JP4860824B2 - 置換された二環式化合物 - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は、置換された二環式化合物、その製法、それらの化合物を含有する医薬組成物、および細胞接着の阻害によって調整することができる疾患状態の治療におけるその薬剤的使用を目的とする。
【0002】
細胞接着は、それによって細胞が相互に連合し、特定の標的の方へ移動し、または細胞外マトリックス内に局在する過程である。細胞−細胞および細胞−細胞外マトリックス相互作用の多くは、タンパク質リガンド(例えばフィブロネクチン、VCAM−1およびビトロネクチン)およびそれらのインテグリン受容体[例えばα5β1(VLA−5)、α4β1(VLA−4)およびαVβ3]によって媒介される。最近の研究は、これらの相互作用が多くの生理学的(例えば胚発生および創傷治癒)および病的状態(例えば腫瘍細胞浸潤および転移、炎症、アテローム性動脈硬化症および自己免疫疾患)において重要な役割を演じることを示した。
【0003】
種々のタンパク質がインテグリン受容体に対するリガンドとして働く。一般に、インテグリンによって認識されるタンパク質は、3つの種類:細胞外マトリックスタンパク質、血漿タンパク質および細胞表面タンパク質、の1つに入る。コラーゲン、フィブロネクチン、フィブリノーゲン、ラミニン、トロンボスポンジンおよびビトロネクチンのような細胞外マトリックスタンパク質は、多くのインテグリンに結合する。接着性タンパク質の多くもまた、血漿中を循環して、活性化血液細胞に結合する。インテグリンに対するリガンドである血漿中の付加的成分には、フィブリノーゲンおよび第X因子が包含される。細胞定着補体C3biおよび、Igスーパーファミリーの構成員である、Ig−様細胞接着分子(ICAM−1、2、3)および血管細胞接着分子(VCAM−1)のようないくつかの膜貫通タンパク質もまた、いくつかのインテグリンに対する細胞表面リガンドとして働く。
【0004】
インテグリンは、αおよびβと呼ばれる2つのサブユニットより成るヘテロ二量体細胞表面受容体である。少なくとも15種の異なるα−サブユニット(α1−α9、α−L、α−M、α−X、α−IIb、α−Vおよびα−E)および少なくとも7種の異なるβ(β1−β7)サブユニットがある。インテグリンファミリーは、βサブユニットを基にしたクラスに細別することができて、これらは、1以上のα−サブユニットと関連させることができる。最も広く分布したインテグリンは、また超遅延抗原(VLA)としても公知のβ1クラスに属する。第2のクラスのインテグリンは、白血球特異性受容体であって、β2タンパク質と複合した3種のα−サブユニットのうちの1つより成る。細胞付着因子(cytoadhesins)α−IIbβ3およびα−Vβ3は、第3のクラスのインテグリンを構成する。

【0005】
本発明は、主に、リガンドVCAM−1と、多くの造血細胞および、造血前駆体、末梢および細胞毒性Tリンパ球、Bリンパ球、単球、胸腺細胞および好酸球を包含する確立された細胞系統上に発現されるそのインテグリン受容体α4β1(VLA−4)との相互作用を調整する薬剤に関する。
【0006】
インテグリンα4β1は、細胞−細胞および細胞−マトリックス相互作用の両方を媒介する。α4β1を発現している細胞は、細胞外マトリックスタンパク質フィブロネクチンのカルボキシ−末端細胞結合ドメイン(CS−1)に結合し、サイトカイン−誘発性内皮細胞表面タンパク質VCAM−1に結合し、そして相互に結合して同型集合を促進する。内皮細胞によるVCAM−1の発現は、INF−γ、TNF−α、IL−1βおよびIL−4のような前炎症サイトカインによって上向き調節される。
【0007】
α4β1に媒介される細胞接着の調節は、T−細胞増殖、B−細胞の胚中心への限局化、および活性化T−細胞および好酸球の内皮細胞への接着、を包含する多くの生理学的プロセスにおいて重要である。転移における黒色腫細胞分裂、慢性関節リューマチ、自己免疫性糖尿病、膀胱三角炎における滑膜のT−細胞浸潤、および、実験的自己免疫性脳脊髄炎、アテローム性動脈硬化症、末梢血管疾患、心臓血管疾患および多発性硬化症における血液脳関門の白血球貫通、のような種々の疾患経過におけるVLA−4/VCAM−1相互作用の関与に対する証拠は、炎症の種々の試験管内および生体内実験モデルにおいて、ペプチドCS−1(配列Leu−Asp−Valによってα4β1が結合するフィブロネクチンの可変領域)およびVLA−4またはVCAM−1に対する特異的抗体の役割を研究することによって集積された。例えば、ラットにおける連鎖球菌細胞壁に誘発された関節炎の実験モデルにおいては、関節炎の初期でのCS−1の静脈内投与は、急性および慢性の両方の炎症を抑制する(S.M. Wahl外、J. Clin. Invest. 1994、94、第655−662ページ)。マウスにおけるオキサザロン(oxazalone)で感作した炎症のモデル(接触過敏症反応)においては、抗−α4特異的単一クローン性抗体の静脈内投与は、導出反応を有意に阻害した(耳の膨化反応において50−60%の減少)(P.L. Chisholm外、J. Immunol. 1993、23、第682−688ページ)。羊のアレルギー性気管支収縮のモデルにおいては、静脈内にまたはエーロゾルによって与えられたHP1/2、抗−α4単一クローン性抗体は、遅発性反応および気道過敏症の発生を遮断した(W.M. Abraham外、J. Clin. Invest. 1994、93、第776−787ページ)。
【0008】
我々はこのたび、有用な薬剤特性、特にVCAM−1およびフィブロネクチンとインテグリンVLA−4(α4β1)との相互作用を調節する能力、を有する新規な置換された二環式化合物群を発見した。
【0009】
こうして1つの態様において、本発明は、一般式(I):
【化13】
Figure 0004860824
[式中:
Hetは、場合により1個以上のアリール基置換基によって置換されていてもよい、O、SまたはNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む飽和、部分飽和または完全不飽和8ないし10員二環式環系を表し;
1は、各々場合によりR3、−Z24、−Z3H、−C(=O)−R4、−NR5−C(=Z3)−R4、−NR5−C(=O)−OR4、−NR5−SO2−R4、−SO2−NY12、−NY12または−C(=Z3)−NY12によって置換されていてもよい、アリール、ヘテロアリール、場合により置換されていてもよいアルキル、アルケニルまたはアルキニル;または各々場合によりR4、−Z24、−Z3H、−C(=O)−R4、−NR5−C(=Z3)−R4、−NR5−C(=O)−OR4、−NR5−SO2−R4、−SO2−NY12、−NY12または−C(=Z3)−NY12によって置換されていてもよい、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルを表し;
【0010】
2は、水素、ハロゲン、低級アルキルまたは低級アルコキシを表し;
3は、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキルを表し;
4は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニル、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルアルキルを表し;
5は、水素または低級アルキルを表し;
6は、アルキレン鎖、アルケニレン鎖またはアルキニレン鎖であり;
7は、直接結合、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリールジイル、ヘテロアリールジイル、−C(=Z3)−NR5−、−NR5−C(=Z3)−、−Z3−、−C(=O)−、−C(=NOR5)−、−NR5−、−NR5−C(=Z3)−NR5−、−SO2−NR5−、−NR5−SO2−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−NR5−C(=O)−O−または−O−C(=O)−NR5−であり;
8は、水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルアルキルであり;
9は、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキル、または、アリール、酸性官能基または相当する保護された誘導体、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、−Z3H、−Z24、−C(=O)−NY34または−NY34によって置換されたアルキルであり;
【0011】
1は、−R6−R7−結合を表し;
2は、ヒドロキシ、オキソ、−OR4、−O−C(=O)−R4、−N(R8)−C(=O)−R9、−N(R8)−C(=O)−OR9、−N(R8)−SO2−R9または−NY34によって置換されたアルキレン鎖を表し;
Yは、カルボキシまたは酸の生物学的等価置換基(acid bioisostere)であり;
1およびY2は、独立して水素、アルケニル、アルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであるか;または基−NY12は、環状アミンを形成することができ;
3およびY4は、独立して水素、アルケニル、アルキル、アルキニル、アリール、シクロアルケニル、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、または、アルコキシ、アリール、シアノ、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシ、オキソ、−NY12または1個以上の−CO28または−C(=O)−NY12基によって置換されたアルキルであるか;
または基−NY34は、環状アミンを形成することができ;
1は、NR5を表し;
2は、OまたはS(O)nであり;
3は、OまたはSであり;そして
nは、ゼロまたは整数1または2である]
の化合物および相当するN−オキシド、およびそのプロドラッグ;およびこのような化合物およびそのN−オキシドおよびプロドラッグの薬学的に受容できる塩および溶媒和物(例えば水和物)であるが;但し、酸素、窒素または硫黄原子がアルケニルまたはアルキニル残基の炭素炭素多重結合に直接結合している化合物を除外した式(I)の化合物および相当するN−オキシド、およびそのプロドラッグ;およびこのような化合物およびそのN−オキシドおよびプロドラッグの薬学的に受容できる塩および溶媒和物を目的とする。
【0012】
本明細書においては、用語“本発明の化合物”、および同等表現は、本明細書中で前記したとおりの一般式(I)の化合物を包含することを意味し、この表現は、文脈が許す場合にはプロドラッグ、薬学的に受容できる塩、および溶媒和物、例えば水和物、を包含する。同様に、中間体への言及は、それら自体が特許請求されていてもいなくても、文脈が許す場合にはそれらの塩、および溶媒和物を包含することを意味する。明確にするために、文脈が許す場合の特定の例をしばしば本文中に示すが、これらの例は、単純に具体的な説明となるものであって、文脈が許す場合のその他の例を除外しようとするものではない。
【0013】
上で使用したとき、そして本発明の記述を通して、他に指示しないかぎり以下の用語は、下記の意味を有するものと理解されるであろう:
“患者”は、ヒトおよび他の哺乳類の両者を包含する。
“酸の生物学的等価置換基”は、カルボキシ基と広く類似した生物学的特性を生じる化学的および物理的類似性を有する基を意味する(Lipinski、Annual Reports in Medicinal Chemistry、1986、21、第283ページ“Bioisosterism In Drug Design”;Yun、Hwahak Sekye、1993、33、第576−579ページ“Application Of Bioisosterism ToNew Drug Design”;Zhao、Huaxue Tongbao、1995、第34−38ページ“Bioisosteric Replacement And Development Of Lead Compounds In Drug Design”;Graham、Theochem、1995、343、第105−109ページ“Theoretical Studies Applied To Drug Design:ab initio Electronic Distributions In Bioisosteres”参照)。適当な酸の生物学的等価置換基の例としては:−C(=O)−NHOH、−C(=O)−CH2OH、−C(=O)−CH2SH、−C(=O)−NH−CN、スルホ、ホスホノ、アルキルスルホニルカルバモイル、テトラゾリル、アリールスルホニルカルバモイル、ヘテロアリールスルホニルカルバモイル、N−メトキシカルバモイル、3−ヒドロキシ−3−シクロブテン−1,2−ジオン、3,5−ジオキソ−1,2,4−オキサジアゾリジニルまたは、3−ヒドロキシイソオキサゾリルおよび3−ヒドロキシ−1−メチルピラゾリルのような複素環式フェノールがある。
【0014】
“酸性官能基”は、その中に酸性水素を有する基を意味する。“相当する保護された誘導体”は、酸性水素原子が適当な保護基で置き換えられたものである。適当な保護基については、“Protective Groups in Organic Chemistry”John Wiley and Sons、1991中のT.W. GreeneおよびP.G.M. Wutsを参照されたい。典型的な酸性官能基としては、カルボキシル(および酸生物同配体)、ヒドロキシ、メルカプトおよびイミダゾールがある。典型的な保護された誘導体としては、カルボキシ基のエステル、ヒドロキシ基のエーテル、メルカプト基のチオエーテルおよびイミダゾールのN−ベンジル誘導体がある。
【0015】
“アシル”は、H−CO−またはアルキル−CO−基(ここでアルキル基は、本明細書中に記載するとおりである)を意味する。
“アシルアミノ”は、アシル−NH−基(ここでアシルは、本明細書中で定義したとおりである)である。
【0016】
“アルケニル”は、炭素−炭素二重結合を含み、鎖中に約2ないし約15個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖であることができる脂肪族炭化水素基を意味する。好ましいアルケニル基は、鎖中に2ないし約12個の炭素原子;より好ましくは鎖中に2ないし約6個の炭素原子(例えば2ないし4個の炭素原子);を有する。“分枝鎖”は、本明細書中でおよび本文を通じて使用するとき、1個以上の、メチル、エチルまたはプロピルのような低級アルキル基が直鎖;ここでは直線状アルケニル鎖;に結合していることを意味する。“低級アルケニル”は、直鎖または分枝鎖であることができる鎖中の約2ないし約4個の炭素原子を意味する。典型的なアルケニル基としては、エテニル、プロペニル、n−ブテニル、i−ブテニル、3−メチルブト−2−エニル、n−ペンテニル、ヘプテニル、オクテニル、シクロヘキシルブテニルおよびデセニルがある。
【0017】
“アルケニレン”は、直鎖または分枝鎖状アルケニル基から誘導される脂肪族二価基を意味し、ここでアルケニル基は、本明細書中に記載したとおりである。典型的なアルケニレン基としては、ビニレンおよびプロピレンがある。
“アルコキシ”は、アルキル−O−基(ここでアルキル基は、本明細書中に記載するとおりである)を意味する。典型的なアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシおよびヘプトキシがある。
【0018】
“アルコキシカルボニル”は、アルキル−O−CO−基(ここでアルキル基は、本明細書中に記載するとおりである)を意味する。典型的なアルコキシカルボニル基としては、メトキシ−およびエトキシカルボニルがある。
“アルキル”は、他に特定しないかぎり、場合によりアルコキシまたは1個以上のハロゲン原子によって置換されていてもよい、鎖中に約1ないし約15個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖であることができる脂肪族炭化水素基を意味する。特定のアルキル基は、1ないし約6個の炭素原子を有する。基または低級アルコキシ、低級アルキルチオ、低級アルキルスルフィニルまたは低級アルキルスルホニル基の一部としての“低級アルキル”は、他に特定しないかぎり、鎖中に1ないし約4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖であることができる脂肪族炭化水素基を意味する。典型的なアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、3−ペンチル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルおよびドデシルがある。

【0019】
“アルキレン”は、直鎖または分枝鎖状アルキル基から誘導される脂肪族二価基を意味し、ここでアルキル基は、本明細書中に記載したとおりである。典型的なアルキレン基としては、メチレン、エチレンおよびトリメチレンがある。
“アルキレンジオキシ”は、−O−アルキレン−O−基(ここでアルキレンは、上で定義したとおりである)を意味する。典型的なアルキレンジオキシ基としては、メチレンジオキシおよびエチレンジオキシがある。
【0020】
“アルキルスルフィニル”は、アルキル−SO−基(ここでアルキル基は、先に記載したとおりである)を意味する。好ましいアルキルスルフィニル基は、アルキル基がC1-4アルキルであるものである。
“アルキルスルホニル”は、アルキル−SO2−基(ここでアルキル基は、先に記載したとおりである)を意味する。好ましいアルキルスルホニル基は、アルキル基がC1-4アルキルであるものである。
【0021】
“アルキルスルホニルカルバモイル”は、アルキル−SO2−NH−C(=O)−基(ここでアルキル基は、先に記載したとおりである)を意味する。好ましいアルキルスルホニルカルバモイル基は、アルキル基がC1-4アルキルであるものである。
“アルキルチオ”は、アルキル−S−基(ここでアルキル基は、先に記載したとおりである)を意味する。典型的なアルキルチオ基としては、メチルチオ、エチルチオ、イソプロピルチオおよびヘプチルチオがある。
【0022】
“アルキニル”は、炭素−炭素三重結合を含み、鎖中に約2ないし約15個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖であることができる脂肪族炭化水素基を意味する。好ましいアルキニル基は、鎖中に2ないし約12個の炭素原子;より好ましくは鎖中に2ないし約6個の炭素原子(例えば2ないし4個の炭素原子);を有する。典型的なアルキニル基としては、エチニル、プロピニル、n−ブチニル、i−ブチニル、3−メチルブト−2−イニル、およびn−ペンチニルがある。

【0023】
“アルキニレン”は、直鎖または分枝鎖状アルキニル基から誘導される脂肪族二価基を意味し、ここでアルキニル基は、本明細書中に記載したとおりである。典型的なアルキニレン基としては、エチニレンおよびプロピニレンがある。
“アロイル”は、アリール−CO−基(ここでアリール基は、本明細書中に記載するとおりである)を意味する。典型的なアロイル基としては、ベンゾイルおよび1−および2−ナフトイルがある。
【0024】
“アロイルアミノ”は、アロイル−NH−基(ここでアロイルは、先に定義したとおりである)である。
基または基の一部としての“アリール”は:(i)場合により置換されていてもよい、フェニルまたはナフチルのような約6ないし約14個の炭素原子の単環式または多環式芳香族炭素環部分;または(ii)場合により置換されていてもよい、テトラヒドロナフチル、インデニルまたはインダニル環のような部分的に飽和された多環式芳香族炭素環部分(ここではアリールおよびシクロアルキルまたはシクロアルケニル基が縮合して、環構造を形成している);を示す。アリール基は、同一であるかまたは異なっていることができる1個以上のアリール基置換基で置換されていることができ、ここで“アリール基置換基”としては、例えばアシル、アシルアミノ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキレンジオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アロイル、アロイルアミノ、アリール、アリールアルキルオキシ、アリールアルキルオキシカルボニル、アリールアルキルチオ、アリールオキシ、アリールオキシカルボニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、アリールチオ、カルボキシ、シアノ、ハロ、ヘテロアロイル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルオキシ、ヘテロアロイルアミノ、ヘテロアリールオキシ、ヒドロキシ、ニトロ、トリフルオロメチル、Y12N−、Y12NCO−、Y12NSO2−、Y12N−C2-6アルキレン−Z−[ここでZは、O、NR5またはS(O)nである]、アルキルC(=O)−Y1N−、アルキルSO2−Y1N−または、場合によりアリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、またはY12N−で置換されていてもよいアルキルがある。R1が場合により置換されていてもよいアリール基であるとき、これは、特に場合により置換されていてもよいフェニルを表す。
【0025】
“アリールアルケニル”は、アリール−アルケニル−基(ここでアリールおよびアルケニルは、先に記載したとおりである)を意味する。好ましいアリールアルケニルは、低級アルケニル部分を含む。典型的なアリールアルケニル基としては、スチリルおよびフェニルアリルがある。
“アリールアルキル”は、アリール−アルキル−基(ここでアリールおよびアルキル部分は、先に記載したとおりである)を意味する。好ましいアリールアルキル基は、C1-4アルキル部分を含む。典型的なアリールアルキル基としては、ベンジル、2−フェネチルおよびナフタレンメチルがある。
【0026】
“アリールアルキルオキシ”は、アリールアルキル−O−基(ここでアリールアルキル基は、先に記載したとおりである)を意味する。典型的なアリールアルキルオキシ基としては、ベンジルオキシおよび1−または2−ナフタレンメトキシがある。
“アリールアルキルオキシカルボニル”は、アリールアルキル−O−CO−基(ここでアリールアルキル基は、先に記載したとおりである)を意味する。典型的なアリールアルキルオキシカルボニル基は、ベンジルオキシカルボニルである。
“アリールアルキルチオ”は、アリールアルキル−S−基(ここでアリールアルキル基は、先に記載したとおりである)を意味する。典型的なアリールアルキルチオ基は、ベンジルチオである。
【0027】
“アリールアルキニル”は、アリール−アルキニル−基(ここでアリールおよびアルキニル基は、先に記載したとおりである)を意味する。典型的なアリールアルキニル基としては、フェニルエチニルおよび3−フェニルブト−2−イニルがある。
“アリールジイル”は、場合により置換されていてもよい、アリール基から誘導される二価基を意味する。典型的なアリールジイル基としては、場合により置換されていてもよいフェニレン、ナフチレンおよびインダニレンがある。適当な置換基には、1個以上の上で定義したとおりの“アリール基置換基”、特にハロゲン、メチルまたはメトキシがある。
【0028】
“アリールオキシ”は、アリール−O−基(ここでアリール基は、先に記載したとおりである)を意味する。典型的なアリールオキシ基としては、場合により置換されていてもよいフェノキシおよびナフトキシがある。
“アリールオキシカルボニル”は、アリール−O−C(=O)−基(ここでアリール基は、先に記載したとおりである)を意味する。典型的なアリールオキシカルボニル基としては、フェノキシカルボニルおよびナフトキシカルボニルがある。
【0029】
“アリールスルフィニル”は、アリール−SO−基(ここでアリール基は、先に記載したとおりである)を意味する。
“アリールスルホニル”は、アリール−SO2−基(ここでアリール基は、先に記載したとおりである)を意味する。
“アリールスルホニルカルバモイル”は、アリール−SO2−NH−(C=O)−基(ここでアリール基は、先に記載したとおりである)を意味する。
【0030】
“アリールチオ”は、アリール−S−基(ここでアリール基は、先に記載したとおりである)を意味する。典型的なアリールチオ基としては、フェニルチオおよびナフチルチオがある。
“環状アミン”は、環炭素原子のうちの1つが窒素によって置き換えられている3ないし8員単環式シクロアルキル環系を意味し、この環系は、(i)場合によりアルコキシ、カルボキサミド、カルボキシ、ヒドロキシ、オキソ(またはその5−、6−または7−員環状アセタール誘導体)またはR9から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;(ii)またO、S、SO2、またはNY5(ここでY5は、水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、−C(=O)−R10、−C(=O)−OR10または−SO210であり、そしてR10は、アルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルアルキルである)から選択されるさらに別のヘテロ原子をも含むことができ;そして(iii)付加的なアリール(例えばフェニル)、ヘテロアリール(たとえばピリジル)、ヘテロシクロアルキルまたはシクロアルキル環に縮合して、二環式または三環式環系を形成していることができる。典型的な環状アミンとしては、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、インドリン、ピリンドリン、テトラヒドロキノリニルなどの基がある。
【0031】
“シクロアルケニル”は、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を含み、約3ないし約10個の炭素原子を有する非芳香族単環式または多環式環系を意味する。典型的な単環式シクロアルケニル環としては、シクロペンテニル、シクロヘキセニルまたはシクロヘプテニルがある。
“シクロアルケニルアルキル”は、シクロアルケニル−アルキル−基(ここでシクロアルケニルおよびアルキル部分は、先に記載したとおりである)を意味する。典型的なシクロアルケニルアルキル基としては、シクロペンテニルメチル、シクロヘキセニルメチルまたはシクロヘプテニルメチルがある。
【0032】
“シクロアルキル”は、場合によりオキソによって置換されていてもよい、約3ないし約10個の炭素原子の飽和単環式または二環式環系を意味する。典型的な単環式シクロアルキル環としては、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルのようなC3-8シクロアルキル環がある。
“シクロアルキルアルキル”は、シクロアルキル−アルキル−基(ここでシクロアルキルおよびアルキル部分は、先に記載したとおりである)を意味する。典型的な単環式シクロアルキルアルキル基としては、シクロプロピルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチルおよびシクロヘプチルメチルがある。
“シクロアルキレン”は、シクロアルキル基から誘導される二価基を意味する。
【0033】
“ハロ”または“ハロゲン”は、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードを意味する。好ましいのは、フルオロまたはクロロである。
“ヘテロアロイル”は、ヘテロアリール−(C=O)−基(ここでヘテロアリール基は、本明細書中に記載するとおりである)を意味する。典型的な基としては、ピリジルカルボニルがある。
“ヘテロアロイルアミノ”は、ヘテロアロイル−NH−基(ここでヘテロアロイル部分は、先に記載したとおりである)を意味する。
【0034】
基または基の一部としての“ヘテロアリール”は:(i)場合により置換されていてもよい、1以上の環構成員が炭素以外の元素、例えば窒素、酸素または硫黄、である約5ないし約10の環構成員の芳香族単環式または多環式有機部分(このような基の例としては、場合により1個以上の上で定義したとおりのアリール基置換基によって置換されていてもよい、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、フリル、イミダゾリル、インドリル、インドリジニル、イソオキサゾリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、1,3,4−チアジアゾリル、チアゾリル、チエニルおよびトリアゾリル基がある);(ii)場合により置換されていてもよい、ヘテロアリールおよびシクロアルキルまたはシクロアルケニル基が縮合して環構造を形成している部分的に飽和された多環式ヘテロ炭素環部分(このような基の例としては、ピリンダニル基がある);を示す。場合による置換基としては、1個以上の、上で定義したとおりの“アリール基置換基”がある。
【0035】
“ヘテロアリールアルケニル”は、ヘテロアリール−アルケニル−基(ここでヘテロアリールおよびアルケニル部分は、先に記載したとおりである)を意味する。好ましいヘテロアリールアルケニル基は、低級アルケニル部分を含む。典型的なヘテロアリールアルケニル基としては、ピリジルエテニルおよびピリジルアリルがある。
“ヘテロアリールアルキル”は、ヘテロアリールアルキル−基(ここでヘテロアリールおよびアルキル部分は、先に記載したとおりである)を意味する。好ましいヘテロアリールアルキル基は、C1-4アルキル部分を含む。典型的なヘテロアリールアルキル基としては、ピリジルメチルがある。
【0036】
“ヘテロアリールアルキルオキシ”は、ヘテロアリールアルキル−O−基(ここでヘテロアリールアルキル基は、先に記載したとおりである)を意味する。典型的なヘテロアリールアルキルオキシ基としては、場合により置換されていてもよいピリジルメトキシがある。
“ヘテロアリールアルキニル”は、ヘテロアリール−アルキニル−基(ここでヘテロアリールおよびアルキニル部分は、先に記載したとおりである)を意味する。典型的なヘテロアリールアルキニル基としては、ピリジルエチニルおよび3−ピリジルブト−2−イニルがある。
【0037】
“ヘテロアリールジイル”は、ヘテロアリール基から誘導される二価基を意味する。
“ヘテロアリールオキシ”は、ヘテロアリール−O−基(ここでヘテロアリール基は、先に記載したとおりである)を意味する。典型的なヘテロアリールオキシ基としては、場合により置換されていてもよいピリジルオキシがある。
“ヘテロアリールスルホニルカルバモイル”は、ヘテロアリール−SO2−NH−(C=O)−基(ここでヘテロアリール基は、先に記載したとおりである)を意味する。
【0038】
“複素環”は、場合により置換されていてもよい、1以上の環構成員が炭素以外の元素、例えば窒素、酸素または硫黄、である5または6の環構成員の飽和、部分飽和または完全不飽和単環式有機部分を示す。典型的な5または6員複素環としては、フリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、オキサジニル、ピペリジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、ピロリジニル、ピロリニル、1,3,4−チアジアゾリル、チアゾリル、チエニルおよびトリアゾリル基がある。場合による置換基としては、1個以上の、上で定義したとおりの“アリール基置換基”がある。
【0039】
“ヘテロシクロアルキル”は:(i)O、SまたはNY5から選択される1個以上のヘテロ原子を含み、そして場合によりオキソによって置換されていてもよい約3ないし7の環構成員のシクロアルキル基;(ii)各々場合により1個以上の“アリール基置換基”によって置換されていてもよいアリール(またはヘテロアリール環)およびヘテロシクロアルキル基が縮合して環構造を形成している部分飽和多環式ヘテロ炭素環部分(このような基の例としては、クロマニル、ジヒドロベンゾフラニル、インドリニルおよびピリンドリニル基がある);を意味する。
【0040】
“ヘテロシクロアルキルアルキル”は、ヘテロシクロアルキル−アルキル−基(ここでヘテロシクロアルキルおよびアルキル部分は、先に記載したとおりである)を意味する。
“ヘテロシクロアルキレン”は、ヘテロシクロアルキル基から誘導される二価基を意味する。
【0041】
“プロドラッグ”は、代謝によって(例えば加水分解によって)生体内で、そのN−オキシドを包含する式(I)の化合物に変換することができる化合物を意味する。例えばヒドロキシ基を含む式(I)の化合物のエステルは、生体内での加水分解によって親分子に変換することができる。別法として、カルボキシ基を含む式(I)の化合物のエステルは、生体内での加水分解によって親分子に変換することができる。
【0042】
ヒドロキシ基を含む式(I)の化合物の適当なエステルは、例えば酢酸エステル、クエン酸エステル、乳酸エステル、酒石酸エステル、マロン酸エステル、蓚酸エステル、サリチル酸エステル、プロピオン酸エステル、コハク酸エステル、フマル酸エステル、マレイン酸エステル、メチレン−ビス−β−ヒドロキシナフトエ酸エステル、ゲンチシン酸エステル、イセチオン酸エステル、ジ−p−トルオイル酒石酸エステル、メタンスルホン酸エステル、エタンスルホン酸エステル、ベンゼンスルホン酸エステル、p−トルエンスルホン酸エステル、シクロヘキシルスルファミン酸エステルおよびキニン酸エステルである。
カルボキシ基を含む式(I)の化合物の適当なエステルは、例えば、F.J. Leinweber、Drug Metab. Res.、1987、18、第379ページによって記載されたものである。
【0043】
ヒドロキシ基を含む式(I)の化合物の特に有用な種類のエステルは、Bundgaard外、J. Med. Chem.、1989、32、第2503−2507ページによって記載されたものから選択される酸部分から形成されることができて、これには、置換された(アミノメチル)−安息香酸エステル、例えば、2個のアルキル基が結合されていることができ、そして/または酸素原子によるかまたは場合により置換されていてもよい窒素原子、例えばアルキル化された窒素原子、によって中断されていることができるジアルキルアミノ−メチル安息香酸エステル、さらに特定すれば(モルホリノ−メチル)安息香酸エステル、例えば3−または4−(モルホリノメチル)−安息香酸エステル、および(4−アルキルピペラジン−1−イル)安息香酸エステル、例えば3−または4−(4−アルキルピペラジン−1−イル)安息香酸エステル、が包含される。
【0044】
本発明の化合物がカルボキシ基、または十分に酸性の生物学的等価置換基を含む場合には、塩基付加塩を形成させることができて、これは、単純に使用のためにより好都合な形であり;そして事実、この塩形の使用は、本質的に遊離酸形の使用に等しい。塩基付加塩を製造するために使用することができる塩基には、好ましくは、遊離酸と合わせたとき薬学的に受容できる塩、すなわち、そのカチオンがその塩の医薬用量で患者にとって無毒である塩、を生成し、その結果その遊離塩基に固有の有益な阻害効果がそのカチオンに起因する副作用によって損なわれない塩基が包含される。本発明の範囲内の、アルカリおよびアルカリ土類金属塩から誘導されるものを包含する薬学的に受容できる塩には、以下の塩基:水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、アンモニア、エチレンジアミン、N−メチル−グルカミン、リシン、アルギニン、オルニチン、コリン、N,N′−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、ジエタノールアミン、プロカイン、N−ベンジルフェネチルアミン、ジエチルアミン、ピペラジン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、水酸化テトラメチルアンモニウムなど、から誘導されるものが包含される。
【0045】
本発明の化合物のうちのいくつかは、塩基性であり、このような化合物は、遊離塩基の形で、またはその薬学的に受容できる酸付加塩の形で有用である。
酸付加塩は、使用のためにより便利な形態であり;そして事実、この塩形の使用は、本質的に遊離塩基形の使用に等しい。酸付加塩を製造するために使用することができる酸としては、好ましくは、遊離塩基と合わせたとき、薬学的に受容できる塩、すなわちそのアニオンがその塩の医薬用量において患者にとって無毒である塩、を生成し、その結果、遊離塩基に固有の有益な阻害効果がアニオンに起因する副作用によって損なわれない塩が包含される。上記の塩基性化合物の薬学的に受容できる塩が好ましいけれども、すべての酸付加塩は、例えば塩が精製、および同定の目的のためにのみ形成されるときまたはそれがイオン交換法により薬学的に受容できる塩を製造する際の中間体として使用されるときのように、たとえその特定の塩それ自体が中間生成物としてのみ望まれるとしても、遊離塩基形源として有用である。本発明の範囲内の薬学的に受容できる塩には、鉱酸および有機酸から誘導される塩が包含され、そしてハロゲン化水素酸塩、例えば塩酸塩および臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、スルファミン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、マロン酸塩、蓚酸塩、サリチル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、メチレン−ビス−β−ヒドロキシナフトエ酸塩、ゲンチシン酸塩、イセチオン酸塩、ジ−p−トルオイル酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、シクロヘキシルスルファミン酸塩およびキニン酸塩が包含される。
それ自体で活性化合物として有用であると同様に、本発明の化合物の塩は、例えば当業者には周知の技術による塩と親化合物、副生物および/または出発物質との間の溶解性の差異の利用により、化合物の精製の目的のために有用である。
【0046】
上記の式(I)に関連して、下記のものが特定で好ましい基である:
1は、特に、場合により置換されていてもよいアリール、殊に場合により置換されていてもよいフェニル、を表すことができる。
1はまた、特に、場合により置換されていてもよいヘテロアリールを表すこともできる。
1はまた、特に、アリールアルキル(例えばベンジルおよびフェネチル)を表すこともできる。
1はまた、特に、シクロアルキル(例えばシクロヘキシル)を表すこともできる。
1は、特に、NHを表すことができる。
【0047】
Hetは、特に、
【化14】
Figure 0004860824
[ここで、環
【化15】
Figure 0004860824
は、5または6員複素環であり、そして環
【化16】
Figure 0004860824
は、5または6員複素環またはベンゼン環であり、各々の環は、場合により1個以上の上で定義したとおりの“アリール基置換基”によって置換されていてもよく、そして2つの環は、炭素−炭素結合または炭素−窒素結合によって結合している]を表すことができる。
【0048】

【化17】
Figure 0004860824
は、特に、場合により1個以上の上で定義したとおりの“アリール基置換基”によって置換されていてもよい5員完全不飽和複素環、を表すことができる。
【0049】

【化18】
Figure 0004860824
は、特に、場合により1個以上の上で定義したとおりの“アリール基置換基”によって置換されていてもよいベンゼン環を表すことができる。
【0050】
【化19】
Figure 0004860824
は、特に、9員二環系[ここで環
【化20】
Figure 0004860824
および
【化21】
Figure 0004860824
は、すぐ上で定義したとおりであり、そして2つの環は、炭素原子結合によって結合している]を表すことができる。
【0051】
【化22】
Figure 0004860824
は、好ましくは場合により置換されていてもよいベンズイミダゾリルまたは、より好ましくは場合により置換されていてもよいベンゾオキサゾリルである。
【0052】

【化23】
Figure 0004860824
および
【化24】
Figure 0004860824
の各々であるが、特に環
【化25】
Figure 0004860824
は、1個以上の上で定義したとおりの“アリール基置換基”によって置換されていることができる[特定のアリール基置換基の例としては、低級アルキル(例えばメチル)、低級アルコキシ(例えばメトキシ)、アミノ、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキルチオ、低級アルキルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、ニトロまたはトリフルオロメチルがある]。
【0053】
1は、特に、−R6−R7−結合[ここでR6は、直鎖または分枝鎖状C1-6アルキレン鎖、特に直鎖または分枝鎖状C1-4アルキレン鎖、を表し、そしてR7は、−C(=Z3)−NR5−、好ましくは−C(=O)−NR5−、特にR5が水素または低級アルキル(例えばメチル)である場合、を表す]を表すことができる。
【0054】
2は、特に、水素を表すことができる。
2はまた、特に、低級アルキル(例えばメチル)を表すこともできる。
2はまた、特に、低級アルコキシ(例えばメトキシ)を表すこともできる。
【0055】
2は、特に、−N(R8)−C(=O)−R9、−N(R8)−C(=O)−OR9、−N(R8)−SO2−R9または−NY34によって置換された、直鎖または分枝鎖状C1-4アルキレン鎖、特にエチレン、を表すことができる。L2は、好ましくは基
【化26】
Figure 0004860824
特に
【化27】
Figure 0004860824
[ここでR11は、−N(R8)−C(=O)−R9、−N(R8)−C(=O)−OR9、−N(R8)−SO2−R9または−NY34である]である。
Yは、特に、カルボキシを表すことができる。
本発明が、本明細書中で言及する特定で好ましい基のすべての適当な組み合わせをカバーすることは、理解されるべきである。
【0056】
本発明の特定の化合物群は、式(Ia):
【化28】
Figure 0004860824
[式中、R1、R2、R5、R6、L2、YおよびZ1は、前記請求項のいずれか1項で定義したとおりであり、R12は、水素、アシル、アシルアミノ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキレンジオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アロイル、アロイルアミノ、アリール、アリールアルキルオキシ、アリールアルキルオキシカルボニル、アリールアルキルチオ、アリールオキシ、アリールオキシカルボニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、アリールチオ、カルボキシ、シアノ、ハロ、ヘテロアロイル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルオキシ、ヘテロアロイルアミノ、ヘテロアリールオキシ、ヒドロキシ、ニトロ、トリフルオロメチル、Y12N−、Y12NCO−、Y12NSO2−、Y12N−C2-6アルキレン−Z−、アルキルC(=O)−Y1N−、アルキルSO2−Y1N−または場合によりアリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、またはY12N−で置換されていてもよいアルキルであり、そしてXは、Oである]
の化合物およびそのプロドラッグおよび式(Ia)の化合物およびそのプロドラッグの薬学的に受容できる塩および溶媒和物(例えば水和物)である。
【0057】
1が場合により置換されていてもよいアリール、特に場合により置換されていてもよいフェニル、を表す式(Ia)の化合物が好ましい。好ましい場合による置換基としては、低級アルキル(例えばメチル)、低級アルコキシ(例えばメトキシ)、ハロ(例えばフルオロ)およびY12N−(例えばジメチルアミノ)がある。R1は、特にオルト−トリルを表す。
【0058】
1がNHを表す式(Ia)の化合物が好ましい。
12が水素、C1-4アルキルまたはC1-4アルコキシを表す式(Ia)の化合物が好ましい。
6が直鎖または分枝鎖状C1-6アルキレン鎖、特に直鎖または分枝鎖状C1-4アルキレン鎖、さらに特定的にはメチレン、を表す式(Ia)の化合物が好ましい。
5が水素を表す式(Ia)の化合物が好ましい。
2が水素を表す式(Ia)の化合物が好ましい。
【0059】
2が−N(R8)−C(=O)−R9、−N(R8)−C(=O)−OR9、−N(R8)−SO2−R9または−NY34によって置換された、直鎖C1-4アルキレン鎖、特にエチレン、を表す式(Ia)の化合物もまた好ましい。L2
【化29】
Figure 0004860824
結合、特に
【化30】
Figure 0004860824
[ここでR11は、−N(R8)−C(=O)−R9、−N(R8)−C(=O)−OR9、−N(R8)−SO2−R9または−NY34である]である式(Ia)の化合物が特に好ましい。
Yがカルボキシを表す式(Ia)の化合物が好ましい。
【0060】

【化31】
Figure 0004860824
は、好ましくは、環の6位に結合していることができる。
【0061】
好ましい本発明の化合物群は:−、R1が場合により置換されていてもよいフェニル(特にオルト−トリル)であり;Z1がNHであり;XがOであり;R6が直鎖C1-4アルキレン鎖(特にメチレン)であり;R2およびR5およびR12が各々水素であり;L2
【化32】
Figure 0004860824
結合、特に
【化33】
Figure 0004860824
[ここでR11は、−N(R8)−C(=O)−R9、−N(R8)−C(=O)−OR9、−N(R8)−SO2−R9または−NY34である]であり;Yがカルボキシであり;そして基
【化34】
Figure 0004860824
が環の6位に結合している式(Ia)の化合物および相当するN−オキシド、およびそのプロドラッグ;およびそのような化合物およびそのN−オキシドおよびプロドラッグの薬学的に受容できる塩および溶媒和物(例えば水和物)である。
【0062】
特定の本発明の化合物は、表1に示したフラグメント(A1ないしA32)のうちの1つのアシル炭素原子(C*)を表2に示したフラグメント(B1またはB2)のうちの1つの窒素原子(N*)に結合させること、および表2に示したフラグメント(B1またはB2)のうちの1つ中のフェニル環の炭素原子(C*)を表3に描いた酸性フラグメント(C1ないしC30)のうちの1つの炭素原子(C*)に結合させること、によって形成される化合物から選択される。
【0063】
【表1】
Figure 0004860824
【0064】
【表2】
Figure 0004860824
【0065】
【表3】
Figure 0004860824
【0066】
【表4】
Figure 0004860824
【0067】
【表5】
Figure 0004860824
【0068】
【表6】
Figure 0004860824
【0069】
特に好ましいフラグメント「A」、「B」および「C」の例を以下に具体的に示す:

【0070】
【表7】
Figure 0004860824
【0071】
【表8】
Figure 0004860824
【0072】
【表9】
Figure 0004860824
【0073】
【表10】
Figure 0004860824
【0074】
【表11】
Figure 0004860824
【0075】
【表12】
Figure 0004860824
【0076】
【表13】
Figure 0004860824
【0077】
【表14】
Figure 0004860824
【0078】
【表15】
Figure 0004860824
【0079】
【表16】
Figure 0004860824
および相当するN−オキシド、およびそのプロドラッグ;およびそのような化合物およびそのN−オキシドおよびプロドラッグの薬学的に受容できる塩および溶媒和物(例えば水和物)。
【0080】
こうして例えば、上記リストにおいてA1−B1−C2として表示された化合物は、グループ表1中のA1および表2中のB1および表3中のC2の組み合わせの生成物、すなわち
【化35】
Figure 0004860824
である。
【0081】
好ましい本発明の化合物は:
(R)3−(ベンゾイル−アミノ)−3−(4−{[(2−o−トリルアミノ−ベンゾオキサゾール−6−イル)−アセチル]−アミノ}−フェニル)−プロピオン酸;
(R)3−[(5−メチル−イソオキサゾール−3−カルボニル)−アミノ]−3−{4−[2−(2−o−トリルアミノ−ベンゾオキサゾール−6−イル)−アセチルアミノ]−フェニル}−プロピオン酸;
3−(4−{2−[2−(2−メトキシ−フェニルアミノ)−ベンゾオキサゾール−6−イル]−アセチルアミノ}−フェニル)−3−[(5−メチルイソオキサゾール−3−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸;
3−(4−{2−[2−(2−クロロ−フェニルアミノ)−ベンゾオキサゾール−6−イル]−アセチルアミノ}−フェニル)−3−[(5−メチルイソオキサゾール−3−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸;
3−(4−{2−[2−(2−クロロ−フェニルアミノ)−ベンゾオキサゾール−6−イル]−アセチルアミノ}−フェニル)−3−[(ピリジン−4−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸;
3−(4−{2−[2−(2−メチル−フェニルアミノ)−ベンゾオキサゾール−6−イル]−アセチルアミノ}−フェニル)−3−[(チオフェン−2−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸;
および相当するN−オキシド、およびそのプロドラッグ;およびそのような化合物およびそのN−オキシドおよびプロドラッグの薬学的に受容できる塩および溶媒和物(例えば水和物)である。
【0082】
本発明の化合物は、有用な薬理学的活性を示し、従って医薬組成物中に組み入れられ、そして特定の医学的障害に罹患している患者の治療に使用される。本発明はこの結果、さらに別の態様に従えば、治療に使用するための本発明の化合物および本発明の化合物を含有する組成物を提供する。
【0083】
本発明の範囲内の化合物は、文献に記載された試験および本明細書中に後で記載する試験管内および生体内手順に従えば、リガンドVCAM−1のそのインテグリン受容体VLA−4(α4β1)に対する相互作用を遮断し、これらの試験結果は、ヒトおよびその他の哺乳類における薬理学的活性と相関すると考えられる。こうしてさらに別の態様において、本発明は、α4β1に媒介される細胞接着の阻害剤の投与によって改善することができる状態に罹患しているかまたは罹患しやすい患者の治療の際に使用するための本発明の化合物および本発明の化合物を含有する組成物を提供する。例えば本発明の化合物は、炎症性疾患、例えば、関節炎、慢性関節リウマチおよび、リウマチ様脊椎炎、痛風性関節炎、外傷性関節炎、風疹性関節炎、乾癬性関節炎および変形性関節炎のようなその他の関節炎状態を包含する関節炎症、の治療において有用である。さらに、本化合物は、急性滑膜炎、自己免疫性糖尿病、自己免疫性脳脊髄炎、膀胱三角炎、アテローム性動脈硬化症、末梢血管疾患、心臓血管疾患、多発性硬化症、喘息、乾癬再狭窄、心筋炎、炎症性腸疾患および転移における黒色腫細胞分裂の治療において有用である。
【0084】
本発明の治療法の特定の態様は、喘息の治療である。
本発明の治療法のもう1つの特定の態様は、関節炎症の治療である。
本発明の治療法のもう1つの特定の態様は、炎症性腸疾患の治療である。
【0085】
本発明のさらに別の特徴に従えば、リガンドVCAM−1のそのインテグリン受容体VLA−4(α4β1)に対する相互作用の阻害剤の投与によって改善することができる状態、例えば本明細書中で前記したとおりの状態、に罹患しているかまたは罹患しやすいヒトまたは動物患者の治療法が提供され、この治療法は、有効量の本発明の化合物または本発明の化合物を含有する組成物の上記患者への投与より成る。“効量”は、リガンドVCAM−1のそのインテグリン受容体VLA−4(α4β1)に対する相互作用を阻害し、その結果所望の治療効果を生じるのに有効な本発明の化合物の量を説明することを意味する。
本明細書中での治療への言及は、確立された状態の治療と同様に予防的治療を包含すると理解されるべきである。
【0086】
本発明はまた、薬学的に受容できるキャリヤーまたは賦形剤と連合した少なくとも1種の本発明の化合物より成る医薬組成物をもその範囲内に包含する。
本発明の化合物は、いずれかの適当な手段によって投与することができる。実際には本発明の化合物は、一般に、非経口的に、局所的に、直腸内に、経口的にまたは、特に経口経路による、吸入によって、投与することができる。
【0087】
本発明に従う組成物は、1種以上の薬学的に受容できるアジュバントまたは賦形剤を使用して、常法に従って製造することができる。アジュバントは、なかんずく、希釈剤、無菌水性媒質および種々の無毒性有機溶媒より成る。本組成物は、錠剤、丸剤、顆粒剤、散剤、水性液剤または懸濁液、注射用溶液、エリキシル剤またはシロップ剤の形で提供することができて、薬学的に受容できる製剤を得るために甘味料、フレーバー、着色剤、または安定剤より成る群から選択される1種以上の薬剤を含有することができる。賦形剤の選択および賦形剤中の活性物質の含量は、一般に、活性化合物の溶解性および化学的特性、特定の投与様式および製薬実務において観察されるべき条項に従って決定される。例えば、ラクトース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸二カルシウムのような賦形剤およびデンプン、アルギン酸および特定の複合ケイ酸塩のような崩解剤ならびにステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよび滑石のような潤滑剤を、錠剤を製造するために使用することができる。カプセル剤を製造するためには、ラクトースおよび高分子量ポリエチレングリコールを使用することが有利である。水性懸濁液を使用するときは、それらは、乳化剤または懸濁を促進する薬剤を含有することができる。スクロース、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロールおよびクロロホルムまたはこれらの混合物類のような希釈剤もまた使用することができる。
【0088】
非経口投与用には、植物油、例えばごま油、落花生油またはオリーブ油、または、水およびプロピレングリコールのような水性−有機溶液、オレイン酸エチルのような注射できる有機エステル、中の本発明に従う生成物のエマルジョン、懸濁液または溶液、ならびに本薬学的に受容できる塩の無菌水溶液を使用する。本発明に従う生成物の塩の溶液は、特に、筋肉内または皮下注射による投与のために有用である。また純粋な蒸留水中の塩の溶液より成る水溶液は、そのpHを適当に調整すること、それらを思慮分別をもって緩衝化させそして十分な量のグルコースまたは塩化ナトリウムを用いて等張にすること、およびそれらを加熱、照射または精密濾過によって滅菌することを条件として、静脈内投与用に使用することができる。
【0089】
局所投与用には、本発明の化合物を含有するゲル(水またはアルコールを基剤とする)、クリームまたは軟膏を使用することができる。本発明の化合物はまた、経皮バリヤーを通した化合物の制御放出を許すであろうパッチで適用するためのゲルまたはマトリックス基剤中に加えることもできる。
吸入による投与用には、本発明の化合物を、吸入器または懸濁液または溶液エーロゾル剤で使用するための適当なキャリヤー中に溶解させるかまたは懸濁させることができるか、または乾燥粉末吸入器中で使用するための適当な固体キャリヤー上に吸収させるかまたは吸着させることができる。
【0090】
直腸内投与用の固体組成物としては、公知方法に従って製剤化され、少なくとも1種の本発明の化合物を含有している坐剤がある。
本発明の組成物中の活性成分のパーセンテージは、変動することができて、それが、適当な用量が得られるであろう比率を構成するであろうことが必要である。明らかに、いくつかの単位投与形をほぼ同時に投与することができる。使用する用量は、医師によって決定されるであろうが、それは、所望の治療効果、投与の経路および治療の期間、およびその患者の状態に依存する。成人においては、用量は、一般に、吸入によって1日当たり約0.001ないし約50、好ましくは約0.001ないし約5、mg/kg体重、経口投与によって1日当たり約0.01ないし約100、好ましくは0.1ないし70、特に0.5ないし10、mg/kg体重、そして静脈内投与によって1日当たり約0.001ないし約10、好ましくは約0.01ないし1、mg/kg体重、である。各々の特定の場合に、用量は、年令、体重、一般的な健康状態およびその薬剤生成物の有効性に影響を与えることができるその他の特徴のような、治療される患者に特有の因子に従って決定されるであろう。
【0091】
本発明に従う化合物は、所望の治療効果を得るために必要なだけ頻繁に投与することができる。いくらかの患者は、比較的高いかまたは比較的低い用量に迅速に反応することができ、はるかに弱い維持用量が適切であることがわかるであろう。その他の患者については、各特定患者の生理学的要求に従って、1日に1ないし4回の投与という率で長期治療をおこなうことが必要であるかもしれない。一般に、本活性生成物は、1日に1ないし4回経口投与されるであろう。もちろん、いくらかの患者にとっては、1日に1または2回までの投与を処方することが必要であろう。
【0092】
本発明の化合物は、公知方法(これは、以前に使用されたかまたは文献に記載された方法を意味する)、例えばComprehensive Orgnic Transformations、VCH publishers、1989中にR.C. Larockによって記載された方法、の適用または適応によって製造することができる。
【0093】
本明細書中で後に記載する反応においては、反応性官能基、例えばヒドロキシ、アミノ、イミノ、チオまたはカルボキシ基、を、これらが最終生成物において望まれる場合には反応中のそれらの望ましくない参与を避けるために保護することが必要であろう。通常の保護基を標準法に従って使用することができる。例えば“Protective Groups in Organic Chemistry”John Wiley and Sons、1991中のT.W. GreeneおよびP.G.M. Wutsを参照されたい。
【0094】
Het、R1、R2、L1、L2およびZ1が、本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてYがカルボキシである式(I)の化合物は、Het、R1、R2、L1、L2およびZ1が、本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてYが−CO213基(ここでR13は、アルキル、アルケニルまたはアリールアルキルである)である式(I)のエステルの加水分解によって製造することができる。この加水分解は、好都合には、約周囲温度から約還流温度までの温度でジオキサン、テトラヒドロフランまたはメタノールのような有機溶媒を使用して、水性/有機溶媒混合物の存在においてアルカリ金属水酸化物、例えば水酸化リチウム、またはアルカリ金属炭酸塩、例えば炭酸カリウム、のような塩基を使用するアルカリ性加水分解によって実施することができる。エステルの加水分解はまた、約50℃から約80℃までの温度でジオキサンまたはテトラヒドロフランのような有機溶媒を使用して、水性/不活性有機溶媒混合物の存在において塩酸のような無機酸を使用する酸加水分解によって実施することもできる。
【0095】
もう1つの例として、Het、R1、R2、L1、L2およびZ1が、本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてYがカルボキシである式(I)の化合物は、Het、R1、R2、L1、L2およびZ1が、本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてYが−CO213基(ここでR13は、tert−ブチルである)である式(I)のtert−ブチルエステルのtert−ブチル基を、標準的な反応条件、例えば温度約室温でのトリフルオロ酢酸との反応、を使用して酸触媒によって除去することによって製造することができる。
【0096】
もう1つの例として、Het、R1、R2、L1、L2およびZ1が、本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてYがカルボキシである式(I)の化合物は、Het、R1、R2、L1、L2およびZ1が、本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてYが−CO213基(ここでR13は、ベンジルである)である式(I)の化合物の水素化によって製造することができる。この反応は、ギ酸アンモニウムおよび適当な金属触媒、例えば、炭素のような不活性キャリヤー上に担持させたパラジウム、の存在において、好ましくはメタノールまたはエタノールのような溶媒中、温度約還流温度で、実施することができる。この反応は別法として、適当な金属触媒、例えば、場合により炭素のような不活性キャリヤー上に担持させていてもよい白金またはパラジウム、の存在において、好ましくはメタノールまたはエタノールのような溶媒中で実施することができる。
【0097】
Het、R1、R2、L2およびZ1が、本明細書中で前に定義したとおりであり、L1が−R6−R7−結合(ここでR6は、本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてR7は、−C(=O)−NR5−である)であり、そしてYが−CO213基(ここでR13は、本明細書中で前に定義したとおりである)である式(I)のエステルは、式(II):
11−Het−R6−C(=O)−X1 (II)
(式中、Het、R1、R6およびZ1は、本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてX1は、ヒドロキシ基またはハロゲン、好ましくは塩素、原子である)の化合物と式(III):
【化36】
Figure 0004860824
(式中、R5、R2、R13およびL2は、本明細書中で前に定義したとおりである)のアミンとの反応によって製造することができる。X1がヒドロキシ基であるとき、この反応は、標準的なペプチドカップリング手順、例えば室温でテトラヒドロフラン(またはジメチルホルムアミド)中でのヘキサフルオロリン酸O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムおよびトリエチルアミン(またはジイソプロピルエチルアミン)の存在におけるカップリング、を使用して実施することができる。X1がハロゲン原子であるとき、アシル化反応は、好ましくはテトラヒドロフランのような溶媒中、温度約室温で、ピリジンのような塩基の助けをかりて実施することができる。
【0098】
Het、R1、R2、L2およびZ1が、本明細書中で前に定義したとおりであり、L1が−R6−R7−結合[ここでR6は、本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてR7は、−NR5−C(=O)−(ここでR5は、本明細書中で前に定義したとおりである)である]であり、そしてYが−CO213基(ここでR13は、本明細書中で前に定義したとおりである)である式(I)のエステルは、酸または酸ハロゲン化物をアミンとカップリングさせるための本明細書中に前に記載した手順を使用して、式(IV):
11−Het−R6−NHR5 (IV)
(式中、Het、R1、R5、R6およびZ1は、本明細書中で前に定義したとおりである)の化合物を式(V):
【化37】
Figure 0004860824
(式中、R2、R13およびL2は、本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてX2は、ヒドロキシ基またはハロゲン、好ましくは塩素、原子である)の化合物と反応させることによって製造することができる。
【0099】
Het、R1、R2、L2およびZ1が、本明細書中で前に定義したとおりであり、L1が−R6−R7−結合(ここでR6は、本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてR7は、−O−である)であり、そしてYが−CO213基(ここでR13は、本明細書中で前に定義したとおりである)である式(I)のエステルは、好ましくは乾燥エーテル性溶媒、例えばジエチルエーテルまたはテトラヒドロフラン、中で、好ましくは室温またはその付近で、アゾジカルボン酸ジエチルのようなアゾジカルボン酸ジアルキルおよびトリフェニルホスフィンの存在において、式(VI):
11−Het−R6−OH (VI)
(式中、Het、R1、R6およびZ1は、本明細書中で前に定義したとおりである)の化合物を式(VII):
【化38】
Figure 0004860824
(式中、R2、R13およびL2は、本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてZ3は、Oである)の化合物と反応させることによって製造することができる。
【0100】
別法として、Het、R1、R2、L2およびZ1が、本明細書中で前に定義したとおりであり、L1が−R6−R7−結合(ここでR6は、本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてR7は、−O−である)であり、そしてYが−CO213基(ここでR13は、本明細書中で前に定義したとおりである)である式(I)のエステルは、標準的なアルキル化条件を使用して、式(VII)(式中、R2、R13およびL2は、本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてZ3は、Oである)の化合物を式(VIII):
11−Het−R6−X3 (VIII)
(式中、R2、R6およびZ1は、本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてX3は、ハロゲン、好ましくはブロモ、原子である)の適当な臭化アルキルでアルキル化することによって製造することができる。このアルキル化は、例えば、ジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシド中で、約0℃から約100℃までの温度で、アルカリ金属炭酸塩、例えば炭酸カリウム、またはアルカリ金属水素化物、例えば水素化ナトリウム、のような塩基の存在において実施することができる。
【0101】
Het、R1、R2、L2およびZ1が、本明細書中で前に定義したとおりであり、L1が−R6−R7−結合(ここでR6は、本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてR7は、−S−である)であり、そしてYが−CO213基(ここでR13は、本明細書中で前に定義したとおりである)である式(I)のエステルは、同様に、式(VII)(式中、R2、R13およびL2は、本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてZ3は、Sである)の化合物をアルキル化することによって製造することができる。
【0102】
Het、R1、R2、L2およびZ1が、本明細書中で前に定義したとおりであり、L1が−R6−R7−結合[ここでR6は、本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてR7は、−NR5−(ここでR5は、本明細書中で前に定義したとおりである)である]であり、そしてYが−CO213基(ここでR13は、本明細書中で前に定義したとおりである)である式(I)のエステルは、同様に、式(III)(式中、R2、R13およびL2は、本明細書中で前に定義したとおりである)の化合物をアルキル化することによって製造することができる。
【0103】
Het、R1、R2、L2およびZ1が、本明細書中で前に定義したとおりであり、L1が−R6−R7−結合[ここでR6は、アルキレンであり、そしてR7は、−C(=O)−である]であり、そしてYが−CO213基(ここでR13は、本明細書中で前に定義したとおりである)である式(I)のエステルは、R.D. Rieke外、Synth. Commun.、1995、23、第3923−3930ページによって記載された方法論の適用または適応によって、式(II)(式中、Het、R1およびZ1は、本明細書中で前に定義したとおりであり、X1は、クロロであり、そしてR6は、アルキレンである)の酸塩化物を式(IX):
【化39】
Figure 0004860824
(式中、R2、R13およびL2は、本明細書中で前に定義したとおりである)の化合物と反応させることによって製造することができる。
【0104】
Het、R1、R2、L2およびZ1が、本明細書中で前に定義したとおりであり、L1が−R6−R7−結合[ここでR6は、本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてR7は、−NR5−C(=O)−NH−(ここでR5は、本明細書中で前に定義したとおりである)である]であり、そしてYが−CO213基(ここでR13は、本明細書中で前に定義したとおりである)である式(I)のエステルは、式(IV)(式中、Het、R1、R5、R6およびZ1は、本明細書中で前に定義したとおりである)の化合物を式(X):
【化40】
Figure 0004860824
(式中、R2、R13およびL2は、本明細書中で前に定義したとおりである)のイソシアネートと反応させることによって製造することができる。この反応は、好ましくは、好ましくはジクロロメタンのような溶媒中で、温度約室温で、第三アミン、例えばトリエチルアミン、のような塩基の助けをかりて実施する。
【0105】
Het、R1、R2、L2およびZ1が、本明細書中で前に定義したとおりであり、L1が−R6−R7−結合[ここでR6は、本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてR7は、−NH−C(=O)−NR5−(ここでR5は、本明細書中で前に定義したとおりである)である]であり、そしてYが−CO213基(ここでR13は、本明細書中で前に定義したとおりである)である式(I)のエステルは、同様に、式(III)(式中、R2、R5、R13およびL2は、本明細書中で前に定義したとおりである)の化合物を式(XI):
11−Het−R6−N=C=O (XI)
(式中、Het、R1、R6およびZ1は、本明細書中で前に定義したとおりである)の化合物と反応させることによって製造することができる。
【0106】
Het、R1、R2、L2およびZ1が、本明細書中で前に定義したとおりであり、L1が−R6−R7−結合[ここでR6は、本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてR7は、−SO2−NR5−(ここでR5は、本明細書中で前に定義したとおりである)である]であり、そしてYが−CO213基(ここでR13は、本明細書中で前に定義したとおりである)である式(I)のエステルは、式(XII):
11−Het−R6−SO2Cl (XII)
(式中、Het、R1、R6およびZ1は、本明細書中で前に定義したとおりである)の化合物を式(III)(式中、R2、R5、R13およびL2は、本明細書中で前に定義したとおりである)のアミンと反応させることによって製造することができる。この反応は、好ましくは、好ましくはテトラヒドロフランのような溶媒中で温度約室温で、第三アミン、例えばトリエチルアミン、のような塩基の助けをかりて実施する。
【0107】
Het、R1、R2、L2およびZ1が、本明細書中で前に定義したとおりであり、L1が−R6−R7−結合[ここでR6は、本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてR7は、−NR5−SO2−(ここでR5は、本明細書中で前に定義したとおりである)である]であり、そしてYが−CO213基(ここでR13は、本明細書中で前に定義したとおりである)である式(I)のエステルは、同様に、式(IV)(式中、Het、R1、R6、R5およびZ1は、本明細書中で前に定義したとおりである)の化合物を式(XIII):
【化41】
Figure 0004860824
(式中、R2、R13およびL2は、本明細書中で前に定義したとおりである)の塩化スルホニルと反応させることによって製造することができる。
【0108】
Het、R1、R2、L2およびZ1が、本明細書中で前に定義したとおりであり、L1が−R6−R7−結合[ここでR6は、本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてR7は、−O−C(=O)−である]であり、そしてYが−CO213基(ここでR13は、本明細書中で前に定義したとおりである)である式(I)のエステルは、式(VI)(式中、Het、R1、R6およびZ1は、本明細書中で前に定義したとおりである)の化合物を式(V)(式中、R2、R13およびL2は、本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてX2は、塩素原子である)の化合物を用いてO−アシル化することによって製造することができる。この反応は、標準的なO−アシル化条件、例えば約0℃から約室温までの温度でのトリエチルアミンまたはピリジンのような塩基の存在における反応、を使用して実施することができる。
【0109】
Het、R1、R2、L2およびZ1が、本明細書中で前に定義したとおりであり、L1が−R6−R7−結合[ここでR6は、本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてR7は、−C(=O)−O−である]であり、そしてYが−CO213基(ここでR13は、本明細書中で前に定義したとおりである)である式(I)のエステルは、同様に、式(VII)(式中、R2、R13およびL2は、本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてZ3は、Oである)の化合物を式(II)(式中、Het、R1、R6およびZ1は、本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてX1は、塩素原子である)の化合物を用いてO−アシル化することによって製造することができる。
【0110】
Het、R1、R2、L2およびZ1が、本明細書中で前に定義したとおりであり、L1が−R6−R7−結合[ここでR6は、本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてR7は、−O−C(=O)−NH−である]であり、そしてYが−CO213基(ここでR13は、本明細書中で前に定義したとおりである)である式(I)のエステルは、式(VI)(式中、Het、R1、R6およびZ1は、本明細書中で前に定義したとおりである)の化合物を式(X)(式中、R2、R13およびL2は、本明細書中で前に定義したとおりである)のイソシアネートと反応させることによって製造することができる。この反応は、好ましくは、好ましくはジクロロメタンのような溶媒中で、温度約室温で、第三アミン、例えばトリエチルアミン、のような塩基の助けをかりて実施する。
【0111】
Het、R1、R2、L1、L2およびZ1が、本明細書中で前に定義したとおりであり、L1が−R6−R7−結合[ここでR6は、本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてR7は、−NH−C(=O)−O−である]であり、そしてYが−CO213基(ここでR13は、本明細書中で前に定義したとおりである)である式(I)のエステルは、同様に、式(XI)(式中、Het、R1、R6およびL1は、本明細書中で前に定義したとおりである)のイソシアネートを式(VII)(式中、R2、R13およびL2は、本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてZ3は、Oである)の化合物と反応させることによって製造することができる。
【0112】
Het、R1、R2、L2およびZ1が、本明細書中で前に定義したとおりであり、L1が−R6−R7−結合[ここでR7は、直接結合であり、そしてR6は、直鎖または分枝鎖状C2-6アルキレン鎖(ここで炭素−炭素二重結合は、−L2−CO213基を含むフェニル環に直接結合している)である]である式(I)のエステルは、標準的なウィッティヒ[またはホーナー(Horner)−ワズワース(Wadsworth)−エモンス(Emmons)]カップリング手順(例えばTetrahedron Organic Chemistry Series第11巻、Organic Synthesis Based On Name Reactions and Unnamed reactions、編者、J.E. BalwinおよびP.D. Magnus、第181および421ページに記載された手順)を用いて、式(XIV):
【化42】
Figure 0004860824
(式中、R2、R13およびL2は、本明細書中で前に定義したとおりである)の化合物を式(XV):−
11−Het−R6−X5 (XV)
[式中、Het、R1およびZ1は、本明細書中で前に定義したとおりであり、R6は、直鎖または分枝鎖状C1-5アルキレン鎖であり、そしてX5は、=PPh3+Br-(または−P(=O)(OEt)2)である]の適当なホスホラン(またはホスホン酸エステル)と反応させることによって製造することができる。
【0113】
Het、R1、R2、L1およびZ1が、本明細書中で前に定義したとおりであり、Yが−CO213であり、そしてL2が−NY34(ここでY3およびY4の一方は、水素であり、そして他方は、アルキル、または、アルコキシ、アリール、シアノ、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシ、オキソ、−NY12または1個以上の−CO28または−C(=O)−NY12基によって置換されたアルキルである)によって置換されたアルキレン結合である式(I)のエステルは、水素化シアノホウ素ナトリウムの存在において、式(I)(式中、Het、R1、R2、L1およびZ1は、本明細書中で前に定義したとおりであり、Yは、−CO213であり、そしてL2は、−NH2によって置換されたアルキレン結合である)のエステルを式(XVI):
14−CHO (XVI)
(ここでR14は、水素またはアルキル、または、アルコキシ、アリール、シアノ、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシ、オキソ、−NY12、または1個以上の−CO28または−C(=O)−NY12基によって置換されたアルキルである)のアルデヒドと反応させることによって製造することができる。この反応は、好都合には、メタノール中で、場合により酢酸ナトリウムおよび4Å分子篩の存在において、温度約室温で実施することができる。
【0114】
Het、R1、R2、L1およびZ1が、本明細書中で前に定義したとおりであり、Yが−CO213であり、そしてL2が−N(R8)−C(=O)−R9基を含む式(I)のエステルは、式(I)[式中、Het、R1、R2、L1およびZ1は、本明細書中で前に定義したとおりであり、Yは、−CO213であり、そしてL2は、−NH(R8)基を含む]のアミンを式(XVII):
9−C(=O)−X5 (XVII)
(ここでR9は、本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてX5は、ヒドロキシ基またはハロゲン、好ましくは塩素、原子である)の化合物と反応させることによって製造することができる。X5がヒドロキシ基であるとき、この反応は、本明細書中で前に記載したとおりの標準的なペプチドカップリング手順を用いて実施することができる。X5がハロゲン原子であるとき、この反応は、好ましくはテトラヒドロフランのような溶媒中で温度約室温で、ピリジンのような塩基の助けをかりて実施することができる。
【0115】
Het、R1、R2、L1およびZ1が、本明細書中で前に定義したとおりであり、Yが−CO213であり、そしてL2が−N(R8)−C(=O)−OR9基を含む式(I)のエステルは、標準的な反応条件に従って式(I)[式中、Het、R1、R2、L1およびZ1は、本明細書中で前に定義したとおりであり、Yは、−CO213であり、そしてL2は、−NH(R8)基を含む]のアミンを適当なクロロホルメート、例えばクロロギ酸エチル(またはベンジル)化合物、と反応させることによって製造することができる。
【0116】
Het、R1、R2、L1およびZ1が、本明細書中で前に定義したとおりであり、Yが−CO213であり、そしてL2が−N(R8)−SO2−R9基を含む式(I)のエステルは、標準的な反応条件に従って式(I)[式中、Het、R1、R2、L1およびZ1は、本明細書中で前に定義したとおりであり、Yは、−CO213であり、そしてL2は、−NH(R8)基を含む]のアミンを適当な塩化スルホニル、例えば塩化フェニル(またはピリジル)スルホニルのような塩化アリール(ヘテロアリール)スルホニル、と反応させることによって製造することができる。
【0117】
Het、R1、R2、L1およびZ1が、本明細書中で前に定義したとおりであり、Yが−CO213(ここでR13は、アルキルである)であり、そしてL2
【化43】
Figure 0004860824
結合である式(I)のエステルは、式(I)[式中、Het、R1、R2、L1およびZ1は、本明細書中で前に定義したとおりであり、Yは、−CO213(ここでR13は、アルキルである)であり、そしてL2は、
【化44】
Figure 0004860824
結合である]のエステルの加水分解によって製造することができる。この反応は、ギ酸および適当な金属触媒、例えば炭素のような不活性キャリヤー上に担持されたパラジウム、の存在において温度約60℃で実施することができる。この反応は好都合には、適当な金属触媒、例えば場合により炭素のような不活性キャリヤー上に担持されていてもよい白金またはパラジウム、の存在において、好ましくはメタノールまたはエタノールのような溶媒中で実施することができる。
【0118】
Het、R1、R2、L1およびZ1が、本明細書中で前に定義したとおりであり、Yが−CO213(式中、R13は、アルキルである)であり、そしてL2
【化45】
Figure 0004860824
結合である式(I)のエステルは、同様に、式(I)[式中、Het、R1、R2、L1およびZ1は、本明細書中で前に定義したとおりであり、Yは、−CO213(ここでR13は、アルキルである)であり、そしてL2は、
【化46】
Figure 0004860824
結合である]のエステルの水素化によって製造することができる。
【0119】
Het、R1、R2、L1およびZ1が、本明細書中で前に定義したとおりであり、Yが−CO213であり、そしてL2
【化47】
Figure 0004860824
または
【化48】
Figure 0004860824
結合である式(I)のエステルはまた、標準的なラセミ混合物の塩の再結晶、例えば酒石酸塩の再結晶、に従って得ることもできる。
【0120】
Het、R1、R2、L1およびZ1が、本明細書中で前に定義したとおりであり、Yが−CO213であり、そしてL2
【化49】
Figure 0004860824
または
【化50】
Figure 0004860824
結合である式(I)のエステルはまた、標準的な酵素による分割手順、例えばSoloshonok、V.A. 外、Tetrahedron:Asymmetry6 (1995) 7、1601-1610によって記載された手順、の適用によって得ることもできる。
【0121】
Het、R1、R2、L1およびZ1が、本明細書中で前に定義したとおりであり、Yが−CO213であり、そしてL2
【化51】
Figure 0004860824
または
【化52】
Figure 0004860824
結合である式(I)のエステルは、式(XVIII):
【化53】
Figure 0004860824
(式中、Het、R1、R2、L1およびZ1は、本明細書中で前に定義したとおりであり、Yは、−CO213である)の化合物を不活性溶媒、例えばテトラヒドロフラン、中で温度約室温で、水素化ナトリウムのようなアルカリ金属水素化物と反応させ、その後、ジベンジルアミン、または(S)−N−ベンジル−α−メチルベンジルアミンをブチルリチウムで処理することから誘導されるアニオンと、温度約−78℃で反応させることによって製造することができる。
【0122】
方法Aにおいては、アミド結合を含む式(I)の化合物は、本明細書中で後で記載するとおりの標準的なペプチドカップリング手順を用いて、酸(または酸ハロゲン化物)をアミンとカップリングさせてアミド結合を得ることによって製造することができる。
【0123】
方法Aの例として、R1、R2、Z1およびHetが、本明細書中で前に定義したとおりであり、L1が−R6−R7−[ここでR6は、本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてR7は、−C(=O)−NH−である]を表し、L2が−N(R8)−C(=O)−R9基(ここでR8およびR9は、本明細書中で前に定義したとおりである)を含み、そしてYがカルボキシである式(I)の化合物は:
(i)ブロモ−ウォン(Wang)樹脂(4−ブロモメチルフェノキシル化スチレン/ジビニルベンゼン共重合体)を、ジメチルホルムアミドのような不活性溶媒中、温度約室温でジイソプロピルエチルアミンのような第三アミンおよびヨウ化セシウムの存在において式(XXI)[式中、R2は、本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてL2は、−N(R8)−R15基(ここでR15は、9H−フルオレン−9−イルメトキシルカルボニルのような適当なイミノ−保護基である)を含む]の酸で処理して、樹脂1[式中、R2は、本明細書中で前に定義したとおりであり、L2は、−N(R8)−R15基(ここでR15は、まさに定義したとおりである)を含み、そして
【0124】
【化54】
Figure 0004860824
は、1%ないし2%のジビニルベンゼンで架橋したポリスチレンより成る重合体コアを表す]を得ること;
【化55】
Figure 0004860824
【0125】
(ii)L2が−N(R8)−R15基を含む樹脂1を、ジメチルホルムアミドのような不活性溶媒中、温度約室温でピペリジンで処理して、L2が−N(R8)H基を含む樹脂6を得ること;
(iii)L2が−N(R8)H基を含む樹脂1を式(XVII)(ここでR9は、本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてX5はヒドロキシ基またはハロゲン、好ましくは塩素、原子である)の化合物と反応させて、L2が−N(R8)−C(=O)−R9基を含む樹脂1を得ること[X5がヒドロキシ基であるとき、この反応は、標準的なペプチドカップリング手順、例えばテトラヒドロフラン(またはジメチルホルムアミド)中、室温でのヘキサフルオロリン酸O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムおよびトリエチルアミン(またはジイソプロピルエチルアミン)の存在におけるカップリング、を用いて実施することができる。X5がハロゲン原子であるとき、このアシル化反応は、好ましくはテトラヒドロフランのような溶媒中で温度約室温で、ピリジンのような塩基の助けをかりて実施することができる];
【0126】
(iv)L2が−N(R7)−C(=O)−R8基を含む樹脂1をジメチルホルムアミド)中の塩化スズ(II)の溶液で処理して、樹脂2[式中、R2および
【化56】
Figure 0004860824
は、本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてL2は、−N(R8)−C(=O)−R9基(ここでR8およびR9は、本明細書中で前に定義したとおりである)を含む]を得ること;
【化57】
Figure 0004860824
【0127】
(v)ペプチドカップリング条件、例えば本明細書中で前に記載したもの、を使用して樹脂2を式(II)(式中、R1、R6、Z1およびHetは、本明細書中で前に定義したとおりであり、X1は、ヒドロキシである)の酸と反応させて、樹脂3[式中、R1、R2、R6、Z1、Hetおよび
【化58】
Figure 0004860824
は、本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてL2は、−N(R8)−C(=O)−R9基(ここでR8およびR9は、本明細書中で前に定義したとおりである)を含む]を得ること;
【化59】
Figure 0004860824
(vi)樹脂3をジクロロメタンのような不活性溶媒中、温度約室温でトリフルオロ酢酸で処理すること;
によって製造することができる。
【0128】
本発明のさらに別の特徴に従えば、本発明の化合物は、本発明の他の化合物の相互変換によって製造することができる。
例えば、Het、R1、R2、L1、L2およびZ1が、本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてYが−C(=O)−NHOHである式(I)の化合物は、Het、R1、R2、L1、L2およびZ1が、本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてYがカルボキシである式(I)の化合物を、ジクロロメタンまたはテトラヒドロフランのような不活性溶媒中で温度約室温でトリエチルアミンの存在においてカルボジイミド、例えばジシクロヘキシルカルボジイミドで処理するような標準的なペプチドカップリング手順を使用して、ヒドロキシルアミンと反応させることによって製造することができる。このカップリングはまた、ジクロロメタン中、室温で1−ヒドロキシベンゾトリアゾールおよび1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドを使用して実施することもできる。この製法はまた、O−(トリメチルシリル)ヒドロキシルアミン、O−(t−ブチルジメチルシリル)−ヒドロキシルアミン、またはO−(テトラヒドロピラニル)ヒドロキシルアミンのようなO−保護されたヒドロキシルアミンを使用し、続いて酸で処理して実施することによって実施することもできる。
【0129】
相互変換法のもう1つの例として、Het、R1、R2、L1、Z1およびYが本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてL2が場合により置換されていてもよいアルキレン結合である式(I)の化合物は、L2が相当する場合により置換されていてもよいアルケニレン結合である相当する式(I)の化合物の水素化によって製造することができる。水素化は、適当な金属触媒、例えば場合により炭素のような不活性キャリヤー上に担持されていてもよい白金またはパラジウム、の存在において、好ましくはメタノールまたはエタノールのような溶媒中で温度約室温で水素(場合により加圧してもよい)を使用して実施することができる。
【0130】
相互変換法のもう1つの例として、Het、R1、R2、L2、Z1およびYが本明細書中で前に記載したとおりであり、そしてL1が−R6−R7−結合(ここでR6は、直鎖または分枝鎖状C2-6アルキレン鎖であり、そしてR7は、直接結合である)である式(I)の化合物は、同様に、L1が−R6−R7−結合(ここでR6は、直鎖または分枝鎖状C2-6アルケニレン鎖であり、そしてR7は、直接結合である)である相当する式(I)の化合物の水素化によって製造することができる。

【0131】
相互変換法のもう1つの例として、ヘテロ原子が窒素である複素環基を含んでいる本発明の化合物は、酸化してその相当するN−オキシドにすることができる。この酸化は、好都合には、好ましくは室温以上、例えば温度約60−90℃、で過酸化水素と有機酸、例えば酢酸、との混合物と反応させることによって実施することができる。別法として、この酸化は、クロロホルムまたはジクロロメタンのような不活性溶媒中で約室温から還流温度までの温度、好ましくは高温、で過酸、例えば過酢酸またはp−クロロ過安息香酸、と反応させることによって実施することができる。この酸化は、別法として、温度室温ないし約60℃でタングステン酸ナトリウムの存在において過酸化水素と反応させることによって実施することができる。
【0132】
本発明の化合物が不斉中心を含むことができることは、認められるであろう。これらの不斉中心は、独立してRまたはS配置のいずれかであることができる。本発明の特定の化合物がまた幾何異性を示すこともできることは、当業者には明らかであろう。本発明が、本明細書中で上記した式(I)の化合物の個々の幾何異性体および立体異性体およびラセミ混合物を包含するその混合物を包含することは、理解されるべきである。このような異性体は、公知方法、例えばクロマトグラフィー技術および再結晶技術、の適用または適応によってそれらの混合物から分離することができるか、またはそれらは、それらの中間体の適当な異性体から別々に製造される。
【0133】
本発明のさらに別の特徴に従えば、本発明の化合物の酸付加塩は、公知方法の適用または適応による遊離塩基と適当な酸との反応によって製造することができる。例えば本発明の化合物の酸付加塩は、遊離塩基を、適当な酸を含有する水またはアルコール水溶液またはその他の適当な溶媒に溶解させ、そしてこの溶液を蒸発させることによって塩を単離することによるか、または遊離塩基と酸とを有機溶媒中で反応させる(この場合には、塩は、直接分離するかまたは溶液の濃縮によって得ることができる)ことによるかのいずれかで製造することができる。

【0134】
本発明の化合物は、公知方法の適用または適応によってその塩から再生させることができる。例えば、本発明の親化合物は、アルカリ、例えば重炭酸ナトリウム水溶液またはアンモニア水で処理することによってその酸付加塩から再生させることができる。
【0135】
本発明の化合物は、公知方法の適用または適応によってその塩基付加塩から再生させることができる。例えば、本発明の親化合物は、酸、例えば塩酸、で処理することによってその酸付加塩から再生させることができる。
本発明の化合物は、好都合には、本発明の工程中に、溶媒和物(例えば水和物)として製造し、または形成させることができる。本発明の化合物の水和物は、好都合には、ジオキサン、テトラヒドロフランまたはメタノールのような有機溶媒を使用する水性/有機溶媒混合物からの再結晶によって製造することができる。
【0136】
本発明のさらに別の特徴に従えば、本発明の化合物の塩基付加塩は、公知方法の適用または適応による遊離酸と適当な塩基との反応によって製造することができる。例えば本発明の化合物の塩基付加塩は、遊離酸を、適当な塩基を含有する水またはアルコール水溶液またはその他の適当な溶媒に溶解させ、そしてこの溶液を蒸発させることによって塩を単離することによるか、または遊離酸と塩基とを有機溶媒中で反応させる(この場合には、塩は、直接分離するかまたは溶液の濃縮によって得ることができる)ことによるかのいずれかで製造することができる。
出発物質および中間体は、公知方法の適用または適応、例えば参考例に記載するとおりの方法またはそれらの明白な化学的同等法、によって製造することができる。
【0137】
Hetが
【化60】
Figure 0004860824
であり、R1およびR6が本明細書中で前に定義したとおりであり、Z1がNHであり、そしてX1がヒドロキシである式(II)の酸は、式(XIX):
【化61】
Figure 0004860824
(式中、R6およびR13は、本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてXは、Oである)の化合物をエタノール中、室温で式R1−N=C=Sのイソチオシアネートと反応させ、続いてエタノール中、約室温から約還流温度までの温度でジシクロヘキシルカルボジイミドまたはジイソプロピルカルボジイミドのようなカルボジイミドと反応させ、そしてその後エステル基を酸基に変換する(例えばR13がアルキルであるときは、本明細書中で前に記載したとおりの標準条件を用いる加水分解による)ことによって製造することができる。
【0138】
Hetが
【化62】
Figure 0004860824
であり、R1およびR6が本明細書中で前に定義したとおりであり、Z1がNHであり、そしてX1がヒドロキシである式(II)の酸は、同様に、式(XIX)(式中、R6およびR13は、本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてXは、NHである)の化合物から製造することができる。
【0139】
Het、R1、R6およびZ1が本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてX1が塩素原子である式(II)の酸塩化物は、Het、R1、R6およびZ1が本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてX1がヒドロキシである相当する式(II)の酸から、酸の酸塩化物への変換のための標準的な手順の適用によって、例えば塩化オキサリルとの反応によって、製造することができる。
【0140】
2、R13およびL2が本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてX2が塩素原子である式(V)の酸塩化物は、同様に、R2、R13およびL2が本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてX2がヒドロキシである相当する式(V)の酸から製造することができる。
【0141】
2、R13およびL2が本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてR5がメチルである式(III)の化合物は、R2、R13およびL2が本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてR5が水素である相当する式(III)の化合物をギ酸酢酸混成酸無水物(formic acetic anhydride)処理し、続いてL.G. Humber L G外、J Med Chem、1971、14、第982ページによって記載された手順に従って水素化アルミニウムリチウムで還元することによって製造することができる。
【0142】
Het、R1、R6およびZ1が本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてR5がメチルである式(IV)の化合物は、同様に、Het、R1、R6およびZ1が本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてR5が水素である式(IV)の化合物を反応させることによって製造することができる。
【0143】
2、R13、L2およびR5が本明細書中で前に定義したとおりである式(III)の化合物は、式(XX):
【化63】
Figure 0004860824
(式中、R2、R13、L2およびR5は、本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてR15は、第三ブチルオキシカルボニルのような酸−不安定保護基である)の化合物をジクロロメタンのような不活性溶媒中、温度約室温でトリフルオロ酢酸と反応させることによって製造することができる。この方法は、特に、R5がメチルである式(III)の化合物の製造のために適している。
【0144】
2、R13およびL2が本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてR5が水素である式(III)の化合物は、式(XXI):
【化64】
Figure 0004860824
(式中、R2、R13およびL2は、本明細書中で前に定義したとおりである)の相当するニトロ化合物の還元によって製造することができる。この還元は、エタノール水溶液中、温度約還流温度で鉄粉末および塩化アンモニウムを使用して実施することができる。
【0145】
6およびR13が本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてXがNHである式(XIX)の化合物は、同様に、相当するニトロ−アミノ化合物またはジニトロ化合物の還元によって製造することができる。
【0146】
Het、R1、R6およびZ1が本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてR5が水素である式(IV)の化合物は、Het、R1、R6およびZ1が本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてX3がブロモである式(VIII)の化合物をジメチルホルムアミド中でフタルイミドカリウム塩と反応させ、続いてエタノール中でヒドラジン水和物と反応させる(例えばO. Diouf外、Heterocycles、1995、41、第1219−1233ページによって記載された条件を用いる)ことによって製造することができる。
【0147】
Het、R1およびZ1が本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてR6がメチレン(またはC2-6直鎖または分枝鎖状アルキレン鎖)である式(VI)の化合物は、式(XXII):
11−Het−R16−CO213 (XXII)
[式中、Het、R1およびZ1は、本明細書中で前に定義したとおりであり、R13は、アルキルであり、そしてR16は、直接結合(または1-5直鎖または分枝鎖状アルキレン鎖)である]のエステルの還元によって製造することができる。この還元は、好都合には、テトラヒドロフランのような不活性溶媒中で温度約−78℃ないし約室温で水素化ジイソブチルアルミニウムを用いて実施することができる。この還元はまた、エーテル、例えばジエチルエーテル、のような不活性溶媒中で温度約室温から約還流温度までで水素化アルミニウムリチウムを用いて実施することもできる。
【0148】
2、R13およびL2が本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてZ3がOである式(VII)の化合物は、式(XXIII):
【化65】
Figure 0004860824
(式中、R2およびL2は、本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてZ3は、Oである)の相当する酸から、標準的なエステル化手順、例えば塩化水素または硫酸のような酸触媒の存在における低級アルキルアルコール(例えばメタノール)との反応、によって製造することができる。
【0149】
Het、R1およびZ1が本明細書中で前に定義したとおりであり、R6がアルキレン鎖であり、そしてX3がブロモである式(VIII)の化合物は、Het、R1およびZ1が本明細書中で前に定義したとおりであり、R6がアルキレン鎖である式(VI)の化合物を、四塩化炭素のような不活性溶媒中で温度約室温で三臭化リンと反応させることによって製造することができる。
【0150】
2、R13およびL2が本明細書中で前に定義したとおりである式(X)の化合物は、R2、R13およびL2が本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてR5が水素である式(III)の化合物から、アミンのイソシアネートへの変換のための標準的な反応条件に従ってホスゲンを用いて製造することができる。
【0151】
Het、R1、R6およびZ1が本明細書中で前に定義したとおりである式(XI)の化合物は、同様に、Het、R1、R6およびZ1が本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてR5が水素である式(IV)の化合物から製造することができる。
【0152】
Het、R1、R6およびZ1が本明細書中で前に定義したとおりである式(XII)の化合物は、Het、R1、R6およびZ1が本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてX3がブロモである式(VIII)の化合物から、P.N. CulshawおよびJ.C. Walton, J. Chem Soc, Perkin Trans II、1991、8、第1201−1208ページによって記載されたものに従って、亜硫酸ナトリウム、続いて三塩化リンと反応させることによって製造することができる。
【0153】
2、R13およびL2が本明細書中で前に定義したとおりである式(XIII)の化合物は、R2、R13およびL2が本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてR5が水素である式(III)の化合物から、アニリンの相当する塩化フェニルスルホニルへの変換のための標準的な手順によって製造することができる。
【0154】
Het、R1およびZ1が本明細書中で前に定義したとおりであり、R6が直鎖または分枝鎖状C1-5アルキレン鎖であり、そしてX5が=PPh3+Br-である式(XV)の化合物は、Het、R1およびZ1が本明細書中で前に定義したとおりであり、R6が直鎖または分枝鎖状C1-5アルキレン鎖であり、そしてX3が臭素原子である式(VIII)の化合物を、不活性溶媒中で約室温から約溶媒の還流温度までの温度でトリフェニルホスフィンと反応させることによって製造することができる。
【0155】
Het、R1、R11およびZ1が本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてR9がアルキルである式(XX)の化合物は、同様に、相当する酸から製造することができる。
2、R9およびL2が本明細書中で前に定義したとおりである式(X)の化合物は、ブロモ−ヨードベンゼンから、Y. Tamaru外、Tetrahedron Letters、1985、26、第5559ページおよび1986、27、第955ページによって記載された手順の適応によって製造することができる。
【0156】
2、R13が本明細書中で前に定義したとおりであり、R5がメチルであり、R15が第三ブチルオキシカルボニルのような酸−不安定保護基であり、そしてL2が−NY34(ここでY3およびY4の一方は、水素であり、そして他方は、アルキル、または、アルコキシ、アリール、シアノ、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシ、オキソ、−NY12、または1個以上の−CO28または−C(=O)−NY12基によって置換されたアルキルである)によって置換されたアルキレン結合である式(XX)の化合物は、R2、R5、R13およびR15がすぐ上で定義したとおりであり、そしてL2が−NH2によって置換されたアルキレン結合である式(XX)の化合物を、水素化シアノホウ素ナトリウムの存在において、式(XVI)(式中、R14は、本明細書中で前に定義したとおりである)のアルデヒドと反応させることによって製造することができる。
【0157】
2、R13およびR5が本明細書中で前に定義したとおりであり、R14が第三ブチルオキシカルボニルのような酸−不安定保護基であり、そしてL2が−N(R8)−C(=O)−R9基を含む式(XX)の化合物は、本明細書中で前に記載した標準的なカップリング手順を使用して、R2、R5、R13およびR15がすぐ上で定義したとおりであり、そしてL2が−NH(R8)基を含む式(XX)の化合物を、式(XVII)(式中、R9は、本明細書中で前に定義したとおりであり、そしてR5は、ヒドロキシ基またはハロゲン、好ましくは塩素、原子である)の化合物と反応させることによって製造することができる。
【0158】
2、R13およびR5が本明細書中で前に定義したとおりであり、R15が第三ブチルオキシカルボニルのような酸−不安定保護基であり、そしてL2が−N(R8)−C(=O)−OR9基を含む式(XX)の化合物は、標準的な反応条件に従って、R2、R5、R13およびR15がすぐ上で定義したとおりであり、そしてL2が−NH(R8)基を含む式(XX)の化合物をBoc無水物(Boc-anhydride)と反応させることによって製造することができる。
【0159】
2、R13およびR5が本明細書中で前に定義したとおりであり、R15が第三ブチルオキシカルボニルのような酸−不安定保護基であり、そしてL2が−N(R8)−SO2−R9基を含む式(XX)の化合物は、標準的な反応条件に従って、R2、R5、R13およびR15がすぐ上で定義したとおりであり、そしてL2が−NH(R8)基を含む式(XX)の化合物を適当な塩化スルホニル、例えば塩化フェニル(またはピリジル)スルホニルのような塩化アリール(またはヘテロアリール)スルホニル、と反応させることによって製造することができる。
【0160】
2、R13およびR5が本明細書中で前に定義したとおりであり、R15が第三ブチルオキシカルボニルのような酸−不安定保護基であり、そしてL2
【化66】
Figure 0004860824
または
【化67】
Figure 0004860824
結合である式(XX)の化合物は、本明細書中で前に記載した手順を使用して、R2、R5、R13およびR15がすぐ上で定義したとおりであり、そしてL2
【化68】
Figure 0004860824
または
【化69】
Figure 0004860824
結合(ここでR17は、R8またはベンジルである)である式(XX)の化合物を水素化することによって製造することができる。
【0161】
2、R13およびR5が本明細書中で前に定義したとおりであり、R15が第三ブチルオキシカルボニルのような酸−不安定保護基であり、そしてL2
【化70】
Figure 0004860824
または
【化71】
Figure 0004860824
結合である式(XX)の化合物はまた、標準的なラセミ混合物の塩の再結晶または酵素による分割手順、例えば本明細書中で前に記載したもの、に従って得ることもできる。
【0162】
2、R13およびR5が本明細書中で前に定義したとおりであり、R15が第三ブチルオキシカルボニルのような酸−不安定保護基であり、そしてL2
【化72】
Figure 0004860824
または
【化73】
Figure 0004860824
結合(ここでR17は、本明細書中で前に定義したとおりである)である式(XX)の化合物は、式(XXIV):
【化74】
Figure 0004860824
(式中、R2、R5、R13およびR15は、本明細書中で前に定義したとおりである)の化合物を不活性溶媒、例えばテトラヒドロフラン、中で温度約室温で水素化ナトリウムのようなアルカリ金属水素化物と反応させ、その後、本明細書中で前に記載した手順を使用して、ジベンジルアミン、(S)−N−メチル−α−メチルベンジルアミンまたは(S)−N−ベンジル−α−メチルベンジルアミンのような適当なアミンで処理することから誘導されるアニオンと反応させることによって製造することができる。
【0163】
2、R5、R13およびR15が本明細書中で前に定義したとおりである式(XXIV)の化合物は、式(XXV):
【化75】
Figure 0004860824
(式中、R2、R5およびR15は、本明細書中で前に定義したとおりである)の化合物を、ジメチルホルムアミドのような不活性溶媒中で約100℃までの温度で酢酸パラジウム、トリ(2−メチルフェニル)ホスフィンのようなトリアリールホスフィン、およびトリブチルアミンのような第三アミンの存在においてアクリル酸tert−ブチルのようなアクリル酸エステルと反応させることによって製造することができる。
【0164】
2、R5およびR15が本明細書中で前に定義したとおりである式(XXV)の化合物は、Ciattini外、Tetrahedron Letters、1995、36、第4133−4136ページによって記載された手順の適用または適応によって製造することができる。
【0165】
式(樹脂1)、(樹脂2)および(樹脂3)の中間体は、新規化合物であって、それ自体として、それらおよび本明細書中に記載したそれらの製造方法は、さらに別の本発明の特徴を構成する。
本発明をさらに例示するが、本発明は、以下の具体的な実施例および参考例によって限定されない。
【0166】
保持時間(RT)の決定のための高速液体クロマトグラフィー(HPLC)条件は:15cmハイパーシル・エリート(Hypersil Elite) C−18カラム、ELS検出器;溶媒 アセトニトリル/水勾配(ともに0.5%トリフルオロ酢酸で緩衝化した):20%アセトニトリル3分間;次の12分をかけて勾配をつけて80%まで上げる;80%アセトニトリルで3分間保持する;その後0.5分かけて勾配をつけて20%アセトニトリルまで戻す(全操作時間20分)。
【0167】
【実施例】
実施例1
[R]3−(アセチル−メチル−アミノ)−3−(4−{メチル−[(2−o−トリルアミノ−ベンゾオキサゾール−6−イル)−アセチル−]−アミノ}−フェニル)−プロピオン酸
ジメチルホルムアミド(5mL)中の2−o−トリルアミノ−ベンゾオキサゾール−6−イル酢酸(200mg、参考例1)およびジイソプロピルエチルアミン(260mg)の溶液を、ヘキサフルオロリン酸O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム(300mg)、そしてその後[R]−3−(アセチルメチルアミノ)−3−[(4−メチルアミノ)フェニル]プロピオン酸tert−ブチル(250mg、参考例4)で連続して処理した。室温で2時間攪拌した後、混合物を酢酸エチル(100mL)と塩酸(100mL、1M)との間に分配させた。有機層を重炭酸ナトリウム水溶液(5%)で洗浄した後、乾燥させ、その後蒸発させた。残留物を、酢酸エチルで溶離するシリカ上のフラッシュクロマトグラフにかけて、無色ガム状物(240mg)を得て、これをトリフルオロ酢酸に溶解させた。室温で2時間放置した後、混合物を蒸発させ、残留物をエーテルで摩砕して、標題化合物(100mg)を無色泡沫として得た。HPLC:RT=11.45分(92%)。MS(ES負):513M-
【0168】
実施例2
(R,S)3−ベンゾイルアミノ−3−{4−[2−(2−o−トリルアミノ−ベンゾオキサゾール−6−イル)−アセチルアミノ]−フェニル}−プロピオン酸
工程1:最小体積のジメチルホルムアミド(約25mL)中のブロモーウォン(Bromo-Wang)樹脂[6.9g、ノババイオケム(Novabiochem)、1ミリモル/g]の懸濁液を、(RS)3−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)−3−(4−ニトロ−フェニル)−プロピオン酸(3.71g)で処理した後、ヨウ化セシウム(1.78g)で処理し、その後ジイソプロピルエチルアミン(1.5mL)で処理した。この混合物を一晩室温で静かに振盪させた。樹脂を排水してから(i)ジメチルホルムアミドで3回、(ii)メタノールで2回、(iii)テトラヒドロフランで3回、(iv)メタノールで1回、そして(v)ジクロロメタンで1回、洗浄した。
【0169】
工程2:工程1からの樹脂を室温で2時間、ピペリジンとジメチルホルムアミドとの混合物(30mL、1:4、v/v)で処理した。樹脂を排水してから(i)ジメチルホルムアミドで3回、(ii)メタノールで1回、(iii)テトラヒドロフランで1回、(iv)メタノールで1回、そして(v)ジクロロメタンで1回、洗浄し、その後室温で真空下で乾燥させた。
【0170】
工程3:ジメチルホルムアミド(2mL)中の工程2からの樹脂(615mg)の懸濁液を、ヘキサフルオロリン酸O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム(630mg)、ジメチルホルムアミド(1mL)中の安息香酸(200mg)の溶液およびジイソプロピルエチルアミン(0.58mL)で連続して処理した。時々かき混ぜながら室温で4時間放置した後、樹脂を排水してから(i)ジメチルホルムアミドで4回、(ii)メタノールで1回、(iii)テトラヒドロフランで1回、(iv)メタノールで1回、(v)ジクロロメタンで1回、そして(vi)エーテルで1回、洗浄し、その後室温で真空下で乾燥させた。この樹脂の少量(20mg)を、室温で約45分間トリフルオロ酢酸とジクロロメタンとの混合物(1:1、v/v)で処理し、続いて濾過し、そして濾液を蒸発させて、(R,S)3−ベンゾイルアミノ−3−(4−ニトロフェニル)−プロピオン酸を得た。HPLC:RT=13.3分(200nMでのUVにより97%)。MS:315(MH+)。
【0171】
工程4:工程3からの樹脂(325mg)を、ジメチルホルムアミド中の塩化スズ(II)の溶液(3mL、2M)で処理した。時々かき混ぜながら室温で7時間放置した後、樹脂を排水してから(i)ジメチルホルムアミドで3回、(ii)メタノールで2回、そして(iii)ジメチルホルムアミドで3回、洗浄した。この樹脂をジメチルホルムアミド(5mL)中に再懸濁させてから、ヘキサフルオロリン酸O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム(350mg)、(2−o−トリルアミノ−ベンゾオキサゾール−6−イル)−酢酸(250mg)、およびジイソプロピルエチルアミン(0.32mL)で連続して処理した。この混合物を室温で一晩放置した。樹脂を排水してから(i)ジメチルホルムアミドで3回、(ii)メタノールで2回、そして(iii)テトラヒドロフランで3回、(iv)メタノールで1回、そしてジクロロメタンで1回、洗浄した。
【0172】
工程5:工程4からの樹脂を、トリフルオロ酢酸とジクロロメタンとの混合物(5mL、1:1、v/v)で処理して、混合物を時々かき混ぜながら室温で1時間放置した。その後、樹脂を排水し、濾液を蒸発させた。残留物を水で摩砕して黄色固体を得た。これをエタノール水溶液から再結晶させて、標題化合物(50mg)をオフホワイトの固体として得た。HPLC:RT=14.0分(220nMでのUVにより80%)。MS:549(MH+)。
【0173】
実施例3
(R)3−[(5−メチル−イソオキサゾール−3−カルボニル)−アミノ]−3−{4−[2−(2−o−トリルアミノ−ベンゾオキサゾール−6−イル)−アセチルアミノ]−フェニル}−プロピオン酸
ジメチルホルムアミド(10mL)中の(2−o−トリルアミノ−ベンゾオキサゾール−6−イル)−酢酸(245mg、参考例1)、(R)3−(4−アミノ−フェニル)−3−[(5−メチル−イソオキサゾール−3−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸tert−ブチルエステル(300mg、参考例10)およびヘキサフルオロリン酸O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム(360mg)の溶液を、ジイソプロピルエチルアミン(260mg)で処理した。室温で3時間放置した後、混合物を酢酸エチル(100mL)と酢酸(100mL、2M)との間に分配させた。有機相を炭酸水素ナトリウム溶液(100mL、5% w/v)で洗浄した後、乾燥させ、その後蒸発させた。残留物を、酢酸エチルとシクロヘキサンとの混合物(1:1、v/v)で溶離するシリカ上のフラッシュクロマトグラフにかけた。得られた物質をトリフルオロ酢酸とジクロロメタンとの混合物(10mL、1:1、v/v)で処理した。混合物を室温に2時間保った後、蒸発させた。残留物をエーテルで摩砕して、標題化合物(230mg)を白色無定形粉末として得た。
【0174】
実施例4
4−(2−カルボキシ−1−{4−[2−(2−o−トリルアミノ−ベンゾオキサゾール−5−イル)−アセチルアミノ]−フェニル}−エチルカルバモイル)−酪酸
4−(2−メトキシカルボニル−1−{4−[2−(2−o−トリルアミノ−ベンゾオキサゾール−5−イル)−アセチルアミノ]−フェニル}−エチルカルバモイル)−酪酸(0.31g、参考例12)、水酸化ナトリウム水溶液(2.64mL、1M)およびテトラヒドロフランの混合物を3時間還流温度に加熱した。その後混合物を、水酸化ナトリウム水溶液のさらに別のアリコート(2.64mL、1M)で処理して、還流温度での加熱をさらに3時間続けた。この反応混合物を蒸発させ、残留物を水に溶解させた。この溶液のpHを、濃塩酸の添加によって1−2に調整した。得られた固体を濾過した後、水で十分に洗浄してから、乾燥させ、その後イソブタノール水溶液から再結晶させた。結晶性固体をペンタンで洗浄し、その後真空下、100℃で乾燥させて、標題化合物(0.13g)を無色結晶として得た、融点255.6−257.1℃。[元素分析:実測値:C,64.51;H,5.41;N,10.03;H2O,1.58%。C303047・0.5 H2Oに対する計算値:C,63.43;H,5.51;N,9.87;H2O,1.59%]。
【0175】
実施例5
(a)(R,S)3−(4−{2−[2−(2−メチル−フェニルアミノ)−ベンゾオキサゾール−6−イル]−アセチルアミノ}−フェニル}−3−[(5−メチルイソオキサゾール−3−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸
工程1:4−(ブロモメチル)フェノキシメチルポリスチレン(10g、1.0ミリモル/g)をジメチルホルムアミド中で30分間膨張させた後、排水した。(40ml)をN,N−ジイソプロピルエチルアミン(2.5ml)、ヨウ化セシウム(2.85g)およびN−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−3−アミノ−3−(4−ニトロフェニル)−プロピオン酸(5.94g)とともに加えた。混合物を一晩かきまぜ、排水し、そして樹脂を過剰のジメチルホルムアミドで、次にジクロロメタンで、次にジエチルエーテルで、洗浄し、その後真空下で乾燥させた。
【0176】
工程2:工程1からの樹脂(2g)を次にジメチルホルムアミド中で30分間膨張させた後、排水した。次にジメチルホルムアミド中のピペリジンの溶液(20%v/v;20ml)を加えて、樹脂を2分間かきまぜた後、排水した。次に第2部分のジメチルホルムアミド中のピペリジン(20%v/v;20ml)を加えて、樹脂を2分間かきまぜ、排水し、そして樹脂を過剰のジメチルホルムアミドで洗浄した。
【0177】
工程3:ジメチルホルムアミド(15ml)を工程2からの樹脂に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.29g)、5−メチルイソオキサゾール−3−カルボン酸(0.57g)およびヘキサフルオロリン酸O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N′,N′−テトラメチルウロニウム(1.71g)とともに加えた。混合物を一晩かきまぜた後、樹脂を排水してから(i)過剰のジメチルホルムアミド、(ii)ジクロロメタン、(iii)ジエチルエーテル、で洗浄し、その後真空下で乾燥させた。
工程4:工程3からの樹脂(1.5g)を次にジメチルホルムアミド中で30分間膨張させた後、排水し、次にジメチルホルムアミド中の無水塩化スズ(ii)の溶液(2M、15ml)で処理した。混合物を7時間かきまぜた後、排水した。この樹脂を(i)過剰のジメチルホルムアミド、(ii)ジクロロメタン、(iii)ジエチルエーテル、で洗浄し、その後真空下で乾燥させた。
【0178】
工程5:工程4からの樹脂(1.0g)を次にジメチルホルムアミド中で30分間膨張させた後、排水した。ジメチルホルムアミド(10ml)をこの樹脂に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.322g)、4−ニトロ−(3−アセチルオキシ)フェニル酢酸(0.233g)およびヘキサフルオロリン酸O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N′,N′−テトラメチルウロニウム(0.38g)とともに加えた。混合物を6時間かきまぜた。樹脂を排水してから過剰のジメチルホルムアミドで洗浄した。
工程6:工程5からの樹脂を、ジメチルホルムアミド中のピペリジンの溶液(20%v/v;10ml)で処理した。一晩かきまぜた後、樹脂を排水し、その後過剰のジメチルホルムアミドで洗浄した。
【0179】
工程7:工程6からの樹脂(1.0g)を次にジメチルホルムアミド中で30分間膨張させた後、排水し、その後ジメチルホルムアミド中の無水塩化スズ(ii)の溶液(2M、15ml)で処理した。7時間かきまぜた後、排水してから、(i)過剰のジメチルホルムアミド、(ii)ジクロロメタン、(iii)ジエチルエーテル、で洗浄し、その後真空下で乾燥させた。
工程8:工程7からの樹脂(100mg)をo−トリルイソチオシアネート(0.12g)およびジメチルホルムアミド(2ml)で処理した。70℃で一晩かきまぜた後、樹脂を排水してから過剰のジメチルホルムアミドで洗浄して、その後ジメチルホルムアミド(2ml)およびN,N′−ジイソプロピルカルボジイミド(0.126g)で処理した。70℃で一晩かきまぜた後、樹脂を排水してから(i)過剰のジメチルホルムアミド、(ii)ジクロロメタン、(iii)ジエチルエーテル、で洗浄し、その後真空下で乾燥させた。
工程9:工程8からの樹脂を次にトリフルオロ酢酸および水(9:1)中に45分間浸漬した。樹脂を溶液から濾過して、濾液を蒸発させた。残留物を、逆相HPLC(勾配:20分かけて20−80%[水性のアセトニトリル+1%トリフルオロ酢酸])。LCMS:RT=4.40分;MS:555(M)+、553(M)-
【0180】
(b)工程8において2−メトキシフェニルイソチオシアネートを使用することを除き、実施例5(a)と同様に進行することによって、(R,S)3−(4−{2−[2−(2−メトキシ−フェニルアミノ)−ベンゾオキサゾール−6−イル]−アセチルアミノ}−フェニル)−3−[(5−メチルイソオキサゾール−3−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸を製造した。LCMS RT=4.45分;MS:571(M)+、569(M)-
【0181】
(c)工程8において2−クロロフェニルイソチオシアネートを使用することを除き、実施例5(a)と同様に進行することによって、(R,S)3−(4−{2−[2−(2−クロロ−フェニルアミノ)−ベンゾオキサゾール−6−イル]−アセチルアミノ}−フェニル)−3−[(5−メチルイソオキサゾール−3−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸を製造した。LCMS RT=4.55分;MS:575(M)+、573(M)-
【0182】
(d)工程8においてフェニルイソチオシアネートを使用することを除き、実施例5(a)と同様に進行することによって、(R,S)3−(4−{2−[2−(フェニルアミノ)−ベンゾオキサゾール−6−イル]−アセチルアミノ}−フェニル)−3−[(5−メチルイソオキサゾール−3−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸を製造した。LCMS RT=4.43分;MS:541(M)+、539(M)-
【0183】
(e)工程8において2−ピリジルイソチオシアネートを使用することを除き、実施例5(a)と同様に進行することによって、(R,S)3−(4−{2−[2−(2−ピリジルアミノ)−ベンゾオキサゾール−6−イル]−アセチルアミノ}−フェニル)−3−[(5−メチルイソオキサゾール−3−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸を製造した。LCMS RT=3.83分;MS:542(M)+、540(M)-
【0184】
(f)工程3においてモルホリノ酢酸を使用することを除き、実施例5(a)と同様に進行することによって、(R,S)3−(4−{2−[2−(2−メチル−フェニルアミノ)−ベンゾオキサゾール−6−イル]−アセチルアミノ}−フェニル)−3−[(モルホリノアセチル)−アミノ]−プロピオン酸を製造した。LCMS RT=3.57分;MS:572(M)+、570(M)-
(g)工程3においてイソニコチン酸を使用し、そして工程8において2−メトキシフェニル−イソチオシアネートを使用することを除き、実施例5(a)と同様に進行することによって、(R,S)3−(4−{2−[2−(2−メトキシ−フェニルアミノ)−ベンゾオキサゾール−6−イル]−アセチルアミノ}−フェニル)−3−[(ピリジン−4−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸を製造した。LCMS RT=4.23分;MS:566(M)+、564(M)-
【0185】
(h)工程3においてイソニコチン酸を使用し、そして工程8において2−クロロフェニル−イソチオシアネートを使用することを除き、実施例5(a)と同様に進行することによって、(R,S)3−(4−{2−[2−(2−クロロ−フェニルアミノ)−ベンゾオキサゾール−6−イル]−アセチルアミノ}−フェニル)−3−[(ピリジン−4−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸を製造した。LCMS RT=4.32分;MS:570(M)+、568(M)-
(i)工程3においてイソニコチン酸を使用し、そして工程8において3−メトキシフェニル−イソチオシアネートを使用することを除き、実施例5(a)と同様に進行することによって、(R,S)3−(4−{2−[2−(3−メトキシ−フェニルアミノ)−ベンゾオキサゾール−6−イル]−アセチルアミノ}−フェニル)−3−[(ピリジン−4−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸を製造した。LCMS RT=4.23分;MS:566(M)+、564(M)-
【0186】
(j)工程3においてイソニコチン酸を使用し、そして工程8においてフェニル−イソチオシアネートを使用することを除き、実施例5(a)と同様に進行することによって、(R,S)3−(4−{2−[2−(フェニルアミノ)−ベンゾオキサゾール−6−イル]−アセチルアミノ}−フェニル)−3−[(ピリジン−4−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸を製造した。LCMS RT=4.18分;MS:536(M)+、534(M)-
(k)工程3においてイソニコチン酸を使用し、そして工程8において2−ピリジルイソチオシアネートを使用することを除き、実施例5(a)と同様に進行することによって、(R,S)3−(4−{2−[2−(2−ピリジルアミノ)−ベンゾオキサゾール−6−イル]−アセチルアミノ}−フェニル)−3−[(ピリジン−4−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸を製造した。LCMS RT=3.42分;MS:537(M)+、535(M)-
【0187】
(l)工程3においてチオフェン−2−カルボン酸を使用することを除き、実施例5(a)と同様に進行することによって、(R,S)3−(4−{2−[2−(2−メチル−フェニルアミノ)−ベンゾオキサゾール−6−イル]−アセチルアミノ}−フェニル)−3−[(チオフェン−2−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸を製造した。LCMS RT=4.38分;MS:555(M)+、554(M)-
【0188】
参考例1
2−o−トリルアミノ−ベンゾオキサゾール−6−酢酸
エタノール(150mL)中の4−アミノ−3−ヒドロキシ−フェニル酢酸エチル(3.3g、参考例2)およびo−トリルイソチオシアネート(2.5mL)の混合物を室温で約2時間攪拌した。室温で一晩放置した後、混合物を蒸発させ、残留物を、ペンタンと酢酸エチルとの混合物(7:3、v/v)で溶離するシリカ上のフラッシュクロマトグラフにかけて、黄色泡沫を得た。エタノール(150mL)中のこの物質の溶液をジシクロヘキシルカルボジイミド(3.0g)で処理して、混合物を2時間還流温度に加熱した。混合物を蒸発させ、残留物を、ジクロロメタン中の5−10% tert−ブチルメチルエーテルの混合物で溶離するシリカ上の短カラムクロマトグラフにかけて、ジシクロヘキシル尿素を除去した。残留した淡黄色油状物をエタノール(100mL)に溶解させ、この溶液を水酸化ナトリウム溶液(15mL、1M)で処理した後、2時間還流温度に加熱した。反応混合物を蒸発させ、残留物を水に溶解させた。この溶液を酢酸エチルで洗浄し、水性層を濃塩酸の添加によってpH 1まで酸性化した。残留した白色沈殿を濾過によって集めた後、水で完全に洗浄し、その後乾燥させて、標題化合物(1.8g)を白色固体として得た。
【0189】
参考例2
4−アミノ−3−ヒドロキシ−フェニル酢酸エチル
エタノール(ほぼ200mL)に溶解させた3−ヒドロキシ−4−ニトロフェニル酢酸エチル(5.0g、参考例3)の溶液をギ酸アンモニウム(ほぼ20g)で処理した。混合物を50℃まで温めた後、木炭上のパラジウム(ほぼ1g、5%)で注意深く処理した−泡立ちが観察された。30分後にこの混合物を熱いままセライトのパッドを通して濾過し、濾液を濃縮して、標題化合物(3.3g)を黒色固体として得た。
【0190】
参考例3
3−ヒドロキシ−4−ニトロフェニル酢酸エチル
エタノール(ほぼ100mL)中の3−ヒドロキシ−4−ニトロフェニル酢酸(4.0g、Meyer外、J. Med. Chem., 1997、40、第1049−1062ページによって記載された手順に従って製造した)の溶液を濃塩酸(5−8滴)で処理し、3時間還流温度に加熱した後、蒸発させた。残留物をtert−ブチルメチルエーテルに溶解させて、溶液を飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、次に水で洗浄した後、乾燥させ、その後蒸発させて、標題化合物(5.0g)を淡黄色固体として得た。
【0191】
参考例4
[R]−3−(アセチルメチルアミノ)−3−[(4−メチルアミノ)フェニル]プロピオン酸tert−ブチル
[R]−3−(アセチルメチルアミノ)−3−[(4−(N−第三ブチルオキシカルボニル−N−メチルアミノ)フェニル)プロピオン酸tert−ブチル(4.3g、参考例5)を室温でジクロロメタン中のトリフルオロ酢酸の5%溶液(200mL)に溶解させ、反応をTLC分析によって追跡した。TLCによって反応が完了したとき(約1.5時間)、混合物をジクロロメタン(100mL)と飽和重炭酸ナトリウム水溶液(200mL)との混合物上に注意深く注いだ。有機層を乾燥させ、その後蒸発させて、標題化合物(3.9g)を黄色油状物として得た。このものは、放置するとゆっくり結晶化した。
【0192】
参考例5
[R]−3−(アセチルメチルアミノ)−3−[(4−(N−第三−ブチルオキシカルボニル−N−メチルアミノ)フェニル)プロピオン酸tert−ブチル
攪拌したテトラヒドロフラン(100mL)中の[R]−3−(メチルアミノ)−3−[(4−(N−第三ブチルオキシカルボニル−N−メチルアミノ)フェニル)プロピオン酸tert−ブチル(6.0g、参考例6)の溶液をトリエチルアミン(5.4g)で処理し、その後塩化アセチル(2.12g)を滴加して処理した(直ちに沈殿が形成された)。この混合物をさらに30分間攪拌した後、酢酸エチル(200mL)と塩酸(100mL、1M)との間に分配させた。有機層を重炭酸ナトリウム水溶液(5%)で洗浄した後、乾燥させ、その後蒸発させて、標題化合物(4.3g)を黄色油状物として得た。
【0193】
参考例6
[R]−3−(メチルアミノ)−3−[(4−(N−第三ブチルオキシカルボニル−N−メチルアミノ)フェニル)プロピオン酸tert−ブチル
60℃に温めたエタノール(50mL)中の3(R)−[N−メチル−N−((S)1−フェニルエチル)アミノ]−3−[(4−(N−第三ブチルオキシカルボニル−N−メチルアミノ)フェニル)プロピオン酸tert−ブチル(6.5g、参考例7)の溶液をギ酸(4mL)で処理した後、10%木炭上のパラジウム(2g)で処理した。60℃で1時間攪拌した後、反応混合物を室温まで冷却してから、濾過助剤を通して濾過して、使用ずみ触媒を除去した。濾液を蒸発させて嵩を低くして、残留物を酢酸エチルおよび重炭酸ナトリウム水溶液(200mL、5%)の間で分配させた。有機層を乾燥させ、その後蒸発させて、標題化合物(6.0g)を無色油状物として得た。
【0194】
参考例7
3(R)−[N−メチル−N−((S)1−フェニルエチル)アミノ]−3−[(4−(N−第三ブチルオキシカルボニル−N−メチルアミノ)フェニル)プロピオン酸tert−ブチル
窒素雰囲気下で−70℃より低い温度まで冷却し、攪拌した、テトラヒドロフラン(60mL)に溶解させた(S)N−メチル−N−(1−フェニルエチル)アミン(9.8g)の溶液を、ヘキサン中のブチルリチウムの溶液(11.3mL、2.5M)の滴加によって処理した。約10分後に、この混合物を、テトラヒドロフラン(40mL)中の4−(N−第三ブチルオキシカルボニル−N−メチルアミノ)桂皮酸tert−ブチル(4.7g、参考例8)の溶液を20分かけて滴加することによって処理した。反応混合物をさらに20分間攪拌した後、酢酸エチル(500mL)とブライン(500mL)との混合物上に注いだ。有機層を乾燥させ、その後蒸発させた。残留物を、酢酸エチルとシクロヘキサンとの混合物(7:3、v/v)で溶離するシリカ上のフラッシュクロマトグラフにかけて、標題化合物(6.5g)を無色油状物として得た。
【0195】
参考例8
4−(N−第三ブチルオキシカルボニル−N−メチルアミノ)桂皮酸tert−ブチル
DMF(20mL)中のN−第三ブチルオキシカルボニル−N−メチル−4−ヨードアニリン(11g、参考例9)、アクリル酸tert−ブチル(8.4g)、トリス−(o−トリル)ホスフィン(500mg)、酢酸パラジウム(II)(150mg)、およびトリエチルアミン(7g)の混合物を窒素下、90℃で一晩攪拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、酢酸エチル(500mL)と塩酸溶液(500mL、1M)との間に分配させた。有機相を乾燥させ、その後蒸発させた。残留物をシクロヘキサンから結晶化させて、標題化合物(7.4g)を白色固体として得た。
【0196】
参考例9
N−第三ブチルオキシカルボニル−N−メチル−4−ヨードアニリン
ジメチルホルムアミド(70mL)中のN−第三ブチルオキシカルボニル−4−ヨードアニリン(11.5g、製法についてはPG Ciattini外、Tet. Lett、1995、36、4133−4136参照)の溶液を窒素下で、水素化ナトリウム(1.6g、60%鉱油中の分散物)を数部に分けて加えて処理した。泡立ちが止んだとき(約5分後)、混合物をヨウ化メチルで処理して、攪拌を室温で2時間続けた。反応混合物を酢酸エチル(500mL)と水(500mL)との間に分配させた。有機相を乾燥させ、その後蒸発させて、標題化合物(11.5g)をピンクの油状物として得た。
【0197】
参考例10
(a)(R)3−(4−アミノ−フェニル)−3−[(5−メチル−イソオキサゾール−3−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸tert−ブチルエステル
ジクロロメタン(50mL)中の(R)3−(4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−フェニル)−3−[(5−メチル−イソオキサゾール−3−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸tert−ブチルエステル(2g、参考例11)の溶液をトリフルオロ酢酸(5mL)で処理した。室温で4時間後に[反応をTLCによって監視した:約4時間後には、もはや出発物質は見えなかった]、反応混合物を炭酸水素ナトリウム溶液(100mL、5%w/v)とジクロロメタン(50mL)との混合物上に注意深く注いだ。有機層を分離した後、乾燥させ、その後蒸発させて、標題化合物(1.0g)を黄色油状物として得た。このものは、放置するとゆっくり結晶化した。
【0198】
(b)(R)3−(4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−フェニル)−3−[4−メトキシカルボニルブタノイル−アミノ]−プロピオン酸メチル(参考例13)を使用することを除き、参考例10(a)に記載したものと同様に進行することによって、(R)3−(4−アミノ−フェニル)−3−[4−メトキシカルボニルブタノイル−アミノ]−プロピオン酸メチルを琥珀色油状物として製造した。
【0199】
参考例11
(R)3−(4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−フェニル)−3−[(5−メチル−イソオキサゾール−3−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸tert−ブチルエステル
ジメチルホルムアミド(20mL)中の(R)3−アミノ−3−(4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−フェニル)−プロピオン酸tert−ブチルエステル(2.0g)、5−メチル−イソオキサゾール−3−カルボン酸(890mg)、およびヘキサフルオロリン酸O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム(2.66g)の溶液をジイソプロピルエチルアミン(1.8g)で処理した。室温で1時間放置した後、混合物を酢酸エチル(100mL)と塩酸(100mL、1M)との間に分配させた。有機層を炭酸水素ナトリウム溶液(100mL、5%w/v)で洗浄した後、乾燥させ、その後蒸発させた。残留物を最小体積のエーテルで摩砕して、標題化合物(2.0g)を白色固体として得た。
【0200】
参考例12
4−(2−メトキシカルボニル−1−{4−[2−(2−o−トリルアミノ−ベンゾオキサゾール−5−イル)−アセチルアミノ]−フェニル}−エチルカルバモイル)−酪酸メチル
2−o−トリルアミノ−ベンゾオキサゾール−6−酢酸(0.5g、参考例11)、ヘキサフルオロリン酸O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム(1g)、ジメチルホルムアミド(40mL)、ジイソプロピルエチルアミン(1.5mL)および(R)3−(4−アミノ−フェニル)−3−[4−メトキシカルボニルブタノイル−アミノ]−プロピオン酸メチル[0.57g、参考例10(a)]の混合物を室温で2.5時間攪拌した後、4日間放置してから、蒸発させた。残留物を酢酸エチルに溶解させて、溶液を水で十分に洗浄した後、蒸発させた。残留した黄色泡沫をジクロロメタンとメタノールとの混合物(19:1、v/v)で溶離するシリカ上の短カラムクロマトグラフにかけ、続いてエタノールで摩砕して、標題化合物(0.31g)を無色固体として得た。
【0201】
参考例13
(R)3−(4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−フェニル)−3−[4−メトキシカルボニルブタノイル−アミノ]−プロピオン酸メチル
ジクロロメタン(35mL)中の(R)3−アミノ−3−(4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−フェニル)−プロピオン酸メチルエステル(4.5g)およびトリエチルアミン(2.65mL)の溶液を、4−(クロロホルミル)酪酸メチル(2.21mL)を滴加して処理した。室温で2時間攪拌した後、反応混合物を水で処理し、その後酢酸エチルで抽出した。抽出物を水で洗浄した後、乾燥させ、その後蒸発させて、標題化合物を油状物として得た。このものをそれ以上精製することなく使用した。
【0202】
試験管内および生体内試験手順
1.フィブロネクチンおよびVCAMへのVLA4依存細胞接着に関する化合物の阻害効果
1.1 RAMOS細胞の代謝性標識付け
RAMOS細胞[ECACC、ポートン・ダウン(Porton Down)、英国からのプレ−B細胞系]を、5%ウシ胎仔血清[FCS、ギブコ(Gibco)、英国]で補足したRPMI培地[ギブコ(Gibco)、英国]中で培養した。検定の前に、細胞を0.5×106細胞/ml RPMIの濃度で懸濁させ、37℃で18時間400μCi/100mlsの[3H]−メチオニン[アメルシャム(Amersham)、英国]で標識付けした。
【0203】
1.2 接着検定のための96ウェル平板調製
サイトスター(Cytostar)平板[アメルシャム(Amersham)、英国]を50μl/ウェルの3μg/ml ヒト可溶性VCAM−1[アール・アンド・ディー・システムズ(R&D Systems)Ltd、英国]または28.8μg/ml ヒト組織フィブロネクチン[シグマ(Sigma)、英国]で被覆した。対照の非特異結合ウェル中には、50μlのリン酸塩緩衝化食塩水を加えた。その後これらの平板を、一晩25℃のインキュベーター中に放置して乾燥させた。翌日平板を、1%BSA[シグマ(Sigma)、英国]で補足したパックス(Pucks)緩衝剤[ギブコ(Gibco)、英国]200μl/ウェルで遮断した。平板を室温で暗所に2時間放置した。次に遮断緩衝剤を捨てて、そして平板を逆にして、薄葉紙上でそれを静かに軽くたたくことによって平板を乾燥させた。5mM塩化マンガン[インテグリン受容体を活性化するため、シグマ(Sigma)、英国]および0.2%BSA[シグマ(Sigma)、英国]で補足したパックス(Pucks)緩衝剤中の3.6%ジメチルスルホキシド50μl/ウェルを、平板中の適当な対照試験結合および非特異結合検定ウェルに加えた。5mM塩化マンガンおよび0.2%BSAで補足したパックス(Pucks)緩衝剤中の3.6%ジメチルスルホキシド中で希釈した適当な濃度の試験化合物50μl/ウェルを、試験ウェルに加えた。
【0204】
代謝的に標識付けした細胞を、上記のように塩化マンガンおよびBSAで補足したパックス(Pucks)緩衝剤中に4×106細胞/mlで懸濁させた。パックス(Pucks)緩衝剤および補足物中の3.6%ジメチルスルホキシド中の細胞50μl/ウェルを、すべての平板ウェルに加えた。
【0205】
同一手順が、VCAM−1またはフィブロネクチンのいずれかで被覆した平板について存在し、データは、両方の基質への細胞結合の化合物阻害に対して決定された。
【0206】
1.3 検定およびデータ分析の実施
対照または化合物試験ウェル中に細胞を含有する平板を、暗所で室温で1時間インキュベートした。次にこの平板をワラック・ミクロベータ(Wallac Microbeta)シンチレーション計数器[ワラック(Wallac)、英国]で数え、得られたデータをマイクロソフト・エクセル(Microsoft Excel)[マイクロソフト(Microsoft)、米国]で処理した。データは、IC50、すなわち50%の対照結合が起こる阻害剤の濃度として表した。パーセンテージ結合を式:
{[(CTB−CNS)−(CI−CNS)]/(CTB−CNS)}×100=%結合
(ここでCTBは、存在する阻害剤なしのフィブロネクチン(またはVCAM−1)で被覆したウェルに結合した総数であり、CNSは、基質なしのウェル中に存在する総数であり、そしてCIは、細胞接着阻害剤を含有するウェル中に存在する総数である)から決定した。
【0207】
本発明の化合物データは、フィブロネクチンおよびVCAM−1の両者への細胞接着の阻害に対するIC50について表現される。特定の本発明の化合物は、100マイクロモルないし1ナノモルの範囲のIC50でフィブロネクチンおよびVCAM−1への細胞接着を阻害する。好ましい本発明の化合物は、10ナノモルないし1ナノモルの範囲のIC50でフィブロネクチンおよびVCAM−1への細胞接着を阻害する。
【0208】
2.マウスおよびラットにおける抗原に誘発される気道炎症の阻害
2.1 動物の感作
ラット[ブラウン・ノーウェイ(Brown Norway)、ハーランド・オラック(Harland Olac)、英国]を、0、12および21日目にオボアルブミン[100μg、腹腔内[i.p.]、シグマ(Sigma)、英国]を食塩水(1ml、腹腔内)中の水酸化アルミニウムアジュバント[100mg、腹腔内、シグマ(Sigma)、英国]とともに投与して感作した。さらにマウス(C57)を、0、および12日目にオボアルブミン(10μg、腹腔内)を食塩水(0.2ml、腹腔内)中の水酸化アルミニウムアジュバント(20mg、腹腔内)とともに投与して感作した。
【0209】
2.2 抗原攻撃
ラットは、28−38日目の間のいずれかの1日に攻撃し、一方マウスは、20−30日目の間のいずれかの1日に攻撃した。動物は、30分間(ラット)または1時間(マウス)、超音波噴霧器[デ・ビルビス・ウルトラネブ(de Vilbiss Ultraneb)、米国]によって発生させ、暴露室内に通したオボアルブミン(10g/l)のエーロゾルに暴露することによって攻撃された。
【0210】
2.3 処置プロトコル
動物を、必要に応じて抗原攻撃の前または後に処置した。水溶性の本発明の化合物は、水(経口、p.o.投与用)または食塩水(気管内、i.t.投与用)中で製剤化することができる。不溶性化合物は、粉砕し、そして固体を水中の0.5%メチルセルロース/0.2%ポリソルベート80[経口投与用、ともにメルク(Merck) UK Ltd., 英国]または食塩水中の0.5%メチルセルロース/0.2%ポリソルベート80(気管内投与用)中で音波処理することによって懸濁液として製剤化した。投与体積は:ラットについては1ml/kg、経口または0.5mg/kg、気管内;マウスについては10ml/kg、経口または1mg/kg、気管内;であった。
【0211】
2.4 気道炎症の評価
肺における細胞集積を、攻撃の24時間後(ラット)または攻撃の48−72時間後(マウス)に評価した。動物をナトリウムペントバルビトン(200mg/kg、腹腔内、Pasteur Merieux、フランス)で安楽死させ、気管に直ちにカニューレ挿入した。細胞を、下記のように、気管支肺胞洗浄(BAL)によって気道内腔から、そして酵素的[コラゲナーゼ、シグマ(Sigma)、英国]分離によって肺組織から、回収した。BALは、気道を10%ウシ胎仔血清[FCS、セロテック(Serotec)Ltd., 英国]を含有するRPMI 1640培地[ギブコ(Gibco)、英国]の2アリコート(各々10mg/kg)でフラッシすることによって実施した。回収したBALアリコートをプールして、細胞計数を下記のとおりに行った。
【0212】
BALの直後に、肺血管系をRPMI 1640/FCSでフラッシして細胞の血液プールを除去した。肺葉を取り出して、0.5mm片に切断した。均一な肺組織の試料(ラット:400mg;マウス:150mg)を、コラゲナーゼ(20U/mlで2時間、その後60U/mlで1時間、37℃)を含むRPMI 1640/FCS中でインキュベートして、細胞を組織から分離した。回収した細胞をRPMI 1640/FCS中で洗浄した。気道内腔および肺組織から回収した全白血球の計数を、自動細胞計数器[コバス・アーゴス(Cobas Argos)、米国]で行った。好酸球、好中球および単核細胞の微分計数を、ライト−ギムザ染色[シグマ(Sigma)、英国]で染色した細胞遠心分離(cytocentrifuge)調製物の光学顕微鏡検査によって行った。T細胞は、CD2(全T細胞を定量するために使用される汎−T細胞マーカー)、CD4、CD8およびCD25(活性化T細胞のマーカー)に対する発光体−標識抗体を使用するフローサイトメトリー[EPICS XL、クルター・エレクトロニクス(Coulter Electronics)、米国]によって計数した。すべての抗体は、セロテック(Serotec) Ltd., 英国によって供給された。
【0213】
2.5 データ分析
細胞データは、攻撃されない群、攻撃されて賦形剤処置された群、および攻撃されて化合物処置された群、における平均細胞数であって、その平均の標準誤差を包含する平均細胞数として表した。処置群間の差異の統計的分析は、マン−ホイットニー検定法による分散の1元分析を用いて評価した。p<0.05であるとき、統計的意義は存在しない。

Claims (7)

  1. 式(Ia):
    Figure 0004860824
    [式中:
    1は、各々場合によりハロゲン、C1-4アルキルまたはC1-4アルコキシによって置換
    されたアリールまたはヘテロアリールを表し;
    5は、水素またはC1-4アルキルを表し;
    6は、C1-4アルキレン鎖であり;
    8は、水素またはC1-4アルキルであり;
    9は、場合によりカルボキシもしくは−NY34で置換されたC1-4アルキル、または各々場合によりハロゲン、C1-4アルキルもしくはC1-4アルコキシで置換されたアリールもしくはヘテロアリールであり;
    11は、−N(R8)−C(=O)−R9であり;
    基−NY34は、環状アミンを形成する]
    の化合物ならびに該化合物の薬学的に受容できる塩および溶媒和物。
  2. 1が場合により置換されたフェニルを表す、請求項1に記載の化合物。
  3. 6がメチレンである、請求項1または2に記載の化合物。

  4. Figure 0004860824
    が環の6位に結合している、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の化合物。
  5. 下記式
    Figure 0004860824
    [式中、R6は、メチレンである]の請求項1に記載の化合物。
  6. 治療に使用するための請求項1に記載の化合物または該化合物の薬学的に受容できる塩または溶媒和物。
  7. 関節炎、慢性関節リウマチ、リウマチ様脊椎炎、痛風性関節炎、外傷性関節炎、風疹性関節炎、乾癬性関節炎、変形性関節炎、急性滑膜炎、自己免疫性糖尿病、自己免疫性脳脊髄炎、膀胱三角炎、アテローム性動脈硬化症、末梢血管疾患、心臓血管疾患、多発性硬化症、喘息、乾癬再狭窄、心筋炎、炎症性腸疾患および転移における黒色腫細胞分裂に罹患しているかまたは罹患しやすい患者の治療に使用するための、請求項1に記載の化合物または該化合物の薬学的に受容できる塩または溶媒和物。
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