JP4854573B2 - 積層型コンデンサの製造方法 - Google Patents

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本発明は、積層型コンデンサの製造方法に関する。
従来より、大きな静電容量を得るために導電膜と誘電膜とを交互に積層した積層型コンデンサが知られている。この積層型コンデンサは、例えば、図4に示すように、基板30上に、例えばAgから成る導電膜31と例えばSiNxから成る誘電電膜32とを例えば真空蒸着法などにより交互に積層するなどの方法で製造されている。
特開平01−222424号公報
しかしながら、従来の積層型コンデンサにおいては、例えば図4の例で、例えばAgから成る導電膜31と例えばSiNから成る誘電膜32との間の界面が大気中の酸素と反応して劣化するなどの要因により前記Ag導電膜31とSiNx誘電膜32との剥離が生じやすいという問題があった。
本発明はこのような従来技術の問題点に着目してなされたものであって、導電膜と誘電膜との間の結合を強くして導電膜と誘電膜との剥離が生じることを防止することができる積層型コンデンサを提供することを目的とする。
以上のような課題を解決するための本発明は、基板の上に導電膜と誘電膜とを交互に積層して成る積層型コンデンサの製造方法であって、導電膜形成用の一対のターゲットと磁石を含むミラートロンスパッタ装置により、前記各ターゲットをスパッタし、このスパッタ粒子を前記各ターゲット間の空間の側方に配置された基板上に付着・堆積させて前記基板上に第1導電膜を形成する工程と、前記第1導電膜の形成の終了時又はその直前であって前記スパッタの継続中に、後の誘電膜の形成のために使用する反応性ガスと同種の反応性ガスを所定の短時間だけ前記基板の近傍に導入し、前記スパッタ粒子を前記反応性ガスと反応させながら前記第1導電膜の上に付着・堆積させて前記第1導電膜上に第1化合物膜を形成する工程と、前記第1化合物膜の形成後、誘電膜形成用の一対のターゲットと磁石を含むミラートロンスパッタ装置により、前記各ターゲットをスパッタし、このスパッタ粒子を所定の反応性ガスと反応させながら前記第1化合物膜の上に付着・堆積させて前記第1化合物膜上に誘電膜を形成する工程と、前記誘電膜の形成後、導電膜形成用の一対のターゲットと磁石を含むミラートロンスパッタ装置により、前記各ターゲットをスパッタしながら前記誘電膜の形成に使用した反応性ガスと同種の反応性ガスを所定の短時間だけ前記基板の近傍に導入し、前記スパッタ粒子を前記反応性ガスと反応させながら前記誘電膜の上に付着・堆積させて前記誘電膜上に第2化合物膜を形成する工程と、前記第2化合物膜の形成後、前記スパッタを継続したまま、前記反応性ガスの導入を停止し、前記スパッタ粒子を前記第2化合物膜の上に付着・堆積させて前記第2化合物膜上に第2導電膜を形成する工程と、を含むことを特徴とするものである。
また、本発明は、基板の上に導電膜と誘電膜とを交互に積層して成る積層型コンデンサの製造方法であって、導電膜形成用の一対のターゲットと磁石を含むミラートロンスパッタ装置により、前記各ターゲットをスパッタし、このスパッタ粒子を前記各ターゲット間の空間の側方に配置された基板又はこの基板上に形成されている膜の上に付着・堆積させて前記基板または前記膜上に導電膜を形成する工程と、前記導電膜の形成の終了時であって前記スパッタの継続中に、後の誘電膜の形成のために使用する反応性ガスと同種の反応性ガスを所定の短時間だけ前記基板の近傍に導入し、前記スパッタ粒子を前記反応性ガスと反応させながら前記導電膜の上に付着・堆積させて前記導電膜上に化合物膜を形成する工程と、前記化合物膜の形成後、誘電膜形成用の一対のターゲットと磁石を含むミラートロンスパッタ装置により、前記各ターゲットをスパッタし、このスパッタ粒子を前記化合物膜の形成に使用した反応性ガスと同種の反応性ガスと反応させながら前記化合物膜の上に付着・堆積させて前記化合物膜上に誘電膜を形成する工程と、を少なくとも含むことを特徴とするものである。
さらに、本発明は、基板の上に導電膜と誘電膜とを交互に積層して成る積層型コンデンサの製造方法であって、誘電膜形成用の一対のターゲットと磁石を含むミラートロンスパッタ装置により、前記各ターゲットをスパッタし、このスパッタ粒子を所定の反応性ガスと反応させながら前記基板上の導電膜又はその上の他の膜の上に付着・堆積させて前記導電膜又は前記他の膜上に誘電膜を形成する工程と、前記誘電膜の形成後、導電膜形成用の一対のターゲットと磁石を含むミラートロンスパッタ装置により、前記各ターゲットをスパッタしながら前記誘電膜の形成に使用した反応性ガスと同種の反応性ガスを所定の短時間だけ前記基板の近傍に導入し、前記スパッタ粒子を前記反応性ガスと反応させながら前記誘電膜の上に付着・堆積させて前記誘電膜上に化合物膜を形成する工程と、前記化合物膜の形成後、前記スパッタを継続したまま、前記反応性ガスの導入を停止し、前記スパッタ粒子を前記化合物膜の上に付着・堆積させて前記化合物膜上に導電膜を形成する工程と、を少なくとも含むことを特徴とするものである。
本発明においては、ミラートロンスパッタ法により導電膜の誘電膜と接する界面を形成するときに、すなわち、(a)導電膜の形成を終了する終了時に、又は(b)誘電膜の形成を行った後に導電膜の形成を開始する開始時に、所定の短時間だけ、導電膜を形成するためのスパッタ粒子を誘電膜の形成のために使用する反応性ガスと同種の反応性ガスと反応させる。これにより、前記導電膜の誘電膜と接する界面に、前記スパッタ粒子と前記反応性ガスとが反応してなる化合物膜を形成するようにしている。よって、本発明によれば、前記の導電膜と誘電膜との間に、前記互いに同種の反応性ガスにより形成された化合物膜を介在させるようにしているので、前記の導電膜と誘電膜との間の結合が強固になり、両者間の剥離が生じることを防止できるようになる。
また、本発明では、(a)前記導電膜の形成後にこの作業と連続的に(前記の導電膜形成用のスパッタを継続しながら前記反応性ガスを所定時間だけ導入するだけで)前記化合物膜を形成するように、又は、(b)前記スパッタ粒子を反応性ガスと反応させて化合物膜を形成した後にこの作業と連続的に(前記の化合物膜形成用のスパッタは継続しながら前記反応性ガスの導入を停止するだけで)前記導電膜を形成するようにしている。よって、本発明によれば、前記化合物膜を極めて薄く形成することができ、又極めて簡単な作業の追加だけで形成することができるので、極めて少ない材料と極めて短い製膜時間を追加するだけで前記導電膜と誘電膜との密着性を増大させることができる。
本発明を実施するための最良の形態は、以下の実施例1について述べるような形態である。
以下、本発明の実施例1による積層型コンデンサの製造方法を説明する。図1は本実施例1の中で使用するミラートロンスパッタ装置を説明するための図、図2は本実施例1による積層型コンデンサの製造方法を説明するための図である。
図1において、1は例えばAg材料から成り平面が略円板状に形成された一対のターゲットである。前記各ターゲット1は、互いに所定の距離を介して対向配置されている。また、2は前記各ターゲット1の外周部に沿うように断面が略円形に形成されている略リング状の磁石である。前記磁石2は、互いに対向する部分が対極となるように、前記各ターゲット1の背面側にそれぞれ配置されている。また、3は被処理物としての基板で、前記各ターゲット1間の空間Hの側方(図示上方)に配置されている。なお、前記のターゲット1、及び基板3などはいずれも図示しない真空容器内に収容されている。
また、図1において、5は前記真空容器側をアノード(陽極)に前記各ターゲット1をカソード(陰極)にしてスパッタ電力を供給するためのスパッタ電源、6は図示しないスパッタガス導入口から前記真空容器内の前記各ターゲット1の側方近傍に導入されるアルゴンなどの不活性ガス(スパッタガス)、7は前記基板3の近傍に向けて必要に応じて酸素ガスや窒素ガスなどの反応性ガスを導入するための反応性ガス導入口、である。
図1に示すミラートロンスパッタ装置においては、前述のように前記各ターゲット1の背面側にそれぞれ略円形リング状の磁石2が配置されているため、前記一対のターゲット1間の空間Hは、一方の磁石2から他方の磁石2に向かう方向(前記各ターゲット1のスパッタ面と略垂直な方向)に磁力線が走る磁場空間となる。前記両ターゲット1間の空間Hは、その周辺部(前記略円板状のターゲット1の外周に対向する略リング状部分=前記各磁石2に対向する略リング状部分)が磁束密度が高く、その内側の中央部が磁束密度が低い状態となっている。
本実施例1においては、図1に示すようなミラートロンスパッタ装置を2つ用意し、一方の装置には導電膜を形成するためのAg材料から成る一対のターゲットを収容し、他方の装置には誘電膜を形成するためのSi材料から成る一対のターゲットを収容するようにしている。
図1において、前記一方のミラートロンスパッタ装置の真空容器内を真空排気した後、アルゴンガスを導入し、その後、前記各Agターゲット1を陰極とすべく電圧を印加すると、前記両Agターゲット1間に存在するアルゴンなどのスパッタガスはイオン化してプラズマとなり、またこれによって生じたArなどの陽イオンがAgターゲット1に入射してスパッタを起こす。なお、この段階では、前記反応性ガス導入口7からは反応性ガスは導入されていない。このとき、前述のように前記両Agターゲット1間にはスパッタ面と略垂直な磁界が印加されているので、前記各Agターゲット1間の空間H内では、高エネルギー電子が閉じ込められ、この高エネルギー電子が前記スパッタガスとの衝突を繰り返すことにより前記スパッタガスのイオン化が促進され、その結果、スパッタイオン数の増大化により前記Agターゲット1のスパッタ速度が高められる。前記各Agターゲット1からスパッタされて叩き出された原子又は粒子は、前記基板3の上に付着・堆積して、Ag導電膜11を形成する(図2参照)。
本実施例1では、前述のようにAg導電膜11が形成されるとき、その終了時の所定時間だけ(例えば数秒間だけ)、前記反応性ガス導入口7から窒素ガスを導入する。すると、前記Ag導電膜11の界面(後に形成する誘電膜12側の界面)に、前記Agターゲット1からのスパッタ粒子が前記窒素ガスと反応してAgNx膜11aが形成される。
その後、前記基板3を、前記他方のミラートロンスパッタ装置(一対のSiターゲットを収容している)の真空容器内に入れて、前記装置により、前記Siターゲットをスパッタしながら、前記反応性ガス導入口7から窒素ガス(前記AgNx膜11aを形成したときと同種の反応性ガス)を導入する。すると、前記スパッタ粒子は前記窒素ガスと反応して、前記AgNx膜11aの上にSiNx誘電膜12を形成する(図2参照)。
次に、前記基板3を、前記一方のミラートロンスパッタ装置(一対のAgターゲットを収容している)の真空容器内に入れて、前記装置により、前記Agターゲット1をスパッタしながら、前記反応性ガス導入口7から窒素ガス(前記SiNx膜12を形成したときと同種の反応性ガス)を、所定の短時間だけ(例えば数秒間だけ)、導入する。すると、前記スパッタ粒子は前記窒素ガスと反応して、前記SiNx誘電膜12の上にAgNx膜13aを形成する(図2参照)。
前記AgNx膜13aを形成した後、前記Agターゲット1のスパッタは継続したまま、前記窒素ガスの導入を停止する。すると、前記スパッタ粒子は前記AgNx膜13aの上に付着・堆積し、前記AgNx膜13aの上にAg導電膜13を形成する。
以後、同様の手順で、図2の前記Ag導電膜13上のAgNx化合物膜13bの形成、その上のSiNx誘電膜14の形成、その上のAgNx化合物膜15aの形成、その上のAg導電膜15の形成などを行う。これにより、図2に示すような積層型コンデンサが製造される。
以上のように、本実施例1においては、ミラートロンスパッタ法によりAg導電膜11のSiNx誘電膜12と接する界面を形成するときに、すなわち、前記Ag導電膜11の形成を終了する終了時に、所定の短時間だけ、それまでのスパッタを継続させたまま窒素ガスを導入して、前記Ag導電膜11を形成するためのスパッタ粒子を前記窒素ガスと反応させて、前記Ag導電膜11のSiNx誘電膜12と接する界面にAgNx化合物膜11aを形成するようにしている。よって、本実施例1によれば、前記のAg導電膜11とSiNx誘電膜12との間に、両者に共通のNx成分を有するAgNx化合物膜11aを介在させるようにしたので、前記のAg導電膜11とSiNx誘電膜12との間の結合が強固になり、両者間の剥離が生じることを防止できるようになる。
また、本実施例1では、前記Ag導電膜11を形成する作業と連続的に(前記スパッタを継続しながら窒素ガスを所定時間だけ導入するだけで)前記AgNx化合物膜11aを形成するようにしているので、前記AgNx化合物膜11aは極めて薄く形成するだけでよく、少ない材料と短い製膜時間を付加するだけで前記Ag導電膜11とSinx誘電膜12との密着性を増大させることができる(なお、本実施例1において、Ag導電膜13のSiNx誘電膜14と接する界面にAgNx化合物膜13bを形成する場合も、上記と同様である)。
また、本実施例1においては、ミラートロンスパッタ法によりAg導電膜13のSiNx誘電膜12と接する界面を形成するときに、すなわち、前記SiNx誘電膜12の形成後に前記Ag導電膜13の形成を開始する開始時に、前記Agターゲットをスパッタしながら、所定の短時間だけ窒素ガスを導入し、前記スパッタ粒子を前記窒素ガスと反応させて、前記Ag導電膜13のSiNx誘電膜12と接する界面にAgNx化合物膜13aを形成するようにしている。よって、本実施例1によれば、前記のAg導電膜13とSiNx誘電膜12との間に、両者に共通するNx成分を有するAgNx化合物膜13aを介在させるようにしたので、前記のAg導電膜13とSiNx誘電膜12との間の結合が強固になり、両者間の剥離が生じることを防止できるようになる。
また、本実施例1では、前記AgNx化合物膜13aを形成した後にその作業と連続的に(前記Agターゲットのスパッタは継続しながら前記窒素ガスの導入を停止するだけで)前記Ag導電膜13を形成するようにしているので、前記AgNx化合物膜13aは、極めて薄く形成することができ、又極めて簡単な作業の追加だけで形成することができる。よって、本実施例1によれば、極めて少ない材料と極めて短い製膜時間を付加するだけで前記Ag導電膜13とSiNx誘電膜12との密着性を増大させることができる(なお、本実施例1において、Ag導電膜15のSiNx誘電膜14と接する界面にAgNx化合物膜15aを形成する場合も、上記と同様である)。
次に、本発明の実施例2による積層型コンデンサの製造方法を図3を参照して説明する。本実施例2で使用するミラートロンスパッタ装置(図1参照)とその基本動作は前記実施例1と同様であるので説明を省略し、本実施例2による固有の動作を中心に以下に説明する。
本実施例2においては、2つのミラートロンスパッタ装置を用意し、一方の装置には導電膜を形成するためのCu材料から成る一対のターゲットを収容し、他方の装置には誘電膜を形成するためのSi材料から成る一対のターゲットを収容するようにしている。
図1において、前記一方のミラートロンスパッタ装置の真空容器内を真空排気した後、アルゴンガスを導入し、その後、前記各ターゲット1を陰極とすべく電圧を印加すると、前記両Cuターゲット1間に存在するアルゴンなどのスパッタガスはイオン化してプラズマとなり、またこれによって生じたArなどの陽イオンがCuターゲット1に入射してスパッタを起こす。なお、この段階では、前記反応性ガス導入口7からは反応性ガスは導入されていない。このとき、前述のように前記両Cuターゲット1間にはスパッタ面と略垂直な磁界が印加されているので、前記各Cuターゲット1間の空間H内では、高エネルギー電子が閉じ込められ、この高エネルギー電子が前記スパッタガスとの衝突を繰り返すことにより前記スパッタガスのイオン化が促進され、その結果、スパッタイオン数の増大化により前記Cuターゲット1のスパッタ速度が高められる。前記各Cuターゲット1からスパッタされて叩き出された原子又は粒子は、前記基板3の上に付着・堆積して、Cu導電膜21が形成される。
本実施例2では、前述のようにしてCu導電膜21が形成されるとき、その終了時の所定時間だけ(例えば数秒間だけ)、前記反応性ガス導入口7から酸素ガスが導入される。すると、前記Cu導電膜21の界面(後に形成されるSiOx誘電膜22側の界面)に前記Cuターゲット1からのスパッタ粒子が前記窒素ガスと反応してCuOx化合物膜21aが形成される。
その後、前記基板3を、前記他方のミラートロンスパッタ装置(一対のSiターゲットを収容している)の真空容器内に入れて、前記装置により、前記Siターゲットをスパッタしながら、前記反応性ガス導入口7から酸素ガス(前記CuNx膜21aを形成したときと同種の反応性ガス)を導入する。すると、前記スパッタ粒子は前記酸素ガスと反応して、前記CuOx膜21aの上にSiOx誘電膜22を形成する。
次に、前記基板3を、前記一方のミラートロンスパッタ装置(一対のCuターゲットを収容している)の真空容器内に入れて、前記装置により、前記Cuターゲットをスパッタしながら、前記反応性ガス導入口7から酸素ガス(前記CuOx誘電膜22を形成したときと同種の反応性ガス)を、所定の短時間だけ(例えば数秒間だけ)導入する。すると、前記スパッタ粒子は前記酸素ガスと反応して、前記SiOx誘電膜22の上にCuOx化合物膜23aを形成する。
次に、前記CuOx化合物膜23aを形成したら、前記Cuターゲットのスパッタは継続したまま、前記酸素ガスの導入を停止する。すると、前記スパッタ粒子は前記CuOx化合物膜23aの上に付着・堆積し、Cu導電膜23を形成する。
以後、同様の手順で、図3の前記Cu導電膜23上のCuOx化合物膜23bの形成、その上のSiOx膜24の形成、その上のCuOx化合物膜25aの形成、その上のCu導電膜25の形成などを行う。これにより、図3に示すような積層型コンデンサが製造される。
以上のように、本実施例2においては、ミラートロンスパッタ法により導電膜21の誘電膜22と接する界面を形成するときに、すなわち、Cu導電膜21の形成を行った終了時に、所定の短時間だけ、それまでのスパッタを継続させたまま、前記Cu導電膜21を形成するためのスパッタ粒子を酸素ガスと反応させて、前記Cu導電膜21のSiOx誘電膜22と接する界面にCuOx化合物膜21aを形成するようにしている。よって、本実施例2によれば、前記のCu導電膜21とSiOx誘電膜22との間に、両者に共通のOx成分を有するCuOx化合物膜21aを介在させるようにしたので、前記のCu導電膜21とSiOx誘電膜22との間の結合が強固になり、両者間の剥離が生じることを防止できるようになる(なお、本実施例2において、Cu導電膜23のSiOx誘電膜24と接する界面にCuOx化合物膜23bを形成する場合も、上記と同様である)。
また、本実施例2においては、ミラートロンスパッタ法によりCu導電膜23のSiOx誘電膜22と接する界面を形成するときに、すなわち、Cu導電膜23の形成の開始時に(SiOx誘電膜22の形成を行った終了時かその直後に)、所定の短時間だけ、前記Cuターゲットをスパッタしながら、そのスパッタ粒子を酸素ガスと反応させて、前記Cu導電膜23のSiOx誘電膜22と接する界面に(すなわちSiOx誘電膜22の上に)CuOx化合物膜23aを形成するようにしている。よって、本実施例2によれば、前記のCu導電膜23とSiOx誘電膜22との間に、両者に共通のOx成分を有するCuOx化合物膜23aを介在させるようにしたので、前記のCu導電膜23とSiOx誘電膜22との間の結合が強固になり、両者間の剥離が生じることを防止できるようになる(なお、本実施例2において、Cu導電膜25のSiOx誘電体24と接する界面にCuOx化合物膜25aを形成する場合も、上記と同様である)。なお、本実施例2によるその他の作用効果は、前記実施例1と同様であるので説明を省略する。
以上、本発明の各実施例について説明したが、本発明及び本発明を構成する各構成要件は、それぞれ、前記の各実施例及び前記の各実施例を構成する各要素として述べたものに限定されるものではなく、様々な修正及び変更が可能である。例えば、前記各実施例1,2においては、導電膜形成用の一対のターゲットを収容するミラートロンスパッタ装置と誘電膜形成用の一対のターゲットを収容するミラートロンスパッタ装置との2つの装置を用意しておき、導電膜と誘電膜を交互に形成するときそれに合わせて前記基板3を2つの装置の間で往復移動させるようにしているが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、基板上に導電膜と誘電膜を交互に形成するとき、それに合わせて、一つのミラートロンスパッタ装置の中に収容されているターゲットを導電膜形成用と誘電膜形成用とに交互に切り替えるようにしてもよい。また、本発明では、一つの真空容器の中に導電膜形成用のターゲットと誘電膜形成用のターゲットとを配置しておき、基板上に導電膜と誘電膜を交互に形成するとき、それに合わせて、基板を、それぞれの膜に対応するターゲット間の磁場空間の側方に移動させるようにしてもよい。
本発明の実施例1に使用するミラートロンスパッタ装置の構成を説明するための概略図。 本実施例1による積層型コンデンサの製造方法を説明するための図。 本発明の実施例2による積層型コンデンサの製造方法を説明するための図。 従来の積層型コンデンサの製造方法を説明するための図。
符号の説明
1 ターゲット
2 磁石
3 基板
5 スパッタ電源
6 不活性ガス
7 反応性ガス導入口
8 スパッタされて叩き出された原子又は粒子
H 両ターゲット間の磁場空間
11,13,15 Ag導電膜
11a,13a,13b,15a AgNx化合物膜
21,23,25 Cu導電膜
21a,23a,23b,25a CuOx化合物膜
12,14 SiNx誘電膜
22,24 SiOx誘電膜

Claims (3)

  1. 基板の上に導電膜と誘電膜とを交互に積層して成る積層型コンデンサの製造方法であって、
    導電膜形成用の一対のターゲットと磁石を含むミラートロンスパッタ装置により、前記各ターゲットをスパッタし、このスパッタ粒子を前記各ターゲット間の空間の側方に配置された基板上に付着・堆積させて前記基板上に第1導電膜を形成する工程と、
    前記第1導電膜の形成の終了時であって前記スパッタの継続中に、後の誘電膜の形成のために使用する反応性ガスと同種の反応性ガスを所定の短時間だけ前記基板の近傍に導入し、前記スパッタ粒子を前記反応性ガスと反応させながら前記第1導電膜の上に付着・堆積させて前記第1導電膜上に第1化合物膜を形成する工程と、
    前記第1化合物膜の形成後、誘電膜形成用の一対のターゲットと磁石を含むミラートロンスパッタ装置により、前記各ターゲットをスパッタし、このスパッタ粒子を所定の反応性ガスと反応させながら前記第1化合物膜の上に付着・堆積させて前記第1化合物膜上に誘電膜を形成する工程と、
    前記誘電膜の形成後、導電膜形成用の一対のターゲットと磁石を含むミラートロンスパッタ装置により、前記各ターゲットをスパッタしながら前記誘電膜の形成に使用した反応性ガスと同種の反応性ガスを所定の短時間だけ前記基板の近傍に導入し、前記スパッタ粒子を前記反応性ガスと反応させながら前記誘電膜の上に付着・堆積させて前記誘電膜上に第2化合物膜を形成する工程と、
    前記第2化合物膜の形成後、前記スパッタを継続したまま、前記反応性ガスの導入を停止し、前記スパッタ粒子を前記第2化合物膜の上に付着・堆積させて前記第2化合物膜上に第2導電膜を形成する工程と、
    を少なくとも含むことを特徴とする、積層型コンデンサの製造方法。
  2. 基板の上に導電膜と誘電膜とを交互に積層して成る積層型コンデンサの製造方法であって、
    導電膜形成用の一対のターゲットと磁石を含むミラートロンスパッタ装置により、前記各ターゲットをスパッタし、このスパッタ粒子を前記各ターゲット間の空間の側方に配置された基板又はこの基板上に形成されている膜の上に付着・堆積させて前記基板または前記膜上に導電膜を形成する工程と、
    前記導電膜の形成の終了時であって前記スパッタの継続中に、後の誘電膜の形成のために使用する反応性ガスと同種の反応性ガスを所定の短時間だけ前記基板の近傍に導入し、前記スパッタ粒子を前記反応性ガスと反応させながら前記導電膜の上に付着・堆積させて前記導電膜上に化合物膜を形成する工程と、
    前記化合物膜の形成後、誘電膜形成用の一対のターゲットと磁石を含むミラートロンスパッタ装置により、前記各ターゲットをスパッタし、このスパッタ粒子を前記化合物膜の形成に使用した反応性ガスと同種の反応性ガスと反応させながら前記化合物膜の上に付着・堆積させて前記化合物膜上に誘電膜を形成する工程と、
    を少なくとも含むことを特徴とする、積層型コンデンサの製造方法。
  3. 基板の上に導電膜と誘電膜とを交互に積層して成る積層型コンデンサの製造方法であって、
    誘電膜形成用の一対のターゲットと磁石を含むミラートロンスパッタ装置により、前記各ターゲットをスパッタし、このスパッタ粒子を所定の反応性ガスと反応させながら前記基板上の導電膜又はその上の他の膜の上に付着・堆積させて前記導電膜又は前記他の膜上に誘電膜を形成する工程と、
    前記誘電膜の形成後、導電膜形成用の一対のターゲットと磁石を含むミラートロンスパッタ装置により、前記各ターゲットをスパッタしながら前記誘電膜の形成に使用した反応性ガスと同種の反応性ガスを所定の短時間だけ前記基板の近傍に導入し、前記スパッタ粒子を前記反応性ガスと反応させながら前記誘電膜の上に付着・堆積させて前記誘電膜上に化合物膜を形成する工程と、
    前記化合物膜の形成後、前記スパッタを継続したまま、前記反応性ガスの導入を停止し、前記スパッタ粒子を前記化合物膜の上に付着・堆積させて前記化合物膜上に導電膜を形成する工程と、
    を少なくとも含むことを特徴とする、積層型コンデンサの製造方法。
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