JP4860052B2 - 発光装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、陽極および陰極の間にEL(Electro Luminescence)が得られる発光性有機材料からなる薄膜(以下、有機EL膜という)を挟んだ素子(以下、EL素子という)を有する発光装置に関する。なお、有機ELディスプレイや有機発光ダイオード(OLED:Organic Light Emitting Diode)は本発明の発光装置に含まれる。
【0002】
また、本発明に用いることのできる発光性材料は、一重項励起もしくは三重項励起または両者の励起を経由して発光(燐光および/または蛍光)するすべての発光性材料を含む。
【0003】
【従来の技術】
有機EL膜を用いた発光装置が低い駆動電圧で発光することをイーストマン・コダック社が発表して以来、有機EL膜を用いた発光装置が注目されている。コダック社の発表では積層型の素子構造とすることで駆動電圧が低下することを特徴としており、各社は積層型の素子構造に関する研究開発を行ってきた。
【0004】
有機EL膜は単独で発光層として用いる場合もあるが、通常は正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層もしくは電子注入層といった有機材料と組み合わせてEL素子を形成する。このとき有機EL膜は高分子系(ポリマー系)の有機EL膜と低分子系(モノマー系)の有機EL膜がある。
【0005】
なお、本明細書では、高分子系の有機材料を高分子膜と呼び、低分子系の有機材料を低分子膜と呼ぶ。従って、高分子系の有機EL膜は高分子膜であり、低分子系の有機EL膜は低分子膜である。
【0006】
ここで本発明者らが実験したEL素子の構造を図2に示す。図2において、基板201上にはITO(Indium Tin Oxide)膜からなる陽極202が設けられ、その上にPEDOT(ポリチオフェン)からなる正孔注入層203、PPV(ポリパラフェニレンビニレン)からなる発光層204、金属膜からなる陰極205が設けられている。
【0007】
本発明者らが、試作した図2の構造のEL素子を詳細に観察した結果、陰極205にピンホールや膜剥がれが多数観測された。そして、このようなピンホール等がEL素子のダークスポット(黒点状の劣化部分)の原因となっていることが判明した。即ち、陰極205の成膜不良に起因するダークスポットが表示画質を著しく落としてしまっていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、陰極205のピンホールや膜剥がれの原因が高分子膜からなる発光層204と金属膜からなる陰極205の密着性が悪いことに起因すると考えた。即ち、PPVのような高分子膜は表面が疎水性であるため、金属膜との密着性が悪く、陰極205を成膜した時点でピンホールや膜剥がれを生じていると考えたのである。
【0009】
そこで本発明では、高分子膜を発光層もしくは電子輸送層として有するEL素子において、金属膜からなる陰極を密着性良く成膜するための技術を提供することを課題とする。また、その技術を用いて表示画質の良好な発光装置を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、高分子膜の上に直接金属膜を成膜するのではなく、高分子膜の上に密着性を向上させるためのバッファとして低分子膜を設け、その上に金属膜を設けることで密着性を改善できると考えた。
【0011】
即ち、発光層が高分子膜であれば、電子輸送層もしくは電子注入層として低分子膜を設け、その上に金属膜からなる陰極を設ければ良い。また、電子輸送層が高分子膜であれば、電子注入層として低分子膜を設け、その上に金属膜からなる陰極を設ければ良い。
【0012】
ここで本発明のEL素子の構造を図1に示す。図1において、101は絶縁体である、絶縁体とは、絶縁基板、表面に絶縁膜を設けた基板もしくは絶縁膜を指す。従って、アクティブマトリクス型発光装置において、半導体素子の上に設けられた層間絶縁膜の上にEL素子を形成するような場合、層間絶縁膜が絶縁体に相当する。
【0013】
また、102は陽極であり、発光層となる有機EL膜に正孔(ホール)を注入するための電極である。陽極102としては、酸化物導電膜(代表的には酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウムと酸化スズとの化合物または酸化インジウムと酸化亜鉛との化合物からなる導電膜)を用いれば良い。
【0014】
また、103は有機材料もしくは無機材料からなる正孔注入層であり、CuPc(銅フタロシアニン)、PEDOT(ポリチオフェン)、PAni(ポリアニリン)もしくはMTDATA(スターバストアミン)といった材料からなる薄膜を用いることができる。
【0015】
また、104は高分子膜からなる発光層であり、PPV(ポリパラフェニレンビニレン)、PVK(ポリビニルカルバゾール)、ポリフルオレンといった公知の高分子系の有機EL膜を用いることができる。
【0016】
また、105は低分子膜からなる電子輸送層であり、Alq3(トリス−8−キノリノラトアルミニウム錯体)、TAZ(1,2,4−トリアゾール)、TPOB(オキサジアゾール誘導体)、BeBq2(ベリリウム錯体)もしくはPySPy(シロール誘導体)といった公知の有機材料を用いることができる。
【0017】
なお、105は低分子膜からなる電子注入層であっても良いし、電子輸送層と電子注入層とを積層したものであっても良い。電子注入層としては、フッ化リチウム(LiF)、酸化バリウム(BaO)もしくは酸化リチウム(LiO)といった公知の無機材料を用いることもできる。
【0018】
また、106は金属膜からなる陰極であり、典型的には周期表の1族もしくは2族に属する元素(アルカリ金属元素もしくはアルカリ土類金属元素)を含む金属膜を用いることができる。この場合、金属膜としてはアルミニウム膜、銅薄膜もしくは銀薄膜を用いれば良い。また、ビスマス(Bi)膜を用いても良い。
【0019】
図1に示す構造としたEL素子は、高分子膜からなる発光層104の上に低分子膜からなる電子輸送層105が設けられ、その上に金属膜からなる陰極106が形成されるため、陰極106の密着性は良いと考えられる。
【0020】
以上のように、EL素子を本発明の素子構造とすることにより陰極の密着性が向上し、金属膜からなる陰極の膜剥がれ、ピンホールの発生等を防ぐことができる。ピンホールが発生すると、そこを通じて侵入した水分や酸素が有機EL膜と反応して有機EL膜を劣化させてしまう恐れがある。本発明は、そのような劣化原因を防ぐことで画質不良の少ない発光装置を得ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、以下に示す実施例をもって詳細に説明する。
【0022】
【実施例】
〔実施例1〕
本発明者らは、実際に図3の構造のEL素子を試作した。図3において、301はガラス基板、302はITO(Indium Tin Oxide)膜からなる陽極、303はPEDOT膜からなる正孔注入層、304はPPV膜からなる発光層、305はAlq3膜からなる電子輸送層、306はリチウムを含むアルミニウム合金膜(Al−Li合金膜)からなる陰極である。
【0023】
図3に示した構造のEL素子を実際に発光させて詳細に観察した結果、図2に示した従来構造のEL素子よりもダークスポットが低減されていることを確認することができた。
【0024】
〔実施例2〕
本実施例では、本発明をパッシブマトリクス型の発光装置に実施した場合について説明する。説明には図4を用いる。
【0025】
まず、図4(A)に示すように、表面に絶縁膜を設けた基板11の上に酸化物導電膜からなる陽極12を形成し、その上に隔壁13を形成する。隔壁13は酸化珪素膜からなる第1隔壁部13a、樹脂膜からなる第2隔壁部13bおよび窒化珪素膜からなる第3隔壁部13cで形成される。
【0026】
このとき、第1隔壁部13aはフォトリソグラフィによりパターニングすれば良い。また、第2隔壁部13bと第3隔壁部13cの形状は、第2隔壁部13bとなる樹脂膜と第3隔壁部13cとなる樹脂膜とを同一形状にエッチングした後に、第3隔壁部13cをマスクとして第2隔壁部13bとなる樹脂膜を等方的にエッチングすることで得られる。
【0027】
次に、陽極12の表面にオゾン処理を行い、高分子膜からなる正孔注入層14、高分子膜からなる発光層15および低分子膜からなる電子輸送層16を形成する。次にAl−Li合金膜を陰極17として成膜する。そして、公知の封止過程を行ってパッシブマトリクス型の発光装置が完成する。
【0028】
なお、本実施例は【課題を解決するための手段】、実施例1に記載された構成を組み合わせても良い。
【0029】
〔実施例3〕
本実施例では、本発明をアクティブマトリクス型の発光装置に実施した場合について説明する。説明には図5を用いる。
【0030】
まず、図5(A)に示すように、表面に絶縁膜を設けた基板21の上に公知の作製工程により薄膜トランジスタ(以下、TFTという)22を形成する。次に、図5(B)に示すように、酸化物導電膜からなる陽極23および酸化珪素膜からなる絶縁膜24を形成する。
【0031】
次に、陽極23の表面にオゾン処理を行い、高分子膜からなる正孔注入層25、高分子膜からなる発光層26〜28および低分子膜からなる電子輸送層29を形成する。なお、発光層26は赤色発色、発光層27は青色発色、発光層28は緑色発色に対応する。
【0032】
次にAl−Li合金膜を陰極30として成膜する。そして、公知の封止過程を行ってアクティブマトリクス型の発光装置が完成する。
【0033】
なお、本実施例は【課題を解決するための手段】、実施例1に記載された構成を組み合わせても良い。
【0034】
〔実施例4〕
本実施例では、本発明をアクティブマトリクス型の発光装置に実施した場合において、層間絶縁膜からの脱ガスを防ぐ構成を加えた構造について説明する。説明には図6を用いる。
【0035】
まず、図6(A)に示すように、表面に絶縁膜を設けた基板31の上に公知の作製工程により薄膜トランジスタ(以下、TFTという)32を形成する。本実施例では層間絶縁膜33として樹脂膜(アクリル膜、ポリイミド膜、ポリアミド膜もしくはポリイミドアミド膜)を用いる。さらに、TFT32を形成したら、層間絶縁膜33に対して第1のプラズマ処理を行う。
【0036】
本実施例では、水素、窒素、炭化水素、ハロゲン化炭素、フッ化水素もしくは希ガス中でプラズマを形成し、このプラズマに層間絶縁膜33を曝すことによりプラズマ処理を行う。
【0037】
第1のプラズマ処理の結果、電極をマスクとして自己整合的に層間絶縁膜33の最上面(表面から深さ5nmの範囲を含む)が改質され、硬質化(緻密化)された樹脂層(以下、硬質層という)34が形成される。こうして最上面が硬質化された樹脂からなる層間絶縁膜(樹脂膜33および硬質層34を含めたもの)が形成される。
【0038】
まず、この第1のプラズマ処理によって層間絶縁膜33からの脱ガスを防ぐことができる。
【0039】
次に、図6(B)に示すように、酸化物導電膜からなる陽極(画素電極)35および樹脂膜36を形成する。樹脂膜36は、陽極35の縁を覆うように設けられ、陽極35の縁以外の部分に開口部を有する。本実施例では、開口部を形成した後(即ち、樹脂膜がパターニングされた後)に、第2のプラズマ処理を行う。プラズマ処理の条件は第1のプラズマ処理と同様である。
【0040】
第2のプラズマ処理の結果、樹脂膜36の最上面(表面から深さ5nmの範囲を含む)が改質され、硬質化(緻密化)された樹脂層37が形成される。こうして最上面が硬質化された樹脂膜(樹脂膜36および硬質層37を含めたもの)が形成される。この第2のプラズマ処理によって樹脂膜36からの脱ガスを防ぐことができる。
【0041】
なお、陽極35の縁を覆う絶縁膜として、樹脂膜の代わりに窒化珪素膜や酸化珪素膜等の無機物膜を用いることもできる。無機物膜を用いた場合、脱ガスの恐れはないので、第2のプラズマ処理を行う必要はない。
【0042】
次に、陽極35の表面にオゾン処理を行い、高分子膜からなる正孔注入層38、高分子膜からなる発光層39〜41および低分子膜からなる電子輸送層42を形成する。なお、発光層39は赤色発色、発光層40は青色発色、発光層41は緑色発色に対応し、それぞれ印刷法により形成される。
【0043】
次にAl−Li合金膜を陰極43として成膜する。そして、公知の封止過程を行ってアクティブマトリクス型の発光装置が完成する。
【0044】
なお、本実施例は【課題を解決するための手段】、実施例1に記載された構成を組み合わせても良い。
【0045】
〔実施例5〕
本実施例では、本発明をアクティブマトリクス型の発光装置に実施した場合において、層間絶縁膜からの脱ガスを防ぐ構成を加えた構造について説明する。説明には図7を用いる。
【0046】
まず、図7(A)に示すように、表面に絶縁膜を設けた基板41の上に公知の作製工程により薄膜トランジスタ(以下、TFTという)42を形成する。本実施例では層間絶縁膜43として樹脂膜(アクリル膜、ポリイミド膜、ポリアミド膜もしくはポリイミドアミド膜)を用いる。さらに、TFT42を形成したら、層間絶縁膜43に対してプラズマ処理を行う。
【0047】
本実施例では、水素、窒素、炭化水素、ハロゲン化炭素、フッ化水素もしくは希ガス中でプラズマを形成し、このプラズマに層間絶縁膜43を曝すことによりプラズマ処理を行う。プラズマ処理の結果、電極をマスクとして自己整合的に層間絶縁膜43の最上面(表面から深さ5nmの範囲を含む)が改質され、硬質化(緻密化)された樹脂層(硬質層44が形成される。こうして最上面が硬質化された樹脂からなる層間絶縁膜(樹脂膜43および硬質層44を含めたもの)が形成される。このプラズマ処理によって層間絶縁膜43からの脱ガスを防ぐことができる。
【0048】
次に、図7(B)に示すように、酸化物導電膜からなる陽極(画素電極)45および樹脂膜46を形成する。樹脂膜46は、陽極45の縁を覆うように設けられ、陽極45の縁以外の部分に開口部を有する。本実施例では、開口部を形成した後(即ち、樹脂膜がパターニングされた後)に、保護膜(典型的には非晶質炭素膜もしくは窒化珪素膜)47を形成する。
【0049】
本実施例では、保護膜47として非晶質炭素膜(具体的にはダイヤモンドライクカーボン膜)を用いる。本実施例で用いる非晶質炭素膜からなる保護膜47は、ダイヤモンド類似の硬度を有した炭素膜であり、水分や酸素等の侵入を効果的に防ぐパッシベーション効果を有している。本実施例では、非晶質炭素膜47をプラズマCVD法で形成した後、パターニングを行って陽極45上に、前述の樹脂膜46の開口部よりも径の小さい開口部を形成する。
【0050】
図7(B)の構造とすることで、樹脂膜46の最上面(表面)が保護膜47で完全に覆われるため、樹脂膜46からの脱ガスを防ぐことができる。非晶質炭素膜47は5〜20nmの厚さで形成しておけば良い。
【0051】
次に、陽極45の表面にオゾン処理を行い、高分子膜からなる正孔注入層48、高分子膜からなる発光層49〜51および低分子膜からなる電子輸送層52を形成する。なお、発光層49は赤色発色、発光層50は青色発色、発光層51は緑色発色に対応し、それぞれ印刷法により形成される。
【0052】
次にAl−Li合金膜を陰極53として成膜する。そして、公知の封止過程を行ってアクティブマトリクス型の発光装置が完成する。
【0053】
なお、本実施例は【課題を解決するための手段】、実施例1に記載された構成を組み合わせても良い。また、本実施例では、層間絶縁膜43の脱ガスを実施例4と同様の方法で防ぐ構成としたが、層間絶縁膜43上に保護膜47と同じパッシベーション効果を有する膜を設ける構成とすることもできる。
【0054】
〔実施例6〕
実施例4では、層間絶縁膜33に対して第1のプラズマ処理を行っているが、層間絶縁膜33の最上面が露呈しない場合、即ち、その上に陽極35および樹脂膜36が設けられ、最上面が全て覆われている場合は、第1のプラズマ処理を省略することもできる。
【0055】
また、実施例5では、層間絶縁膜43に対してプラズマ処理を行っているが、層間絶縁膜43の最上面が露呈しない場合、即ち、その上に陽極45および樹脂膜46が設けられ、最上面が全て覆われている場合は、プラズマ処理を省略することもできる。
【0056】
なお、本実施例は【課題を解決するための手段】、実施例1、実施例4または実施例5に記載された構成を組み合わせても良い。
【0057】
〔実施例7〕
本実施例では、本発明をアクティブマトリクス型の発光装置に実施した場合について説明する。実施例3乃至実施例5では、TFTとしてトップゲート型TFT(具体的にはプレーナ型TFT)を作製した例を示しているが、本実施例ではボトムゲート型TFT(具体的には逆スタガ型TFT)を用いる。
【0058】
なお、その他の構成は実施例3乃至実施例6と同様であるので、本実施例での詳細な説明は省略する。
【0059】
〔実施例8〕
本発明を実施して形成された発光装置は、自発光型であるため液晶表示装置に比べて明るい場所での視認性に優れ、しかも視野角が広い。従って、様々な電気器具の表示部として用いることができる。
【0060】
本発明の電気器具としては、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響機器、ノート型パーソナルコンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍)、記録媒体を備えた画像再生装置などが挙げられる。それら電気器具の具体例を図8、図9に示す。
【0061】
図8(A)はELディスプレイであり、筐体2001、支持台2002、表示部2003を含む。本発明の発光モジュールは表示部2003に用いることができる。本発明の発光モジュールを表示部に用いることでELディスプレイの視認性を向上させ、消費電力を下げることが可能である。
【0062】
図8(B)はビデオカメラであり、本体2101、表示部2102、音声入力部2103、操作スイッチ2104、バッテリー2105、受像部2106を含む。本発明の発光モジュールは表示部2102に用いることができる。
【0063】
図8(C)はデジタルカメラであり、本体2201、表示部2202、接眼部2203、操作スイッチ2204を含む。本発明の発光モジュールは表示部2202に用いることができる。
【0064】
図8(D)は記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDVD再生装置)であり、本体2301、記録媒体(CD、LDまたはDVD等)2302、操作スイッチ2303、表示部(a)2304、表示部(b)2305を含む。表示部(a)は主として画像情報を表示し、表示部(b)は主として文字情報を表示するが、本発明の発光モジュールはこれら表示部(a)、(b)に用いることができる。なお、記録媒体を備えた画像再生装置には、CD再生装置、ゲーム機器なども含まれうる。
【0065】
図8(E)は携帯型(モバイル)コンピュータであり、本体2401、表示部2402、受像部2403、操作スイッチ2404、メモリスロット2405を含む。本発明の発光モジュールは表示部2402に用いることができる。この携帯型コンピュータはフラッシュメモリや不揮発性メモリを集積化した記録媒体に情報を記録したり、それを再生したりすることができる。
【0066】
図8(F)はパーソナルコンピュータであり、本体2501、筐体2502、表示部2503、キーボード2504を含む。本発明の発光モジュールは表示部2503に用いることができる。
【0067】
また、上記電気器具はインターネットやCATV(ケーブルテレビ)などの電子通信回線を通じて配信された情報を表示することが多くなり、特に動画情報を表示する機会が増してきている。表示部にEL素子を有した発光装置を用いた場合、EL素子の応答速度が非常に高いため遅れのない動画表示が可能となる。
【0068】
また、発光装置は発光している部分が電力を消費するため、発光部分が極力少なくなるように情報を表示することが望ましい。従って、携帯情報端末、特に携帯電話や音響機器のような文字情報を主とする表示部に発光装置を用いる場合には、非発光部分を背景として文字情報を発光部分で形成するように駆動することが望ましい。
【0069】
ここで図9(A)は携帯電話であり、キー操作を行う部位(操作部)2601、情報表示を行う部位(情報表示部)2602であり、操作部2601および情報表示部2602は連結部2603で連結している。また、操作部2601には音声入力部2604、操作キー2605が設けられ、情報表示部2602には音声出力部2606、表示部2607が設けられている。
【0070】
本発明の発光装置は表示部2607に用いることができる。なお、表示部2607に発光装置を用いる場合、黒色の背景に白色の文字を表示することで携帯電話の消費電力を抑えることができる。
【0071】
図9(A)に示した携帯電話の場合、表示部2607に用いた発光装置にCMOS回路でセンサ(CMOSセンサ)を内蔵させ、指紋もしくは手相を読みとることで使用者を認証する認証システム用端末として用いることもできる。また、外部の明るさ(照度)を読みとり、設定されたコントラストで情報表示が可能となるように発光させることもできる。
【0072】
さらに、操作スイッチ2605を使用している時に輝度を下げ、操作スイッチの使用が終わったら輝度を上げることで低消費電力化することができる。また、着信した時に表示部2607の輝度を上げ、通話中は輝度を下げることによっても低消費電力化することができる。また、継続的に使用している場合に、リセットしない限り時間制御で表示がオフになるような機能を持たせることで低消費電力化を図ることもできる。なお、これらはマニュアル制御であっても良い。
【0073】
また、図9(B)は車載用オーディオであり、筐体2701、表示部2702、操作スイッチ2703、2704を含む。本発明の発光装置は表示部2702に用いることができる。また、本実施例では音響機器の例として車載用オーディオ(カーオーディオ)を示すが、据え置き型のオーディオ(オーディオコンポーネント)に用いても良い。なお、表示部2704に発光装置を用いる場合、黒色の背景に白色の文字を表示することで消費電力を抑えられる。
【0074】
以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電気器具に用いることが可能である。また、本実施例の電気器具は実施例1〜7のいずれの構成を含む発光装置を用いても良い。
【0075】
【発明の効果】
本発明を実施することで陰極の密着性を向上することができ、ダークスポットや膜剥がれに起因する画質不良の少ない発光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のEL素子の構造を示す図。
【図2】 従来のEL素子の構造を示す図。
【図3】 本発明のEL素子の構造を示す図。
【図4】 発光装置の製造方法を示す図。
【図5】 発光装置の製造方法を示す図。
【図6】 発光装置の製造方法を示す図。
【図7】 発光装置の製造方法を示す図。
【図8】 電気器具の一例を示す図。
【図9】 電気器具の一例を示す図。

Claims (6)

  1. 薄膜トランジスタと、
    水素、窒素または炭化水素中のプラズマ処理により上面が硬質化された樹脂からなる、前記薄膜トランジスタ上の層間絶縁膜と、
    前記層間絶縁膜上に設けられ、前記薄膜トランジスタと電気的に接続された陽極と、
    前記陽極の端部を覆う樹脂膜と、
    前記樹脂膜を覆い、かつ、前記陽極上に一部延在して設けられた保護膜と、
    前記陽極上に設けられた有機材料からなる高分子膜と、
    前記高分子膜に接して設けられた有機材料からなる低分子膜またはフッ化リチウム、酸化バリウムもしくは酸化リチウムでなる無機膜と、
    前記低分子膜または前記無機膜に接して設けられた陰極とを有することを特徴とする発光装置。
  2. 薄膜トランジスタと、
    水素、窒素または炭化水素中のプラズマ処理により上面が硬質化された樹脂からなる、前記薄膜トランジスタ上の層間絶縁膜と、
    前記層間絶縁膜上に設けられ、前記薄膜トランジスタと電気的に接続された陽極と、
    水素、窒素または炭化水素中のプラズマ処理により上面が硬質化された樹脂からなる、前記陽極の端部を覆う樹脂膜と、
    前記陽極上に設けられた有機材料からなる高分子膜と、
    前記高分子膜に接して設けられた有機材料からなる低分子膜またはフッ化リチウム、酸化バリウムもしくは酸化リチウムでなる無機膜と、
    前記低分子膜または前記無機膜に接して設けられた陰極とを有することを特徴とする発光装置。
  3. 請求項1において、前記保護膜は非晶質炭素膜であることを特徴とする発光装置。
  4. 請求項1において、前記保護膜は窒化珪素膜であることを特徴とする発光装置。
  5. 請求項1乃至のいずれか一において、前記高分子膜を設ける前に前記陽極の表面にオゾン処理が行われることを特徴とする発光装置。
  6. 請求項1乃至請求項のいずれか一に記載の発光装置を表示部に用いたことを特徴とする電気器具。
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