ジオールのアルキレンオキサイド付加物(エチレンオキサイド付加モル数20、プロピレンオキサイド付加モル数20、W1=7モル、W2=7モル、X1=10モル、X2=10モル、Y1=3モル、Y2=3モル、Z1,Z2=0モル)、
5,8−ジメチル−6−ドデシン−5,8−ジオールのアルキレンオキサイド付加物(エチレンオキサイド付加モル数20、プロピレンオキサイド付加モル数20、W1,W2=0モル、X1=10モル、X2=10モル、Y1=10モル、Y2=10モル、Z1,Z2=0モル)、
2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのアルキレンオキサイド付加物(エチレンオキサイド付加モル数20、プロピレンオキサイド付加モル数10、W1=3モル、W2=3モル、X1=1モル、X2=1モル、Y1=7モル、Y2=7モル、Z1=4モル、Z2=4モル)
2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのアルキレンオキサイド付加物(エチレンオキサイド付加モル数20、プロピレンオキサイド付加モル数10、W1=10モル、W2=10モル、X1=5モル、X2=5モル、Y1,Y2,Z1,Z2=0モル)、
4,7−ジメチル−5−デシン−4,7−ジオールのアルキレンオキサイド付加物(エチレンオキサイド付加モル数30、プロピレンオキサイド付加モル数6、W1=7モル、W2=7モル、X1=3モル、X2=3モル、Y1=8モル、Y2=8モル、Z1,Z2=0モル)、
4,7−ジメチル−5−デシン−4,7−ジオールのアルキレンオキサイド付加物(エチレンオキサイド付加モル数30、プロピレンオキサイド付加モル数6、W1,W2=0モル、X1=1モル、X2=1モル、Y1=15モル、Y2=15モル、Z1=2モル、Z2=2モル)、
2,3,6,7−テトラメチル−4−オクチン−3,6−ジオールのアルキレンオキサイド付加物(エチレンオキサイド付加モル数8、プロピレンオキサイド付加モル数4、W1=2モル、W2=2モル、X1=1モル、X2=1モル、Y1=2モル、Y2=2モル、Z1=1モル、Z2=1モル)、
3,6−ジエチル−4−オクチン−3,6−ジオールのアルキレンオキサイド付加物(エチレンオキサイド付加モル数24、プロピレンオキサイド付加モル数18、W1=5モル、W2=5モル、X1=9モル、X2=9モル、Y1=7モル、Y2=7モル、Z1,Z2=0モル)、
3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオールのアルキレンオキサイド付加物(エチレンオキサイド付加モル数36、プロピレンオキサイド付加モル数26、W1=10モル、W2=10モル、X1=5モル、X2=5モル、Y1=8モル、Y2=8モル、Z1=8モル、Z2=8モル)、
2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオールのアルキレンオキサイド付加物(エチレンオキサイド付加モル数44、プロピレンオキサイド付加モル数40、W1=8モル、W2=8モル、X1=4モル、X2=4モル、Y1=14モル、Y2=14モル、Z1=16モル、Z2=16モル)
等を挙げることができる。
上記一般式(3)で表されるアセチレングリコールのエチレンオキサイド/プロピレンオキサイドランダム型付加物として具体的には、例えば、
2,5,8,11−テトラメチル−6−ドデシン−5,8−ジオールのアルキレンオキサイド付加物(エチレンオキサイド付加モル数20、プロピレンオキサイド付加モル数20、m=20モル、n=20モル)、
5,8−ジメチル−6−ドデシン−5,8−ジオールのアルキレンオキサイド付加物(エチレンオキサイド付加モル数10、プロピレンオキサイド付加モル数10、m=12モル、n=8モル)、
2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのアルキレンオキサイド付加物(エチレンオキサイド付加モル数15、プロピレンオキサイド付加モル数15、m=13モル、n=17モル)、
4,7−ジメチル−5−デシン−4,7−ジオールのアルキレンオキサイド付加物(エチレンオキサイド付加モル数27、プロピレンオキサイド付加モル数27、m=27モル、n=27モル)、
2,3,6,7−テトラメチル−4−オクチン−3,6−ジオールのアルキレンオキサイド付加物(エチレンオキサイド付加モル数2.5、プロピレンオキサイド付加モル数2.5、m=2.5モル、n=2.5モル)、
3,6−ジエチル−4−オクチン−3,6−ジオールのアルキレンオキサイド付加物(エチレンオキサイド付加モル数21、プロピレンオキサイド付加モル数21、m=20モル、n=22モル)、
3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオールのアルキレンオキサイド付加物(エチレンオキサイド付加モル数31、プロピレンオキサイド付加モル数31、m=27モル、n=35モル)、
2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオールのアルキレンオキサイド付加物(エチレンオキサイド付加モル数42、プロピレンオキサイド付加モル数42、m=42モル、n=42モル)
等を挙げることができる。
一般式(2)及び(3)で表されるアルキレンオキサイド単位の付加モル総数は、1〜100モル、好ましくは5〜85モル、更に好ましくは10〜85モルである。アルキレンオキサイド単位の付加モル総数が100モルを超えた場合、静的及び動的表面張力が大きくなり、濡れ剤としての効果がなくなる。
また、一般式(2)及び(3)で表されるエチレンオキサイドの付加モル総数は、0.5〜50モル、特に10〜40モルであることが好ましく、プロピレンオキサイドの付加モル総数は、0.5〜50モル、特に10〜40モルであることが好ましい。エチレンオキサイドの付加モル総数が50モルを超えた場合、水溶性はアップするものの消泡性が低下し、インキに配合して吐出した際に、安定不良などの問題が発生するし、0.5モル未満では、溶解性が低下し、一方、プロピレンオキサイドの付加モル総数が50モルを超えた場合、消泡性はアップするものの、溶解性が低下して凝集物が発生するし、0.5モル未満では、分散性及び消泡性が低下する。
これらのアセチレングリコール類[成分(A)]は、その1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができ、本発明のインキ用添加剤を調製する際に用いられる量は、10〜90質量%であり、好ましくは20〜80質量%である。90質量%を超えると水への溶解性が悪くなり、配合した際に凝集物が発生し、表面張力低下効果が得られず、ハジキが発生するし、10質量%未満であると泡立ちが多くなり、印字濃度や印字画像の解像度も悪くなる。
成分(A)のアセチレングリコール類に配合する成分(B)のイオウ含有界面活性剤は、下記一般式(4)及び/又は下記一般式(5)で表されるものである。
Figure 0004868181
(式中、Mは独立にアルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウム基であり、R7は独立に水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を示し、好ましくは、Mはナトリウム、カリウムであり、R7はブチル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、ドデシル基などである。)
上記一般式(4),(5)で表されるイオウ含有界面活性剤として具体的には、例えば、n−ヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸カリウム、ジアミルスルホコハク酸ナトリウム、1,3−ジメチルエチルスルホコハク酸ナトリウム、1,3−ジメチルブチルスルホコハク酸ナトリウム、2−エチルヘキシルスルホコハク酸ジナトリウム、2−エチルヘキシルスルホコハク酸ジカリウム等を挙げることができる。
上記一般式(4),(5)で表されるイオウ含有界面活性剤[成分(B)]は、その1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明のインキ用添加剤を調製する際に用いられる成分(B)の量は、10〜90質量%であり、好ましくは15〜75質量%である。10質量%未満では、成分(A)のアセチレングリコール類の十分な可溶化が行われず凝集物の発生が生じるし、90質量%を超えると配合時の泡立ちが多くなり吐出不良による印字不良が発生する。
本発明では、上記成分(A)、(B)の合計が100質量%になるように用いるのが好ましいが、更に第三成分である成分(C)としてイオン交換水、あるいはエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、グリセリンなどの水溶性有機溶剤を併用してもよく、インキ用添加剤の特性を損なわない限り、組成物全体の0〜25質量%、好ましくは5〜15質量%の量で用いることができる。
本発明のインキ用添加剤は、上記各成分をプロペラ式攪拌機などの公知の混合調製方法によって混合することによって得られる。また、常温にて固体の成分については、必要により加温して混合するものである。
ここで、得られたインキ用添加剤は、その0.1質量%水溶液の接触角が60度以下、好ましくは10〜50度、更に好ましくは20〜45度、更に動的表面張力が50mN/m以下、好ましくは10〜50mN/m、更に好ましくは25〜50mN/mであることが必要である。0.1質量%インキ用添加剤の滴下30秒後の接触角が60度を超えると、インキなどに配合した際、インキの吸収性が悪くなるためにインキの滲みが発生するし、同じく0.1質量%水溶液の1Hz及び10Hz時の動的表面張力が50mN/mを超えると、プリンターなどの印刷機で印刷などを行った際、ハジキや浸透力不足による滲みが発生する。
なお、本発明において、接触角は、接触角計CA−D型(協和界面科学社製)を用いて0.1質量%水溶液の滴下30秒後の値を測定したものであり、動的表面張力は、バブルプレッシャー型動的表面張力計クルスBP−2(KRUSS社製)を用いて0.1質量%水溶液の1Hz及び10Hzの値を測定したものである。
本発明のインキ用添加剤は、インキに配合した場合、動的表面張力が低いため、優れた濡れ性、浸透性、消泡性及び分散性を発揮し、また高速印刷にも対応でき、更に近年の環境問題にも適合したものである。
本発明のインキ用添加剤を用いてインキを製造する場合、インキ全量に対して好ましくは0.05〜10質量%、より好ましくは0.05〜5質量%の添加量で使用することが望ましい。
本発明のインキは、着色剤として水性染料等を含有することができ、インキ全量に対して、好ましくは1〜10質量%の比率で含有する。水性染料としては、酸性染料、塩基性染料、直接染料などがあり、例えば、ダイレクトブラック19、アシッドブラック24、ダイレクトレッド9、ダイレクトイエロー23、アシッドイエロー42、ダイレクトブルー86、アシッドブルー9などが挙げられるが、特にこれらに限定されない。
本発明のインキには、浸透剤、染料溶解助剤として有機溶剤を含有させることができ、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、メチルカルビトール、グリセリン等が挙げられ、インキ全量に対して50質量%以下の比率で含有することが好ましい。
また、本発明のインキでは、水性染料を溶解、分散させる液体として、水を使用する。水としては、染料安定性の観点からイオン交換水を用いることが好ましい。
更に、本発明のインキでは、従来公知の添加剤を混合することができる。例えば、pH調整剤として炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、トリエタノールアミン等が、防黴剤として安息香酸ナトリウム等が、キレート剤としてジエチレントリアミン5酢酸ナトリウム等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
なお、インキとしては、インクジェットインキ、水系グラビアインキに使用されるインキであることが好ましい。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、例中の部及び%はそれぞれ質量部と質量%を示す。
[実施例1]
60℃に加温した2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール(エアプロダクツ社製、商品名サーフィノール104)40部を攪拌機付容器に投入し、攪拌しながらジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウムの80%水溶液62.5部及びエチレングリコール10部を徐々に投入混合して2時間連続攪拌後、室温まで冷却した。冷却後200メッシュ濾布にて濾過し、インキ用添加剤(以下、これをM−1という)を得た。
更に、添加剤M−1の0.1部をイオン交換水100部に加え、マグネチックスタラーにて攪拌して0.1%水溶液とし、これを用いて水溶液の外観、接触角、動的表面張力、静的表面張力を測定した。その結果を表2に示す。
また、このインキ用添加剤を用いて下記の配合処方によりインキを作製し、印字濃度、ドット径、印字画像の解像度、インキ吸収性を測定して、その結果を表3に示した。
(インキ配合)
染料(商品名Cibafixダイレクトブラック19、日本チバガイギー社製)5部をイオン交換水70部にプロペラ式攪拌機で攪拌しながら徐々に添加した後、インキ用添加剤M−1を1部、ポリエチレングリコールを10部、グリセリンを15部添加し、1時間攪拌してブラック(B)インキ(以下、このインキをイ−1という)を得た。
更に、上記染料の代わりに、それぞれCibafixダイレクトレッド9、Cibafixダイレクトブルー86、Cibafixダイレクトイエロー23(日本チバガイギー社製商品名)を用いて上記と同様の方法により、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)インキを作製した。
なお、各特性の測定は下記のようにして行った。
(インキ用添加剤の評価)
(1)水溶液の外観
上記インキ用添加剤の0.1%水溶液の外観及び不溶解物の有無の確認を下記の基準により行った。
○ :水溶液が透明で、不溶解析出物が認められない。
△ :水溶液が白濁しているが、不溶解析出物は認められない。
× :一部不溶解析出物が認められる。
××:ほとんど溶解せず。
(2)接触角
インキ用添加剤の0.1%水溶液を、協和界面科学社製接触角計CA−D型を用いて、滴下30秒後の接触角を測定した。
(3)動的表面張力
KRUSS社製バブルプレッシャー型動的表面張力計クルスBP−2を用いて、インキ用添加剤の0.1%水溶液の1Hz及び10Hz時における動的表面張力を測定した。
(4)静的表面張力
協和界面科学社製表面張力計ESB−V型を用いてインキ用添加剤の0.1%水溶液の静的表面張力を測定した。
(インキの評価)
(1)印字濃度
キヤノンプリンターBJC455Jでブラック(B)インキを用いて印字したドットについて、サクラマイクロデンシトメーターPDM−5型(サクラ精機社製)でドット濃度を測定した。
(2)ドット径
キヤノンプリンターBJC455Jでブラック(B)インキを用いて印字し、100倍に拡大してドット径を測定した。
(3)印字画像の解像度
キヤノンプリンターBJC455Jでブラック(B)インキをベタ印刷し、マクベス濃度計RD−918型(マクベス社製)で測定した。また、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)インキについても同様の方法により測定した。
(4)インキ吸収性
キヤノンプリンターBJC455Jでブラック(B)、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)インキを同時に同一場所に噴射し、1秒後に紙押さえ板でこすり、インキによる汚れを下記の基準により測定した。
○:白色部分に汚れのないもの。
△:微かに汚れるもの。
×:汚れがひどいもの。
[実施例2〜7、比較例1〜8]
実施例1と同様にして表1に示される配合物の種類及び配合量(%)で攪拌混合し、インキ用添加剤(M−2〜M−15)を得た。この場合、固体のものについては60℃に加温し、成分を混合した。なお、実施例1については、配合物の配合量を%で再記した。
実施例1と同様にして0.1%水溶液を作り、同様にして水溶液の評価を行って、その結果を表2に示し、更に、実施例1と同様にしてインキを作製し、同様にしてインキの評価を行って、その結果を表3に示した。
この場合、表3において、インキNo.イ−2〜イ−15は、それぞれインキ用添加剤M−2〜M−15を用いた場合に対応する。
Figure 0004868181
[成分A]
A−1:2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、
A−2:2,5,8,11−テトラメチル−6−ドデシン−5,8−ジオール、
A−3:5,8−ジメチル−6−ドデシン−5,8−ジオール、
A−4:2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのアルキレンオ
キサイド付加物(エチレンオキサイド付加モル数20、プロピレンオキサイド付
加モル数10、W1=3モル、W2=3モル、X1=1モル、X2=1モル、Y
1=7モル、Y2=7モル、Z1=4モル、Z2=4モル)、
A−5:5,8−ジメチル−6−ドデシン−5,8−ジオールのアルキレンオキサイド付
加物(エチレンオキサイド付加モル数20、プロピレンオキサイド付加モル数2
0、W1=7モル、W2=7モル、X1=10モル、X2=10モル、Y1=3
モル、Y2=3モル、Z1,Z2=0モル)、
A−6:2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのアルキレンオ
キサイド付加物(エチレンオキサイド付加モル数15、プロピレンオキサイド付
加モル数15、m=13モル、n=17モル)、
A−7:2,5,8,11−テトラメチル−6−ドデシン−5,8−ジオールのアルキレ
ンオキサイド付加物(エチレンオキサイド付加モル数20、プロピレンオキサイ
ド付加モル数20、m=20モル、n=20モル)、
A−8:5,8−ジメチル−6−ドデシン−5,8−ジオールのアルキレンオキサイド付
加物(エチレンオキサイド付加モル数10、プロピレンオキサイド付加モル数1
0、m=12モル、n=8モル)、
A−9:3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオールのアルキレンオキサイド付
加物(エチレンオキサイド付加モル数55、プロピレンオキサイド付加モル数5
5、m=60モル、n=50モル、m+n=110モル)、
A−10:2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのアルキレン
オキサイド付加物(エチレンオキサイド付加モル数60、プロピレンオキサイド
付加モル数60、m=60モル、n=60モル、m+n=120モル)
[成分B]
B−1:ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム、
B−2:ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸カリウム、
B−3:1,3−ジメチルブチルスルホコハク酸ナトリウム、
B−4:n−ヘキシルスルホコハク酸ナトリウム
Figure 0004868181
Figure 0004868181

Claims (2)

  1. (A)下記一般式(1)
    Figure 0004868181
    (式中、R1及びR2はそれぞれ炭素数1〜5のアルキル基を示す。)
    で表されるアセチレングリコールの1種又は2種以上 10〜90質量%
    (B)下記一般式(5)
    Figure 0004868181
    (式中、Mは独立にアルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウム基であり、R7は独立に水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を示す。)
    で表されるイオウ含有界面活性剤 10〜90質量%
    を含有し、その0.1質量%水溶液の滴下30秒後の接触角が60度以下、1Hz及び10Hz時の動的表面張力がそれぞれ50mN/m以下であることを特徴とするインキ用添加剤。
  2. 請求項1記載のインキ用添加剤を用いて製造されたインキ。
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