JP4867791B2 - 位置制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、相対位置を検出する位置センサの検出信号に基づいて可動部材の移動位置を制御する位置制御装置に関するものである。
従来、位置センサを通じて検出した移動位置に基づいて可動部材の移動位置を制御する位置制御装置が実用されている(例えば特許文献1参照)。こうした位置制御装置としては、以下のようなものが知られている。
位置センサによって可動部材の基準移動位置に対する相対位置(詳しくは、基準移動位置からの移動量)が検出される。そして、それら基準移動位置および相対位置によって可動部材の絶対位置が求められ、この求めた絶対位置をもとに可動部材の移動位置が所望の位置(制御目標位置)に制御される。
こうした位置制御装置において、位置センサなどの構成部品の機能が経時変化や故障等によって低下すると、可動部材の移動位置を精度良く制御することができなくなってしまう。そのため、位置制御にかかる異常の有無を判定する異常判定を実行することが多用されている。この異常判定では、例えば絶対位置と制御目標位置とが乖離していることなどをもって、位置制御装置が異常であると判定される。
特開2003−41995号公報
上述した位置制御装置にあって、可動部材の絶対位置と制御目標位置とが乖離する状況は、構成部品の機能が低下した場合において生じることの他、例えば位置センサによって誤った位置が検出された場合など、相対位置がずれた場合においても生じる。
そのため、上述した異常判定では、絶対位置と制御目標位置とが乖離した場合に、これが位置制御装置の構成部品の機能低下よるものか、相対位置がずれたことによるものかを判別することなく、一義的に位置制御装置に異常が生じていると判断されてしまう。これは、位置制御装置において生じる各種の異常に適切に対処する上での自由度の向上を妨げる一因となっている。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、各種の異常に高い自由度をもって対処することのできる位置制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、可動部材の基準移動位置に対する相対位置を検出する位置検出手段と、前記基準移動位置および前記相対位置に基づいて前記可動部材の絶対位置を算出する算出手段と、該算出手段によって算出した絶対位置に基づいて前記可動部材の移動位置を電動式アクチュエータの作動制御を通じて制御目標位置に制御する制御手段と、前記絶対位置および前記制御目標位置の比較に基づいて前記移動位置の制御にかかる異常の有無を判定する異常判定手段とを備える位置制御装置において、前記相対位置を記憶する揮発性メモリと、前記異常判定手段によって異常有りと判定されたときにおいて前記電動式アクチュエータおよび前記揮発性メモリへの電力供給を遮断する供給遮断手段とを更に備え、前記異常判定手段によって異常有りと判定されて前記供給遮断手段により前記電力供給が遮断された後において該電力供給が再開されたことを条件に前記絶対位置を学習する絶対位置学習を実行することをその要旨とする。
上記構成では、相対位置がずれたことによって可動部材の移動位置の制御にかかる異常(制御異常)が生じている(異常有り)と判定されたときに、絶対位置学習を通じて可動部材の絶対位置が適正な位置に修正されて、制御異常が解消されるようになる。その一方で、構成部品の機能低下によって異常有りと判定されたときには、絶対値学習を実行したところで絶対位置と制御目標位置との乖離は解消されないために、制御異常も解消されない。
このように上記構成によれば、異常有りと判定されたときに、これが相対位置のずれによるものか、構成部品の機能低下によるものかを判別することができる。したがって、各種の異常に高い自由度をもって対処することができるようになる。
なお、絶対位置学習としては、可動部材の実際の移動位置と絶対位置とを一致させることの可能な基準移動位置や相対位置を学習するといった構成を採用することができる
また、位置制御装置として、不揮発性メモリに記憶された位置情報(相対位置)に基づく電動式アクチュエータの作動制御を通じて可動部材の移動位置を制御するものや、異常有りと判定された場合に不揮発性メモリや電動式アクチュエータへの電力供給を強制的に遮断するようにしたものがある。こうした位置制御装置では、異常有りと判定された場合に揮発性メモリの記憶値が一旦消失してしまうために、その後において電力供給が再開されたときに可動部材の絶対位置を精度良く求めることができず、同可動部材の移動位置を精度良く制御することができない。
この点、上記構成によれば、そうした位置制御装置における電力供給の再開時において、絶対位置を学習することによって絶対位置を精度良く算出することができるようになり、可動部材の移動位置を制御することができるようになる。
なお請求項1に記載の構成は、請求項に記載の構成によるように、機関バルブの開弁期間および最大リフト量の少なくとも一方を変更する変更機構を有する内燃機関に適用される位置制御装置であって、前記可動部材が変更機構の一部を構成するものであって、その移動位置の制御を通じて変更機構の作動状態を制御するためのものである位置制御装置に採用することができる。
また、請求項に記載の構成は、請求項に記載の構成によるように、前記可動部材の当接によって同可動部材の移動位置の変化を規制するストッパ部材を更に有する内燃機関に適用されて、ストッパ部材に当接した状態になるように可動部材の移動位置を変更し、同状態になったときの移動位置を前記絶対位置として学習するといったように絶対位置学習を実行する位置制御装置に採用することができる。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の位置制御装置において、前記内燃機関は機関トルクの推移に基づいて失火発生の有無を判定する失火判定が実行されるものであり、
前記位置制御装置は、前記絶対位置学習が実行されているときに前記失火判定の実行を禁止することをその要旨とする。
内燃機関において失火が発生すると機関トルクの変動が大きくなることに着目し、そうした機関トルクの推移に基づいて失火発生の有無を判定する失火判定を実行する内燃機関が実用されている。
ここで絶対位置学習を通じて可動部材の絶対位置を学習しているときには、可動部材がストッパ部材に当接した状態になるように同可動部材の移動位置が変更されるために、機関バルブの開弁期間や最大リフト量を機関運転状態に見合う期間や量に制御することができず、機関トルクの変動が大きくなる。そのため、このとき上述した失火判定が実行されると、絶対位置学習の実行によって機関トルクの変動が大きくなっているにもかかわらず、失火が発生していると誤って判定されてしまうおそれがある。
この点、上記構成によれば、絶対位置学習の実行中における失火判定の実行が禁止されるために、そうした誤判定を回避することができ、失火判定を通じて失火発生を高い精度で判定することができるようになる。
なお、失火判定に用いる機関トルクとしては、同機関トルクの実測値の他、機関出力軸の回転速度や機関燃焼室内の圧力などといった機関トルクの指標値を採用することができる。
請求項5に記載の発明は、可動部材の基準移動位置に対する相対位置を検出する位置検出手段と、前記基準移動位置および前記相対位置に基づいて前記可動部材の絶対位置を算出する算出手段と、該算出手段によって算出した絶対位置に基づいて前記可動部材の移動位置を制御目標位置に制御する制御手段と、前記絶対位置および前記制御目標位置の比較に基づいて前記移動位置の制御にかかる異常の有無を判定する異常判定手段とを備える位置制御装置において、当該位置制御装置は、機関バルブの開弁期間および最大リフト量の少なくとも一方を変更する変更機構を有する内燃機関に適用されるものであり、前記可動部材は、前記変更機構の一部を構成するものであって、その移動位置の制御を通じて前記変更機構の作動状態を制御するためのものであり、前記内燃機関は、前記可動部材の当接によって同可動部材の移動位置の変化を規制するストッパ部材を更に有してなるものであって、機関トルクの推移に基づいて失火発生の有無を判定する失火判定が実行されるものであり、前記異常判定手段によって異常有りと判定されたときに、前記ストッパ部材に当接した状態になるように前記可動部材の移動位置を変更し、同状態になったときの前記可動部材の移動位置を前記絶対位置として学習する絶対位置学習を実行し、前記位置制御装置は、前記絶対位置学習が実行されているときに前記失火判定の実行を禁止することをその要旨とする。
上記構成では、相対位置がずれたことによって可動部材の移動位置の制御にかかる異常(制御異常)が生じている(異常有り)と判定されたときに、絶対位置学習を通じて可動部材の絶対位置が適正な位置に修正されて、制御異常が解消されるようになる。その一方で、構成部品の機能低下によって異常有りと判定されたときには、絶対値学習を実行したところで絶対位置と制御目標位置との乖離は解消されないために、制御異常も解消されない。
このように上記構成によれば、異常有りと判定されたときに、これが相対位置のずれによるものか、構成部品の機能低下によるものかを判別することができる。したがって、各種の異常に高い自由度をもって対処することができるようになる。
なお、絶対位置学習としては、可動部材の実際の移動位置と絶対位置とを一致させることの可能な基準移動位置や相対位置を学習するといった構成を採用することができる。
また、内燃機関において失火が発生すると機関トルクの変動が大きくなることに着目し、そうした機関トルクの推移に基づいて失火発生の有無を判定する失火判定を実行する内燃機関が実用されている。
ここで、ストッパ部材に当接した状態での可動部材の移動位置を絶対位置として学習することをもって絶対位置学習を実行する場合は、その絶対位置学習を行う際に、可動部材がストッパ部材に当接した状態になるように同可動部材の移動位置が変更されるために、機関バルブの開弁期間や最大リフト量を機関運転状態に見合う期間や量に制御することができず、機関トルクの変動が大きくなる。そのため、このとき上述した失火判定が実行されると、絶対位置学習の実行によって機関トルクの変動が大きくなっているにもかかわらず、失火が発生していると誤って判定されてしまうおそれがある。
この点、上記構成によれば、絶対位置学習の実行中における失火判定の実行が禁止されるために、そうした誤判定を回避することができ、失火判定を通じて失火発生を高い精度で判定することができるようになる。
なお、失火判定に用いる機関トルクとしては、同機関トルクの実測値の他、機関出力軸の回転速度や機関燃焼室内の圧力などといった機関トルクの指標値を採用することができる。
請求項に記載の発明は、請求項3〜5のいずれか一項に記載の位置制御装置において、前記内燃機関は、その排気通路に設けられた排気浄化触媒と同排気浄化触媒の触媒床温を検出する床温検出手段とを有してなるものであって、該床温検出手段により検出される触媒床温と機関運転状態から推定される触媒床温との比較に基づいて前記排気浄化触媒の劣化の有無を判定する触媒劣化判定が実行されるものであり、前記位置制御装置は、前記絶対位置学習が実行されているときに前記触媒劣化判定の実行を禁止することをその要旨とする。
内燃機関の排気通路に設けられた排気浄化触媒が劣化すると、その分だけ触媒反応が鈍くなって触媒床温が低くなる。この点に着目し、触媒床温についての検出値と機関運転状態に基づく推定値とを比較することによって、排気浄化触媒の劣化の有無を判定する触媒劣化判定を実行する内燃機関が実用されている。
ここで前述したように、絶対位置学習を通じて可動部材の絶対位置を学習しているときには、機関バルブの開弁期間や最大リフト量を機関運転状態に見合う期間や量に制御することができない。そのため、このときの機関運転状態と排気温度や排気流量との関係が上記学習が実行されていないときの関係と異なる関係になり、このとき求められる触媒床温の推定値も上記学習が実行されていないときとは異なる値になる。したがって、このとき上述した触媒劣化判定が実行されると、絶対位置学習の実行によって触媒床温の検出値と推定値との関係が異常になっているにもかかわらず、排気浄化触媒が劣化していると誤って判定されてしまうおそれがある。
この点、上記構成によれば、絶対位置学習の実行中における触媒劣化判定の実行が禁止されるために、そうした誤判定を回避することができ、触媒劣化判定を通じて排気浄化触媒の劣化を高い精度で判定することができるようになる。
請求項7に記載の発明は、可動部材の基準移動位置に対する相対位置を検出する位置検出手段と、前記基準移動位置および前記相対位置に基づいて前記可動部材の絶対位置を算出する算出手段と、該算出手段によって算出した絶対位置に基づいて前記可動部材の移動位置を制御目標位置に制御する制御手段と、前記絶対位置および前記制御目標位置の比較に基づいて前記移動位置の制御にかかる異常の有無を判定する異常判定手段とを備える位置制御装置において、当該位置制御装置は、機関バルブの開弁期間および最大リフト量の少なくとも一方を変更する変更機構を有する内燃機関に適用されるものであり、前記可動部材は、前記変更機構の一部を構成するものであって、その移動位置の制御を通じて前記変更機構の作動状態を制御するためのものであり、前記内燃機関は、前記可動部材の当接によって同可動部材の移動位置の変化を規制するストッパ部材と、排気通路に設けられた排気浄化触媒と、同排気浄化触媒の触媒床温を検出する床温検出手段とを更に有してなるものであって、該床温検出手段により検出される触媒床温と機関運転状態から推定される触媒床温との比較に基づいて前記排気浄化触媒の劣化の有無を判定する触媒劣化判定が実行されるものであり、前記異常判定手段によって異常有りと判定されたときに、前記ストッパ部材に当接した状態になるように前記可動部材の移動位置を変更し、同状態になったときの前記可動部材の移動位置を前記絶対位置として学習する絶対位置学習を実行し、前記位置制御装置は、前記絶対位置学習が実行されているときに前記触媒劣化判定の実行を禁止することをその要旨とする。
上記構成では、相対位置がずれたことによって可動部材の移動位置の制御にかかる異常(制御異常)が生じている(異常有り)と判定されたときに、絶対位置学習を通じて可動部材の絶対位置が適正な位置に修正されて、制御異常が解消されるようになる。その一方で、構成部品の機能低下によって異常有りと判定されたときには、絶対値学習を実行したところで絶対位置と制御目標位置との乖離は解消されないために、制御異常も解消されない。
このように上記構成によれば、異常有りと判定されたときに、これが相対位置のずれによるものか、構成部品の機能低下によるものかを判別することができる。したがって、各種の異常に高い自由度をもって対処することができるようになる。
なお、絶対位置学習としては、可動部材の実際の移動位置と絶対位置とを一致させることの可能な基準移動位置や相対位置を学習するといった構成を採用することができる。
また、内燃機関の排気通路に設けられた排気浄化触媒が劣化すると、その分だけ触媒反応が鈍くなって触媒床温が低くなる。この点に着目し、触媒床温についての検出値と機関運転状態に基づく推定値とを比較することによって、排気浄化触媒の劣化の有無を判定する触媒劣化判定を実行する内燃機関が実用されている。
ここで、ストッパ部材に当接した状態での可動部材の移動位置を絶対位置として学習することをもって絶対位置学習を実行する場合は、その絶対位置学習を行う際に、可動部材がストッパ部材に当接した状態になるように同可動部材の移動位置が変更されるために、機関バルブの開弁期間や最大リフト量を機関運転状態に見合う期間や量に制御することができず、機関トルクの変動が大きくなる。そのため、このときの機関運転状態と排気温度や排気流量との関係が上記学習が実行されていないときの関係と異なる関係になり、このとき求められる触媒床温の推定値も上記学習が実行されていないときとは異なる値になる。したがって、このとき上述した触媒劣化判定が実行されると、絶対位置学習の実行によって触媒床温の検出値と推定値との関係が異常になっているにもかかわらず、排気浄化触媒が劣化していると誤って判定されてしまうおそれがある。
この点、上記構成によれば、絶対位置学習の実行中における触媒劣化判定の実行が禁止されるために、そうした誤判定を回避することができ、触媒劣化判定を通じて排気浄化触媒の劣化を高い精度で判定することができるようになる。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の位置制御装置において、前記絶対位置学習の実行が完了したことを条件に、前記異常判定手段による前記異常の有無の判定を実行することをその要旨とする。
上記構成では、相対位置のずれによって異常有りと判定された場合、絶対位置学習の実行後の判定において制御異常が生じていないと判定されるようになる。一方、構成部品の機能低下によって異常有りと判定された場合、絶対位置学習の実行後の判定において再度異常有りと判定されるようになる。このように上記構成によれば、異常有りの判定が、相対位置のずれによるものか、構成部品の機能低下によるものかを好適に判別することができるようになる。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の位置制御装置において、前記絶対位置学習の実行が完了したことを条件に、前記絶対位置と前記制御目標位置との比較に基づいて前記移動位置の制御が正常に実行されているか否かを判定する正常判定手段を更に備えることをその要旨とする。
上記構成では、異常有りと一旦判定されたときに、これが相対位置のずれによるものである場合にはその後の判定において正常状態に復帰したと判定されるようになり、構成部品の機能低下によるものである場合にはその後の判定において正常状態に復帰していない、すなわち異常有りと判定されるようになる。このように上記構成によれば、異常有りの判定が、相対位置のずれによるものか、構成部品の機能低下によるものかを好適に判別することができるようになる。しかも、異常有りと一旦判定された後に絶対位置学習を通じて正常状態に復帰した場合には、これを判別することもできる。
以下、本発明にかかる位置制御装置を具体化した一実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態にかかる位置制御装置が適用される内燃機関の概略構成を示している。
同図1に示すように、内燃機関11の気筒(シリンダ)12にはピストン13が往復動可能に収容されている。内燃機関11の燃焼室14には、スロットルバルブ15、サージタンク16、吸気マニホールド17等を有する吸気通路18が接続されている。内燃機関11の外部の空気は、吸気通路18の各部を順に通過して燃焼室14に吸入される。
スロットルバルブ15は吸気通路18の途中に回動可能に設けられており、電動機等からなるアクチュエータ19によって駆動される。アクチュエータ19は、アクセルペダル21の踏み込み操作等に応じて作動して、スロットルバルブ15を回動させる。吸気通路18を流れる空気の量(吸入空気量GA)は、スロットルバルブ15の回動角度(スロットル開度TA)や後述する吸気バルブ25の開弁期間(作用角VL)等に応じて変化する。
また、燃焼室14には、排気マニホールド22、触媒コンバータ23等を有する排気通路24が接続されている。燃焼室14で生じた燃焼ガスは、排気通路24の各部を順に通って内燃機関11の外部へ排出される。
内燃機関11には、燃焼室14の上記吸気通路18に対する開口部を開閉する吸気バルブ25と、燃焼室14の上記排気通路24に対する開口部を開閉する排気バルブ26とが設けられている。これら吸気バルブ25および排気バルブ26は共に、バルブスプリング27によって上記開口部を閉じる方向(閉弁方向)に常時付勢されている。
内燃機関11には吸気バルブ25に対応して吸気カムシャフト28が設けられ、また排気バルブ26に対応して排気カムシャフト29が設けられている。これら吸気カムシャフト28および排気カムシャフト29には、内燃機関11のクランクシャフト31の回転が伝達される。この伝達により吸気カムシャフト28および排気カムシャフト29が回転し、バルブスプリング27に抗して吸気バルブ25および排気バルブ26が押し開かれる。そして、吸気バルブ25が押し開かれることによって燃焼室14の上記吸気通路18に対する開口部が開放され、また排気バルブ26が押し開かれることによって燃焼室14の上記排気通路24に対する開口部が開放される。
内燃機関11には電磁駆動式の燃料噴射弁32が取り付けられている。この燃料噴射弁32は通電により開弁し、燃焼室14内に高圧燃料を噴射供給する。燃料噴射弁32から噴射された燃料は、燃焼室14内に吸入された空気と混ざり合って混合気となる。
内燃機関11には、点火プラグ33が取り付けられている。点火プラグ33は、イグナイタ34からの点火信号に基づいて作動する。点火プラグ33には、点火コイル35から出力される高電圧が印加される。そして、前記混合気は点火プラグ33の火花放電によって着火され、燃焼する。
このときに生じた高温高圧の燃焼ガスによりピストン13が往復動される。ピストン13の往復運動は、コネクティングロッド36によって回転運動に変換された後、クランクシャフト31に伝達される。この伝達によりクランクシャフト31が回転されて、内燃機関11の駆動力(出力トルク)が得られる。燃焼によって生じたガス(排気)は、排気バルブ26の開弁にともない排気通路24に排出される。
内燃機関11にはバルブタイミング変更機構37が設けられている。このバルブタイミング変更機構37は、クランク角(クランクシャフト31の回転角)に対する吸気バルブ25のバルブタイミングVTを変更するためのものであり、具体的には、クランクシャフト31に対する吸気カムシャフト28の相対回転位相を変化させる。
吸気バルブ25のバルブタイミングは、例えば、図2に示すように開弁時期IVOおよび閉弁時期IVCで表すことができる。このバルブタイミングVTは、吸気バルブ25の開弁期間(開弁時期IVOから閉弁時期IVCまでの期間)が一定に保持された状態で進角又は遅角させられる。ちなみに、図2中のEVO,EVCは排気バルブ26の開弁時期および閉弁時期EVCである。
また、図1に示すように、内燃機関11には作用角変更機構38が設けられている。作用角変更機構38は、吸気バルブ25の作用角VLを変更するためのものである。なお図3に示すように、上記作用角VLは、吸気カムシャフト28の回転角(図3ではクランク角で表現)における吸気バルブ25の開弁期間(開弁時期IVOから閉弁時期IVCまでの角度範囲)である。
本実施の形態では、作用角変更機構38により、吸気バルブ25の最大リフト量も連続的に変更される。なお最大リフト量は、吸気カムシャフト28によって吸気バルブ25が押し開かれている期間(開弁期間)において同吸気バルブ25の閉弁位置からの移動量(リフト量)が最大になったときの同移動量である。
このように本実施の形態では、作用角変更機構38によって、吸気バルブ25の作用角VLおよび最大リフト量が互いに同期して変化させられ、例えば作用角VLが小さくなるほど最大リフト量も小さくなる。そして、作用角VLが小さくなるのに従って、吸気バルブ25の開弁時期IVOと閉弁時期IVCとが互いに近寄って開弁期間が短くなり、気筒12に吸入される空気の量が少なくなる。
図1に示すように、作用角変更機構38による作用角VLの調節制御は、1本のシャフト(コントロールシャフト40)を軸方向へ移動させることにより行われる。コントロールシャフト40は、回転−直線運動変換機構42を介して電動式アクチュエータとしての電動機43に連結されている。なお上記回転−直線運動変換機構42は、電動機43の回転を直線運動に変換してコントロールシャフト40に伝達する機構である。
そして、電動機43が回転してコントロールシャフト40が軸方向へ移動されることで作用角変更機構38の作動状態が変更されて、吸気バルブ25の作用角VLが連続的に変化させられる。コントロールシャフト40が一方向(例えば図1の左方向)に移動した場合には作用角VLが小さくなって吸入空気量GAが少なくなり、これとは逆に、コントロールシャフト40が他方向(図1の右方向)に移動した場合には作用角VLが大きくなって吸入空気量GAが多くなる。
なお、内燃機関11には上記作用角変更機構38の可動部材(本実施の形態ではコントロールシャフト40)との当接によって同作用角変更機構38の可動範囲を規制するストッパ部材41が設けられており、作用角変更機構38はこの可動範囲内で作動して吸気バルブ25の作用角VLを変化させる。この可動範囲においてコントロールシャフト40とストッパ部材41とが当接するようになる可動限界位置のうち、作用角VLが小さい側の可動限界位置を「Lo端」と表現し、作用角VLが大きい側の可動限界位置を「Hi端」と表現する。作用角変更機構38は、「Lo端」よりも作用角VLを小さくする側へは作動できず、「Hi端」よりも作用角VLを大きくする側へは作動できない。なお、上記ストッパ部材41による作用角変更機構38の可動範囲の規制に際しては、コントロールシャフト40のストロークが規制されるのに加えて、電動機43の回転量も規制される。
内燃機関11およびその周辺には、各種センサ類が取り付けられている。これらセンサ類としては、例えばクランクシャフト31の回転角度(クランク角)および回転速度(機関回転速度NE)を検出するためのクランク角センサ45や、吸入空気量GAを検出するためのエアフロメータ46、スロットル開度TAを検出するためのスロットルセンサ47が設けられている。また、アクセルペダル21の踏み込み量(アクセル踏み込み量ACC)を検出するためのアクセルセンサ48や、吸気バルブ25の作用角VL(詳しくは、作用角変更機構38の動作位置)を検出するための作用角センサ49が設けられている。さらに、吸気バルブ25のバルブタイミングVT(詳しくは、バルブタイミング変更機構37の動作位置)を検出するための位置センサ50や、排気通路24における触媒コンバータ23より下流側を通過する排気の温度(排気温度Te)を検出するための温度センサ51が設けられている。その他、イグニッションスイッチ52等も設けられている。なお、イグニッションスイッチ52は、そのオン操作によって内燃機関11の運転が開始される一方、オフ操作によって内燃機関11の運転が停止されるものである。
内燃機関11は、例えばマイクロコンピュータや揮発性メモリ(RAM)、不揮発性メモリ(EEPROM)などを有して構成される電子制御装置55を備えている。この電子制御装置55は、各種センサ類の検出信号を取り込むとともに各種の演算を行い、その演算結果に基づいて各種制御を実行する。なお電子制御装置55には、電力供給スイッチ53を介して、電力供給源である蓄電池54が接続されている。そして、通常時には電力供給スイッチ53がオン操作されて電子制御装置55への電力供給が許容される一方、後述する作用角異常判定において異常有りと判定されたときには電力供給スイッチ53がオフ操作されることによって電子制御装置55への電力供給が遮断されるようになっている。なお本実施の形態では、電子制御装置55が、可動部材の絶対位置を算出する算出手段、および可動部材の移動位置を制御目標位置に制御する制御手段として機能する。
本実施の形態では、燃焼室14内に吸入される空気量の調節をスロットル開度TAの調整によって行うことに加えて、吸気バルブ25の作用角VLを変更することによっても行うことができる。そのため、同一の空気量を様々なスロットル開度TAおよび作用角VLの組み合わせで実現することが可能である。例えば、吸気バルブ25の作用角VLを大きくするときにはスロットル開度TAを相対的に小さくし、逆に作用角VLを小さくするときにはスロットル開度TAを相対的に大きくすることで上記空気量を一定に保持することが可能である。
そうした空気量の調節は具体的には、以下のように実行される。
すなわち先ず、アクセル踏み込み量ACCおよび機関回転速度NEに基づいてマップから、空気量についての制御目標値(要求吸入空気量Tga)が算出される。なお上記マップには、アクセル踏み込み量ACCおよび機関回転速度NEによって定まる機関運転状態と同状態に見合う空気量との関係が実験結果などを通じて予め求められ、設定されている。
その後、要求吸入空気量Tgaおよび機関回転速度NEに基づく各別のマップ演算を通じて、スロットル開度TAについての制御目標値(目標スロットル開度Tta)、作用角VLについての制御目標値(目標作用角Tvl)、およびバルブタイミングVTについての制御目標値(目標バルブタイミングTvt)がそれぞれ算出される。それらのマップ演算に用いられるマップにはそれぞれ、要求吸入空気量Tgaおよび機関回転速度NEにより定まる機関運転状態と同状態に適した制御目標値との関係が実験結果などを通じて予め求められ、設定されている。
そして、目標スロットル開度Ttaと実際のスロットル開度TAとが一致するようにアクチュエータ19の駆動制御(スロットル制御)が実行される。また、目標作用角Tvlと実際の作用角VLとが一致するように電動機43の駆動制御(作用角制御)が実行される。さらに、目標バルブタイミングTvtと実際のバルブタイミングVTとが一致するようにバルブタイミング変更機構37の作動制御(バルブタイミング制御)が実行される。
一方、本実施の形態では、燃料噴射弁32の駆動制御(燃料噴射制御)を通じて、同燃料噴射弁32から噴射供給される燃料量(燃料噴射量Q)が調節される。この燃料噴射制御は具体的には、以下のように実行される。
すなわち先ず、燃焼室14内に吸入される空気量の推定値(推定空気量Vga)として、このときの実際の機関パラメータに見合う空気量が算出される。なお本実施の形態では、スロットルバルブ15、サージタンク16、吸気マニホールド17、吸気バルブ25等からなる機関吸気系をモデル化した物理モデル(吸気モデル)が構築されており、同吸気モデルを通じて上記推定空気量Vgaが算出される。詳しくは、吸入空気量GA、機関回転速度NE、スロットル開度TA、作用角、並びにバルブタイミングVTを変数とするモデル式が予め定められ、同モデル式を通じて推定空気量Vgaが算出される。その後、上記推定空気量Vgaに基づいて混合気の空燃比が所定の比率(例えば、14.5)になる燃料噴射量Qが目標燃料噴射量Tqとして算出される。
そして、目標燃料噴射量Tqに対応する時間にわたって燃料噴射弁32に通電され、その通電により燃料噴射弁32が開弁されて、目標燃料噴射量Tqと同量の燃料が燃料噴射弁32から噴射される。
ここで、吸気バルブ25の作用角VLは以下のように算出される。
本実施の形態では、吸気バルブ25の実際の作用角の指標値として、作用角変更機構38のコントロールシャフト40の絶対位置に対応する値が電動機43の回転角から求められる。そして、その求められた値が吸気バルブ25の作用角VLに相当する値として用いられる。
具体的には、コントロールシャフト40の基準移動位置に対応する値(基準値)を「Pb」、前記作用角センサ49の検出信号の変化に応じて計数されるカウント値を「P」、コントロールシャフト40の絶対位置に対応するカウント値を「S」とすると、同カウント値S(作用角VLに相当する値)が関係式「S=Pb+P」から算出される。
詳しくは、上記基準値Pbは、内燃機関11の運転停止に際して電動機43の作動が停止したときのコントロールシャフト40の移動位置に対応する値(具体的には、このときのカウント値S)であり、電子制御装置55のEEPROMに記憶されている。
また上記カウント値Pは、コントロールシャフト40の基準移動位置に対する相対位置(基準移動位置からの移動量)に相当する値であり、以下のように算出されて電子制御装置55のRAMに記憶されている。
上記作用角センサ49は、電動機43の相対的な移動量(回転角)を検出する一対の相対位置センサを有している。図4に示すように、それら相対位置センサは共に、電動機43が一定角度回転する毎にパルス状の回転角信号SG1,SG2を出力する。また一方の相対位置センサはその回転角信号SG1(同図(a))として、他方の相対位置センサの回転角信号SG2(同図(b))に対して所定角度だけ回転位相のずれた値を出力する。
上記カウント値P(図4(c)参照)は、図5に示すように、両回転角信号SG1,SG2のいずれかが「L」から「H」に立ち上がるとき(「↑」にて表記)、または「H」から「L」に立ち下がるとき(「↓」にて表記)にカウント動作する。このカウント動作には、カウント値Pのインクリメント(「+」にて表記)と、同カウント値Pのデクリメント(「−」にて表記)とがある。
カウンタがカウント動作する状況としては、図5に示す8通りの状況がある。そして、これら状況のうち下記の(A),(D),(F),(G)の状況においてはカウント値Pがインクリメントされる。
(A)回転角信号SG1が「H」のときに回転角信号SG2が立ち上がったとき。
(D)回転角信号SG1が「L」のときに回転角信号SG2が立ち下がったとき。
(F)回転角信号SG2が「H」のときに回転角信号SG1が立ち下がったとき。
(G)回転角信号SG2が「L」のときに回転角信号SG1が立ち上がったとき。
また、下記の(B),(C),(E),(J)の状況においてはカウント値Pがデクリメントされる。
(B)回転角信号SG1が「H」のときに回転角信号SG2が立ち下がったとき。
(C)回転角信号SG1が「L」のときに回転角信号SG2が立ち上がったとき。
(E)回転角信号SG2が「H」のときに回転角信号SG1が立ち上がったとき。
(J)回転角信号SG2が「L」のときに回転角信号SG1が立ち下がったとき。
ところで、上記カウント値Pはノイズの影響等によって不要に変化することがあり、そうしたカウント値Pがそのまま作用角VLの算出に用いられると、算出される作用角VLと実際の作用角とが一致しなくなる。特に、上記カウント値Pと実際の相対位置に相当する値とが大きく異なる値になった場合には、実際の作用角と大きく異なる角度が作用角VLとして検出されるようになってしまう。
ここで、コントロールシャフト40の移動位置の変化速度には作用角変更機構38の構造や電動機43の性能などによって定まる限界速度があることから、上記カウント値Pの変化速度にも同様に限界速度がある。そのため、そうした限界速度を超えてカウント値Pが変化した場合には、これが上述したカウント値Pの不要な変化によるものであると云える。
この点をふまえて本実施の形態では、上記カウント値Pを求める際に、その変化速度が上記限界速度を超えないように、上限ガード処理を実行するようにしている。
図6に、カウント値Pが不要に変化した場合における作用角VLの推移の一例を示す。なお、この図6にあって、線L1は本実施の形態における作用角VLの推移の一例を示しており、線L2はカウント値Pについてのガード処理を実行しない比較例の装置における作用角VLの推移の一例を示している。
図6の線L2に示すように、カウント値Pについてのガード処理を実行しない比較例の装置では、カウント値Pが不要に変化すると(時刻t1)、これに伴って作用角VLが大きく変化し、実際の作用角と大きく異なる角度が作用角VLとして算出されるようになってしまう。
これに対して、図6の線L1に示すように、本実施の形態にかかる装置では、カウント値Pが不要に変化した場合に(時刻t1)、これに伴う作用角VLの変化が小さく抑えられるようになる。そのため、そうしたカウント値Pの不要な変化による影響が残るものの、その影響が小さく抑えられるようになる。
また本実施の形態では、そうしたカウント値Pの不要な変化による影響の解消を図るために、吸気バルブ25の作用角VLを学習するための制御(作用角学習)が定期的に実行される。本実施の形態では、この作用角学習が、可動部材の絶対位置を学習する絶対位置学習として機能する。
この作用角学習では先ず、所定の学習条件が成立していることを条件に、作用角変更機構38のコントロールシャフト40の移動位置が確実に前記Hi端になるように、同コントロールシャフト40をストッパ部材41に突き当てる制御(突き当て制御)が実行される。具体的には、吸気バルブ25の作用角VLが徐々に大きくなるように作用角制御が実行される。また、これに併せて作用角VLの増大に伴う空気量の増加分と同量の空気を減少させるべく、スロットル開度TAが徐々に小さくなるようにスロットル制御が実行される。
その後、作用角VLの変化速度が「0」となり、その状態が所定時間にわたって継続されると、同作用角VLが学習される。具体的には、このとき前記関係式「S=P+Pb」におけるカウント値SがHi端に対応する値になるように、カウント値Pが変更される。その後、作用角VLおよびスロットル開度TAを内燃機関11の運転状態に見合う状態に復帰させる制御が実行されて、作用角学習は終了される。
こうした作用角学習を実行することにより、カウント値Pの不要な変化に起因する吸気バルブ25の作用角VLと実際の作用角との不一致が解消される。
また電子制御装置55は、内燃機関11の失火発生の有無を判定する失火判定や、触媒コンバータ23(詳しくは、その内部に設けられた排気浄化触媒)の劣化の有無を判定する触媒劣化判定、作用角制御にかかる異常の発生の有無を判定する作用角異常判定など、各種の異常判定を実行する。以下、それら異常判定の詳細について順に説明する。
ここでは先ず、失火判定について説明する。
失火判定では、各気筒の燃焼行程において、その圧縮上死点を始点としてクランクシャフト31が30°CA回転するのに要する時間Tが検出される。また、この時間Tと前回検出された上記時間(Ti)との差(=T−Ti)が回転変動量ΔTとして算出される。そして、この回転変動量ΔTが所定の閾値を超えたことをもって、失火が発生していると判定される。
失火が発生していないときには、上記回転変動量ΔTとして、「0」近傍の値が算出される。一方、失火が発生すると、上記回転変動量ΔTとして、比較的大きな値が検出されるようになる。このように失火発生時における回転変動量ΔTと失火が発生していないときの回転変動量ΔTとが大きく異なる値になるために、上記閾値によって、失火発生に伴う回転変動量ΔTの増大を判別することが可能である。
なお本実施の形態では、前述した作用角学習が実行されているときには、そうした失火判定の実行が禁止される。これは以下の理由による。
作用角学習が実行されているときには、作用角変更機構38のコントロールシャフト40がストッパ部材41に当接した状態になるように同コントロールシャフト40の移動位置が変更されるため、吸気バルブ25の開弁期間や最大リフト量を機関運転状態に見合う期間や量に制御することができない。そのため、各気筒における混合気の燃焼状態が不安定になり易く、機関トルクの変動、ひいては回転変動量ΔTが大きくなり易い。したがって、このとき上述した失火判定が実行されると、作用角学習の実行によって回転変動量ΔTが大きくなっているにもかかわらず、失火が発生していると誤って判定されてしまうおそれがある。
本実施の形態では、作用角学習の実行中における失火判定の実行を禁止することにより、そうした誤判定が回避されるようになって、失火判定を通じて失火発生が高い精度で判定されるようになる。
次に、触媒劣化判定について説明する。
この判定では、触媒コンバータ23が劣化するとその分だけ触媒反応が鈍くなって触媒床温が低くなることに着目し、触媒床温についての検出値(具体的には、その指標値である排気温度Te)と機関運転状態に基づく推定値(推定触媒床温TTe)とを比較することによって、触媒コンバータ23の劣化の有無を判定するようにしている。
具体的には、機関運転状態(吸入空気量GA、燃料噴射量Q)に基づいて上記推定触媒床温TTeが求められる。詳しくは、機関運転状態に基づいてそのときどきにおける触媒コンバータ23の排気からの受熱量(あるいは排気への排熱量)を算出するとともに推定触媒床温TTeの前回値に受熱量を加算(あるいは前回値から排熱量を減算)するといったように、推定触媒床温TTeが逐次更新されている。そして、この推定触媒床温TTeと排気温度Teとの差(=TTe−Te)が所定の閾値より小さくなったことをもって、触媒コンバータ23に劣化異常が発生していると判定される。
なお本実施の形態では、前述した作用角学習が実行されているときには、そうした触媒劣化判定の実行が禁止される。これは以下の理由による。
前述したように、作用角学習が実行されているときには、吸気バルブ25の開弁期間や最大リフト量を機関運転状態に見合う期間や量に制御することができない。そのため、このときの機関運転状態と排気温度や排気流量との関係が通常の運転状態であるときの関係と異なる関係になり、機関運転状態に基づいて求められる推定触媒床温TTeも通常の運転状態であるときとは異なる値になる。したがって、このとき上述した触媒劣化判定が実行されると、作用角学習の実行によって推定触媒床温TTeと排気温度Teとの差が小さくなっているにもかかわらず、触媒コンバータ23に劣化異常が発生していると誤って判定されてしまうおそれがある。
本実施の形態では、作用角学習の実行中における触媒劣化判定の実行を禁止することにより、そうした誤判定が回避されるようになって、触媒劣化判定を通じて触媒コンバータ23の劣化が高い精度で判定されるようになる。
次に、作用角異常判定について説明する。
この判定では、吸気バルブ25の作用角VLと目標作用角Tvlとの差が所定の閾値以上である状態が所定期間継続しているときに、作用角制御にかかる異常(制御異常)が発生していると判定される。
本実施の形態にかかる位置制御装置では、例えば作用角センサ49が劣化したり故障したりした場合や作用角変更機構38が円滑に動作しなくなった場合など、構成部品の機能が低下した場合に、実際の作用角と目標作用角Tvlとを一致させることができなくなることがある。作用角異常判定では、そうした作用角制御にかかる異常の発生の有無が判定される。なお本実施の形態では、この作用角異常判定が異常判定手段として機能する。
そして本実施の形態では、そうした制御異常が発生していると判定されたときに、同制御異常に対するフェイルセーフ処理として、電動機43および電子制御装置55への電力供給が強制的に遮断されて内燃機関11の運転が停止される。
ところで、このとき電子制御装置55のRAMへの電力供給も停止されるために、RAMに記憶されているカウント値Pが消失してしまう。このカウント値Pは、その後のイグニッションスイッチ52の操作による内燃機関11の運転再開によって電動機43や電子制御装置55への電力供給が開始されたときにおいて上述した態様での計数が開始されるとはいえ、計数開始時におけるカウント値Pは初期値(例えば「0」)にリセットされた状態になっている。そのため、その後において吸気バルブ25の作用角VLとして正確な位置を算出することができず、作用角制御を精度良く実行することができない。
また、吸気バルブ25の作用角VLと目標作用角Tvlとが乖離する状況は、構成部品の機能が低下した場合において生じることの他、例えばカウント値Pとして誤った値が記憶された場合など、同カウント値Pがずれた場合においても生じる。
そのため、上述した作用角異常判定では、吸気バルブ25の作用角VLと目標作用角Tvlとが乖離した場合に、これが構成部品の機能低下よるものか、カウント値Pがずれたことによるものかを判別することなく、一義的に作用角制御にかかる異常が生じていると判断されてしまう。これは、位置制御装置において生じる各種の異常に適切に対処する上での自由度の向上を妨げる一因となっている。
そこで本実施の形態では、作用角制御にかかる異常が発生している(異常有り)との判定に伴って電力供給が遮断されたときに、その後において電力供給が再開された際に、作用角学習を実行するようにしている。
以下、そうした一連の処理の具体的な実行手順について、図7に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
図7に示すように、この処理では先ず、異常フラグがオン操作されているか否かが判断される(ステップS101)。この異常フラグは、作用角異常判定(ステップS103)において異常有りと判定されたとき(ステップS104:YES)にオン操作され(ステップS105)、同作用角異常判定において異常有りと判定されないとき(ステップS104:NO)にオフ操作される(ステップS108)。
異常フラグがオフ操作されているとき(ステップS101:NO)、すなわち作用角異常判定において異常有りと判定されていないときには、所定の実行条件が成立していることを条件に(ステップS102:YES)、作用角異常判定が実行される(ステップS103)。なお、このときの実行条件としては、「内燃機関11の運転状態が吸入空気量GAを多く必要とする運転状態であること」などを含む条件が設定されている。
そして、作用角異常判定において異常有りと判定されたときには(ステップS104:YES)、異常フラグがオン操作されるとともに(ステップS105)、学習実行要求フラグがオン操作された後(ステップS106)、本処理は一旦終了される。ちなみに、ここでは構成部品の機能が低下した場合とカウント値Pがずれた場合とのいずれの場合にあっても異常有りと判定される。
また、こうした処理の後、本処理とは別の処理である前述したフェイルセーフ処理が実行され、電力供給スイッチ53がオフ操作されて電動機43や電子制御装置55への電力供給が強制的に遮断される。なお上記学習実行要求フラグは、そうした電力供給の強制遮断の後において同電力供給が開始された際に、前述した作用角学習を実行させるためのフラグである。イグニッションスイッチ52がオン操作されて電力供給が開始される際に学習実行要求フラグがオン操作されている場合には、作用角学習が速やかに実行される。
その後においてイグニッションスイッチ52がオン操作されて電力供給が開始された際に、異常フラグがオン操作されている場合には(ステップS101:YES)、所定の実行条件が成立していることを条件に(ステップS107:YES)、作用角異常判定が実行される(ステップS103)。なお、このときの実行条件としては、「蓄電池54の電圧が所定電圧以上であること」や「作用角学習における作用角VLの学習が完了していること」などを含む条件が設定されている。
そして、作用角異常判定において異常有りと判定されたときには(ステップS104:YES)、異常フラグおよび学習実行要求フラグが共にオン操作された状態が維持されて(ステップS105,S106)、本処理は一旦終了される。すなわち、作用角学習を実行しても作用角制御にかかる異常が解消されなかったことから、カウント値Pがずれたことによって異常有りと判定されたのではなく、構成部品の機能低下によって異常有りと判定された可能性が高いとして、異常有りとの判定が維持される。そしてこの場合にも、フェイルセーフ処理が実行されて電動機43や電子制御装置55への電力供給が強制的に遮断される。
一方、電力供給の再開後における作用角学習によって異常有りと判定されなくなったときには(ステップS104:NO)、異常フラグがオフ操作されるとともに(ステップS108)、学習実行要求フラグがオフ操作された後(ステップS109)、本処理は一旦終了される。すなわち、作用角学習の実行を通じて作用角制御にかかる異常が解消されたことから、構成部品の機能低下によって異常有りと判定されたのではなく、カウント値Pがずれたことによって異常有りと判定された可能性が高いとして、異常有りとの判定がリセットされる。この場合には、フェイルセーフ処理が実行されず、電動機43や電子制御装置55への電力供給が継続される。そして、その後において吸気バルブ25の作用角VLが精度良く算出され、同作用角VLに基づいて作用角変更機構38のコントロールシャフト40の移動位置が適正に制御されるようになる。
なお、異常フラグの操作状態によることなく上記実行条件が成立しない場合には(ステップS102:NO、またはS107:NO)、作用角異常判定とその判定結果に基づく一連の処理(ステップS103〜S106,S108,S109)を実行することなく本処理は一旦終了される。
本実施の形態では、カウント値Pがずれたことによって制御異常が生じていると判定されたときに、作用角学習を通じて吸気バルブ25の作用角VLが適正な位置に修正されて、制御異常が解消されるようになる。その一方で、構成部品の機能低下によって制御異常が生じていると判定されたときには、作用角学習を実行したところで吸気バルブ25の作用角VLと目標作用角Tvlとの乖離は解消されないために、制御異常も解消されない。
このように本実施の形態にかかる位置制御装置によれば、制御異常が発生していると判定されたときに、これがカウント値Pのずれによるものか、構成部品の機能低下によるものかを判別することができる。したがって、各種の異常に高い自由度をもって対処することができるようになる。
特に、本実施の形態では、電力供給の再開後において作用角学習の実行が完了したことを条件に、作用角異常判定を実行するようにしている。そのため、カウント値Pのずれによって異常有りと判定された場合、作用角学習の実行後の作用角異常判定において異常無しと判定されるようになる。一方、構成部品の機能低下によって異常有りと判定された場合、作用角学習の実行後の作用角異常判定において再度異常有りと判定されるようになる。このように本実施の形態にかかる位置制御装置によれば、制御異常が発生しているとの判定が、カウント値Pのずれによるものか、構成部品の機能低下によるものかを好適に判別することができるようになる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)作用角異常判定によって異常有りと判定されたときに作用角学習を実行するようにした。そのため、異常有りと判定されたときに、これがカウント値Pのずれによるものか、構成部品の機能低下によるものかを判別することができ、各種の異常に高い自由度をもって対処することができるようになる。
(2)フェイルセーフ処理として電力供給が遮断された後において同電力供給が再開されたことを条件に、作用角学習を実行するようにした。そのため、電力供給の再開時において、吸気バルブ25の作用角VLを学習して同作用角VLを精度良く算出することができるようになり、作用角変更機構38のコントロールシャフト40の移動位置を制御することができるようになる。
(3)電力供給の再開後において作用角学習の実行が完了したことを条件に、作用角異常判定を実行するようにした。そのため、電力供給の遮断前の作用角異常判定による異常有りとの判定が、カウント値Pのずれによるものか、構成部品の機能低下によるものかを好適に判別することができるようになる。
(4)作用角学習が実行されているときに失火判定の実行を禁止するようにしたために、作用角学習の実行に起因する誤判定を回避することができ、失火判定を通じて失火発生を高い精度で判定することができるようになる。
(5)作用角学習が実行されているときに触媒劣化判定の実行を禁止するようにしたために、作用角学習の実行に起因する誤判定を回避することができ、触媒劣化判定を通じて排気浄化触媒の劣化を高い精度で判定することができるようになる。
なお、上記実施の形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・カウント値Pについての上限ガード処理を省略してもよい。
・失火判定に用いる判定パラメータとしては、クランクシャフト31の回転速度(前記時間T)に代えて、他の機関トルクの指標値(例えば燃焼室14内の圧力)や、機関トルクの実測値を採用するようにしてもよい。要は、機関トルクの推移に基づいて失火発生の有無を判定する失火判定を実行するようにすればよい。
・失火判定を省略してもよい。
・温度センサ51に代えて触媒コンバータ23の触媒床温を検出する温度センサを設け、同センサにより検出した触媒床温の実測値を触媒劣化判定に用いるようにしてもよい。また、機関運転状態に基づいて劣化時の触媒床温(劣化時床温)を求め、同劣化時床温と温度センサによって検出される触媒床温との差(「実際の触媒床温」−「劣化時床温」)が小さくなったことをもって触媒コンバータ23に劣化異常が発生していると判定するといったように、触媒劣化判定を実行するようにしてもよい。さらに、機関運転状態から推定される触媒床温と温度センサによって検出される触媒床温との差に基づいて劣化異常の有無を判定することに代えて、それら触媒床温の比に基づいて劣化異常の有無を判定するようにしてもよい。要は、温度センサにより検出される触媒床温と機関運転状態から推定される触媒床温との比較に基づいて劣化異常の有無を判定する触媒劣化判定を実行するようにすればよい。
・触媒劣化判定を省略してもよい。
・作用角学習において、作用角変更機構38のコントロールシャフト40の移動位置を前記Hi端にした上で、前記関係式「S=P+Pb」におけるカウント値SがHi端に対応する値になるようにカウント値Pを変更することに代えて、あるいは併せて、基準移動位置に対応する値Pbを変更するようにしてもよい。
・作用角学習において、前記Hi端に対応する吸気バルブ25の作用角VLを学習することに限らず、前記Lo端に対応する吸気バルブ25の作用角VLを学習するようにしてもよく、またバネ機構等といった何らかの機構によって移動位置が規制される任意の移動位置に対応する吸気バルブ25の作用角VLを学習するようにしてもよい。
・電力供給の再開後において作用角学習の実行が完了したことを条件に、作用角異常判定を実行することに代えて、作用角制御が正常に実行されているか否かを判定する作用角正常判定を実行するようにしてもよい。作用角正常判定は、例えば「目標作用角Tvlの変化に吸気バルブ25の作用角VLの変化が追従していることをもって作用角制御が正常に実行されていると判定する」といったように実行することができる。
上記構成では、作用角異常判定において異常有りと一旦判定されたときに、これがカウント値Pのずれによるものである場合にはその後の作用角正常判定において正常状態に復帰したと判定されるようになり、構成部品の機能低下によるものである場合にはその後の作用角正常判定において正常状態に復帰していない、すなわち異常状態である判定されるようになる。このように上記構成によれば、異常有りとの判定が、カウント値Pの一時的なずれによるものか、構成部品の機能低下によるものかを好適に判別することができるようになる。しかも、異常有りと一旦判定されたときに、その後の作用角学習を通じて正常状態に復帰した場合にこれを判別することもできる。なお上記構成にあっては、作用角正常判定が正常判定手段として機能する。
・本実施の形態にかかる位置制御装置は、作用角異常判定において異常有りと判定された場合にフェイルセーフ処理を実行しない装置にも適用することができる。同構成にあっては、作用角異常判定において異常有りと判定された際に、先ず作用角学習の実行を開始し、その後において作用角学習の実行が完了したことを条件に、作用角異常判定(あるいは作用角正常判定)を実行するようにすればよい。なお、そうした構成にあって、作用角学習の実行後における作用角異常判定(あるいは作用角正常判定)を省略することもできる。
・本発明は、吸気バルブの作用角以外の機関操作部材の操作位置を変更する変更機構を有して同変更機構の可動部材の移動位置を制御目標位置に変更する内燃機関にも、適用することができる。なお、そうした機関操作部材の操作位置としては、例えば排気バルブの作用角、吸気バルブのバルブタイミング、排気バルブのバルブタイミング、スロットルバルブの開度、或いはEGRバルブの開度などを挙げることができる。
本発明を具体化した一実施の形態が適用される内燃機関の概略構成を示す略図。 吸気バルブのバルブタイミングの変化態様を示すグラフ。 吸気バルブの作用角および最大リフト量の変化態様を示すグラフ。 (a)〜(c)作用角の算出に用いられる各値の推移の一例を示すタイミングチャート。 各回転角信号とカウント値のカウント動作との対応関係を示す略図。 作用角の推移の一例を示すタイミングチャート。 本実施の形態にかかる一連の処理の具体的な処理手順を示すフローチャート。
符号の説明
11…内燃機関、12…気筒、13…ピストン、14…燃焼室、15スロットルバルブ、16…サージタンク、17…吸気マニホールド、18…吸気通路、19…アクチュエータ、21…アクセルペダル、22…排気マニホールド、23…触媒コンバータ、24…排気通路、25…吸気バルブ、26…排気バルブ、27…バルブスプリング、28…吸気カムシャフト、29…排気カムシャフト、31…クランクシャフト、32…燃料噴射弁、33…点火プラグ、34…イグナイタ、35…点火コイル、36…コネクティングロッド、37…バルブタイミング変更機構、38…作用角変更機構、40…コントロールシャフト、41…ストッパ部材、43…電動機、45…クランク角センサ、46…エアフロメータ、47…スロットルセンサ、48…アクセルセンサ、49…作用角センサ(位置検出手段)、50…位置センサ、51…温度センサ、52…イグニッションスイッチ、53…電力供給スイッチ(供給遮断手段)、54…蓄電池、55…電子制御装置。

Claims (9)

  1. 可動部材の基準移動位置に対する相対位置を検出する位置検出手段と、前記基準移動位置および前記相対位置に基づいて前記可動部材の絶対位置を算出する算出手段と、該算出手段によって算出した絶対位置に基づいて前記可動部材の移動位置を電動式アクチュエータの作動制御を通じて制御目標位置に制御する制御手段と、前記絶対位置および前記制御目標位置の比較に基づいて前記移動位置の制御にかかる異常の有無を判定する異常判定手段とを備える位置制御装置において、
    前記相対位置を記憶する揮発性メモリと、
    前記異常判定手段によって異常有りと判定されたときにおいて前記電動式アクチュエータおよび前記揮発性メモリへの電力供給を遮断する供給遮断手段とを更に備え、
    前記異常判定手段によって異常有りと判定されて前記供給遮断手段により前記電力供給が遮断された後において該電力供給が再開されたことを条件に前記絶対位置を学習する絶対位置学習を実行する
    ことを特徴とする位置制御装置。
  2. 請求項1に記載の位置制御装置において、
    当該位置制御装置は、機関バルブの開弁期間および最大リフト量の少なくとも一方を変更する変更機構を有する内燃機関に適用されるものであり、
    前記可動部材は、前記変更機構の一部を構成するものであって、その移動位置の制御を通じて前記変更機構の作動状態を制御するためのものである
    ことを特徴とする位置制御装置。
  3. 請求項に記載の位置制御装置において、
    前記内燃機関は、前記可動部材の当接によって同可動部材の移動位置の変化を規制するストッパ部材を更に有してなり、
    前記絶対位置学習は、前記ストッパ部材に当接した状態になるように前記可動部材の移動位置を変更し、同状態になったときの前記可動部材の移動位置を前記絶対位置として学習するものである
    ことを特徴とする位置制御装置。
  4. 請求項に記載の位置制御装置において、
    前記内燃機関は機関トルクの推移に基づいて失火発生の有無を判定する失火判定が実行されるものであり、
    前記位置制御装置は、前記絶対位置学習が実行されているときに前記失火判定の実行を禁止する
    ことを特徴とする位置制御装置。
  5. 可動部材の基準移動位置に対する相対位置を検出する位置検出手段と、前記基準移動位置および前記相対位置に基づいて前記可動部材の絶対位置を算出する算出手段と、該算出手段によって算出した絶対位置に基づいて前記可動部材の移動位置を制御目標位置に制御する制御手段と、前記絶対位置および前記制御目標位置の比較に基づいて前記移動位置の制御にかかる異常の有無を判定する異常判定手段とを備える位置制御装置において、
    当該位置制御装置は、機関バルブの開弁期間および最大リフト量の少なくとも一方を変更する変更機構を有する内燃機関に適用されるものであり、
    前記可動部材は、前記変更機構の一部を構成するものであって、その移動位置の制御を通じて前記変更機構の作動状態を制御するためのものであり、
    前記内燃機関は、前記可動部材の当接によって同可動部材の移動位置の変化を規制するストッパ部材を更に有してなるものであって、機関トルクの推移に基づいて失火発生の有無を判定する失火判定が実行されるものであり、
    前記異常判定手段によって異常有りと判定されたときに、前記ストッパ部材に当接した状態になるように前記可動部材の移動位置を変更し、同状態になったときの前記可動部材の移動位置を前記絶対位置として学習する絶対位置学習を実行し、
    前記位置制御装置は、前記絶対位置学習が実行されているときに前記失火判定の実行を禁止する
    ことを特徴とする位置制御装置。
  6. 請求項3〜5のいずれか一項に記載の位置制御装置において、
    前記内燃機関は、その排気通路に設けられた排気浄化触媒と同排気浄化触媒の触媒床温を検出する床温検出手段とを有してなるものであって、該床温検出手段により検出される触媒床温と機関運転状態から推定される触媒床温との比較に基づいて前記排気浄化触媒の劣化の有無を判定する触媒劣化判定が実行されるものであり、
    前記位置制御装置は、前記絶対位置学習が実行されているときに前記触媒劣化判定の実行を禁止する
    ことを特徴とする位置制御装置。
  7. 可動部材の基準移動位置に対する相対位置を検出する位置検出手段と、前記基準移動位置および前記相対位置に基づいて前記可動部材の絶対位置を算出する算出手段と、該算出手段によって算出した絶対位置に基づいて前記可動部材の移動位置を制御目標位置に制御する制御手段と、前記絶対位置および前記制御目標位置の比較に基づいて前記移動位置の制御にかかる異常の有無を判定する異常判定手段とを備える位置制御装置において、
    当該位置制御装置は、機関バルブの開弁期間および最大リフト量の少なくとも一方を変更する変更機構を有する内燃機関に適用されるものであり、
    前記可動部材は、前記変更機構の一部を構成するものであって、その移動位置の制御を通じて前記変更機構の作動状態を制御するためのものであり、
    前記内燃機関は、前記可動部材の当接によって同可動部材の移動位置の変化を規制するストッパ部材と、排気通路に設けられた排気浄化触媒と、同排気浄化触媒の触媒床温を検出する床温検出手段とを更に有してなるものであって、該床温検出手段により検出される触媒床温と機関運転状態から推定される触媒床温との比較に基づいて前記排気浄化触媒の劣化の有無を判定する触媒劣化判定が実行されるものであり、
    前記異常判定手段によって異常有りと判定されたときに、前記ストッパ部材に当接した状態になるように前記可動部材の移動位置を変更し、同状態になったときの前記可動部材の移動位置を前記絶対位置として学習する絶対位置学習を実行し、
    前記位置制御装置は、前記絶対位置学習が実行されているときに前記触媒劣化判定の実行を禁止する
    ことを特徴とする位置制御装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の位置制御装置において、
    前記絶対位置学習の実行が完了したことを条件に、前記異常判定手段による前記異常の有無の判定を実行する
    ことを特徴とする位置制御装置。
  9. 前記絶対位置学習の実行が完了したことを条件に、前記絶対位置と前記制御目標位置との比較に基づいて前記移動位置の制御が正常に実行されているか否かを判定する正常判定手段を更に備える
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の位置制御装置。
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