JP4857319B2 - 発電装置 - Google Patents

Description

本発明は、複数枚のブレードを回転軸に放射状に取付け、回転軸の回転によって発電する発電機を有する発電装置に関するものである。

従来より、風力や水力などの自然エネルギーを有効に利用して発電する発電装置がいろいろと開発されてきている。

これらの発電装置として知られる風力発電や水力発電などにおいて使用される発電装置は、発電機の回転軸に複数枚のブレードを放射状に取付け、風力や水力によってブレードを取付けた回転軸を回転させ、発電機で発電するように構成している（たとえば、特許文献１参照。）。

特開２００３−２６９３２０号公報

ところが、上記従来の発電装置では、発電機の回転軸に軸受などから受ける負荷が作用するために、たとえば風力や水力などが弱い場合には、発電機の回転軸が良好に回転しなくなり、発電が停止してしまうおそれがあった。

そこで、請求項１に係る本発明では、複数枚のブレードを回転軸に放射状に取付け、回転軸の回転によって発電する発電機を有する発電装置において、初期状態においてブレードの先端同士が近接するように複数個の発電機を並べて配置するとともに、近接するブレードの先端に同極の磁石を形成することにした。

また、請求項２に係る本発明では、前記請求項１に係る本発明において、前記磁石をブレードの回転方向裏側に形成することにした。

また、請求項３に係る本発明では、前記請求項２に係る本発明において、前記ブレードの回転方向表側に磁気シールドを形成することにした。

また、請求項４に係る本発明では、前記請求項１〜請求項３のいずれかに係る本発明において、前記回転軸を強制的に回転させる回動機を設け、回動機によって各発電機の回転軸を定期的に初期状態にすることにした。

そして、本発明では、以下に記載する効果を奏する。

すなわち、本発明では、複数枚のブレードを回転軸に放射状に取付け、回転軸の回転によって発電する発電機を有する発電装置において、初期状態においてブレードの先端同士が近接するように複数個の発電機を並べて配置するとともに、近接するブレードの先端に同極の磁石を形成することにしているために、ブレードの先端同士が近接したときに同極の磁石の磁力が作用して、磁石の反発力によってブレードを回転させることができるので、発電機の回転軸を良好に回転させることができる。

また、本発明では、磁石をブレードの回転方向裏側に形成することにしているために、ブレードの先端同士が離反するときに磁石の反発力が作用することになり、より一層ブレードを良好に回転させることができる。

また、本発明では、ブレードの回転方向表側に磁気シールドを形成することにしているために、ブレードの先端同士が近接するときに磁石の反発力が作用してしまうのを防止することができ、これによってもより一層ブレードを良好に回転させることができる。

また、本発明では、回転軸を強制的に回転させる回動機を設け、回動機によって各発電機の回転軸を定期的に初期状態にすることにしているために、回転軸のずれを矯正することができ、これによってもより一層ブレードを良好に回転させることができる。

以下に、本発明に係る発電装置の具体的な構成について図面を参照しながら説明する。

図１及び図２に示すように、発電装置１は、９個の発電機２によって発電した電力を蓄電池３に蓄電するように構成している。

この発電装置１は、基台４の上部に前後を開口した基枠５を軸６を介して回動自在に取付け、基枠５の内側に３枚の支持板７を上下に間隔をあけて取付け、各支持板７に３個の発電機２を左右に間隔をあけて載置している。

各発電機２は、支持台８の上部に円筒状の本体９を取付け、本体９の中央前方及び後方に回転軸10を突出させ、回転軸10の前端部に４枚のブレード11を90度間隔で放射状に取付ける一方、回転軸10の後端部に回転軸10を強制的に回転させるための回動機12を取付けている。この回動機12は、内蔵したロータリーエンコーダで回転軸10の回動角度（位相）を検出することができ、内蔵したモータで回転軸10を任意の角度に回転させることができるようになっており、内蔵したタイマーで定期的（たとえば、１時間間隔）に回転軸10を所定角度に回転させるようにしている。

また、各発電機２は、回転軸10及びブレード11が正面視で時計回り（右回り）に回転するようにしており、図３に示すように、ブレード11の回転方向裏側（後側）に磁石13を形成する一方、ブレード11の回転方向表側（前側）に磁気シールド14を形成している。なお、各発電機２は、たとえば図１の左上の発電機２を例にとると、上方に伸延するブレード11には先端側がＮ極の磁石13を形成し、右側方に伸延するブレード11には先端側がＳ極の磁石13を形成し、下方に伸延するブレード11には先端側がＮ極の磁石13を形成し、左側方に伸延するブレード11には先端側がＳ極の磁石13を形成しており、回転方向に隣り合うブレード11の先端側が異なる極性の磁石13となるようにしている。

そして、発電装置１は、初期状態（図１に示す状態）において、隣り合う発電機２のブレード11の先端同士が各ブレード11に形成した磁石13の磁力が作用する距離まで近接するように複数個（ここでは、横方向に３個、縦方向に３個）の発電機２を並べて配置し、しかも、近接するブレード11の先端に形成した磁石13の極性が同極となるように複数個の発電機２を並べて配置している。たとえば、図１の上段左側の発電機２の右側方に伸延するブレード11には先端側がＳ極の磁石を形成し、上段中央の発電機２の左側方に伸延するブレード11にも先端側がＳ極の磁石を形成している。

発電装置１は、以上に説明したように構成しているが、地上に設置して風力によって発電機２を動作させて発電する風力発電装置としても利用することができ、また、海や川などの水中に設置して海や川の流れによる水力によって発電機２を動作させて発電する水力発電装置としても利用することができる。

上記発電装置１では、回転軸10及びブレード11の回転によって発電機２で発電するようになっており、ブレード11の回転時に隣り合うブレード11が近接した際に、ブレード11に形成した磁石13が同極となっているために反発力が作用し、磁石13の反発力によってブレード11の回転を助長することができるようになっている。

以上に説明したように、上記発電装置１は、複数枚（ここでは、４枚）のブレード11を回転軸10に放射状に取付け、回転軸10の回転によって発電する発電機２を９台有している。

そして、上記発電装置１では、初期状態（図１に示す状態）においてブレード11の先端同士が近接するように複数個（ここでは、横方向に３個、縦方向に３個）の発電機２を並べて配置するとともに、近接するブレード11の先端に同極の磁石13を形成している。

そのため、上記構成の発電装置１では、ブレード11の回転時においてブレード11の先端同士が近接したときに同極の磁石13の磁力が作用して、磁石13の反発力によってブレード11を回転させることができるので、発電機２の回転軸10を良好に回転させることができる。

特に、上記発電装置１では、磁石13をブレード11の回転方向裏側（後側）に形成するようにしている。

そのため、上記構成の発電装置１では、ブレード11の先端同士がすれ違った後にブレード11の先端同士が離反するときに磁石13の反発力が作用することになり、より一層ブレード11を良好に回転させることができる。

また、上記発電装置１では、ブレード11の回転方向表側（前側）に磁気シールド14を形成するようにしている。

そのため、上記構成の発電装置１では、ブレード11の先端同士が近接するときに磁石13の反発力が作用してしまうのを磁気シールド14で遮蔽（防止）することができ、これによってもより一層ブレード11を良好に回転させることができる。

さらに、上記発電装置１では、回転軸10を強制的に回転させる回動機12を設け、回動機12によって各発電機２の回転軸10を定期的（たとえば、1時間間隔）に初期状態（図１に示す状態）にするようにしている。

そのため、上記構成の発電装置１では、回転軸10のずれ（ブレード11の位相ずれ）を矯正することができ、これによってもより一層ブレード11を良好に回転させることができる。

本発明に係る発電装置を示す正面図。 同側面断面図。 発電機を示す拡大図。

符号の説明

１ 発電装置 ２ 発電機
３ 蓄電池 ４ 基台
５ 基枠 ６ 軸
７ 支持板 ８ 支持台
９ 本体 10 回転軸
11 ブレード 12 回動機
13 磁石 14 磁気シールド

Claims (4)

1. 複数枚のブレードを回転軸に放射状に取付け、回転軸の回転によって発電する発電機を有する発電装置において、
   初期状態においてブレードの先端同士が近接するように複数個の発電機を並べて配置するとともに、近接するブレードの先端に同極の磁石を形成したことを特徴とする発電装置。
2. 前記磁石をブレードの回転方向裏側に形成したことを特徴とする請求項１に記載の発電装置。
3. 前記ブレードの回転方向表側に磁気シールドを形成したことを特徴とする請求項２に記載の発電装置。
4. 前記回転軸を強制的に回転させる回動機を設け、回動機によって各発電機の回転軸を定期的に初期状態にすることを特徴とする請求項１〜請求項３のいずれかに記載の発電装置。

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