JP4857051B2 - 冷凍機設備の運転方法及び冷凍機を備えて成る設備 - Google Patents
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Description
備中において冷凍機は、インバータ等電力変換装置から供給される電力によって駆動され
、該設備中の負荷部に対して水等の所定温度の流体を供給するようになっている。従って
、これら設備の省エネルギー化は、一般には、冷凍機の駆動電力の低減化によって図られ
る。
号公報(特許文献1)に記載された技術がある。該公報には、複数台の冷凍装置を用いる
システムにおいて、該システム全体のエネルギー消費効率を最大限に引き出すために、シ
ステム全体が部分負荷となった時、該システム全体のエネルギー消費効率を最大にするこ
とができるポイントを演算し、該最大ポイントで各冷凍装置を運転するとした技術が記載
されている。
特性などを元にしてモデル化することで演算できる。そして、台数制御では、各冷凍機へ
の負荷配分とその時の消費電力の合計から最適な省エネ運転パターンが求められる。機器
特性のモデルは、数式化された近似式で表されるが、装置単体で動作させたメーカー出荷
時の初期値であるため、導入先の設備環境や冷凍機を含めた設備の劣化などから必ずしも
機器特性と一致する結果になるとは限らない。このため実稼働の性能に近づけるため、お
よび精度向上には機器特性の近似式を補正する技術があり、メーカ提供の機器特性をベー
スにしている。
の冷凍機が各々冷水の入口温度と出口温度を監視して一定の温度差を保つように運転制御
されている。
温度毎の詳細な部分負荷特性の情報が必要になり、人手による分析等を経てシステムへの
組み込みとなる。冷凍機の部分負荷特性の詳細情報は容易に入手できるとは限らない。さ
らに冷凍機を更新すると再度モデル化が必要になる。
があるが、モデル補正よりもモデル自体を再生成できる方が実態に則している。
て、定期的な見直し反映ができる機能が備えられれば効果的である。
が作る冷凍負荷は各冷凍機の定格容量に比例した配分となり、必ずしも最も省エネルギー
な負荷配分で運転されているとは限らない。
冷凍機の運転実績データを元に機器特性の近似式を自動生成してモデル化を行う。
のある外れ値を棄却してから近似式を生成する。生成した各冷却水入口温度毎の近似式を
重ね合わせて見ると、階層をなした状態で表されるが、データ件数や運転状態によっては
不確かな近似式が生成される場合があるため、それら近似式を間引いて不採用にする。採
用した2次式の近似式は下に凸で頂点を含むため、1次式の近似式と結合して見直した2
次の近似式とする。もしくは2次式の近似式と接線とを結合して見直した2次の近似式とする。不採用の近似式は、採用された近似式を元に補正・補間を行う。自動
生成の結果は保存されて、履歴から容易に取り出して利用可能とする。
機の組合せに応じた負荷配分を求める。
用や実態に則した精度の高い省エネ計算ができる。また、過去のモデル化の結果を取り出
して、時系列に参照することで、機器特性の劣化状況が容易に参照可能となる
ラグランジュ未定定数法により最も省エネルギーな負荷配分を割り出すことができる。
提供が可能となる。
00は冷凍用設備、1は、複数の冷凍機R1、・・・、Rnを備えてなる冷凍機部、2は
、冷凍機部1の運転を制御する運転制御部、3は負荷部、4は冷水槽、5は調相器、6は
第1の温度・流量監視点、7は第2の温度監視点である。T1は、第1の温度・流量監視
点6における冷水の温度、Q1は、第1の温度・流量監視点6における冷水の送水量であ
る。冷凍機部1は、各冷凍機R1、・・・、Rnが、駆動用電動機(図示なし)により冷
媒を所定の流量・速度でそれぞれの冷凍機内を循環させるとともに、冷水槽4中の水を、
該冷凍機4との間で循環させながら該冷媒により冷却する。上記構成において、冷凍機部
1の各冷凍機R1、・・・、Rnはそれぞれ、運転制御部2により制御され、所定の条件
すなわち所定の冷凍容量、所定の駆動用電動機入力、所定の消費電力などの運転条件とさ
れる。該運転条件で運転された冷凍機部1の各冷凍機R1、・・・、Rnは、冷水槽4中
の高温槽側の水の一部を汲み上げ、該汲み上げた水を冷媒により冷凍容量に対応して冷却
し、再び冷水槽4中の冷温槽側に戻す。これが繰り返される。第1の温度・流量監視点6
では冷水の温度T1と送水量Q1が検出される。第2の温度監視点7では冷水の戻り温度
T2が検出される。第1の温度・流量監視点6における温度と送水量検出結果と第2の温
度監視点7における冷水の戻り温度の情報はともに、運転制御部2に入力される。
循環する冷水、9は一次ポンプ、10は冷凍機、11は冷凍機内を循環する冷却水、12
は冷却塔、13は冷却水ポンプ、14は冷却水入口温度監視点、15は冷水入口温度監視
点、16は冷水出口温度・冷水流量監視点である。冷水は一次ポンプにより冷水槽(図示
なし)より汲み上げられて冷凍機へ送られ、冷却されて冷水槽に戻される。
却塔にて熱を屋外へ放出して、冷却水ポンプにより冷凍機へ戻す。これが繰り返される。
14の冷却水入口温度監視点では冷却水入口温度T11が検出される。15の冷水入口温
度監視点では冷水入口温度T12が検出される。16の冷水出口温度・冷水流量監視点で
は冷水出口温度T13と冷水流量Q11が検出される。14と15と16の検出される情
報は図1の運転制御部2に入力される。
能を表す部分負荷特性は、横軸を冷凍容量、縦軸を消費電力としたグラフで、製造する冷
水温度(冷水出口温度)時に冷却水入口温度の違いによる特性を表したものである。この
ように冷凍機のモデル化においては、冷却水入口温度毎の特性が必要になる。
説明図である。
(1)冷凍機の稼働実績データから冷却水入口温度別にデータを抽出する。温度の最小単
位は0.1℃であるが、データ件数および効率的な処理を行うために例えば小数点以下は
四捨五入して1℃刻みのデータに丸めて抽出する。尚、処理実行時の条件設定によりデー
タ抽出の温度単位は可変にできる。(ステップS402)
(2)冷却水入口温度別に抽出した実績データには、計測誤差や運転開始直後のデータ等
に誤ったデータが含まれるため、それぞれについて外れ値を棄却して有効なデータに絞り
込む。(ステップS403)
(3)有効と判断した実績データから最小二乗法により2次関数の近似式と近似式の決定
係数を求める。近似式の算出にはハウスホルダー法を用いて実績データを行列で表して、
ハウスホルダー変換により上三角行列とした行列を解くことで2次関数の定数a、定数b
、定数cを求めるものである。決定係数は近似式が実績データにどの程度近似しているか
を0〜1の値で表したものとして算出する。(ステップS404)
(4)通常、冷凍機の特性は2次関数で表されて、かつ右上がりの曲線を示すのが一般的
である。
しかし、生成した近似式がこの冷凍機特性の実態に著しく適合しない結果であれば、生成
された近似式は有効とは言えないため、不採用として間引く処理を行う。(ステップS4
05)
(5)冷凍機は、例えば定格の冷凍容量の20%〜100%の範囲で動作する特性が示さ
れている場合、生成した近似式も同様なデータ範囲として適用することになる。しかし、
稼働時の実績データの範囲は限られるため、限られた範囲のデータから生成された2次関
数を適用すると右上がりとはならず、冷凍容量の範囲20%〜100%に頂点を含む下に
凸の近似になる。よって、1次関数の近似式も適用して、1次と2次の近似式を融合した
近似式を再生成する。もしくは2次関数の近似式において、実績データの下限部分を接点とした接線を適用して、2次関数とその接線とを結合した2次関数の近似式を再生成する方法のいずれかを適用する。(ステップS406)
(6)(4)により間引いた近似式を(5)の近似式を元にして再生する。
ロットして、そのデータを元に2次の近似式を生成する。1つの近似式しか利用できない
場合は、その近似式の重心の消費電力をその冷凍機の定格消費電力で割った値(以下、%
kWと称する)と、再生する冷却水入口温度をパラメータとして得られるデータの重心の
%kWを比較して、その変化分だけ、元になる近似式を平行移動して再生する。
以上の処理により、1℃刻みの近似式が生成され、さらに冷凍機の省エネ計算に適用する
ために、0.1℃単位の近似式に細分する。(ステップS407)
(7)冷凍機の特性を示す近似式を自動生成してモデル化を完了した結果は、学習履歴と
して保存して、任意のタイミングで取り出しが可能とする。(ステップS408)
図5は、図4の実績データの棄却検定の手順の説明図である。
図5において、以下のような処理を行う。
(1)実績データの多くはアナログ値であるため、冷凍機が停止中であってもゼロを指し
示すとは限らない。よって、冷凍機停止中のデータを除外する。(ステップS502)
(2)冷凍機の仕様値の範囲チェックにより、能力以上の値となる外れ値等の誤ったデー
タを除外する。(ステップS503)
(3)実績データの%RT、%kWの平均から、それぞれの標準偏差σを算出して、2σ
を以上のばらつきのデータを除外して棄却する。ここで、%RTとは、冷凍機の製造熱量
をその冷凍機の定格冷凍容量で割った値とする。(ステップS504)
(4)(3)までの棄却にて残った実績データを元にして近似式を生成して、その近似式
の%kWの±10%以外のデータを除外する。さらに除外後の残った実績データより近似式を生成する。(ステップS505)
図6は、図4の生成した近似式から不適合な近似式を間引く手順の説明図である。
(1)実績データのサンプル数が極端に少ない場合は、生成した近似式の信憑性に欠ける
ため、近似式を不採用として除外する。例えば最小件数100件とするが、計算開始時の
条件設定により可変となる。(ステップS602)
(2)生成した近似式の決定係数が0.5未満は、不採用として除外する。(ステップS
603)
(3)実績データが飛び石状になっている場合は、生成された近似式も信憑性に欠けるた
め、実績データの分布密度を算出して、飛び石のデータ分布の近似式は不採用として除外
する。(ステップS604)
(4)冷凍機の特性は一般的に右上がりの2次関数のため、実態に適合しないと判断でき
る近似式を不採用として除外する。具体的には、近似式の定数aがマイナスは、上に凸の
ため除外し、複数の近似式と交点を持つ近似式は除外し、冷凍容量の範囲に頂点を持ち冷
凍容量下限の%kW値が極端に大きな近似式は除外する。(ステップS605)
図7は、図4の1次と2次の近似式を結合する方法の一例を示す図である。
曲線となり、冷凍機の特性の実態とかけ離れるため、1次の近似式と結合して太字破線で
示す2次の近似式を再生成する。
式のデータプロットを使って再生成する。1次の近似式はそのまま使用せずに、接点から
%RTが20%の点にかけての直線を1次の近似式と補正して使用する。
残った例である。この2つの近似式の%RTを5等分した%kWの値を均等に補間した値
を算出して、この値から近似式を再生成して補間する。一方31℃と32℃は実績データ
の重心を求めて、その%kWの値と30℃の近似式の重心の%kWの値との変化分から3
0℃の近似式を補正して再生成する。
、2σ、仮の近似式の上下方向のチェックから外れ値を棄却した結果である。
、中の囲いの枠よりも外側で、大きな囲いの枠の内側にある実績データは、範囲チェック
により棄却される(図5のステップS503)。次に、中の囲いの枠内部の実績データの
標準偏差の2σから逸脱するデータを棄却される(図5のステップS504)。その結果
、図9の中の囲いの枠の頂点部の近傍にある2つの円内部の実績データが棄却されること
になる。その後、残った実績データから2次関数の近似式を生成して、近似式の上下方向
の実績データを棄却する(図5のステップS505)。
似式を間引いた結果の例を示す。
入口温度の近似式を再生成した結果である。
る。
(1)空調側の負荷熱量は、図1の第1の温度・流量監視点6での冷水の温度T1と送水
量Q1および、第2の温度監視点7の冷水の戻り温度T2より、負荷熱量=温度差Δt×
送水量×3024より求められる。
(2)(1)の負荷熱量とその時に運転させる冷凍機のモデルを入力として、消費電力が
最小となる冷凍機への冷凍負荷の配分を算出する。
運転冷凍機の消費電力合計をモデルを元に表した目的関数と、負荷熱量の制約条件の2つ
の関係が成り立つ場合は、ラグランジュ未定定数λを含んだラグランジュ関数Lで表すこ
とができる。このラグランジュ関数Lを最小とした場合のxiとλを求めることにより、
省エネとなる冷凍機への負荷配分を決定できる。以下にその関係式(数1)、(数2)、
(数3)を示す。
総消費電力 F = Σ yi = Σ (ai xi2 + bi xi + ci) (数1)
i∈U i∈U
U :運転する冷凍機の集合
制約条件
需給バランス制約 D = Σ xi (数2)
i∈U
上下限制約 Li ≦ xi ≦ Ui
F :総消費電力
Xi :第i冷凍機の冷凍負荷の分担
D :負荷熱量
Ui :第i冷凍機の冷凍熱量の上限
Li :第i冷凍機の冷凍熱量の下限
λ :ラグランジュ乗数
ラグランジュ関数 L = Σ(ai xi2 + bi xi + ci)+ λ( D − Σ xi)(数3)
i∈U i∈U
図7と図13のいずれかの方法は、処理実行前に選択可能とする。
相器、6・・・第1の温度・送水量監視点、7・・・第2の温度監視点、8・・・冷水、
9・・・一次ポンプ、10・・・冷凍機、11・・・冷却水、12・・・冷却塔、13・
・・冷却水ポンプ、14・・・冷却水入口温度監視点、15・・・冷水入口温度監視点、
16・・・冷水出口温度・冷水流量監視点、100・・・冷凍用設備。
Claims (3)
- 複数の冷凍機の運転方法において、
前記複数の冷凍機のそれぞれを運転させることにより、当該冷凍機の冷凍容量と消費電力との関係を示す稼動実績データを、当該冷凍機の冷媒を冷却するための冷却水の設定された温度毎に算出する稼動実績データ算出ステップと、
算出した前記稼動実績データに基づいて前記複数の冷凍機のそれぞれに対して、前記設定された温度毎の当該冷凍機の冷凍容量と消費電力との関係を示す近似式を生成する近似式生成ステップと、
前記複数の冷凍機に必要な冷凍容量に対して冷凍機の運転台数と運転する冷凍機の冷凍容量の配分を、前記複数の冷凍機のそれぞれの冷媒を冷却するための冷却水の温度から求められる負荷熱量の合計値と、前記近似式生成ステップにより生成した近似式と、を用いて総消費電力が最小となるように決定する決定ステップと、
該決定ステップにより決定した冷凍機の運転台数と運転する冷凍機の冷凍容量の配分に応じて前記複数の冷凍機を運転させるステップとを備え、
前記決定ステップでは、
前記近似式生成ステップにより生成した近似式のうち、当該近似式を生成するのに用いた稼動実績データのサンプル数が設定値以下の場合には、当該近似式を除外し、
該除外した近似式以外の近似式と、前記複数の冷凍機のそれぞれの冷媒を冷却するための冷却水の温度から求められる負荷熱量の合計値と、を用いて、前記複数の冷凍機に必要な冷凍容量に対して前記冷凍機の運転台数と運転する冷凍機の冷凍容量の配分を決定することを特徴とする複数の冷凍機の運転方法。 - 複数の冷凍機の運転方法において、
前記複数の冷凍機のそれぞれを運転させることにより、当該冷凍機の冷凍容量と消費電力との関係を示す稼動実績データを、当該冷凍機の冷媒を冷却するための冷却水の設定された温度毎に算出する稼動実績データ算出ステップと、
算出した前記稼動実績データに基づいて前記複数の冷凍機のそれぞれに対して、前記設定された温度毎の当該冷凍機の冷凍容量と消費電力との関係を示す近似式を生成する近似式生成ステップと、
前記複数の冷凍機に必要な冷凍容量に対して冷凍機の運転台数と運転する冷凍機の冷凍容量の配分を、前記複数の冷凍機のそれぞれの冷媒を冷却するための冷却水の温度から求められる負荷熱量の合計値と、前記近似式生成ステップにより生成した近似式と、を用いて総消費電力が最小となるように決定する決定ステップと、
該決定ステップにより決定した冷凍機の運転台数と運転する冷凍機の冷凍容量の配分に応じて前記複数の冷凍機を運転させるステップとを備え、
前記決定ステップでは、
前記近似式生成ステップにより生成した近似式のうち、当該近似式を生成するのに用いた稼動実績データの分布密度が設定値以下の場合には、当該近似式を除外し、
該除外した近似式以外の近似式と、前記複数の冷凍機のそれぞれの冷媒を冷却するための冷却水の温度から求められる熱負荷量の合計値と、を用いて、前記複数の冷凍機に必要な冷凍容量に対して前記冷凍機の運転台数と運転する冷凍機の冷凍容量の配分を決定することを特徴とする複数の冷凍機の運転方法。 - 複数の冷凍機の運転方法において、
前記複数の冷凍機のそれぞれを運転させることにより、当該冷凍機の冷凍容量と消費電力との関係を示す稼動実績データを、当該冷凍機の冷媒を冷却するための冷却水の設定された温度毎に算出する稼動実績データ算出ステップと、
算出した前記稼動実績データに基づいて前記複数の冷凍機のそれぞれに対して、前記設定された温度毎の当該冷凍機の冷凍容量と消費電力との関係を示す近似式を生成する近似式生成ステップと、
前記複数の冷凍機に必要な冷凍容量に対して冷凍機の運転台数と運転する冷凍機の冷凍容量の配分を、前記複数の冷凍機のそれぞれの冷媒を冷却するための冷却水の温度から求められる負荷熱量の合計値と、前記近似式生成ステップにより生成した近似式と、を用いて総消費電力が最小となるように決定する決定ステップと、
該決定ステップにより決定した冷凍機の運転台数と運転する冷凍機の冷凍容量の配分に応じて前記複数の冷凍機を運転させるステップとを備え、
前記決定ステップでは、
前記近似式生成ステップにより生成した近似式のうち、他の近似式と設定回数以上の交点を有する近似式を除外し、
該除外した近似式以外の近似式と、前記複数の冷凍機のそれぞれの冷媒を冷却するための冷却水の温度から求められる負荷熱量の合計値と、を用いて、前記複数の冷凍機に必要な冷凍容量に対して前記冷凍機の運転台数と運転する冷凍機の冷凍容量の配分を決定することを特徴とする複数の冷凍機の運転方法。
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