JP4858255B2 - シミュレーションにより異常診断支援を行うフィールド機器 - Google Patents

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Description

本発明は、異常診断処理を行うフィールド機器に関し、シミュレーションによって異常診断結果に基づく模擬値を生成し、その模擬値を使用して異常診断を行い、その模擬値をユーザーに知らせることによって、適切な異常診断処理を支援するフィールド機器関するものである。
フィールド機器は、センサにより検出した物理量に基づきプロセス値などを演算するほか、センサの故障などを診断する異常診断処理を行う。プラント設備において、コンピュータなどのホスト装置はフィールド機器に接続され、プロセス制御を行う。また、ホスト装置は、プロセス制御が行われていないときに(オフライン状態)、テストとして、フィールド機器からセンサ故障の異常診断結果を受け取ることができるかどうかを確認することがある。このとき、実際にセンサを故障させることなく、フィールド機器は、シミュレーションによりセンサ故障を示す模擬異常診断結果を生成し、ホスト装置に出力することによって、ホスト装置は前記テストを行うことができる。このようなフィールド機器について、図5を用いて説明する。
フィールド機器11は、センサ1、入力処理部2、演算処理部3、異常診断処理部4、シミュレーション部5、出力処理部6、表示部7などから構成される。フィールド機器11は、伝送線路10を経由し、ホスト装置8や設定器9などに接続されて、プラント設備が構成される。
フィールド機器11が圧力伝送器の場合、振動式センサ1は測定対象である圧力(物理量)を検出し、振動周波数信号に変換する。振動周波数信号は、入力処理部2を経由して演算処理部3に入力される。演算処理部3は、振動周波数値に基づき演算を行い、圧力値(プロセス値)を算出する。この圧力値は、出力処理部6を経由してホスト装置8や設定器9に伝送され、ホスト装置8は、その圧力値を用いて圧力制御(プロセス制御)を行う。また、表示部7において、その圧力値が表示される。
演算処理部3は、センサの故障を診断するための診断変数値として、前記周波数値を算出し異常診断処理部4に出力する。異常診断処理部4は、その周波数値を上限閾値および下限閾値と比較し、その周波数値が上限閾値より大きいまたは下限閾値より小さければ、センサ故障が発生したものと判断し、センサ故障発生を異常診断結果とする。その異常診断結果は出力処理部6を経由してホスト装置8や設定器9に伝送される。また、表示部7において、その模擬異常診断結果が表示される。
シミュレーション部5は、シミュレーション動作信号に基づき、模擬異常診断結果D1を生成し、異常診断処理部4に設定する。その模擬異常診断結果D1は、出力処理部6を経由してホスト装置8や設定器9に伝送される。また、表示部7において、その模擬異常診断結果が表示される。
ホスト装置8は、オフライン状態のときにテストとして、フィールド機器からセンサ故障の異常診断結果を受け取ることができるかどうかを確認することがある。このとき、ホスト装置8が、シミュレーション部5にシミュレーション動作信号を送ることにより、シミュレーション部5は、センサ故障を示す模擬異常診断結果D1を生成し、異常診断処理部4に設定する。その模擬異常診断結果D1は、出力処理部6を経由してホスト装置8に伝送される。これにより、実際にセンサを故障させることなく、ホスト装置8は前記テストを行うことができる。
特開2006−79240号公報
フィールド機器が行う異常診断には、前記センサ故障のほか、圧力伝送器にあっては導圧管詰まり診断、電磁流量計にあっては電極付着診断などがある。
圧力伝送器の導圧管詰まり診断について説明する(特開2006−329846参照)。測定流体が流れる配管にオリフィスを挿入し、オリフィスを境として上流側の測定流体と下流側の測定流体を導圧管を経由して圧力伝送器に導く。圧力伝送器は、上流側の測定流体の圧力値(以下、「高圧側圧力値」という)、下流側の測定流体の圧力値(以下、「低圧側圧力値」という)とその圧力差(以下、「差圧値」という)を演算する。一方、測定流体中の異物が導圧管に堆積するなどして導圧管が詰まり、圧力伝送器が正確な圧力を測定できなくなることがあるため、次のような導圧管詰まり診断処理を行い、詰まりを検知したときに異常としてユーザーに知らせる。
演算処理部3は、高圧側圧力値に基づき高圧側圧力揺動値を演算し、高圧側圧力揺動値に基づき高圧側圧力分散値を演算する。同様に演算処理部3は、低圧側圧力値に基づき低圧側圧力揺動値を演算し、低圧側圧力揺動値に基づき低圧側圧力分散値を演算する。さらに演算処理部3は、差圧値に基づき差圧揺動値を演算し、差圧揺動値に基づき差圧分散値を演算する。そして、演算処理部3は、前記高圧側圧力分散値と前記低圧側圧力分散値との比率を、導圧管詰まり診断の診断変数値の一つとして演算する。異常診断処理部4は、前記比率を演算処理部3から受け取り、上限閾値および下限閾値と比較し、その比率が上限閾値より大きいまたは下限閾値より小さければ、導圧管詰まり発生を異常診断結果とする。
ここで、測定流体の種類、測定流体に混入されている異物の大きさや導圧管の内径などの違いによって、詰まりの進行具合や許容される詰まり具合が異なったり、また前記のような複雑な演算を行うため、ユーザーによる適切な閾値の決定が困難な場合がある。また、複雑な演算であるため、ユーザーが、圧力伝送器から出力される圧力揺動値や圧力分散値を確認しても、あとどれくらいの期間が経過したら導圧管詰まり異常が発生するかを予測することが困難な場合がある。また、導圧管の詰まりが発生していなくとも、測定流体が脈動を起こすことにより、圧力揺動値や圧力分散値が大きくなり、導圧管詰まり異常が誤って発生する場合もある。
次に、電磁流量計の電極付着診断について説明する(特開2003−97986参照)。電磁流量計のセンサ1は、センサ管内の測定流体に与えられた磁界により誘起される起電力を、検出電極により検出する。演算処理部3は、その検出電圧に基づき測定流体の流速値および流量値を演算する。一方、測定流体中の絶縁物が検出電極に付着することにより、センサ1が正確な起電力を検出できず、電磁流量計が正確な流量値を測定できなくなることがあるため、次のような電極付着診断処理を行い、付着を検知したときに異常としてユーザーに知らせる。
センサ1において、検出電極とアース電極との間に交流信号が与えられ、そのとき発生する電気信号が検出電極により検出される。演算処理部3は、検出された電気信号に基づき、検出電極とアース電極との間の抵抗値を、電極付着診断の診断変数値として演算する。異常診断処理部4は、前記抵抗値を演算処理部3から受け取り、閾値と比較し、その抵抗値が閾値より大きければ、電極付着発生を異常診断結果とする。
ここで、測定流体の導電率や測定流体に含まれる絶縁物の種類や量などの違いにより、抵抗値の挙動や許容される抵抗値が異なるため、ユーザーによる適切な閾値の決定が困難な場合がある。また、ユーザーが電磁流量計から出力される抵抗値を確認しても、あとどれくらいの期間が経過したら電極付着異常が発生するかを予測することが困難な場合がある。また、測定流体がセンサの管内を満たしていない場合、電極付着が発生していなくとも、抵抗値が大きくなり電極付着異常が誤って発生する場合もある。導圧管詰まり診断や電極付着診断のように、測定流体などの状態の影響を受けやすい異常診断には、このような困難なことが起こりうる。
本発明の目的は、異常診断処理を行うフィールド機器に関し、シミュレーションによって異常診断結果に基づく模擬値を生成し、その模擬値を使用して異常診断を行い、その模擬値をユーザーに知らせることによって、ユーザーにより適切な閾値の決定、異常発生の予測や異常の誤発生の防止を可能とする、適切な異常診断処理を支援するフィールド機器提供することである。
このような目的を達成するために、請求項1の発明は、
センサにより検出した物理量に基づき演算を行う演算処理部と、その演算値と閾値を比較して前記物理量の異常診断を行う異常診断処理部と、伝送線路を介して接続された外部装置から送られるテストとしてのシミュレーション動作信号に基づいて前記物理量の異常を示す模擬異常診断結果を生成して前記異常診断処理部に設定するシミュレーション部と、前記異常診断処理部に設定された前記模擬異常診断結果を前記外部装置に出力する出力処理部を備えたフィールド機器において、
前記異常診断処理部は、前記シミュレーション部によって生成されて前記演算処理部に設定された模擬演算値を受け取り、この模擬演算値と閾値を比較して異常診断を行い、
前記シミュレーション部は、前記異常診断処理部によって前記模擬演算値と閾値を比較して行われた異常診断結果を受け取り、この異常診断結果が前回の異常診断結果に対して変更されていなければ、新たな模擬演算値を生成して前記演算処理部に設定し、
前記出力処理部は、前記異常診断結果が前回の異常診断結果に対して変更されていれば、その時の模擬演算値を前記外部装置へ出力する、
ことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記演算処理部は、前記シミュレーション部から出力される選択信号に基づいて前記演算値と前記模擬演算値のいずれかを選択する選択部を備え、
前記シミュレーション部は、前記シミュレーション動作信号が演算値をシミュレーションするものであれば、前記演算処理部に前記模擬演算値を選択させる前記選択信号を出力する、
ことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または2のいずれかに記載の発明において、
前記シミュレーション部は、前記演算処理部によって演算された診断変数値を模擬した模擬診断変数値を、前記模擬演算値として生成して前記演算処理部に設定し、
前記異常診断処理部は、前記模擬診断変数値と前記閾値を比較して異常診断を行う、
ことを特徴とする。
請求項の発明は、請求項1からのいずれかに記載の発明において、
前記異常診断は、圧力伝送器の導圧管詰まり診断である、
ことを特徴とする。


請求項の発明は、請求項1からのいずれかに記載の発明において、
前記異常診断は、電磁流量計の電極付着診断である、
ことを特徴とする。
本発明によれば、異常診断処理を行うフィールド機器に関し、シミュレーションによって異常診断結果に基づく模擬演算値を生成し、その模擬演算値を使用して異常診断を行い、異常診断結果が前回の異常診断結果に対して変更されていれば、その時の模擬演算値をユーザーに知らせることによって、異常発生の予測を可能とする、適切な異常診断処理を支援するフィールド機器実現できる。
[第1の実施例]
第1の実施例を図1を用いて説明する。図1は、本発明を適用したフィールド機器のブロック図であり、図5と同一のものは同一符号を付し説明を省略する。本実施例は、シミュレーション部が異常診断結果に基づき模擬演算値または模擬閾値を生成し、その模擬演算値または模擬閾値を使用して異常診断を行い、その模擬演算値または模擬閾値をユーザーに知らせるものである。
フィールド機器13は、センサ1、入力処理部2、演算処理部3、異常診断処理部4、シミュレーション部12、出力処理部6、表示部7などから構成される。フィールド機器13の出力処理部6は、伝送線路10を経由しホスト装置8や設定器9などに接続され、プラント設備が構成される。
フィールド機器13が圧力伝送器の場合、振動式センサであるセンサ1は、測定対象(物理量)である圧力を検出し、振動周波数信号に変換する。入力処理部2は、センサ1から振動周波数信号を受け取り、周波数値をカウントする。演算処理部3は入力処理部2から周波数値を受け取り、その値に基づき演算を行い、圧力値(プロセス値)を算出する。この圧力値は、出力処理部6を経由してホスト装置8や設定器9に伝送され、ホスト装置8は、その圧力値を用いて圧力制御(プロセス制御)を行う。また、表示部7において、その圧力値が表示される。出力処理部6は、前記圧力値に比例した電流(例えば4から20ミリアンペアの範囲内)をホスト装置8や設定器9に伝送したり、フィールドバス通信(ファウンデーションフィールドバス、プロフィーバスなど)を用いて圧力値のデータをデジタル通信により伝送してもよい。また、表示部7は液晶表示などのような表示部を有する。なお、設定器9は、プロセス値を表示したり、フィールド機器13にパラメータを設定できる機能などを有し、携帯型であってもよい。
また、フィールド機器13が電磁流量計の場合、測定流体を流す管、励磁コイルと検出電極などから構成されるセンサ1は、測定対象(物理量)として、センサ管内の測定流体に与えられた磁界により誘起される起電力を、検出電極により検出する。入力処理部2は、センサ1から起電力信号を受け取り、その信号を増幅した後にAD変換を行う。演算処理部3は、入力処理部2からAD変換値を受け取り、その値に基づき演算を行い、流速値と流量値(プロセス値)を算出する。この流量値は、出力処理部6を経由してホスト装置8や設定器9に伝送され、ホスト装置8は、その流量値を用いて流量制御(プロセス制御)を行う。また、表示部7において、その流量値が表示される。出力処理部6は、前記流量値に比例した電流(例えば4から20ミリアンペアの範囲内)をホスト装置8や設定器9に伝送したり、フィールドバス通信(ファウンデーションフィールドバス、プロフィーバスなど)を用いて流量値のデータをデジタル通信により伝送してもよい。また、表示部7は液晶表示などのような表示部を有する。
演算処理部3は、センサの故障診断、圧力伝送器における導圧管詰まり診断、電磁流量計における電極付着診断などを行うための診断変数値を演算する。異常診断処理部4は、演算処理部3において演算されたプロセス値と診断変数値を含む演算値を受け取り、演算値と閾値を比較し異常診断処理を行う。その異常診断結果は、出力処理部6を経由してホスト装置8や設定器9に伝送され、また表示部7に表示される。
圧力伝送器の導圧管詰まり診断について説明する(特開2006−329846参照)。測定流体が流れる配管にオリフィスを挿入し、オリフィスを境として上流側の測定流体と下流側の測定流体を導圧管を経由して圧力伝送器に導く。圧力伝送器は、上流側の測定流体の圧力値(以下、「高圧側圧力値」という)、下流側の測定流体の圧力値(以下、「低圧側圧力値」という)とその圧力差(以下、「差圧値」という)を演算する。一方、測定流体中の異物が導圧管に堆積するなどして導圧管が詰まり、圧力伝送器が正確な圧力を測定できなくなることがあるため、次のような導圧管詰まり診断処理を行い、詰まりを検知したときに異常としてユーザーに知らせる。
演算処理部3は、高圧側圧力値に基づき高圧側圧力揺動値を演算し、高圧側圧力揺動値に基づき高圧側圧力分散値を演算する。同様に演算処理部3は、低圧側圧力値に基づき低圧側圧力揺動値を演算し、低圧側圧力揺動値に基づき低圧側圧力分散値を演算する。さらに演算処理部3は、差圧値に基づき差圧揺動値を演算し、差圧揺動値に基づき差圧分散値を演算する。そして、演算処理部3は、前記高圧側圧力分散値と前記低圧側圧力分散値との比率を、導圧管詰まり診断の診断変数値の一つとして演算する。異常診断処理部4は、前記比率を演算処理部3から受け取り、上限閾値および下限閾値と比較し、その比率が上限閾値より大きいまたは下限閾値より小さければ、導圧管詰まり発生を異常診断結果とする。
次に、電磁流量計の電極付着診断について説明する(特開2003−97986参照)。測定流体中の絶縁物が検出電極に付着し、センサ1が正確な起電力を検出できず、電磁流量計が正確な流量値を測定できなくなることがあるため、次のような電極付着診断処理を行い、付着を検知したときに異常としてユーザーに知らせる。
センサ1において、検出電極とアース電極との間に交流信号が与えられ、そのとき発生する電気信号が検出電極により検出される。演算処理部3は、検出された電気信号に基づき、検出電極とアース電極との間の抵抗値を、電極付着診断の診断変数値として演算する。異常診断処理部4は、前記抵抗値を演算処理部3から受け取り、閾値と比較し、その抵抗値が閾値より大きければ、電極付着発生を異常診断結果とする。
シミュレーション部12の動作について、図3も用いて説明する。図3は、シミュレーション処理の動作フローチャートである。シミュレーション部12は、シミュレーション動作信号を取得し(ステップS1)、その信号が異常診断結果をシミュレーションする要求であれば(ステップS2)、模擬異常診断結果D1を生成し(ステップS3)、異常診断処理部4に設定する(ステップS4)。その模擬異常診断結果D1は、出力処理部6を経由してホスト装置8や設定器9に伝送され、また表示部7において表示される(ステップS16)。これにより、実際に異常を起こすことなく、ホスト装置8は、テストとしてフィールド機器13から異常診断結果を受け取ることができるかどうかを確認できる。なお、ホスト装置8や設定器9は、前記シミュレーション動作信号を、伝送線路10を経由してフィールド機器13へ送信し、シミュレーション部12は出力処理部6を経由して、そのシミュレーション動作信号を取得することができる。また、ホスト装置8や設定器9は、前記シミュレーション動作信号を、接点信号としてフィールド機器13へ入力してもよい。
ここで、導圧管詰まり診断において、測定流体の種類、測定流体に混入されている異物の大きさや導圧管の内径などの違いによって、詰まりの進行具合や許容される詰まり具合が異なったり、また前記のような複雑な演算を行うため、ユーザーによる適切な閾値の決定が困難な場合がある。また、複雑な演算であるため、ユーザーが、圧力伝送器から出力される圧力揺動値や圧力分散値を確認しても、あとどれくらいの期間が経過したら導圧管詰まり異常が発生するかを予測することが困難な場合がある。また、導圧管の詰まりが発生していなくとも、測定流体が脈動を起こすことにより、圧力揺動値や圧力分散値が大きくなり、導圧管詰まり異常が誤って発生する場合もある。
また、電極付着診断において、測定流体の導電率や測定流体に含まれる絶縁物の種類や量などの違いにより、抵抗値の挙動や許容される抵抗値が異なるため、ユーザーによる適切な閾値の決定が困難な場合がある。また、ユーザーが電磁流量計から出力される抵抗値を確認しても、あとどれくらいの期間が経過したら電極付着異常が発生するかを予測することが困難な場合がある。また、測定流体がセンサの管内を満たしていない場合、電極付着が発生していなくとも、抵抗値が大きくなり電極付着異常が誤って発生する場合もある。導圧管詰まり診断や電極付着診断のように、測定流体などの状態の影響を受けやすい異常診断には、このような困難なことが起こりうる。
そのため、シミュレーション部12は、シミュレーション動作信号による要求が閾値をシミュレーションするものであれば(ステップS5)、模擬閾値D2を生成し(ステップS6)、異常診断処理部4に設定する(ステップS7)。異常診断処理部4は、診断変数値などの演算値と模擬閾値D2を比較し異常診断処理を行う(ステップS8)。シミュレーション部12は、その異常診断結果を受け取り、前回の結果に対し変更されていなければ(ステップS9)、新たな模擬閾値D2を生成し(ステップS10)、異常診断処理部4に設定する(ステップS7)。そして、異常診断処理部4は同様に異常診断処理を行う(ステップS8)。そして、その異常診断結果が、前回の結果に対し変更されていれば、その時の模擬閾値D2は、出力処理部6を経由してホスト装置8や設定器9に伝送され、また表示部7において表示される(ステップS16)。
これにより、ユーザーは、ホスト装置8や設定器9において、異常診断結果が正常から異常になる時の模擬閾値D2を確認して、その値に基づき適切な閾値を決定し、その値をホスト装置8や設定器9からフィールド機器13に設定することができる。
また、シミュレーション部12は、シミュレーション動作信号による要求が演算値をシミュレーションするものであれば(ステップS5)、模擬演算値D3を生成し(ステップS11)、演算処理部3に設定する(ステップS12)。異常診断処理部4は、模擬演算値D3を演算処理部3から受け取り、その値と閾値を比較し異常診断処理を行う(ステップS13)。シミュレーション部12は、その異常診断結果を受け取り、前回の結果に対し変更されていなければ(ステップS14)、新たな模擬演算値D3を生成し(ステップS15)、演算処理部3に設定する(ステップS12)。そして、異常診断処理部4は同様に異常診断処理を行う(ステップS13)。そして、その異常診断結果が、前回の結果に対し変更されていれば、その時の模擬演算値D3は、出力処理部6を経由してホスト装置8や設定器9に伝送され、また表示部7において表示される(ステップS16)。
これにより、ユーザーは、ホスト装置8や設定器9において、異常診断結果が正常から異常になる時の模擬演算値D3を確認できる。そして、ユーザーは通常のプロセス制御状態において、フィールド機器13から出力される演算値(例えば、圧力伝送器から出力される前記分散の比率、電磁流量計から出力される前記抵抗値)を確認して、あとどれくらいの期間が経過したら異常(例えば、導圧管詰まり診断異常、電極付着診断異常)が発生するかを予測することができる。
また、圧力伝送器において、測定流体が脈動を起こすことにより、導圧管詰まりが発生していなくとも、導圧管詰まり異常が誤発生したり、電磁流量計において、測定流体がセンサの管内を満たしておらず、電極付着が発生していなくとも、電極付着異常が誤発生している場合がある。このとき、ユーザーは、ホスト装置8や設定器9において、異常診断結果が異常から正常になる時の模擬閾値D2を確認して、その値に基づき適切な閾値を決定し、その値をホスト装置8や設定器9からフィールド機器13に設定することにより、異常の誤発生を防止することができる。
また、図2を用いて、本発明を適用した他のフィールド機器のブロック図を説明する。なお、図1と同一のものは同一符号を付し説明を省略する。本実施例は、シミュレーション部19から出力される模擬閾値D2、模擬演算値D3、模擬異常診断結果D1を、シミュレーション部19から出力される選択信号D5、D6、D4に基づき、選択部15、17、18によって選択して異常診断処理を行うものである。
異常診断処理部16における選択部18は、異常診断結果と模擬異常診断結果D1を選択信号D4に基づき選択し、選択された結果は、出力処理部6を経由してホスト装置8や設定器9に伝送され、また表示部7において表示される。
異常診断処理部16における選択部17は、閾値と模擬閾値D2を選択信号D5に基づき選択し、異常診断処理部16は選択された値に基づき異常診断処理を行う。図3のステップS7において、選択部17は模擬閾値D2を選択し、異常診断処理部16は異常診断を行う(図3のステップS8)。異常診断結果は、出力処理部6を経由してホスト装置8や設定器9に伝送され、また表示部7において表示される。
演算処理部14における選択部15は、演算値と模擬演算値D3を選択信号D6に基づき選択し、異常診断処理部16は、その選択された値を演算処理部14から受け取り、その値に基づき異常診断処理を行う。図3のステップS12において、選択部15は模擬演算値D3を選択し、異常診断処理部16は異常診断を行う(図3のステップS13)。異常診断結果は、出力処理部6を経由してホスト装置8や設定器9に伝送され、また表示部7において表示される。
本実施例によって、異常診断処理を行うフィールド機器に関し、シミュレーションによって異常診断結果に基づく模擬値を生成し、その模擬値を使用して異常診断を行い、その模擬値をユーザーに知らせることによって、ユーザーにより適切な閾値の決定、異常発生の予測や異常の誤発生の防止を可能とする、適切な異常診断処理を支援するフィールド機器とそのシミュレーション方法を実現できる。
[第2の実施例]
第2の実施例を図4を用いて説明する。図4は、シミュレーション処理の動作フローチャートである。本実施例は、シミュレーション処理により異常診断結果が変更されたとき、フィールド機器が閾値を書き換えるものである。
シミュレーション処理において、シミュレーション部12は、シミュレーション動作信号による要求が閾値をシミュレーションするものであれば(ステップS21)、模擬閾値D2を生成し(ステップS22)、異常診断処理部4に設定する(ステップS23)。異常診断処理部4は、診断変数値などの演算値と模擬閾値D2を比較し異常診断処理を行う(ステップS24)。シミュレーション部12は、その異常診断結果を受け取り、前回の結果に対し変更されていなければ(ステップS25)、新たな模擬閾値D2を生成し(ステップS26)、異常診断処理部4に設定する(ステップS23)。そして、異常診断処理部4は同様に異常診断処理を行う(ステップS24)。
そして、その異常診断結果が、前回の結果に対し変更されていれば、シミュレーション部12は、その時の模擬閾値D2に所定の値を加算または減算した値を生成し、生成した値を異常診断処理部4の閾値に書き換える(ステップS27)。ユーザーは、この所定の値を、ホスト装置8や設定器9からフィールド機器13に設定することができる。なお、図4のステップS17からステップS26は、図3のステップS1からステップS10と同様の処理を行い、図4のステップS28からステップS33は、図3のステップS11からステップS16と同様の処理を行う。
本実施例によって、異常診断処理を行うフィールド機器に関し、シミュレーションによって異常診断結果に基づく模擬閾値を生成し、その模擬閾値を使用して異常診断を行い、異常診断結果が変更された時の模擬閾値に所定の値を加算または減算した値を、異常診断処理部の閾値に書き換えることにより、適切な閾値を設定でき、それにより適切な異常の発生や異常の誤発生防止を実現できる。
なお、異常診断にはほかに、測定流体に混入した気泡を検知したときに発生する異常、センサが振動を受けて振動を検知したときに発生する異常、プロセス値(圧力値、流量値、温度値、レベル値など)が所定の範囲外になるときに発生する異常やフィールドバスにおけるコンフィグレーション異常などの診断がある。フィールド機器は、測定対象(物理量)として温度やレベルを検出する温度伝送器やレベル計などがあり、流量計は、渦流量計、超音波流量計やコリオリ式流量計などがある。
本発明を適用したフィールド機器のブロック図である。 本発明を適用したフィールド機器のブロック図の他の例である。 シミュレーション処理の動作フローチャートである。 シミュレーション処理の動作フローチャートの他の例である。 従来のフィールド機器のブロック図である。
符号の説明
1 センサ
2 入力処理部
3 演算処理部
4 異常診断処理部
6 出力処理部
7 表示部
8 ホスト装置
9 設定器
10 伝送線路
12 シミュレーション部
13 フィールド機器

Claims (5)

  1. センサにより検出した物理量に基づき演算を行う演算処理部と、その演算値と閾値を比較して前記物理量の異常診断を行う異常診断処理部と、伝送線路を介して接続された外部装置から送られるテストとしてのシミュレーション動作信号に基づいて前記物理量の異常を示す模擬異常診断結果を生成して前記異常診断処理部に設定するシミュレーション部と、前記異常診断処理部に設定された前記模擬異常診断結果を前記外部装置に出力する出力処理部を備えたフィールド機器において、
    前記異常診断処理部は、前記シミュレーション部によって生成されて前記演算処理部に設定された模擬演算値を受け取り、この模擬演算値と閾値を比較して異常診断を行い、
    前記シミュレーション部は、前記異常診断処理部によって前記模擬演算値と閾値を比較して行われた異常診断結果を受け取り、この異常診断結果が前回の異常診断結果に対して変更されていなければ、新たな模擬演算値を生成して前記演算処理部に設定し、
    前記出力処理部は、前記異常診断結果が前回の異常診断結果に対して変更されていれば、その時の模擬演算値を前記外部装置へ出力する、
    ことを特徴とするフィールド機器。
  2. 前記演算処理部は、前記シミュレーション部から出力される選択信号に基づいて前記演算値と前記模擬演算値のいずれかを選択する選択部を備え、
    前記シミュレーション部は、前記シミュレーション動作信号が演算値をシミュレーションするものであれば、前記演算処理部に前記模擬演算値を選択させる前記選択信号を出力する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のフィールド機器。
  3. 前記シミュレーション部は、前記演算処理部によって演算された診断変数値を模擬した模擬診断変数値を、前記模擬演算値として生成して前記演算処理部に設定し、
    前記異常診断処理部は、前記模擬診断変数値と前記閾値を比較して異常診断を行う、
    ことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のフィールド機器。
  4. 前記異常診断は、圧力伝送器の導圧管詰まり診断である、
    ことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のフィールド機器。
  5. 前記異常診断は、電磁流量計の電極付着診断である、
    ことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のフィールド機器。
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