JP4862647B2 - 乾燥滅菌機および乾燥滅菌機に設けた温度測定手段の調整方法。 - Google Patents

乾燥滅菌機および乾燥滅菌機に設けた温度測定手段の調整方法。 Download PDF

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本発明は、バイアル、アンプル、シリンジなどの医薬品用のガラス製容器やその他のガラス製容器を加熱して乾燥滅菌する乾燥滅菌機に係り、特に、加熱されたガラス製容器の温度を測定する温度測定手段を備えた乾燥滅菌機、および前記温度測定手段の調整方法に関するものである。
バイアルやアンプル等の医薬品用のガラス製容器を乾燥滅菌する乾燥滅菌機では、缶体内を走行する搬送コンベヤ上の容器に、上方から熱風を吹き付けて加熱することにより滅菌を行っている。前記容器を完全に滅菌するためには、所定の温度まで加熱する必要があり、ガラス製容器に吹き付ける熱風の温度、風速、内部圧力および搬送コンベヤの走行速度等を調整して容器を所定温度まで加熱している。そして、加熱された容器が実際に所定の温度に到達しているか否かを判断するために、温度測定手段によって缶体内で加熱された容器の温度を直接測定するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
前記特許文献1は、本願の出願人が出願したもので、乾燥滅菌機の缶体の外部に、特定の波長域の赤外線を検出可能な放射温度計を配置するとともに、加熱された容器から発生する赤外線のうち、前記放射温度計が検出する波長域の赤外線を透過可能な材料から形成した窓を缶体に取り付けるという簡単な構成で、容器の温度を正確に測定し、かつメンテナンスを容易にすることを可能にした。
特開2005−218686号公報(第3−4頁、図2)
物体の温度を測定するために使用する放射温度計は、物体から放射される赤外線エネルギーを測定するものであるが、物体固有の放射率が違うため、絶対温度を計測することができない。そこで観測する物体を別の温度計を用いて測定し、この温度と同一温度となるよう放射率を設定する必要がある。前記従来の乾燥滅菌機では、乾燥滅菌する容器に熱電対を貼り付けて温度を測定するようにしていた。しかしながら放射温度計は容器の配列等により測定値が変化するため、比較が困難であり、また、熱電対が付いている同一箇所を放射温度計が計測しているか判定が困難である等の問題があった。さらに、事前に容器に熱電対を貼り付けてその温度を測定し、放射率を決定するため、調整および試運転に時間がかかるという問題もあった。
本発明は、缶体内に設置されてガラス製容器を搬送する搬送コンベヤと、この搬送コンベヤ上のガラス製容器に熱風を吹き付けて加熱する加熱手段と、物体から放射された赤外線を検出して温度を測定する温度測定手段とを備え、この温度測定手段によって加熱されたガラス製容器の温度を測定可能な乾燥滅菌機において、前記ガラス製容器を加熱する加熱領域内に、測定部がガラス材で覆われた熱電対式の温度センサを設けたことを特徴とするものである。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載した乾燥滅菌機の温度測定手段がサーモグラフィであることを特徴とするものである。
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載した乾燥滅菌機の温度センサを、前記温度測定手段の測定範囲内に位置させたことを特徴とするものである。
また、請求項4に記載の発明方法は、缶体内に設置されてガラス製容器を搬送する搬送コンベヤと、この搬送コンベヤ上のガラス製容器に熱風を吹き付けて加熱する加熱手段とを備えた乾燥滅菌機に設けられ、加熱されたガラス製容器から放射された赤外線を検出して温度を測定する温度測定手段の調整方法において、測定部がガラス材で覆われた熱電対式の温度センサを、ガラス製容器を加熱する加熱領域内に設置し、この温度センサによって加熱領域内の温度を測定するとともに、前記温度センサの温度を前記温度測定手段で測定し、これら温度センサと温度測定手段との測定結果の差に基づいて、温度測定手段が検出するガラス製容器の赤外線放射率を決定することを特徴とするものである。
本発明の乾燥滅菌機は、ガラス材で被覆した熱電対を使用して、温度測定手段が温度を測定するガラス製容器の赤外線の放射率を決定するようにしたので、温度測定手段による測定値の信頼性を向上させることができる。また、事前に容器に熱電対を貼り付けて測定することにより赤外線の放射率を決定するという従来行っていた作業が必要なくなるので、調整および試運転の時間を大幅に短縮することができる。
缶体内に設置された搬送コンベヤにより搬送されているガラス製の容器に、加熱手段から熱風を吹き付けて加熱し、この加熱されたガラス製容器の温度を、ガラス製容器から放射される赤外線を温度測定手段によって検出することにより測定するようにした乾燥滅菌機に、ガラス製容器を加熱する加熱領域内にガラス材により被覆した熱電対を設置するという構成により、簡単な操作で、しかも正確に赤外線の放射率を決定するという目的を達成する。
以下、図面に示す実施例により本発明を説明する。図1は本発明の一実施例に係る乾燥滅菌機の縦断面図、図2はこの乾燥滅菌機の加熱部の横断面図である。乾燥滅菌機には、多数の容器1を複数列で前後左右互いに密着した状態で連続的に搬送する搬送コンベヤ2が配置されており、缶体4の一端(図1の左端)に形成された開口部(容器入口)4aから搬入された容器1が、前記搬送コンベヤ2によって缶体4内を搬送される間に、導入部Aにおいて清浄エアを吹き付けられて浄化され、続いて、加熱部Bにおいて加熱、滅菌された後、冷却部Cで再度清浄エアが吹き付けられて冷却される。その後、缶体4の他端(図1の右端)に形成された開口部(容器出口)4bから外部に排出されて次の工程に送られる。なお、この実施例に係る乾燥滅菌機で処理される容器1は、バイアル、アンプル、シリンジ等の薬液や薬剤を収容するガラス製容器である。
缶体4の容器入口4a側の外部には、前記容器搬送コンベヤ2と直交する方向を向けて容器供給コンベヤ6が配置されており、容器1を一列で間欠的に搬送する。この供給コンベヤ6の、乾燥滅菌機の容器入口4aと逆側(図1の左側)には、プッシャ8が設けられており、供給コンベヤ6が一時停止したときに前進して、供給コンベヤ6上の複数個の容器1を容器入口4aから缶体4内に押し込んで搬送コンベヤ2上に乗り移らせるようになっている。供給コンベヤ6と缶体4内の搬送コンベヤ2との間にデッドプレート9が設けられており、供給コンベヤ6から押し出された容器1はこのデッドプレート9上を移動して搬送コンベヤ2上に乗り移る。搬送コンベヤ2はプッシャ8の一回の動作によって押し込まれた容器1の数と同じ列数で連続的に容器1を搬送する。
前記缶体4の内部には、上流側から順に導入部A、加熱部B、冷却部Cが配置されており、最も上流側の導入部Aには、清浄エア供給手段10が設けられている。この清浄エア供給手段10は、内部にHEPAフィルタ10aが取り付けられた清浄エア吹き出し口10bと、この清浄エア吹き出し口10bに清浄エアを送る給気用ブロア10cを備えている。
缶体4の中央部に設けられた加熱部Bには、前記搬送コンベヤ2によって搬送されているガラス製容器1に熱風を吹き付けて加熱する加熱手段(熱風供給手段)12が設けられている。この熱風供給手段12は、前記搬送コンベヤ2の上方に、下方を向けて配置された熱風吹き出し口12bと、この熱風吹き出し口12bから吹き出されるエアを加熱するヒーター12dと、これら熱風吹き出し口12bとヒーター12dとの間に設けられて熱風を循環させるブロア12cとを備えている。前記熱風吹き出し口12bはその内部にHEPAフィルタ12aが装着されており、前記搬送コンベヤ2上のガラス製容器1に吹き付けられる熱風を浄化するようになっている。
加熱部B内には循環ダクト12eが設けられており、前記熱風吹き出し口12bから下方に向けて吹き出された熱風は、搬送コンベヤ2上のガラス製容器1に吹き付けられてこれら容器1を加熱した後、搬送コンベヤ2の上面の容器搬送側2aを通り抜けて循環ダクト12e内に入り、再びヒーター12dで加熱されて前記熱風吹き出し口12bに送られる。
前記加熱部Bの下流側に位置する冷却部Cには、冷風供給手段14が配置されている。この冷風供給手段14は、前記加熱部Bの熱風供給手段12の吹き出し口12bと同様に内部にHEPAフィルタ14aが取り付けられた冷風吹き出し口14bと、この冷風吹き出し口14bにエアを送る給気用ブロア14cが設けられており、給気用ブロア14cによって外気を取り込んで、前記HEPAフィルタ14aによって浄化した後、搬送コンベヤ2上を搬送されているガラス製容器1に吹き付けて、加熱部Bで加熱されたガラス製容器1を冷却するようになっている。
缶体4の容器出口4bの外側には、缶体4内の容器搬送コンベヤ2と直交する方向を向けて排出コンベヤ16が配置されている。この排出コンベヤ16は、搬送コンベヤ2上を複数列で搬送され、後方の容器1に押されて順次押し出されてきた容器1を受け取って、1列で搬送し次の工程に送る。搬送コンベヤ2と缶体4外の排出コンベヤ16との間にデッドプレート17が設けられており、搬送コンベヤ2によって搬送されてきたガラス製容器1は、後続の容器1に順次押されてこのデッドプレート17上を移動し、排出コンベヤ16上に乗り移る。
缶体4の一方の側壁(図2の右側の側壁4c)には、特定の波長域の赤外線を透過可能な材料であるフッ化系の結晶体からなる窓18が設けられている。この窓18は、加熱部B内の熱風吹き出し口12bの下方で熱風が直接吹き付けられる加熱領域20の下流部寄りに設けられており、しかも、搬送コンベヤ2によって搬送されている容器1の上面よりもやや上方に位置している。
前記窓18を構成する材料として、フッ化カルシウムCaF2またはフッ化バリウムBaF2を用いている。通常のガラスでは、放射温度計やサーモグラフィで検出することができる波長の赤外線を吸収してしまうため、物体から放射された赤外線が温度計まで到達しないが、これらフッ化カルシウムまたはフッ化バリウム製の窓は、放射温度計やサーモグラフィでの測定に適した波長の赤外線を透過させるため、これらの材料の窓を使用している。なお、前記フッ化系の材料以外でも、前記温度計によって測定可能な波長の赤外線を透過させる材料であれば窓18として用いることができる。
前記側壁4cの窓18が形成されている部分を囲んで、缶体4の外側にサブチャンバ22が形成されており、このサブチャンバ22内に温度測定手段として赤外線サーモグラフィ24が設置されている。このサーモグラフィ24は、加熱領域20内において前記搬送コンベヤ2上を搬送されるガラス製容器1から放射され、前記窓18を透過してくる赤外線を検出できるように、下方のガラス製容器1の方向を向けて斜めに設置されている。また、前記窓18の下方で搬送コンベヤ2上のガラス製容器1よりも上方の加熱領域20内に、壁面4cを貫通して測定部26aを突出させた状態で熱電対式の温度センサ26が設置されている。前記サーモグラフィ24は、搬送コンベヤ2上の容器1とこの温度センサ26の温度を同時に測定できるようになっている。このような乾燥滅菌機では、加熱部に、加熱用熱源の制御およびモニタリングのために、容器の通過部分の上方に熱電対式の温度センサが設置されており、通常は測定部が熱電対素線を金属製の保護管に収容して構成したものが用いられている。これに対して、この実施例の熱電対式の温度センサ26は、熱電対素線が硬質ガラス製の保護管に収容され、測定部26aがガラスに覆われて構成されている。また、前記サブチャンバ22内には制御部28が設置されており、前記サーモグラフィ24と温度センサ26による測定値がこの制御部28に送られ、後に説明するように、サーモグラフィ24が測定する物体(この実施例ではガラス製容器1)の赤外線放射率を決定する。
赤外線サーモグラフィ24は、対象となる物体から出ている赤外線放射エネルギーを検出し、検出した赤外線エネルギー量を温度に換算して、測定範囲における温度分布を画像表示する装置であるが、物体の材質によって赤外線の放射率は異なり、同じ温度であっても材質が異なれば放射されるエネルギー量は異なるため、このような赤外線サーモグラフィ24や赤外線放射温度計では、測定対象とする物体に応じて放射率を設定して検出された赤外線エネルギー量を設定した放射率に基づいて温度に換算するようになっている。
そこで、先ず、測定部26aがガラス材で覆われた温度センサ26を用いて、前記加熱領域20内の温度を測定するとともに、このガラス材で覆われた温度センサ26の測定部26aの温度をサーモグラフィ24で測定する。温度センサ26では、熱電対素線の検出端がガラス材から成る保護管に覆われているため、保護管としてのガラス材が受ける温度が測定される。そして、これら温度センサ26とサーモグラフィ24の測定結果の差に基づいて、サーモグラフィ24が温度を測定するガラス製容器1の赤外線放射率の値を変更していくことにより、サーモグラフィ24の測定する温度を、温度センサ26の温度に一致させるようにして対象物であるガラス製容器1の放射率を決定する。具体的にはサーモグラフィ24に設定する赤外線放射率を決定するには、初めにサーモグラフィ24の放射率を、通常一般的なガラスの放射率である0.85に設定して、加熱領域20で過熱状態にある温度センサ26の温度を測定し、測定結果を温度センサ26による測定温度と比較する。次に、これら両者の測定結果の差に基づき、両者の測定結果が一致するようにサーモグラフィ24の放射率の設定値を変更していき、換算される温度が温度センサ26の測定結果と等しくなる放射率を、サーモグラフィ24が検出するガラス製容器1の赤外線放射率として決定する。温度センサ26の測定部26aはガラス材で覆われているため、サーモグラフィ24には、測定対象とするガラス製容器1と共通するガラス材の放射率による赤外線放射エネルギーが検出される。なお、放射率は、0で全く放射線が放出されず1で最も多く放射されることを表している。
このように缶体4内に設けられている温度センサ26の測定部26aをガラス材で被覆したことにより、この温度センサ26の温度を測定するだけで、ガラス製容器1の赤外線放射率を設定することができ、従来のように容器に熱電対式の温度センサを貼り付けて測定することにより放射率を決定する必要が無く、調整時間や試運転時間を大幅に短縮することができる。
前記のように測定部26aがガラス材で覆われた温度センサ26の温度を測定することによって、サーモグラフィ24により温度を測定するガラス製容器1の赤外線放射率を決定することができるが、実際にガラス製容器1の温度を測定して決定したものではないので、赤外線放射率をより高精度に設定するために、以下の方法を付加するようにしても良い。この方法では、乾燥滅菌機を運転して、搬送コンベヤ2によってガラス製容器1を搬送し、測定部26aがガラス材で覆われた温度センサ26とガラス製容器1の温度をサーモグラフィ24によって測定する。測定したこれら両者の温度差から放射赤外線エネルギー量の差を求め、この差を、前述のように温度センサ26の温度に基づいて設定した赤外線の放射率に付加して補正する。このようにガラス製容器1とガラス材で被覆した温度センサ26の両者の温度からガラス製容器1の赤外線放射率を求めることによって、より高精度な温度測定が可能になる。なお、この実施例では、温度測定手段としてサーモグラフィ24を用いたが、赤外線放射温度計でも同様の温度測定を行うことができる。但し、放射温度計では、温度センサ26と容器1の温度を測定するために向きを変える等の操作が必要であるが、サーモグラフィ24では両者を同時に検出することができるので、温度差を求めることが容易であり効率的である。
以上の構成にかかる乾燥滅菌機の作動について説明する。缶体4の容器入口4a側の外部に設置された容器供給コンベヤ6は、間欠的に走行してガラス製容器1を1列で搬送する。供給コンベヤ6が停止すると、容器入口4aの向かい側に設置されているプッシャ8が作動して供給コンベヤ6上の複数個(この実施例では10個)の容器1を押圧し、デッドプレート9を介して缶体4内の搬送コンベヤ2に乗り移らせる。容器入口4aを通って缶体4内に挿入された容器1は、搬送コンベヤ2上に10列(図2参照)に整列され前後左右に接触した状態で搬送される。
缶体4内部の上流側は導入部Aであり、この導入部Aには清浄エア供給手段10が配置されている。清浄エア供給手段10は、給気用ブロア10cによって外部から導入したエアをHEPAフィルタ10aを通して清浄化した後、清浄エア吹き出し口10bから搬送コンベヤ2上の容器1に吹き付けて浄化する。
前記導入部Aに続いて、熱風供給手段12が設けられた加熱部Bが設置されている。この熱風供給手段12は、ヒーター12dで加熱したエアを、ブロア12cの作動によってHEPAフィルター12aに送って浄化した後、熱風吹き出し口12bから吹き出し、前記搬送コンベヤ2上の容器1に吹き付ける。熱風吹き出し口12bから吹き出された熱風は、容器1に吹き付けられた後、搬送コンベヤ2の上面の容器搬送側2aを通過して還流通路12eに入り、再びヒーター12dに戻って加熱された後、熱風吹き出し口12bから吹き出されて循環する。ガラス製容器1は搬送コンベヤ2によって搬送されつつ熱風が吹き付けられて次第に加熱される。
ガラス製容器1が加熱部B内の加熱領域20の下流部寄りに搬送されてくると、サーモグラフィ24の温度測定範囲内に入り、これら加熱されたガラス製容器1の温度が測定される。加熱されたガラス製容器1から放射される赤外線は、前記フッ化カルシウムの窓18を透過する波長であり、窓18の外側に設置されているサーモグラフィ24によって検出されて温度が測定される。なお、この実施例では、サーモグラフィ24の温度測定範囲を、加熱領域20において搬送される横1列分のガラス製容器1を含むように設定している。
この実施例では、乾燥滅菌機で滅菌されるバイアルあるいはアンプルおよびシリンジ等のガラス製容器1は、サーモグラフィ24により測定された温度が300℃以上になるまで加熱される。サーモグラフィ24によって測定されたガラス製容器1の温度が300℃を超えている場合には、必要な滅菌が行われたと判断して、搬送コンベヤ2はそのままガラス製容器1を冷却部Cに搬送し、冷却を行う。冷却部Cには、冷風供給手段14が設けられており、冷風吹き出し口14bからガラス製容器1に冷風を吹き付けて所定の温度まで冷却する。冷却されたガラス製容器1は缶体4の容器出口4bから外部に排出されて次の工程に送られる。
また、サーモグラフィ24によって測定した温度が300℃未満のガラス製容器1が検出された場合には、作業者は搬送コンベヤ2を停止させて検出されたガラス製容器1を加熱部Bから排出しないようにするとともに、熱風の温度、風速等のパラメータを確認して、以後の運転を判断する。この場合には、前述のように、ガラス製容器1の温度が300℃を越えるのを確認するまで搬送コンベヤ2を停止させる制御を行っても良く、あるいは、熱風供給手段12から供給される熱風の温度を上昇させることも可能である。
なお、前記実施例では、請求項1および請求項4に記載した温度測定手段として、サーモグラフィ24を用いたが、サーモグラフィ24に変えて放射温度計を用いることもできる。但し、放射温度計は特定の位置から放射される赤外線を検出するものであり、測定範囲が狭いため、広い範囲での赤外線放射を検出して温度分布を測定することができるサーモグラフィ24を用いる方が好ましく、これにより加熱領域20における加熱ムラやばらつきの発生を検出することができる。
乾燥滅菌機の縦断面図である。(実施例1) 前記乾燥滅菌機の加熱部の横断面図である。
符号の説明
1 ガラス製容器
2 搬送コンベヤ
4 缶体
12 加熱手段(熱風供給手段)
24 温度測定手段(サーモグラフィ)
26 温度センサ

Claims (4)

  1. 缶体内に設置されてガラス製容器を搬送する搬送コンベヤと、この搬送コンベヤ上のガラス製容器に熱風を吹き付けて加熱する加熱手段と、物体から放射された赤外線を検出して温度を測定する温度測定手段とを備え、この温度測定手段によって加熱されたガラス製容器の温度を測定可能な乾燥滅菌機において、
    前記ガラス製容器を加熱する加熱領域内に、測定部がガラス材で覆われた熱電対式の温度センサを設けたことを特徴とする乾燥滅菌機。
  2. 前記温度測定手段がサーモグラフィであることを特徴とする請求項1に記載の乾燥滅菌機。
  3. 前記温度センサを、前記温度測定手段の測定範囲内に位置させたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の乾燥滅菌機。
  4. 缶体内に設置されてガラス製容器を搬送する搬送コンベヤと、この搬送コンベヤ上のガラス製容器に熱風を吹き付けて加熱する加熱手段とを備えた乾燥滅菌機に設けられ、加熱されたガラス製容器から放射された赤外線を検出して温度を測定する温度測定手段の調整方法において、
    測定部がガラス材で覆われた熱電対式の温度センサを、ガラス製容器を加熱する加熱領域内に設置し、この温度センサによって加熱領域内の温度を測定するとともに、前記温度センサの温度を前記温度測定手段で測定し、これら温度センサと温度測定手段との測定結果の差に基づいて、温度測定手段が検出するガラス製容器の赤外線放射率を決定することを特徴とする乾燥滅菌機に設けた温度測定手段の調整方法。
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