以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図3は本発明の第1の実施形態の液晶表示装置をパネル前面側(観察者側)から見たときの平面図、図4は同じくその液晶表示装置のTFT基板を液晶層側から見たときの平面図、図5は図3のIII −III 線の位置(TFT形成部)における断面図、図6(a)は図3のIV−IV線の位置における断面図、図6(b)は図3のV−V線の位置における断面図である。
液晶パネル100は、図5、図6(a),(b)に示すように、対向基板110と、TFT基板120と、これらの対向基板110及びTFT基板120の間に封入された誘電率異方性が負の液晶からなる液晶層130とにより構成されている。TFT基板110は前面側(観察者側)に配置され、対向基板110は裏面側(バックライト側)に配置される。また、この液晶パネル100の厚さ方向の両側には、それぞれ円偏光板(図示せず)が配置されている。更に、液晶パネル100の裏面側にはバックライト(図示せず)が取り付けられている。円偏光板は直線偏光板とλ/4板(位相差板)とを組み合わせて構成されるが、前面側の直線偏光板と裏面側の直線偏光板とはそれらの透過軸が相互に直交するように配置される。また、前面側のλ/4板と裏面側のλ/4板とは、それらの遅相軸が相互に直交するように配置される。
TFT基板110には、図3,図4に示すように、水平方向(X方向)に延びる複数のゲートバスライン122と、垂直方向(Y方向)に延びる複数のデータバスライン125とが形成されている。ゲートバスライン122は垂直方向に例えば300μmのピッチで配置されており、データバスライン125は水平方向に例えば100μmのピッチで配置されている。また、これらのゲートバスライン122及びデータバスライン125の幅はいずれも約7μmである。
ゲートバスライン122及びデータバスライン125により区画される矩形の領域がそれぞれ画素領域である。本実施形態においては、1つの画素領域毎に1つのTFT126が設けられている。このTFT126は、ゲートバスライン122の一部をゲート電極としており、ドレイン電極126dはデータバスライン125に接続されている。
また、本実施形態では、1つの画素領域が、第1の透過領域A1、反射領域B及び第2の透過領域A2に分割されている。これらの第1の透過領域A1、反射領域B及び第2の透過領域A2は、データバスライン125に沿ってこの順に配置されている。透過領域A1には透明電極128aが形成され、反射領域Bには透明電極128bが形成され、透過領域A2には透明電極128cが形成されている。これらの透明電極128a〜128cはいずれもITO(Indium-Tin Oxide)等の透明導電体からなり、透明導電体からなる接続部128dを介して相互に電気的に接続されている。また、透明電極128aは、コンタクトホール127aを介してTFT126のソース電極126sと電気的に接続されている。
透明電極128a〜128cはいずれもほぼ矩形の形状であるが、反射領域Bの透明電極128bには4方向に延びるスリットが設けられている。すなわち、透明電極128bは、X方向の中心線及びY方向の中心線を境として4つの領域に分割されている。そして、右上の領域には45°方向に延びる複数のスリットが設けられており、左上の領域には135°方向に延びる複数のスリットが設けられており、左下の領域には225°方向に延びる複数のスリットが設けられており、右下の領域には315°方向に延びる複数のスリットが設けられている。
これらの透明電極128a〜128cの表面上には、例えばポリイミドからなる垂直配向膜(図示せず)が形成されている。本実施形態のように誘電率異方性が負の液晶を使用した場合は、電圧無印加時の状態において、液晶分子130aは垂直配向膜の表面に対し垂直に配向する。
一方、対向基板110には、ブラックマトリクス112、樹脂膜113、反射膜114、カラーフィルタ115及びコモン電極116が形成されている。ブラックマトリクス112は黒色樹脂(光吸収性材料)からなり、図3、図5及び図6(a),(b)に示すように、ゲートバスライン122、データバスライン125及びTFT126に対向する位置に配置されている。但し、ブラックマトリクス112は、ゲートバスライン122及びデータバスライン125よりも広い幅で形成されている。
樹脂膜113は反射領域Bに配置されており、その表面には微細な凹凸が設けられている。この樹脂膜113の上にはAl等の反射率が高い金属からなる反射膜114が形成されている。この反射膜114の表面には、樹脂膜113の表面形状に倣う微細な凹凸が形成されている。
カラーフィルタ115には赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の3種類があり、1つの画素には赤色、緑色及び青色のいずれか1色のカラーフィルタ115が配置されている。このカラーフィルタ115は画素領域全体に亘って形成されており、ブラックマトリクス112及び反射膜114はこのカラーフィルタ115によって覆われている。本実施形態では、水平方向に隣接する赤色、緑色及び青色の3つの画素により1つのピクセルが構成され、種々の色の表示を可能としている。
コモン電極116はITO等の透明導電体からなり、カラーフィルタ115の上に形成されている。このコモン電極116の表面上には、例えばポリイミドからなる垂直配向膜(図示せず)が形成されている。
次に、上述したように構成された液晶表示装置の動作について説明する。
本実施形態においては、データバスライン125に表示信号が供給され、ゲートバスライン122に走査信号が供給される。走査信号が“H”レベルになると、ゲートバスライン122に接続されているTFT126がオンになって、透明電極128a〜128cに表示信号が伝達される。表示信号の電圧が所定の電圧(しきい値)よりも低い場合は、液晶分子130aは基板面(配向膜)に対し垂直に配向する。この場合、透過領域A1,A2では、バックライトから出力され裏面側の円偏光板を透過して液晶層130に進入した光が、液晶層130で偏光軸方向が変化することなく液晶層130を通過し、前面側の円偏光板で遮断される。すなわち、この場合は透過領域A1,A2では暗表示となる。反射領域Bでも同様に、パネル前面側から円偏光板を透過して液晶層130に進入した光が、液晶層130で偏光軸方向が変化することなく反射膜で反射され、液晶層130を通ってパネル前面側の円偏光板に到達し、この円偏光板で遮断される。これにより、反射領域Bにおいても暗表示となる。
透明電極128a〜128cに書き込まれた表示信号の電圧が十分に高い場合は、透過領域A1,A2及び反射領域Bの液晶分子130aは基板面に対しほぼ平行に配向する。この場合、透過領域A1,A2では、バックライトから出力され裏面側の円偏光板を透過して液晶層130に進入した光は、液晶層130を通過する間に偏光軸方向が変化し、前面側の円偏光板を通過するようになる。すなわち、この場合は明表示となる。反射領域Bでも同様に、前面側から円偏光板を透過して液晶層130に進入し反射膜114で反射されて前面側の偏光板に向う光は、液晶層130を通過する間に偏光軸方向が変化して、パネル前面側の円偏光板を透過するようになる。これにより、反射領域Bにおいても明表示となる。
表示信号の電圧を調整することにより、中間調の表示も可能である。また、各画素毎に表示信号の電圧を制御することにより、液晶表示装置に所望の画像を表示することができる。
ところで、本実施形態においては、反射領域Bの透明電極128bにスリットが設けられている。これは、次の理由による。
すなわち、透過領域A1,A2では光が液晶層130を1回だけ通るのに対し、反射領域Bでは光が液晶層130を2回(往復)通る。このため、透過領域A1,A2の透明電極128a,128cと反射領域Bの透明電極128bとが同じ形状であるとすると、透過領域における透過率−印加電圧特性(T−V特性)と反射領域における反射率−印加電圧特性(R−V特性)とが大きく異なってしまう。これにより、例えば透過領域で暗いグレーを表示するように表示信号の電圧を設定すると反射領域では明るいグレーの表示となり、透過領域で明るいグレーを表示するように表示信号の電圧を設定すると反射領域では暗いグレーの表示となってしまうことがある。
本実施形態では、透過領域A1,A2の透明電極128a,128cと反射領域Bの透明電極128bとが接続部128dを介して電気的に接続されているので、透過領域A1,A2の透明電極128a,128cに印加される電圧と反射領域Bの透明電極128bに印加される電圧とを個別に設定することはできない。しかし、本実施形態のようにスリットを設けて反射領域の面積に対する透明電極128bの面積の比(面積占有率)を透過領域A1,A2の面積に対する透明電極128a,128cの面積の比よりも小さくすることにより、反射領域Bの液晶層130に印加される実効電圧を、透過領域A1,A2の液晶層130aに印加される実効電圧よりも小さくすることができる。これにより、透過領域A1,A2における透過率−印加電圧特性(T−V特性)と反射領域Bにおける反射率−印加電圧特性(R−V特性)とをマッチングさせることができる。
以下、本実施形態の液晶表示装置の製造方法について説明する。最初に、図5、図6(a),(b)を参照してTFT基板120の製造方法について説明する。
まず、TFT基板120のベースとなるガラス基板121を用意する。そして、このガラス基板121の上に例えばAl(アルミニウム)/Ti(チタン)を積層してなる金属膜を形成し、この金属膜をフォトリソグラフィ法によりパターニングして、複数のゲートバスライン122を形成する。この場合、例えばゲートバスライン122の幅は約7μmとし、垂直方向に約300μmのピッチで配列させて形成する。
次に、ガラス基板121の上側全面に例えばSiO2 又はSiN等の絶縁物からなる第1の絶縁膜(ゲート絶縁膜)123を形成する。そして、この第1の絶縁膜123の上の所定の領域に、TFT126の活性層となる半導体膜(アモルファスシリコン膜又はポリシリコン膜)124を形成する。
次に、ガラス基板121の上側全面に例えばTi/Al/Tiをこの順で積層してなる金属膜を形成し、この金属膜をフォトリソグラフィ法によりパターニングして、データバスライン125、ソース電極126s及びドレイン電極126dを形成する。この場合、例えばデータバスライン125の幅は約7μmとし、水平方向に約100μmのピッチで配列させて形成する。
次に、ガラス基板121の上側全面に例えばSiO2 又はSiN等の絶縁物からなる第2の絶縁膜127を形成する。そして、この第2の絶縁膜127に、ソース電極126に到達するコンタクトホール127aを形成する。コンタクトホール127aの大きさ及び形状は、例えば1辺が約5μmの正方形とする。
次に、ガラス基板121の上側全面にITOをスパッタリングして、ITO膜を形成する。このITO膜は、コンタクトホール127aを介してTFT126のソース電極126sと電気的に接続される。その後、ITO膜をフォトリソグラフィ法によりパターニングして、透明電極128a〜128c及び接続部128dを形成する。この場合、透明電極128a〜128cは1辺が約80μmのほぼ正方形の形状とし、各透明電極128a〜128cの間隔は約8μmとする。また、反射領域Bの透明電極128bには、前述したように右上、左上、左下及び右下の4つの領域にそれぞれスリットを形成する。例えば、スリットの幅及びスリット間の間隔はいずれも3μmとし、4つの領域を分ける部分(中央の十字状の部分)の幅を約5μmとする。
次いで、ガラス基板121の上側全面にポリイミドを塗布して配向膜を形成する。このようにして、TFT基板120が完成する。
次に、対向基板110の製造方法について説明する。
まず、対向基板110のベースとなるガラス基板111を用意する。そして、このガラス基板111の所定の領域上に、カーボンブラック又はグラファイトを含有する樹脂(光吸収性材料)を塗布して、ブラックマトリクス112を形成する。このブラックマトリクス112は、例えばTFT基板120側のゲートバスライン122及びドレインバスライン125よりも両側に約8μmづつ広く形成する。ゲートバスライン122及びドレインバスライン125の幅を7μmとした場合、ブラックマトリクス112の幅は23μmとする。
次に、ガラス基板111の上側全面にフォトレジストを塗布した後、露光及び現像工程を経て、反射領域Bに例えば厚さが2μmの樹脂膜113を形成する。そして、この樹脂膜113に紫外線又は電子線を照射して表面を硬化させた後、ポストベークを行う。例えば、樹脂膜113に2500mJ/cm2 の紫外線を照射した後、215℃の温度で60分間ポストベークする。そうすると、樹脂膜113の表面と内部とで熱特性(熱膨張・熱収縮特性)が異なるため、樹脂膜113の表面に微細な凹凸(皺)が形成される。
次に、ガラス基板111の上側全面にAlをスパッタリングしてAl膜を形成し、このAl膜をフォトリソグラフィ法によりパターニングして、樹脂膜113の上に反射膜114を形成する。その後、赤色感光性樹脂、緑色感光性樹脂及び青色感光性樹脂を使用して、ガラス基板111の上に赤色、緑色及び青色のカラーフィルタ115を形成する。
次いで、ガラス基板111の上側全面にITOをスパッタリングしてコモン電極116を形成した後、コモン電極116の上にポリイミドを塗布して配向膜を形成する。このようにして、対向基板110が完成する。
このようにして製造したTFT基板120と対向基板110とを相互に対向させて配置し、両者の間に誘電率異方性が負の液晶を封入して液晶パネル100とする。その後、液晶パネル100の厚さ方向の両側にそれぞれ円偏光板を配置し、液晶パネル100に駆動回路及びバックライトを取り付ける。このようにして、本実施形態の液晶表示装置が完成する。
本実施形態においては、樹脂膜113の表面と内部との熱特性の差を利用して樹脂膜113の表面に凹凸を形成しているので、前述の特開平5−173158号公報に記載されているようにフォト工程で樹脂膜の表面に凹凸を形成する場合に比べて、製造工程が簡略化される。また、特開平5−173158号公報に記載されているように、TFT基板側に微細加工が必要なTFTと微細な凹凸を有する反射膜との両方を形成すると、製造歩留りが低下しやすいという欠点がある。これに対し、本実施形態においては、微細な凹凸を有する反射膜を対向基板側に形成しているので、製造歩留りが向上するという利点もある。
更に、本実施形態においては、ブラックマトリクス112をカーボンブラック又はグラファイトを含有する樹脂(光吸収材料)により形成しているので、Cr等の金属からなるブラックマトリクスに比べて反射率が極めて小さい。従って、ブラックマトリクスで反射されてTFTの半導体膜に進入する光の量が著しく低減される。これにより、TFTのオフリーク電流が低減され、良好な表示特性を得ることができる。
更にまた、ゲートバスライン122及びデータバスライン125に供給される信号によりゲートバスライン122及びデータバスライン125の近傍の液晶分子が駆動されても、パネル前面側から液晶層130に入射した光はカーボンブラック又はグラファイトを含有する樹脂からなるブラックマトリクス122により吸収されるので、表示品質の劣化が回避される。
(第2の実施形態)
図7は本発明の第2の実施形態の液晶表示装置をパネル前面側から見たときの平面図、図8は図7のVI−VI線の位置における断面図である。なお、本実施形態が第1の実施形態と異なる点は対向基板の構造が異なることにあり、その他の基本的な構造は第1の実施形態と同様であるので、図7,図8において図3〜図5、図6(a),(b)と同一物には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
本実施形態においては、図8に示すように、対向基板140が、ガラス基板111と、ブラックマトリクス112と、カラーフィルタ141と、反射膜142と、コモン電極143と、配向制御用突起144とにより構成されている。ブラックマトリクス112は、第1の実施形態と同様にカーボンブラック又はグラファイトを含有する樹脂からなり、TFT基板120側のゲートバスライン122、データバスライン125及びTFT126に対向する位置に配置されている。このブラックマトリクス112は、ゲートバスライン122及びデータバスライン125の幅よりも両側にそれぞれ8μmづつ広く形成されている。
ガラス基板111及びブラックマトリクス112の上には、カラーフィルタ141が形成されている。このカラーフィルタ141の表面には微細な凹凸が設けられている。反射領域Bのカラーフィルタ141の上には、Al等の反射率が高い金属からなる反射膜142が形成されている。カラーフィルタ141及び反射膜142の上には、ITO等の透明導電体からなるコモン電極143が形成されている。
コモン電極143の上であって第1の透過領域A1、反射領域B及び第2の透過領域A2の中央の位置には、それぞれ配向制御用突起144が形成されている。これらの配向制御用突起144は、例えばノボラック系樹脂(感光性樹脂)により、直径が10μm、高さが2.5μmの大きさに形成されている。コモン電極143及び配向制御用突起144の表面は、例えばポリイミドからなる垂直配向膜(図示せず)に覆われている。
なお、本実施形態においても、TFT基板120が前面側(観察者側)に配置され、対向基板140が裏面側(バックライト側)に配置される。また、液晶パネル100の厚さ方向の両側にはそれぞれ円偏光板が配置される。
配向制御用突起144は、電圧印加時における液晶分子の配向を安定化させる働きがある。誘電率異方性が負の液晶と垂直配向膜とを使用した液晶表示装置では、液晶層130に電圧が印加されていないときには液晶分子は基板面(配向膜)に対し垂直に配向し、電圧が印加されたときには液晶分子は電圧に応じた角度で傾斜する。この場合、液晶分子の倒れる方向(方位)を制御しないと視野角特性や応答特性が極めて悪いものとなってしまう。配向制御用突起が設けられていない第1の実施形態の場合、反射領域Bでは透明電極128bにスリットが設けられているので、液晶分子はスリットの方向に倒れる。従って、反射領域B内の右上、左上、左下、右下の4つの領域でそれぞれ液晶分子の傾斜方向が異なり、液晶分子の傾斜方向が相互に異なる4つの領域(ドメイン)が発生する。
透過領域A1,A2においても、透明電極128a,128cの縁部から斜め方向に発生する電気力線の影響により、液晶分子の傾斜方向が相互に異なる4つの領域が発生する。しかしながら、この場合は各領域の面積が同じになるとは限らない。このため、良好な視野角特性が得られないおそれがある。
本実施形態においては、第1の実施形態と同様の効果を得ることができるのに加えて、第1の透過領域A1、反射領域B及び第2の透過領域A2の中央部にそれぞれ配向制御用突起144が設けられているので、液晶分子の傾斜方向が異なる4つの領域の面積がほぼ同じになり、より一層良好な視野角特性を得ることができる。
また、第1及び第2の透過領域A1,A2及び反射領域Bの中央部の液晶分子の配向方向が配向制御用突起144により決定されるので、応答特性が向上するという利点もある。
以下、本実施形態の液晶表示装置の対向基板140の製造方法について、図9〜図12を参照して説明する。なお、これらの図9〜図12では水平方向に隣接する赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の3つの画素領域を示しており、(a)はその平面図、(b)は(a)中に一点鎖線で示す位置における断面を示している。
まず、図9(a),(b)に示すように、ガラス基板111の上にカーボンブラック又はグラファイトを含有する樹脂を塗布して、ブラックマトリクス112を形成する。前述したように、ブラックマトリクス112はTFT基板120側のゲートバスライン122、データバスライン125及びTFT126に対向する位置に形成する。また、ブラックマトリクス112の幅は、ゲートバスライン122及びデータバスライン125の幅よりも両側にそれぞれ8μmづつ広く形成する。
次に、図10(a),(b)に示すように、赤色感光性樹脂、緑色感光性樹脂及び青色感光性樹脂を使用して、ガラス基板111の上に赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)のカラーフィルタ141R,141G,141Bを形成する。この場合に、図10(b)に示すように、カラーフィルタ141R,141G,141Bの幅方向の縁部がブラックマトリクス112に重なるようにすることが重要である。カラーフィルタ141R,141G,141Bを形成した後、紫外線を照射し、その後ポストベークを行うことにより、カラーフィルタ141R,141G,141Bの表面に微細な凹凸を形成する。例えば、カラーフィルタ141R,141G,141Bに2500mJ/cm2 の紫外線を照射した後、215℃の温度で60分間ポストベークする。
次に、ガラス基板111の上側全面にAlをスパッタリングしてAl膜を形成した後、このAl膜をフォトリソグラフィ法によりパターニングして、図11(a),(b)に示すように、反射領域Bの中央に例えば1辺が80μmのほぼ正方形の反射膜142を形成する。この反射膜142には、カラーフィルタ141R,141G,141Bの表面の凹凸に倣う微細な凹凸が形成される。
次に、図12(a),(b)に示すように、ガラス基板111の上側全面にITOをスパッタリングして、コモン電極143を形成する。その後、コモン電極143の上に感光性樹脂(ノボラック系樹脂)を塗布して感光性樹脂膜を形成する。次いで、所定のパターンを有する露光マスクを介して感光性樹脂膜を露光し、その後現像処理して、透過領域A1,A2及び反射領域Bの中央に、例えば直径が10μm、高さが2.5μmの配向制御用突起144を形成する(図7,図8参照)。その後、ガラス基板111の上側全面に例えばポリイミドを塗布して、コモン電極143及び配向制御用突起144の表面を覆う配向膜を形成する。
このようにして形成した対向基板140をTFT基板120に対向させて配置し、両者の間に誘電率異方性が負の液晶を封入して液晶パネル100とする(図8参照)。そして、この液晶パネル100に円偏光板、駆動回路及びバックライト等を取り付け、本実施形態の液晶表示装置が完成する。
(第3の実施形態)
図13は本発明の第3の実施形態の液晶表示装置をパネル前面側から見たときの平面図、図14は図13のVII −VII 線の位置における断面図である。なお、本実施形態が第1の実施形態と異なる点は対向基板の構造が異なることにあり、その他の基本的な構造は第1の実施形態と同様であるので、図13,図14において図3〜図5、図6(a),(b)と同一物には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
本実施形態においては、図14に示すように、対向基板150が、ガラス基板111と、ブラックマトリクス152と、樹脂膜153と、反射膜154と、カラーフィルタ155と、コモン電極156と、配向制御用突起157とにより構成されている。ブラックマトリクス152は、例えばアクリル樹脂中にカーボンブラックを分散させた黒色感光性樹脂からなり、TFT基板110側のゲートバスライン122、データバスライン125及びTFT126に対向する位置に配置されている。
樹脂膜153も、ブラックマトリクス152と同様にアクリル樹脂中にカーボンブラックを分散させた黒色感光性樹脂からなり、反射領域Bに配置されている。この樹脂膜153の表面には、微細な凹凸が形成されている。この樹脂膜153の上には、Al等の反射率が高い金属からなる反射膜154が形成されている。この反射膜154の表面には、樹脂膜153の表面形状に倣う微細な凹凸が形成されている。
ガラス基板111の上には、画素毎に、赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)のいずれか1色のカラーフィルタ155が形成されている。ブラックマトリクス152及び反射膜154は、このカラーフィルタ155によって覆われている。
コモン電極156はITO等の透明導電体からなり、カラーフィルタ155の上に形成されている。コモン電極156の上であって第1の透過領域A1、反射領域B及び第2の透過領域A2の中央の位置には、それぞれ配向制御用突起157が形成されている。これらの配向制御用突起157は、ノボラック系樹脂(感光性樹脂)により、例えば直径が10μm、高さが2.5μmの大きさに形成されている。反射領域Bでは、樹脂膜153が設けられているために、透過領域A1,A2よりも液晶層の厚さが小さくなっている。そして、反射領域Bの配向制御用突起157の先端がTFT基板120に接触して、スペーサとしての機能を果たしている。コモン電極156及び配向制御用突起157の表面は、例えばポリイミドからなる垂直配向膜(図示せず)に覆われている。
本実施形態においても、TFT基板120が前面側(観察者側)に配置され、対向基板150が裏面側(バックライト側)に配置される。
前述の第2の実施形態では、反射領域Bにおける液晶層130の厚さと透過領域A1,A2における液晶層130の厚さとが同じであるのに対し、本実施形態においては反射領域Bにおける液晶層130の厚さが透過領域A1,A2における液晶層130の厚さよりも樹脂膜153が存在する分だけ小さくなっている。これにより、透過領域A1,A2の液晶層130を透過する光の光路長と、反射領域Bの液晶層130を通る(往復)光の光路長との差が小さくなり、反射領域Bにおける反射率−印加電圧特性(R−V特性)と透過領域A1,A2における透過率−印加電圧特性(T−V)特性とをより容易にマッチングさせることができる。
また、本実施形態においては、反射領域Bの配向制御用突起157により液晶層130の厚さを一定に保持している。従来の一般的な液晶表示装置では、TFT基板及び対向基板のいずれか一方の上に球形のスペーサを散布した後にTFT基板と対向基板とをシール材により接合し、スペーサにより液晶層の厚さを一定に保っている。しかしながら、本実施形態では対向基板150の表面が平坦でないので、球状のスペーサを使用すると振動等が加えられたときにスペーサが移動して液晶層130の厚さが変化し、表示品質が著しく劣化することが考えられる。しかし、本実施形態においては、反射領域Bの配向制御用突起157をスペーサとしても使用するので、振動等が加えられても液晶層130の厚さの変化が防止され、表示品質の劣化が回避される。本実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
以下、本実施形態の液晶表示装置の対向基板150の製造方法について、図15〜図18を参照して説明する。これらの図15〜図18では水平方向に隣接する赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の3つの画素領域を示しており、(a)はその平面図、(b)は(a)中に一点鎖線で示す位置における断面を示し、(c)は(a)中に二点鎖線で示す位置における断面を示している。
まず、ガラス基板111の上にアクリル樹脂中にカーボンブラックを分散させてなる黒色感光性樹脂を塗布して、厚さが約2.0μmのレジスト膜を形成する。その後、このレジスト膜をフォトリソグラフィ法によりパターニングして、図15(a)〜(c)に示すように、ブラックマトリクス152と樹脂膜153とを同時に形成する。ブラックマトリクス152はTFT基板120側のゲートバスライン122、データバスライン125及びTFT126に対向する位置に形成する。また、樹脂膜153は、ガラス基板111上の反射領域Bに形成する。
次に、ブラックマトリクス152及び樹脂膜153に紫外線を照射して、表面を硬化させる。その後、ポストベークを行って、ブラックマトリクス152及び樹脂膜153の表面に微細な凹凸(皺)を形成する。なお、この例ではブラックマトリクス152の表面にも凹凸を形成しているが、樹脂膜153の表面にのみ凹凸を形成してもよい。その場合は、反射領域Bの樹脂膜153にのみ紫外線を照射すればよい。
次に、ガラス基板111の上側全面にAlをスパッタリングしてAl膜を形成した後、フォトリソグラフィ法によりAl膜をパターニングして、図16(a)〜(c)に示すように、樹脂膜153の上にAlからなる反射膜154を形成する。反射膜154の大きさは、例えば1辺が80μmのほぼ正方形とする。
次に、図17(a)〜(c)に示すように、赤色感光性樹脂、緑色感光性樹脂及び青色感光性樹脂を使用して、ガラス基板111の上に赤色、緑色及び青色のカラーフィルタ155R,155G,155Bを形成する。次いで、図18(a)〜(c)に示すように、ガラス基板111の上側全面にITOをスパッタリングしてコモン電極126を形成する。その後、コモン電極156の上であって第1の透過領域A1、反射領域B及び第2の透過領域A2の中央の位置に、それぞれ配向制御用突起157を形成する(図13,図14参照)。これらの配向制御用突起157は、例えばノボラック系樹脂(感光性樹脂)により形成する。その後、ガラス基板111の上側全面にポリイミドを塗布して垂直配向膜を形成する。
このようにして形成した対向基板150をTFT基板120に対向させて配置し、両者の間に誘電率異方性が負の液晶を封入して液晶パネル100とする(図14参照)。そして、この液晶パネル100に円偏光板、駆動回路及びバックライト等を取り付け、本実施形態の液晶表示装置が完成する。
(第4の実施形態)
図19は本発明の第4の実施形態の液晶表示装置をパネル前面側(観察者側)から見たときの平面図、図20は図19のVIII−VIII線の位置における断面図である。なお、本実施形態が第1の実施形態と異なる点は対向基板の構造が異なることにあり、その他の基本的な構造は第1の実施形態と同様であるので、図19,図20において、図3〜図5、図6(a),(b)と同一物には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
本実施形態においては、図20に示すように、対向基板160が、ガラス基板111と、ブラックマトリクス162と、反射膜164と、赤色、緑色及び青色のカラーフィルタ165R,165G,165Bと、コモン電極166と、配向制御用突起167とにより構成されている。
ブラックマトリクス162は例えばカーボンブラック又はグラファイトを含有する樹脂からなり、TFT基板120側のゲートバスライン122、データバスライン125及びTFT126に対向する位置に配置されている。このブラックマトリクス162の幅は、例えばゲートバスライン122及びデータバスライン125の幅よりも両側にそれぞれ8μmづつ広く設定されている。
ガラス基板111及びブラックマトリクス162の上には、赤色、緑色及び青色のカラーフィルタ165R,165G,165Bが形成されている。本実施形態においても、第1及び第2の透過領域A1,A2には、第1〜第3の実施形態と同様に、画素毎に赤色、緑色及び青色のいずれか1色のカラーフィルタが配置されている。但し、本実施形態においては、反射領域Bの上に赤色カラーフィルタ165R、緑色カラーフィルタ165G及び青色カラーフィルタ165Bが下からこの順に積層されており、最上層のカラーフィルタ165Bの表面には微細な凹凸が設けられている。
反射領域Bに積層されたカラーフィルタ165R,165G,165Bの上には、Al等の反射率が高い金属からなる反射膜164が形成されている。この反射膜164の表面には、その下のカラーフィルタ165Bの表面の凹凸に倣う凹凸が形成されている。
カラーフィルタ165R,165G,165B及び反射電極164の上には、ITO等の透明導電体からなるコモン電極166が形成されている。コモン電極166の上であって第1の透過領域A1、反射領域B及び第2の透過領域A2の中央の位置には、それぞれ配向制御用突起167が形成されている。反射領域Bの配向制御用突起167は、その先端がTFT基板120に接触し、スペーサとしての機能を果たしている。
コモン電極166及び配向制御用突起167の表面は、ポリイミド等からなる垂直配向膜(図示せず)に覆われている。
本実施形態においては、反射膜164の下方にカラーフィルタ165R,165G,165Bを3層重ねることにより反射領域Bの液晶層130の厚さを第1及び第2の透過領域A1,A2の液晶層130の厚さよりも小さくしている。従って、本実施形態においても、図14に示す第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。
次に、本実施形態の液晶表示装置の対向基板の製造方法について、図21〜図26を参照して説明する。なお、これらの図21〜図26では水平方向に隣接する赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の3つの画素領域を示しており、(a)はその平面図、(b)は(a)中に一点鎖線で示す位置における断面を示している。
まず、図21(a),(b)に示すように、ガラス基板111の上にカーボンブラック又はグラファイトを含有する樹脂を塗布してブラックマトリクス162を形成する。このブラックマトリクス162は、TFT基板120側のゲートバスライン122、データバスライン125及びTFT126に対向する位置に形成する。また、ブラックマトリクス162は、ゲートバスライン122及びデータバスライン125の幅よりも両側にそれぞれ8μmづつ広く形成する。
次に、図22(a),(b)に示すように、赤色感光性樹脂を使用して、ガラス基板111の上に赤色カラーフィルタ165Rを形成する。この赤色カラーフィルタ165Rは、赤色画素領域全体に形成するとともに、緑色画素領域及び青色画素領域の反射領域B上にも形成する。
次に、図23(a),(b)に示すように、緑色感光性樹脂を使用して、ガラス基板111の上に緑色カラーフィルタ165Gを形成する。この緑色カラーフィルタ165Gは、緑色画素領域全体に形成するとともに、赤色画素領域及び青色画素領域の反射領域Bのの赤色カラーフィルタ165Rの上にも形成する。
次に、図24(a),(b)に示すように、青色感光性樹脂を使用して、ガラス基板111の上に青色カラーフィルタ165Bを形成する。この青色カラーフィルタ165Bは、青色画素領域全体に形成するとともに、赤色画素領域及び緑色画素領域の反射領域Bの緑色カラーフィルタ165Gの上にも形成する。
このようにして、赤色画素領域、緑色画素領域及び青色画素領域の透過領域A1,A2にそれぞれ所定の色のカラーフィルタを形成するとともに、反射領域Bにカラーフィルタ165R,165G,165Bが3層に重なった積層体を形成する。その後、カラーフィルタ165R,165G,165Bの露出面に紫外線を照射して表面を硬化させた後、ポストベークを施して、カラーフィルタ165R,165G,165Bの露出面に微細な凹凸(皺)を形成する。
次に、ガラス基板111の上側全面にAlをスパッタリングしてAl膜を形成した後、このAl膜をフォトリソグラフィ法によりパターニングして、図25(a),(b)に示すように、反射領域Bの中央に例えば1辺が80μmのほぼ正方形の反射膜164を形成する。この反射膜164の表面には、その下方の青色カラーフィルタ165Bの表面の凹凸に倣う微細な凹凸が形成される。
次いで、図26(a)、(b)に示すように、ガラス基板111の上側全面にITOをスパッタリングして、コモン電極166を形成する。その後、コモン電極166の上であって第1の透過領域A1、反射領域B及び第2の透過領域A2の中央の位置に、それぞれ配向制御用突起167を形成する(図19,図20参照)。これらの配向制御用突起167は、例えば感光性樹脂(ノボラック系樹脂)を使用し、直径が10μm、高さが2.5μmの大きさに形成する。配向制御用突起167を形成した後、ガラス基板111の上側全面にポリイミドを塗布して垂直配向膜を形成する。
このようにして製造した対向基板160をTFT基板120に対向させて配置し、両者の間に誘電率異方性が負の液晶を封入して液晶パネル100とする。そして、この液晶パネル100に円偏光板、駆動回路及びバックライト等を取り付け、本実施形態の液晶表示装置が完成する。
なお、上記実施形態では反射膜164の下方にカラーフィルタ165R,165G,165Bを3層に重ねた場合について説明したが、カラーフィルタ165R,165G,165Bのうちのいずれか2つのカラーフィルタを重ねてもよい。
また、上記実施形態では紫外線照射及びポストベークによりカラーフィルタ165Bの表面に微細な凹凸を形成するものとしたが、反射膜164の下方のカラーフィルタ165R,165G,165Bに開口部を形成することによって反射膜164の表面に凹凸を形成してもよい。この場合、各カラーフィルタ165R,165G,165Bの開口部の位置をずらすことにより、反射膜164の表面に微細な凹凸を形成することができる。
(第5の実施形態)
図27は本発明の第5の実施形態の液晶表示装置をパネル前面側(観察者側)から見たときの平面図、図28は図27のIX−IX線の位置における断面図である。なお、本実施形態が第1の実施形態と異なる点は対向基板の構造が異なることにあり、その他の基本的な構造は第1の実施形態と同様であるので、図27,図28において、図3〜図5、図6(a),(b)と同一物には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
本実施形態においては、図28に示すように、対向基板170が、ガラス基板111と、反射膜174と、赤色、緑色及び青色のカラーフィルタ175R,175G,175Bと、コモン電極176と、配向制御用突起177とにより構成されている。そして、TFT基板120側のゲートバスライン122、データバスライン125及びTFT126に対向する位置には、カラーフィルタ175R,175G,175Bを積層してなるブラックマトリクス172が配置されている。このブラックマトリクス172の幅は、例えばゲートバスライン122及びデータバスライン125の幅よりも両側にそれぞれ8μmづつ広く設定されている。
また、本実施形態においては、第4の実施形態と同様に、反射膜174の下方には、3色のカラーフィルタ175R,175G,175Bが積層されて形成されている。最上層のカラーフィルタ175Bの表面には微細な凹凸が形成されており、反射電極174の表面にはカラーフィルタ175Bの表面の凹凸に倣う凹凸が形成されている。
カラーフィルタ175R,175G,175B及び反射電極174の上には、ITO等の透明導電体からなるコモン電極176が形成されている。コモン電極176の上であって第1の透過領域A1、反射領域B及び第2の透過領域A2の中央の位置には、それぞれ配向制御用突起177が形成されている。反射領域Bの配向制御用突起177は、その先端がTFT基板120に接触し、スペーサとしての機能を果たしている。
コモン電極176及び配向制御用突起177の表面は、ポリイミド等からなる垂直配向膜(図示せず)に覆われている。
以下、本実施形態の液晶表示装置の対向基板の製造方法について、図29〜図33を参照して説明する。なお、これらの図29〜図33では水平方向に隣接する赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の3つの画素領域を示しており、(a)はその平面図、(b)は(a)中に一点鎖線で示す位置における断面を示している。
まず、図29(a),(b)に示すように、ガラス基板111の上に赤色感光性樹脂を塗布し、この赤色感光性樹脂をパターニングして赤色カラーフィルタ175Rを形成する。赤色カラーフィルタ175Rは、赤色画素領域全体と、ブラックマトリクス形成領域と、各画素の反射領域Bとに形成する。
次に、図30(a),(b)に示すように、ガラス基板111の上側全面に緑色感光性樹脂を塗布し、この緑色感光性樹脂をパターニングして緑色カラーフィルタ175Gを形成する。緑色カラーフィルタ175Gは、緑色画素領域全体と、ブラックマトリクス形成領域と、各画素の反射領域Bの赤色カラーフィルタ175Rの上とに形成する。
次に、図31(a),(b)に示すようにガラス基板111の上側全面に青色感光性樹脂を塗布し、この青色感光性樹脂をパターニングして青色カラーフィルタ175Bを形成する。青色カラーフィルタ175Bは、青色画素領域全体と、ブラックマトリクス形成領域と、各画素の反射領域Bの緑色カラーフィルタ175Bの上とに形成する。
このようにしてカラーフィルタ175R,175G,175Bを形成した後、カラーフィルタ175R,175G,175Bの露出面に紫外線を照射して表面を硬化させる。その後、ポストベークを行って、カラーフィルタ175R,175G,175Bの露出面に微細な凹凸を形成する。
次に、ガラス基板111の上側全面にAlをスパッタリングしてAl膜を形成した後、このAl膜をフォトリソグラフィ法によりパターニングして、図32(a),(b)に示すように、反射領域Bの中央に例えば1辺が80μmのほぼ正方形の反射膜174を形成する。この反射膜174の表面には、下方のカラーフィルタ175bの表面の凹凸に倣う微細な凹凸が形成される。
次に、図33(a),(b)に示すように、ガラス基板111の上側全面にITOをスパッタリングしてコモン電極176を形成する。その後、コモン電極176の上であって第1の透過領域A1、反射領域B及び第2の透過領域A2の中央の位置に、それぞれ配向制御用突起177を形成する(図27,図28参照)。これらの配向制御用突起177は、例えばノボラック系樹脂(感光性樹脂)を使用し、直径が10μm、高さが2.5μmの大きさに形成する。その後ガラス基板111の上側全面にポリイミドを塗布して垂直配向膜(図示せず)を形成する。
このようにして形成した対向基板170をTFT基板120に対向させて配置し、両者の間に誘電率異方性が負の液晶を封入して液晶パネル100とする(図28参照)。そして、この液晶パネル100に円偏光板、駆動回路及びバックライト等を取り付け、本実施形態の液晶表示装置が完成する。
本実施形態においては、カラーフィルタ175R,175G,175Bを重ねてブラックマトリクス172としているので、第4の実施形態と同様の効果を得ることができるのに加えて、第4の実施形態よりも工程数が削減されるという効果を奏する。
なお、上記実施形態ではカラーフィルタ175R,175G,175Bを3層に重ねて反射領域Bに配置するとともに、これらのカラーフィルタ175R,175G,175Bの積層体をブラックマトリクス172として画素領域の境界部に配置している場合について説明したが、カラーフィルタ175R,175G,175Bのうちの2つのカラーフィルタを重ねてこれらの替わりとしてもよい。但し、遮光性の観点から、ブラックマトリクス172は、3色のカラーフィルタにより構成することが好ましい。
また、上記実施形態ではカラーフィルタへの紫外線照射及びホストベークにより凹凸を形成する場合について説明したが、反射膜174の下方のカラーフィルタに開口部を設けることにより凹凸を形成してもよい。この場合は、各カラーフィルタに形成する開口部の位置をずらすことにより、微細な凹凸を形成することができる。
(第6の実施形態)
図34は本発明の第6の実施形態の液晶表示装置をパネル前面側(観察者側)から見たときの平面図、図35は図34のX−X線の位置における断面図である。なお、本実施形態が第1の実施形態と異なる点は対向基板の構造が異なることにあり、その他の基本的な構造は第1の実施形態と同様であるので、図34,図35において、図3〜図5、図6(a),(b)と同一物には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
本実施形態においては、図35に示すように、対向基板180が、ガラス基板111と、ブラックマトリクス182と、樹脂膜183と、反射膜184と、カラーフィルタ185と、コモン電極186と、配向制御用突起187とにより構成されている。
ブラックマトリクス182はカーボンブラック又はグラファイトを含有する樹脂(黒色樹脂)からなり、TFT基板120側のゲートバスライン122、データバスライン125及びTFT126に対向する位置に配置されている。このブラックマトリクス182は、例えばゲートバスライン122及びデータバスライン125の幅よりも両側にそれぞれ8μmづつ広く形成されている。
樹脂膜183は反射領域Bに配置されており、その表面には微細な凹凸が形成されている。反射膜184は樹脂膜183の上に配置されており、その表面には樹脂膜183の表面に倣う微細な凹凸が形成されている。
カラーフィルタ185は画素領域全体に亘って形成されており、ブラックマトリクス182及び反射膜184はこのカラーフィルタ185によって覆われている。本実施形態においても、水平方向に隣接する赤色、緑色及び青色の3つの画素により1つのピクセルが構成される。
コモン電極186はITO等の透明導電体からなりカラーフィルタ185の上に形成されている。コモン電極186の上であって第1の透過領域A1、反射領域B及び第2の透過領域A2の中央の位置には、それぞれ配向制御用突起187が形成されている。反射領域Bの配向制御用突起187は、その先端がTFT基板120に接触し、スペーサとしての機能を果たしている。コモン電極186及び配向制御用突起187の表面はポリイミド等からなる垂直配向膜(図示せず)に覆われている。
本実施形態においては、第1の実施形態と同様の効果を得ることができるのに加えて、配向制御用突起187が設けられているために液晶分子の配向が安定し、第1の実施形態に比べてより良好な視野角特性を得ることができるという効果がある。また、反射領域Bの配向制御用突起187がスペーサとして機能するため、ビーズ状のスペーサが不要であり、振動等によるスペーサの移動に起因する液晶層の厚さの変動及び表示品質の劣化が回避されるという効果がある。
以下、本実施形態の液晶表示装置の対向基板の製造方法について、図36〜図40を参照して説明する。なお、これらの図36〜図40では水平方向に隣接する赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の3つの画素領域を示しており、(a)はその平面図、(b)は(a)中に一点鎖線で示す位置における断面を示している。
まず、図36(a),(b)に示すように、ガラス基板111の上にカーボンブラック又はグラファイトを含有する樹脂を塗布して、ブラックマトリクス182を形成する。このブラックマトリクス182は、TFT基板120側のゲートバスライン122、データバスライン125及びTFT126に対向する位置に形成する。また、ブラックマトリクス182の幅は、例えばゲートバスライン122及びデータバスライン125の幅よりも両側にそれぞれ8μmづつ広く形成する。
次に、図37(a),(b)に示すように、ガラス基板111の上側全面に感光性樹脂を塗布し、露光及び現像処理を経て、反射領域Bに例えば厚さが2μmの樹脂膜183を形成する。そして、この樹脂膜183に紫外線を照射して表面を硬化させた後、ポストベークを行って表面に微細な凹凸を形成する。
次に、図38(a),(b)に示すように、ガラス基板111の上側全面にAlをスパッタリングしてAl膜を形成し、このAl膜をフォトリソグラフィ法によりパターニングして、樹脂膜183の上に反射膜184を形成する。この反射膜184の表面には、樹脂膜183の表面に倣う微細な凹凸が形成される。
次に、図39(a),(b)に示すように、赤色感光性樹脂、緑色感光性樹脂及び青色感光性樹脂を使用して、ガラス基板111の上に赤色、緑色及び青色のカラーフィルタ185R,185G,185Bを形成する。
次いで、図40に示すように、ガラス基板111の上側全面にITOをスパッタリングしてコモン電極186を形成する。その後、コモン電極186の上に、例えばノボラック系樹脂(感光性樹脂)を使用して配向制御用突起187を形成する。この配向制御用突起187は、透過領域A1,A2及び反射領域Bの中央の位置に、例えば直径が10μm、高さが2.5μmの大きさに形成する。その後、ガラス基板111の上側全面に例えばポリイミドを塗布して垂直配向膜を形成する。
このようにして形成した対向基板180をTFT基板120に対向させて配置し、両者の間に誘電率異方性が負の液晶を封入する。そして、円偏光板、駆動回路及びバックライト等を取り付け、本実施形態の液晶表示装置が完成する。
(第7の実施形態)
図41は本発明の第7の実施形態の液晶表示装置をパネル前面側(観察者側)から見たときの平面図、図42は図41のXI−XI線の位置における断面図である。なお、本実施形態が第1の実施形態と異なる点は対向基板の構造が異なることにあり、その他の基本的な構造は第1の実施形態と同様であるので、図41,図42において、図3〜図5、図6(a),(b)と同一物には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
本実施形態においては、図42に示すように、対向基板190が、ガラス基板111と、樹脂膜193と、赤色、緑色及び青色のカラーフィルタ195R,195G,195Bと、コモン電極196とにより構成されている。そして、TFT基板120側のゲートバスライン122、データバスライン125及びTFT126に対向する位置には、カラーフィルタ195R,195G,195Bを積層してなるブラックマトリクス192が配置されている。このブラックマトリクス192の幅は、例えばゲートバスライン122及びデータバスライン125の幅よりも両側にそれぞれ8μmづつ広く設定されている。画素領域には、画素毎に赤色カラーフィルタ195R、緑色カラーフィルタ195G及び青色カラーフィルタ195Bのうちのいずれか1つが形成されている。
また、反射領域Bのカラーフィルタの下方には、樹脂膜193及び反射膜194が形成されている。樹脂膜193の表面には微細な凹凸が形成されている。反射電極194は樹脂膜193の上に配置されており、その表面には樹脂膜193の表面に倣う微細な凹凸が形成されている。
カラーフィルタ195R,195G,195Bの上には、ITO等の透明導電体からなるコモン電極196が形成されている。このコモン電極196の上には、例えばポリイミドからなる垂直配向膜(図示せず)が形成されている。
本実施形態においては、反射領域Bにおける液晶層130の厚さを樹脂膜193により設定することができるので、カラーフィルタにより液晶層の厚さを設定する第4の実施形態(図20参照)に比べて、反射領域Bの液晶層の厚さの制御が容易である。また、図14に示す第3の実施形態では樹脂膜材料が黒色樹脂であることが必要であり、図20に示す第4の実施形態では樹脂膜材料がカラーフィルタ用材料であることが必要であるが、本実施形態においてはこれらの制限がなく、多くの材料から選択することができる。
以下、本実施形態の液晶表示装置の対向基板の製造方法について、図43〜図48を参照して説明する。なお、これらの図43〜図48では水平方向に隣接する赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の3つの画素領域を示しており、(a)はその平面図、(b)は(a)中に一点鎖線で示す位置における断面を示している。
まず、図43(a),(b)に示すように、ガラス基板111の上にノボラック系感光性樹脂を塗布した後、露光及び現像処理を行って、反射領域Bに樹脂膜193を形成する。この樹脂膜193の厚さは、例えば2μmとする。その後、樹脂膜193に紫外線を照射して表面を硬化させた後、ポストベークを行って樹脂膜193の表面に微細な凹凸を形成する。
次に、ガラス基板111の上側全面にAl等の金属膜を形成し、この金属膜をパターニングして、図44(a),(b)に示すように、樹脂膜193の上に反射膜194を形成する。この反射膜194の表面には、樹脂膜193の表面形状に倣う微細な凹凸が形成される。
次に、図45(a),(b)に示すように、赤色感光性樹脂を使用して赤色カラーフィルタ195Rを形成する。この赤色カラーフィルタ195Rは、赤色画素領域全体に亘って形成するとともに、ブラックマトリクス形成領域にも形成する。
次に、図46(a),(b)に示すように、緑色感光性樹脂を使用して緑色カラーフィルタ195Gを形成する。この緑色カラーフィルタ195Gは、緑色画素領域全体に亘って形成するとともに、ブラックマトリクス形成領域の赤色カラーフィルタ195Rの上にも形成する。
次に、図47(a),(b)に示すように、青色感光性樹脂を使用して青色カラーフィルタ195Bを形成する。この青色カラーフィルタ195Bは、青色画素領域全体に亘って形成するとともに、ブラックマトリクス形成領域の緑色カラーフィルタ195Gの上にも形成する。
次に、図48(a),(b)に示すように、ガラス基板111の上側全面にITOをスパッタリングしてコモン電極196を形成する。その後、コモン電極196の上にポリイミドを塗布して垂直配向膜(図示せず)を形成する。
このようにして形成した対向基板190をTFT基板120に対向させて配置し、両者の間に誘電率異方性が負の液晶を封入して液晶パネル100とする(図42参照)。そして、この液晶パネル100に円偏光板、駆動回路及びバックライト等を取り付け、本実施形態の液晶表示装置が完成する。
(第8の実施形態)
図49は本発明の第8の実施形態の液晶表示装置をパネル前面側(観察者側)から見たときの平面図、図50は図49のXII−XII線の位置における断面図である。なお、本実施形態が第1の実施形態と異なる点は対向基板の構造が異なることにあり、その他の基本的な構造は第1の実施形態と同様であるので、図49,図50において、図3〜図5、図6(a),(b)と同一物には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
本実施形態においては、図50に示すように、対向基板200が、ガラス基板111と、ブラックマトリクス202と、第1のカラーフィルタ203と、反射膜204と、第2のカラーフィルタ205と、コモン電極206と、配向制御用突起207とにより構成されている。
ブラックマトリクス202はカーボンブラック又はグラファイトを含有する樹脂からなり、TFT基板120側のゲートバスライン122、データバスライン125及びTFT126に対向する位置に配置されている。このブラックマトリクス202は、例えばゲートバスライン122及びデータバスライン125の幅よりも両側にそれぞれ8μmづつ広く形成されている。
ガラス基板111及びブラックマトリクス202の上には、第1のカラーフィルタ203が形成されている。カラーフィルタ203には赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の3種類があり、1つの画素には赤色、緑色及び青色のいずれか1色のカラーフィルタ203が配置されている。また、このカラーフィルタ203の表面には微細な凹凸が形成されている。
反射領域Bのカラーフィルタ203の上には、Al等の反射率が高い金属からなる反射膜204が形成されている。第1のカラーフィルタ203及び反射膜204の上には、第2のカラーフィルタ205が形成されている。この第2のカラーフィルタ205は、その下方の第1のカラーフィルタ203と同じ色の樹脂からなる。
第2のカラーフィルタ205の上には、ITO等の透明導電体からなるコモン電極206が形成されている。コモン電極206の上であって第1の透過領域A1、反射領域B及び第の透過領域A2の中央の位置には、それぞれ配向制御用突起207が形成されている。コモン電極206及び配向制御用突起207の表面は、ポリイミド等からなる垂直配向膜(図示せず)に覆われている。
以下、本実施形態の液晶表示装置の対向基板200の製造方法について、図51〜図55を参照して説明する。これらの図51〜図55では水平方向に隣接する赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の3つの画素領域を示しており、(a)はその平面図、(b)は(a)中に一点鎖線で示す位置における断面を示している。
まず、図51(a),(b)に示すように、ガラス基板111の上にカーボンブラック又はグラファイトを含有する樹脂を塗布して、ブラックマトリクス202を形成する。前述したように、ブラックマトリクス202はTFT基板120側のゲートバスライン122、データバスライン125及びTFT126に対向する位置に形成し、ブラックマトリクス202は、ゲートバスライン122及びデータバスライン125よりも両側にそれぞれ8μmづつ広い幅で形成する。
次に、ガラス基板111の上に、第1のカラーフィルタ203を形成する。すなわち、図52(a),(b)に示すように、赤色感光性樹脂、緑色感光性樹脂及び青色感光性樹脂を使用して、ガラス基板111の上に赤色カラーフィルタ203R,緑色カラーフィルタ203G及び青色カラーフィルタ203Bを形成する。これらの第1のカラーフィルタ203R,203G,203Bの厚さは、例えば1μm程度とする。その後、これらのカラーフィルタ203R,203G,203Bに紫外線を照射して表面を硬化させた後、ポストベークを行って表面に微細な凹凸を形成する。
次に、ガラス基板111の上側全面にAlをスパッタリングしてAl膜を形成した後、このAl膜をフォトリソグラフィ法によりパターニングして、図53(a),(b)に示すように、反射領域Bの中央に例えば1辺が80μmのほぼ正方形の反射膜204を形成する。この反射膜204の表面には、カラーフィルタ203R,203G,203Bの表面に倣う微細な凹凸が形成される。
次に、第1のカラーフィルタ203R,203G,204B及び反射膜204の上に、第2のカラーフィルタ205を形成する。すなわち、図54(a),(b)に示すように、赤色感光性樹脂、緑色感光性樹脂及び青色感光性樹脂を使用して、赤色カラーフィルタ205R、緑色カラーフィルタ205G及び青色カラーフィルタ205Bを形成する。これらの第2のカラーフィルタ205G,205G,205Bの厚さは、例えば0.5μm程度とする。
次に、図55(a),(b)に示すように、ガラス基板111の上側全面にITOをスパッタリングして、コモン電極206を形成する。その後、コモン電極206の上に感光性樹脂(ノボラック系樹脂)を塗布して感光性樹脂膜を形成する。次いで、所定のパターンを有する露光マスクを使用して感光性樹脂膜を露光し、その後現像処理して、透過領域A1,A2及び反射領域Bの中央の位置に例えば直径が10μm、高さが2.5μmの配向制御用突起207を形成する(図49,図50参照)。その後、ガラス基板111の上側全面に例えばポリイミドを塗布して、コモン電極206及び配向制御用突起207の表面を覆う垂直配向膜(図示せず)を形成する。
このようにして形成した対向基板200をTFT基板120に対向させて配置し、両者の間に誘電率異方性が負の液晶を封入して液晶パネル100とする。そして、この液晶パネル100に円偏光板、駆動回路及びバックライト等を取り付け、本実施形態の液晶表示装置が完成する。
本実施形態においては、第6の実施形態と同様の効果を得ることができるのに加えて、透過領域A1,A2のカラーフィルタの厚さと反射領域Bのカラーフィルタの厚さとを個別に調整することができるので、透過領域A1,A2における色度と反射領域における色度とを容易にマッチングさせることができるという効果を奏する。
(その他の実施形態)
上記の第1〜第8の実施形態においては、いずれもTFT基板の反射領域Bに設けられた透明電極128bに、4方向に延びるスリットが設けられている場合について説明した。しかし、透過領域128bに形成する透明電極の形状はこれにより限定されるものではない。例えば、図56に示すように、対向基板側の反射膜220中央部に対応する部分に開口部210aが設けられた透明電極210をTFT基板側に形成してもよい。また、図57に示すように、対向基板側の反射膜220の縁部に対向する部分に開口部211aが設けられた透明電極211を対向基板側に形成してもよい。更に、図58に示すように、対向基板側の反射膜220を反射領域Bのよりも若干小さく形成し、この反射膜220に対向する部分に開口部212aが設けられた透明電極212をTFT基板側に形成してもよい。これらの図56〜図58に示す透明電極210〜212を使用した場合においても、反射領域Bの液晶層に印加される実効電圧が透過領域A1,A2の液晶層に印加される実効電圧よりも低くなり、反射領域Bにおける反射率−印加電圧特性(R−V特性)と透過領域A1,A2における透過率−印加電圧特性(T−V特性)とをマッチングさせることができる。
以下、本発明の諸態様を、付記としてまとめて記載する。
(付記1)観察者側に配置される第1の基板と、透過光源側に配置される第2の基板と、前記第1及び第2の基板間に封入された液晶とにより構成されて、画素毎に反射光を制御する反射領域と透過光を制御する透過領域とを有する液晶表示装置において、
前記第1の基板の前記透過領域上に形成された第1の透明電極と、
前記第1の基板の前記反射領域上に形成された第2の透明電極と、
前記第1の基板に形成されて前記第1及び第2の透明電極に電気的に接続されたスイッチング素子と、
前記第1の基板に形成され、前記スイッチング素子を駆動する信号が供給される第1のバスラインと、
前記第1の基板に形成され、前記スイッチング素子を介して前記第1及び第2の透明電極に表示信号を伝達する第2のバスラインと、
表面に凹凸を有し、前記第2の基板の前記反射領域上に配置された樹脂膜と、
前記樹脂膜の表面形状に倣う凹凸を有し、前記樹脂膜の上に配置されて光を乱反射する反射膜と、
光吸収性材料からなり、前記第2の基板のうちの前記第1及び第2のバスライン並びに前記スイッチング素子に対向する領域上に配置された遮光膜と、
前記第2の基板に形成されて前記第1及び第2の透明電極に対向するコモン電極と
を有することを特徴とする液晶表示装置。
(付記2)前記樹脂膜が感光性樹脂により形成されていることを特徴とする付記1に記載の液晶表示装置。
(付記3)前記樹脂膜がカラーフィルタからなり、前記第2の基板の前記透過領域上にも同色のカラーフィルタが形成されていることを特徴とする付記1に記載の液晶表示装置。
(付記4)前記樹脂膜が、色が相互に異なる複数のカラーフィルタを積層して形成されていることを特徴とする付記1に記載の液晶表示装置。
(付記5)前記樹脂膜を構成する樹脂と前記遮光膜を構成する樹脂とが同じであることを特徴とする付記1に記載の液晶表示装置。
(付記6)前記遮光膜が、カーボンブラック又はグラファイトを含有する樹脂からなることを特徴とする付記1に記載の液晶表示装置。
(付記7)前記遮光膜が、色が相互に異なる複数のカラーフィルタを積層して形成されていることを特徴とする付記1に記載の液晶表示装置。
(付記8)前記反射領域及び前記透過領域の中央部に、液晶分子の配向方向を制御する配向制御用突起が形成されていることを特徴とする付記1に記載の液晶表示装置。
(付記9)前記反射領域の前記配向制御用突起により前記第1及び第2の基板間の間隔が一定に維持されていることを特徴とする付記8に記載の液晶表示装置。
(付記10)前記反射領域の液晶層の厚さが、前記透過領域の液晶層の厚さよりも小さいことを特徴とする付記1、付記8及び付記9のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
(付記11)前記第2の透明電極に、スリット又は開口部が設けられていることを特徴とする付記1に記載の液晶表示装置。
(付記12)前記反射領域の面積に対する前記第2の透明電極の面積の比が、前記透過領域の面積に対する前記第1の透明電極の面積の比よりも小さいことを特徴とする付記1に記載の液晶表示装置。
(付記13)前記第1及び第2の透明電極は相互に電気的に接続されていることを特徴とする付記1に記載の液晶表示装置。
(付記14)前記液晶が、誘電率異方性が負の液晶であることを特徴とする付記1に記載の液晶表示装置。
(付記15)前記反射膜の上にカラーフィルタが形成されていることを特徴とする付記1に記載の液晶表示装置。
(付記16)前記反射膜の上のカラーフィルタの厚さが、前記透過領域のカラーフィルタの厚さよりも小さいことを特徴とする付記15に記載の液晶表示装置。
(付記17)観察者側に配置される第1の基板と、透過光源側に配置される第2の基板と、前記第1及び第2の基板間に封入された液晶とにより構成されて、画素毎に反射光を制御する反射領域と透過光を制御する透過領域とを有する液晶表示装置の製造方法において、
前記第1の基板の前記透過領域に第1の透明電極を形成し、前記反射領域に第2の透明電極を形成する工程と、
前記第2の基板の各画素間の領域に光吸収性材料からなる遮光膜を形成する工程と、
前記第2の基板の上側全面に感光性樹脂を塗布する工程と、
前記感光性樹脂を露光及び現像処理して、前記反射領域上に樹脂膜を形成する工程と、
前記樹脂膜の表面を硬化させる工程と、
前記樹脂膜に温度を加えて、表面と内部との熱特性の差により前記樹脂膜の表面に凹凸を形成する工程と、
前記樹脂膜の上に光を反射する反射膜を形成する工程と、
前記第2の基板の上側全面に前記第1及び第2の透明電極に対向するコモン電極を形成する工程と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に液晶を封入する工程と
を有することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
(付記18)観察者側に配置される第1の基板と、透過光源側に配置される第2の基板と、前記第1及び第2の基板間に封入された液晶とにより構成されて、画素毎に反射光を制御する反射領域と透過光を制御する透過領域とを有する液晶表示装置の製造方法において、
前記第2の基板の各画素間の領域に光吸収性材料からなる遮光膜を形成する工程と、
前記第2の基板の各画素領域にカラーフィルタを形成する工程と、
前記カラーフィルタの表面を硬化させる工程と、
前記カラーフィルタに温度を加えて、表面と内部との熱特性の差により前記カラーフィルタの表面に凹凸を形成する工程と、
前記反射領域の前記カラーフィルタの上に光を反射する反射膜を形成する工程と、
前記第2の基板の上側全面に前記第1及び第2の透明電極に対向するコモン電極を形成する工程と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に液晶を封入する工程と
を有することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
(付記19)前記第2の基板の前記反射領域に、色が相互に異なる複数のカラーフィルタを積層することを特徴とする付記18に記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記20)前記第2の基板の画素領域間の境界部分に、色が相互に異なる複数のカラーフィルタを積層することを特徴とする付記18に記載の液晶表示装置の製造方法。