JP4863021B2 - ディスクブレーキ装置 - Google Patents

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Description

本発明はディスクブレーキ装置に係り、特に制動力を生じさせるための駆動源を電気モータとしたディスクブレーキ装置に関する。
車両において使用されるディスクブレーキ装置であり、インナパッド押圧機構を持つキャリパボディを介してインナパッドとアウタパッドを挟圧し、ブレーキ動作するディスクブレーキ装置は一般に知られている。
また、従来の油圧により動作するピストンに替えて、駆動源を電動モータとしてブレーキパッドを押圧する簡素な構造で信頼性の高いディスクブレーキ装置が多用されるようになっている。
しかしながら、大きな制動力を必要とするディスクブレーキ装置では、大きな押圧力を必要とすることから、駆動源に大出力の電動モータが必要とされ、装置は大型化し、重量は増加することとなった。
このようなことから、駆動源をモータとしつつ自己サーボ効果を奏する、偏芯機構とローラを用いたディスクブレーキ装置が提案されている(特許文献1)。
特表2005−537440号公報
特許文献1に開示されている構成の駆動源を電気モータとしたディスクブレーキ装置では自己サーボ効果を期待できるが、特許文献1に開示されているディスクブレーキ装置は、電気モータの駆動によって奏されるロータ周方向の力を、傘歯歯車等のギア機構、カム機構を介してロータ軸方向の力へと変換し、これに加えてローラを利用したスライドによる自己サーボ効果を得るようにしている。
このような構成は、ブレーキパッドをロータへ押し付けるまでに介する機構が多くなることによる応答性の低下や、制動機構そのものにギアを用いることで、バックラッシュによる悪影響が懸念される。また、ギア機構やクランク機構が大型なものとなるため、駆動源であるモータは、キャリパ本体の外側に設けざるを得ず、ディスクブレーキ装置全体として見た場合、大型化してしまうという問題もある。さらに、ローラによる支持が2点であるため、ブレーキパッドの安定性の悪さが懸念される。
そこで本発明では、上記課題を解決し、小型で応答性が良く、ロータに圧接されるブレーキパッドの安定性が良好な駆動源を電気モータとしたディスクブレーキ装置を提供することを目的とする。
上記目的を解決するために、本発明に係るディスクブレーキ装置は、ローラを用いた押し出し機構によりブレーキパッドをロータへ押し付けて自己サーボ効果を奏するディスクブレーキ装置であって、回転軸の先端側に偏芯カム、後端側に凸部をそれぞれ備える電気モータと、当該電気モータを支持するアンカプレートと、前記回転軸の後端部に備えられた凸部に噛み合うギアユニットとを有するパワーユニットと、前記アンカプレートを基点として前記回転軸の回転に伴ってロータの回出方向へスライドするフィードバックプレートと、サポートに支持され、前記パワーユニットを収容するキャリパボディとを備え、前記ギアユニットには、当該ギアユニットに付加された回転力によって駆動されるアジャストボルトを設け、前記フィードバックプレートと前記アンカプレートとの間には、前記回転軸を基点としてロータの回入側と回出側とのそれぞれにおける対向位置に、前記フィードバックプレートのスライド方向に倣った方向に傾斜面を持つ傾斜溝を設けると共に、当該傾斜溝にそれぞれローラを設け、前記ロータの回出側に配置した前記ローラと前記傾斜面との接触面を前記ロータの回入側に配置した前記ローラと前記傾斜面との接触面よりも長くし、前記アジャストボルトは回転により前記キャリパボディの反作用を受けて前記アンカプレートを前記ロータ方向へ押し出し、前記ブレーキパッドの摩耗によるロータとライニングとの隙間を補正する構成としたことを特徴とする。
また、上記のような特徴を有するディスクブレーキ装置では、前記ローラは同一なものを、前記ロータの回入側に1つ、前記ロータの回出側に2つ設けるようにすると良い。回入側に設けるローラと傾斜面との接触面の長さと、回出側に設けるローラと傾斜面との接触面の長さとを異ならせる場合において、同一なローラをそれぞれ数を異ならせて配置するようにすることで、ローラの製造コストの低減、在庫管理の容易性向上等の効果を得ることができる。
また、上記のような特徴を有するディスクブレーキ装置では、前記アジャストボルトを前記ローラの配置形態に倣って3つ設けるようにすると良い。面を構成することのできる3点でアジャスト作用を奏することにより、ロータとブレーキパッドとの隙間を調整する際の安定化を図ることができる。
また、上記のような特徴を有するディスクブレーキ装置では、前記ギアユニットは、アジャスト機構とラッチ機構とより構成され、前記アジャスト機構は、前記アジャストボルトを押し出すアジャストナットと当該アジャストナットと噛み合うアジャストギア、及び前記アジャストギアに係合されたワンウェイギアとより成り、前記ラッチ機構は、前記回転軸の後端に設けられた突起部により所定方向に回転させられるアジャストレバーと、前記アジャストレバーが所定量回動する事により前記ワンウェイギアに噛み合った状態で前記ワンウェイギアを回転させる方向へスライドするラッチレバーと、前記ラッチレバーのスライドをガイドするガイドブラケットとを有するものとすることが望ましい。ギアユニットをこのような構成とすることで、制動作用を奏するための駆動源となる電気モータの回転軸の回転作用のみで、複数のアジャストボルトの押し出しを行うことが可能となる。
さらに、上記のような特徴を有するディスクブレーキ装置では、前記パワーユニットを前記サポートと前記キャリパボディとの双方で支持する構成とすることができる。このような構成とすることで、キャリパとサポートとの係合部となるスライドピンにかかる偏荷重が軽減され、ディスクブレーキ装置の耐振動性を向上させることができる。
上記のような特徴を有するディスクブレーキ装置によれば、電気モータをキャリパボディに収容し、フィードバックプレートのスライド機構には偏芯カムのみを用いる構成としたため、電子制御式のディスクブレーキ装置として、小型化、応答性の向上を期待することができる。また、ブレーキパッドをロータに押圧させるフィードバックプレートの押し出し機構となるローラと傾斜面との接触面について、ロータの回出側の接触面をロータの介入側の接触面よりも長くした事により、ブレーキパッドを支えるフィードバックプレートが面で支持されることとなり、制動時におけるブレーキパッドの安定性を良好に保つことが可能となる。
以下、本発明のディスクブレーキ装置に係る実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
本実施形態に係るディスクブレーキ装置は、図1に示すように、サポート100と、キャリパ12を基本として構成され、図示しないロータに対してブレーキパッド(インナ側ブレーキパッド96:図3参照、アウタ側ブレーキパッド98:図2参照)を押圧させることで制動力を生じさせる。ここで、図1において、図1(A)はディスクブレーキ装置の正面図、図1(B)はディスクブレーキ装置の左側面図、図1(C)はディスクブレーキ装置の斜視図を示すものである。
次に、図2にサポート100とキャリパ12とを分解した斜視図を示し、サポート100について説明する。本実施形態に係るサポート100は、インナ側、アウタ側にそれぞれ形成されたトルク受け部102,104と、取り付け状態において、図示しないロータを跨ぐようにして前記トルク受け部102,104を繋ぐサポート腕部106、及びサポート100を車両等のボディに固定するための取り付け孔108とを有する。また、サポート100には、インナ側トルク受け部102、アウタ側トルク受け部104にそれぞれ、インナ側クリップ110、アウタ側クリップ112が備えられている。インナ側クリップ110は、詳細を後述するパワーユニット30(図3参照)におけるアンカプレート32(図4参照)の側面に当接し、当該アンカプレート32がロータの軸方向へ摺動する際の摺動性を向上させる。これに対してアウタ側クリップ112は、アウタ側ブレーキパッド98がロータの軸方向へ摺動する際の摺動性を向上させる作用を担う。また、アウタ側クリップ112は、アウタ側ブレーキパッド98を保持するためのブレーキパッド保持部112aを有し、アウタ側ブレーキパッド98の耳部98cを下側から保持することを可能な構成としている。
また、サポート100には、詳細を後述するキャリパ12のアーム部20を固定し、ロータの軸方向にスライドさせるためのスライドピン114、及び前記スライドピンの摺動部を保護するブーツ116が備えられている。サポート100に対するキャリパ12の固定は、アーム部20に設けられた貫通孔22にボルト120を挿通させ、スライドピン114の内面に形成された雌ネジ部に螺合させれば良い。
また、サポート100とキャリパ12との間には、キャリパ12のガタツキを防止するためのホールドスプリング118が設けられる。
なお、アウタ側ブレーキパッド98は、ロータ主面に押圧される摩擦部材であるライニング98aと、当該ライニング98aを貼付する金属板であるプレッシャプレート98bとから成り、プレッシャプレート98bには前述した耳部98cが形成されている。
前記キャリパ12は、図3に示すように、キャリパボディ12aと、パワーユニット30、フィードバックプレート26、インナ側ブレーキパッド96、および支持プレート24とから成る。
キャリパボディ12aは、パワーユニット収容部14と、爪部18、背部部16、およびアーム部20とを有する。パワーユニット収容部14は、詳細を後述するパワーユニット30を収容する部位であり、駆動源である電動モータ40(図4参照)を稼動させるための電力を供給する電気配線(不図示)が接続されている。爪部18は、パワーユニット30によって生じた押し出しの力の反力を受けてアウタ側ブレーキパッド98をロータへ押圧させる役割を担う。背部16は、前記パワーユニット収容部14と前記爪部18とを図示しないロータを跨いで接続する接続部材である。アーム部20は、前記パワーユニット収容部14を基点としてロータの回入側と回出側に対を成して設けられ、上述したサポート100に対してキャリパ12を固定するための役割を担う。このため、各アーム部20の先端側には、ボルト120を挿通させるための貫通孔22が形成されている。
パワーユニット30は、図4(A)に示すように、アンカプレート32と電動モータ40、およびギアユニット80とを基本として構成される。アンカプレート32は、パワーユニット30のベースとなる板部材であり、一方の面に電動モータ40やアジャストロッド56等が固定され、キャリパボディ12aのパワーユニット収容部14に嵌め込まれた際、サポート100側に突出し、トルク受け部102に設けられたインナ側クリップ110に当接する。このため、アンカプレート32には、電動モータ40の回転軸42を挿通させるための貫通孔34が形成されている。また、他方の面には、図8に示すように、詳細を後述するローラ84(図7参照)を収容する傾斜溝38a,38bが形成されている。傾斜溝38a,38bの傾斜面は詳細を後述するフィードバックプレート26のスライド方向に倣って設けられ、傾斜溝38a,38bの長辺は前記スライド方向と直交する方向となる。また、傾斜溝38a,38bは電動モータ40の配置位置または電動モータ40の回転軸42を基点として、図示しないロータの回入方向と回出方向(車両を前進させる方向を正とした場合)にそれぞれ設けられ、ロータの回出方向に設ける傾斜溝38bの長辺をロータの回入方向に設ける傾斜溝38aの長辺よりも長くしている。また、アンカプレート32には、詳細を後述するフィードバックプレート26を保持するためのピン90(図7参照)を挿通する貫通孔36が形成されている。なお、貫通孔36は、ピン90をスライド自在に保持するために、ピン90の直径に対しフィードバックプレート26のスライド範囲程度大径となるように形成されている。
電動モータ40は、図4(B)に先端側を示すように、回転軸42の先端に偏芯カム46を設けている。また、カムシャフト48には、ニードルベアリング50を備え、詳細を後述するフィードバックプレート26に設けられる長孔27との間の摺動抵抗の低減を図るようにしている。また、図4(A)に示すように、電動モータ40の回転軸42における後端には、扇状の凸部44が形成されている。なお、電動モータ40は、アンカプレート32に対し、ボルト52により固定されれば良い。なお、電動モータ40としては、回転角度を任意に設定することのできるサーボモータを用いる事が望ましい。制御信号の調節により、電動モータ40の回転軸の角度を制御することで、ロータに対するブレーキパッド96,98の押し付け度合いを調整することができ、制動力の強さを変化させることができるからである。
ギアユニット80は、アジャスト機構54とラッチ機構66とより構成される。アジャスト機構54は、アジャストロッド56、アジャストナット58、アジャストボルト60、メインギア62、およびワンウェイギア64より成る。アジャストロッド56は、アジャストボルト60を支持する筒であり、アジャスト機構54の基礎となる。アジャストナット58は、内周面に雌ネジを形成し、外周面に歯車を形成されたナットであり、前記アジャストロッド56の上端部に配設される。アジャストボルト60は、前記アジャストナット58と螺合し、挿通させた部分を前記アジャストロッド56の筒状部に収容するように配設される。このような構成とすることで、前記アジャストナット58の回転により、アジャストボルト60の突出量を変化させることができる。前記メインギア62は、3つのアジャストナット58の中心位置に中心点を有する歯車であり、当該メインギア62と前記3つのアジャストナット58のギアが噛み合うように構成されている。このような構成とすることによれば、前記メインギア62を回転させることにより、3つのアジャストナット58を同期させて回転させることができる。よって、3つのアジャストボルト60の突出量を等しくすることができる。ワンウェイギア64は、前記メインギア62に係合され、回転が同期されている。したがって、後述するラッチ機構66によりワンウェイギア64が回転させられる事に従って、前記メインギア62が回転し、アジャストナット58が回転することとなる。
ラッチ機構66は、アジャストレバー68、ガイドブラケット72、ラッチレバー70、第1スプリング74、及び第2スプリング76とを基本として構成される。アジャストレバー68は、前記電動モータ40の回転軸42の後端部に係合される部材である。アジャストレバー68には、電動モータ40の回転軸42の後端部に嵌め込み可能な貫通孔68aが設けられた基部と、前記貫通孔68aの周縁部に設けられ回転軸42の後端部に形成された扇状の凸部44に噛み合い可能な凸片68bと、前記基部の外周に設けられ、回転軸42の回転角を所定のアジャスト量に変換するレバー部68cとを有する。また、レバー部68cの先端には、詳細を後述する第2スプリング76を係合するためのフック部68dが形成されている。ガイドブラケット72は、詳細を後述するラッチレバー70の動きをガイドする部材であり、電動モータ40の後端部に、ボルト73等を用いて固定される。ガイドブラケット72には、図5に示すような形状をした貫通溝72aが形成されており、当該貫通溝72aに遊嵌されたラッチレバー70が、矢印Aの方向へ向かう時は直線的に、矢印Bの方向へ向かう時は溝の膨らみ(幅広部分)に逃げるようにして移動可能な構成とされている。ラッチレバー70は、前記ワンウェイギア64に噛み合う突起部70cを備えると共に、その長手方向両端部に、詳細を後述する第1スプリング74と第2スプリング76とをそれぞれ係合可能な第1のフック部70a、第2のフック部70bを備える。第1スプリング74は、ガイドブラケット72における一方の端部(図中上側端部)72bと、ラッチレバー70における第1のフック部70aとに係合され、矢印Aの方向へ移動させられたラッチレバー70を矢印Bの方向へ引き戻す作用を担う。第2スプリング76は、アジャストレバー68のレバー部68cに形成されたフック部68dと、ラッチレバー70における第2のフック部70bとに係合され、アジャストレバー68の回転に応じて移動されるレバー部68c先端の動きに従ってラッチレバー70を矢印Aの方向へ引っ張る作用を担う。
上記のような構成のパワーユニット30を組み付けた場合、アジャスト機構54、ラッチ機構66は、図6に示すような状態となる。ここで、電動モータ40の回転軸42が矢印Cの方向へ所定量回転すると、後端部の凸部44とアジャストレバー68の凸片68bとが噛み合うこととなり、アジャストレバー68のレバー部68c(図4参照)を矢印Dの方向へ回転させる。この作用により、第2スプリング76も矢印Dの方向へと引っ張られ、ラッチレバー70を貫通溝72aの直線部分に押し付けながら矢印Aの方向へ引っ張ることとなる。ラッチレバー70に設けられた突起部70c(図5参照)はワンウェイギア64の歯と噛み合うため、ラッチレバー70が矢印Aの方向へスライドすることによりワンウェイギア64を矢印Eの方向へ回転させることとなる。そして、ワンウェイギア64とアジャストギア62は一体に係合されているため、アジャストギア62もワンウェイギア64の回転に倣って矢印Fの方向へ回転する。アジャストギア62に噛み合う3つのアジャストナット58は、前述したアジャストギア62の回転に伴って矢印Gの方向へ回転する。アジャストボルト60のボルト部分には右ネジが形成されているため、螺合するアジャストナット58が矢印Gの方向へ回転することにより、アジャストボルト60は矢印Hの方向へ突出することとなる。
電動モータ40の駆動が停止、あるいは電動モータ40の回転軸42に矢印Cと反対方向の駆動力が付与されると、第2スプリング76の作用によるラッチレバー70の引っ張りが解除され、ラッチレバー70は第1スプリング74の作用により、矢印Bの方向へと引き戻される。この際、ワンウェイギア64は矢印Eの方向のみへの回転力を得るためのノコ歯状の歯車であるため、矢印Bの方向へ引き戻されるラッチレバー70の突起部70cとの間に引っ掛かりを持たない。また、ガイドブラケット72に設けられた貫通溝72aには、ラッチレバー70の板幅よりも広い幅の部分があるため、ラッチレバー70の突起部70aがワンウェイギア64の歯に接触すると、ラッチレバー70は当該歯の傾斜に倣って幅広部分に退避しつつ矢印Bの方向へ押し戻されることとなる。よって、ワンウェイギア64、アジャストギア62、アジャストナット58は、常に一定の方向へ回転させられることとなる。
なお、インナ側ブレーキパッド96とアウタ側ブレーキパッド98がロータ面を押圧し、アジャストナット58とアジャストボルト60との螺合面に軸力が生じ、当該軸力の作用により前記螺合面に生じる摩擦力が第2スプリング76のバネ定数を大きく上回る場合、アジャストレバー68が回転した場合であってもラッチレバー70は移動(回転)せず、第2スプリング76が伸張するのみとなり、過調整される事が防止される。
上記のような構成のパワーユニット30の先端側にはフィードバックプレート26を介してインナ側ブレーキパッド96が備えられ、後端側には支持プレート24が備えられる。
フィードバックプレート26は、所定方向へのスライド作用により、ロータの軸方向へのせり上がりを成し、取り付けられたインナ側ブレーキパッド96をロータへ圧接する役割を担う押圧板である。フィードバックプレート26の一方の面(アンカプレート32と対向する面)には、スライド方向と交差(図7においては直交)する方向に長辺を有する長孔27と、スライド方向に倣った方向に傾斜面を有する傾斜溝28a,28bが形成されている。また、傾斜溝28a,28bは、その長辺がフィードバックプレート26のスライド方向と直交する方向に定められ、上述したアンカプレート32における他方の面に設けた傾斜溝38a,38bと対向する位置、大きさとして形成される。また、フィードバックプレート26の他方の面は、インナ側ブレーキパッド96を取り付けるために、平面状に形成されている。その他、フィードバックプレート26には、アンカプレート32に対する押し付け力を付与し、アンカプレート32からの脱落を防止するためのピン90を挿通するための貫通孔29が形成されている。なお、ピン90はフィードバックプレート26の他方の面から挿通するため、他方の面における開口部は、段穴とされている。このような構成とすることで、ピン90はフィードバックプレート26に引っ掛かることができ、インナ側ブレーキパッド96の取り付け面(他方の面)を平坦なものとすることができる。
フィードバックプレート26とアンカプレート32との間には、対向配置された前記傾斜溝28a,28b、38a,38bに挟まれるローラ84が配置される。本実施形態で用いるローラ84は、ロータの回出側に設けた傾斜溝28b,38bに配置するものも、ロータの回入側に設けた傾斜溝28a,38aに配置するものも、同様な長さ、直径を有するローラ84としている。そして、ロータの回出側に形成した傾斜溝28b,38bに配置するローラ84は2つとしてローラ84と傾斜面との接触面の長さを長くし、自己サーボ効果の影響の大きいロータ回出側におけるフィードバックプレート26およびインナ側ブレーキパッド96の安定性を向上させている。
また、3つのローラ84は、それぞれ転がり方向、距離を同期させるため、枠状のホルダ82に保持されている。ホルダ82は、上述したフィードバックプレート26の長孔27を避けるように枠を形成している。なお、ローラ84はロータの回出側に配置するものを長物としても良いが、回入側と回出側とで同じものを利用することで、構成部材の在庫管理等が容易となる。
フィードバックプレート26は、アンカプレート32との間にホルダ82を挟みこんだ状態で、ピン90により保持される。アンカプレート32側のピン90の端部には、皿状のカップ94が備えられ、当該カップ94とアンカプレート32との間には圧縮方向に反発力を奏するスプリング92が設けられている。このような構成とすることで、アンカプレート32からフィードバックプレート26、およびホルダ82が脱落する事を防止しつつ、フィードバックプレート26を所定の範囲内で、スライド、せり出し自在とすることが可能となる。
このような構成のパワーユニット30とフィードバックプレート26では、電動モータ40の回転軸42が回転すると、偏芯カム46の作用によりカムシャフト48に取り付けられたニードルベアリング50がフィードバックプレート26に形成された長孔27の長辺に沿って転動し、フィードバックプレート26をロータの回出方向へスライドさせる。フィードバックプレート26のスライドにより、傾斜溝28a,28b、38a,38bの傾斜面とローラ84との接触位置が異なることとなり、フィードバックプレート26はロータの軸方向へとせり上がることとなる。
インナ側ブレーキパッド96は、図3に示すように、摩擦部材であるライニング96aと、当該ライニング96aを貼付する金属板であるプレッシャプレート96bとを有し、プレッシャプレート96bはフィードバックプレート26の側辺にホールド可能な爪部96cを有し、スライドするフィードバックプレート26との間にズレが生じないように構成されている。
また、支持プレート24は、キャリパボディ12aにおけるパワーユニット収容部14の深部に収容され、ここにアジャストボルト60の頭60aが当接するようにパワーユニット30が収められる。このため、アジャストナット58の回転によりアジャストボルト60の突出量が増した場合、アジャストボルト60の頭60aは支持プレート24により支持されているため、パワーユニット30全体がロータ方向へと押し出されることとなる。この作用により、インナ側ブレーキパッド96に摩耗が生じた場合であっても、ロータとの距離を所定範囲内に収めることができる。
上記のような各構成要素を有するディスクブレーキ装置10では、まず、図示しない電気配線から入力される信号に基づいて電動モータ40が駆動される。電動モータ40の回転軸42が回転することにより偏芯カム46の作用によりフィードバックプレート26がロータの回出方向へとスライドしつつせり上げられ、インナ側ブレーキパッド96はロータのインナ側主面へ押し付けられることとなる。インナ側主面に押圧されたインナ側ブレーキパッド96は、ロータの回転力に巻き込まれるように引きずられ、フィードバックプレート26とアンカプレート32との間に配置したローラ84が、傾斜溝28a,28b、38a,38bにおける傾斜面に転動することとなる。このような自己サーボ効果により、ロータに対するインナ側ブレーキパッド96の押し付け力が増すこととなる。
また、インナ側ブレーキパッド96がロータに押圧されると、その反作用により、サポート100を基点としてキャリパ12全体が、ロータの軸方向であって、インナ側ブレーキパッド96の押圧方向と逆側にスライドすることとなる。これにより、サポート100に保持されたアウタ側ブレーキパッド98は、爪部18により押圧されることとなり、ロータのアウタ側主面へ押圧でされる。
本実施形態に係るディスクブレーキ装置10では、回転軸42の先端側における上記制動動作と同時に、回転軸42の後端側においてアジャスト動作が成される。ブレーキ動作とアジャスト動作は、単一の回転軸42を介した連動動作となるからである。
このように、制動動作とアジャスト動作を回転軸42を介して連動させることにより、駆動源を1つとしつつ、二つの動作を実施することが可能となる。また、アジャスト機構54は、電動モータ40の回転軸42の回転角、すなわちインナ側ブレーキパッド96がロータに圧接されるまでの距離に応じて動作する。このため、インナ側ブレーキパッド96、アウタ側ブレーキパッド98のライニング96a,98aが摩耗した場合でも、ロータとブレーキパッドとの距離が大きく変わる事が無く、安定した制動制御性を維持することができる。
また、パワーユニット30における先端側にギアやロッド等を設けないようにして、電動モータ40の回転軸42とフィードバックプレート26との間に介在させる要素を偏芯カム46のみとしたため、従来の電子制御式のディスクブレーキ装置に比べて、制動動作の応答性を向上させることができる。
また、車両の前進方向を正としたロータの回出方向に設けるローラ84を複数に(ローラの接触面の長さを長く)したことにより、自己サーボ効果を奏する際のインナ側ブレーキパッド96の安定性を高めることができる。
また、パワーユニット30は、キャリパボディ12aとサポート100(サポート100に備えられたインナ側クリップ110)とによって保持されることとなるため、キャリパ12とサポート100との係合部であるスライドピンに係る偏加重が軽減され、ディスクブレーキ装置10の耐振動性を向上させることができる。
なお、上記実施形態では、フィードバックプレート26に形成した傾斜溝28a,28bは、傾斜溝28bを傾斜溝28aよりも長くする旨記載した。しかしながら、傾斜溝28aと傾斜溝28bは、図9に示すように、両者を同じ長さとしても良い。この場合、アンカプレート32側に設けられる傾斜溝38aと傾斜溝38bについても、両者を同じ長さとすることができる。このような構成とした場合、フィードバックプレート26やアンカプレート32の仕様の限定が無くなるため、左右どちらのブレーキ装置にも採用することが可能となり、在庫管理のしやすさ、生産性の向上を図ることが可能となる。
ディスクブレーキ装置の構成を示す図である。 ディスクブレーキ装置におけるキャリパとサポートとを分解した際の斜視図である。 キャリパの構成を示す分解斜視図である。 パワーユニットの構成を示す分解斜視図である。 ガイドブラケット、ラッチレバー、およびワンウェイギアの配置関係を示す部分拡大図である。 ギアユニットの組み付け状態を示す斜視図である。 パワーユニットと、フィードバックプレート、およびローラの関係を示す斜視図である。 パワーユニットとフィードバックプレート、ローラ、およびインナ側ブレーキパッドの組み付け状態を示す部分断面図である。 フィードバックプレートの応用形態を示す図である。
符号の説明
10………ディスクブレーキ装置、12………キャリパ、12aキャリパボディ、24………支持プレート、26………フィードバックプレート、28a………傾斜溝、28b………傾斜溝、30………パワーユニット、32………アンカプレート、40………電動モータ、42………回転軸、44………凸部、54………アジャスト機構、56………アジャストロッド、58………アジャストナット、60………アジャストボルト、60a………頭、62………アジャストギア、64………ワンウェイギア、66………ラッチ機構、68………アジャストレバー、70………ラッチレバー、72………ガイドブラケット、74………第1スプリング、76………第2スプリング、80………ギアユニット、96………インナ側ブレーキパッド、98………アウタ側ブレーキパッド、100………サポート。

Claims (5)

  1. ローラを用いた押し出し機構によりブレーキパッドをロータへ押し付けて自己サーボ効果を奏するディスクブレーキ装置であって、
    回転軸の先端側に偏芯カム、後端側に凸部をそれぞれ備える電気モータと、当該電気モータを支持するアンカプレートと、前記回転軸の後端部に備えられた凸部に噛み合うギアユニットとを有するパワーユニットと、
    前記アンカプレートを基点として前記回転軸の回転に伴ってロータの回出方向へスライドするフィードバックプレートと、
    サポートに支持され、前記パワーユニットを収容するキャリパボディとを備え、
    前記ギアユニットには、当該ギアユニットに付加された回転力によって駆動されるアジャストボルトを設け、
    前記フィードバックプレートと前記アンカプレートとの間には、前記回転軸を基点としてロータの回入側と回出側とのそれぞれにおける対向位置に、前記フィードバックプレートのスライド方向に倣った方向に傾斜面を持つ傾斜溝を設けると共に、当該傾斜溝にそれぞれローラを設け、
    前記ロータの回出側に配置した前記ローラと前記傾斜面との接触面を前記ロータの回入側に配置した前記ローラと前記傾斜面との接触面よりも長くし、
    前記アジャストボルトは回転により前記キャリパボディの反作用を受けて前記アンカプレートを前記ロータ方向へ押し出し、前記ブレーキパッドの摩耗によるロータとライニングとの隙間を補正する構成としたことを特徴とするディスクブレーキ装置。
  2. 前記ローラは同一なものを、前記ロータの回入側に1つ、前記ロータの回出側に2つ設けることを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ装置。
  3. 前記アジャストボルトを前記ローラの配置形態に倣って3つ設けることを特徴とする請求項2に記載のディスクブレーキ装置。
  4. 前記ギアユニットは、アジャスト機構とラッチ機構とより構成され、
    前記アジャスト機構は、前記アジャストボルトを押し出すアジャストナットと当該アジャストナットと噛み合うアジャストギア、及び前記アジャストギアに係合されたワンウェイギアとより成り、
    前記ラッチ機構は、前記回転軸の後端に設けられた突起部により所定方向に回転させられるアジャストレバーと、前記アジャストレバーが所定量回動する事により前記ワンウェイギアに噛み合ってた状態で前記ワンウェイギアを回転させる方向へスライドするラッチレバーと、前記ラッチレバーのスライドをガイドするガイドブラケットとを有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1に記載のディスクブレーキ装置。
  5. 前記パワーユニットを前記サポートと前記キャリパボディとの双方で支持する構成としたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1に記載のディスクブレーキ装置。
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