JP2002372081A - ウェッジブレーキのシュー間隙自動調整装置 - Google Patents

ウェッジブレーキのシュー間隙自動調整装置

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JP2002372081A
JP2002372081A JP2001183756A JP2001183756A JP2002372081A JP 2002372081 A JP2002372081 A JP 2002372081A JP 2001183756 A JP2001183756 A JP 2001183756A JP 2001183756 A JP2001183756 A JP 2001183756A JP 2002372081 A JP2002372081 A JP 2002372081A
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tappet
adjusting
piston
wedge
cylinder
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JP2001183756A
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Nobutoshi Arai
信寿 新井
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Nisshinbo Holdings Inc
Original Assignee
Nisshinbo Industries Inc
Nisshin Spinning Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シュー間隙を小さく設定して迅速に所望の効
きが得られること並びに操作フィーリングを良好に保つ
ことと、ライニングの引き摺りが起きないことの両立が
図れ、又、シュー間隙の安定化も図れ、しかも部品点数
が少なくて済み、コスト面で有利なウェッジブレーキの
シュー間隙自動調整装置を得ること。 【解決手段】 シュー間隙を感知してアジャストレバー
150の中間部に伝達するガイドピン50をタペット30から
立設させ、これをシリンダボディ11のシリンダ軸線と平
行な長穴15に滑動自在に嵌合し、アジャストレバー60の
一端部がアジャストホイール36に係合すると共に、他端
部がシリンダボディ11上の支承ピン52にタペット30の後
退方向への移動を規制されて当接し、アジャストスプリ
ング53を、アジャストレバー60の中間部に支承ピン52を
支点にタペット30の後退方向の回転力を付与するよう設
ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウェッジブレーキ
のシュー間隙自動調整装置に関し、より詳細には、シリ
ンダボディの外部にアジャストレバー等を配設する、所
謂外装式のシュー間隙自動調整装置をウェッジブレーキ
に適用した構造に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】この種の外装式のシュー間隙自動調整装
置として、例えば、特公昭47−34067号公報に開
示されているものがある。当該公報におけるシュー間隙
自動調整装置に係わる構成を概説すると、本装置は、ボ
アが取付け面に対して平行に穿設されているホイールシ
リンダと、このボア内に滑動自在に嵌合し、そのボア外
の大径部が開口側面に当接して後退位置を規制されてい
るピストンと、このピストンの凹部に回転自在に嵌合
し、その凹部外の大径部の外周に歯を有する内ピストン
と、この内ピストンに螺合して前端部の溝でブレーキシ
ューのウェブを支承するボルトと、前記ホイールシリン
ダのボディ上に中間部が取付けボルトで以て回転自在に
枢支され、その長い方の一端部側が前記歯に一方向回転
可能に係合すると共に、短い方の他端部が前記ピストン
と一体のピンに回転自在に枢支されるレバーと、一端が
前記ピンに係止して前記レバーを前記一方向に付勢する
スプリングとから成る。
【0003】前記した構成におけるシュー間隙自動調整
作用を説明する。今、ライニングの摩耗が進んで或るシ
ュー間隙に達した時に室を加圧すると、ピストン、内ピ
ストン及びボルトを押動してライニングをドラムに押圧
する。この時、レバーをピストンと一体のピンがスプリ
ング力に抗して回転せしめ、このレバーの一端部が次の
新しい歯に係合する。次いで、ブレーキを解除してリタ
ーンスプリング及びスプリングの作用により、前記各部
品が元の状態に復帰する時にレバーが歯をほぼ一歯分回
転せしめてボルトを螺出し、シュー間隙を自動的に調整
するものである。
【0004】又、他の従来例として、実公昭57−12
268号公報に開示されている構造のものがある。当該
公報におけるシュー間隙自動調整装置に係わる構成を概
説すると、本装置は、シリンダが取付け面に対して平行
に穿設されているシリンダ本体と、このシリンダ外にシ
リンダ軸線と直交し、シリンダ本体の外面を越えて延設
する板状の受け部材を有すると共に、シリンダ内に滑動
自在に、かつ回転不能に嵌合するピストンと、前端部に
爪車を有して前記ピストンに回転自在に嵌合するナット
部材、このナット部材に螺合して前端部の割溝でブレー
キシューを支承する螺杆と、前記シリンダ本体上に基端
が支軸で以て回転自在に枢支され、先端が前記爪車に一
方向回転可能に係合する調節レバーと、この調節レバー
の中間部と前記受け部材の先端の折曲した受片との間に
両端部の夫々が載置される枠部材と、この枠部材の両端
部で予張力が付与され、前記調節レバーの中間部の穴と
前記受け部材の受片の穴とに両端フック部を夫々係止す
る過調節抑止ばねとから成る。
【0005】前記した構成におけるシュー間隙自動調整
作用を説明する。今、図示されていないライニングの摩
耗が進んで或るシュー間隙に達した時にシリンダ内を加
圧すると、ピストン、ナット部材及び螺杆を押動してラ
イニングを図示されていないブレーキドラムに押圧す
る。この時、調節レバーは過調節抑止ばねの張力により
支軸を支点に回転し、その先端が爪車のほぼ一歯分を回
転せしめる。これにより、ナット部材から螺杆を螺出し
てシュー間隙を自動的に調整するものである。尚、緊急
ブレーキ時等において、シリンダ内が高圧になりブレー
キドラムが弾性変形する程になると、ねじ結合部の軸力
が急増して爪車の回転が不能になるが、過調節抑止ばね
が伸長して調節レバー等の破損が防止される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来の夫々の
外装式シュー間隙自動調整装置には、次のような問題点
があった。 <イ>即ち、前者にあっては、ブレーキ開放時にシュー
間隙を自動調整する形式であるから、ホイールシリンダ
の高圧作動時におけるドラム等の弾性変形分も拾って調
整してしまう。従って、通常のブレーキ作動時における
シュー間隙を小さく設定して効き遅れを解消すること並
びに操作フィーリングを良くすることと、緊急ブレーキ
等の高圧のブレーキ作動後に、シュー間隙が詰まり過ぎ
てライニングの引き摺りが起きないようにすることは二
律背反の関係にあり、これを両立させる設計が至難であ
った。しかも前述した構成によるピストンは回転防止機
能を有していないために前後進時に回転もするから、こ
れに接面している内ピストンがつれ回される恐れがあ
り、微調整を要求されるシュー間隙の不安定を免れな
い。
【0007】<ロ>又、後者にあっては、板材から成る
受け部材の固定部から過調節抑止ばねを係止する受片ま
での距離が長く、言い換えると、過調節抑止ばねのばね
力が作用する受け部材の腕の長さが長いから反り易く、
シュー間隙が安定しない恐れがある。これを防止するた
めに、例えば熱処理を施すとコストが嵩んでしまう。し
かも前述した構成では、ピストン回転防止手段として専
用ボルト(当該公報の第5図参照)を付設しているか
ら、部品点数が増えると共にコストが嵩む。
【0008】本発明は、シュー間隙を小さく設定して迅
速に所望の効きが得られること並びに操作フィーリング
を良好に保つことと、ライニングの引き摺りが起きない
こと、の両立を図ることができ、しかもシュー間隙の安
定化が図れるウェッジブレーキのシュー間隙自動調整装
置を得ることを目的としている。更に、部品点数が少な
くて済み、コスト面で有利なウェッジブレーキのシュー
間隙自動調整装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記した目的を達成する
ために、本発明によるウェッジブレーキのシュー間隙自
動調整装置においては、シュー間隙を感知してアジャス
トレバーの中間部に伝達するガイドピンをタペットから
立設させて、これをシリンダボディのシリンダ軸線と平
行な長穴に滑動自在に嵌合し、前記アジャストレバーの
一端部がアジャストホイールに一方向回転可能に係合す
ると共に、他端部がシリンダボディ上の突起に前記タペ
ットの後退方向への移動を規制されて当接し、そしてア
ジャストスプリングを、前記アジャストレバーの中間部
に前記タペットの後退方向の回転力を付与するよう、又
はアジャストレバーに回転力を付与しないよう張設した
ものである。又、シリンダ穴に滑嵌合して直列するタペ
ットとピストンとの対向部を相対回転自在に密嵌合する
とよい。更に、前記タペットと前記ピストンとの間に低
摩擦係数のワッシャを介挿するとよい。
【0010】前記のように構成されたウェッジブレーキ
のシュー間隙自動調整装置によれば、自動調整作用がブ
レーキ作動時に行われ、しかもねじ結合部の軸力が増大
すると自動調整作用が停止して過調整を防止する構成で
あるから、シュー間隙を小さく設定できて迅速に所望の
効きが得られること、並びに一回の制動中における制動
力の微調整が簡単で操作フィーリングの向上が図れるこ
とと、ライニングの引き摺り防止とを両立させることが
できる。又、自動調整作用時におけるシュー間隙の伝達
部材を、短い柱状のガイドピンにすることができるか
ら、高い剛性を容易に確保できてシュー間隙が安定す
る。しかもこのガイドピンはタペットの回転防止手段と
しての機能も併有するから、部品点数が少なくて済む。
更に、シリンダ穴に直列するタペットとピストンとが相
対回転自在に一体的に滑動するから、ブレーキ作動時に
おいてピストンにこじり力が作用しつつ摺動しても、こ
のこじり力を支持するシリンダ穴の距離が長くなって耐
久性が向上し、長期に亙る円滑な滑動を確保できるし、
又、タペットとピストンとの間に低摩擦係数のワッシャ
を介挿すれば、ピストンの回転抵抗を減少できるから、
安定したシュー間隙自動調整作用を保証できる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるウェッジブレ
ーキのシュー間隙自動調整装置について説明するが、ブ
レーキの構成はウェッジアクチュエータ10を除いて既
知であるから、このアクチュエータ10のみについて説
明する。
【0012】最初に、図1〜図5を参照しながら本発明
の実施例1について説明するが、先ず、ウェッジアクチ
ュエータ10の基本構成について、図1を参照しながら
説明する。図示しない不動部材に複数の締結部材で以て
固定されるウェッジアクチュエータ10のシリンダボデ
ィ11には、その取付け面12に平行にシリンダ穴13
が貫通して穿設され、その中央部から直交して前記不動
部材に嵌合するボス部に直交穴14が穿設されている。
そして、この直交穴14には、先端部にウェッジ部22
を有するプッシュロッド21と、そのウェッジ部22の
テーパ面に転動自在に当接して前記シリンダ穴13内に
臨むよう、ケージ部材23で以て前記プッシュロッド2
1に取着される対のローラ24,24と、前記プッシュ
ロッド21をブレーキの不作動位置である図の下方向に
向けて付勢するリターンスプリング25等々から成るウ
ェッジ機構20が配備されている。尚、前記プッシュロ
ッド21の後端部には、作動装置である図示しない既知
のエアチャンバー等が結合される。
【0013】又、前記した対のローラ24,24により
押動される対のタペット30,30が前記シリンダ穴1
3に滑動自在に嵌合しており、この両タペット30,3
0の対向する側には、夫々のローラ24,24が転動可
能に当接すると共に、これの姿勢を常に正しく保つ割り
溝31,31が形成されている。尚、前記した対のロー
ラ24,24が当接する割り溝31,31の溝底32,
32は、両溝底32,32で以て図の下方側が幅広のテ
ーパ面を呈する斜面に形成されている。
【0014】前記した両タペット30,30の夫々の前
側には、これに直列して前記シリンダ穴13外にアジャ
ストホイール36,36を有すると共に、シリンダ穴1
3に回転自在に、かつ滑動自在にピストン35,35嵌
合しており、その軸心に貫通するめねじ38,38が夫
々螺設されている。又、本実施例では、夫々のタペット
30,30とピストン35,35との対向部に、言い換
えると、タペット30,30の前端部とピストン35,
35の後端部との間に、何れか一方の部材に細径軸部を
形成し、何れか他方の部材に前記細径軸部に相対回転自
在に密嵌合する穴が形成され、双方が一体的に滑動し、
かつ一体的に傾倒するよう構成されている。尚、本例で
はタペット30,30に細径軸部33,33が形成さ
れ、ピストン35,35に穴39,39が形成されてい
る。又、本実施例では、前記タペット30,30の細径
軸部33,33に遊嵌して、このタペット30,30と
ピストン35,35との対向面間に、例えば硬質クロー
ムメッキを施した低摩擦係数のワッシャ40,40を介
挿している。
【0015】前記した両ピストン35,35の夫々のめ
ねじ38,38には、アジャストボルト45,45のお
ねじ軸部46,46が螺合しており、この頭部の前端部
に形成した割り溝47,47で以て図示しないブレーキ
シューのシューウェブを受容している。これにより、ア
ジャストボルト45,45は僅かな回転も阻止されてい
る。尚、前述した構成から明らかな通り、前記ピストン
35,35のアジャストホイール36,36の外周に刻
設されている多数の歯37,37をブレーキ外部から工
具を用いて回転することにより、図示しないブレーキド
ラムとブレーキシューとのシュー間隙を手動的に調整で
きるものであって、これらの構成は、既知のウェッジア
クチュエータとほぼ同じである。又、シリンダ穴13は
ダストブーツ41,41で以て封止され、ねじ結合部は
ダストブーツ42,42で以て封止されている。
【0016】次に、前述したウェッジアクチュエータ1
0に装備したシュー間隙自動調整装置について、図2〜
図5を参照し乍ら詳細に説明するが、説明に当たって、
図示する前記した自動調整装置は、前記シリンダボディ
11外のブレーキ半径方向の両外部に装備され、その対
の自動調整装置が相互に180°回転させた状態に配設
されているものであるから、一方のみについて説明し、
他方については説明を省略する。
【0017】しかして、前記タペット30には一体にガ
イドピン50が立設されており、このガイドピン50が
前記シリンダボディ11のシリンダ軸線に対して平行方
向に削設された長穴15に滑動自在に嵌合している。そ
して、この長穴15はダストブーツ43で以て封止され
ている。
【0018】略L字状の板材から成るアジャストレバー
60は、その中間部が前記ガイドピン50のシリンダボ
ディ11からの突出端部に回転自在に軸支され、止め輪
51で以て抜脱を阻止されている。そして、アジャスト
レバー60の一端部に形成された折曲端部61が前記ア
ジャストホイール36の鋸刃状の歯37に一方向回転
(図4における時計方向)可能に係合すると共に、他端
部に形成された略こけし状穴62の長穴の内面が前記シ
リンダボディ11に植設された支承ピン52の円形の溝
底に当接して、前記したタペット30の後退方向への移
動が規制されている。前記したこけし状穴62の長穴の
内面は、前記支承ピン52に当接する面が前記シリンダ
穴13の軸線と交差する方向に少し移動できる形状であ
ればよいが、図2の拡大図に示すように、シリンダ穴1
3の軸線と直交する直線状に形成されていることが好ま
しい。又、前記したこけし状穴62と支承ピン52とが
当接する形状はこれに代えて、支承ピン52側をシリン
ダ穴13の軸線と直交する平坦面とし、この平坦面にこ
けし状穴62の内面に突出させた円弧面の突出端部を当
接させるようにしてもよい。
【0019】引っ張りコイルばね状のアジャストスプリ
ング53は、その一方フックが前記支承ピン52に隣接
して、前記アジャストレバー60の他端部のガイドピン
50側に穿設された丸穴63に掛止され、言い換える
と、前記アジャストレバー60の他端部の当接部と中間
枢支部との間に掛止されると共に、他方フックがシリン
ダボディ11に植設された掛止ピン54に張設して掛止
されており、これにより、アジャストレバー60の中間
枢支部に支承ピン52を支点に前記タペット30の後退
方向への回転力(図2における時計方向の回転力)を付
与している。従って、アジャストスプリング53の付勢
力は、アジャストレバー60及びタペット30を押し戻
す方向に作用している。又、アジャストスプリング53
の一方フックを掛止するアジャストレバー60の丸穴6
3部は、シリンダボディ11から離間する方向に絞り成
型され、アジャストレバー60の折曲端部61がアジャ
ストホイール36の歯37に常に軽く弾接するよう、ア
ジャストスプリング53が少し傾いて張設されアジャス
トレバー60に偏倚力を与えている。尚、アジャストレ
バー60の張設方向は、前記した方向に代えて、アジャ
ストレバー60の他端部の支承ピン52との当接点を通
る直線方向に張設し、以てアジャストレバー60に回転
力を付与しないようにしてもよい。更に、前記アジャス
トスプリング53を捩りばねにすることも可能である。
【0020】前述した構成におけるブレーキ作動につい
て概説する。図1において、図示しないエアチャンバ等
によりプッシュロッド21を矢F方向に押動すると、各
ローラ24,24が転動し乍ら上昇し、左右のタペット
30,30、ピストン35,35及びアジャストボルト
45,45を一体的に進出させ、図示しないブレーキシ
ューをブレーキドラムに摩擦係合させてこれを制動す
る。この時、ブレーキシューのアジャストボルト45,
45に対する相対移動により、アジャストボルト45,
45の割り溝47,47の溝底に摩擦力を生じてピスト
ン35,35にこじり力が作用するが、このピストン3
5,35はタペット30,30と一体的に傾倒しようと
するから、そのこじり力を支持するシリンダ穴13の距
離が長くて耐久性に富む。尚、前記したブレーキ作動か
ら明らかなように、対のブレーキシューの対向部を左右
に拡張するブレーキ形式であるから、リーディング・ト
レーリング形(LT形)用のウェッジブレーキである。
【0021】次いで、シュー間隙自動調整作用について
説明するが、対のシュー間隙自動調整装置は同じ調整作
用をするものであるから、前述した構成の説明と同様に
一方のみについて説明し、他方についてはその説明を省
略する。
【0022】今、図示しないライニングの摩耗が進ん
で、或るシュー間隙に達した時にブレーキ作動してタペ
ット30が進出すると、これと一体のガイドピン50
が、アジャストレバー60の中間枢支部を支承ピン52
との当接点を支点に図2における反時計方向に回転さ
せ、アジャストレバー60の一端部の折曲端部61がピ
ストン35のアジャストホイール36に刻設した鋸刃状
のほぼ一歯分を回転せしめる。これにより、ピストン3
5からアジャストボルト45を螺出してシュー間隙を自
動的に調整する。尚、ブレーキドラムが弾性変形する程
にブレーキシューの押圧力が大きくなると、ねじ結合部
の軸力が急増してアジャストホイール36の回転が不能
になるが、アジャストスプリング53が伸長してシュー
間隙の調整を停止する。即ち、シュー間隙の過調整を防
止し得るから、シュー間隙を小さく設定することができ
て迅速に所望の効きが得られるようになって安心である
し、一回の制動中における制動力の微調整が容易になっ
て操作フィーリングが良好である。又、シュー間隙を感
知してアジャストレバー60に伝達するガイドピン50
は、短い柱状体でよいから高い剛性を容易に確保できて
シュー間隙が安定するし、このガイドピン50はタペッ
ト30の回転防止手段としての機能も併有するから、部
品点数が少なくて済む。更に、回転するピストン35と
回転不能のタペット30との間に低摩擦係数のワッシャ
40を介挿したから、ピストン35が滑らかに、かつ安
定して回転するようになり、この面からも微調整を要求
されるシュー間隙が安定する。
【0023】次に、本発明の実施例2について図6を参
照し乍ら説明するが、本例は前述した本発明の実施例1
に対して一部分の構造のみが異なるものであるから、そ
の相違点のみについて、同一の部品には同一の符号を付
して説明するに留める。
【0024】即ち、本実施例におけるシリンダボディ1
1の外部には、前述した実施例1の支承ピン52に代え
て支承突起16が一体に突出成型されており、本図にお
ける右方の端面がシリンダ軸線に直交する平坦面17に
形成されている。又、アジャストレバー60の他端部に
円弧面64が形成されており、この円弧面64の突出端
部が前記シリンダボディ11の平坦面17に当接してい
る。そして、アジャストスプリング53は、その付勢力
が前記アジャストレバー60の前記平坦面と17との当
接点を通る直線方向に作用するよう、アジャストレバー
60の丸穴63と掛止ピン54との間に張設されてい
る。尚、前記したシリンダボディ11の支承突起16の
平坦面17を円弧状と成し、かつアジャストレバー60
の円弧面64を平坦面に変えてもよいし、又、アジャス
トスプリング53は、前述した本発明の実施例1の張設
位置に変えてもよい。更に、前記した平坦面17は、前
記支承突起16部にコ字状の溝を形成し、この溝底を平
坦面とすることもできる。
【0025】しかして、前述した実施例2の構成におけ
るブレーキ作動及びシュー間隙自動調整作用は、前述し
た本発明の実施例1と同じであるからその説明を省略す
る。只、本実施例2におけるシュー間隙自動調整装置
は、その作用時にアジャストレバー60の支承突起66
への当接点が僅かにガイドピン50側に変位し、アジャ
ストレバー60に本図における反時計方向の回転力を与
えるが、この回転力は僅少であるから図示しないシュー
リターンスプリングの張力に影響を及ぼすものではな
い。
【0026】尚、前述した本発明の実施例1及び実施例
2は、ウェッジ機構に押し形を用いた例を示したが、こ
れに代えて、引き形を用いることも可能である。又、外
装式のシュー間隙自動調整装置をリーディング・トレー
リング形(LT形)のウェッジブレーキに適用した例を
挙げたが、これに限定されるものではなく、例えば、ツ
ーリーディング形(2L形)やデュアル・ツーリーディ
ング形(D2L形)のウェッジブレーキ等にも適用でき
ることは明らかであり、その適用範囲が広範である。
【0027】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。即
ち、シュー間隙自動調整装置には、ブレーキドラム等の
弾性変形を拾わない過調整防止機能を有しているから、
シュー間隙を小さく設定できて迅速に所望の効きが得ら
れること、並びに一回の制動中における制動力の微調整
が簡単で操作フィーリングが良好なことと、ライニング
の引き摺り防止とを両立させることができる。又、シュ
ー間隙を感知してアジャストレバーに伝達するガイドピ
ンは、短い柱状体でよいから高い剛性を容易に確保でき
てシュー間隙が安定するし、このガイドピンはタペット
の回転防止手段としての機能も併有するから、部品点数
が少なくて済み、コスト面で有利である。又、シリンダ
穴に直列に配設されて滑動するタペットとピストンとの
対向部、即ち、回転不能なタペットの前端部と回転可能
なピストンの後端部とを相対回転自在に密嵌合したこと
により、ピストンにこじり力が作用した時に、このこじ
り力を支持するシリンダ穴の距離が長くなって、両者の
滑動部の傷付きや摩滅を抑制できて耐久性が向上する
し、又、タペットとピストンとの間に、低摩擦係数のワ
ッシャを介挿することにより、シュー間隙自動調整作用
時におけるピストンの回転抵抗を減少できるし、かつ安
定させることができる。これらにより、微調整を要求さ
れるシュー間隙を長期に亙り安定して得られる。更に、
ウェッジ機構に押し形を用いた例を示したが、これに代
えて、引き形を用いることも可能であるし、又、外装式
のシュー間隙自動調整装置をリーディング・トレーリン
グ形(LT形)のウェッジブレーキに適用した例を挙げ
たが、これに限らず、ツーリーディング形(2L形)や
デュアル・ツーリーディング形(D2L形)のウェッジ
ブレーキに適用できて、その適用範囲が広範である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1に係わるウェッジアクチュ
エータを示し、図2のI−I断面図
【図2】 ウェッジアクチュエータの正面図
【図3】 図2の下面図
【図4】 図3の右側面図
【図5】 図3のV−V断面図
【図6】 本発明の実施例2に係わるウェッジアクチュ
エータを示し、図3に相当する図
【符号の説明】
10 ウェッジアクチュエータ 11 シリンダボディ 13 シリンダ穴 15 長穴 16 支承突起 17 平坦面 20 ウェッジ機構 30 タペット 35 ピストン 36 アジャストホイール 40 ワッシャ 45 アジャストボルト 50 ガイドピン 52 支承ピン 53 アジャストスプリング 60 アジャストレバー

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ穴が取付け面に対して平行に穿
    設されているシリンダボディと、該シリンダ穴の軸線に
    交差する方向に配設されているウェッジ機構と、該ウェ
    ッジ機構の作動により前記シリンダ穴に嵌合して滑動自
    在なタペットと、該タペットの前側に直列して回転自在
    に、かつ滑動自在に嵌合し、シリンダ穴外にアジャスト
    ホイールを有するピストンと、該ピストンに螺合して前
    端部でブレーキシューを支承するアジャストボルトと、
    前記タペットから一体に立設して前記シリンダボディの
    シリンダ軸線に対して平行方向に削設した長穴に滑動自
    在に嵌合するガイドピンと、該ガイドピンの前記シリン
    ダボディからの突出部に中間部が回転自在に枢支され、
    一端部が前記アジャストホイールに一方向回転可能に係
    合すると共に、他端部が前記シリンダボディ上の突起で
    以て前記タペットの後退方向への移動を規制されている
    アジャストレバーと、該アジャストレバーの他端部を前
    記シリンダボディ上の突起に当接させる方向に付勢する
    アジャストスプリングとから構成したことを特徴とす
    る、ウェッジブレーキのシュー間隙自動調整装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記アジャストスプ
    リングの付勢力が、前記アジャストレバーの他端部の当
    接部と中間枢支部との間に作用するよう張設したことを
    特徴とする、ウェッジブレーキのシュー間隙自動調整装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記アジャストスプ
    リングの付勢力が、前記アジャストレバーの他端部の当
    接点を通る直線方向に作用するよう張設したことを特徴
    とする、ウェッジブレーキのシュー間隙自動調整装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項におい
    て、前記タペットの前端部と前記ピストンの後端部とを
    相対回転自在に密嵌合したことを特徴とする、ウェッジ
    ブレーキのシュー間隙自動調整装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1項におい
    て、前記タペットと前記ピストンとの間に低摩擦係数の
    ワッシャを介挿したことを特徴とする、ウェッジブレー
    キのシュー間隙自動調整装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100828854B1 (ko) * 2006-12-14 2008-05-09 현대자동차주식회사 스프링캡을 구비하는 휠실린더 및 이를 포함하는웨지브레이크
CN108488278A (zh) * 2018-02-28 2018-09-04 江铃汽车股份有限公司 制动间隙自动调整分泵装置及制动器

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