JP4857707B2 - 燃料電池のカソードガス制御方法および燃料電池システム - Google Patents

燃料電池のカソードガス制御方法および燃料電池システム Download PDF

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Description

本発明は、燃料電池のカソードガス制御方法および燃料電池システムに関する。さらに詳述すると、本発明は、カソードガスを供給する際の圧力等の制御技術の改良に関する。
燃料電池のカソード極(酸素極)にカソードガスを供給するべくエアコンプレッサ等のカソード圧縮機が用いられている。このようなカソード圧縮機においては、例えば、燃料電池内の電解質膜が含有する水分量(膜含水量)を適度に保ちうるようなガス流量制御やガス圧力制御が行われている場合がある。また、燃料電池の燃費を向上させる観点から、ガス圧力を下げることによってエアコンプレッサ(カソード圧縮機)の消費電力を抑えるという制御が行われている場合もある(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−335444号公報
しかしながら、燃費を向上させるという観点でガス圧力を下げるばかりの制御技術だと、燃料電池システム全体としてみた場合に効率のよい発電ができているとは言い難い状況にある。
また、例えば氷点下といった低温状況下において燃料電池を起動する際には、水が蒸発しづらくなるという状況も考慮しつつ膜含水量の制御をする必要がある。それにもかかわらず、上述のごとく燃費を向上させるためにガス圧力を下げるばかりでは水収支(燃料電池における水分の出入り、またはその量のバランス)が崩れるという問題がある。
そこで、本発明は燃料電池における水収支のバランスを考慮しつつ燃費向上を実現しうる燃料電池のカソードガス制御方法および燃料電池システムを提供することを目的とする。
かかる課題を解決するため、本発明者は種々の検討を行った。そもそも、燃料電池内での水収支バランスをとるためには、燃料電池から排出すべき水分量(つまり必要な持去り水量)を考慮したうえで、実際の排出水分量(持去り水量)をこれに合わせるような制御とすることが望まれる。この点、燃料電池においては電流等に応じて生成水量が定まるため、これに基づいて排出すべき水分量(必要な持去り水量)が定まってくる。ここで、本発明者は、この必要持去り水量がカソードガス流量に比例し尚かつカソードガス圧力に反比例することに着目し、さらに検討を重ねた結果、水収支のバランスを考慮しつつ燃費向上を実現しうる技術を知見するに至った。
本発明はかかる知見に基づくものであり、請求項1に記載の発明である燃料電池のカソードガス制御方法は、燃料電池からの排出水分量を当該燃料電池から排出すべき水分量に一致させながら、カソードガスを供給するためのカソード圧縮機が取りうるカソードガス圧力およびカソードガス流量のそれぞれが最小値となる動作点を設定して当該カソード圧縮機を動作させることを特徴とするものである。
カソードガス圧力およびカソードガス流量はすべて自由な値をとれるというわけではなく、カソードガス流量については、カソード圧縮機(エアコンプレッサ)の最低回転数との関係である一定の最低流量が必要である。カソードガス圧力については、カソード圧縮機の構造や性能等に応じてある一定の上限が存在する。また、カソードガス流量とカソードガス圧力との関係については、カソードガス流量による圧損増加以上のカソードガス圧力が必要となる(換言すれば、ある値のガス流量を確保しようとすれば少なくともそれに見合う値以上のガス圧力を設定する必要がある)。そこで、このような関係からカソード圧縮機が取りうるカソードガス圧力およびカソードガス流量の範囲が定まるから、この範囲内にてそれぞれが最小値となる動作点を設定することとすれば、燃料電池システム全体としての効率のよい発電を維持しつつ消費電力を抑えて燃費を向上させることが可能となる。
しかも本発明においては、燃料電池からの排出水分量を当該燃料電池から排出すべき水分量に一致させながら動作点を設定することとしているため、燃料電池から実際に排出される水分量(持去り水量)を、燃料電池から排出すべき水分量(必要持去り水量)に一致させつつ、カソード圧縮機の消費電力が抑えられるような動作点を設定することが可能となっている。したがって、例えば氷点下といった低温状況下において燃料電池を起動するような場合においても、水収支のバランスが崩れるのを抑制して膜含水量を制御しつつ燃費向上を図ることができるようになる。
請求項2に記載の発明は、前記排出すべき水分量が前記カソードガス圧力−カソードガス流量の関係を表すグラフの傾きに比例することを利用して前記動作点を当該グラフ上に設定するというものである。つまり、グラフ上に表すことのできる関数を利用して動作点を設定することが可能である。
また、請求項3に記載の発明である燃料電池のカソードガス制御方法は、カソードガスを供給するためのカソード圧縮機が取りうるカソードガス圧力およびカソードガス流量の範囲内にて動作点を設定するに際し、燃料電池の水分量の収支、燃費、および運転時の安定度という各要素のバランスを勘案して前記動作点を設定し、該動作点にて前記カソード圧縮機を動作させることを特徴とするものである。
水収支バランスを考慮しつつ燃費向上を図る場合には前述の発明が適するが、燃料電池の運転時に考慮すべき要素はこればかりではなく、例えば安定した運転の継続という要素が優先される場合もある。このような場合には、前出の水収支バランス(水分量の収支)および燃費という要素に、安定度という要素も加味したうえで総合的なバランスを考慮した動作点を設定することが好ましい。これにより、各要素(ないしは当該運転時における種々の要求)を高次元でバランスさせた運転を実現することが可能となる。
ここで、前記要素のうち運転時の安定度が優先される場合には、請求項4に記載のように、当該安定度を維持しうる前記カソードガス流量の最低量を保ちつつ前記動作点を設定することが好ましい。これにより、安定度の維持を前提としつつ、可能な範囲で水収支バランスをとることと燃費を向上させることができる。
さらに、この場合においては、請求項5に記載のように、前記安定度を維持しうる前記カソードガス流量の最低量を保ちつつ、前記燃料電池からの排出水分量が当該燃料電池から排出すべき水分量に近づくように前記動作点を設定することが好しく、請求項6に記載のように、前記燃料電池からの排出水分量が当該燃料電池から排出すべき水分量に最も近づくように前記動作点を設定することがさらに好ましい。排出すべき水分量に近い動作点を設定することにより、その分だけ水収支バランスが好ましい状態に近いものとなる。なお、このようにして排出すべき水分量に近づくように動作点を設定することには、結果として排出水分量(持去り水量)が排出すべき水分量(必要持去り水量)に一致する場合を含む。このように一致した場合には、燃料電池内における水収支バランスが最もとれた状態となるから、燃料電池内の膜含水量を最適な状態に保つことが可能となる。
さらに、請求項7に記載の発明である燃料電池システムは、上述した請求項1から6のいずれかに記載のカソードガス制御方法を実施するための制御装置を備えているというものである。
本発明によれば、燃料電池における水収支のバランスを考慮しつつカソード圧縮機での消費電力を抑えて燃費向上を実現することが可能となる。また、他の要素(例えば運転の安定度)が優先される場合には可能な範囲内で水収支バランスと燃費向上を両立させることも可能である。
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
図1〜図5に本発明にかかる燃料電池のカソードガス制御方法および燃料電池システムの一実施形態を示す。本実施形態における燃料電池システム1は、燃料電池2にカソードガスを供給するためのカソード圧縮機(以下、エアコンプレッサという)5を備えているもので(図1参照)、このエアコンプレッサ5が取りうるカソードガス圧力(以下、エア圧力ともいう)およびカソードガス流量(以下、エア流量ともいう)によって定まる動作点のうち、これらエア圧力およびエア流量のそれぞれが最小値となるような動作点にてエアコンプレッサ5を動作させ、カソードガス(エア)を供給するというものである。なお、本明細書でいう動作点とは、カソード圧縮機の動作中におけるカソードガス圧力値およびカソードガス流量を表すもので、例えばガス圧力−ガス流量のグラフ(4等参照)中のある一点となる。以下に示す実施形態では、まず燃料電池システム1の概略から説明し、その後にこのようなカソードガス制御方法の詳細について説明することとする(図1〜図5参照)。
図1に本実施形態にかかる燃料電池システム1の概略構成を示す。本実施形態に示す燃料電池システム1は、例えば燃料電池車両(FCHV;Fuel Cell Hybrid Vehicle)の車載発電システムとして利用可能なものであるが、これに限られることはなく、各種移動体(例えば船舶や飛行機など)やロボットなどといった自走可能なものに搭載される発電システム等としても用いることができるのは当然である。図示していない燃料電池セルスタックは、複数の単セルを直列に積層して成るスタック構造を有するものであり、例えば固体高分子電解質型燃料電池等から構成されている。
燃料電池2への酸化ガス供給系は、エアコンプレッサ5、インタークーラ3、インタークーラ冷却用ウォータポンプ4を含んだ構成となっている(図1参照)。エアコンプレッサ5は図示しないエアフィルタを介して外気から取り込んだ空気を圧縮する。インタークーラ3は、圧縮されて高温となったエアを冷却する。インタークーラ冷却用ウォータポンプ4は、インタークーラ3を冷却するための冷却水を循環させる。エアコンプレッサ5によって圧縮されたエアは、このようにインタークーラ3によって冷却された後、加湿器17を通過し、燃料電池2のカソード(酸素極)へと供給される。燃料電池2の電池反応に供された後の酸素オフガスはカソードオフガス流路16を流れてシステム外へと排気される。この酸素オフガスは燃料電池2での電池反応により生成された水分を含むため高湿潤状態になっている。そこで、加湿器17により、低湿潤状態にある供給前の酸化ガスと、カソードオフガス流路16を流れる高湿潤状態の酸素オフガスとの間で水分交換を行い、燃料電池2に供給される酸化ガスを適度に加湿する。
また、燃料電池2の冷却水(LLC)の出入口には、当該冷却水を循環させるための冷却水配管11が設けられている。この冷却水配管11には、冷却水を送り出すウォータポンプ10と、冷却水供給量を調節するための流路切替弁12とが設けられている。
燃料電池2で発電された直流電力の一部はDC/DCコンバータ14によって降圧され、二次電池(バッテリー)15に充電される。モータインバータ7は、燃料電池2から供給される直流電力を交流電力に変換してトラクションモータ8に交流電力を供給する。また、ウォータポンプインバータ9は、燃料電池2から供給される直流電力を交流電力に変換してウォータポンプ10に交流電力を供給する。さらに、エアコンプレッサ駆動用インバータ6は、燃料電池2から供給される直流電力を交流電力に変換してエアコンプレッサ5に交流電力を供給する。
制御装置13は、例えば燃料電池自動車に搭載されている場合であればアクセル開度や車速等に基づいてシステム要求電力(車両走行電力と補機電力との総和)を求め、燃料電池2が目標電力に一致するようにシステムを制御する装置である。具体的に説明すると、この制御装置13は、エアコンプレッサ駆動用インバータ6を制御することによって当該エアコンプレッサ5を駆動するモータ(図示省略)の回転数および酸化ガス供給量を調整する。また、インタークーラ冷却用ウォータポンプ4を制御することによって圧縮エアの温度を調整する。さらに、モータインバータ7を制御してトラクションモータ8の回転数を調整し、ウォータポンプインバータ9を制御してウォータポンプ10を調整する。さらには、DC/DCコンバータ14を制御して燃料電池2の運転ポイント(出力電圧、出力電流)を調整し、燃料電池2の出力電力が目標電力に一致するように調整する。
また、本実施形態の燃料電池システムは、燃料電池自動車の制動時における余剰回生電力を上述のエアコンプレッサ5によって消費することができる構成となっている(図1参照)。すなわち、二次電池15を備えた構成の燃料電池自動車においては、例えば下り坂道にて駆動モータを回生させることによりエンジンブレーキ相当のトルクを発生させており、このとき発生する回生エネルギーは上述の二次電池15に蓄積することとしている。ところが、充電容量を超えた場合には他の方法でエネルギーを消費する必要が生じることから、例えば本実施形態においてはエアコンプレッサ5を回転させることによって余分な回生エネルギーを消費し、これによって安定したブレーキトルクが得られるようにしている。
ここで、例えば燃料電池車の燃費向上という観点からすればエアコンプレッサ(カソード圧縮機)5のエア圧力を下げ、消費電力を下げることが望ましいのは上述したとおりであるが、一方で、燃料電池2における水収支(水分の出入りのバランス)を考慮する必要もあるから、単にエア圧力を下げればいいという訳ではない。そこで本実施形態では以下のようにして燃料電池2における膜含水量の制御を行い、バランスのよい水収支を実現することとしている。
まず、燃料電池2においては、その時点で生じている電流の大きさに応じて燃料電池2内での生成水量が決まる(一義的に定まる)。したがって、電流の大きさに応じ、燃料電池1から排水すべき当該時点での水分量(これを本明細書においては必要持去り水量、または単に持去り水量という)も決まってくる。ここで、この持去り水量は、燃料電池2を流れるエアの流量に比例し、圧力に反比例する、すなわち、エア流量をq、エア圧力をPとすると
持去り水量 ∝ q/P
という関係にあるものである。そこで、エア圧力Pをx軸、エア流量qをy軸にしてP−q平面をつくると、必要持去り水量は原点を通る直線の傾きに比例することになる(図2参照)。したがって、この直線の傾きは持去り水量の指標としての性格を有したものといえる。
図2に示した直線(動作線)の傾きが上述のような性格を有することからすれば、この直線(動作線)上に位置する点(動作点)によって定まるエア圧力Pおよびエア流量qならば持去り水量が一定ということになる。したがって、必要持去り水量を維持しつつ燃費向上を図るのであれば、この動作線上を維持しつつエア圧力Pを下げる方向、つまり動作線上であって原点にできるだけ近い方向に位置した動作点を設定すればよいことになる(図4参照)。
一方で、エア圧力Pおよびエア流量qは、図2に示したP−q平面上のすべての領域で自由な値をとれるというわけではなく、図3に示すようなある範囲(直角三角形で示されている範囲)中の値しかとることができない。これについて説明すると、まずエア流量qに関していえば、エアコンプレッサ5の最低回転数との関係で、少なくともある一定の最低エア流量以上であることが必要となる。これによって直角三角形の底辺が定まる。また、エア圧力Pに関していえば、エアコンプレッサ5の構造や性能等によってある一定の上限が定まる。これによって直角三角形の右辺(縦の辺)が定まる。さらに、エア流量qとエア圧力Pとの関係についていえば、エア流量qによる圧損増加以上のエア圧力Pが必要となる。つまり、ある値のエア流量qを確保しようとすれば少なくともそれに見合う値以上のエア圧力Pを設定する必要があり、また、エア流量qを増加させるとこれに対応して圧損が増加する(必要となる差圧が増加する)ことから、当然ながら必要となるエア圧力も増加することになる。この関係によって直角三角形の斜辺が定まる(図3参照)。以上から、エア圧力Pとエア流量qとによって定まる動作点はこの直角三角形の範囲内になければならない。
以上から、本実施形態ではエア圧力Pとエア流量qとの所要の関係を満たしつつ持去り水量のバランスを維持し、尚かつ、こうした条件下で最も燃費を向上させうる点として、直角三角形の斜辺と上述の動作線との交点を動作点として設定する(図4参照)。すなわち、動作点を動作線上に設定すれば必要持去り水量を維持できる。また、上述の直角三角形の範囲内にてエア圧力とエア流量とを最小限とすればエアコンプレッサ5のエア圧力も必要最小限となるから、これに伴って消費電力を下げることが可能となる。このような制御を行うことにより、燃料電池2における水収支(水分の出入り)のバランスをとることと、システムとしての燃費を向上させることとの両立が可能となる。
続いて、上述した制御(膜含水量制御)の内容についてブロック線図を使って説明する(図5参照)。
まず、燃料電池2における目標含水量を設定し、これを目標値として比較部に入力する。比較部においては、この目標値(目標含水量)と、フィードバック要素(インピーダンスから算出された膜含水量)との差分である偏差が求められる。このようにして求められた偏差は、PI制御された後、加え合わせ点に入力される。一方で、燃料電池2のある時点での電流(FC電流)の大きさから生成水量を算出し、これを基本持去り水量とする。この基本持去り量も同じく加え合わせ点に入力される。加え合わせ点では、この基本持去り量に偏差を加えることによって必要持去り水量が求められる。
続いて、P−q平面(図2参照)中における動作線の傾きを計算する。ここでは、必要持去り水量と燃料電池2の温度(FC温度)から傾きを求める(つまり、エア流量qとエア圧力Pの比を求める)ためのテーブルをあらかじめ用意しておき(図5参照)、ここに前述の必要持去り量と、検出した燃料電池2の内部温度(FC温度)とをそれぞれ入力する。これら2つの要素からエア流量qとエア圧力Pの比が定まり、動作線の傾きが求められる。
動作線の傾きが求められたら、P−q平面中における直角三角形の斜辺との交点(動作点)を求める(図4、図5参照)。このようにして動作点が定まることにより、水収支バランスと燃費向上とを両立させうるエア圧力Pとエア流量qとがそれぞれ求められるから、制御装置13により、これらエア圧力Pとエア流量qとなるように制御を行う。また、インピーダンスに基づき燃料電池2の膜含水量を逐次算出し、この量をフィードバック要素として目標含水量との差分(偏差)を求める(図5参照)。
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、上述した実施形態においては動作線上に動作点を設定するようにした形態について説明したが、これは好適な一例に過ぎず、場合によっては動作線上以外の位置に適宜設定することが好ましい。以下に具体例を挙げて説明する(図6、図7参照)。
例えば燃料電池2の安定運転が優先される場合においては、このような状態を保つための最低エア流量が存在することがある。このような場合には、動作線の傾きとの関係で動作点を適宜設定することが好ましい。例えば安定運転のための最低エア流量qが図6中(1)で示される量である場合、安定運転を継続するためにはエア流量qがこの(1)で示すラインよりも多くなっている必要がある。このような状況下、動作線が図6に示すような傾きとなっている場合には、(1)のラインよりもエア流量が多くなるような動作点をこの動作線上に設定しようとしても直角三角形の範囲外となってしまうため不可である。そこで、安定運転を優先しつつ、できる限り持去り水量を必要量(必要持去り水量)に近づけるためには、直角三角形のうちライン(1)よりも上にある範囲内であって動作線にもっとも近い位置、本例の場合であれば図6中に符号Aで示す位置に動作点を設定することが好ましい。こうした場合、燃料電池2の安定運転を継続させるという前提の下、持去り水量を必要量に近づけることによって水収支バランスを可能な限り保つことが可能となる。
また、安定運転を継続するためのエア流量qが前述の場合よりも少ない量、例えば(2)で示す量である場合には、図6に符号Bで示すように、このライン(2)と動作線との交点に動作点を設定することが可能である。こうした場合、燃料電池2の安定運転を継続させるという前提の下、持去り水量を必要量に一致させて水収支バランスを保持することが可能となる。
また、安定運転を継続するためのエア流量qが前述の場合よりもさらに少ない量、例えば(3)で示す量である場合には、図6に符号Cで示すように、このライン(3)よりも上側の領域において、直角三角形の斜辺と動作線との交点に動作点を設定することが可能である。こうした場合、燃料電池2の安定運転を継続させるという前提の下、持去り水量を必要量に一致させて水収支バランスを保持しつつ、エア圧力Pとエア流量qとを最小限の値に設定して燃費を向上させることも可能となる。
引き続き、別の例についても説明しておく(図7参照)。前述の場合と同じく燃料電池2の安定運転が優先される状況下において動作線が図7に示すような傾き(図6の場合よりも小さな傾き)である場合にも、前述の場合と同様にして動作点を適宜設定することが好ましい。例えば安定運転のための最低エア流量qが図7中(4)で示される量である場合、安定運転を優先しつつ、できる限り持去り水量を必要量(必要持去り水量)に近づけるためには、直角三角形のうちライン(4)よりも上にある範囲内であって動作線にもっとも近い位置、本例の場合であれば図7中に符号Dで示す位置に動作点を設定することが好ましい。また、安定運転を継続するためのエア流量qが前述の場合よりも少ない量、例えば(5)で示す量である場合には、図7に符号Eで示すように、このライン(5)と動作線との交点に動作点を設定することが可能である。また、安定運転を継続するためのエア流量qがこの場合よりもさらに少ない量、例えば(6)で示すように直角三角形の底辺と一致するような量である場合には、図7に符号Fで示すように、このライン(6)と動作線との交点(換言すれば直角三角形の底辺と動作線との交点)に動作点を設定することが可能である。
以上、ここまで図6および図7を用いて種々の形態を説明したが、要は、燃料電池2における水収支バランスの要請、燃費向上の要請、安定運転の要請といった各要素を勘案し、またいずれが優先されるのかをも加味したうえでバランスのとれる動作点を適宜設定する(バランスのとれるエア圧力Pとエア流量qを設定する)ことが望ましい。他の一例を挙げておけば、例えば図6に符号Aで示した動作点を設定した場合において、運転の安定度が多少劣るとしても水収支バランスの改善が重要視される状況下においては、符号A’で示すように少し動作線寄りの位置に動作点を改めて設定し直すことも可能であり、こうした場合にはその分だけ水収支バランスの改善を図ることができる。
なお、図2〜図7(図5を除く)のP−qグラフ中ではエア圧力Pとエア流量qとの関係(斜線で示される部分)を直線で表すこととしたが、これは説明のためにこのような例を代表的に示したに過ぎず、場合によっては曲線として表れる関係になることもある(例えば図5参照)。
本発明の実施形態にかかる燃料電池システムの概略構成を示す図である。 横軸をエア圧力P、縦軸をエア流量qしたグラフを表した図で、燃料電池における持去り水量がこのグラフの原点を通る直線の傾きに比例するというものである。 エア圧力Pおよびエア流量qが取りうる値の範囲を示す図である。 最適な動作点を設定する場合の概念を示す図である。 本実施形態で説明したカソードガス制御方法の一例を示すブロック線図である。 本発明の別の実施形態を説明するための図で、燃料電池の安定運転が優先される場合の動作点の設定例を表したものである。 図6に示した実施形態の別例を説明するための図である。
符号の説明
1…燃料電池システム、2…燃料電池、5…エアコンプレッサ(カソード圧縮機)、13…制御装置、P…エア圧力(カソードガス圧力)、q…エア流量(カソードガス流量)

Claims (7)

  1. 燃料電池からの排出水分量を当該燃料電池から排出すべき水分量に一致させて当該燃料電池の水収支バランスを保持する際における制御方法であって
    カソードガスを供給するためのカソード圧縮機が取りうるカソードガス圧力およびカソードガス流量のそれぞれが最小値となる動作点を、前記排出すべき水分量が前記カソードガス圧力−カソードガス流量の関係を表すグラフの傾きに比例することを利用して当該グラフ上に設定し、当該カソード圧縮機を動作させることを特徴とする燃料電池のカソードガス制御方法。
  2. 前記カソード圧縮機が取りうるカソードガス圧力およびカソードガス流量の範囲内にて動作点を設定するに際し、燃料電池の水分量の収支、燃費、および運転時の安定度という各要素のバランスを勘案して前記動作点を設定し、該動作点にて前記カソード圧縮機を動作させることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池のカソードガス制御方法。
  3. 前記要素のうち運転時の安定度が優先される場合に、当該安定度を維持しうる前記カソードガス流量の最低量を保ちつつ前記動作点を設定することを特徴とする請求項に記載の燃料電池のカソードガス制御方法。
  4. 前記安定度を維持しうる前記カソードガス流量の最低量を保ちつつ、前記燃料電池からの排出水分量が当該燃料電池から排出すべき水分量に近づくように前記動作点を設定することを特徴とする請求項に記載の燃料電池のカソードガス制御方法。
  5. 前記燃料電池からの排出水分量が当該燃料電池から排出すべき水分量に最も近づくように前記動作点を設定することを特徴とする請求項に記載の燃料電池のカソードガス制御方法。
  6. 前記燃料電池から排水すべき水分量を表す必要持去り水量が、当該燃料電池を流れるエアの圧力―流量グラフ中において原点を通る直線である動作線の傾きに比例することを利用し、当該動作線上において原点に近い方向に位置した地点に前記動作点を設定する、請求項1から5のいずれかに記載のカソードガス制御方法。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載のカソードガス制御方法を実施するための制御装置を備えていることを特徴とする燃料電池システム。
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