JP4866291B2 - 画像処理による電線の揺れ計測方法、電線の揺れ計測装置及び電線の揺れ計測プログラム - Google Patents

画像処理による電線の揺れ計測方法、電線の揺れ計測装置及び電線の揺れ計測プログラム Download PDF

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Description

本発明は、画像処理による電線の揺れ計測方法、電線の揺れ計測装置及び電線の揺れ計測プログラムに関する。さらに詳述すると、電線のギャロッピング現象の早期発見に好適な画像処理による多導体電線の揺れ計測方法、電線の揺れ計測装置及び電線の揺れ計測プログラムに関する。
送電線が雪などで凍り付き、風によって大きく振動するギャロッピング現象は、多導体電線間のスペーサの破損を引き起こし、その結果、電線どうしがショートしたり、碍子などの部品の破損を招くため問題となっている。大規模なギャロッピング現象では、広範囲にわたった電気事故、送電線設備事故を招くため、ギャロッピングの抑制のための研究がなされている。
ギャロッピング現象の主な発生要因に電線の捻回角(捻れ角)があり、ギャロッピングの要因分析を行う上で、電線の捻回角は重要な計測項目となっている。例えば、捻回角の影響を詳細に調べるために多導体電線に対するギャロッピング再現実験が行われている(非特許文献1)。
画像処理によるギャロッピング時の電線揺れ計測では、電線の捻れ具合を確認できる目印が電線上に必要となる。例えば、この目印として例えば図18に示すように線間スペーサ22が取り付けられた多導体電線21(電線21a〜21dをいう)を挟んで左右に2つの追跡用ターゲット23(左のターゲット23a,右のターゲット23b)を装着して、パターンマッチングによりターゲットを追跡する技術が提案されている(非特許文献2)。尚、ターゲットには、電線及び背景との区別が明確に可能とするよう特徴的な色、模様等が付されている。
ここで捻回角とは、鉄塔から多導体電線をその架線方向(奥行き方向)に見て、多導体電線が捻れていない場合を0度とした場合の捻れ角をいう。即ち、ターゲットが装着された電線では、2つのターゲットを結んだ直線の傾きから捻回角を求めることが可能となる。
清水幹夫 他,"着氷雪4導体および単導体送電線部分模型の風洞内ギャロッピング再現実験)" 土木学会,構造工学論文集,Vol.52A,No.3,pp.639-650,2006. 石野隆一,石川智巳,"ITV画像を用いた電線の揺れ計測",電気学会論文誌B,Vol.120, No.11, pp.1375-1381, 2000
しかしながら、非特許文献2に記載の技術は、直前のフレームと処理対象とするフレーム間においては、ターゲットの位置は大きく移動しないという前提に基づいており、フレーム間のターゲットの移動量が大きい場合には、当該前提が成り立たず追跡が不可能となるという問題がある。更に、長時間に渡る計測の場合には記録容量の観点からフレーム間の時間を長くとることがあるので、フレーム間の移動量が大きくなることが多いため問題となることが多い。
これを図19(a)〜(c)の図面を用いて説明する。尚、図19においては電線21a〜21d及び線間スペーサ22の符号は省略しており、点線は直前のフレームでの電線21a〜21d、線間スペーサ22及びターゲット23a,23bの位置を示している。
非特許文献2に記載の技術では、フレーム間で想定される移動位置に合わせてターゲット23の探索範囲24を決定しているため、図19(a)に示すように探索範囲24内に追跡対象がとどまっている間は追跡可能であるが、図19(b)に示すようにフレーム間で想定外の大きな(高速な)移動があった場合等には、探索範囲24から逸脱し追跡失敗となる。
この追跡失敗を回避するためには、図19(c)に示すようにターゲット23の探索範囲24を大きくすることとなるが、その場合、左右のターゲット23a,23bが両方とも探索範囲24に入ることとなる。左右のターゲットは同一の形状、模様、色彩等であるので、左右のターゲット23a,23bの取り違えを起こしてしまう。また、探索範囲24を大きくすることは、探索範囲内にターゲット23に類似した輝度パターンを含む可能性が増すので誤検出の可能性が高くなり、更に、計算量の増加を招くため好ましくない。
このように、非特許文献2に記載の技術においては、探索範囲を制御したとしても追跡失敗を回避できず、左右のターゲットを各フレーム毎に確実に認識、追跡することができなかった。このため非特許文献2に記載の技術では、捻回角の算出に失敗することが多く、電線の揺れ計測を精度良く行うことができなかった。
そこで、本発明は、各フレーム画像毎に正確に多導体電線の捻回角の計測を可能とすることでギャロッピング現象の予測等の線線の揺れ計測を可能とする画像処理による電線の揺れ計測方法、電線の揺れ計測装置及び電線の揺れ計測プログラムを提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、請求項1記載の画像処理による電線揺れ計測方法は、多導体電線に設置された2つのターゲットを用いて多導体電線の捻れを計測する方法であって、ターゲットの輝度パターン及びターゲット間の距離を初期情報とし、ターゲットが設置された多導体電線が撮影された撮影画像の各フレーム画像に対し、ターゲットの輝度パターンに最も類似する領域をパターンマッチングにより検出し第1のターゲットの移動位置とする処理と、第1のターゲットの移動位置を中心としてターゲット間の距離を半径とする円周上においてターゲットの輝度パターンに最も類似する領域をパターンマッチングにより検出し第2のターゲットの移動位置とする処理とを行って、第1のターゲットの移動位置及第2のターゲットの移動位置を結んで形成される直線の傾きから多導体電線の捻回角を算出するようにしている。
また、請求項5に記載の画像処理による電線揺れ計測装置は、多導体電線に設置された2つのターゲットを用いて多導体電線の捻れを計測する装置であって、ターゲットの輝度パターン及びターゲット間の距離を記憶する初期設定手段と、ターゲットが設置された多導体電線が撮影された撮影画像の各フレーム画像を読み込む画像読込手段と、ターゲットの輝度パターンに最も類似する領域をパターンマッチングにより検出し第1のターゲットの移動位置とするターゲットの位置検出手段と、第1のターゲットの移動位置を中心としてターゲット間の距離を半径とする円周上においてターゲットの輝度パターンに最も類似する領域をパターンマッチングにより検出し第2のターゲットの移動位置とする他方のターゲット検出手段と、第1のターゲット及び第2のターゲットの位置関係を識別するターゲット識別手段と、第1のターゲットの移動位置及び第2のターゲットの移動位置を結んで形成される直線の傾きから多導体電線の捻回角を算出する捻回角算出手段とを備えるものである。
また、請求項6に記載の画像処理による電線揺れ計測プログラムは、多導体電線に設置された2つのターゲットを用いて多導体電線の捻れを計測するプログラムであって、ターゲットの輝度パターン及びターゲット間の距離を初期情報として記憶装置に記憶させる処理と、予め記憶装置に記憶されたターゲットが設置された多導体電線が撮影された撮影画像データの各フレーム画像データを読み出して、該フレーム画像データに対し、ターゲットの輝度パターンに最も類似する領域をパターンマッチングにより検出し第1のターゲットの移動位置として記憶装置に記憶させる処理と、第1のターゲットの移動位置を中心としてターゲット間の距離を半径とする円周上においてターゲットの輝度パターンに最も類似する領域をパターンマッチングにより検出し第2のターゲットの移動位置として記憶装置に記憶させる処理と、第1のターゲットの移動位置及び第2のターゲットの移動位置を結んで形成される直線の傾きから多導体電線の捻回角を算出し記憶装置に記憶させる処理とをコンピュータに実行させるものである。
したがって、予めターゲットの輝度値のパターンを記憶装置に登録しておき、多導体電線の撮影画像の各フレーム画像に対し、登録した輝度パターンと最も類似した領域をパターンマッチング(テンプレートマッチング)により検出し、ターゲット(第1のターゲット)の移動位置(画素位置(x,y))としている。ここで、検出されたターゲットは2つのターゲットのうちいずれのターゲットであるかは不明である。そこで、本発明は、ターゲット間の距離が不変であることを利用して、検出したターゲットの移動位置を中心として、予め登録されたターゲット間の距離(d画素)を半径とする円周上の範囲で、輝度パターンに最も類似する他方のターゲット(第2のターゲット)を検出し、検出した2つのターゲットを結ぶ直線の傾きから多導体電線(単に電線ともいう)の捻回角を算出し、多導体電線の揺れ計測を行うようにしている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電線揺れ計測方法において、多導体電線に設置された線間スペーサを用いて多導体電線の捻れを計測する方法であって、線間スペーサの支持部の輝度パターン及び対となる線間スペーサの支持部間の距離を初期情報とし、線間スペーサが設置された多導体電線が撮影された撮影画像の各フレーム画像に対し、支持部の輝度パターンに最も類似する領域をパターンマッチングにより検出し支持部の移動位置とする処理と、支持部の移動位置を中心として支持部間の距離を半径とする円周上において支持部の輝度パターンに最も類似する領域をパターンマッチングにより検出し対となる支持部の移動位置とする処理と、支持部の移動位置と対となる支持部の移動位置との中点を中心として、支持部間の距離の半分の長さを半径とする円周上において支持部の輝度パターンに最も類似する領域をパターンマッチングにより検出し第1の交差する支持部の移動位置とする処理と、第1の交差する支持部の移動位置を中心として支持部間の距離を半径とする円周上において支持部の輝度パターンに最も類似する領域をパターンマッチングにより検出し第2の交差する支持部の移動位置とする処理とを行って、支持部の移動位置及び対となる支持部の移動位置または第1の交差する支持部及び第2の交差する支持部を結んで形成される直線の傾きから多導体電線の捻回角を算出するようにしている。
したがって、ターゲット間の距離不変性と同様に、線間スペーサの支持部間の距離不変性を利用して、線間スペーサのすべての支持部の位置を検出し、多導体電線の捻回角を算出し、電線の揺れ計測を行うようにしている。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2のいずれかに記載の電線揺れ計測方法において、ターゲット又は支持部が撮影画像のフレーム画像内において移動する範囲を想定移動範囲として設定し、想定移動範囲内でターゲット又は支持部をパターンマッチングにより検出するようにしている。したがって、フレーム画像全体をターゲットの移動位置検出のためのパターンマッチングの対象とするのではなく、マスク処理を行うようにしている。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3までのいずれかに記載の電線揺れ計測方法において、ターゲットの輝度パターンまたは支持部の輝度パターンに代えて、ターゲットの色パターンまたは支持部の色パターンを用いて、色値を基準としてパターンマッチングを行うようにしている。したがって、輝度値だけでなく、ターゲットや支持部の色の特徴によりパターンマッチングを行うことを可能としている。
請求項1に記載の画像処理による電線の揺れ計測方法、請求項5に記載の電線の揺れ計測装置及び請求項6に記載の電線の揺れ計測プログラムによれば、フレーム間差分で2つのターゲットを追跡するのではなく、いずれか一方のターゲットを検出した後、ターゲット間の距離が一定であることを利用して他方のターゲットを検出しているので、ターゲットが大きく移動した場合であっても、追跡することが可能である。また、双方のターゲットを検出した後に、その位置関係から2つのターゲットの認識を行うようにしているので、2つのターゲットを誤認識することがない。
また、第2のターゲットの探索に際し、背景に検出すべきターゲットに紛らわしい建物、検出対象でない他のターゲット等を含んでいる場合であっても、探索範囲に含まれることがないため、誤検出を防ぐことができる。また、第2のターゲットの探索範囲は第1のターゲットの移動位置を中心とした円周上の画素とごく限られているので、計算量を軽減し、処理の高速化を図ることができる。
このように2つのターゲットの追跡に失敗することがないので、撮影画像の全フレームにおいて捻回角を正確に求めることができる。したがって、ギャロッピング現象の研究、予防等に活用することができる。
また、請求項2に記載の画像処理による電線揺れ計測方法によれば、ターゲットが設置されていない多導体電線についても、線間スペーサを利用して電線の捻回角を算出することができ、電線の揺れ計測を行うことができる。
また、請求項3に記載の画像処理による電線揺れ計測方法によれば、パターンマッチングに際し、マスク処理を行うことで処理量を軽減し、高速な処理を実現可能としている。
また、請求項4に記載の画像処理による電線揺れ計測方法によれば、ターゲットや支持部の輝度パターンが背景や電線部分と類似する場合であっても、ターゲットや支持部の色の特徴を用いてパターンマッチングを行うことが可能となる。
本発明の構成を図面に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
以下、ターゲット23を用いる場合の画像処理による電線の揺れ計測方法の実施の形態(第一の実施形態)を図1〜図7の図面に示す。
本実施形態の電線の揺れ計測方法は、多導体電線21に設置されたターゲット23を用いて多導体電線21の捻れを計測する方法であって、ターゲットの輝度パターン及びターゲット間の距離を初期情報とし、ターゲット23が設置された多導体電線21を撮影した撮影画像の各フレーム画像に対し、ターゲットの輝度パターンに最も類似する領域をパターンマッチングにより検出し第1のターゲットの移動位置とする処理と、第1のターゲットの移動位置を中心としてターゲット間の距離を半径とする円周上においてターゲットの輝度パターンに最も類似する領域をパターンマッチングにより検出し第2のターゲットの移動位置とする処理とを行って、第1のターゲットの移動位置及第2のターゲットの移動位置を結んで形成される直線の傾きから多導体電線21の捻回角を算出するようにしている。
本発明の電線の揺れ計測方法は、以下に説明する「ターゲット間の距離不変性」及び、「捻回角は90度を超えない」という2つの制約条件を利用して、多導体電線21の捻回角の算出を行うものである。
本実施形態において、ターゲット23が設置された多導体電線21を撮影する撮像手段10としては、例えばITV(Industrial Television)カメラを用いることができる。多導体電線21が撮影された電線の揺れ計測のための画像(以下、単に撮影画像ともいう)は、例えば、図3に示すように、鉄塔25にITVカメラ10を設置して、多導体電線21の長手方向とITVカメラ10のレンズの光軸が平行になるように撮影する。これは、地面に対し水平方向の揺れと地面対し垂直方向の揺れの計測が重要であり、多導体電線21の動きを垂直、水平方向で計測できるようにするためである。
このように撮影した場合、多導体電線21は線間スペーサ22により固定されており、
また、鉄塔方向(画面奥行き方向)に向かって動かないため、ITVカメラ10の焦点距離を固定することによりターゲット間の距離は画面内で一定という制約条件(以下、「ターゲット間の距離不変性」という)が成立する。尚、本実施形態において、撮影画像における座標系は、フレーム画像の横方向をx軸、縦方向をy軸とするものとするが、これに限られるものではない。また、撮影画像のフレームレートは、特に限られるものではない。
本実施形態では、図18に示すような4導体スペーサ(線間スペーサ22)に2つのターゲット23a,23bが設置されている場合を例に説明するが、2つのターゲット23a,23bが設置される線間スペーサ22は、図18に示すような形状に限られない。また4導体に限らず、2導体スペーサ、8導体スペーサ等のスペーサであっても良く、特に限られるものではない。
また、本実施形態では、2つのターゲット23a,23bが線間スペーサ22の左右に固定されている場合を例に説明するが、ターゲット間の距離が固定されていれば、スペーサの上下、斜め方向の上下等、どのように設置されていても良く、特に限られるものではない。例えば、線間スペーサ22の上下にターゲット23が設置されている場合は、以下に述べる処理において適宜座標変換をすればよい。
また、多導体電線21は、複数本の電線を線間スペーサ22で束ねているため単導体に比べ捻回しにくいという特徴がある。本願発明者等がこれまでに撮影された電線の揺れ計測用画像を確認したところ、90度を超えた捻回角の絶対値は計測されなかった。即ち、「捻回角は90度を超えない」という制約条件が成立する。この制約条件は、ターゲット23や線間スペーサ22は、左右が反転することはないことを意味している。したがって、フレーム画像中において2つのターゲット23a,23bを正確に検出することができれば当該2つの検出位置の座標を判断し、最も左に位置しているのが左側のターゲット23aであり、最も右に位置しているのが右側のターゲット23bであると一意に決定することができる。
尚、左右のターゲット23を画面上で容易に識別可能とするように、異なる色や形状、異なる模様等を付すようにすれば、パターンマッチングにおいて左右のターゲット23を取り違えることは防止することができる。しかしながら、現実には、撮影済みの多量の電線の揺れ解析用画像について確認したところ、すべて左右のターゲット23には同じものが用いられていた。更に、ターゲット23には風雪時の視認環境で遠方(200m程度)から確実に識別できるものであること、また、そのサイズもあまり大きなものは取り付けられない等の種々の制約条件があるため、左右に異なる特徴を有するターゲット23を今後装着することは容易ではない。因みに、左右のターゲット23として異なる特徴を有するターゲット23が装着された電線であれば、先ず、一方の特徴を有するターゲット23についてパターンマッチングにより検出し、ターゲット間の距離不変性を利用し、他方のターゲット23をパターンマッチングにより検出する際には、他方のターゲット23の特徴をパターンとしたパターンマッチングを行うことで、従来手法より正確にターゲット23の位置を検出し、多導体電線21の揺れ計測を行うことが可能となる。
また、本実施形態においては、画素の特徴値として画素の輝度値を基準としてパターンマッチング等の処理を行うものとしているが、これに限られるものではなく、例えば、RGB、HSV、CIE L*a*b*等の画素の色値を基準として、パターンマッチングを行うようにしても良い。
次に、本実施形態の電線の揺れ計測装置1について説明する。電線の揺れ計測装置1は、図1に示すように、ターゲットの輝度パターン及びターゲット間の距離を記憶する初期設定手段11と、ターゲット23が設置された多導体電線21が撮影された撮影画像の各フレーム画像を読み込む画像読込手段12と、ターゲットの輝度パターンに最も類似する領域をパターンマッチングにより検出し第1のターゲットの移動位置とするターゲットの位置検出手段13と、第1のターゲットの移動位置を中心としてターゲット間の距離を半径とする円周上においてターゲットの輝度パターンに最も類似する領域をパターンマッチングにより検出し第2のターゲットの移動位置とする他方のターゲット検出手段14と、第1のターゲット及び第2のターゲットの位置関係を識別するターゲット識別手段15と、第1のターゲットの移動位置及第2のターゲットの移動位置を結んで形成される直線の傾きから多導体電線の捻回角を算出する捻回角算出手段16を備えるものである。
上記の電線の揺れ計測装置1は、例えば既存の又は新規のコンピュータ(計算機)により実現される。このコンピュータ2は、例えば図2に示すように、中央処理演算装置(CPU)3、RAMやROM及びハードディスクなどの記憶装置4、キーボードやマウスなどの入力装置5、ディスプレイやプリンタ等の出力装置6、CDやFDなどの媒体に記録されたデータを読み取るディスクドライブ等のデータ読取装置7や、撮像手段10から撮影画像データを取り込むための入出力インターフェース8等のハードウェア資源がバス9により接続されて構成されている。このコンピュータ上で本発明に係る電線の揺れ計測装置プログラムが実行されることにより、コンピュータ2が電線の揺れ計測装置1の各手段として機能する。
また、撮像手段10から入力される撮影画像は、撮像手段10から直接入出力インターフェース8を介して入力されるようにしても、一旦ビデオテープ等の記録媒体に記録した上で入力されるようにしても良い。入出力インターフェース8は、例えばビデオカメラから入力される映像やビデオテープに記録された映像をコンピュータでの処理が可能なデータに変換する機能や、映像を構成する各フレームをそれぞれ画像データとして記憶装置4に記録する機能を有するものである。
以下、本実施形態の電線の揺れ計測プログラムについて説明する。電線の揺れ計測プログラムが実行する処理の一例を図4のフローチャートに示す。
先ず、初期設定処理を行う(S101)。初期設定処理(S101)では、ターゲットの輝度パターン、左右のターゲット間の画像上の距離及びターゲットの想定移動範囲等の初期情報を予め記憶装置4に記憶させるものである。
ターゲット23は電線21及び背景との区別が明確に可能とするよう特徴的な色、模様等を有している。初期設定処理(S101)では、パターンマッチングによりターゲット23を探索可能とするために、例えば図5に示すようなM×N画素からなるターゲットの輝度パターンを予め記憶装置4に記憶させておくものである。尚、本実施形態では、ターゲットの輝度パターンにM×Nの矩形のパターンを用いているが、例えば、ターゲット23の形状に合わせて円形、楕円形等の輝度パターンを用いても良いのは勿論である。この場合はターゲットの輝度パターンの形状に合わせて、パターンマッチングを行うようにすれば良い。
また、初期設定処理(S101)では、左右のターゲット間の画像上の距離(画素数:以下、d画素という)を記憶装置4に記憶させる。上述のようにターゲット間の距離は不変である。尚、本実施形態では、ターゲット間の画像上の距離d画素には、2つのターゲット23a,23bの左上端の画素間の距離としているが、例えば、2つのターゲット23a,23bの中心画素間の距離や最短距離等を用いてもよく特に限られるものではない。また、画像上の距離については、例えば、ユークリッド距離や八角形距離等を用いて算出すれば良く、特に限られるものではない。
更に、初期設定処理(S101)では、ターゲットの想定移動範囲を記憶装置4に記憶させる。ターゲットの想定移動範囲とは、実際に探索を行う探索範囲に該当するものであり、撮影画像データの各画像フレームにおいて2つのターゲット23a,23bが移動しうる範囲を登録するものである。本実施形態では、半径r(画素数)及び中心位置を設定し、rを半径とする円内を想定移動範囲としているが、これに限られるものではなく、4隅の座標位置を設定して長方形の範囲を想定移動範囲としても良い。例えば、撮影画像においてターゲット23が画面の左上方に撮影されている等が既知の場合、また、処理開始前に撮影画像を目視で断片的に確認しておき、想定されるターゲットの移動範囲を考慮して、マスク処理を行うものである。
このように画像フレーム全体をターゲットの位置検出処理(S103)の対象とするのではなく、マスク処理を行うことで計算量を減らし処理の高速化を図ることができる。尚、想定移動範囲が判断できない場合は、想定移動範囲を指定せず、画像フレーム全体を想定移動範囲とするようにしても良い。尚、想定移動範囲の指定は、入力装置5としてのキーボード等から座標を指定することや、入力装置5としてのマウス等から範囲指定することにより想定移動範囲とする画像フレームの画素位置を記憶装置4に記憶させれば良く、その指定方法は、特に限られるものではない。
また、初期設定処理(S101)では、フレーム数を示すパラメータnをn=1に設定しておく。これらの初期設定処理(S101)において登録された情報は、記憶装置4に初期パラメータとして記憶される。
次に、nフレーム目の画像読込処理を行う(S102)。具体的には、撮影画像データのnフレーム目の画像データをメモリ上に読み出すものである。
次に、ターゲットの位置検出処理(S103)を行う。具体的には、初期設定処理(S101)で登録されたターゲットの輝度パターン(図5参照)を用いて、想定移動範囲内に最も類似した画素位置をパターンマッチングにより求めるものである。
想定移動範囲内において、ターゲット23を検出するパターンマッチング手法は、特に限られるものではなく、公知または新規のパターンマッチング手法を用いることが可能である。本実施形態では、SSDA法(sequential similarity detection algorithm)により目的とする画像パターン(ターゲット23)を検出するようにしている。
具体的には、想定移動範囲内において数式1を最小にする点(x,y)をターゲット23(第1のターゲット)の移動位置(x,y)として検出するものである。
ここで、
Br(x,y):フレーム画像中の画素(x,y)における輝度値(0≦Br(x,y)≦255)
OriginBr(i,j):ターゲットの輝度パターン(M×N画素)における(i,j)における画素輝度値
である。
このようにパターンマッチングにより登録した輝度パターンと最も類似している領域をターゲット23(第1のターゲット)の移動位置(x,y)として検出することができる。数式1によれば、ターゲットの輝度パターンに最も類似する領域の左上方の画素、即ち、第1のターゲット23の左上方の画素を検出することができる。
しかしながら、左右のターゲット23の輝度パターンは類似しているため、検出したターゲットの移動位置が左右いずれのターゲット23の移動位置であるのかは不明である。
そこで、本実施形態では、他方のターゲット23(第2のターゲット)の位置を求めるために既に求められているターゲットの移動位置を中心として、図6に示すように予め登録されたターゲット間の距離(d画素)の点線26で示す円周上で数式1を最小にする領域を探索するようにしている。これは、ターゲット間の距離不変性を利用したものであり、電線21がどのように捻れていたとしてもd画素を半径とする円周上に他方のターゲットは存在しているからである。
円周上で探索するとは、中心画素(x,y)から一定の距離(d画素)にある画素について数式1を最小にする領域を探索するものである。尚、円周上の画素とは、厳密な意味ではなく、例えば、d画素を中心としてターゲットの大きさ分の幅を持たせて探索することが好ましい。例えば、本実施形態では、ターゲットが画面上で10画素×10画素程度の大きさであれば、円周上の画素を中心として±5画素の幅で探索するようにしているが、円周上のどの程度の画素を探索するかはこれに限られるものではなく、ターゲットの形状等を考慮して適宜設定可能なパラメータである。
点線26で示す円周上で数式1を最小にする画素位置(x,y)を他方のターゲット23の移動位置として記憶装置4に記憶するものである。尚、S103でターゲット内のどの位置の画素(四隅のいずれか、中心か等)が検出されていても、ターゲット間の距離は不変であるので、他方のターゲット23もほぼ対応する位置の画素が検出されることとなる。
次に、ターゲット識別処理(S105)を行う。本実施形態では、算出した2つのターゲット23の位置のうち、最も左にあるものを左のターゲット23aの位置とし、最も右にあるものを右のターゲット23bの位置とする。上述のように「捻回角は90度を超えない」ので左右反転することはないからである。尚、当該判断は、記録された座標の値を基準に行えばよく、本実施形態では、左(xの値が小さい方)のターゲット23aの座標を左のターゲットの座標位置(xl,yl)、右(xの値が大きい方)のターゲット23bの座標を右のターゲットの座標位置として(xr,yr)として記憶装置4に記憶する。
次に、捻回角算出処理を行う(S106)。具体的には、図7に示すようにS103及びS104で記録された2つのターゲット23a,23bの移動位置を読み出して、演算装置3により数式2を演算することにより2つのターゲット23a,23bを結んだ直線とx軸との間の角度、即ち、多導体電線21の捻回角を算出するものである。
電線の揺れ計測用画像は、多導体電線21の強風等による捻れを検出可能とするための画像であり、上述のように撮影画像は、無風時にはターゲット23間を結ぶ直線と電線21のx軸は平行である。しかしながら、x軸と平行に撮影するのが困難である場合は、初めに捻れていない状態でのターゲット23間を結ぶ直線とx軸との間の角度を予め数式2により求めておき、揺れの計測時に数式2で算出されたθから当該角度を引くことで電線21の捻回角を求めることができる。尚、例えば、電線21の上下にターゲットが設置されている場合は、y軸に対する捻回角θを同様の手法により求めるようにすれば良い。
捻回角算出処理(S106)で算出された捻回角は、例えば、フレーム番号nの値をキーとし、捻回角を値として有するファイルとして記憶装置4に記憶される。
電線の揺れ計測プログラムの実行者は、例えば、図17(実施例参照)に示すように当該ファイルから作成可能なグラフを出力装置6としてのディスプレイに表示させたり、出力装置6としてのプリンタから印刷をすることができる。
最後に次フレームが有るかどうかを判断する(S107)。即ち、S102〜S106の処理を実行したフレーム画像が撮影画像データの最終フレームでない場合(S107:Yes)は、フレーム番号をn+1としてS102の処理に戻り(S108)、次のフレーム画像についての処理を行う。
これに対し、最終フレームである場合(S107:No)は、本実施形態の電線の揺れ計測プログラムが実行する処理は終了する。
次に、線間スペーサ22を用いる場合の画像処理による電線の揺れ計測方法、装置、プログラムの実施の形態(第2の実施形態)を図8〜図11の図面に示す。尚、特に記載のない箇所については上記第1の実施形態において説明した通りである。
ギャロッピング現象の挙動を調べるために多導体電線21に既にターゲット23が装着されている場合は、第一の実施形態において説明したターゲット23を基準とした電線の揺れ計測方法、装置、プログラムにより捻回角を計測することが可能である。
しかしながら、ターゲット23が装着されていない電線21について新たにターゲット23を装着することは事故防止の観点から困難な場合が有る。そこで、本実施形態では、ターゲット23が装着されていない場合に、図10に示すような4導体線間スペーサ(以下、線間スペーサ22という)を用いた電線の揺れ計測方法について説明する。尚、本実施形態において、利用可能な線間スペーサ22は、各支持部27a〜27dと線間スペーサ22の中点(符号cで示す)との長さが等しいものを対象とするものとする。尚、本実施形態では、線間スペーサ22の四隅にある電線21a〜21dの支持部分(点線で囲った範囲)を支持部27(27a〜27d)としているが、支持部27としてパターンマッチングを行う範囲は特に限られるものではなく、電線部分や背景部分との輝度パターンの違いを考慮して、パターンマッチングが可能となる範囲を指定するようにすればよい。
尚、本実施形態において、対となる支持部とは、支持部27aと支持部27dとの関係、支持部27bと支持部27cとの関係をいう。また、対となる支持部から見た残りの2つの支持部27を、交差する支持部という。
第2の実施形態における電線の揺れ計測方法は、多導体電線に設置された線間スペーサ22を用いて多導体電線21の捻れを計測する方法であって、線間スペーサ22の支持部27の輝度パターン及び対となる線間スペーサ22の支持部間の距離を初期情報とし、線間スペーサ22が設置された多導体電線21が撮影された撮影画像の各フレーム画像に対し、支持部の輝度パターンに最も類似する領域をパターンマッチングにより検出し支持部の移動位置とする処理と、当該支持部の移動位置を中心として支持部間の距離を半径とする円周上において支持部の輝度パターンに最も類似する領域をパターンマッチングにより検出し対となる支持部の移動位置とする処理と、支持部の移動位置と対となる支持部の移動位置との中点を中心として、支持部間の距離の半分の長さを半径とする円周上において支持部の輝度パターンに最も類似する領域をパターンマッチングにより検出し第1の交差する支持部の移動位置とする処理と、第1の交差する支持部の移動位置を中心として支持部間の距離を半径とする円周上において支持部の輝度パターンに最も類似する領域をパターンマッチングにより検出し第2の交差する支持部の移動位置とする処理とを行って、支持部の移動位置及び対となる支持部の移動位置または第1の交差する支持部及び第2の交差する支持部を結んで形成される直線の傾きから多導体電線21の捻回角を算出するようにしている。
また、第2の実施形態の電線の揺れ計測装置1は、図8に示すように、支持部の輝度パターン及び支持部間の距離を記憶する初期設定手段11と、線間スペーサ22が設置された多導体電線が撮影された撮影画像の各フレーム画像を読み込む画像読込手段12と、支持部の輝度パターンに最も類似する領域をパターンマッチングにより検出し支持部の移動位置とする支持部の位置検出手段17と、支持部の移動位置を中心として支持部間の距離を半径とする円周上において支持部の輝度パターンに最も類似する領域をパターンマッチングにより検出し対となる支持部の移動位置とする対となる支持部の位置検出手段18と、対となる支持部の移動位置の中点を中心として、対となる支持部間の距離の1/2を半径とする円周上において支持部の輝度パターンに最も類似する領域をパターンマッチングにより検出し交差する支持部の移動位置とする交差する支持部の位置検出手段19と、全ての支持部27の位置関係を識別する支持部識別手段20と、対となる支持部間を結んで形成される直線の傾きから多導体電線21の捻回角を算出する捻回角算出手段16とを少なくとも備えている。
また、電線21と線間スペーサ22の輝度パターンが異なる場合は良いが、電線21と線間スペーサ22の輝度パターンが類似している場合は、支持部27をパターンマッチングにより検出することは困難であるので、例えば、支持部27に色・模様等のマーキングを行って色の違いにより検出可能とすればよい。この場合は、輝度パターンに代えて色値のパターンを用いるようにすればよい。
以下、図9のフローチャートを用いて第2の実施形態の電線の揺れ計測プログラムが実行する処理の一例を示す。
第2の実施形態では、先ず2組の対となる支持部のうち、いずれかを捻回角算出の基準となる対となる支持部として選択し、電線の捻れがない場合の対となる支持部間を結んだ直線とx軸との間の角度を予め上記数式2により求めておく。以下、本実施形態では、対となる支持部27aと支持部27dを捻回角の算出の基準とするものとして説明する。
先ず、初期設定処理を行う(S201)。初期設定処理(S201)では、先ず線間スペーサ22の支持部の輝度パターンを記憶装置4に記憶させる。本実施形態では、線間スペーサ22の支持部の輝度パターンをm×n画素の輝度パターンとして登録することとしているが、輝度パターンの形状・大きさは、線間スペーサ22の形状やマーキングされた部分の形状等に併せて適宜選択すればよく、特に限られるものではない。
また、初期設定処理(S201)では、対となる支持部間の画像上の距離(以下、d画素とする)を記憶装置4に登録する。
また、初期設定処理(S201)では、線間スペーサ22の支持部27の想定移動範囲及びフレーム番号をn=1に設定する。これら初期設定処理(S201)において登録された情報は、記憶装置4に初期パラメータとして記憶される。
次に、S102と同様にnフレーム目の画像読込処理を行って(S202)、支持部の位置検出処理(S203)を行う。具体的には、初期設定処理(S101)で登録された支持部の輝度パターンを用いて、想定移動範囲内で上記数式1を最小にする領域を探索し、線間スペーサ22の支持部27の4つのうちのいずれか1つの移動位置とするものである。
次に、対となる支持部の位置検出処理(S204)を行う。S203で得られた線間スペーサ22の支持部27の位置は、登録した輝度パターンと最も類似しているものであるが、線間スペーサ22の4つの支持部27のうちどの支持部の位置を検出したかは不明である。
しかしながら、いずれの支持部27の位置を検出していたとしても、線間スペーサ22の対となる支持部間の長さは不変であるので、図11に示すように検出した支持部(この場合、支持部27a)を中心とした半径d画素の円周上(符号28で示す)に対となる支持部(支持部27d)は存在する。
そこで、本処理では、S104と同様に、S203で検出した支持部27の移動位置を中心として、半径d画素の点線で示した円周上で上記数式1を最小にする領域を探索し、これを対となる支持部の位置として検出し、記憶装置4に記憶させるものである。
次に、交差する支持部の位置算出処理(S205)を行うようにしている。具体的には、S203及びS204で検出した対となる支持部の移動位置の中点c(線間スペーサ22の中点)を算出し、中点cの画素位置を中心として、今度は半径d/2画素の円周上で上記数式1を最小にする領域を探索(符号29で示す)し、これを第1の交差する支持部の位置とする。
ここで、線間スペーサ22の2組の対となる支持部を結んでできる直線が直交または直交に近い状態である線間スペーサ22の場合は、中点cの画素位置を中心として半径d/2画素の円周上で探索すると、既に検出した2つの支持部の移動位置を再度検出してしまう可能性があるため、この場合には、既に検出している2つの支持部の移動位置及びその周辺画素については、探索範囲から除くようにすればよい。また、線間スペーサ22の支持部同士が直交する線間スペーサの場合は、中点cから、対となる支持部間を結んだ直線に直交する線上で探索を行うようにしても良い。
更に、第1の交差する支持部の位置を中心としてS203と同様に半径d画素の円周上で上記数式1を最小にする領域を探索し、これを第2の交差する支持部の位置とする。また、第2の交差する支持部の位置の検出に際しては、上記数式1を最小にする領域を第一の交差する支持部の位置とし、次に値の小さくなる領域を第2の交差する支持部の位置としても良い。
次に、支持部の識別処理(S206)を行う。以上の処理により検出した線間スペーサ22の4つの支持部の座標に基づいて位置関係を識別するものである。尚、上述のように捻回角は90度を超えないため、4つの支持部27の位置は、一意に決定することができる。具体的には、検出した各支持部27の移動位置の座標を判断し、最も左にある支持部を中心として残りの3つとの支持部との位置関係から4つの支持部の位置を決定することができる。
次に、求めた2つの対となる支持部の移動位置のうち、予め選択した方の対となる支持部の移動位置を用いて、捻回角を求める捻回角算出処理(S207)を行う。尚、処理の詳細はS106と同様であるが、電線の捻れがない(捻回角が0度)場合の対となる支持部(支持部27aと支持部27d)を結んだ直線は、x軸とは平行ではないので、上記数式2で算出したθから、予め上記数式2により求めた捻れていない状態での支持部間を結ぶ直線とx軸との間の角度を引くことで電線の捻回角を求めることができる。
最後に、次フレームが有るかどうかを判断する(S208)。即ち、S202〜S207の処理を実行したフレーム画像が撮影画像データの最終フレームでない場合(S208:Yes)は、フレーム番号をn+1としてS202の処理に戻り(S209)、次のフレーム画像についての処理を行う。
これに対し、最終フレームである場合(S208:No)は、本実施形態の電線の揺れ計測プログラムが実行する処理は終了する。
尚、上述の実施形態は本発明の好適な実施の例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
例えば、撮影画像のすべてのフレームについて処理の対象とせず、対象とするフレーム数(何フレーム〜何フレーム目まで)を指定可能としたり、対象とする時間(何分何秒から何分何秒まで)等のタイムコードを任意に指定可能とするようにしても良い。その場合には、指定されたフレームの間のみ上述の処理(S102〜S107)が実行される。尚、当該タイムコードの指定には公知の技術を用いれば良く、特に限られるものではない。
また、例えば、第2の実施形態において、S204において対となる支持部の位置検出を行った後、記憶装置4に記憶された直前のフレーム(n−1フレーム)での捻回角を読み出して、現在処理しているフレーム(nフレーム)の捻回角とを比較するようにし、直前のフレームと比較して捻回角が予め設定した閾値(例えば30度)以上変化している場合にのみ、交差する支持部の位置検出処理(S205)を行うようにしても良い。捻回角が大きく変化することは少ないので、捻回角が小さければ、直前のフレームで探索した追跡対象としている対になる支持部を当該フレームでも検出したと判断することができる。このようにすることで計算量の軽減を行うことが可能となる。
また、第2の実施形態では、4導体線間スペーサを例に説明したが、これに限られるものではない。例えば、2導体スペーサであれば、S205の省略することで電線の捻回角の計測が可能となる。また、4導体に限らず6導体、8導体等のスペーサであっても線間スペーサの支持部間の距離不変性を利用することにより本発明の電線の揺れ計測方法を適用することが可能である。
(実施例1)
電線揺れ計測プログラムの有効性について実験を行った。比較した手法は二つである。一つは、非特許文献2で用いているSSDAを使って探索範囲中で追跡対象(ターゲット)を探索する手法(以下、単純SSDA法という)である。もう一つは、SSDAを使って、追跡対象と類似した領域を二つ探索し、1フレーム前のターゲットの位置と比較し、近い方を追跡対象が移動した位置とする方法(以下、SSDA改良法という)である。SSDA改良法は、従来法を追跡対象が複数ある場合に拡張した手法である。
追跡対象の移動量が大きい場合、単純SSDA法で追跡対象の正確な追跡を行わせるには、追跡対象の探索範囲(想定移動範囲)の設定が重要になる。探索範囲が狭いと追跡対象が探索範囲外に出てしまい、追跡対象が見つからなくなるためである。尚、探索範囲は、ギャロッピング映像の場合、1フレーム前のターゲットの位置を重心とする直径が2r画素の円の領域とした。比較実験では、探索範囲が電線追跡の精度に与える影響を調べるために、全部で大小三つのrを用いた。
本実験では、以下の4点について検証を行った。
(1)探索範囲の狭さが与える影響
探索範囲が狭い場合、追跡対象の移動量が大きいと探索範囲から追跡対象が出てしまい、その結果追跡対象を見失う。このことを単純SSDA法により検証した。
(2)探索範囲を広げたことによる影響
追跡対象を見失わないように探索範囲を広げた場合、追跡対象を見失うことは防げるが、探索範囲に追跡対象でないターゲットや電線が存在することになり、追跡対象でないターゲットや電線を追跡する(誤追跡という)。このことを単純SSDA法により検証した。
(3)SSDA改良法による誤追跡低減効果
単純SSDA法は複数の特徴の類似した物体が、探索範囲中に存在しないことを仮定しているため、追跡対象が複数ある場合に対応させたSSDA改良法で、誤追跡を減らせるかを検証した。
(4)本発明の有効性
本発明の電線の揺れ計測プログラムを用いて、追跡対象の見逃しや誤追跡が生じるかどうかを検証し、本発明の有効性を検証した。
以下では、評価に用いた実験用映像毎に、映像の特徴及び実験パラメータについて述べる。
本実施例では、撮影画像としてギャロッピング現象を撮影した3本の映像を用いた。ビデオの画像サイズは720×480画素、収録時間はそれぞれ10分(計30分)であり、サンプリング時間は100msecである。尚、通常のTV映像では、33msecであるが、長期間の計測が必要なため、画像の記録容量の観点からサンプリング時間を長くしている。
図12(a)〜(c)は評価に用いた撮影条件の異なる3種の映像であり、(a)晴天時昼間の映像、(b)曇天時昼間の映像、(c)曇天時夕方の映像である。いずれの映像に対しても、ターゲットは追跡開始から終わりまで、背景と肉眼で区別できるように撮影されている。さらに、ターゲットの付近にはターゲットと類似したものは存在しない映像である。また、ターゲットの実際の大きさは30cmであり、左右ターゲット間の距離は150cmである。尚、追跡精度の評価基準として用いるため、実験用映像の全てのフレームについて人間が目視でターゲットや電線の位置を確認し、これを正解とした。
表1に示すように実験用映像(a)は、画面上のターゲットの大きさは直径が7画素、左右ターゲットの間隔は30画素である。また、ターゲットの動きの特徴は回転を含んだ動きが多かった。ターゲットの画像中での移動速度は、平均で3.5画素/フレーム、最大で35.4画素/フレーム、移動速度の標準偏差は3.89であった。また、実験用映像(b)は、画面上のターゲットの大きさは直径が10画素、左右ターゲットの間隔は30画素である。また、ターゲットの動きの特徴は回転を含んだ動きは少なかった。ターゲットの画像中での移動速度は、平均で8.7画素/フレーム、最大で67.2画素/フレーム、移動速度の標準偏差は8.59であった。また、実験用映像(c)は、画面上のターゲットの大きさは直径が10画素、左右ターゲットの間隔は50画素である。また、ターゲットの動きの特徴は、(b)と同様に回転を含んだ動きは少なかった。ターゲットの画像中での移動速度は、平均で7.7画素/フレーム、最大で56.4画素/フレーム、移動速度の標準偏差は6.97であった。
ターゲットが探索範囲外に出てしまうことを回避するために、rは、最大の移動速度以上となるようにした。従って、探索範囲を決めるrは、表2に示すようにそれぞれ(a)45、(b)70、(c)60画素とした。また、探索範囲の広さの影響を調べるために、探索範囲のrを10及び20減らした探索範囲を用意し、探索範囲を狭くしてSSDAを適用した。
用いた実験用画像におけるターゲットは赤色であったため画像中の赤成分の色値に着目し、上記数式1におけるBr(x、y)にはカラー画像における赤成分の値(0〜255の整数値)を使用した。
本実施例では、左右ターゲットのうち、左ターゲットを追跡するものとし、左ターゲットを正しく追跡できた場合を「成功」、右ターゲットを誤って追跡した場合を「誤追跡」、ターゲット自体を見失った場合を「失敗」とする。尚、誤追跡のうち、右ターゲットを正確に追跡し続けていれば、残りのターゲットは自明であるため、実用上の問題はない。問題となるのは、左右のターゲットを頻繁に取り違える場合であり、本実施例では、そのような取り違えを「遷移」と呼ぶ。「失敗」から「誤追跡」へ変わった場合を遷移1、逆を遷移2というものとする。
探索範囲の大きさごとに、各実験用映像(a)〜(c)(各6,000フレーム)に対し、成功枚数、誤追跡枚数、失敗枚数をそれぞれ表3〜表5に示す。また実験用映像(a)〜(c)の遷移1の枚数を表6に示す。尚、遷移2の枚数については遷移1とほぼ同数であったため省略する。
表3〜表5からわかるように、いずれの映像においても単純SSDA法は、ターゲットの最大移動速度より大きな探索範囲を設定すれば、ターゲットを見失うことはない。ただし、探索範囲を広くするに従って、誤追跡、つまり左右のターゲットの取り違えを起こしてしまう。また、表6からわかるように、単純SSDA法での、遷移1の枚数は、3本の映像で合計3,789枚である(全体の21.1%)。遷移2もほぼ同数であることから、全体の42%以上で遷移が起こっており、頻繁に左右のターゲットを取り違えていることがわかる。
SSDA改良法は、表3〜5を見る限り、必ずしも単純SSDA法よりも性能向上しているとは言えない。しかし表4に示すように、遷移自体は大幅に少なくなっていることがわかる。それでも、総計159回の遷移(遷移1,2合わせて318回、全体の1.8%)を起こしており。単に近傍を探索するという拡張では、問題の解決には至らないことがわかる。
これに対し、本発明の電線の揺れ計測プログラムでは、表3〜表5に示すように全フレームにおいて一度も誤追跡を起こさず正確に追跡を行ったことを確認した。
以下、比較に用いた手法での誤追跡要因を具体例を用いて説明する。
(1)探索範囲の狭さが与える影響
図13は、実験用映像(b)曇天時昼間の映像の10分の映像中の6秒分を示しており、左ターゲットの実際の位置(正解)と単純SSDA法(探索範囲r=50)で求めた左ターゲットの位置を示している。尚、図13(a)はx座標、図13(b)はy座標である。図13は、25秒付近で、フレーム間の移動量が大きいため(水平40画素、垂直35画素、移動距離約53画素)、探索範囲外である円外にターゲットが出てしまい、ターゲット自体を見失って追跡に失敗する例を示している。追跡に失敗した場合は、ターゲットが存在しないにもかかわらず、探索範囲内で数式1を最小にする領域をターゲットの位置と判断している(図13(a)矩形内)。再び、ターゲットが探索範囲内に入ってくれば、正解が得られている様子も図13(a)からわかる。
(2)探索範囲を広げたことによる影響
図13と同時刻で、探索範囲r=70とした場合の、単純SSDA法の追跡結果を図14に示す。ここでは、ターゲットの水平位置だけを示した。ターゲットを見失ってはいないが、右ターゲットを追跡しており、誤追跡が生じている。また、遷移が頻繁に生じていることもわかる。
(3)SSDA改良法による誤追跡低減効果
SSDA改良法でターゲットを追跡した結果の例を図15に示す。実験用映像(c)曇天時夕方の10分の映像から代表的な10秒分を示している。図15(a)はターゲットのx座標、 図15(b)はターゲットのy座標の計測結果を示している。113秒付近で、1フレーム前の左ターゲットの位置に右ターゲットが急に近づいたため、誤追跡が生じている。このような状況は急速な回転によって、片方のターゲットのみが移動する場合に生じる。さらに、一度、誤追跡を起こすと、1フレーム前の右ターゲット位置に急に左ターゲットが近づかないかぎり、正しく追跡できないため、誤追跡となり続けていることがわかる。
以上の(1)〜(3)で述べたような、比較に用いた手法が追跡できないいずれの場合も、本発明の電線の揺れ計測プログラムは、左右のターゲットを正確に区別可能であることを確認した。図15と同時刻の提案手法で表示した結果を図16に示す。本発明の電線の揺れ計測プログラムは正確に左ターゲットを追跡しているため、ターゲットの軌跡は完全に一致している。また、図17に、実験用映像(a)を用いて、本発明の電線の揺れ計測プログラムにより捻回角を求めた例を示す。
電線の揺れ計測装置の機能ブロック図の一例である。 電線の揺れ計測装置のシステム構成の一例を示すブロック図である。 電線の揺れ計測用画像の撮影方法の一例を示す図である。 電線揺れ計測プログラムが実行する処理の一例を示すフローチャートである。 ターゲットの輝度パターンの一例を示すイメージ図である。 他方のターゲットの位置検出処理を説明するための図である。 捻回角算出処理を説明するための図である。 電線の揺れ計測装置の機能ブロック図の他の例である。 電線揺れ計測プログラムが実行する処理の他の例を示すフローチャートである。 多導体電線に設置される線間スペーサの一例を示す図であり、多導体電線の長手方向から見た断面のイメージ図である。 対となる支持部の位置検出処理及び交差する支持部の位置検出処理を説明するための図である。 実験用映像の一例を示す画像であり(a)晴天時昼間の映像、(b)曇天時昼間の映像、(c)曇天時夕方の映像の画像である。 単純SSDA法によるターゲットの追跡結果の一例を示すグラフであり、(a)ターゲットのx座標、(b)ターゲットのy座標を示す。 単純SSDA法によるターゲットの追跡結果の他の例を示すグラフである。 SSDA改良法によるターゲットの追跡結果の一例を示すグラフであり、(a)ターゲットのx座標、(b)ターゲットのy座標を示す。 本発明の電線の揺れ計測プログラムによるターゲットの追跡結果の一例を示すグラフである。 本発明の電線の揺れ計測プログラムによる捻回角計測結果の一例を示すグラフである。 多導体電線に設置される線間スペーサ、ターゲットの一例を示す図であり、多導体電線の長手方向から見た断面のイメージ図である。 従来のターゲットの追跡手法を説明するための図である。
符号の説明
1 電線捻回角算出装置
11 初期設定手段
12 画像読込手段
13 ターゲットの位置検出手段
14 他方のターゲットの位置検出手段
15 ターゲット識別手段
16 捻回角算出手段
17 支持部の位置検出手段
18 対となる支持部の位置検出手段
19 交差する支持部の位置検出手段
20 支持部識別手段
21 多導体電線(電線21a〜21d)
22 線間スペーサ
23 ターゲット(左のターゲット23a,右のターゲット23b)
27 線間スペーサの支持部(支持部27a〜27d)

Claims (6)

  1. 多導体電線に設置された2つのターゲットを用いて前記多導体電線の捻れを計測する方法であって、ターゲットの輝度パターン及びターゲット間の距離を初期情報とし、前記ターゲットが設置された前記多導体電線が撮影された撮影画像の各フレーム画像に対し、前記ターゲットの輝度パターンに最も類似する領域をパターンマッチングにより検出し第1のターゲットの移動位置とする処理と、前記第1のターゲットの移動位置を中心として前記ターゲット間の距離を半径とする円周上において前記ターゲットの輝度パターンに最も類似する領域をパターンマッチングにより検出し第2のターゲットの移動位置とする処理とを行って、前記第1のターゲットの移動位置及前記第2のターゲットの移動位置を結んで形成される直線の傾きから前記多導体電線の捻回角を算出することを特徴とする画像処理による電線の揺れ計測方法。
  2. 多導体電線に設置された線間スペーサを用いて前記多導体電線の捻れを計測する方法であって、線間スペーサの支持部の輝度パターン及び対となる線間スペーサの支持部間の距離を初期情報とし、前記線間スペーサが設置された前記多導体電線が撮影された撮影画像の各フレーム画像に対し、前記支持部の輝度パターンに最も類似する領域をパターンマッチングにより検出し支持部の移動位置とする処理と、前記支持部の移動位置を中心として前記支持部間の距離を半径とする円周上において前記支持部の輝度パターンに最も類似する領域をパターンマッチングにより検出し対となる支持部の移動位置とする処理と、前記支持部の移動位置と前記対となる支持部の移動位置との中点を中心として、前記支持部間の距離の半分の長さを半径とする円周上において前記支持部の輝度パターンに最も類似する領域をパターンマッチングにより検出し第1の交差する支持部の移動位置とする処理と、前記第1の交差する支持部の移動位置を中心として前記支持部間の距離を半径とする円周上において前記支持部の輝度パターンに最も類似する領域をパターンマッチングにより検出し第2の交差する支持部の移動位置とする処理とを行って、前記支持部の移動位置及び前記対となる支持部の移動位置または前記第1の交差する支持部及び第2の交差する支持部を結んで形成される直線の傾きから前記多導体電線の捻回角を算出することを特徴とする画像処理による電線の揺れ計測方法。
  3. 前記ターゲット又は前記支持部が前記撮影画像のフレーム画像内において移動する範囲を想定移動範囲として設定し、前記想定移動範囲内で前記ターゲット又は前記支持部をパターンマッチングにより検出することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理による電線の揺れ計測方法。
  4. 前記ターゲットの輝度パターンまたは前記支持部の輝度パターンに代えて、ターゲットの色パターンまたは支持部の色パターンを用いて、色値を基準としてパターンマッチングを行うことを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の画像処理による電線の揺れ計測方法。
  5. 多導体電線に設置された2つのターゲットを用いて前記多導体電線の捻れを計測する装置であって、ターゲットの輝度パターン及びターゲット間の距離を記憶する初期設定手段と、前記ターゲットが設置された前記多導体電線が撮影された撮影画像の各フレーム画像を読み込む画像読込手段と、前記ターゲットの輝度パターンに最も類似する領域をパターンマッチングにより検出し第1のターゲットの移動位置とするターゲットの位置検出手段と、前記第1のターゲットの移動位置を中心として前記ターゲット間の距離を半径とする円周上において前記ターゲットの輝度パターンに最も類似する領域をパターンマッチングにより検出し第2のターゲットの移動位置とする他方のターゲット検出手段と、前記第1のターゲット及び前記第2のターゲットの位置関係を識別するターゲット識別手段と、前記第1のターゲットの移動位置及び前記第2のターゲットの移動位置を結んで形成される直線の傾きから前記多導体電線の捻回角を算出する捻回角算出手段とを備えることを特徴とする画像処理による電線の揺れ計測装置。
  6. 多導体電線に設置された2つのターゲットを用いて前記多導体電線の捻れを計測するプログラムであって、ターゲットの輝度パターン及びターゲット間の距離を初期情報として記憶装置に記憶させる処理と、予め前記記憶装置に記憶された前記ターゲットが設置された前記多導体電線が撮影された撮影画像データの各フレーム画像データを読み出して、該フレーム画像データに対し、前記ターゲットの輝度パターンに最も類似する領域をパターンマッチングにより検出し第1のターゲットの移動位置として前記記憶装置に記憶させる処理と、前記第1のターゲットの移動位置を中心として前記ターゲット間の距離を半径とする円周上において前記ターゲットの輝度パターンに最も類似する領域をパターンマッチングにより検出し第2のターゲットの移動位置として前記記憶装置に記憶させる処理と、前記第1のターゲットの移動位置及び前記第2のターゲットの移動位置を結んで形成される直線の傾きから前記多導体電線の捻回角を算出し前記記憶装置に記憶させる処理とをコンピュータに実行させることを特徴とする画像処理による電線の揺れ計測プログラム。
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