JP4856406B2 - アミンオキシドの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高品質なアミンオキシドを、工業的に有利に製造するアミンオキシドの製造方法に関する。
従来より、アミンオキシドは、皮膚に対する刺激が少ない界面活性剤として、台所用洗剤や住居用洗剤、シャンプー、ボディシャンプーなど等の身体用洗浄剤、香粧品、化粧品等に幅広く利用されている。
このようなアミンオキシドの製造方法としては、第3級アミンと過酸化水素とを反応させる方法が知られている。
第3級アミンと過酸化水素との反応において、反応温度を50〜75℃とした場合、得られたアミンオキシド水溶液中の未反応アミン残存率を下げるために、反応時間を長く要するという問題がある。
一方、第3級アミンと過酸化水素との反応を促進させるために、二酸化炭素を添加することが知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。前記特許文献1では、二酸化炭素をアミンに対して重量比で0.01〜2%添加することにより反応速度が速くなることが記載され、アミンに対して0.2wt%添加した例が開示されているが、アミンに対する二酸化炭素の添加条件(例えば、添加時の温度等)の好適な範囲は開示されていない。
また、前記特許文献2では、二酸化炭素の存在下で第3級アミンと過酸化水素とを45℃以下の温度で反応させる方法が開示されているが、該特許文献2に記載の方法(例えば、アミン250gと水563gとの混合物に対し、25℃で1.0重量%増加するまで二酸化炭素を添加した後、過酸化水素水を添加する方法)によると、二酸化炭素の吸収量が多く、昇温時に発泡が生じるという問題が生じる。また、二酸化炭素を添加した後の一定の重量増加分を測定することは、実用上困難であるという問題がある。
他方、アミンオキシドの製造方法において、反応中に一時的なゲル相の形成が生じることがあり、これを回避するための提案もなされている(例えば、特許文献3及び4参照)。前記ゲル相の形成が生じると、反応混合物の攪拌が不十分となることにより、局部的な過熱による生成物の品質劣化や、反応熱の除熱が不十分となることにより、反応温度の急激な上昇や、過酸化水素の分解、及びそれに伴う発泡、生成物の色調劣化等を招くという問題がある。
前記特許文献3によると、重量比で20〜90%の過酸化水素を含む過酸化水素水を、40〜80℃の反応温度で添加した場合にみられるゲル相の形成に対し、第3級アミンの酸化反応の際に適度の量の水を同時に添加することにより回避する方法が提案されている。
また、前記特許文献4には、ステアリルジメチルアミンと過酸化水素との反応において、反応を促進させつつゲル化を回避するために、アミンと過酸化水素とを同時に滴下し、アミン濃度を5重量%以下にすることが開示されている。
しかしながら、アミン濃度を低く維持するためには、該アミンの添加時間を長く要し、反応時間が長くかかるため、製造効率が悪くなる。また、過酸化水素を高温で長時間保温することにより、該過酸化水素の分解が生じるため、分解分を補うために多量の過酸化水素を要し、製造効率が悪化したり、色調や臭気の劣化にもつながるという問題がある。
よって、反応時間が短く、反応における発泡やゲル化等の問題が抑制され、高品質なアミンオキシドを、少ないエネルギーでかつ効率よく製造可能なアミンオキシドの製造方法は未だ提供されておらず、さらなる改良が望まれているのが現状である。
特開昭55−28968号公報 特開平1−96165号公報 米国特許第3,215,741号 特開平11−92444号公報
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、反応時間が短く、反応における発泡やゲル化等の問題が抑制され、高品質なアミンオキシドを、少ないエネルギーでかつ効率よく製造可能なアミンオキシドの製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、下記一般式(I)で表されるアミンオキシドを製造する工程において、下記一般式(II)で表される第3級アミンと過酸化水素とを反応させる際、前記第3級アミンが特定の酸価になるまで二酸化炭素を添加した後、該第3級アミンと過酸化水素とを反応させることにより、高品質なアミンオキシドを、短い反応時間で、発泡やゲル化等の問題を生じることなく、少ないエネルギーでかつ効率よく製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
Figure 0004856406
ただし、前記一般式(I)中、Rは、エステル基、アミド基、及びエーテル基のいずれかが挿入されていてもよい炭素数6〜22の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又はアルケニル基を表し、R及びRは、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基、及びヒドロキシアルキル基のいずれかを表す。
Figure 0004856406
ただし、前記一般式(II)中、Rは、エステル基、アミド基、及びエーテル基のいずれかが挿入されていてもよい炭素数6〜22の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又はアルケニル基を表し、R及びRは、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基、及びヒドロキシアルキル基のいずれかを表す。
本発明は、本発明者による前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 下記一般式(I)で表されるアミンオキシドの製造方法において、
下記一般式(II)で表される第3級アミンを含む原料アミン溶液に対し、二酸化炭素を下記式(1)で表されるアミン換算酸価〔(AV)/(X)〕が1.6〜15(mg・KOH/g−アミン)となるまで添加した後、前記第3級アミンと過酸化水素とを反応させることを含むことを特徴とするアミンオキシドの製造方法である。
Figure 0004856406
ただし、前記一般式(I)中、Rは、エステル基、アミド基、及びエーテル基のいずれかが挿入されていてもよい炭素数6〜22の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又はアルケニル基を表し、R及びRは、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基、及びヒドロキシアルキル基のいずれかを表す。
Figure 0004856406
ただし、前記一般式(II)中、Rは、エステル基、アミド基、及びエーテル基のいずれかが挿入されていてもよい炭素数6〜22の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又はアルケニル基を表し、R及びRは、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基、及びヒドロキシアルキル基のいずれかを表す。
Figure 0004856406
*1:単位は、mg・KOH/g−アミン
<2> 原料アミン溶液における第3級アミンと溶媒との質量比が、(第3級アミン)/(溶媒)=10/1〜2/3である前記<1>に記載のアミンオキシドの製造方法である。
<3>冷却ジャケットを備えてなる反応器内で行われ、前記冷却ジャケット内を循環する伝熱性媒体の温度を制御することにより、反応温度を制御する前記<1>から<2>のいずれかに記載のアミンオキシドの製造方法である。
<4> 原料アミン溶液に対する二酸化炭素の添加が、15〜65℃で行われる前記<1>から<3>のいずれかに記載のアミンオキシドの製造方法である。
<5> 第3級アミンと過酸化水素との反応が、30〜80℃で行われる前記<1>から<4>のいずれかに記載のアミンオキシドの製造方法である。
<6> 第3級アミンと過酸化水素とを反応させる際、過酸化水素の全添加量に対する添加率が50質量%となるまでの間、冷却ジャケット内を循環する伝熱性媒体の温度を25〜45℃とする前記<1>から<5>のいずれかに記載のアミンオキシドの製造方法である。
<7> 前記<1>から<6>のいずれかに記載のアミンオキシドの製造方法により製造されたことを特徴とするアミンオキシドである。
本発明によると、反応時間が短く、反応における発泡やゲル化等の問題が抑制され、高品質なアミンオキシドを、少ないエネルギーでかつ効率よく製造可能なアミンオキシドの製造方法を提供することができる。
(アミンオキシドの製造方法)
本発明のアミンオキシドの製造方法は、下記反応式によりアミンオキシドを製造する方法であり、第3級アミンを含む原料アミン溶液に二酸化炭素を添加する工程、及び該第3級アミンと過酸化水素とを反応させる工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
Figure 0004856406
前記反応式中、Rは、エステル基、アミド基、及びエーテル基のいずれかが挿入されていてもよい炭素数6〜22の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又はアルケニル基を表し、R及びRは、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基、及びヒドロキシアルキル基のいずれかを表す。
<第3級アミンを含む原料アミン溶液に二酸化炭素を添加する工程>
<<第3級アミン>>
本発明のアミンオキシドの製造方法に用いられる第3級アミンは、下記一般式(II)で表される。
Figure 0004856406
ただし、前記一般式(II)中、Rは、エステル基、アミド基、及びエーテル基のいずれかが挿入されていてもよい炭素数6〜22の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又はアルケニル基を表し、R及びRは、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基、及びヒドロキシアルキル基のいずれかを表す。
前記一般式(II)で表される第3級アミンとしては、例えば、ジメチルオクチルアミン、ジメチルデシルアミン、ジメチルドデシルアミン、ジメチルテトラデシルアミン、ジメチルヘキサデシルアミン、ジメチルオクタデシルアミン、ジメチルヤシ油アルキルアミン、ジメチル硬化牛脂アルキルアミン、ジエチルドデシルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ドデシルアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルオクチルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルデシルアミド、及びN,N−ジメチルアミノプロピルドデシルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルテトラデシルアミン、ドデシロキシプロピルジメチルアミン、テトラデシロキシプロピルジメチルアミンなどが挙げられる。
本発明のアミンオキシドの製造方法において、第3級アミンは、後述する過酸化水素との反応成分として20〜40質量%、残部が反応溶媒となるように混合することが好ましく、前記過酸化水素との反応成分として25〜35質量%となるように混合することがより好ましい。
<<原料アミン溶液>>
第3級アミンは、溶媒との混合溶液である前記原料アミン溶液として反応に供することが好ましい。
前記原料アミン溶液における溶媒としては、一般的に水が用いられるが、前記原料アミン溶液の粘度を調整するために、低級アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等)などの水溶性溶媒を更に添加してもよい。
前記原料アミン溶液における第3級アミンと溶媒との質量比としては、(第3級アミン)/(溶媒)=10/1〜2/3であることが好ましく、10/3〜5/6であることがより好ましく、2/1〜1/1であることが特に好ましい。
前記溶媒の添加量が第3級アミン100質量%に対して10質量%未満であると(すなわち、前記質量比として、10/1未満であると)、後述する過酸化水素の添加において、ゲル化が生じて反応の継続が困難となることがあり、150質量%を超えると(すなわち、質量比として2/3を超えると)、反応生成物の濃度が低下し、生産性の低下や運搬費用のコストアップを招くことがあり、さらに、添加する過酸化水素濃度が相対的に高くなるため、反応生成物の色調や臭気の劣化を生じることがある。
<<二酸化炭素の添加方法>>
前記原料アミン溶液に対する二酸化炭素の添加方法としては、前記原料アミン溶液の下記式(1)で表されるアミン換算酸価が、1.6〜15(mg・KOH/g−アミン)となるように添加される限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、反応器内の気相を二酸化炭素で置換する方法、前記原料アミン溶液中に二酸化炭素を供給する方法、加圧により添加する方法等が挙げられ、添加する対象としては、気相及び液相のいずれであってもよい。
なお、二酸化炭素の添加は、昇温により発泡が生じない範囲で、第3級アミンと過酸化水素との反応中にも継続して行っても良い。
Figure 0004856406
*1:単位は、mg・KOH/g−アミンである。
前記原料アミン溶液の前記アミン換算酸価が1.6未満であると、反応促進効果が小さく、第3級アミンと過酸化水素との反応が遅くなることがあり、前記アミン換算酸価が15を超えると、二酸化炭素の過剰供給による経済的損失や時間的損失が大きくなり、また、大過剰の二酸化炭素が反応液に溶存してしまうため、発泡の原因となることがある。
前記原料アミン溶液の前記アミン換算酸価は、前記原料アミン溶液の酸価を測定することにより求めることができ、該酸価は、基準油脂分析試験法、酸価(2.3.1)等の方法により測定することができる。
前記原料アミン溶液に対する二酸化炭素の添加時の温度としては、15〜65℃が好ましく、20〜50℃がより好ましく、25〜45℃が特に好ましい。
前記温度を制御する方法としては、例えば、前記原料アミン溶液に対する二酸化炭素の添加が冷却ジャケットを備えてなる反応器内で行われる場合、前記冷却ジャケット内を循環する伝熱性媒体の温度を、15〜65℃の所望の温度に制御し、容器内温度及び前記原料アミン溶液の液温を、前記伝熱性媒体と略同一の温度とする方法が挙げられる。
前記温度が15℃未満であると、前記原料アミン溶液における二酸化炭素吸収率が大きくなる反面、過剰に溶存した二酸化炭素によって、その後の反応において発泡やゲル化が生じることがある。一方、前記温度が65℃を超えると、二酸化炭素が溶解し難くなるため、過剰の二酸化炭素が必要になり、また、二酸化炭素の導入とともに前記原料アミン溶液が、反応系外に流出することがある。
<第3級アミンと過酸化水素とを反応させる工程>
本発明のアミンオキシドの製造方法において、第3級アミンと過酸化水素とを反応させる工程は、前記アミン換算酸価が1.6〜15(mg・KOH/g−アミン)の前記原料アミン溶液に対し、過酸化水素を少量ずつ添加し、温度制御を行いながら、攪拌を行う工程である。
前記原料アミン溶液と過酸化水素との反応温度としては、30〜80℃が好ましく、40〜75℃がより好ましい。前記反応温度が30℃未満であると、反応速度が遅くなり、製造効率が低下することがあり、80℃を超えると、反応液の着色や臭気の劣化、及び過酸化水素の分解が生じることがある。
前記反応温度を上述の範囲内とするために、過酸化水素の添加によって生じた反応熱の除熱を行う必要があり、冷却ジャケットを備えてなる反応器内で行われることが好ましい。また、本発明のアミンオキシドの製造方法におけるすべての工程が、前記冷却ジャケットを備えてなる反応器内で行われることが好ましい。
前記冷却ジャケットを備えてなる反応器としては、例えば、反応槽の外側に、少なくとも冷却ジャケットに伝熱性媒体を循環可能な循環手段、及び前記伝熱性媒体の温度制御手段が接続されてなる反応器が挙げられ、公知のジャケット付反応器から適宜選択することができる。
なお、前記反応器には、過酸化水素を滴下して添加する手段、攪拌する手段、温度計等が備えられていることが好ましい。
前記攪拌する手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、タービン翼、オーバル3枚後退翼、フルゾーン翼、パドル翼等が挙げられる。
前記伝熱性媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、エチレングリコールなどが挙げられ、これらの中でも、水が好ましい。
前記除熱においては、前記伝熱性媒体の除熱能力が低下すると、過酸化水素の添加を停止して冷却する必要が生じ、添加時間が長くなり、製造効率の低下とともに、反応生成物の色調や臭気の劣化の原因となる。一方、前記除熱における冷却温度が低すぎると、反応液中に局部的なゲル化を生じ、伝熱効率が低下し、その結果除熱効率が低下する。
そこで、前記除熱は、過酸化水素の全添加量に対する添加率に応じて、前記伝熱性媒体の温度を制御することにより行うことが好ましい。
前記過酸化水素の全添加量に対する添加率が、0〜50質量%であるとき、好ましくは10〜40質量%であるとき、より好ましくは15〜30質量%であるとき、前記冷却ジャケット内を循環する前記伝熱性媒体の温度は、25〜50℃とすることが好ましく、30〜45℃とすることがより好ましい。これにより、ゲルの生成を回避して除熱効率の低下を回避し、かつ、効率よく高品質のアミンオキシドを製造することができる。
前記過酸化水素の全添加量に対する添加率が、50質量%を超えたとき、前記冷却ジャケット内を循環する前記伝熱性媒体の温度としては、前記反応器内の前記原料アミン溶液と過酸化水素との反応温度が30〜80℃の範囲内となる限り、特に制限はなく、必用に応じて適宜制御することができる。
<<過酸化水素>>
本発明のアミンオキシドの製造方法に用いられる過酸化水素としては、濃度3%以上の過酸化水素を含むものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一般的に入手が容易な過酸化水素濃度が30〜60%の過酸化水素水が好ましく、過酸化水素濃度が35〜50%の過酸化水素水がより好ましい。
第3級アミンと過酸化水素との反応において、ゲル生成を回避するために、過酸化水素を水又は有機溶媒で希釈して用いることもできる。この場合、前記有機溶媒としては、例えば、エタノール、2−プロパノール、エチレングリコール、及びプロピレングリコールなどが挙げられる。
前記過酸化水素の添加量としては、第3級アミン1モルに対し、1.00〜1.50モルであることが必要であり、1.00〜1.30モルであることがより好ましい。
前記過酸化水素の添加量が、第3級アミン1モルに対し、1.50モルを超えると、反応生成物中に未反応の過酸化水素が多量に残存し、回収した反応生成物の保存中に過酸化水素の分解による色調等の劣化が生じ、1.00モル未満であると、反応が完結しない。
本発明のアミンオキシドの製造方法においては、前記一般式(I)で表されるアミンオキシドは、アミンオキシド水溶液として得られ、第3級アミンの反応率(転化率)としては、98モル%以上であることが好ましく、99モル%以上であることがより好ましい。
前記アミンオキシドの製造方法により得られたアミンオキシド中の未反応の第3級アミンの含有量は、反応生成物であるアミンオキシド水溶液全量(質量)に対し、0.5質量%未満であることが好ましく、0.3質量%未満であることがより好ましく、0.2質量%未満であることがより好ましい。
アミンオキシド中に、未反応の第3級アミンが0.5質量%以上含まれると、アミンオキシドの洗浄力を低下させ、色調及び臭気等を劣化させ、皮膚刺激性を強めてしまうことがある。
また、アミンオキシド中の未反応の残存過酸化水素の量としては、反応生成物全量(質量)に対し、0.10質量%未満であることが好ましく、0.05質量%未満であることが好ましい。
<その他の工程>
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミンオキシド熟成工程、未反応の第3級アミンを低減させる工程、及び残存した過酸化水素を分解する工程等が挙げられる。
<<アミンオキシド熟成工程>>
前記アミンオキシド熟成工程は、過酸化水素の添加終了後、反応を継続することにより未反応の第3級アミン及び過酸化水素の含有量を低減させる工程であり、例えば、60〜80℃の温度条件下において、すなわち、前記原料アミン溶液と過酸化水素との反応温度を保ちながら、攪拌を継続して行う方法が挙げられる。
<<未反応の第3級アミンを低減させる工程>>
前記未反応の第3級アミンを低減させる工程としては、例えば、前記過酸化水素を更に添加する方法などが挙げられる。
<<残存した過酸化水素を分解する工程>>
前記残存した過酸化水素を分解する工程としては、例えば、反応後に、還元剤又は過酸化水素を分解する物質(例えば、過酸化水素分解酵素等)を添加して前記過酸化水素を分解する方法、前記原料第3級アミンを更に添加する方法等が挙げられる。
本発明のアミンオキシドの製造方法は、前記原料アミン溶液の酸価を、過酸化水素との反応前に規定の範囲とすることにより、反応効率を最適化するための二酸化炭素の添加を過不足無く行うことができ、かつ反応器に備えられた冷却ジャケット中の伝熱性媒体の温度制御を行うことにより反応における発泡やゲル化を防止することができ、高品質なアミンオキシドを、少ないエネルギーでかつ効率よく製造することができるため、工業的なアミンオキシドの製造方法として極めて有用である。
(アミンオキシド)
本発明のアミンオキシドの製造方法により得られたアミンオキシドは、高品質であり、皮膚に対する刺激性が低く、台所用洗剤や住居用洗剤、シャンプー、ボディシャンプーなど等の身体用洗浄剤、香粧品、化粧品等の幅広い用途に好適に用いることができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
反応器内に、第3級アミンとして、ラウリルジメチルアミン(商品名:アーミンDM12D、ライオン・アクゾ(株)製)200g(0.94モル)、及び水200gを投入した。気相中に二酸化炭素をフローにより導入しながら原料アミン溶液(ラウリルジメチルアミン水溶液)を攪拌し、25℃で二酸化炭素の添加を行った。
なお、前記反応器としては、冷却ジャケット、過酸化水素滴下装置、攪拌装置、温度計、保温材を備えた容量1Lのセパラブルフラスコを用い、二酸化炭素の添加中は、前記冷却ジャケット内を循環する伝熱性媒体(水)の温度を25℃とした。
二酸化炭素の添加終了後、前記反応器内のラウリルジメチルアミン水溶液の酸価を測定したところ、0.8(mg・KOH/g)であり、下記式(1)に従って求めたアミン換算酸価は、1.6(mg・KOH/g−アミン)であった。
Figure 0004856406
*1:単位は、mg・KOH/g−アミン
次いで、前記冷却ジャケット内を循環する伝熱性媒体を60℃まで加熱した後、前記伝熱性媒体を抜き、前記冷却ジャケット内部を一旦空にした。
前記反応容器内に、過酸化水素とラウリルジメチルアミンとのモル比が、(過酸化水素)/(アミン)=1.010となるように、濃度14.3%の過酸化水素水224.1g(0.944モル)を、前記過酸化水素滴下装置を用いて2時間かけて滴下した。
過酸化水素の添加率が50%となるまでの間、反応容器中の反応液の温度が60〜65℃を維持するように、前記伝熱性媒体の温度を25〜35℃に制御した。過酸化水素の添加率が50%を超えた後は、反応熱の発生が小さくなるため、前記伝熱性媒体の温度を55〜65℃とし、反応容器中の反応液の温度を65℃に保った。
過酸化水素を全量滴下した後、アミンオキシド熟成工程として、反応液の温度を65℃に維持しながら3.0時間攪拌を続け、反応を継続した。
得られた反応液の分析を行ったところ、未反応の第3級アミン含有量0.27質量%、残存過酸化水素含有量0.10質量%のラウリルジメチルアミンオキシド水溶液が得られたことがわかった。
得られたラウリルジメチルアミンオキシド水溶液の色調は、5(APHA)であり、不快臭の発生もなく、良好な性状であった。
最終的に得られたラウリルジメチルアミンオキシドは、ラウリルジメチルアミンの反応率(転化率)が99.2モル%であり、回収されたラウリルジメチルアミンオキシド水溶液中の有効成分は34.0質量%であった。
なお、昇温中及び過酸化水素滴下中に反応液の発泡は観察されず、過酸化水素滴下中のゲル化もみられなかった。反応条件、及び結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1と同じ反応器を用い、該反応器中に、実施例1と同量のラウリルジメチルアミン及び水を投入した。
二酸化炭素の添加は、前記冷却ジャケット内を循環する伝熱性媒体の温度を25℃に保ち、25℃としたラウリルジメチルアミン水溶液中に供給しながら行った。
二酸化炭素の添加終了後、前記反応器内のラウリルジメチルアミン水溶液の酸価を測定したところ、7.3(mg・KOH/g)であり、前記式(1)に従って求めたアミン換算酸価は、14.6(mg・KOH/g−アミン)であった。
次いで、実施例1と同様にして、実施例1と同量の過酸化水素を2時間かけて滴下した。
過酸化水素の添加率が50%となるまでの間、反応容器中の反応液の温度が60〜65℃となるように、前記伝熱性媒体の温度を25〜35℃に制御した。過酸化水素の添加率が50%を超えた後は、前記伝熱性媒体の温度を55〜65℃として反応容器中の反応液の温度を65℃に保った。
過酸化水素の滴下終了後、アミンオキシド熟成工程として、反応液の温度を65℃に維持しながら2.0時間攪拌を続け、反応を継続した。
得られた反応液の分析を行ったところ、未反応の第3級アミン含有量0.18質量%、残存過酸化水素含有量0.05質量%のラウリルジメチルアミンオキシド水溶液が得られたことがわかった。
得られたラウリルジメチルアミンオキシド水溶液の色調は、5(APHA)であり、不快臭の発生もなく、良好な性状であった。
最終的に得られたラウリルジメチルアミンオキシドは、ラウリルジメチルアミンの反応率(転化率)が99.5モル%であり、回収されたラウリルジメチルアミンオキシド水溶液中の有効成分は34.0質量%であった。
なお、昇温中及び過酸化水素滴下中に反応液の発泡は観察されず、過酸化水素滴下中のゲル化もみられなかった。反応条件、及び結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1と同じ反応器を用い、該反応器中に、実施例1と同量のラウリルジメチルアミン及び水を投入した。
二酸化炭素の添加は、前記冷却ジャケット内を循環する伝熱性媒体の温度を60℃に保ち、ラウリルジメチルアミン水溶液を攪拌しながら、気相中にフローすることにより行った。
二酸化炭素の添加終了後、時間攪拌後、前記反応器内のラウリルジメチルアミン水溶液の酸価を測定したところ、0.95(mg・KOH/g)であり、前記式(1)に従って求めたアミン換算酸価は、1.9(mg・KOH/g−アミン)であった。
次いで、実施例1と同様にして、実施例1と同量の過酸化水素を2時間かけて滴下した。
過酸化水素の添加率が50%となるまでの間、反応容器中の反応液の温度が60〜65℃となるように、前記伝熱性媒体の温度を25〜35℃にコントロールした。過酸化水素の添加率が50%を超えた後は、前記伝熱性媒体の温度を55〜65℃として反応容器中の反応液の温度を65℃に保った。
過酸化水素の滴下終了後、アミンオキシド熟成工程として、反応液の温度を65℃に維持しながら3.0時間攪拌を続け、反応を継続した。なお、昇温中及び過酸化水素滴下中に反応液の発泡は観察されなかった。
反応液の分析を行ったところ、未反応の第3級アミン含有量0.27質量%、残存過酸化水素含有量0.10質量%のラウリルジメチルアミンオキシド水溶液が得られたことがわかった。
得られたラウリルジメチルアミンオキシド水溶液の色調は、5(APHA)であり、不快臭の発生もなく、良好な性状であった。
最終的に得られたラウリルジメチルアミンオキシドは、ラウリルジメチルアミンの反応率(転化率)が99.2モル%であり、回収されたラウリルジメチルアミンオキシド水溶液中の有効成分は34.0質量%であった。
なお、昇温中及び過酸化水素滴下中に反応液の発泡は観察されず、過酸化水素滴下中のゲル化もみられなかった。反応条件、及び結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1と同じ反応器を用い、該反応器中に、実施例1と同量のラウリルジメチルアミン及び水を投入した。
二酸化炭素の導入は、前記冷却ジャケット内を循環する伝熱性媒体の温度を30℃に保ち、ラウリルジメチルアミン水溶液を攪拌しながら気相中にフローすることにより行った。
二酸化炭素の添加終了後、前記反応器内のラウリルジメチルアミン水溶液の酸価を測定したところ、1.7(mg・KOH/g)であり、前記式(1)に従って求めたアミン換算酸価は、3.4(mg・KOH/g−アミン)であった。
次いで、実施例1と同様にして、実施例1と同量の過酸化水素を2時間かけて滴下した。
過酸化水素の添加率が50%となるまでの間、反応容器中の反応液の温度が60〜65℃となるように、前記伝熱性媒体の温度を25〜35℃にコントロールした。過酸化水素の添加率が50%を超えた後は、前記伝熱性媒体の温度を55〜65℃として反応容器中の反応液の温度を65℃に保った。
過酸化水素の滴下終了後、アミンオキシド熟成工程として、反応液の温度を65℃に維持しながら2.5時間攪拌を続け、反応を継続した。
得られた反応液の分析を行ったところ、未反応の第3級アミン含有量0.25質量%、残存過酸化水素含有量0.09質量%のラウリルジメチルアミンオキシド水溶液が得られたことがわかった。
得られたラウリルジメチルアミンオキシド水溶液の色調は、5(APHA)であり、不快臭の発生もなく、良好な性状であった。
最終的に得られたラウリルジメチルアミンオキシドは、ラウリルジメチルアミンの反応率(転化率)が99.3モル%であり、回収されたラウリルジメチルアミンオキシド水溶液中の有効成分は34.0質量%であった。
なお、昇温中及び過酸化水素滴下中に反応液の発泡は観察されず、過酸化水素滴下中のゲル化もみられなかった。反応条件、及び結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例1と同じ反応器を用い、該反応器中に、実施例1と同量のラウリルジメチルアミン及び水を投入した。
二酸化炭素の導入は、前記冷却ジャケット内を循環する伝熱性媒体の温度を15℃に保ち、ラウリルジメチルアミン水溶液を攪拌しながら気相中にフローすることにより行った。
二酸化炭素の添加終了後、前記反応器内のラウリルジメチルアミン水溶液の酸価を測定したところ、3.5(mg・KOH/g)であり、前記式(1)に従って求めたアミン換算酸価は、7.0(mg・KOH/g−アミン)であった。
次いで、実施例1と同様にして、実施例1と同量の過酸化水素を2時間かけて滴下した。
過酸化水素の添加率が50%となるまでの間、反応容器中の反応液の温度が60〜65℃となるように、前記伝熱性媒体の温度を25〜35℃にコントロールした。過酸化水素の添加率が50%を超えた後は、前記伝熱性媒体の温度を55〜65℃として反応容器中の反応液の温度を65℃に保った。
過酸化水素の滴下終了後、アミンオキシド熟成工程として、反応液の温度を65℃に維持しながら2.0時間攪拌を続け、反応を継続した。
得られた反応液の分析を行ったところ、未反応の第3級アミン含有量0.19質量%、残存過酸化水素含有量0.09質量%のラウリルジメチルアミンオキシド水溶液が得られたことがわかった。
得られたラウリルジメチルアミンオキシド水溶液の色調は、5(APHA)であり、不快臭の発生もなく、良好な性状であった。
最終的に得られたラウリルジメチルアミンオキシドは、ラウリルジメチルアミンの反応率(転化率)が99.4モル%であり、回収されたラウリルジメチルアミンオキシド水溶液中の有効成分は34.0質量%であった。
なお、昇温中及び過酸化水素滴下中に反応液の発泡は観察されず、過酸化水素滴下中のゲル化もみられなかった。反応条件、及び結果を表1に示す。
(実施例6)
実施例1と同じ反応器を用い、該反応器中に、ラウリルジメチルアミン200g(0.94モル)、および水300gを投入した。
二酸化炭素の添加は、前記冷却ジャケット内を循環する伝熱性媒体の温度を30℃に保ち、30℃としたラウリルジメチルアミン水溶液中に供給しながら行った。
二酸化炭素の添加終了後、前記反応器内のラウリルジメチルアミン水溶液の酸価を測定したところ、1.6(mg・KOH/g)であり、前記式(1)に従って求めたアミン換算酸価は、4.0(mg・KOH/g−アミン)であった。
次いで、前記冷却ジャケット内を循環する伝熱性媒体を60℃まで加熱した後、前記伝熱性媒体を抜き、前記冷却ジャケット内部を一旦空にした。
前記反応容器内に、過酸化水素とラウリルジメチルアミンとのモル比が、(過酸化水素)/(アミン)=1.010となるように、濃度25.9%の過酸化水素水124.1g(0.944モル)を、前記過酸化水素滴下装置を用いて2時間かけて滴下した。
過酸化水素の添加率が50%となるまでの間、反応容器中の反応液の温度が65℃となるように、前記伝熱性媒体の温度を25〜35℃にコントロールした。過酸化水素の添加率が50%を超えた後は、前記伝熱性媒体の温度を55〜65℃として反応容器中の反応液の温度を65℃に保った。
過酸化水素を全量滴下した後、アミンオキシド熟成工程として、反応液の温度を65℃に維持しながら2.5時間攪拌を続け、反応を継続した。
得られた反応液の分析を行ったところ、未反応の第3級アミン含有量0.26質量%、残存過酸化水素含有量0.10質量%のラウリルジメチルアミンオキシド水溶液が得られたことがわかった。
得られたラウリルジメチルアミンオキシド水溶液の色調は、5(APHA)であり、不快臭の発生もなく、良好な性状であった。
最終的に得られたラウリルジメチルアミンオキシドは、ラウリルジメチルアミンの反応率(転化率)が99.2モル%であり、回収されたラウリルジメチルアミンオキシド水溶液中の有効成分は34.0質量%であった。
なお、昇温中及び過酸化水素滴下中に反応液の発泡は観察されず、過酸化水素滴下中のゲル化もみられなかった。反応条件、及び結果を表2に示す。
(実施例7)
実施例1と同じ反応器を用い、該反応器中に、ラウリルジメチルアミン200g(0.94モル)、および水133.4gを投入した。
二酸化炭素の添加は、前記冷却ジャケット内を循環する伝熱性媒体の温度を30℃に保ち、ラウリルジメチルアミン水溶液を攪拌しながら、気相中にフローして行った。
二酸化炭素の添加終了後、前記反応器内のラウリルジメチルアミン水溶液の酸価を測定したところ、3.5(mg・KOH/g)であり、前記式(1)に従って求めたアミン換算酸価は、5.8(mg・KOH/g−アミン)であった。
次いで、前記冷却ジャケット内を循環する伝熱性媒体を60℃まで加熱した後、前記伝熱性媒体を抜き、前記冷却ジャケット内部を一旦空にした。
前記反応容器内に、過酸化水素とラウリルジメチルアミンとのモル比が、(過酸化水素)/(アミン)=1.010となるように、濃度11.0%の過酸化水素水290.8g(0.944モル)を、前記過酸化水素滴下装置を用いて2時間かけて滴下した。
過酸化水素の添加率が50%となるまでの間、反応容器中の反応液の温度が60〜65℃となるように、前記伝熱性媒体の温度を25〜35℃にコントロールした。過酸化水素の添加率が50%を超えた後は、前記伝熱性媒体の温度を55〜65℃として反応容器中の反応液の温度を65℃に保った。
過酸化水素を全量滴下した後、アミンオキシド熟成工程として、反応液の温度を65℃に維持しながら2.5時間攪拌を続け、反応を継続した。
得られた反応液の分析を行ったところ、未反応の第3級アミン含有量0.26質量%、残存過酸化水素含有量0.10質量%のラウリルジメチルアミンオキシド水溶液が得られたことがわかった。
得られたラウリルジメチルアミンオキシド水溶液の色調は、5(APHA)であり、不快臭の発生もなく、良好な性状であった。
最終的に得られたラウリルジメチルアミンオキシドは、ラウリルジメチルアミンの反応率(転化率)が99.2モル%であり、回収されたラウリルジメチルアミンオキシド水溶液中の有効成分は34.0質量%であった。
なお、昇温中及び過酸化水素滴下中に反応液の発泡は観察されず、過酸化水素滴下中のゲル化もみられなかった。反応条件、及び結果を表2に示す。
(比較例1)
実施例1と同じ反応器を用い、該反応器中に、実施例1と同量のラウリルジメチルアミン及び水を投入し、攪拌した。
二酸化炭素の添加は、前記冷却ジャケット内を循環する伝熱性媒体の温度を30℃に保ち、ラウリルジメチルアミン水溶液を攪拌しながら、気相中にフローして行った。
二酸化炭素の添加終了後、前記反応器内のラウリルジメチルアミン水溶液の酸価を測定したところ、0.5(mg・KOH/g)であり、前記式(1)に従って求めたアミン換算酸価は、1.0(mg・KOH/g−アミン)であった。
次いで、実施例1と同様にして、実施例1と同量の過酸化水素水を2時間かけて滴下した。
過酸化水素の添加率が50%となるまでの間、反応容器中の反応液の温度が60〜65℃となるように、前記伝熱性媒体の温度を25〜35℃にコントロールした。過酸化水素の添加率が50%を超えた後は、前記伝熱性媒体の温度を55〜65℃として反応容器中の反応液の温度を65℃に保った。
過酸化水素を全量滴下した後、アミンオキシド熟成工程として、反応液の温度を65℃に維持しながら攪拌を続け、反応を継続した。
反応液中の未反応の第3級アミン含有量が0.3質量%未満となるまで、前記アミンオキシド熟成工程は4.5時間を要した。
得られたラウリルジメチルアミンオキシド水溶液の色調は、10(APHA)であり、色調がわずかに劣っていたが、不快臭の発生は無く、良好な性状であった。
最終的に得られたラウリルジメチルアミンオキシドは、ラウリルジメチルアミンの反応率(転化率)が99.3モル%であり、回収されたラウリルジメチルアミンオキシド水溶液中の有効成分は34.0質量%であった。
なお、昇温中及び過酸化水素滴下中に反応液の発泡は観察されず、過酸化水素滴下中のゲル化もみられなかった。反応条件、及び結果を表2に示す。
(比較例2)
実施例1と同じ反応器を用い、該反応器中に、実施例1と同量のラウリルジメチルアミン及び水を投入した。
二酸化炭素の添加は、前記冷却ジャケット内を循環する伝熱性媒体の温度を25℃に保ち、25℃としたラウリルジメチルアミン水溶液中に供給しながら行った。
二酸化炭素の添加終了後、前記反応器内のラウリルジメチルアミン水溶液の酸価を測定したところ、10.0(mg・KOH/g)であり、前記式(1)に従って求めたアミン換算酸価は、20.0(mg・KOH/g−アミン)であった。
次いで、実施例1と同様にして、実施例1と同量の過酸化水素を2時間かけて滴下した。なお、55℃まで昇温する際、反応液中に発泡がみられた。
過酸化水素の添加率が50%となるまでの間、反応容器中の反応液の温度が60〜65℃となるように、前記伝熱性媒体の温度を25〜35℃にコントロールした。過酸化水素の添加率が50%を超えた後は、前記伝熱性媒体の温度を55〜65℃として反応容器中の反応液の温度を65℃に保った。
過酸化水素を全量滴下した後、アミンオキシド熟成工程として、反応液の温度を65℃に維持しながら攪拌を続け、反応を継続した。なお、昇温中及び過酸化水素滴下中に反応液に発泡が生じた。未反応の第3級アミン含有量が0.3質量%未満となるまで、前記アミンオキシド熟成工程は2.0時間を要した。
得られたラウリルジメチルアミンオキシド水溶液の色調は、5(APHA)であり、不快臭の発生もなく、良好な性状であった。
最終的に得られたラウリルジメチルアミンオキシドは、ラウリルジメチルアミンの反応率(転化率)が99.4モル%であり、回収されたラウリルジメチルアミンオキシド水溶液中の有効成分は34.0質量%であった。
結果を表2に示す。
(比較例3)
実施例1と同じ反応器を用い、該反応器中に、実施例1と同量のラウリルジメチルアミン及び水を投入した。
二酸化炭素の添加は、前記冷却ジャケット内を循環する伝熱性媒体の温度を70℃とし、ラウリルジメチルアミン水溶液を攪拌しながら、気相中にフローして行った。
二酸化炭素の添加終了後、前記反応器内のラウリルジメチルアミン水溶液の酸価を測定したところ、0.68(mg・KOH/g)であり、前記式(1)に従って求めたアミン換算酸価は、1.4(mg・KOH/g−アミン)であった。
次いで、実施例1と同様にして、実施例1と同量の過酸化水素を2時間かけて滴下した。
過酸化水素の添加率が50%となるまでの間、反応容器中の反応液の温度が60〜65℃となるように、前記伝熱性媒体の温度を25〜35℃にコントロールした。過酸化水素の添加率が50%を超えた後は、前記伝熱性媒体の温度を55〜65℃として反応容器中の反応液の温度を65℃に保った。
過酸化水素を全量滴下した後、アミンオキシド熟成工程として、反応液の温度を65℃に維持しながら攪拌を続け、反応を継続した。
未反応の前記原料第3級アミン含有量が0.3質量%未満となるまで、前記アミンオキシド熟成工程は4.5時間を要した。
得られたラウリルジメチルアミンオキシド水溶液の色調は、10(APHA)であり、不快臭の発生もなく、良好な性状であった。
最終的に得られたラウリルジメチルアミンオキシドは、ラウリルジメチルアミンの反応率(転化率)が99.2モル%であり、回収されたラウリルジメチルアミンオキシド水溶液中の有効成分は34.0質量%であった。
なお、昇温中及び過酸化水素滴下中に反応液の発泡は観察されず、過酸化水素滴下中のゲル化もみられなかった。反応条件、及び結果を表2に示す。
Figure 0004856406
*1:下記の基準に基づき、評価した。
◎:ほとんど発泡しない
○:わずかに発泡するが、すぐにおさまる
×:激しく発泡する
*2:下記の基準に基づき、評価した。
○:ゲル化はみられなかった
×:ゲル化がみられた
*3:下記の基準に基づき、評価した。
◎:アミンオキシド熟成工程において、未反応第3級アミンの含有量が0.3質
量%未満となるまで2時間以内であった
○:アミンオキシド熟成工程において、未反応第3級アミンの含有量が0.3質
量%未満となるまで3時間以内であった
×:アミンオキシド熟成工程において、未反応第3級アミンの含有量が0.3質
量%未満となるまで4時間以上要した
*4:下記の基準に基づき、評価した。
○:臭気や色調の劣化がなく、良好な性状である
△:臭気や色調に、やや劣化がみられる
×:臭気や色調に劣化がみられる
Figure 0004856406
*1〜*4は、表1と同じ。
表1及び表2の結果から、原料アミン溶液に対する二酸化炭素の添加により、前記原料アミン溶液のアミン換算酸価を1.6〜15(mg・KOH/g−アミン)とした実施例1〜7のアミンオキシドの製造方法は、反応液の発泡及びゲル化が抑えられ、反応効率も良好であることがわかった。
(実施例8)
反応器内に、前記原料第3級アミンとして、デシルジメチルアミン(商品名:アーミンDM10D、ライオン・アクゾ(株)製)450g(2.32モル)、及び水300gを投入し、気相中に二酸化炭素をフローにより導入しながら原料アミン溶液(デシルジメチルアミン水溶液)を攪拌し、25℃で二酸化炭素の添加を行った。
なお、前記反応器として、冷却ジャケット、過酸化水素滴下装置、攪拌装置、温度計、保温材を備えた容量2Lの四つ口フラスコを用い、二酸化炭素の導入中は、前記冷却ジャケット内を循環する伝熱性媒体(水)の温度を25℃に保った。
二酸化炭素の添加終了後、前記反応器内のデシルジメチルアミン水溶液の酸価を測定したところ、1.4(mg・KOH/g)であり、前記式(1)に従って求めたアミン換算酸価は、2.4(mg・KOH/g−アミン)であった。
次いで、前記冷却ジャケット内を循環する伝熱性媒体を55℃まで加熱した後、前記伝熱性媒体を抜き、前記冷却ジャケット内部空にした。
前記反応容器内に、過酸化水素とデシルジメチルアミンとのモル比が、(過酸化水素)/(アミン)=1.015となるように、濃度17.8%の過酸化水素水449.5g(2.35モル)を、前記過酸化水素滴下装置を用いて2時間かけて滴下した。
過酸化水素の添加率が50%となるまでの間、反応容器中の反応液の温度が65℃を維持するように、前記伝熱性媒体の温度を25〜35℃にコントロールした。過酸化水素の添加率が50%を超えた後は、反応熱の発生が小さくなるため、前記伝熱性媒体の温度を55〜65℃として反応容器中の反応液の温度を65℃に保った。
過酸化水素を全量滴下した後、アミンオキシド熟成工程として、反応液の温度を65℃に維持しながら3.0時間攪拌を続け、反応を継続した。
得られた反応液の分析を行ったところ、未反応の第3級アミン含有量0.20質量%、残存過酸化水素含有量0.09質量%のデシルジメチルアミンオキシド水溶液が得られたことがわかった。
得られたデシルジメチルアミンオキシド水溶液の色調は、5(APHA)であり、不快臭の発生もなく、良好な性状であった。
最終的に得られたデシルジメチルアミンオキシドは、デシルジメチルアミンの反応率(転化率)が99.5モル%であり、回収されたデシルジメチルアミンオキシド中の有効成分は40.0質量%であった。
なお、昇温中及び過酸化水素滴下中に反応液の発泡は観察されず、過酸化水素滴下中のゲル化もみられなかった。反応条件、及び結果を表3に示す。
(実施例9)
反応器内に、第3級アミンとして、ココジメチルアミン(商品名:アーミンDMCD、ライオン・アクゾ(株)製)400g(1.76モル)、及び水600gを投入した。気相中に二酸化炭素をフローにより導入しながら原料アミン溶液(ココジメチルアミン水溶液)を攪拌し、30℃で二酸化炭素の添加を行った。
なお、前記反応器としては、冷却ジャケット、過酸化水素滴下装置、攪拌装置、温度計、保温材を備えた容量2Lの四つ口フラスコを用い、二酸化炭素の添加中は、前記冷却ジャケット内を循環する伝熱性媒体(水)の温度を30℃とした。
二酸化炭素の添加終了後、前記反応器内のココジメチルアミン水溶液の酸価を測定したところ、1.8(mg・KOH/g)であり、前記式(1)に従って求めたアミン換算酸価は、3.0(mg・KOH/g−アミン)であった。
次いで、前記冷却ジャケット内を循環する伝熱性媒体を75℃まで加熱した後、前記伝熱性媒体を抜き、前記冷却ジャケット内部を一旦空にした。
前記反応容器内に、過酸化水素とココジメチルアミンとのモル比が、(過酸化水素)/(アミン)=1.018となるように、濃度14.8%の過酸化水素水224.1g(0.944モル)を、前記過酸化水素滴下装置を用いて2時間かけて滴下した。
過酸化水素の添加率が50%となるまでの間、反応容器中の反応液の温度が70〜75℃を維持するように、前記伝熱性媒体の温度を30〜45℃にコントロールした。過酸化水素の添加率が50%を超えた後は、反応熱の発生が小さくなるため、前記伝熱性媒体の温度を60〜75℃とし、反応容器中の反応液の温度を70℃に保った。
過酸化水素を全量滴下した後、アミンオキシド熟成工程として、反応液の温度を65℃に維持しながら5.0時間攪拌を続け、反応を継続した。
得られた反応液の分析を行ったところ、未反応の第3級アミン含有量0.21質量%、残存過酸化水素含有量0.09質量%のココジメチルアミンオキシド水溶液が得られたことがわかった。
得られたココジメチルアミンオキシド水溶液の色調は、10(APHA)であり、不快臭の発生もなく、良好な性状であった。
最終的に得られたココジメチルアミンオキシドは、ココジメチルアミンの反応率(転化率)が99.3モル%であり、回収されたココジメチルアミンオキシド水溶液中の有効成分は30.0質量%であった。
なお、昇温中及び過酸化水素滴下中に反応液の発泡は観察されず、過酸化水素滴下中のゲル化もみられなかった。反応条件、及び結果を表3に示す。
(実施例10)
反応器内に、第3級アミンとして、N,N−ジメチルアミノプロピルドデシルアミド(以下、「C12アミドアミン」と表す)400g(1.38モル)、及び水400gを投入した。気相中に二酸化炭素をフローにより導入しながら原料アミン溶液(C12アミドアミン水溶液)を攪拌し、30℃で二酸化炭素の添加を行った。
なお、前記反応器としては、冷却ジャケット、過酸化水素滴下装置、攪拌装置、温度計、保温材を備えた容量2Lの四つ口フラスコを用い、二酸化炭素の添加中は、前記冷却ジャケット内を循環する伝熱性媒体(水)の温度を30℃とした。
二酸化炭素の添加終了後、前記反応器内のC12アミドアミン水溶液の酸価を測定したところ、1.7(mg・KOH/g)であり、前記式(1)に従って求めたアミン換算酸価は、3.4(mg・KOH/g−アミン)であった。
次いで、前記冷却ジャケット内を循環する伝熱性媒体を60℃まで加熱した後、前記伝熱性媒体を抜き、前記冷却ジャケット内部を一旦空にした。
前記反応容器内に、過酸化水素とラウリルジメチルアミンとのモル比が、(過酸化水素)/(アミン)=1.025となるように、濃度7.9%の過酸化水素水606.9g(1.41モル)を、前記過酸化水素滴下装置を用いて2時間かけて滴下した。
過酸化水素の添加率が50%となるまでの間、反応容器中の反応液の温度が60〜65℃を維持するように、前記伝熱性媒体の温度を25〜35℃にコントロールした。過酸化水素の添加率が50%を超えた後は、反応熱の発生が小さくなるため、前記伝熱性媒体の温度を55〜65℃とし、反応容器中の反応液の温度を65℃に保った。
過酸化水素を全量滴下した後、アミンオキシド熟成工程として、反応液の温度を65℃に維持しながら2.0時間攪拌を続け、反応を継続した。
得られた反応液の分析を行ったところ、未反応の第3級アミン含有量0.08質量%、残存過酸化水素含有量0.04質量%のC12アミドアミンオキシド水溶液が得られたことがわかった。
なお、得られたC12アミドアミンオキシド水溶液の色調は、5(APHA)であり、不快臭の発生もなく、良好な性状であった。
最終的に得られたラウリルジメチルアミンオキシドは、ラウリルジメチルアミンの反応率(転化率)が99.8モル%であり、回収されたラウリルジメチルアミンオキシド水溶液中の有効成分は33.0質量%であった。
なお、昇温中及び過酸化水素滴下中に反応液の発泡は観察されず、過酸化水素滴下中のゲル化もみられなかった。反応条件、及び結果を表3に示す。
Figure 0004856406
*1〜*4は、表1と同じ。
(実施例11)
反応器として、容量100Lのジャケット冷却式反応器を用いた。
前記反応器内に、ラウリルジメチルアミン(商品名:アーミンDM12D、ライオン・アクゾ(株)製)25.0kg(117モル)、及び水25.0kgを投入した。気相中に二酸化炭素をフローにより導入しながら原料アミン溶液(ラウリルジメチルアミン水溶液)を攪拌し、30℃で二酸化炭素の添加を行った。
冷却ジャケット内を循環する伝熱性媒体(水)の温度は30℃とした。
二酸化炭素の添加終了後、前記反応器内のラウリルジメチルアミン水溶液の酸価を測定したところ、1.7(mg・KOH/g)であり、前記式(1)に従って求めたアミン換算酸価は、3.4(mg・KOH/g−アミン)であった。
次いで、前記冷却ジャケット内を循環する伝熱性媒体を55℃まで加熱した後、前記伝熱性媒体を抜き、前記冷却ジャケット内部を一旦空にした。
前記反応容器内に、過酸化水素とラウリルジメチルアミンとのモル比が、(過酸化水素)/(アミン)=1.010となるように、濃度16.7%の過酸化水素水24.0kg(118モル)を160分かけて滴下した。
反応容器中の反応液の温度が70℃以下を維持するように、前記伝熱性媒体の温度を30〜35℃にコントロールし、その後、反応容器中の反応液の温度を65℃に保った。
過酸化水素を全量滴下した後、アミンオキシド熟成工程として、反応液の温度を65℃に維持しながら3.0時間攪拌を続け、反応を継続した。
得られた反応液の分析を行ったところ、未反応の第3級アミン含有量0.19質量%、残存過酸化水素含有量0.08質量%のラウリルジメチルアミンオキシド水溶液が得られたことがわかった。
得られたラウリルジメチルアミンオキシド水溶液の色調は、10(APHA)であり、不快臭の発生もなく、良好な性状であった。
最終的に得られたラウリルジメチルアミンオキシドは、ラウリルジメチルアミンの反応率(転化率)が99.4モル%であり、回収されたラウリルジメチルアミンオキシド水溶液中の有効成分は35.8質量%であった。
なお、昇温中及び過酸化水素滴下中に反応液の発泡は観察されず、過酸化水素滴下中のゲル化もみられなかった。反応条件、及び結果を表4に示す。
(実施例12)
実施例11と同じ装置を用い、実施例11と同量のラウリルジメチルアミン及び水を投入し、実施例11と同様にして二酸化炭素の添加を行った。
二酸化炭素の添加終了後、前記反応器内のラウリルジメチルアミン水溶液の酸価を測定したところ、1.8(mg・KOH/g)であり、前記式(1)に従って求めたアミン換算酸価は、3.6(mg・KOH/g−アミン)であった。
次いで、実施例11と同様にして、実施例1と同量の過酸化水素を滴下した。
過酸化水素の添加とともに、反応液の温度が上昇したため、前記反応液の温度が70℃以下となるように、前記伝熱性媒体の温度を20〜25℃に制御した。
過酸化水素の滴下を継続していくと、前記反応液の温度が70℃を超えたため、過酸化水素の滴下を前記反応液の温度が68℃以下になるまで中断し、その後滴下を再開した。このため、過酸化水素の滴下に要した時間は184分であった。これは、反応容器内の冷却ジャケットとの接触面にはゲルが形成され、熱伝導効率が低下したことによると考えられた。
過酸化水素の滴下終了後、アミンオキシド熟成工程として、反応液の温度を65℃に維持しながら3.0時間攪拌を続け、反応を継続した。
得られた反応液の分析を行ったところ、未反応の第3級アミン含有量0.26質量%、残存過酸化水素含有量0.10質量%のラウリルジメチルアミンオキシド水溶液が得られたことがわかった。
得られたラウリルジメチルアミンオキシド水溶液の色調は、10(APHA)であり、不快臭の発生もなく、良好な性状であった。
最終的に得られたラウリルジメチルアミンオキシドは、ラウリルジメチルアミンの反応率(転化率)が99.3モル%であり、回収されたラウリルジメチルアミンオキシド水溶液中の有効成分は35.8質量%であった。反応条件、及び結果を表4に示す。
(比較例4)
実施例11と同じ装置を用い、実施例11と同量のラウリルジメチルアミン、及び水12.5kgを投入し、実施例11と同様にして二酸化炭素の添加を行った。
二酸化炭素の添加終了後、前記反応器内のラウリルジメチルアミン水溶液の酸価を測定したところ、12.3(mg・KOH/g)であり、前記式(1)に従って求めたアミン換算酸価は、18.4(mg・KOH/g−アミン)であった。
次いで、前記冷却ジャケット内を循環する伝熱性媒体を55℃まで加熱した後、前記伝熱性媒体を抜き、前記冷却ジャケット内部を一旦空にした。
前記反応容器内に、過酸化水素とラウリルジメチルアミンとのモル比が、(過酸化水素)/(アミン)=1.010となるように、濃度10.9%の過酸化水素水36.8kg(118モル)を滴下した。
過酸化水素の添加とともに、反応液の温度が上昇したため、前記反応液の温度が70℃以下となるように、前記伝熱性媒体の温度を15〜20℃に制御したところ、反応容器内の冷却ジャケットとの接触面にはゲルが形成され、前記反応液の温度が70℃を超えた。そこで、過酸化水素の滴下を前記反応液の温度が68℃以下になるまで中断し、その後滴下を再開した。このため、過酸化水素の滴下に要した時間は285分であった。
過酸化水素の滴下終了後、アミンオキシド熟成工程として、反応液の温度を65℃に維持しながら3.0時間攪拌を続け、反応を継続した。
得られた反応液の分析を行ったところ、未反応の第3級アミン含有量0.25質量%、残存過酸化水素含有量0.10質量%のラウリルジメチルアミンオキシド水溶液が得られたことがわかった。
得られたラウリルジメチルアミンオキシド水溶液の色調は、10(APHA)であり、不快臭の発生もなく、良好な性状であった。
最終的に得られたラウリルジメチルアミンオキシドは、ラウリルジメチルアミンの反応率(転化率)が99.3モル%であり、回収されたラウリルジメチルアミンオキシド水溶液中の有効成分は35.7質量%であった。反応条件、及び結果を表4に示す。
Figure 0004856406
表4の結果から、第3級アミンと過酸化水素との反応時の除熱を行うために、過酸化水素添加率が50質量%となるまで冷却ジャケット内の伝熱媒体の温度を25℃未満の低温とすることにより、ゲル化が生じ、反応効率を低下させることがわかった。
本発明のアミンオキシドの製造方法は、反応効率を最適化するための二酸化炭素の添加を過不足無く行うことができ、かつ反応器に備えられた冷却ジャケット中の伝熱性媒体の温度制御を行うことにより反応における発泡やゲル化を防止することができ、高品質なアミンオキシドを、少ないエネルギーでかつ効率よく製造することができるため、工業的なアミンオキシドの製造方法として好適である。
また、本発明のアミンオキシドの製造方法により製造されたアミンオキシドは、高品質であり、皮膚に対する刺激性が低く、台所用洗剤や住居用洗剤、シャンプー、ボディシャンプーなど等の身体用洗浄剤、香粧品、化粧品等の幅広い用途に好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. 記一般式(II)で表される第3級アミンを含む原料アミン溶液に対し、二酸化炭素を添加した後、前記第3級アミンと過酸化水素とを反応させることを含む、下記一般式(I)で表されるアミンオキシドの製造方法であって、
    前記二酸化炭素を添加した後であって、前記第3級アミンと前記過酸化水素とを反応させる前に、下記式(1)で表されるアミン換算酸価の測定を行い、該アミン換算酸価〔(AV)/(X)〕1.6〜15(mg・KOH/g−アミン)の範囲とすることを特徴とするアミンオキシドの製造方法。
    Figure 0004856406
    ただし、前記一般式(I)中、Rは、エステル基、アミド基、及びエーテル基のいずれかが挿入されていてもよい炭素数6〜22の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又はアルケニル基を表し、R及びRは、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基、及びヒドロキシアルキル基のいずれかを表す。
    Figure 0004856406
    ただし、前記一般式(II)中、Rは、エステル基、アミド基、及びエーテル基のいずれかが挿入されていてもよい炭素数6〜22の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又はアルケニル基を表し、R及びRは、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基、及びヒドロキシアルキル基のいずれかを表す。
    Figure 0004856406
    *1:単位は、mg・KOH/g−アミン
  2. 原料アミン溶液が水を含み、第3級アミンと前記水との質量比が、(第3級アミン)/(水)=10/1〜2/3である請求項1に記載のアミンオキシドの製造方法。
  3. 原料アミン溶液に対する二酸化炭素の添加が、15〜65℃で行われる請求項1から2のいずれかに記載のアミンオキシドの製造方法。
  4. 第3級アミンと過酸化水素との反応が、30〜80℃で行われる請求項1から3のいずれかに記載のアミンオキシドの製造方法。
  5. 第3級アミンと過酸化水素との反応が、冷却ジャケットを備えてなる反応器内で行われ、前記第3級アミンと前記過酸化水素とを反応させる際、前記過酸化水素の全添加量に対する添加率が50質量%となるまでの間、前記冷却ジャケット内を循環する伝熱性媒体の温度を25〜45℃とする請求項1から4のいずれかに記載のアミンオキシドの製造方法。
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