以下、図面を参照しながら、本発明に係る結束機及びその制御方法の実施例について説明をする。
図1は、本発明に係る結束機100の構成例を示す斜視図である。図1に示す結束機100は、当該結束機の内部機構を保護する為のカバーが取り外されている状態である。結束機100は、結束機構1、リール2、タグ送り機構3、支持台4及び制御部40から構成される。
支持台4はリール支持部5を備え、このリール支持部5は支持台4に固定されている。このリール支持部5にリール2が軸回転自在に取付けられている。この例で、リール支持部5は、リール2の回転軸6を支持する為の半円弧部を有し、この半円弧部にリール2の回転軸6が係合されている。半円弧部の円周は、リール2の回転軸6の円周よりも若干大きく設計されている。これにより、リール2に巻き付けられたツイストタイ(結束具)14が結束機構1により引き出されると、リール2はリール支持部5の半円弧部を利用しながら従動回転する。ここで、ツイストタイ14とは、針金の如き芯線部材に帯状の被覆を施した紐状部材をいう。
制御部40はリール支持部5に取り付けられ、タグ10を結束機構1に送るようにタグ送り機構3を制御する。また、タグ送り機構3によりタグ10が結束機構1に送られた後、制御部40は、ツイストタイ14によりタグ10を袋口13に固定するように、結束機構1を制御する。
タグ送り機構3は、結束機構1のリール2に対峙する一端側に設置されている。タグ送り機構3は、蓄積部3a、プッシャ3b、圧縮バネ3c、タグ押さえ3d、タグ姿勢変更部3e及びタグ送り用のモータ3fを備える。蓄積部3aはタグ送り機構3の所定位置に取付けられ、この蓄積部3aの形状は箱形状である。蓄積部3aの正面及び背面は開口されており、正面からタグ10が補充され、背面からタグ10が送られる。
蓄積部3aの底面の4隅には圧縮バネ3cが配置され、4隅に配置された圧縮バネ3cの上に板状のプッシャ3bが設けられている。このプッシャ3b上に複数枚のタグ10が積層され、積層されたタグ10の最上部は、タグ押さえ3dにより押さえつけられている。このようにして、蓄積部3aには、タグ10が所定枚数ほど蓄積されている。
例えば、制御部40の制御信号によりモータ3fが駆動されると、蓄積されたタグ10のうち、最上部に位置するタグ10は、図示しないローラにより結束機構1の結束口15近傍に送り出される。このとき、タグ姿勢変更部3eは、送り出すタグ10の姿勢を水平姿勢から垂直姿勢へ変更する。これにより、タグ10の挿入用孔(取付部)が、ツイストタイ14の進行方向に対して垂直に設定される。
結束機構1は屋根板1a、袋検知用のセンサー7及び結束用のモータ48を備え、この屋根板1aが露出された状態である。結束機構1は支持台4に上下調整自在に係合されている。支持台4は支持棒31を備え、この支持棒31は支持台4に対して垂直に取付けられている。支持棒31は、筒31a及び棒部材31bから構成され、この筒31aに棒部材31bが上下動自在に挿入されて固定されている。
センサー7は反射光の光量変化を検知する反射型のセンサーであり、結束口15の近傍に取り付けられている。センサー7は、袋口13が結束口15に配置されると袋口13により遮られた反射光の光量変化を検知して制御部40へ検知信号を出力する。制御部40は検知信号に基づいてモータ48を駆動制御する。モータ48が駆動されることにより、結束機構1は、リール2に巻付けられたツイストタイ14を引出して所定長に切断し、当該ツイストタイ14で袋の袋口13を結束すると共に、当該ツイストタイ14により、タグ送り機構3により送られたタグ10を袋口13に取り付ける。この構成によって、タグ10を袋口13にツイストタイ14により固定する。なお、本図においては、結束機100の説明を容易にするため、袋の袋口13以外の部分の図示を省略してある。
続いて、図1及び図2を参照して結束機100の機能を説明する。図2A〜Dは結束機100の機能例を示す工程図である。図2Aに示すタグ10は、タグ送り機構3により結束機構1の結束口15の近傍へ送られて予め配置されたものである。ユーザは袋口13を捻るなどして束ねた後、この袋口13を結束機構1の結束口15に配置する。配置後、センサー7は、袋口13が結束口15に配置されたことを検知して、制御部40に検知信号を出力する。制御部40はこの検知信号に基づいて、結束機構1へ制御信号を出力する。
図2Bは、結束機構1がタグ10にツイストタイ14を挿入する図である。例えば、結束機構1は制御部40からの制御信号に基づいて、モータ48を駆動してリール2に巻き付けられたツイストタイ14を80mm程度引出し、このツイストタイ14の先端をタグ10の挿入用孔11aに挿入する。
図2Cは、タグ10に挿入後のツイストタイ14の形状を規制した図である。例えば、結束機構1は、ツイストタイ14の先端を挿入用孔11aに挿入した後、ツイストタイ14の先端の進行方向を逆方向に変更して、ツイストタイ14の先端を挿入用孔11bに挿入する。挿入後、結束機構1はツイストタイ14の所定位置を切断し、ツイストタイ14の全長を80mm程度に設定する。
図2Dは、タグ10を袋口13にツイストタイ14により固定した図である。例えば、U字形状に規制されたツイストタイ14における両先端部を、図2Cに示す先端S字形状のネジリアーム30のS字部材30bにより保持し、このネジリアーム30の回転軸30aを所定数ほど回転させる。これにより、ツイストタイ14がねじられると共に、タグ10が袋口13にツイストタイ14により固定されて結束処理の終了となる。このようにして、袋口13を自動的に結束すると共にタグ10を固定する。
なお、結束処理の終了後、次回の結束処理の為に、制御部40はタグ送り機構3にタグ10を結束機構1に送るように要求する。この要求を受けて、タグ送り機構3は、モータ3fを駆動してタグ10を1枚ほど結束機構1に送る。結束機構1は、タグ送り機構3により送られたタグ10を受け取り、結束口15の近傍に配置する。このようにしてタグ10は、袋口13が結束口15に配置される前に、予め結束口15の近傍にセットされる。また、本図においては、結束機100の説明を容易にするため、袋の袋口13以外の部分の図示を省略してある。
図3は、結束機構1の構成例及び動作例を示す斜視図である。図3に示す結束機構1は、図1に示した屋根板1aが取り外され、内部機構の一部が露出された状態である。結束機構1は、図2A〜Dに示した機能を有する。すなわち、結束機構1は、タグ10を袋口13にツイストタイ14により固定する機能を有する。この機能を実現するために、結束機構1は、タグガイド10a、作動板20、カールガイド22、送りローラ23、従動ローラ23a、ツイストタイ通路24、レール25a及び25b、リンク27、カッター28、ネジリアーム30、タグ送り用歯車列32及びねじり用歯車列33を備える。
タグ送り用歯車列32は、カム溝付歯車32a、半歯車32b、歯車32c及び歯車32dから構成されている。ねじり用歯車列33は、歯車33a、半歯車33b、歯車33c、歯車33d、歯車33e、かさ歯車33f及びかさ歯車33gから構成されている。なお、図示しないが、結束機構1は他の歯車、カムなどを複数備え、モータ48(図1参照)の動力を複数の歯車やカムなどを使用して作動板20などへ伝える。また、結束機構1は一個のモータ48により駆動される。
作動板20は移動部材の一例を構成し、一端に図示しないローラを有し、中央部位に長孔20aを有している。作動板20のローラは、カム溝付歯車32aに備えられた図示しないカム溝に係合されている。作動板20の長孔20aには図示しない規制用ボルトなどが装着される。作動板20は、長孔20aの長手方向Pへ移動自在に結束機構1の本体に結合されている。作動板20の他端には、リンク27の一端が回転自在に結合されている。
リンク27はトルクリミッタ機能を有している。この例で、リンク27は、第1のリンク部材27a、第2のリンク部材27b、圧縮バネ27cなどを備える。リンク部材27aの一端とリンク部材27bの一端とが回転自在に係合され、圧縮バネ27cの弾力やリンク部材27aとリンク部材27bとの摩擦力により、リンク部材27a及び27bの回転を規制している。例えば、カールガイド22とタグガイド10aとの間に異物が挟まるなどして、作動板20からの駆動トルクがリンク27に過度に作用した場合に、規制が解除されてリンク部材27a及び27bが向き合う方向へ移動する。これにより、過度な駆動トルクが逃げるので、駆動機構である歯車やカムなどが破損することを防げるようになる。
リンク27の他端には、カールガイド22が結合されている。カールガイド22は案内部材の一例を構成し、垂直長孔22a並びに従動ローラ22b及び22cを備えている。垂直長孔22aは、矢印方向Pに対して垂直方向(直交する方向)に設けられている。リンク部材27bの他端は、この垂直長孔22aの範囲内で移動可能に結合されている。
従動ローラ22b及び22cはレール25aの長孔25c、及びレール25bの長孔25dに遊嵌され、カールガイド22の車輪として機能する。レール25a及び25bは規制部材の一例を構成し、カールガイド22の移動方向を規制する。レール25aの長孔25cとレール25bの長孔25dは同じ形状である。ツイストタイ14で袋口13を結束するとき、カールガイド22は、リンク27を介して作動板20によりネジリアーム30の方向へ移動されると共に、レール25a及び25bにより移動方向が規制されて直線移動する。このカールガイド22には、タグ10が取り付けられる。
カールガイド22の近傍にはタグガイド10aが設置され、このタグガイド10aは、幅寄せ部10bを備える。幅寄せ部10bは、タグガイド10aの本体の両サイドに設けられている。この幅寄せ部10bは、図1に示したタグ送り機構3から送られたタグ10の幅を寄せて、タグ10の姿勢を鉛直方向に整える。
タグガイド10aの位置する近傍には、ネジリアーム30が軸回転自在に結束機構1の本体に設けられている。このネジリアーム30の回転軸30aの先端には略S字形状のS字部材30bが取付けられている。また、S字部材30bとツイストタイ通路24の間における回転軸30aには、カッター28が取り付けられている。回転軸30aの後端には、かさ歯車33gが取り付けられている。かさ歯車33gが回転することにより、S字部材30b及びカッター28は回転する。このように、結束機構1は構成されている。
続いて、結束機構1の動作例を説明する。結束機構1は、先ず、タグ送り機構3により送られたタグ10をタグガイド10aによりタグ10の姿勢を鉛直方向に整えて受け取る。次に、ユーザにより結束口15に袋口13が配置された場合、結束機構1は、モータ48によりタグ送り用歯車列32のカム溝付歯車32aを回転する。このとき、カム溝付歯車32aに備えられた図示しないカム溝に係合された作動板20のローラが、カム溝の形状に合わせて移動すると共に、作動板20は、長孔20aの長手方向Pへ移動する。
この場合、作動板20にリンク27を介して結合されたカールガイド22は、従動ローラ22b及び22cを利用して長孔25c及び長孔25dの形状に合わせて矢印方向Qへ直線移動する。これにより、カールガイド22はタグ10の方向へ正確に移動できる。
図3に示すカールガイド22は、矢印方向Qへ移動した状態である。矢印方向Qへ移動後、半歯車32bと歯車32cとが噛み合い、この歯車32cを介して歯車32dが回転される。このとき、歯車32dと同軸上の送りローラ23も同時に回転される。
送りローラ23及び従動ローラ23aは送出部の一例として機能し、送りローラ23が半時計回りに回転すると、この送りローラ23に接合された従動ローラ23aが時計回りに回転し、送りローラ23と従動ローラ23aとの協働によって、ツイストタイ14が矢印方向Pへ送り出される。このとき、ツイストタイ14は、ツイストタイ通路24を通過し、タグ10の一方の挿入用孔11a(図2B参照)に向かって送り出される。送出後、ツイストタイ14は、カールガイド22によりタグ10の挿入用孔11a及び11bに挿入するように案内される。
挿入用孔11a及び11bに挿入後、上述のカム溝付歯車32aと噛み合った歯車33aと同軸上の半歯車33bと歯車33cとが噛み合い、この歯車33cと同軸上の歯車33dが回転される。このとき、歯車33dと噛み合った歯車33eを介してかさ歯車33fが回転され、かさ歯車33fと噛み合ったかさ歯車33gが回転される。これにより、かさ歯車33gに取付けられた回転軸30aが回転する。このとき、回転軸30aに取り付けられたカッター28及びS字部材30bも回転され、ツイストタイ14がカッター28により切断され、切断されたツイストタイ14がS字部材30により捻られる。この場合、カッター28の刃は、S字部材30よりもツイストタイ14に近い位置に設定されている。これにより、ツイストタイ14がカッター28の刃により切断された後に、S字部材30によりツイストタイ14を捻るようになる。
捻り後、作動板20がカム溝付歯車32aに備えられたカム溝の形状に沿って、矢印方向Qへ移動すると共に、カールガイド22が、従動ローラ22b及び22cを利用して長孔25c及び長孔25dの形状に合わせて矢印方向Pへ直線移動する。このようにして、袋口13にタグ10がツイストタイ14により取り付けられる。
続いて、カールガイド22の構成例(その1及びその2)を説明する。図4Aはカールガイド22の構成例を示す斜視図である。図4Bはカールガイド22の構成例を示す上面図である。図4A及びBに示すカールガイド22は、ツイストタイ14が挿入された状態である。
カールガイド22は、受入部22m、受出部22n、U状部22d、スリット22e及びカールガイド本体22fを備える。カールガイド本体22fは、カールガイド本体22fの前面に凹部22gを有している。この凹部22gには図1に示した袋口13が配置される。カールガイド本体22fの向かって正面右側には受入部22mが取り付けられ、この受入部22mは、凹部22gに配置された袋口13を結束するためのツイストタイ14の進入方向に対向するように配置されている。受入部22mの形状はスリット22eを有した筒形状である。受入部22mの先端には凸状部22pが設けられ、この凸状部22pが図4Bに示すタグ10の挿入用孔11aに挿入される。凸状部22pが挿入用孔11aに挿入された状態で、受入部22mは、挿入用孔11aに向かって送り出されたツイストタイ14を受け入れる。
受入部22mの下流側には、U状部22dが凹部22gの形状に沿ってカールガイド本体22fの内部に設けられている。U状部22dの一端は、受入部22mに結合されている。U状部22dの形状は、スリット22eを有したU字型の筒形状である。U状部22dは、受入部22mにより受け入れられたツイストタイ14の進行方向を変更する。
U状部22dの下流側には受出部22nが取り付けられている。この受出部22nはU状部22dの他端に結合されている。受出部22nの形状はスリット22eを有した筒形状である。受出部22nの先端には凸状部22qが設けられ、この凸状部22qがタグ10の挿入用孔11bに挿入される。凸状部22qが挿入用孔11bに挿入された状態で、受出部22nは、U状部22dにより進行方向が変更されたツイストタイ14を受けてタグ10の挿入用孔11bに向かって送り出す。
図5A及びBは、カールガイド22の構成例(その2)を示す説明図である。図5Bに示すカールガイド22は、図5Aに示すX−X矢視切断面であり、ローラ係合孔22h及び22iを備えている。ローラ係合孔22hには、図3に示した従動ローラ22cが係合され、ローラ係合孔22iには従動ローラ22bが係合される。
スリット22eは、ツイストタイ14の摩擦軽減用の面取り部22jを備えている。面取り部22jは、スリット22eのツイストタイ14の抜き出し側に設けられている。これにより、ツイストタイ14を抜き出す際に生じるツイストタイ14とカールガイド22のスリット22eとの摩擦を軽減できるようになる。続いて、図6〜図8を参照してカールガイド22の動作例(その1〜その3)を説明する。図6Aは結束機構1のカールガイド22の動作例を示す斜視図である。図6Aに示す結束機構1は待機状態である。図1に示したタグ送り機構3によりタグ10が結束機構1へ送り出され、結束機構1のタグガイド10aにタグ10が装着されている。また、結束口15にはユーザにより袋口13が配置されている。この袋口13がセンサー7により検知され、図1に示した制御部40に検知信号が出力される。ツイストタイ通路24には、前の結束処理でカッター28により切断されたツイストタイ14が待機している。図6Bは、カールガイド22の動作例を上面から見た構成図である。図6Bに示す袋口13は、カールガイド22の凹部22gに嵌合可能な位置に配置されている。
図7Aはカールガイド22の動作例を示す斜視図である。図7Aに示すカールガイド22は、図6A及びBに示した待機状態から矢印方向Qへ直線移動した状態である。例えば、センサー7からの検知信号を入力した制御部40によりモータ48が駆動されて、図3に示した作動板20が矢印方向Pへ移動することにより、カールガイド22は、リンク27を介して矢印方向Qへ移動する。このとき、図7Bに示すカールガイド22の受入部22m及び受出部22nがタグ10の挿入用孔11a及び11bに位置合わせされながら、カールガイド22は、従動ローラ22b及び22cを利用して長孔25c及び長孔25dの一方から他方まで直線移動する。
図7Bは、カールガイド22の動作例を上面から見た構成図である。図7Bに示す袋口13は、カールガイド22の凹部22gとタグ10との間に閉じ込められた状態である。このとき、タグ10の挿入用孔11aには受入部22mの凸状部22pが挿入され、タグ10の挿入用孔11bには受出部22nの凸状部22qが挿入されている。凸状部22p及び22qが挿入用孔11a及び11bに挿入されることにより、タグ10がカールガイド22に装着される。
図8Aはカールガイド22の動作例を示す斜視図である。図8Bは、カールガイド22の動作例を上面から見た構成図である。図8A及びBに示すカールガイド22は、図7A及びBに示した矢印方向Qへ直線移動した状態からツイストタイ14を案内した状態である。例えば、図3に示した従動ローラ23aが時計回りに回転され、ツイストタイ通路24を介してツイストタイ14がカールガイド22へ送り出される。カールガイド22の受入部22mは、凸状部22pがタグ10の挿入用孔11aに挿入された状態で、送り出されたツイストタイ14を受け入れる。U状部22dは、受入部22mにより受け入れられたツイストタイ14の進行方向をU状部22の形状に沿ってUターンして変更する。受出部22nは、凸状部22qがタグ10の挿入用孔11bに挿入された状態で、U状部22dにより進行方向が変更されたツイストタイ14を受けてネジリアーム30に向かって送り出す。これにより、タグ10の挿入用孔11aと同様にして、挿入用孔11bに再現性良くツイストタイ14を案内できる。
図9は、結束機100の制御系の構成例を示すブロック図である。図9に示す結束機100は、袋検知用のセンサー7、制御部40、信号処理部46、モータ駆動部47及び49、結束用のモータ48並びにタグ送り用のモータ3fを備える。モータ3f、センサー7、制御部40及びモータ48は、図1に示したものと同一である。
制御部40は、CPU41、RAM42、EEPROM43、I/Oポート44及びシステムバス45を有する。EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)43はシステムバス45を介してCPU(Central Processing Unit)41に接続されている。EEPROM43には、結束機100の制御用プログラムなどが保存されている。この制御用プログラムの内容は、ツイストタイ14をタグ10の挿入用孔11aに向かって送り出すステップと、タグ10の挿入用孔11aに向かって送り出されたツイストタイ14を受け入れるステップと、受け入れられたツイストタイ14の進行方向を変更するステップと、進行方向が変更されたツイストタイ14を受けてタグ10の挿入用孔11bに向かって送り出すステップと、ツイストタイ14の送り量を検出するステップと、検出された送り量に基づいてツイストタイ14の送り出しを停止するステップと、ツイストタイ14を切断するステップと、切断されたツイストタイ14を捻るステップとを有するものである。
RAM(Random Access Memory)42はシステムバス45を介してCPU41に接続されている。結束機100の電源起動時、RAM42には、制御用プログラムがCPU41により展開される。
CPU41はEEPROM43、RAM42及びI/O(Input/Output)ポート44に接続され、I/Oポート44を介して、信号処理部46、モータ駆動部47及び49に接続されている。
信号処理部46はI/Oポート44及びセンサー7に接続され、センサー7から検出信号S3を入力して検知データD3をI/Oポート44を介してCPU41へ出力する。例えば、信号処理部46は、検出信号S3を二値(デジタル)化して3ビットの検知データD3をCPU41へ出力する。
CPU41は、センサー7からの検知データD3に基づいてモータ駆動部47及び49を駆動制御する。例えば、検知データD3と所定の判定基準値とを比較して袋口13が結束口15に配置されたか否かを判定する。CPU41は、袋口13が結束口15に配置されたと判定した場合、モータ駆動部49に駆動用のモータ制御データD2を出力する。
モータ駆動部49はI/Oポート44及びモータ3fに接続され、I/Oポート44を介してCPU41からモータ制御データD2を入力し、このモータ制御データD2に基づいてモータ制御信号S2を作成し、このモータ制御信号S2をモータ3fへ出力する。例えば、モータ駆動部49は、駆動用のモータ制御データD2を入力した場合、駆動用のモータ制御信号S2を作成し、停止用のモータ制御データD2を入力した場合、停止用のモータ制御信号S2を作成する。
モータ3fはモータ駆動部49に接続され、モータ制御信号S2を入力し、このモータ制御信号S2に基づいて回転する。例えば、モータ3fは駆動用のモータ制御信号S2を入力した場合回転を開始し、停止用のモータ制御信号S2の場合モータ3fは回転を停止する。
モータ駆動部47はI/Oポート44及びモータ48に接続され、I/Oポート44を介してCPU41からモータ制御データD1を入力し、このモータ制御データD1に基づいてモータ制御信号S1を作成し、このモータ制御信号S1をモータ48へ出力する。例えば、モータ駆動部47は、駆動用のモータ制御データD1を入力した場合、駆動用のモータ制御信号S1を作成し、停止用のモータ制御データD1を入力した場合、停止用のモータ制御信号S1を作成する。
モータ48はモータ駆動部47に接続され、モータ制御信号S1を入力し、このモータ制御信号S1に基づいて回転する。例えば、モータ48は駆動用のモータ制御信号S1を入力した場合回転を開始し、停止用のモータ制御信号S1の場合モータ48は回転を停止する。このように、結束機100の制御系は構成されている。
続いて、結束機100の動作例を説明する。図10は、結束機100の動作例を示すフローチャートである。リール2には、ツイストタイ14が複数回分が巻き付けられている。また、結束機100の電源をONすると、CPU41により、EEPROM43に保存された制御用プログラムが読み出されてRAM42に展開される。また、結束機100は、1回の結束処理でツイストタイ14を80mm程度引出す。また、結束機構1のタグガイド10aには、タグ送り機構3によりタグ10が配置されている。
これらを袋口13を結束する条件として、図10に示すステップT1で、CPU41は、結束口15に袋口13が配置されたかを判定する。この例で、ユーザにより袋口13が結束口15に配置される。CPU41は、センサー7からの検知データD3と所定の判定基準値とを比較して袋口13が結束口15に配置されたか否かを判定する。結束口15に袋口13が配置されなかった場合、袋口13が配置されるのを待機する。結束口15に袋口13が配置された場合、ステップT2へ移行する。
ステップT2で、結束機構1は、カールガイド22を図6Bに示した待機位置から図7Bに示した処理位置へ移動する。この例で、結束機構1は作動板20を矢印方向Pへ移動させることにより、リンク27を介してカールガイド22を矢印方向Qへ移動させる。このとき、カールガイド22は、従動ローラ22b及び22cを利用して長孔25c及び長孔25dの形状に合わせて矢印方向Qへ直線移動する。このとき、カールガイド22の受入部22mの凸状部22pがタグ10の挿入用孔11aに挿入され、かつ、受出部22nの凸状部22qが挿入用孔11bに挿入される。凸状部22p及び22qが挿入用孔11a及び11bに挿入されることにより、タグ10がカールガイド22に装着される。続いてステップT3へ移行する。
ステップT3で、結束機構1はツイストタイ14をタグ10の挿入用孔11aに向かって送り出す。例えば、結束機構1は図3に示した従動ローラ23aを時計回りに回転し、ツイストタイ通路24を介してツイストタイ14をタグ10の挿入用孔11aに向かって80mm程度送り出してステップT4へ移行する。
ステップT4で、カールガイド22は、送り出されたツイストタイ14を受け入れると共に、ツイストタイ14をタグ10の挿入用孔11aに案内する。例えば、カールガイド22の受入部22mは、凸状部22pがタグ10の挿入用孔11aに挿入された状態で、送出されたツイストタイ14を受け入れる。これにより、タグ10の挿入用孔11aにツイストタイ14を案内して挿入できる。続いてステップT5へ移行する。
ステップT5で、カールガイド22は、ツイストタイ14の進行方向を変更する。例えば、カールガイド22のU状部22dは、受入部22mにより受け入れられたツイストタイ14の進行方向を、U形状に沿ってUターンして受出部22nへ変更してステップT6へ移行する。
ステップT6で、カールガイド22は、進行方向が変更されたツイストタイ14を受けてタグ10の挿入用孔11bに向けて送り出す。例えば、カールガイド22の受出部22nは、凸状部22qがタグ10の挿入用孔11bに挿入された状態で、U状部22dにより進行方向が変更されたツイストタイ14を受けてネジリアーム30に向けて送り出す。これにより、タグ10の挿入用孔11aと同様にして、挿入用孔11bに再現性良くツイストタイ14を案内できる。続いてステップT7へ移行する。
ステップT7で、結束機構1はツイストタイ14を切断する。例えば、結束機構1は、受入部22m近傍に位置するカッター28によりツイストタイ14を切断する。このとき、ネジリアーム30のS字部材30bによりツイストタイ14の両端が保持されている。続いてステップT8へ移行する。
ステップT8で、結束機構1はツイストタイ14を捻る。例えば、結束機構1は、ネジリアーム30の回転軸30aを所定数ほど回転させる。このとき、回転軸30a先端に取り付けられたS字部材30bにより保持されたツイストタイ14の両端が捻られる。これにより、タグ10が袋口13にツイストタイ14により固定される。続いてステップT9へ移行する。
ステップT9で、結束機構1は、カールガイド22を図7Bに示した処理位置から図6Bに示した待機位置へ戻す。例えば、結束機構1は作動板20を図3に示した矢印方向Qへ移動させることにより、リンク27を介してカールガイド22を矢印方向Pへ移動させる。このとき、カールガイド22は、従動ローラ22b及び22cを利用して長孔25c及び長孔25dの形状に合わせて矢印方向Pへ直線移動する。この場合、カールガイド22の内部に存在するツイストタイ14の一部は、カールガイド22のスリット22eから面取り部22jにより摩擦が軽減されて抜き出される。
その後、タグ10付きの袋口13がユーザにより結束機構1の結束口15から移動されると、センサー7は、袋口13が結束口15から移動されたことを検出して検出信号をCPU41に出力する。CPU41はこの検知信号に基づいて、タグ送り機構3を制御する。続いてステップT10へ移行する。
ステップT10で、タグ送り機構3はタグ10を結束機構1へ送る。例えば、CPU41は、タグ送り機構3のモータ駆動部49に駆動用のモータ制御データD2を出力する。モータ駆動部49は、このモータ制御データD2に基づいて駆動用のモータ制御信号S2を作成してモータ3fに出力する。モータ3fはこのモータ制御信号S2を入力して回転する。モータ3fが回転することにより、図1に示した蓄積部3aのタグ10のうち最上部に位置するタグ10が、タグ姿勢変更部3eによりタグ10の姿勢を水平姿勢から垂直姿勢へ変更されて結束機構1のタグガイド10aに送り出される。このとき、タグガイド10aの幅寄せ部10bは、タグ10の幅を寄せてタグ10の姿勢を鉛直方向に整える。タグガイド10aは、姿勢が整えられたタグ10を保持して結束処理の終了となる。なお、タグガイド10aは、図示しない押え部材を備え、この押え部材によりタグ10がタグガイド10aに押着されて固定される。
このように、本発明に係る結束機100及びその制御方法によれば、挿入用孔11a及び11bを有したタグ10をツイストタイ14により袋口13に取り付ける場合であって、U状部22d及び受出部22nを有したカールガイド22を備え、タグ10の挿入用孔11aに向かって送り出されたツイストタイ14の進行方向を、U状部22dにより変更し、進行方向が変更されたツイストタイ14を、受出部22nにより受けてタグ10の挿入用孔11bに送り出すようになされる。上述した例では、受出部22nの凸状部22pが、タグ10の挿入用孔11bに挿入されている。
従って、タグ10の挿入用孔11aと同様にして、タグ10の挿入用孔11bに再現性良くツイストタイ14を案内できると共に、当該ツイストタイ14により、2つの挿入用孔を有したタグ10を確実に袋口13に取り付けできるようになる。
なお、結束具としてツイストタイ14を用いて説明したが、針金の如き芯線部材に帯状の被覆を施したツイストタイ14に限られることなく、断面が略円形状を成す被覆線を結束具として用いる場合にも、本発明は適用できる。また、被覆を施していない針金や、樹脂製の芯線を備えた被覆線、樹脂からのみなる線状部材や帯状部材などを結束具として用いる場合にも適用できる。
また、タグ10が結束機構1のタグガイド10aに装着された状態で、結束処理を開始する必要があるが、結束機100の使い始めはタグ10がタグガイド10aに装着されていないので、1回目の結束処理は、タグ10が取り付けられない状態で袋口13がツイストタイ14により結束される。1回目の結束処理で、タグ送り機構3によりタグ10が結束機構1に送り出されるので、2回目以降の結束処理では、タグ10が袋口13に取り付けられるようになる。1回目の結束処理のときに、例えば手動でタグ10をタグガイド10aに装着すれば、1回目の結束処理からタグ10を袋口13に取り付けることができる。
また、この実施例では、2つの挿入用孔を有したタグ10にツイストタイ14を案内したが、これに限らず、2つの切欠け部を有したタグの切欠け部を凸状部22p及び22qに係止させることでタグをカールガイド22に装着してツイストタイ14を案内してもよい。
図11A〜Dはタグ10’の使用例を示す工程図である。図11Aに示すタグ10’は、切欠け部11a’及び11b’を有する。この切欠け部11a’及び11b’にツイストタイ14が挿入される。図11Bは、タグ10’にツイストタイ14を挿入する図である。例えば、ツイストタイ14の先端をタグ10’の切欠け部11a’に挿入する。図11Cは、タグ10’の切欠け部11a’及び11b’に挿入されたツイストタイ14の形状を規制した図である。例えば、結束機構1は、ツイストタイ14の先端を切欠け部11a’に挿入した後、ツイストタイ14の先端の進行方向を逆方向に変更して、ツイストタイ14の先端を切欠け部11b’に挿入する。図11Dは、タグ10’を袋口13にツイストタイ14により固定した図である。例えば、図11Cに示すネジリアーム30のS字部材30bによりツイストタイ14をねじると共に、タグ10’を袋口13にツイストタイ14により固定する。このようにして、タグ10’の切欠け部11a’及び11b’にツイストタイ14を挿入し、タグ10’を袋口13に取り付ける。