JP4868081B2 - 電池状態検知方法及び電池状態検知装置 - Google Patents

電池状態検知方法及び電池状態検知装置 Download PDF

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Description

本発明は、二次電池の状態を検知する電池状態検知方法及び電池状態検知装置に関する。
二次電池の特性の一つとして、充電率と開放電圧との関係を示す開放回路電圧特性は、二次電池の劣化や使用条件の変更にかかわらず略同一の開放回路電圧特性であることが知られている(例えば、特許文献1参照)。この特性を利用して、特許文献1には、充電または放電の休止期間中に測定された開放電圧と開放回路電圧特性とに基づいて、測定時点における充電率を推測する電池容量検出方法が開示されている。さらに、特許文献1には、充電開始前及び終了後の充電率と充電中に二次電池に供給された充電量とに基づいて、二次電池の満充電容量を推測する方法と、充電終了後の充電率と満充電容量とに基づいて、充電終了後の残容量を推測する方法が開示されている。
特開2001−231179号公報
しかしながら、二次電池の種類によっては開放電圧に温度特性を持つものがあるため、縦軸を開放回路電圧とし横軸を充電率とする開放回路電圧特性の曲線の傾きが緩やかな二次電池の場合には、その傾きが急な二次電池の場合に比べ、開放電圧の誤差がたとえ同じであっても充電率の誤差は大きくなるため、温度特性を考慮しなければ充電率などの電池状態の検知誤差が大きくなる要因となり得る。
そこで、本発明は、温度特性の考慮により電池状態を精度良く検知することができる、電池状態検知方法及び電池状態検知装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る電池状態検知方法は、
二次電池の状態を検知する電池状態検知方法であって、
前記二次電池の開放電圧を電圧検出部を介して測定する開放電圧測定ステップと、
前記二次電池の開放電圧と充電率との関係を示す第1の特性データに基づいて、前記二次電池の充電率を算出する充電率算出ステップと、
前記二次電池の充電率に応じた開放電圧と温度との関係を示す第2の特性データに基づいて、前記二次電池の開放電圧の測定値を、前記二次電池の前記充電率算出ステップで算出された充電率と周囲温度に応じて補正する開放電圧測定値補正ステップと、
前記第1の特性データに基づいて、前記充電率を、前記開放電圧測定値補正ステップで補正された前記二次電池の開放電圧の測定値の補正値に応じて補正する充電率補正ステップとを備え、
前記電圧検出部は温度依存回路部を含み、
前記温度依存回路部の温度特性を示す第3の特性データに基づいて、前記開放電圧測定ステップで測定された測定値を、前記二次電池の周囲温度に応じて補正する電圧測定値補正ステップとを備えることを特徴とする。これにより、二次電池の温度特性を考慮して充電率を精度よく検知することができる。また、これにより、例えば、測定系の温度特性による測定誤差を前記開放電圧の測定値から取り除くことができる。
上記目的を達成するため、本発明に係る電池状態検知装置は、
二次電池の状態を検知する電池状態検知装置であって、
前記二次電池の開放電圧を測定する、温度依存回路部を含む電圧検出部と、
前記二次電池の開放電圧と充電率との関係を示す第1の特性データ、前記二次電池の開放電圧と温度との関係を充電率毎に示す第2の特性データ、及び前記温度依存回路部の入出力温度特性データを示す第3の特性データに基づいて、前記二次電池の充電率を前記二次電池の周囲温度に応じて補正する補正手段を備えることを特徴とする。これにより、開放電圧の温度特性を考慮して充電率を精度よく検知することができる。
また、本発明に係る電池状態検知装置は、
前記二次電池の状態を測定する状態測定手段と、
前記状態測定手段の温度を前記二次電池の周囲温度として測定する温度測定手段とを有し、
前記補正手段は、前記状態測定手段の状態測定結果を前記温度測定手段の温度測定結果に応じて補正することを特徴とする。これにより、例えば、状態測定手段の温度特性による測定誤差を前記状態測定手段によって測定された前記開放電圧の測定値から取り除くことができる。
また、本発明に係る電池状態検知装置は、
前記状態測定手段と前記温度測定手段とを集積した集積回路を備えることを特徴とする。これにより、集積回路自体の温度特性を考慮することができる。
本発明によれば、温度特性の考慮により電池状態を精度良く検知することができる。
本発明の一実施形態である電池状態検知装置100を用いたシステム1の全体構成図である。 25℃における「開放電圧−充電率」特性を示した図である。 二次電池200の「開放電圧−周囲温度」特性を示した図である。 ADC40の構成を示したブロック図である。 基準電圧発生回路41の温度特性を示した図である。 アンプ回路45,46,47の温度特性を示した図である。 ADC40のアナログ入力からデジタル出力までを一つの温度依存回路部としたときの、AD変換値(出力値)の温度特性を示した実験データである。 二次電池200の開放電圧の温度特性を考慮した場合の充電率の補正処理フローである。 二次電池200の開放電圧の温度特性と温度依存回路部の温度特性とを考慮した場合の充電率の補正処理フローである。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。図1は、本発明の一実施形態である電池状態検知装置100を用いたシステム1の全体構成図である。電池状態検知装置100は、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、電気二重層キャパシタなどの二次電池200の周囲温度を検出する温度検出部10と、二次電池200の電圧を検出する電圧検出部20と、二次電池200の充放電電流を検出する電流検出部30と、検出結果を示す各検出部から出力されるアナログ電圧値をデジタル値に変換するADコンバータ(以下、「ADC」という)40と、電流積算、容量補正、放電可能容量などの演算処理を行う演算処理部50(例えば、マイクロコンピュータ)と、その演算処理に利用される二次電池200や電池状態検知装置100の各構成部の特性を特定するための特性データを格納するメモリ60(例えば、EEPROMやフラッシュメモリ)と、二次電池200を電源とする外部機器300に対して二次電池200に関する電池状態情報を伝送する通信処理部70(例えば、通信用IC)とを備える。温度検出部10、電圧検出部20、電流検出部30、ADC40及び演算処理部50は、集積回路によって構成されて、パッケージングされるものでもよい。
温度検出部10は、二次電池200の周囲温度を検出し、その検出された周囲温度をADC40に入力可能な電圧に変換して出力する。ADC40によって変換された二次電池200の周囲温度を示す電池温度のデジタル値は、演算処理部50に伝達され、演算処理のためのパラメータとして利用される。また、電池温度のデジタル値は、演算処理部50によって予め決められた単位に換算され、二次電池200の電池状態を示す電池状態情報として、通信処理部70を介して外部機器300に出力される。なお、温度検出部10は、二次電池200と電池状態検知装置100とが近接していれば、二次電池200自体の温度やその雰囲気温度だけでなく、電池状態検知装置100やその構成部の温度を検出するものでもよい。また、温度検出部10が電圧検出部20と電流検出部30とADC40とともに集積回路によって構成される場合、温度検出部10は、その集積回路自体の温度やその雰囲気温度を検出することができる。
電圧検出部20は、二次電池200の電圧を検出し、その検出された電圧をADC40に入力可能な電圧に変換して出力する。ADC40によって変換された二次電池200の電圧を示す電池電圧のデジタル値は、演算処理部50に伝達され、演算処理のためのパラメータとして利用される。また、電池電圧のデジタル値は、演算処理部50によって予め決められた単位に換算され、二次電池200の電池状態を示す電池状態情報として、通信処理部70を介して外部機器300に出力される。
電流検出部30は、二次電池200の充放電電流を検出し、その検出された電流をADC40に入力可能な電圧に変換して出力する。電流検出部30は、二次電池200と直列に接続された電流検出抵抗とこの電流検出抵抗の両端に発生する電圧を増幅するオペアンプとを備え、電流検出抵抗とオペアンプとによって充放電電流を電圧に変換する。オペアンプは、ADC40に備えられてもよい。ADC40によって変換された二次電池200の充放電電流を示す電池電流のデジタル値は、演算処理部50に伝達され、演算処理のためのパラメータとして利用される。また、電池電流のデジタル値は、演算処理部50によって予め決められた単位に換算され、二次電池200の電池状態を示す電池状態情報として、通信処理部70を介して外部機器300に出力される。
演算処理部50は、二次電池200の充電状態又は放電状態(例えば、外部機器300の動作により所定値以上の電流が消費されている状態)で電流検出部30によって検出された電流値を積分することによって、二次電池200において充放電される電気量を算出することができるとともに、二次電池200が蓄えている現在の電気量(残容量)を算出することができる。残容量を算出するにあたって、例えば、特開2004−226393号公報には、二次電池の充放電において温度や電流などの条件が変化した場合、充放電効率が変化するのではなく、各充放電条件に応じて一時的に充電や放電ができない電気量が存在し、その量が変化するという考え方が開示されている。この考え方によれば、充放電効率についての補正処理は行わなくてもよい。ただし、電池状態検知装置100の構成部に温度に依存する温度依存回路部が存在する場合には、演算処理部50は、温度検出部10によって周囲温度を検出し、「充放電電流−温度」特性に基づいて、ADC40によって変換された二次電池200の充放電電流値を補正してもよい。「充放電電流−温度」特性は、補正テーブルや補正関数によって表される。補正テーブル内のデータや補正関数の係数が特性データとしてメモリ60に格納される。演算処理部50は、メモリ60から読み出された特性データを反映させた補正テーブルや補正関数に従って、温度検出部10によって測定された温度に応じて充放電電流値の補正を行う。
一方、二次電池200の充放電が休止状態(例えば、外部機器300の動作が停止又はスタンバイ状態)になることにより、電流検出部30による測定では誤差が多く含まれる状態又は測定不可となる状態が一定期間検出された場合、残容量の算出のため上述の電流積算の処理が継続されると、その誤差も積算されるため、残容量算出の正確さが失われる。それを防ぐため、演算処理部50は、電流値の積算処理を停止するか、又は予め測定しておいた外部機器300の消費電流値をメモリ60に格納しておき、その値を積算するとよい。
ところが、上述のように、休止状態の場合に電流値の積算処理の停止や測定済みの消費電流値の積算を行ったとしても、実際の消費電流値とは異なるため、積算結果に誤差が含まれることは避けられない。そこで、演算処理部50は、外部機器300の休止状態が所定時間継続した場合、定期的に二次電池200の電圧(開放電圧)を測定し、「開放電圧−充電率」特性(図2参照)に基づいて、充電率を算出・補正する。開放電圧とは、安定した二次電池200の両極間を開放して又はハイインピーダンスで測定した両極間電圧である(或いは、開放電圧と等価になるような、低負荷の状態も含める)。充電率とは、そのときの二次電池200の満充電容量を100としたときにその二次電池200の残容量の割合を%で表示したものをいう。「開放電圧−充電率」特性は、補正テーブルや補正関数によって表される。補正テーブル内のデータや補正関数の係数が特性データとしてメモリ60に格納される。演算処理部50は、メモリ60から読み出された特性データを反映させた補正テーブルや補正関数に従って、電圧検出部20によって測定された開放電圧に応じて充電率の算出・補正を行う。
上述のように、演算処理部50は、二次電池200の充電率を算出することができるが、二次電池200の残容量は満充電容量と充電率との関係に基づいて算出可能であるため、二次電池200の満充電容量が測定又は推定されていなければ、二次電池200の残容量を算出することはできない。
二次電池200の満充電容量を算出する方法として、例えば、二次電池200の放電量に基づいて算出する方法や充電量に基づいて算出する方法がある。例えば、充電量に基づいて算出する場合、パルス充電以外であれば定電圧又は定電流での充電となるため、外部機器300の消費電流特性に影響されやすい放電量に基づいて算出する場合に比べ、正確な充電電流を測定することができる。もちろん、どちらの方法を利用するかは、外部機器300の特性などを考慮した上で、両方又は片方を選択すればよい。
もっとも、正確な満充電容量が測定できる条件は、残容量がゼロの状態から満充電状態になるまでの期間継続して充電が行われる場合であり、この充電期間中に積算された電流値が満充電容量となる。しかしながら、一般的な利用のされ方を考えると、このような充電が行われることはまれであり、通常はある程度の残存容量がある状態から充電が行われる。
そこで、演算処理部50は、このような場合を考慮して、充電開始直前の電池電圧と充電終了時点から所定時間経過時の電池電圧とに基づいて、二次電池200の満充電容量を算出する。すなわち、演算処理部50は、充電開始直前の電池電圧と「開放電圧−充電率」特性(図2参照)とに基づいて、充電開始直前の充電率を算出するとともに、充電終了時点から所定時間経過時の電池電圧と「開放電圧−充電率」特性(図2参照)とに基づいて、充電終了時点から所定時間経過時の充電率を算出する。そして、演算処理部50は、満充電容量をFCC[mAh]、充電開始直前の充電率をSOC1[%]、充電終了時点から所定時間経過時の充電率をSOC2[%]、充電開始時点から充電終了時点までの充電期間において充電された電気量をQ[mAh]とすると、演算式
FCC=Q/{(SOC2−SOC1)/100} ・・・(1)
に基づいて、二次電池200の満充電容量FCCを算出することができる。なお、SOC1やSOC2は温度補正されたものであれば、より正確な値が算出され得る。また、充電終了時点から所定時間経過時の電池電圧を用いることによって、充電終了時点よりも安定した電池電圧を演算に反映して演算結果の精度を高めることができる。
したがって、上述のように算出された充電率及び満充電容量に基づいて、二次電池200の残容量を算出することができる(残容量=満充電容量×充電率)。
また、満充電容量FCCの算出が可能となることで、二次電池200の劣化度SOH[%]を推定することが可能となる。演算処理部50は、初期の満充電容量をAFCC,任意の時点での満充電容量をRFCCとすると、演算式
SOH=RFCC/AFCC×100 ・・・(2)
に基づいて、任意の時点での二次電池200の劣化度SOHを算出することができる。
ところが、二次電池200や電池状態検知装置100の構成部に温度特性が存在する場合、電流積算、充電率、満充電容量、残容量などを上述のように算出したとしても、その温度特性による誤差が生じることによって、正確な算出結果が得られないおそれがある。
図3は、二次電池200の「開放電圧−周囲温度」特性を示した図である。図3に示されるように、開放電圧は、周囲温度が高くなるにつれて小さくなる傾向がある。したがって、図2は25℃における「開放電圧−充電率」特性の一例であるが、図2の特性のみに従って充電率を算出すると、そのときの周囲温度によっては誤差が大きくなり得る。
また、電池状態検知装置100の構成部にも温度に依存する温度依存回路部が存在する場合がある。温度検出部10、電圧検出部20、電流検出部30、ADC40などが、抵抗やトランジスタやアンプ等のアナログ素子を備えるため、温度依存回路部になり得る。基本的に集積回路の設計段階では、ウエハ内素子の温度依存性を考慮して設計されるが、製造プロセスのばらつきやウエハ面内の特性ばらつき等が存在するため、僅かではあるが製造されたICは温度特性を持つことになる。
図4は、ADC40の構成を示したブロック図である。ADC40は、抵抗やトランジスタ等の温度特性を有するアナログ素子を有する温度依存回路部であって、外部電源VddからADC40内の各回路の基準電源Vrefを生成する基準電圧発生回路41、電流検出部30の電流検出抵抗の両端に発生する電圧を増幅するオペアンプ42、電流検出部30からの入力信号を(オペアンプ42を介して)増幅するアンプ回路43、温度検出部10からの入力信号を増幅するアンプ回路44、電圧検出部20からの入力信号を増幅するアンプ回路45、各アンプ回路の出力を選択して出力するマルチプレクサ回路47、アナログ値をデジタル値に変換するADC回路48などのアナログ回路を備える。
これらのアナログ回路の代表的な温度特性として、基準電圧発生回路41の温度特性を図5に、アンプ回路45,46,47の温度特性を図6に示す。図5は、基準温度25℃において900mVの基準電圧Vrefを生成する基準電圧発生回路41は、温度が高くなるにつれて基準電圧Vrefも大きくなる傾向の温度特性を有することを示している。また、図6は、アンプ回路45,46,47は、温度が高くなるにつれてその入力電圧に対して出力されるAD変換値が大きくなる傾向の温度特性を有することを示している。
基本的に、基準電圧Vrefの変動はAD変換結果のオフセットの変動として現れ、アンプ回路45,46,47の変動はゲインの変動として現れる。演算処理部50は、図5や図6の温度特性を利用して、温度特性によるこれらの変動をキャンセルすることによって、二次電池200の状態の検知誤差の低減を図る。図5や図6の温度特性は、補正テーブルや補正関数に表される。補正テーブル内のデータや補正関数の係数が特性データとしてメモリ60に格納される。演算処理部50は、メモリ60から読み出された図5や図6に関する特性データを反映させた補正テーブルや補正関数に従って、温度検出部10によって測定された温度に応じて、基準電圧発生回路41の基準電圧の温度補正を行ったり、アンプ回路45,46,47の出力電圧の温度補正を行ったりすることが可能となる。
温度補正の方法として、温度依存回路部に含まれる構成部毎に(例えば、基準電圧発生回路41毎に、アンプ回路45,46,47毎に)補正演算処理を行ってもよいが、必要な精度が満足するのであれば、温度依存回路部全体を一つの回路として扱って、各構成部の温度特性を総合した温度依存回路部全体としての温度特性に基づいて、温度補正を行ってもよい。
図7は、ADC40のアナログ入力からデジタル出力までを一つの温度依存回路部としたときの、AD変換値(出力値)の温度特性を示した実験データである。図7は、所定の入力電圧が入力されている状態で、温度が変動した場合に、基準温度25℃のときのAD変換値に対して変動するAD変換値の変動量(オフセット量)を示している。本来は一定のAD変換結果となるべきところが、ADC40の温度特性のために、温度が上昇するにつれてAD変換値がプラス側に増加している。
図7に示されるADC40の温度特性は、温度を変数とする近似曲線で表すことができる。図7のグラフの形状から、ADC40の温度特性のモデル関数を、2次関数
y=A・x+B・x+C ・・・(3)
と設定する。ここで、yをAD変換値、xを温度、A,B,Cを係数とする。係数A,B,Cが算出されれば、ADC40の温度特性を(3)式で一意に表現することができる。式(3)の係数A,B,Cを算出するためには、カーブフィット(曲線近似)処理を行えばよい。ここで、カーブフィットとは、複数の数値データの組にあてはまる曲線(回帰曲線)を求める数学的手法であって、適当なモデル関数を予め想定し、このモデル関数の形を決めるパラメータを統計的に推定するものである。あてはめる手法としては、例えば、最小2乗法が存在する。カーブフィット処理によって式(3)の係数を算出するためには、MATLABやLabVIEWなどの数値解析ソフトウェアを利用すればよい。図7の場合、A=−0.087、B=30.259、C=−695.17と算出される。したがって、この算出された係数A,B,Cをメモリ60に予め格納しておけば、演算処理部50は、メモリ60から読み出した係数A,B,Cと温度検出部10によって測定された温度データとに基づき、式(3)に従って、そのときの温度でのADC40のオフセット量を算出することができる。同様の手法で、ゲインエラーについても補正が可能である。
それでは、演算処理部50により行われる温度補正処理方法について図8,9のフローに従って説明する。
図8は、二次電池200の開放電圧の温度特性を考慮した場合の充電率の補正処理フローである。開放電圧の温度特性を考慮する場合、演算処理部50は、「開放電圧−充電率」特性(図2)とともに「開放電圧−周囲温度」特性(図3)を利用し、温度検出部10によって測定された温度で電圧検出部20によって測定された開放電圧を補正することによって、充電率を算出・補正する。
演算処理部50は、電圧検出部20によって測定された二次電池200の開放電圧をADC40を介して検知する(ステップ10)。また、演算処理部50は、温度検出部10によって測定された二次電池200の周囲温度をADC40を介して検知する(ステップ20)。
演算処理部50は、メモリ60に格納された「開放電圧−充電率」特性(図2)を示す特性データに基づいて、温度補正前の充電率として、ステップ10で測定された二次電池200の開放電圧に対応する充電率を算出する(ステップ30)。すなわち、ステップ30で算出された充電率は、二次電池200の開放電圧の温度特性がまだ考慮されていない。
演算処理部50は、メモリ60に格納された「開放電圧−周囲温度」特性(図3)を示す特性データに基づいて、ステップ20で測定された周囲温度とステップ30で算出された充電率とに応じて、ステップ10で測定された開放電圧を補正する(ステップ40)。「開放電圧−周囲温度」特性(図3)は、上述と同様に、カーブフット処理を行うことによって、温度と充電率を変数とする近似関数で表すことができ、その近似関数に基づいて、二次電池200自体の開放電圧の温度特性が考慮された開放電圧やそのオフセット量を算出することができる。
演算処理部50は、メモリ60に格納された「開放電圧−周囲温度」特性(図2)を示す特性データに基づいて、充電率の温度補正値として、ステップ40で算出された開放電圧の温度補正値に対応する充電率を算出する(ステップ50)。したがって、二次電池200自体の開放電圧の温度特性が考慮された充電率を算出することができる。また、本フローを繰り返し処理することによって、更に正確な充電率に収束させることができる。
図9は、二次電池200の開放電圧の温度特性と温度依存回路部の温度特性とを考慮した場合の充電率の補正処理フローである。開放電圧と温度依存回路部であるADC40の温度特性を考慮する場合、演算処理部50は、「開放電圧−充電率」特性(図2)とともに「開放電圧−周囲温度」特性(図3)及びADC40の温度特性(図7)を利用し、温度検出部10によって測定された温度で電圧検出部20によって測定された開放電圧を補正することによって、充電率を算出・補正する。ステップ10及び20は、図8と同様のため説明を省略する。
演算処理部50は、メモリ60に格納されたADC温度特性(図7)を示す特性データに基づいて、ステップ20で測定された周囲温度に応じて、ステップ10でADC40を介して測定された開放電圧を補正する(ステップ25)。例えば、演算処理部50は、ステップ20で測定された周囲温度とメモリ60に保存された係数A,B,Cを反映させた式(3)とに従って、ADC40を介して測定された開放電圧の測定値の補正値を算出することができる。これによって、ADC40の温度特性に伴って生じる測定誤差を排除することができる。
演算処理部50は、メモリ60に格納された「開放電圧−充電率」特性(図2)を示す特性データに基づいて、温度補正前の充電率として、ステップ25において測定誤差が取り除かれた開放電圧の測定値の補正値に対応する充電率を算出する(ステップ30)。すなわち、ステップ30で算出された充電率は、ADC40の温度特性は考慮されているものの、二次電池200の開放電圧の温度特性がまだ考慮されていない。
ステップ40及び50は、図8と同様のため説明を省略する。したがって、二次電池200自体の開放電圧の温度特性及びADC40の温度特性が考慮された充電率を算出することができる。また、本フローを繰り返し処理することによって、更に正確な充電率に収束させることができる。
以上、上述の実施例によれば、温度特性を考慮して精度良く電池状態を検知することができる。
すなわち、二次電池の開放電圧(又は、開放状態に近いと判断される電流が流れている状態)を測定する際に電池近傍の温度も測定し、予め測定しておいた「開放電圧−周囲温度」特性を利用して温度補正電圧値を求め、この電圧値に基づいて「開放電圧−充電率」特性を利用して現在の充電率を求めることによって、周囲温度を考慮したより正確な充電率を推定することが可能になる。
また、二次電池の使用温度が比較的広い場合(例えば、リチウムイオン電池では−20℃〜60℃程度で使用され得る)、基準電圧発生回路や発振回路などの温度依存回路部が測定系に存在するとその測定系における測定誤差の影響が大きくなるが、上述の実施例のように測定系の温度補正も考慮することによって、そのような測定誤差の影響を小さくすることができる。
また、温度特性を考慮した正確な開放電圧や充電率が算出することができるので、満充電容量や劣化度などの二次電池の状態の検知精度も高めることができる。
10 温度検出部
20 電圧検出部
30 電流検出部
40 ADC
50 演算処理部
60 メモリ
70 通信処理部
100 電池状態検知装置
200 二次電池
300 外部機器

Claims (6)

  1. 二次電池の状態を検知する電池状態検知方法であって、
    前記二次電池の開放電圧を電圧検出部を介して測定する開放電圧測定ステップと、
    前記二次電池の開放電圧と充電率との関係を示す第1の特性データに基づいて、前記二次電池の充電率を算出する充電率算出ステップと、
    前記二次電池の充電率に応じた開放電圧と温度との関係を示す第2の特性データに基づいて、前記二次電池の開放電圧の測定値を、前記二次電池の前記充電率算出ステップで算出された充電率と周囲温度に応じて補正する開放電圧測定値補正ステップと、
    前記第1の特性データに基づいて、前記充電率を、前記開放電圧測定値補正ステップで補正された前記二次電池の開放電圧の測定値の補正値に応じて補正する充電率補正ステップとを備え、
    前記電圧検出部は温度依存回路部を含み、
    前記温度依存回路部の温度特性を示す第3の特性データに基づいて、前記開放電圧測定ステップで測定された測定値を、前記二次電池の周囲温度に応じて補正する電圧測定値補正ステップとを備えることを特徴とする、電池状態検知方法。
  2. 前記充電率補正ステップで補正された充電率に基づいて、前記開放電圧測定値補正ステップと、前記充電率補正ステップを繰り返し行う、請求項1に記載の電池状態検知方法。
  3. 前記周囲温度を測定する温度測定ステップを備え、
    前記開放電圧測定値補正ステップ及び前記電圧測定値補正ステップは、前記温度測定ステップで測定された周囲温度に応じて補正する、請求項1又は2に記載の電池状態検知方法。
  4. 二次電池の状態を検知する電池状態検知装置であって、
    前記二次電池の開放電圧を測定する、温度依存回路部を含む電圧検出部と、
    前記二次電池の開放電圧と充電率との関係を示す第1の特性データ、前記二次電池の開放電圧と温度との関係を充電率毎に示す第2の特性データ、及び前記温度依存回路部の入出力温度特性データを示す第3の特性データに基づいて、前記二次電池の充電率を前記二次電池の周囲温度に応じて補正する補正手段を備えることを特徴とする、電池状態検知装置。
  5. 前記二次電池の状態を測定する状態測定手段と、
    前記状態測定手段の温度を前記二次電池の周囲温度として測定する温度測定手段とを有し、
    前記補正手段は、前記状態測定手段の状態測定結果を前記温度測定手段の温度測定結果に応じて補正する、請求項4に記載の電池状態検知装置。
  6. 前記状態測定手段と前記温度測定手段とを集積した集積回路を備える、請求項5に記載の電池状態検知装置。
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