JP4862172B2 - 超音波洗浄用振動子 - Google Patents

Description

本発明は、圧電体振動子からの超音波が中心に集中しないように構成した超音波洗浄用振動子に関するものである。

従来、図３及び図４に示すように、棒状ホーン１の一端が斜めに切断されて、傾斜面１ａが形成され、棒状ホーン１の他端に膨大部１ｂが構成されて、この膨大部１ｂに圧電体振動子２が装着され、この圧電体振動子２を覆うように振動子ケース３が棒状ホーン１の膨大部１ｂにパッキン４を介してネジ６で固定され、振動子ケース３の端部をケーブル５が貫通し、ケーブル５のコード５ａが圧電体振動子２に接続された超音波洗浄装置が提案されている。

このように構成した従来の超音波洗浄装置では、棒状ホーン１の傾斜面１ａを基板等の被洗浄体９と微小間隙を開けて対向して装着し、棒状ホーン１の傾斜面１ａと被洗浄体９の微小間隙の間に洗浄液流入口１０から洗浄液１１を流入して、図示しない発振器から発振出力を圧電体振動子２に印加すると、圧電体振動子２から照射された超音波は棒状ホーン１の傾斜面１ａに伝達され、この傾斜面１ａから被洗浄体９との間に流入された洗浄液１１を介して被洗浄体９の表面に付着している汚物や汚れを洗浄することができる。

この従来の超音波洗浄装置の棒状ホーン１では、図５に示すように、圧電体振動子２から照射され、棒状ホーン１の伝達体中を伝播する超音波Ａの収束位置より長い位置に棒状伝達体の中心軸と超音波放射面の中心との交点になるようにし、傾斜面１ａの角度を１００度〜１７０度となるように構成することによって、傾斜面１ａに均一に、かつソフトな強度の超音波を発生することができるが、傾斜面１ａに発生する超音波の均一性が不十分であり、中心部分の強度が大きいため、この超音波の強度では、４５ｎｍ及び６５ｎｍの微細パターンの被洗浄物ではダメージが発生するという問題があった。
特願２００５−１５３３６９

解決しようとする問題点は、従来の超音波洗浄装置の棒状ホーンでは、傾斜面に発生する超音波が不均一であるので、微細パターンの被洗浄物にダメージが発生するという問題がある。

本発明では、一端に圧電体振動子を装着した取付端部と、前記取付端部の接続部より直径が徐々に細くなって、又徐々に太くなるように構成されたくびれた形状の円弧状部と、他端に前記圧電体振動子からの超音波の焦点位置より遠い位置で、超音波を放射する面として形成された傾斜面とからなる超音波伝播体からなる棒状ホーンによって形成され、該棒状ホーンの前記傾斜面を被洗浄体に対向して微小間隔を保って装着し、前記傾斜面の側部から洗浄液を流入して、前記被洗浄体を洗浄するものであり、又、前記取付端部の接続部より直径が徐々に太くなるように構成され、他端に超音波を放射する面としての傾斜面が拡大するように構成された棒状ホーンによって構成されるものである。

本発明の超音波洗浄装置では、焦点位置より遠い位置に傾斜面を作り、さらに、棒状ホーンの中間部にくびれた形状の円弧状部が構成され、又は傾斜面が棒状ホーンの直径より大きく形成されることにより、圧電体振動子から照射された超音波が傾斜面で分散して、傾斜面の中央部に発生する超音波をより低減でき、傾斜面での超音波の均一性を向上することにより、被洗浄体に対してダメージを与えないという利点がある。

本発明では、棒状伝達体の中間部分にくびれた形状の円弧状部を構成するか、傾斜面部分の直径を棒状伝達体の中間部分の直径より大きくを形成しすることにより、棒状ホーンの他端に照射される超音波の強度分布を均一にして、被洗浄体に対してダメージを与えないようにした。

図１は本発明の実施例の超音波洗浄用振動子の側面図で、棒状ホーン７の一端に膨大部７ａが構成され、この膨大部７ａに圧電体振動子８が装着され、この膨大部７ａと棒状ホーン７の接続部７ｂから僅かに直線部７ｃが形成され、この直線部７ｃから適宜決められた半径で円弧状に切削されたくびれた形状の円弧部７ｄが形成され、この円弧部７ｄからさらに直線部７ｅが形成され、この直線部７ｅに棒状ホーン７の一端が斜めに切断されて、傾斜面７ｆが形成されている。

このように構成された本実施例の超音波洗浄用振動子では、圧電体振動子８から照射された超音波Ｂはくびれた円弧部７ｄで反射され、超音波Ｂの一部Ｂ１は直接傾斜面７ｆに照射され、超音波Ｂの他の部分Ｂ２は対向する側面で反射されて傾斜面７ｆに照射されることにより、圧電体振動子８から照射された超音波Ｂは傾斜面７ｆの中央部分に集中することなく分散されるので、傾斜面７ｆの中央部に発生する超音波をより低減でき、傾斜面での超音波の均一性を向上することにより、被洗浄体に対してダメージを与えないという利点がある。

このように構成された本実施例の超音波洗浄装置では、棒状ホーン７の傾斜面７ｆを基板等の被洗浄体に微小間隙を開けて対向して装着し、棒状ホーン７の傾斜面７ｆと被洗浄体の微小間隙の間に洗浄液を流入して、図示しない発振器から発振出力を圧電体振動子８に印加すると、圧電体振動子８から照射された超音波は棒状ホーン７の傾斜面７ｆに伝達され、この傾斜面７ｆから被洗浄体との間に流入された洗浄液を介して被洗浄体の表面に付着している汚物や汚れを洗浄することができる。

図２は本発明のたの実施例の超音波洗浄用振動子の側面図で、７は棒状ホーン、７ａは膨大部、７ｂは接続部、８は圧電体振動子で、これらの構成は上記実施例と同じであるので、説明は省略するが、本実施例では、棒状ホーン７は接続部７ｂから先端にかけて、直径が徐々に増加するように構成した拡大傾斜面７ｇを形成する。

このように構成された本実施例では、圧電体振動子８から照射された超音波Ｃは棒状ホーン７の直径が増加する側面で反射されることにより、超音波Ｃの一部Ｃ１は棒状ホーン７の接続部７ｂに近い部分で反射して拡大傾斜面７ｇに照射され、又、超音波Ｃの他の部分Ｃ２は直径が拡大する側面の拡大傾斜面７ｇ近い部分で反射されて拡大傾斜面７ｇに照射されるので、圧電体振動子８から照射された超音波Ｃは拡大傾斜面７ｇの中央部分に集中することなく分散され、傾斜面の中央部に発生する超音波をより低減でき、傾斜面での超音波の均一性を向上することにより、被洗浄体に対してダメージを与えないという利点がある。

なお、上記実施例において、棒状ホーン７にくびれた形状の円弧部７ｄを形成するか、棒状ホーン７の端部に拡大傾斜面７ｇを形成したが、棒状ホーン７に円弧部７ｄと拡大傾斜面７ｇを形成しても、傾斜面の中央部に発生する超音波をより低減でき、傾斜面での超音波の均一性を向上することにより、被洗浄体に対してダメージを与えないという利点がある。

本発明の実施例の超音波洗浄用振動子の側面図である。 本発明の他の実施例の超音波洗浄用振動子の側面図である。 従来の超音波基板装置の側面図である。 図３の超音波洗浄装置の側面図である。 図３の超音波洗浄用振動子の側面図である。

７ 棒状ホーン
７ａ 膨大部
７ｂ 接続部
７ｃ 直線部
７ｄ 円弧部
７ｅ 直線部
７ｆ 傾斜面
７ｇ 拡大傾斜面
８ 圧電体振動子

Claims (2)

1. 一端に圧電体振動子を装着した取付端部と、前記取付端部の接続部より直径が徐々に細くなって、徐々に太くなるように構成されたくびれた形状の円弧状部と、他端に前記圧電体振動子からの超音波の焦点位置より長い位置で、超音波を放射する面として形成された傾斜面とからなる超音波伝播体からなる棒状ホーンによって形成され、該棒状ホーンの前記傾斜面を被洗浄体に対向して微小間隔を保って装着し、前記傾斜面の側部から洗浄液を流入して、前記被洗浄体を洗浄することを特徴とする超音波洗浄用振動子。
2. 前記取付端部の接続部より直径が徐々に太くなるように構成され、他端に超音波を放射する面としての傾斜面が拡大するように構成された棒状ホーンによって構成されることを特徴とする請求項１記載の超音波洗浄用振動子。

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