JP4864489B2 - ボイラシステム - Google Patents

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  • Control Of Steam Boilers And Waste-Gas Boilers (AREA)

Description

この発明は、熱源を用いて蒸気を生成し、この生成した蒸気を工場または発電プラント等に出力するボイラシステムに関するものである。
従来から、炉によって供給された熱源を用いて蒸気を生成し、この生成した蒸気を工場または発電プラント等に出力するボイラシステムが提案されている。ボイラシステムは、一般に、炉によって供給された熱源を用いて蒸気を生成するボイラと、このボイラによって生成された蒸気を取り出す汽水ドラムとを備えている。具体的には、ボイラは、内部に蒸発管を有し、この蒸発管内に水を流通させるとともに、炉によって供給された熱源を用いてこの蒸発管内の水を加熱し、蒸気を生成する。その後、ボイラは、生成した蒸気と水(熱水)との混合物である汽水混合物を汽水ドラムに出力する。汽水ドラムは、かかるボイラによって供給された汽水混合物を蒸気と水とに分離し、得られた蒸気を高圧力で出力するとともに、残りの水(熱水)と給水ポンプによって新たに供給された水とをこのボイラに戻す。すなわち、ボイラは、かかる汽水ドラムから供給された(あるいは戻された)水を加熱して蒸気を生成する。このようなボイラシステムによって生成出力された蒸気は、例えば工場または発電プラント等の動力源または熱源として用いられる。
また、このようなボイラシステムの一例として、高圧蒸気を動力源に用いる蒸気タービンに対して複数のドラムボイラを組み合わせたシステムがある(特許文献1参照)。この特許文献1に記載されたボイラシステムでは、蒸気タービンの第1段ノズルが偶数個のノズル室に分割され、各ノズル室に対応して加減弁が設置されている。また、かかる複数のドラムボイラに連通する各蒸気管は、ドラムボイラ間で同数であって、各ノズル室の加減弁にそれぞれ接続されている。
特開2001−317304号公報
ところで、上述したボイラに熱源を供給する溶融炉等の炉は、例えば廃棄物または金属(鉄、銅等)を燃焼する燃焼処理を行い、この燃焼処理によって出力(排出)される蒸気を熱源としてボイラに供給する。このような炉は、かかる燃焼処理によって発生する燃焼熱を高めることによって、ボイラの熱源として出力される蒸気の熱量を増大させることができる。
このように熱源の熱量が増大した場合、ボイラは、供給された熱源の損失熱量(すなわち蒸気の生成処理に消費されずに排出される熱量)の増大を抑制するために、この熱源を用いて加熱する水の量を増やして熱源の消費熱量を増大させる。具体的には、このボイラの内部に蒸発管が増設される。これによって、ボイラは、供給された熱源の損失熱量を抑制できるとともに、この熱源を用いてより多量の水を加熱でき、この結果、汽水ドラムに供給する蒸気量を増加することができる。この場合、増加した蒸気量に対して汽水ドラムの容量が不足する虞があるため、かかるボイラに接続される汽水ドラムの容量を増やす必要がある。
しかしながら、上述した従来のボイラシステムでは、ボイラによって生成される蒸気量の増加に対応して汽水ドラムの容量を増加する場合、このボイラに接続されている既設の汽水ドラムをより容量の大きな汽水ドラムに交換しなければならなかった。すなわち、この既設の汽水ドラムを撤去し、その後、この蒸気量の増加に対応して容量を増やした大型の汽水ドラムをこのボイラに接続しなければならなかった。このため、ボイラによって生成される蒸気量の増加に対応して汽水ドラムの容量を増やすために多大な時間および労力がかかるという問題点があった。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、既設の汽水ドラムを撤去せずに必要な容量の汽水ドラムを増設でき、配管によってボイラに接続される汽水ドラムの容量を簡易に増加することができるボイラシステムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明にかかるボイラシステムは、熱源からの熱を吸収した汽水混合物を出力するボイラと、前記ボイラによって出力された前記汽水混合物を蒸気と水とに分離し、前記蒸気の一部を出力するとともに、前記水を前記ボイラに再入力させる複数のドラムと、前記複数のドラム内部の気相空間を互いに連通する気相連通管と、前記複数のドラム内部の液相空間を互いに連通する液相連通管と、前記複数のドラムの各ドラムに分岐して接続され、前記各ドラムによってそれぞれ出力された前記蒸気を合流し外部に出力する蒸気出力管と、前記複数のドラムの各ドラムに分岐して接続され、前記各ドラムに対して水を供給する給水管と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかるボイラシステムは、上記の発明において、前記複数のドラムのうちの一つは、前記ボイラに既に接続されていた既設ドラムであり、該既設ドラム以外の残りは、前記ボイラに追加接続された追加ドラムであり、前記気相連通管および前記液相連通管は、前記既設ドラムと前記追加ドラムとに対して追加接続され、前記蒸気出力管は、前記既設ドラムによって出力された蒸気を外部に出力する既設蒸気出力管と、前記既設蒸気出力管に対して追加接続され、前記既設蒸気出力管と前記追加ドラムとを連通する追加蒸気出力管と、を備え、前記給水管は、前記既設ドラムに対して水を供給する既設給水管と、前記既設給水管に対して追加接続され、前記既設給水管と前記追加ドラムとを連通する追加給水管と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかるボイラシステムは、上記の発明において、前記追加ドラムは、複数であり、前記気相連通管および前記液相連通管は、前記既設ドラムおよび前記複数の追加ドラムを順次縦続に接続することを特徴とする。
また、本発明にかかるボイラシステムは、上記の発明において、前記追加ドラムは、複数であり、前記気相連通管および前記液相連通管は、前記既設ドラムを基準にして前記複数の追加ドラムを並行に接続することを特徴とする。
また、本発明にかかるボイラシステムは、上記の発明において、前記複数のドラムは、鉛直高さを略同じにして設置されることを特徴とする。
また、本発明にかかるボイラシステムは、上記の発明において、前記蒸気出力管は、前記既設蒸気出力管と前記追加蒸気出力管とを接合する接合部を備え、前記給水管は、前記既設給水管と前記追加給水管とを接合する接合部を備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかるボイラシステムは、上記の発明において、前記既設ドラムは、前記既設ドラム内部の気相空間に連通する既設気相連通管と、前記既設ドラム内部の液相空間に連通する既設液相連通管と、を予め備え、前記気相連通管は、前記追加ドラム内部の気相空間に連通する追加気相連通管と前記既設気相連通管とを接合して形成され、前記液相連通管は、前記追加ドラム内部の液相空間に連通する追加液相連通管と前記既設液相連通管とを接合して形成されることを特徴とする。
また、本発明にかかるボイラシステムは、上記の発明において、前記気相連通管は、前記既設気相連通管と前記追加気相連通管とを接合する接合部を備え、前記液相連通管は、前記既設液相連通管と前記追加液相連通管とを接合する接合部を備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかるボイラシステムは、上記の発明において、前記気相連通管、前記液相連通管、前記蒸気出力管、および前記給水管は、それぞれの前記接合部の下流側近傍に弁をそれぞれ備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかるボイラシステムは、上記の発明において、前記給水管を流通する水の流量を調節する給水弁と、前記複数のドラムのうちの一つのドラムの内部水位を検出する水位検出部と、前記一つのドラムの内部水位をもとに前記給水弁の駆動を制御し、前記複数のドラムの内部水位を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかるボイラシステムは、熱源からの熱を吸収した汽水混合物を出力するボイラと、前記ボイラによって出力された前記汽水混合物を蒸気と水とに分離し、前記蒸気の一部を出力するとともに、前記水を前記ボイラに再入力させる複数のドラムと、前記複数のドラムの各ドラムに分岐して接続され、前記各ドラムによってそれぞれ出力された前記蒸気を合流し外部に出力する蒸気出力管と、前記複数のドラムの各ドラムに分岐して接続され、前記各ドラムに対して水を供給する給水管と、前記各ドラムに供給される水の流量を前記ドラム毎に調節する複数の給水弁と、前記各ドラムの内部水位を前記ドラム毎に検出する複数の水位検出部と、前記各ドラムの内部水位をもとに前記複数の給水弁の各駆動をそれぞれ制御し、前記各ドラムの内部水位をそれぞれ制御する複数の制御部と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかるボイラシステムは、上記の発明において、前記複数のドラムのうちの一つは、前記ボイラに既に接続されていた既設ドラムであり、該既設ドラム以外の残りは、前記ボイラに追加接続された追加ドラムであり、前記気相連通管および前記液相連通管は、前記既設ドラムと前記追加ドラムとに対して追加接続され、前記蒸気出力管は、前記既設ドラムによって出力された蒸気を外部に出力する既設蒸気出力管と、前記既設蒸気出力管に対して追加接続され、前記既設蒸気出力管と前記追加ドラムとを連通する追加蒸気出力管と、を備え、前記給水管は、前記既設ドラムに対して水を供給する既設給水管と、前記既設給水管に対して追加接続され、前記既設給水管と前記追加ドラムとを連通する追加給水管と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかるボイラシステムは、上記の発明において、前記追加ドラムは、前記既設ドラムに比して容量が小さいことを特徴とする。
この発明によれば、既設のボイラおよび汽水ドラムに対し、蒸気出力量の増加分を十分に補える容量を有する汽水ドラムを必要数追加することができる。この結果、既設の汽水ドラムを撤去せずに必要な容量の汽水ドラムを増設でき、配管によってボイラに接続される汽水ドラムの全容量を簡易に増加できるボイラシステムを実現できるという効果を奏する。
以下、添付図面を参照して、この発明にかかるボイラシステムの好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1にかかるボイラシステムの一構成例を模式的に示すブロック図である。なお、図1に示す実線矢印は、高温ガス、熱水または温水等を含む水、蒸気、あるいは、かかる水と蒸気との混合物である汽水混合物の流れを示す。図1に示すように、この実施の形態1にかかるボイラシステム100は、熱源を出力する溶融炉1と、溶融炉1によって供給された熱源を用いて蒸気を生成するボイラ2と、ボイラ2によって生成された蒸気を取り出して出力する複数の汽水ドラム11,12を備えた汽水分離部3と、汽水分離部3の汽水ドラム11,12に水を供給する給水ポンプ4と、汽水ドラム11,12に供給された水をボイラ2に循環させる循環ポンプ5とを有する。この場合、汽水ドラム11,12は、それぞれの気相空間を連通する連通管20とそれぞれの液相空間を連通する連通管21とによって互いに接続される。また、溶融炉1、汽水ドラム11,12、および循環ポンプ5は、配管によってボイラ2に接続される。給水ポンプ4および循環ポンプ5は、配管によって汽水ドラム11,12に接続される。
溶融炉1は、鉄および銅等の金属または廃棄物を燃焼することによって蒸気等の高温ガスを発生させ、かかる燃焼処理によって発生した高温ガスを熱源としてボイラ2に供給する。例えば、溶融炉1は、鉄および銅等の金属と酸素とが投入され、このように投入された金属を1500℃程度の温度で燃焼させる。この場合、溶融炉1は、1300℃程度の温度の高温ガスを排出する。かかる溶融炉1によって排出された高温ガスは、熱源としてボイラ2に供給される。このような溶融炉1は、金属、酸素、または廃棄物の投入量を増やすことによって、排出する高温ガスの温度および排出量、すなわちボイラ2に供給する熱源の熱量を増やすことができる。
ボイラ2は、例えば溶融炉1によって排出された高温ガスを熱源として回収する廃熱ボイラであり、溶融炉1によって供給された熱源を用いて蒸気を生成する。具体的には、ボイラ2は、循環ポンプ5によって供給(循環)された水を流通させる蒸発管を内部に有する。また、ボイラ2は、溶融炉1によって高温ガスが供給され、この高温ガスに含まれるダストを除去し、その後、この高温ガスと蒸発管とを接触させる。この場合、かかる蒸発管内の水と高温ガスとの間で熱交換が行われる。すなわち、ボイラ2は、この高温ガスを熱源として用い、蒸発管内の水を加熱して蒸気を生成する。例えば、ボイラ2は、1300℃程度の高温ガスを蒸発管に接触させ、この高温ガスの熱量を消費して蒸発管内の水を加熱し、蒸気を生成する。その後、ボイラ2は、このような蒸気生成処理に用いられた高温ガス(350℃程度)を排出する。この場合、ボイラ2は、1000℃程度の高温ガスに相当する熱量を消費して蒸気を生成したことになる。このようなボイラ2は、生成した蒸気と水(熱水)との混合物、すなわち熱源の熱を吸収した汽水混合物を汽水分離部3の汽水ドラム11,12にそれぞれ出力する。
なお、このように機能するボイラ2は、溶融炉1によって供給される熱源の熱量が増大した場合、例えば内部の蒸発管を増設することによって、この熱源を用いて加熱する水の量を増やし、蒸気生成処理に消費される熱源の消費熱量を増大させることができる。この場合、ボイラ2は、熱量が増大した熱源を用い、より多量の水を加熱することができる。この結果、ボイラ2は、溶融炉1によって供給された熱源の損失熱量(すなわち蒸気生成処理に消費されずに排出される無駄な熱量)の増大を抑制できるとともに、より多量の蒸気を生成することができる。このように、ボイラ2は、供給される熱源の熱量増加に対応して蒸気生成処理の能力を高めることができる。
汽水分離部3は、ボイラ2によって供給された汽水混合物を蒸気と水とに分離し、得られた蒸気をボイラシステム100の外部(例えば工場、発電プラント等)に出力するとともに残りの水をボイラ2に戻すためのものである。具体的には、汽水分離部3は、配管によってボイラ2と給水ポンプ4と循環ポンプ5とに接続された複数の汽水ドラム11,12を有する。
汽水ドラム11,12は、ボイラ2によって生成された蒸気と水とが供給され、この蒸気を取り出して外部に出力するとともに、残りの水をボイラ2に戻すよう機能する。具体的には、汽水ドラム11,12は、配管によってボイラ2に対して並列に接続され、ボイラ2によって汽水混合物がそれぞれ供給される。このような汽水ドラム11,12は、供給された汽水混合物を蒸気(すなわちボイラ2によって生成された蒸気)と水とに分離するとともに、得られた蒸気を高圧力でボイラシステム100の外部に出力する。また、汽水ドラム11,12は、給水ポンプ4によって水が新たに供給され、上述した残りの水、すなわち、この汽水混合物から分離した水と給水ポンプ4からの水とをボイラ2に戻す。
このような複数の汽水ドラム11,12は、連通管20,21によって接続されている。連通管20は、汽水ドラム11,12の各内部の気相空間(例えば蒸気によって形成される内部空間)を連通する。一方、連通管21は、汽水ドラム11,12の各内部の液相空間(例えば水によって形成される内部空間)を連通する。このような連通管20,21によって接続された汽水ドラム11,12は、それぞれの内部に形成される気液界面、すなわち内部水位を互いに略同レベルにする。
給水ポンプ4は、ボイラシステム100の外部に出力された蒸気に相当する水を汽水ドラム11,12に補給する。具体的には、給水ポンプ4は、汽水ドラム11,12に対して水を供給し、かかる汽水ドラム11,12から蒸気が出力されるとともに減少する汽水ドラム11,12内部の水量を補う。この場合、かかる給水ポンプ4によって汽水ドラム11,12に供給される水は、ボイラ2に適した水であり、例えばカルシウム等のミネラル成分の含有量を低減した軟水または純水である。
循環ポンプ5は、ボイラ2と汽水分離部3との間で水を循環させるためのものである。具体的には、循環ポンプ5は、汽水ドラム11,12の内部に残った水(すなわち汽水混合物から分離された水および給水ポンプ4によって補給された水)を強制的にボイラ2に戻す。循環ポンプ5は、このように汽水ドラム11,12からボイラ2へ水を循環させることによって、汽水ドラム11,12に残った水をボイラ2に再加熱させる。
つぎに、上述した汽水分離部3の構成について詳細に説明する。図2は、この発明の実施の形態1にかかるボイラシステム100の汽水分離部3の一構成例を示す模式図である。なお、図2において、実線矢印は、図1の場合と同様に、水、蒸気、あるいは汽水混合物の流れを示し、破線矢印は、各構成部間における各種信号(電気信号、無線信号等)の入出力を示す。
図2に示すように、汽水分離部3は、上述した複数の汽水ドラム11,12と、汽水ドラム11,12の各気相空間を連通する連通管20と、汽水ドラム11,12の各液相空間を連通する連通管21とを有する。また、汽水分離部3は、ボイラ2によって出力された汽水混合物を汽水ドラム11,12までそれぞれ流通させる汽水流通管22,23と、汽水ドラム11,12の各内部に残った水を循環ポンプ5まで流通させる循環管24,25と、給水ポンプ4によって送出された水を汽水ドラム11,12まで流通させる給水管26と、汽水ドラム11,12によって出力された蒸気をボイラシステム100の外部まで流通する蒸気出力管27とを有する。さらに、汽水分離部3は、汽水ドラム11,12の各内部水位をそれぞれ検出する水位発信器28,29と、給水管26を流通する水の流量を検出する給水流量発信器30と、給水管26を流通する水の流量を調節する弁31と、給水管26を流通する水を加熱するヒータ32とを有する。また、汽水分離部3は、給水管26を流通して汽水ドラム11,12にそれぞれ供給される各水の流量を検出する流量指示計33,34と、この汽水ドラム12に供給される水の流量を調節する弁35と、蒸気出力管27を流通する蒸気の流量を検出する蒸気流量発信器36と、汽水ドラム11,12の内部水位を制御する制御装置37とを有する。
汽水ドラム11,12は、上述したように蒸気と水とが供給され、この蒸気を取り出して出力するとともに、残りの水をボイラ2に戻す。このような複数の汽水ドラム11,12のうちの一つ、例えば汽水ドラム11は、配管によってボイラ2に元来接続されていた既設の汽水ドラムである。この場合、汽水ドラム11は、元来のボイラ2(すなわち熱源の増加に伴って蒸気の出力量を増加させる前のボイラ2)によって生成された蒸気を取り出して外部に出力するに十分な容量を有する。一方、かかる既設の汽水ドラムを除いた残りの汽水ドラム12は、ボイラ2によって生成される蒸気の出力量の増加に対応して汽水分離部3の汽水ドラム容量を増加するために、配管によってボイラ2に追加接続された追加の汽水ドラムである。この場合、汽水ドラム12は、熱源の増加に伴ってボイラ2からの蒸気の出力量を増加させた場合に不足する汽水ドラム容量を補うに十分な容量を有し、汽水分離部3の汽水ドラム容量(すなわち配管によってボイラ2に接続された汽水ドラムの全容量)を増加させる。このような汽水ドラム11,12の全容量は、熱源の増加に伴ってボイラ2が出力量を増加させた蒸気を処理するに十分なものである。
なお、このような汽水ドラム12の容量は、既設の汽水ドラム11と同程度またはそれ以上であってもよいが、この汽水ドラム11に比して小さいことが望ましい。この場合、汽水ドラム11,12の各筒形状の径は略同値であり、汽水ドラム12の長手方向の長さ(筒長)は汽水ドラム11に比して短い。
また、汽水ドラム11,12には、図2に示すように、連通管20,21が接続される。連通管20は、汽水ドラム11,12のそれぞれの内部に形成される気相空間を互いに連通する気相連通管として機能する。このような連通管20は、例えば、汽水ドラム11の気相空間に連通する連絡管20aと汽水ドラム12の気相空間に連通する連絡管20bとを接合部C1において溶接接合して形成される。なお、この連絡管20aは、既設の汽水ドラム11に対して予め設けられてもよい。一方、連通管21は、汽水ドラム11,12のそれぞれの内部に形成される液相空間を互いに連通する液相連通管として機能する。このような連通管21は、例えば、汽水ドラム11の液相空間に連通する連絡管21aと汽水ドラム12の液相空間に連通する連絡管21bとを接合部C2において溶接接合して形成される。なお、この連絡管21aは、既設の汽水ドラム11に対して予め設けられてもよい。
なお、かかる汽水ドラム11,12の各気相空間を連通する連通管20は、一体的に形成された管の両側の開口端を汽水ドラム11,12にそれぞれ溶接接合して形成されてもよい。これと同様に、かかる汽水ドラム11,12の各液相空間を連通する連通管21は、一体的に形成された管の両側の開口端を汽水ドラム11,12にそれぞれ溶接接合して形成されてもよい。
かかる連通管20,21が接続された汽水ドラム11,12は、それぞれの内部水位を略同じ高さにする。このような汽水ドラム11,12は、鉛直高さが略同じになるように設置されることが望ましい。この場合、汽水ドラム11,12は、例えば、それぞれの長手方向の中心軸の高さが同一面(例えば地面、床面等)を基準にして略同じになるように設置されることが望ましい。
また、汽水ドラム11,12には、汽水流通管22,23、循環管24,25、給水管26、および蒸気出力管27がそれぞれ接続される。汽水流通管22,23は、ボイラ2と汽水ドラム11,12とをそれぞれ連通し、ボイラ2によって出力された汽水混合物を流通させる。この場合、ボイラ2によって出力された汽水混合物は、かかる汽水流通管22,23をそれぞれ流通して汽水ドラム11,12にそれぞれ供給される。循環管24,25は、上述した循環ポンプ5を介して汽水ドラム11,12とボイラ2とをそれぞれ連通し、循環ポンプ5によって強制的に循環される水(すなわち汽水ドラム11,12の各内部の水)を汽水ドラム11,12からボイラ2に流通させる。なお、循環管25は、例えば循環ポンプ5の下流側近傍において循環管24に溶接接合されてもよい。この場合、循環管25は、既設の循環管24に対して追加接続された管である。
給水管26は、給水ポンプ4によって供給される水を汽水ドラム11,12に対してそれぞれ流通させる。具体的には、給水管26は、給水ポンプ4に連通する管を汽水ドラム11,12のそれぞれに分岐したものであり、例えば図2に示す分岐点B1において分岐して汽水ドラム11,12にそれぞれ接続される。このような給水管26は、例えば、元来、給水ポンプ4から既設の汽水ドラム11に水を流通させていた既設給水管26aに対して追加給水管26bを接続して形成される。この追加給水管26bは、給水ポンプ4からの水を追加の汽水ドラム12にさらに流通させるためのものであり、例えば給水管26の分岐点B1の下流側近傍に位置する接合部C3において既設給水管26aに溶接接合される。
蒸気出力管27は、汽水ドラム11,12によって汽水混合物から取り出された各蒸気をボイラシステム100の外部(例えば工場、発電プラント等)に流通させる。具体的には、蒸気出力管27は、かかるボイラシステム100の外部に連通する管を汽水ドラム11,12のそれぞれに分岐したものであり、例えば図2に示す分岐点B2において分岐して汽水ドラム11,12にそれぞれ接続される。このような蒸気出力管27は、例えば、元来、既設の汽水ドラム11によって出力された蒸気を流通させていた既設蒸気出力管27aに対して追加蒸気出力管27bを接続して形成される。この追加蒸気出力管27bは、追加の汽水ドラム12によって出力される蒸気を既設蒸気出力管27a内の蒸気に合流させ、この汽水ドラム12からの蒸気をボイラシステム100の外部にさらに出力するためのものである。この場合、追加蒸気出力管27bは、例えば蒸気出力管27の分岐点B2の上流側近傍に位置する接合部C4において既設蒸気出力管27aに溶接接合される。
一方、上述した給水管26には、給水ポンプ4に対して下流側に、給水流量発信器30、弁31、およびヒータ32が水の流通経路に沿って順次設けられる。また、この給水管26の分岐点B1に対して下流側には、汽水ドラム11に供給される水の流通経路に沿って流量指示計33が設けられ、汽水ドラム12に供給される水の流通経路に沿って流量指示計34および弁35が順次設けられる。また、上述した蒸気出力管27の分岐点B2の上流側には、蒸気流量発信器36が設けられる。一方、上述した汽水ドラム11,12には、内部水位を検出する水位発信器28,29がそれぞれ設けられる。また、給水管26に設けられた弁31の駆動を制御して汽水ドラム11,12の各内部水位を制御する制御装置37が、例えば弁31の近傍に設置される。
給水流量発信器30は、汽水ドラム11,12に供給される水の流量(給水流量)を検出し、得られた給水流量を制御装置37に通知する。具体的には、給水流量発信器30は、弁31によって調節される給水流量を検出し、この検出した給水流量に対応する信号を制御装置37に発信する。
弁31は、汽水ドラム11,12に対して供給される水の給水流量を調節する。具体的には、弁31は、制御装置37によって駆動制御される自動弁であって、かかる制御装置37の制御に基づいて給水流量を調節する。この場合、弁31は、かかる給水流量の調節を通して汽水ドラム11,12の内部水位を調節する。
ヒータ32は、エコノマイザまたは電熱器等を用いて実現され、汽水ドラム11,12に供給される水を加熱する。このようなヒータ32は、汽水ドラム11,12の内部に溜まる水の温度が急激に低下することを防止する。具体的には、上述した弁31によって給水流量が調節された水は、ヒータ32によって加熱され、その後、分岐点B1を通って汽水ドラム11側の流通経路(既設給水経路)と汽水ドラム12側の流通経路(追加給水経路)とに分かれて流通する。
流量指示計33は、この分岐点B1を境に分岐して給水管26の既設給水経路を流通する水の流量を計測し、得られた計測結果を示す。この場合、汽水ドラム11には、かかる流量指示計33に示された流量の水が供給される。一方、流量指示計34は、この分岐点B1を境に分岐して給水管26の追加給水経路を流通する水の流量を計測し、得られた計測結果を示す。この場合、汽水ドラム12には、かかる流量指示計34に示された流量の水が供給される。弁35は、例えば手動弁であり、この追加給水経路を流通する水の流量を調節するためのものである。具体的には、弁35は、例えば流量指示計33,34が略同じ流量を示すように追加給水経路の水の流量を調節し、汽水ドラム11,12に供給される水の流量を略同じにする。
蒸気流量発信器36は、蒸気出力管27を流通してボイラシステム100の外部に出力される蒸気の流量を検出し、得られた蒸気の流量を制御装置37に通知する。この場合、蒸気流量発信器36は、汽水ドラム11によって出力された蒸気の出力量と汽水ドラム12によって出力された蒸気の出力量とを加算した蒸気の総出力量を検出する。ここで、蒸気出力管27は、分岐点B2を境に、汽水ドラム11側に分岐する既設蒸気経路と汽水ドラム12側に分岐する追加蒸気経路とを形成する。すなわち、汽水ドラム11によって出力された蒸気は既設蒸気経路を流通し、汽水ドラム12によって出力された蒸気は追加蒸気経路を流通する。かかる汽水ドラム11,12からの各蒸気は、分岐点B2において合流し、その後、ボイラシステム100の外部に向けて蒸気出力管27を流通する。蒸気流量発信器36は、このように合流した後の蒸気の流量、すなわち上述した蒸気の総出力量を検出し、この検出した総出力量に対応する信号を制御装置37に発信する。
制御装置37は、上述した弁31の駆動を制御して汽水ドラム11,12の各内部水位を制御する。この場合、制御装置37は、汽水ドラム11,12から蒸気が出力されるとともに減少する汽水ドラム11,12内部の水量を補うように弁31の駆動を制御して給水流量を調節する。制御装置37は、かかる給水流量の調節を通して汽水ドラム11,12の各内部水位を所定の許容範囲内に制御する。具体的には、制御装置37は、給水流量発信器30からの信号をもとに汽水ドラム11,12に対する給水流量を把握し、蒸気流量発信器36からの信号をもとに蒸気の総出力量を把握する。制御装置37は、かかる蒸気流量発信器36によって検出された蒸気の総出力量に相当する水を汽水ドラム11,12に供給するように、弁31の駆動を制御して給水流量を調節する。この場合、制御装置37は、水位発信器28によって検出された内部水位をもとに、汽水ドラム11,12の各内部水位を制御する。
ここで、水位発信器28は、汽水ドラム11の内部水位を検出し、得られた内部水位に対応する信号を制御装置37に発信して制御装置37に汽水ドラム11の内部水位を通知する。一方、汽水ドラム11,12は、上述したように、連通管20によって内部の各気相空間が互いに連通されるとともに連通管21によって内部の各液相空間が互いに連通されている。この結果、汽水ドラム11,12の各内部水位は、同一面を基準にして略同じ高さになる。したがって、制御装置37は、かかる水位発信器28によって検出された汽水ドラム11(すなわち既設の汽水ドラム)の内部水位をもとに、複数の汽水ドラム11,12の各内部水位を同時に把握できる。この場合、制御装置37は、水位発信器28によって検出された汽水ドラム11の内部水位が所定の許容範囲内(例えばボイラシステム100の稼動期間において略一定の水位)になるように、弁31の駆動を制御して給水流量を調節する。かかる給水流量の調節を通して、制御装置37は、汽水ドラム11,12の各内部水位を所定の許容範囲内に制御できる。
なお、制御装置37は、追加の汽水ドラム12に設けられた水位発信器29からの信号をもとに、この汽水ドラム12の内部水位を把握できる。この水位発信器29は、汽水ドラム12の内部水位を検出し、得られた内部水位に対応する信号を制御装置37に発信して制御装置37に汽水ドラム12の内部水位を通知する。この場合、制御装置37は、かかる水位発信器28,29によってそれぞれ検出された汽水ドラム11,12の各内部水位をもとに、これらの各内部水位が略同じであるか否かを監視し、これらの各内部水位に著しい差が見られる場合、警報を出力するように構成してもよい。これによって、例えば、給水管26または蒸気出力管27等の管詰まりあるいは破損、汽水ドラム11,12の破損等の異常を早期に発見することができる。
上述したような構成を有する汽水分離部3の汽水ドラム11,12は、汽水流通管22,23を介してボイラ2から供給された汽水混合物を蒸気と水(熱水)とに分離し、得られた蒸気を高圧力(例えば40MPa程度の圧力)で出力する。これと同時に、汽水ドラム11,12は、給水管26を介して給水ポンプ4から水が供給され、この給水ポンプ4からの水と上述した汽水混合物から分離した水とをボイラ2に戻す。この場合、汽水ドラム11,12の各内部水位は、制御装置37の制御によって所定の許容範囲内(例えば略一定の水位)に維持される。
一方、かかる汽水ドラム11,12から出力された各蒸気は、蒸気出力管27を流通し、例えば図1に示したように、ボイラシステム100の外部の発電プラント101、蒸気式空気予熱器110、および工場120に熱源または動力源として供給される。発電プラント101は、例えば、供給された蒸気をさらに加熱する過熱器102と、蒸気を動力源に用いて駆動する蒸気タービン103とを有する。この場合、過熱器102は、ボイラシステム100によって供給された蒸気を加熱し、この蒸気の凝縮を防止する。かかる過熱気102は、蒸気タービン103に対して蒸気を効率的に供給することができる。蒸気タービン103は、かかる過熱器102を介して供給された蒸気を動力源に用いて例えば発電機(図示せず)を駆動させる。一方、蒸気式空気予熱器110は、ボイラシステム100によって供給された蒸気を熱源に用いて気体を加熱する。工場120は、ボイラシステム100によって供給された蒸気を設備の動力源または熱源に用いる。
ここで、上述した汽水ドラム11は、配管によってボイラ2に元来接続されていた既設の汽水ドラムである。このような既設の汽水ドラム11は、元来、ボイラ2によって生成された蒸気を取り出して外部に出力するに十分な容量、例えば出力量が30t/hの蒸気を出力するに十分な容量を有する。しかし、上述したように熱源の増加に伴ってボイラ2からの蒸気の出力量が増加(例えば30t/hから35t/hに増加)した場合、この汽水ドラム11のみでは容量不足になる。このような汽水ドラムの容量不足を回避するために、汽水ドラム12が汽水分離部3に追加された。すなわち、この追加の汽水ドラム12は、かかる蒸気の出力量の増加に起因して不足する汽水ドラム容量を補うに十分な容量を有し、配管によってボイラ2に接続された汽水ドラム(ボイラ2によって生成された蒸気を処理する汽水ドラム)の全容量を増加(例えば30t/hから35t/hに増加)させる。
このように、ボイラ2に対して汽水ドラム12を追加接続することによって、既設の汽水ドラム11を撤去することなく、且つ、かかる蒸気の出力量の増加に対応した大型の汽水ドラムを既設の汽水ドラム11に代えて設置することもなく、必要な容量の汽水ドラムを増設でき、配管によってボイラ2に接続される汽水ドラムの全容量を簡易に増加することができる。
このように汽水ドラムの全容量を増加したボイラシステム100は、図1に示すように、外部の各出力先に対して蒸気を高圧力で出力することができる。この場合、ボイラシステム100は、例えば発電プラント101と蒸気式空気予熱器110と工場120とに対し、所望の出力量にそれぞれ分割して蒸気を高圧力で出力する。
なお、この発明の実施の形態1では、ボイラ2に対して2つの汽水ドラム11,12を接続した場合、すなわち、既設のボイラ2および汽水ドラム11に対して追加した汽水ドラム12が1つである場合を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、既設のボイラ2および汽水ドラム11に対して複数の汽水ドラムを追加してもよい。すなわち、1つのボイラ2に対して3つ以上の汽水ドラムが接続されてもよい。
また、ボイラ2に対して3つ以上の汽水ドラムを接続する場合、かかる3つ以上の汽水ドラムに接続される気相連通管および液相連通管は、これら3つ以上の汽水ドラムの各汽水ドラムを順次縦続に接続(例えばデージチェーン状に接続)するように配管されてもよい。例えば、ボイラ2に対して3つの汽水ドラム11〜13を並列に接続した場合、かかる汽水ドラム11〜13に接続される気相連通管および液相連通管は、図3に示すように、汽水ドラム11〜13を順次縦続に接続するように配管されてもよい。すなわち、汽水ドラム11,12に対して上述した連通管20,21が配管され、さらに、追加の汽水ドラム12,13に対して各気相空間を連通する連通管40と各液相空間を連通する連通管41とが配管されてもよい。
あるいは、かかる3つ以上の汽水ドラムに接続される気相連通管および液相連通管は、既設の汽水ドラムを基準にして残りの汽水ドラム(すなわち追加の汽水ドラム)をそれぞれ並行に接続するように配管されてもよい。例えば、ボイラ2に対して3つの汽水ドラム11〜13を並列に接続した場合、かかる汽水ドラム11〜13に配管される気相連通管および液相連通管は、図4に示すように、汽水ドラム11を基準にして汽水ドラム12,13を並行に接続するように配管されてもよい。すなわち、汽水ドラム11,12に対して上述した連通管20,21が配管され、さらに、既設の汽水ドラム11および追加の汽水ドラム13に対して各気相空間を連通する連通管40と各液相空間を連通する連通管41とが配管されてもよい。
以上、説明したように、この発明の実施の形態1では、1つのボイラに対し、配管によって複数の汽水ドラムを並列に接続し、これら複数の汽水ドラムの各気相空間を互いに連通させるとともに各液相空間を互いに連通させてこれら複数の汽水ドラムの各内部水位を略同じにし、かかる複数の汽水ドラムに対して蒸気と水とをそれぞれ供給するように構成した。このため、既設のボイラおよび汽水ドラムに対し、蒸気出力量の増加分を十分に補える容量を有する汽水ドラムを必要数追加することができる。この結果、既設の汽水ドラムを撤去せずに必要な容量の汽水ドラムを増設でき、配管によってボイラに接続される汽水ドラムの全容量を簡易に増加できるボイラシステムを実現することができる。
この実施の形態1にかかるボイラシステムでは、かかる必要な容量の汽水ドラムを追加する場合、既設の汽水ドラムおよび配管を撤去する必要がなく、追加の汽水ドラムを接続するために必要な配管を既設の配管または既設の汽水ドラムに追加接合すればよい。このため、汽水ドラムの増設工事に伴うボイラシステムの稼働停止期間(操業停止期間)を可能な限り短縮できるとともに、短期間で必要な容量の汽水ドラムを追加できる。
また、蒸気出力量の増加に対応した大型の汽水ドラムを既設の汽水ドラムに代えて設置することなく、必要な容量を有する小型の汽水ドラムを追加すればよいので、汽水ドラムの増設に掛かる手間を低減できるとともに、このような大型の汽水ドラムの製作費用と設置に掛かる手間とを省くことができる。
さらに、複数の汽水ドラムに気相連通管および液相連通管を設けて各汽水ドラムの内部水位を略同じになるように構成しているので、かかる複数の汽水ドラムのうちの1つ(例えば既設の汽水ドラム)の内部水位を制御することによって残りの汽水ドラムの内部水位を同時に制御することができる。このため、かかる複数の汽水ドラムの各内部水位を制御する制御系を容易に構成することができる。
(実施の形態2)
つぎに、この発明の実施の形態2について説明する。上述した実施の形態1では、既設のボイラ2および汽水ドラム11に対して汽水ドラム12を追加接続するために必要な管(例えば追加給水管26b、追加蒸気出力管27b等)を既設の管に溶接接合していたが、この実施の形態2では、かかる既設の管に接合部と弁とを予め設けるようにし、この接合部において追加の管を接合し、その後、この弁を開けて既設の管と追加の管とを連通させている。
図5は、この発明の実施の形態2にかかるボイラシステムの一構成例を模式的に示すブロック図である。図6は、この実施の形態2にかかるボイラシステムの汽水分離部の一構成例を示す模式図である。図5,6に示すように、この実施の形態2にかかるボイラシステム200は、上述した実施の形態1にかかるボイラシステム100の汽水分離部3に代えて汽水分離部43を有する。汽水分離部43は、上述したボイラシステム100の汽水分離部3の連通管20,21に代えて連通管50,51を有し、給水管26に代えて給水管52を有し、蒸気出力管27に代えて蒸気出力管53を有する。その他の構成は実施の形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
連通管50は、上述した実施の形態1にかかるボイラシステム100の連通管20と同様に、汽水ドラム11,12の各気相空間を互いに連通する気相連通管として機能する。具体的には、連通管50は、汽水ドラム11の気相空間に連通する連絡管50aと汽水ドラム12の気相空間に連通する連絡管50bとを接合して形成される。連絡管50aは、既設の汽水ドラム11に予め設けられ、この汽水ドラム11の気相空間に連通する。
このような連絡管50aには、上述した連絡管50bを追加接合するための接合部61が端部に設けられ、この接合部61と汽水ドラム11との間に弁62が設けられる。接合部61は、連絡管50aの開口端を形成し、螺合または溶接等によって連絡管50a,50bを互いに接合する。弁62は、例えば手動弁であって、開閉駆動によって連絡管50aの連通状態を調節する。かかる弁62は、接合部61を介して連絡管50a,50bが接合されていない場合に閉められ、連絡管50aを閉塞する。これによって、汽水ドラム11は、連絡管50aから外部への蒸気の漏出を防止できる。一方、弁62は、接合部61を介して連絡管50a,50bが接合された場合に開けられ、かかる連絡管50a,50bを連通状態にする。
このように、接合部61を介して連絡管50aに連絡管50bを追加接合することによって連通管50が形成され、かかる連通管50は、弁62を開けることによって気相連通管として機能する。この場合、連通管50の連通状態は、かかる弁62の開閉駆動によって調節される。
連通管51は、上述した実施の形態1にかかるボイラシステム100の連通管21と同様に、汽水ドラム11,12の各液相空間を互いに連通する液相連通管として機能する。具体的には、連通管51は、汽水ドラム11の液相空間に連通する連絡管51aと汽水ドラム12の液相空間に連通する連絡管51bとを接合して形成される。連絡管51aは、既設の汽水ドラム11に予め設けられ、この汽水ドラム11の液相空間に連通する。
このような連絡管51aには、上述した連絡管51bを追加接合するための接合部63が端部に設けられ、この接合部63と汽水ドラム11との間に弁64が設けられる。接合部63は、連絡管51aの開口端を形成し、螺合または溶接等によって連絡管51a,51bを互いに接合する。弁64は、例えば手動弁であって、開閉駆動によって連絡管51aの連通状態を調節する。かかる弁64は、接合部63を介して連絡管51a,51bが接合されていない場合に閉められ、連絡管51aを閉塞する。これによって、汽水ドラム11は、連絡管51aから外部への水の漏出を防止できる。一方、弁64は、接合部63を介して連絡管51a,51bが接合された場合に開けられ、かかる連絡管51a,51bを連通状態にする。
このように、接合部63を介して連絡管51aに連絡管51bを追加接合することによって連通管51が形成され、かかる連通管51は、弁64を開けることによって液相連通管として機能する。この場合、連通管51の連通状態は、かかる弁64の開閉駆動によって調節される。
給水管52は、上述した実施の形態1にかかるボイラシステム100の給水管26と同様に、分岐点B1において分岐して汽水ドラム11,12にそれぞれ接続され、給水ポンプ4からの水を汽水ドラム11,12にそれぞれ供給する。この場合、給水管52は、分岐点B1を境に、上述した既設給水経路と追加給水経路とを形成する。また、給水管52には、上述した給水管26の場合と同様に、給水流量発信器30、弁31,35、ヒータ32、および流量指示計33,34が設けられる。
このような給水管52は、元来、給水ポンプ4から既設の汽水ドラム11に水を流通させていた既設給水管52aに対し、追加給水管52bを接続して形成される。追加給水管52bは、給水ポンプ4からの水を追加の汽水ドラム12にさらに流通させるためのものである。一方、既設給水管52aは、分岐点B1の近傍に、この追加給水管52bを接合した場合に追加給水管路の一部を形成する分岐管を有する。この分岐管の端部には、既設給水管52aに対して追加給水管52bを追加接合するための接合部65が設けられ、この接合部65と分岐点B1との間(すなわち既設給水管52aの分岐管)に弁66が設けられる。
接合部65は、この既設給水管52aの分岐管の開口端を形成し、螺合または溶接等によって既設給水管52aと追加給水管52bとを接合する。弁66は、例えば手動弁であって、開閉駆動によってこの既設給水管52aの分岐管の連通状態を調節する。かかる弁66は、接合部65を介して既設給水管52aと追加給水管52bとが接合されていない場合に閉められ、この既設給水管52aの分岐管を閉塞する。これによって、既設給水管52aは、この分岐管から外部への水の漏出を防止できる。一方、弁66は、接合部65を介して既設給水管52aと追加給水管52bとが接合された場合に開けられ、この分岐管を介して既設給水管52aと追加給水管52bとを連通状態にする。
このように、接合部65を介して既設給水管52aに追加給水管52bを追加接合することによって給水管52が形成される。かかる給水管52は、汽水ドラム11に対して水を流通させ、弁66を開けることによって、さらに汽水ドラム12に対して水を流通させる。この場合、既設給水管52aと追加給水管52bとの連通状態は、かかる弁66の開閉駆動によって調節される。
蒸気出力管53は、上述した実施の形態1にかかるボイラシステム100の蒸気出力管27と同様に、分岐点B2において分岐して汽水ドラム11,12にそれぞれ接続され、汽水ドラム11,12からの各蒸気をボイラシステム200の外部に流通させる。この場合、蒸気出力管53は、分岐点B2を境に、上述した既設蒸気経路と追加蒸気経路とを形成する。また、蒸気出力管53には、上述した蒸気出力管27の場合と同様に、蒸気流量発信器36が設けられる。
このような蒸気出力管53は、元来、既設の汽水ドラム11から出力された蒸気を流通させていた既設蒸気出力管53aに対し、追加蒸気出力管53bを接続して形成される。追加蒸気出力管53bは、分岐点B2において、追加の汽水ドラム12からの蒸気を既設蒸気出力管53aに合流させるためのものである。一方、既設蒸気出力管53aは、分岐点B2の近傍に、この追加蒸気出力管53bを接合した場合に追加蒸気管路の一部を形成する分岐管を有する。この分岐管の端部には、既設蒸気出力管53aに対して追加蒸気出力管53bを追加接合するための接合部67が設けられ、この接合部67と分岐点B2との間(すなわち既設蒸気出力管53aの分岐管)に弁68が設けられる。
接合部67は、この既設蒸気出力管53aの分岐管の開口端を形成し、螺合または溶接等によって既設蒸気出力管53aと追加蒸気出力管53bとを接合する。弁68は、例えば手動弁であって、開閉駆動によってこの既設蒸気出力管53aの分岐管の連通状態を調節する。かかる弁68は、接合部67を介して既設蒸気出力管53aと追加蒸気出力管53bとが接合されていない場合に閉められ、この既設蒸気出力管53aの分岐管を閉塞する。これによって、既設蒸気出力管53aは、この分岐管から外部への蒸気の漏出を防止できる。一方、弁68は、接合部67を介して既設蒸気出力管53aと追加蒸気出力管53bとが接合された場合に開けられ、この分岐管を介して既設蒸気出力管53aと追加蒸気出力管53bとを連通状態にする。
このように、接合部67を介して既設蒸気出力管53aに追加蒸気出力管53bを追加接合することによって蒸気出力管53が形成される。かかる蒸気出力管53は、汽水ドラム11から出力された蒸気をボイラシステム200の外部に流通させ、弁68を開けることによって、さらに汽水ドラム12から出力された蒸気をボイラシステム200の外部に流通させる。この場合、既設蒸気出力管53aと追加蒸気出力管53bとの連通状態は、かかる弁68の開閉駆動によって調節される。
なお、この発明の実施の形態2では、ボイラ2に対して2つの汽水ドラム11,12を接続した場合、すなわち、既設のボイラ2および汽水ドラム11に対して追加した汽水ドラム12が1つである場合を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、既設のボイラ2および汽水ドラム11に対して複数の汽水ドラムを追加してもよい。すなわち、1つのボイラ2に対して3つ以上の汽水ドラムが接続されてもよい。
また、ボイラ2に対して3つ以上の汽水ドラムを接続する場合、かかる3つ以上の汽水ドラムに接続される気相連通管および液相連通管は、図3に例示したように、これら3つ以上の汽水ドラムの各汽水ドラムを順次接続するように配管されてもよいし、図4に例示したように、既設の汽水ドラムに対して残りの汽水ドラム(すなわち追加の汽水ドラム)をそれぞれ接続するように配管されてもよい。
さらに、この発明の実施の形態2では、連絡管50a,51a、既設給水管52a、および既設蒸気出力管53a等の既設管に設けた接合部に対し、連絡管50b,51b、追加給水管52b、および追加蒸気出力管53b等の追加管をそれぞれ1本ずつ接合していたが、この発明はこれに限定されるものではなく、かかる既設管に設ける接合部が複数の分岐管(ノズル等)を備えるようにし、かかる接合部を介して複数の追加管を既設管に接合してもよい。これによって、既設のボイラおよび汽水ドラムに対して追加の汽水ドラムを接続するために必要な各種管を容易に配管できるようになる。
以上、説明したように、この発明の実施の形態2では、上述した実施の形態1とほぼ同様の構成を有し、さらに、既設の連絡管、既設給水管、および既設蒸気出力管等の既設管に接合部と弁とを設け、弁を閉めた状態の既設管の接合部に対し、汽水ドラムの追加に必要な追加管(例えば追加給水管、追加蒸気出力管等)をそれぞれ追加接合し、その後、かかる既設管の弁を開けて既設管と追加管とを連通させるように構成した。このため、操業を停止しなくとも汽水ドラムの増設に必要な追加管の配管工事を行うことができる。この結果、上述した実施の形態1と同様の作用効果を享受するとともに、操業を停止しなくとも必要な容量の汽水ドラムを簡易に追加できるボイラシステムを実現できる。
(実施の形態3)
つぎに、この発明の実施の形態3について説明する。上述した実施の形態1では、汽水ドラム11,12に連通管20,21を設けて汽水ドラム11,12の各内部水位を略同一にし、制御装置37が複数の汽水ドラム11,12の各内部水位を同時に制御していたが、この実施の形態3では、複数の汽水ドラムのそれぞれに対して制御装置を設け、各制御装置が汽水ドラムの内部水位を個別に制御するようにしている。
図7は、この発明の実施の形態3にかかるボイラシステムの一構成例を模式的に示すブロック図である。図8は、この実施の形態3にかかるボイラシステムの汽水分離部の一構成例を示す模式図である。図7,8に示すように、この実施の形態3にかかるボイラシステム300は、上述した実施の形態1にかかるボイラシステム100の汽水分離部3に代えて汽水分離部73を有する。汽水分離部73は、上述したボイラシステム100の汽水分離部3の弁35に代えて弁81を有し、さらに、汽水ドラム12に設けられた水位発信器29からの信号をもとに弁81の駆動を制御する制御装置82を有する。また、このボイラシステム300の汽水ドラム11,12には、上述した連通管20,21が設けられていない。このため、汽水ドラム11,12の各内部水位は、制御装置37,82によってそれぞれ個別に制御される。また、この実施の形態3では、上述した弁31は、汽水ドラム11に繋がる既設給水経路、例えば既設給水管26aにおける流量指示計33の下流側近傍に配置される。この場合、弁31は、汽水ドラム11に供給される水の流量を調節する。その他の構成は実施の形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
弁81は、汽水ドラム12に供給される水の流量を調節する。具体的には、弁81は、制御装置82によって駆動制御される自動弁であって、上述した追加給水経路(例えば追加給水管26bにおける流量指示計34の下流側近傍)に配置される。この場合、弁81は、制御装置82の制御に基づいて追加給水管26b内の水の流量を調節し、かかる水の流量の調節を通して汽水ドラム12の内部水位を調節する。
制御装置82は、弁81の駆動を制御して汽水ドラム12の内部水位を制御する。この場合、制御装置82は、汽水ドラム12から蒸気が出力されるとともに減少する汽水ドラム12内部の水量を補うように弁81の駆動を制御して追加給水管26b内の水の流量を調節する。制御装置82は、かかる水の流量の調節を通して汽水ドラム12の内部水位を所定の許容範囲内に制御する。具体的には、制御装置82は、給水流量発信器30からの信号をもとに汽水ドラム11,12に対する給水流量を把握し、蒸気流量発信器36からの信号をもとに蒸気の総出力量を把握する。制御装置82は、かかる蒸気流量発信器36によって検出された蒸気の総出力量に相当する水のうちの必要量を汽水ドラム12に供給するように、弁81の駆動を制御して汽水ドラム12への水の流量を調節する。この場合、制御装置82は、水位発信器29によって検出された内部水位をもとに弁81の駆動を制御し、汽水ドラム12の内部水位を制御する。
一方、制御装置37は、上述したように、汽水ドラム11,12に対する給水流量と蒸気の総出力量とを把握するとともに、水位発信器28によって検出された汽水ドラム11の内部水位をもとに弁31の駆動を制御する。この場合、制御装置37は、この蒸気の総出力量に相当する水のうちの必要量を汽水ドラム11に供給するように、弁31の駆動を制御して汽水ドラム11への水の流量を調節する。すなわち、制御装置37は、汽水ドラム11から蒸気が出力されるとともに減少する汽水ドラム11内部の水量を補うように弁31の駆動を制御して既設給水管26a内の水の流量を調節する。このような水の流量の調節を通して、制御装置37は、汽水ドラム11の内部水位を制御する。
このように、制御装置37,82は、弁31,81の各駆動をそれぞれ制御して、複数の汽水ドラム11,12の各内部水位をそれぞれ個別に制御する。かかる制御装置37,82によって個別に制御された汽水ドラム11,12の各内部水位は、ボイラシステム300の稼動期間において所定の許容範囲内の水位(例えば略一定の水位)にそれぞれ維持される。
なお、制御装置37,82は、汽水ドラム11,12の各内部水位をそれぞれ個別に監視し、これらの各内部水位の少なくとも一つが所定の許容範囲を外れた場合に警報を出力するように構成してもよい。これによって、例えば、給水管26または蒸気出力管27等の管詰まりあるいは破損、汽水ドラム11,12の破損等の異常を早期に発見することができる。
また、この発明の実施の形態3では、ボイラ2に対して2つの汽水ドラム11,12を接続した場合、すなわち、既設のボイラ2および汽水ドラム11に対して追加した汽水ドラム12が1つである場合を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、既設のボイラ2および汽水ドラム11に対して複数の汽水ドラムを追加してもよい。すなわち、1つのボイラ2に対して3つ以上の汽水ドラムが接続されてもよい。この場合、かかる複数の汽水ドラムの各汽水ドラムに対して制御装置をそれぞれ設置し、これら複数の制御装置が各汽水ドラムの内部水位をそれぞれ個別に制御するように構成すればよい。
さらに、この発明の実施の形態3では、既設給水管26aと追加給水管26bとを溶接接合して給水管26を形成し、既設給水管26aと追加給水管26bとを溶接接合して給水管26を形成していたが、この発明はこれに限定されるものではなく、上述した実施の形態2に例示されるように、接合部65と弁66とを備えた給水管52を用いてもよいし、接合部67と弁68とを備えた出力52を用いてもよい。すなわち、上述した実施の形態2,3を組み合わせて構成されたボイラシステムであってもよい。
以上、説明したように、この発明の実施の形態3では、1つのボイラに対し、配管によって複数の汽水ドラムを並列に接続し、かかる複数の汽水ドラムに対して蒸気と水とをそれぞれ供給するように構成した。また、これら複数の汽水ドラムのそれぞれに対して制御装置を設け、これらの各制御装置が複数の汽水ドラムの各内部水位をそれぞれ個別に制御するように構成した。このため、既設のボイラおよび汽水ドラムに対し、蒸気出力量の増加分を十分に補える容量を有する汽水ドラムを必要数追加することができる。この結果、既設の汽水ドラムを撤去せずに必要な容量の汽水ドラムを増設でき、配管によってボイラに接続される汽水ドラムの全容量を簡易に増加できるボイラシステムを実現することができる。
この実施の形態3にかかるボイラシステムでは、かかる必要な容量の汽水ドラムを追加する場合、既設の汽水ドラムおよび配管を撤去する必要がなく、追加の汽水ドラムを接続するために必要な配管を既設の配管または既設の汽水ドラムに追加接合すればよい。このため、汽水ドラムの増設工事に伴うボイラシステムの稼働停止期間(操業停止期間)を可能な限り短縮できるとともに、短期間で必要な容量の汽水ドラムを追加できる。
また、蒸気出力量の増加に対応した大型の汽水ドラムを既設の汽水ドラムに代えて設置することなく、必要な容量を有する小型の汽水ドラムを追加すればよいので、汽水ドラムの増設に掛かる手間を低減できるとともに、このような大型の汽水ドラムの製作費用と設置に掛かる手間とを省くことができる。
なお、上述した実施の形態1〜3は、この発明を具体化した例であって、本願発明の技術的範囲を限定するものではない。例えば、この発明にかかるボイラシステムのボイラ2に熱源を供給する炉は、溶融炉に限定されず、焼却炉等の各種態様の炉であってもよいし、火力または電力等によって熱源を発生させる炉であってもよいし、化学反応によって熱源を発生させる炉であってもよい。また、このボイラ2は、廃熱ボイラに限定されず、固体燃料または液体燃料を用いて蒸気を生成するボイラであってもよい。
また、この発明にかかるボイラシステムは、上述した発電プラント101、蒸気式空気予熱器110、および工場120に限らず、熱源または動力源等に蒸気を用いる各種施設に蒸気を出力(供給)してもよい。また、この発明にかかるボイラシステムによって出力される蒸気は、外部(所望の客先)に販売される場合もある。
この発明の実施の形態1にかかるボイラシステムの一構成例を模式的に示すブロック図である。 この発明の実施の形態1にかかるボイラシステムの汽水分離部の一構成例を示す模式図である。 複数の汽水ドラムの各気相空間を連通する配管状態および各液相空間を連通する配管状態の一例を示す模式図である。 複数の汽水ドラムの各気相空間を連通する配管状態および各液相空間を連通する配管状態の別の一例を示す模式図である。 この発明の実施の形態2にかかるボイラシステムの一構成例を模式的に示すブロック図である。 この実施の形態2にかかるボイラシステムの汽水分離部の一構成例を示す模式図である。 この発明の実施の形態3にかかるボイラシステムの一構成例を模式的に示すブロック図である。 この実施の形態3にかかるボイラシステムの汽水分離部の一構成例を示す模式図である。
符号の説明
1 溶融炉
2 ボイラ
3,43,73 汽水分離部
4 給水ポンプ
5 循環ポンプ
11〜13 汽水ドラム
20,21,40,41 連通管
20a,20b,21a,21b 連絡管
22,23 汽水流通管
24,25 循環管
26 給水管
26a 既設給水管
26b 追加給水管
27 蒸気出力管
27a 既設蒸気出力管
27b 追加蒸気出力管
28,29 水位発信器
30 給水流量発信器
31,35,81 弁
32 ヒータ
33,34 流量指示計
36 蒸気流量発信器
37,82 制御装置
50,51 連通管
50a,50b,51a,51b 連絡管
52 給水管
52a 既設給水管
52b 追加給水管
53 蒸気出力管
53a 既設蒸気出力管
53b 追加蒸気出力管
61,63,65,67 接合部
62,64,66,68 弁
100,200,300 ボイラシステム
101 発電プラント
102 過熱器
103 蒸気タービン
110 蒸気式空気予熱器
120 工場
B1,B2 分岐点
C1〜C4 接合部

Claims (11)

  1. 熱源からの熱を吸収した汽水混合物を出力するボイラと、
    前記ボイラに元来接続されている既設ドラムと前記ボイラに追加接続された1以上の追加ドラムとを含み、前記ボイラによって出力された前記汽水混合物を蒸気と水とに分離し、前記蒸気の一部を出力するとともに、前記水を前記ボイラに再入力させる複数のドラムと、
    前記既設ドラムおよび前記追加ドラムの各内部空間に前記蒸気によって形成される気相空間同士を互いに連通する気相連通管と、
    前記既設ドラムおよび前記追加ドラムの各内部空間に前記水によって形成される液相空間同士を互いに連通する液相連通管と、
    前記複数のドラムの各ドラムに分岐して接続され、前記各ドラムによってそれぞれ出力された前記蒸気を合流し外部に出力する蒸気出力管と、
    前記複数のドラムの各ドラムに分岐して接続され、前記各ドラムに対して水を供給する給水管と、
    を備えたことを特徴とするボイラシステム。
  2. 前記蒸気出力管は、
    前記既設ドラムによって出力された蒸気を外部に出力する既設蒸気出力管と、
    前記既設蒸気出力管に対して追加接続され、前記既設蒸気出力管と前記追加ドラムとを連通する追加蒸気出力管と、
    を備え、
    前記給水管は、
    前記既設ドラムに対して水を供給する既設給水管と、
    前記既設給水管に対して追加接続され、前記既設給水管と前記追加ドラムとを連通する追加給水管と、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載のボイラシステム。
  3. 前記追加ドラムは、複数であり、
    前記気相連通管および前記液相連通管は、前記既設ドラムおよび前記複数の追加ドラムを順次縦続に接続することを特徴とする請求項2に記載のボイラシステム。
  4. 前記追加ドラムは、複数であり、
    前記気相連通管および前記液相連通管は、前記既設ドラムを基準にして前記複数の追加ドラムを並行に接続することを特徴とする請求項2に記載のボイラシステム。
  5. 前記複数のドラムは、鉛直高さを略同じにして設置されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のボイラシステム。
  6. 前記蒸気出力管は、前記既設蒸気出力管と前記追加蒸気出力管とを接合する接合部を備え、
    前記給水管は、前記既設給水管と前記追加給水管とを接合する接合部を備えたことを特徴とする請求項2〜5のいずれか一つに記載のボイラシステム。
  7. 前記既設ドラムは、
    前記既設ドラム内部の気相空間に連通する既設気相連通管と、
    前記既設ドラム内部の液相空間に連通する既設液相連通管と、
    を予め備え、
    前記気相連通管は、前記追加ドラム内部の気相空間に連通する追加気相連通管と前記既設気相連通管とを接合して形成され、
    前記液相連通管は、前記追加ドラム内部の液相空間に連通する追加液相連通管と前記既設液相連通管とを接合して形成されることを特徴とする請求項2〜6のいずれか一つに記載のボイラシステム。
  8. 前記気相連通管は、前記既設気相連通管と前記追加気相連通管とを接合する接合部を備え、
    前記液相連通管は、前記既設液相連通管と前記追加液相連通管とを接合する接合部を備えたことを特徴とする請求項7に記載のボイラシステム。
  9. 前記気相連通管、前記液相連通管、前記蒸気出力管、および前記給水管は、それぞれの前記接合部の下流側近傍に弁をそれぞれ備えたことを特徴とする請求項8に記載のボイラシステム。
  10. 前記給水管を流通する水の流量を調節する給水弁と、
    前記複数のドラムのうちの一つのドラムの内部水位を検出する水位検出部と、
    前記一つのドラムの内部水位をもとに前記給水弁の駆動を制御し、前記複数のドラムの内部水位を制御する制御部と、
    を備えたことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載のボイラシステム。
  11. 前記追加ドラムは、前記既設ドラムに比して容量が小さいことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載のボイラシステム。
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