JP2505143B2 - 集束超音波発生装置 - Google Patents

集束超音波発生装置

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JP2505143B2
JP2505143B2 JP23720893A JP23720893A JP2505143B2 JP 2505143 B2 JP2505143 B2 JP 2505143B2 JP 23720893 A JP23720893 A JP 23720893A JP 23720893 A JP23720893 A JP 23720893A JP 2505143 B2 JP2505143 B2 JP 2505143B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は集束超音波発生装置に係
り、例えば超音波クリーナや微細加工装置等に適用さ
れ、高次モード円形たわみ振動板から発生せしめられる
超音波を、小型で簡易な構造によって単峰性音波ないし
焦点集中音波として集束させる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、物体表面のクリーニングや各種材
料に対する微細加工の分野において、集束超音波の強力
音場を利用する方法が検討・開発されている。そして、
本願発明者等は、それに関連した論文として「強力音場
による物質表面の液滴除去」(伊藤,川村,日本音響学会講
演論文集:P597〜598,1983年3月)及び「強力空中超音波に
よる板面上の水滴除去」(伊藤,川村,日本音響学会講演論
文集:P755〜756,1987年3月)を発表し、「縞モード振動板
からの全放射超音波をその振動板の両側に配置された集
束方向変換器によって反射させ、直線状に集束形成され
た強力音場を利用して面積が比較的広いガラス板面に付
着した水を霧化・除去させる方法」に関する実験報告を行
っている。また、先に前記の方法を利用した「超音波に
よるクリーニング方法」を提案している(特願平5-80080
号)。
【0003】一方、超音波発生源としては、前記の縞モ
ード振動板のように方形板に限らず、その節円がほぼ等
間隔となる高次モード円形たわみ振動板を用いることが
考えられる。その場合に、図12に示すように周辺自由
のたわみ振動板101の中心に振動駆動源102を取付けて高
周波振動させると、たわみ振動板101から放射される空
中超音波103はすり鉢状のパターンとなり、当然にその
ままでは強力な音場を形成させることができない。その
ため、従来から、図13に示されるように、たわみ振動
板101の周囲に超音波伝播方向へ開放したコニカル反射
板104を設け、そのコニカル反射板104の内面で放射超音
波を反射させることによって単一方向へ伝播する平行音
束105を得る方法が採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、超音波を集
束させて強力音場を得ることを目的とした場合におい
て、前記の発表論文や特許出願に係る発明では、超音波
を集束させているが、直線上の集束音場しか得られず、
縞モード振動板を用いているためにその両側に配置され
る反射面の形状が複雑で、集束方向変換器の加工に困難
が伴うという問題がある。また、振動駆動源と縞モード
振動板を連結するために、一方の反射面に貫通孔を形成
しておかねばならないという不利がある。
【0005】一方、図13のようにたわみ振動板101と
コニカル反射板104を組合せる構成についてみると、コ
ニカル反射板104を設けるために全体の構造が大型化
し、その平行音束105についても、図13に示すように
たわみ振動板101の平面形状に相当する中央領域106が抜
けたドーナツ状音場になることから、構造が大きくなる
割に強力な音場が得られず、局部のクリーニングや微細
加工に利用するには不便である。
【0006】そこで、本発明は、高次モード円形たわみ
振動板の放射音波を単峰性音波ないし焦点集中音波とし
て効率的に集束させ、小型で簡単な構成でありながら強
力な音場を得ることが可能な集束超音波発生装置を提供
することを目的として創作された。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、集束超音
波発生装置において、中心に振動駆動源が取付けられた
高次モード円形たわみ振動板を超音波発生源とし、前記
たわみ振動板の中心を通る法線を共通の中心軸として、
前記たわみ振動板の直径より小さい直径の円形・平面状
の反射面を有し、前記たわみ振動板から発生する超音波
の放射角をθ、同超音波の波長をλaとした場合に、そ
の反射面を前記たわみ振動板と[m・λa/2cosθ](但
し、mは整数)の距離を隔てて平行に対向配置させた第
1反射部と、前記たわみ振動板の周縁部から前記第1反
射部の配置側空間を囲む円筒状反射面を有した第2反射
部と、頂角がθである円錐状反射面を有し、その頂角側
を超音波出力方向へ向けて前記第2反射部の円筒状反射
面で反射した超音波が伝播する空間内に配置させた第3
反射部を固設したことを特徴とする集束超音波発生装置
に係る。
【0008】第2の発明は、たわみ振動板と第1反射部
と第2反射部の構成については第1の発明と同様である
が、第1の発明における第3反射部の代わりに、次のよ
うな第4反射部を設けた集束超音波発生装置に係る。即
ち、その第4反射部は、第2反射部で反射した超音波を
反射させて法線状の一点に集束させる回転放物面で構成
された円錐状反射面を有しており、その頂角側を超音波
出力方向へ向けて第2反射部の円筒状反射面で反射した
超音波が伝播する空間内に配置されている。
【0009】第3の発明は、たわみ振動板と第1反射部
の構成に関しては前記の第1及び第2の発明と同様であ
るが、第3反射部や第4反射部を設けず、第2反射部に
相当する反射部を、前記たわみ振動板の周縁部から前記
第1反射部の配置側空間を覆い、前記たわみ振動板から
直接入射する超音波及び前記第1反射部の反射面と前記
たわみ振動板の面を往復反射して入射する超音波を反射
させて前記法線上の一点に集束させる回転放物面状の反
射面を有した第5反射部とした集束超音波発生装置に係
る。
【0010】
【作用】
第1の発明について;たわみ振動板の放射音波の内、そ
の中央領域から放射放射した超音波はたわみ振動板と第
1反射部の反射面の間を往復反射した後に第2反射部の
円筒状反射面へ入射し、たわみ振動板の外周領域から放
射した超音波は直接第2反射部の円筒状反射面へ入射す
る。この場合、たわみ振動板の放射音波の放射角をθ、
同放射音波の波長をλaとして、たわみ振動板と第1反
射部の反射面の間隔が[m・λa/2cosθ](但し、mは
整数)で与えられているため、たわみ振動板からの放射
音波と第1反射部の反射面からの反射音波がたわみ振動
板の表面で常に同位相の関係になり、相互干渉による音
波エネルギの減衰が生じない。
【0011】また、第2反射部の円筒状反射面に入射す
る超音波の入射角は[(π/2)−θ]となり、当然に反射
角も同角度になるが、第3反射部の円錐状反射面に係る
頂角をθとしておくと、幾何学的関係に基づいて第2反
射部の円筒状反射面で反射した超音波が第3反射部の円
錐状反射面で反射して法線と平行な音束となる。従っ
て、第3反射部の底面形状に相当する直径の強力な超音
波音束が得られ、その音束には中抜けが生じない。
【0012】第2の発明について;この発明では、たわ
み振動板から放射され第2反射部で反射するまでの超音
波の伝播経路は第1の発明と同様であるが、第4反射部
の回転放物面で反射されることにより、第4反射部の前
方における法線状の一点(焦点)に集束せしめられ、同焦
点で強力な音場を形成する。
【0013】第3の発明について;この発明において
も、たわみ振動板から放射され第2反射部で反射するま
での超音波の伝播経路は第1の発明と同様である。しか
し、この発明では第1の発明における第3反射部や第2
の発明における第4反射部のように円錐状反射面を有し
た反射部は存在せず、その代わりに、たわみ振動板の周
縁部から第1反射部の配置側空間を回転放物面状の反射
面で覆う第5反射部が設けられている。
【0014】そして、たわみ振動板と第1反射部の反射
面の間を往復反射した超音波及びたわみ振動板の外周領
域から放射した超音波は、第5反射部の内面側に形成さ
れている回転放物反射面によって反射され、第5反射部
の前方における法線状の一点(焦点)に集束せしめられ、
同焦点で強力な音場を形成する。
【0015】尚、前記の各発明において、たわみ振動板
と第1反射部の反射面の間隔[m・λa/2cosθ]は放
射音波の波長λaの法線方向成分を整数倍した距離の1
/2に相当するものであるが、正確にその値である必要
はなく、各種要因に基づく誤差等を考慮して、ほぼその
条件を満たすものであれば足りる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の集束超音波発生装置に係る実
施例を図1から図11を用いて詳細に説明する。 《実施例1》本実施例装置は請求項1の発明に対応する
ものであり、その基本的構造は図1に示される。同図に
おいて、1は高次モード円形たわみ振動板、2は円形反射
板、3は円筒形反射板、4は円錐形反射板であり、それら
はたわみ振動板1の中心を通過する法線Zを共通の中心軸
として図示するように配置されている。そして、前記の
たわみ振動板1の中心にはエキスポネンシャルホーン5の
先端が取付けられており、そのホーン5の後端面に対し
てランジュバン型振動子6から機械的振動が与えること
でたわみ振動板1を振動させるようになっている。尚、
図1では各機素の固定態様を図示していないが、ランジ
ュバン型振動子6を含む振動源ユニットの後端部と円筒
形反射板3は外部固定面に固定されており、円形反射板2
と円錐形反射板4が一体的に構成されていると共に、そ
れらが円錐形反射板3の円錐面と円筒形反射板3の内周面
との間に横架された剛性支持板(円周方向に薄い板)によ
って固定されている。
【0017】図2は前記の構造と超音波の伝播方向を詳
細に説明するための断面図であり、たわみ振動板1と円
形反射板2は平行に対向配置せしめられているが、その
対向間隔dは、たわみ振動板1から発生する超音波の放
射角をθ、同超音波の波長をλaとした場合に、ほぼ
[m・λa/2cosθ](但し、mは整数)に設定されてい
る。また、本実施例では、たわみ振動板1の直径をD1と
した場合に、円形反射板2の直径D2をほぼ[D1−2dt
anθ]としている。一方、円筒形反射板3の内径はたわ
み振動板1の外径より少し大きく構成されており、たわ
み振動板1の周縁部と円筒形反射板3の内周面の間には周
方向に隙間が存在し、当然にたわみ振動板1の周縁部は
自由端になっている。また、円筒形反射板3の高さH3に
ついては{d+[(D1−D2)/2tanθ]}より多少大き
く設計されている。
【0018】円錐形反射板4については、その頂角がθ
である円錐状反射面を有したものとされ、円錐形反射板
4の下側の開口部が円形反射板2の周縁部に嵌着せしめら
れていることから、その高さH4は[D2/2tanθ]と
なっている。尚、本実施例では円形反射板2と円錐反射
板4を別部材で構成しているが、それらを中実の円錐体
として構成してもよい。
【0019】上記の構造において、ランジュバン型振動
子6へ交番電圧が印加するとたわみ振動板1は高次モード
で振動し、その節円がほぼ等間隔になった定常状態で全
面から超音波を発生させる。その状態では、図11で説
明したように、たわみ振動板1から一定の放射角θを有
したすり鉢状のパターンで超音波が放射されることにな
るが、本実施例装置では前記の配設態様で円形反射板2
と円筒形反射板3と円錐形反射板4が設けられているた
め、超音波は図2の矢印を付した各点線で示されるよう
な経路を経て伝播することになる。具体的には、たわみ
振動板1の中央領域から放射放射した超音波は、例えば
a点→b点→c点というように、たわみ振動板1と円形
反射板2の間を往復反射して側周の円筒形反射板3に入射
し、またたわみ振動板1の外周領域から放射した超音波
は円筒形反射板3に直接入射する。そして、円筒形反射
板3に入射した超音波はその内周面で反射され、その反
射波が更に円錐形反射板4の外周面で反射されて、法線Z
方向への平行音束として出力される。
【0020】ここで、前記の超音波の伝播経路をモデル
化して図3に示すと共に詳細な解説を加える。同図から
明らかなように、超音波の放射角をθ、同超音波の波長
をλaとすると、その波長λaの法線Z方向の成分は[λa
/cosθ]となり、たわみ振動板1と円形反射板2の間の
往復距離が2dであることから、2d=m・λa/cosθ
の関係が成立している場合には、たわみ振動板1からの
放射音波と円形反射板2からの反射音波がたわみ振動板1
の表面で常に同位相になり、超音波のエネルギがたわみ
振動板1と円形反射板2の間で減衰することなく円筒形反
射板3に入射することになる。また、たわみ振動板1の外
周領域から放射した超音波は円形反射板2とは関係なく
円筒形反射板3へ入射するが、放射方向及びその波面の
位相は前記の往復反射した超音波と同一になる。
【0021】次に、円筒形反射板3に入射して反射した
超音波は円錐形反射板4の表面に入射する。今、この円
錐形反射板4への入射角を[(π/2)−ψ]とすると、図
3に示した幾何学的関係からθ=2ψの関係にある場合
に円錐形反射板4で反射した超音波の伝播方向が法線Zと
平行になり、前記のように円錐形反射板4の頂角をθに
設定しておくことによって反射後の超音波を平行音束に
変換することが可能になる。
【0022】以上の原理に基づいて、たわみ振動板1の
条件を[振動周波数:20.34kHz,直径D1:18.4
3cm,厚さ:0.15cm,節円数:8]とし、たわみ振
動板1のみの場合と、各反射板2,3,4を順次付加していっ
た場合に関して、たわみ振動板1の中心から2mの距離
で、法線Zを含む面内でその法線Zを中心に180°の角
度範囲におけるマイク出力電圧を測定する実験を行っ
た。尚、音源(ランジュバン型振動子6)への入力電力は
1.2〜1.4Wで一定とした。そして、その実験結果は
図4から図7に示される。
【0023】《たわみ振動板1のみの場合(図4)》 図4は前記のたわみ振動板1を自由空間に置いた場合の
放射音波の角度依存性を示している。図4から明らかな
ように、マイク出力電圧は角度約40°方向に主極が現
れており、このたわみ振動板1の放射角θがほぼ40°
であることが理解される。即ち、この場合には図11に
示すようにすり鉢状の放射音波が構成されているが、そ
の放射角θに相当する角度で比較的高い音場が得られる
が、それ以外の角度にも分散しており、主極以外の角度
ではマイク出力電圧が1/3以下となってほぼ平均して
いる。
【0024】《たわみ振動板1に円形反射板2を組合せ
た場合(図5)》 図5の(a),(b),(c)は、それぞれ円形反射板2の直径
D2を14.8cm,14.4cm,13.8cmとし、それに対
応させてたわみ振動板1と円形反射板2の間の距離dを
2.2cm,2.4cm,2.7cmとした場合のマイク出力電
圧を計測したものである。今、温度15°Cとして音速
は3436.1cmであり、たわみ振動板1の放射音波が2
0.34kHzとすると波長λaは0.169cmとなり、[2
d=m・λa/cosθ](θ=40°)の関係においてdを
2.2cm,2.4cm,2.7cmとしてmを求めると、それ
ぞれm=19.94,21.8,24.4となる。従っ
て、マイク出力電圧はたわみ振動板1と円形反射板2の間
隔によって異なり、特にmが整数値に近い場合[図5の
(a),(b)の場合]に大きな出力が得られていることが
理解される。
【0025】《たわみ振動板1に円形反射板2と円筒形
反射板3を組合せた場合(図6)》 図5(a)の場合[円形反射板2の直径D2:14.8cm,
たわみ振動板1と円形反射板2の間の距離d:2.2cmの
場合]について、更に円筒形反射板3[内径:20cm,
高さH3:6cm]を組合せたときのマイク出力電圧を計
測したものである。 図6から明らかなように、その特
性は図5(a)とほぼ同様になっており、マイク出力電圧
の増大も見られない。
【0026】《たわみ振動板1に円形反射板2と円筒形
反射板3と円錐形反射板4を組合せた場合(図7)》 前記のの条件下に更に円錐形反射板4[高さ:15c
m,底面の直径:11cm,母線の長さ:16cm]を付加
してマイク出力電圧を計測したものである。但し、この
場合には円形反射板2の直径D2:14.8cmであり、底
面の直径がそれより小さくなっているが、その円錐形反
射板の頂点が図2のように円形反射板2の反射面から距
離H4となるように法線Z方向の位置を調整している。こ
の場合、法線Z方向に顕著に大きくなった主極が現れ(マ
イク出力電圧で〜の主極に対する約3倍の出力)、
たわみ振動板1からの放射音波が完全に単一方向への音
束に集束せしめられていることが理解される。
【0027】従って、以上の実験結果から、本実施例の
構造からなる集束超音波発生装置は、たわみ振動板1か
ら放射される超音波を法線Z上に単峰性の主極をもった
集束超音波に変換することができ、法線Z上における局
部ないし狭い領域に超音波のエネルギを集中させること
ができ、その強力な音場を利用してクリーニングや微細
加工を実行させることができる。
【0028】《実施例2》本実施例装置は請求項2の発
明に対応するものであり、その基本的構造は図8に示さ
れる。同図は前記の実施例1における図2に相当するも
のであり、たわみ振動板1と円形反射板2と円筒形反射板
3に係る構造及びそれらの配置関係は同様である。本実
施例装置の特徴は、実施例1の円錐形反射板4に代え
て、円筒形反射板3で反射した超音波を法線Z上の一点
(焦点F1)に集束させる凹状の回転放物面S4を形成した
円錐形反射板4aが設けられている点にある。
【0029】同図から明らかなように、実施例1の場合
と同様に、たわみ振動板1の中央領域から放射された超
音波はたわみ振動板1と円形反射板2の間を往復反射して
側周の円筒形反射板3に入射し、またたわみ振動板1の外
周領域から放射した超音波は直接的に円筒形反射板3に
入射するが、その円筒形反射板3で反射した超音波は円
錐形反射板4aの回転放物面S4へ入射し、更にそのの回転
放物面S4で反射した超音波は全て焦点F1に集中せしめ
られる。
【0030】従って、たわみ振動板1から放射された全
音波が比較的近い距離にある焦点F1に集束するため、
実施例1のように平行音束へ変換される場合と比較して
遥かに強力な音場が得られ、被クリーニング面や微細加
工面に対して前記の焦点F1を走査することにより極め
て大きなエネルギの超音波振動を与えることができる。
【0031】《実施例3》本実施例装置は請求項3の発
明に相当するものであり、その基本的構造は図9に示さ
れる。同図も前記の実施例1における図2に対応するも
のであり、たわみ振動板1と円形反射板2に係る構造及び
それらの配置関係は同様であるが、実施例1における円
錐形反射板4は存在せず、また円筒形反射板3の代わり
に、内面が凹状の回転放物面S7として形成された集束反
射板7が設けられている点に特徴がある。
【0032】そして、その集束反射板7の回転放物面S7
は、たわみ振動板1の中央領域から放射された超音波が
たわみ振動板1と円形反射板2の間を往復反射して側周へ
放射される超音波とたわみ振動板1の外周領域から直接
放射される超音波を反射させ、法線Z上の一点(焦点F2)
に集束させるように形成されている。即ち、本実施例装
置では、集束反射板7によって直接焦点F2に超音波を集
中させるようにしており、たわみ振動板1から極めて近
い位置で強力な音場を得ることが可能になる。また、前
記の各実施例のように円錐形反射板を用いていないため
に法線Z方向への突出部がなくなり、小型で軽量の集束
超音波発生装置を構成させることができる。
【0033】《応用例》前記の各実施例による集束超音
波発生装置は、例えば、図10(側面図)及び図11(平
面図)に示すようなクリーニング装置(シミ落し装置)に
適用することができる。各図において、51はシミが付着
した被洗浄物(衣類等)、52はその被洗浄物を展開して載
置する洗浄メッシュ台、53は前記の超音波発生装置を組
込んだ超音波ユニット、54は洗浄剤を貯留したタンク、
55は水を貯留したタンク、56,57はノズル、58,59は電磁
弁、60はバキューム部、61は洗浄メッシュ台52の上側で
超音波ユニット53とノズル56,57を搭載すると共に下側
でバキューム部60を支持したキャリッジ、62は排気水ブ
ロアを示す。ここに、キャリッジ61全体は洗浄メッシュ
台52の両側部に設けられたレール52aに案内されて横方
向へ移動でき、またキャリッジ61自体に取付けられてい
るレール61aによって超音波発生ユニット53と各ノズル5
6,57を一体的に縦方向へ移動させるようになっている。
尚、各ノズル56,57の先端は超音波ユニット53の超音波
集束部に向けられており、電磁弁58,59の開放によって
各タンク54,55の洗浄剤と水がその領域へ噴霧される。
【0034】洗浄を行う際には、先ず、キャリッジ61と
搭載ユニット類53,56,57を移動させ、超音波ユニット53
の超音波集束部を被洗浄物51におけるシミ付着領域へセ
ットする。そして、超音波ユニット53のたわみ振動板1
を起動させ、被洗浄物51のシミ付着領域へ超音波を集束
させた状態で電磁弁58,59を開放して洗浄剤と水をその
領域へ噴霧し、また排気水ブロア62を起動させることに
よりバキューム部60を吸気状態にする。その状態におい
ては、シミ付着領域で集束超音波による強力な音場が形
成されており、供給された洗浄剤と水が激しく振動する
ことによって被洗浄物51に含浸している汚れ粒子が叩き
出され、それらが噴霧化した状態で洗浄メッシュ台52を
介してバキューム部60から排出される。また、搭載ユニ
ット類53,56,57は前記の機構に基づいて縦横に移動でき
るため、被洗浄物51における各シミ付着領域を走査させ
てそれらの汚れを落してゆくことができる。
【0035】このクリーニング装置によると、集束超音
波によって被洗浄物51の内部まで激しい超音波振動が与
えられ、同時に洗浄剤と水も強力なエネルギによって振
動せしめられるために極めて効率的な洗浄が可能にな
り、更に非接触式の物理的洗浄方式であることから被洗
浄物51が衣類等である場合にその生地をいためないとい
う利点がある。尚、超音波発生ユニット53と各ノズル5
6,57とバキューム部60の移動は手動操作によって行って
もよいが、キャリッジ61や電磁弁58,59の制御装置を設
けておき、予め汚れの所在箇所を指定して移動して自動
的に走査させるようにすれば、洗浄工程を完全に自動化
することができる。
【0036】
【発明の効果】本発明の集束超音波発生装置は、以上の
構成を有していることにより、次のような効果を奏す
る。請求項1の発明は、高次モード円形たわみ振動板か
ら放射される超音波を、3個の反射部(第1反射部と第
2反射部と第3反射部)からなる簡単な構造によって、
中抜けがなく面積の小さい平行音束として高効率に集束
させることができ、クリーニング装置や微細加工装置等
に利用し易い強力音場を得ることを可能にする。請求項
2の発明は、請求項1の発明の第3反射部の反射面を回
転放物面とすることにより、高次モード円形たわみ振動
板から放射される超音波を一つの焦点に集束せしめ、極
めて強力な音場を得ることを可能にする。請求項3の発
明は、第1反射部(円形反射板)と第5反射部(集束反射
板)を設けるだけで、高次モード円形たわみ振動板から
放射される超音波をそのたわみ振動板から近い距離にあ
る一つの焦点に集束せしめ、極めて強力な音場を得るこ
とを可能にする。また、この発明では、前記の各発明に
おいて用いられている円錐状反射部が不要になるため、
装置全体が小型・軽量化できるという利点を有してい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1(請求項1に対応)の集束超音波発生装
置の基本的構造を示す斜視図である。
【図2】集束超音波発生装置の構造と超音波の伝播方向
を示す断面図である。
【図3】各反射板の位置と超音波の伝播経路をモデル化
してその幾何学的関係等を示す図である。
【図4】たわみ振動板を自由空間に置いた場合の放射音
波の角度依存性を示すグラフである(たわみ振動板の中
心から2mの距離で、法線Zを含む面内でその法線Zを中
心に180°の角度範囲におけるマイク出力電圧を測
定)。
【図5】図4の場合と同様の測定方法で、たわみ振動板
に円形反射板を組合わせた場合のマイク出力電圧を示す
グラフである[但し、(a),(b),(c)はそれぞれたわみ
振動板の直径D2及びたわみ振動板と円形反射板の間隔
dを変化させた状態で測定]。
【図6】図4の場合と同様の測定方法で、たわみ振動板
に円形反射板と円筒形反射板を組合わせた場合のマイク
出力電圧を示すグラフである。
【図7】図4の場合と同様の測定方法で、たわみ振動板
に円形反射板と円筒形反射板と円錐形反射板を組合わせ
た場合のマイク出力電圧を示すグラフである。
【図8】実施例2(請求項2に対応)の集束超音波発生装
置の構造と超音波の伝播方向を示す断面図である。
【図9】実施例3(請求項3に対応)の集束超音波発生装
置の構造と超音波の伝播方向を示す断面図である。
【図10】応用例に係るクリーニング装置の概略側面図
である。
【図11】応用例に係るクリーニング装置の概略平面図
である。
【図12】たわみ振動板が発生させる空中超音波の放射
パターンを示す斜視図である。
【図13】従来の超音波集束方法とその場合の集束超音
波のパターンを示す斜視図である。
【符号の説明】
1…たわみ振動板、2…円形反射板(第1反射部)、3…円
筒形反射板(第2反射部)、4,4a…円錐形反射板(第3反
射部,第4反射部)、5…エキスポネンシャルホーン、6…
ランジュバン型振動子、7…集束反射板(第5反射部)、5
1…被洗浄物、52…洗浄メッシュ台、52a,61a…レール、
53…超音波発生装置を組込んだ超音波ユニット、54…洗
浄剤を貯留したタンク、55…水を貯留したタンク、56,5
7…ノズル、58,59…電磁弁、60…バキューム部、61…キ
ャリッジ、62…排気水ブロア、101…たわみ振動板、102
…振動駆動源、103…すり鉢状パターンの空中超音波、1
04…円錐状反射板、105…ドーナツ状平行音束、d…た
わみ振動板と円形反射板の間隔、D1…たわみ振動板の
直径、D2…円形反射板の直径、F1,F2…焦点、H3…
円筒形反射板の高さ、H4…円錐形反射板の高さ、S4,S7
…回転放物面、Z…法線、θ…放射角。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青沼 三郎 東京都品川区東大井6丁目4番5号 株 式会社サタコエンジニヤリング内

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 集束超音波発生装置において、中心に振
    動駆動源が取付けられた高次モード円形たわみ振動板を
    超音波発生源とし、前記たわみ振動板の中心を通る法線
    を共通の中心軸として、前記たわみ振動板の直径より小
    さい直径の円形・平面状の反射面を有し、前記たわみ振
    動板から発生する超音波の放射角をθ、同超音波の波長
    をλaとした場合に、その反射面を前記たわみ振動板と
    [m・λa/2cosθ](但し、mは整数)の距離を隔てて
    平行に対向配置させた第1反射部と、前記たわみ振動板
    の周縁部から前記第1反射部の配置側空間を囲む円筒状
    反射面を有した第2反射部と、頂角がθである円錐状反
    射面を有し、その頂角側を超音波出力方向へ向けて前記
    第2反射部の円筒状反射面で反射した超音波が伝播する
    空間内に配置させた第3反射部を固設したことを特徴と
    する集束超音波発生装置。
  2. 【請求項2】 集束超音波発生装置において、中心に振
    動駆動源が取付けられた高次モード円形たわみ振動板を
    超音波発生源とし、前記たわみ振動板の中心を通る法線
    を共通の中心軸として、前記たわみ振動板の直径より小
    さい直径の円形・平面状の反射面を有し、前記たわみ振
    動板から発生する超音波の放射角をθ、同超音波の波長
    をλaとした場合に、その反射面を前記たわみ振動板と
    [m・λa/2cosθ](但し、mは整数)の距離を隔てて
    平行に対向配置させた第1反射部と、前記たわみ振動板
    の周縁部から前記第1反射部の配置側空間を囲む円筒状
    反射面を有した第2反射部と、前記第2反射部で反射し
    た超音波を反射させて前記法線状の一点に集束させる回
    転放物面で構成された円錐状反射面を有し、その頂角側
    を超音波出力方向へ向けて前記第2反射部の円筒状反射
    面で反射した超音波が伝播する空間内に配置させた第4
    反射部を固設したことを特徴とする集束超音波発生装
    置。
  3. 【請求項3】 集束超音波発生装置において、中心に振
    動駆動源が取付けられた高次モード円形たわみ振動板を
    超音波発生源とし、前記たわみ振動板の中心を通る法線
    を共通の中心軸として、前記たわみ振動板の直径より小
    さい直径の円形・平面状の反射面を有し、前記たわみ振
    動板から発生する超音波の放射角をθ、同超音波の波長
    をλaとした場合に、その反射面を前記たわみ振動板と
    [m・λa/2cosθ](但し、mは整数)の距離を隔てて
    平行に対向配置させた第1反射部と、前記たわみ振動板
    の周縁部から前記第1反射部の配置側空間を覆い、前記
    たわみ振動板から直接入射する超音波及び前記第1反射
    部の反射面と前記たわみ振動板の面を往復反射して入射
    する超音波を反射させて前記法線上の一点に集束させる
    回転放物面状の反射面を有した第5反射部を固設したこ
    とを特徴とする集束超音波発生装置。
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