JP4851678B2 - 施釉装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンベヤ上に被施釉物を載せて搬送しつつ釉薬を吹き付けるようにした施釉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来公知の施釉装置1を図4により説明する。施釉装置1は、側縁にチェーン2を有する無端状のコンベヤ3と、コンベヤ3上の施釉領域4を囲う装置カバー5と、前記コンベヤ3の上に載せた被施釉物たるタイルTに対して釉薬6を霧状に吹き付ける吹付け装置7と、前記チェーン2を覆う釉薬除けのチェーンカバー8とを有する。
【0003】
前記コンベヤ3は、平行に並べた2列のチェーン2,2間に多数のステーピン3aを簀の子状に差し渡したいわゆるバーチェーンタイプであり、タイルTの無い部分に吹き付けられた釉薬6が搬送面に貯まらないようになっている。また、このタイプのコンベヤ3は、チェーン2の下側をレール9で受けることによってタイルTの荷重を支える構造になっている。
【0004】
吹付け装置7は、釉薬6をコンベヤ3の上方から霧状にして噴霧する施釉ノズル7aと、その施釉ノズル7aをコンベヤ3の幅方向に往復動作させる駆動手段(図示せず)とからなり、施釉ノズル7aから釉薬6を連続して噴霧させつつその施釉ノズル7aをコンベヤ3上で反復往復させることにより、コンベヤ3に載って連続搬送されるタイルTに満遍なく釉薬6を塗布することができる。なお、装置カバー5の底部は傾斜付きの釉薬受け11になっていて、タイルTに付着しなかった釉薬6を釉薬受け11で回収し、釉薬6の貯留タンク(図示せず)に戻して施釉ノズル7aから再度噴霧する。
【0005】
前記チェーンカバー8は、チェーン2の外側に立設した縦板8aと、その縦板8aの上端からチェーン2の上面を覆うように延設した屋根板8bと、その屋根板8bの前縁を下向きに屈曲させてチェーン2の内側上方をカバーする仕切板8cで構成されており、コンベヤ3目掛けて噴霧される釉薬6からチェーン2を防護する役割を果たす。なお、チェーン2に釉薬6が付着すると、その釉薬6が研磨剤として機能するため、チェーン2の摩耗が早まり寿命が短くなる問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
釉薬6は噴霧により細かい霧状になって漂うため、チェーンカバー8の下方から回り込んだ釉薬6がチェーン2やレール9に付着し、結局チェーン2を傷める問題が発生していた。
【0007】
本発明は上記に鑑みなされたもので、その目的はチェーンに対する釉薬の付着防止効果に優れた施釉装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため本発明は、平行な2列のチェーン間に多数のステーピンを簀の子状に差し渡した無端状のコンベヤと、前記チェーンを案内するレールと、前記コンベヤの上に載せた被施釉物に対してコンベヤの上方から釉薬を霧状にして吹き付ける吹付け装置と、前記コンベヤの下方にあってそのコンベヤの下方に抜けた釉薬を回収する釉薬受けと、前記コンベヤの施釉領域に対応配置された前記チェーンを覆うための釉薬除けのチェーンカバーと、を有する施釉装置であって、
前記チェーンカバーは、前記チェーン及びそのチェーンを案内するレールの外側を囲う縦板と、チェーン及び前記レールの上面を覆うように前記縦板の上端位置に形成した屋根板と、チェーン及び前記レールの内側上方を囲うように前記屋根板の前縁位置に形成した下向きの仕切板と、チェーン及び前記レールの下面を囲うように前記縦板の下端位置に形成した底板と、チェーン及び前記レールの内側下方を囲うように前記底板の前縁位置に上向きに形成されると共に前記仕切板との間にコンベヤの前記ステーピン挿通用の隙間を設けてなる下仕切板と、を備えたほぼ筒状形態に形成し、
一方、前記チェーンカバーの仕切板と下仕切板の間に形成される前記隙間を横切るように下向きに流れる気流を強制的に発生させる気流発生手段を設け、その気流によって前記チェーンカバー内への釉薬の侵入を防止するようにした施釉装置を提供する。
【0009】
本発明によれば、霧状になって漂う釉薬がチェーンカバーに接近しても、気流発生手段による気流によって釉薬の向きが変えられるため、チェーンカバー内に釉薬が侵入しない。よってチェーンに対する釉薬の付着が効果的に防止できる。
【0010】
なお、請求項2に記載したように前記気流発生手段は、チェーンカバーの前記仕切板に取り付けた送風管で構成し、その送風管に開設した通気孔からコンベヤに向けて下向きにエアーを吐出させるようにするとよい。こうすることにより霧状の釉薬が釉薬受けに集まりやすくなるから、釉薬の回収が促進される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。なお、施釉装置1の概略は上記従来技術の項で説明したとおりであり、よって重複する部分の説明を省略する。
【0013】
本発明のチェーンカバー8は、前記した縦板8a、屋根板8b、仕切板8cに加え、底板8dと下仕切板8eを設けて、コンベヤ(ステーピン3a)挿通用の隙間12を有するほぼ筒状に形成される。そして、図1のようにチェーンカバー8の外側高所に当たる仕切板8cの外面に送風管13を取り付け、その送風管13に下向きの通気孔14を開設して気流発生手段となす。
【0014】
上記の構成よりなる気流発生手段は、送風管13にエアーを送ると送風管13の通気孔14からコンベヤ3に向けて下向きにエアーが吐出し、このエアーがチェーンカバー8によるカバー領域15とコンベヤ3の施釉領域4の境界部を横切る方向の気流となり、チェーンカバー8に向かう霧状の釉薬6の流れを下向きに変える。従って、チェーンカバー8の内部に釉薬6が侵入しないから、チェーン2に対する釉薬6の付着が効果的に防止できる。なお、下向きに流れを変えた霧状の釉薬6は底部の釉薬受け11に当たってそのまま回収される。
【0015】
図2は気流発生手段の他の実施形態を示すものであり、前記チェーンカバー8自体を送風管にしてその内部にエアーを吹き込むようにしたものである。そうすると、吹き込まれたエアーが前記コンベヤ挿通用の隙間12からコンベヤ3の施釉領域4に向けて吐出するから、前記と同様にチェーンカバー8内部への釉薬6の侵入が阻止できる。
【0016】
以上本発明を実施の形態について説明したが、もちろん本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、前記第一の実施形態では送風管13をチェーンカバー8自体に固着したが、チェーンカバー8の上方に送風管13を独立配置させてもよい。また、実施形態では被施釉物としてタイルTを例示したが、例えば被施釉物を瓦や陶板にすることも可能であり、従って本発明において被施釉物は特に限定されない。
【0017】
また、第一の実施形態ではチェーンカバー8をほぼ筒状に形成したが、例えば図4に示した従来型のチェーンカバー8に図1に示した送風管13を設置するだけでも従来装置との比較においてチェーンカバー8の大幅な機能アップが可能である。もちろんそれより筒状にした送風管13の方が高い効果を発揮することは言うまでもない。
【0018】
また、第一の実施形態では送風管13を単純な角筒で形成したが、このような角筒や或いは円筒で送風管13を形成した場合、送風管13の設置態様によっては周りに付着した釉薬6が外面を伝って通気孔14に行き着く可能性がある。もし、そのような釉薬6が送風停止後に自然硬化して通気孔14を塞ぐなどの弊害をもたらすおそれがあるとすれば、そのような釉薬6の流れを通気孔14に到達する前に断つべく、送風管13の最高所と通気孔14の間に最低所を作ってそこを釉薬切り部16にするとよい。例えば、図3に示したように通気孔14を有する送風管13の底板13aを非固定側の下角部に向けて下り勾配にすれば、前記下角部が釉薬切り部16として機能し、送風管13の外面から伝い降りた釉薬6がその釉薬切り部16に集まって滴となり、通気孔14に到達することなく釉薬受け11に滴下する。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、霧状になって漂う釉薬がチェーンカバーに接近しても、気流発生手段による気流によって釉薬の向きが変えられるため、チェーンカバー内に釉薬が侵入しない。よってチェーンに対する釉薬の付着が効果的に防止できる。
【0020】
また、請求項2に記載の施釉装置は、霧状の釉薬が釉薬受けに集まりやすくなるから釉薬の回収促進に効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 施釉装置の要部を示す一部拡大断面図である。
【図2】 施釉装置の要部を示す一部拡大断面図である。
【図3】 施釉装置の要部を示す一部拡大断面図である。
【図4】 従来の施釉装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1 …施釉装置
2 …チェーン
3 …コンベヤ
3a…ステーピン
4 …施釉領域
6 …釉薬
7 …吹付け装置
8 …チェーンカバー
8a…縦板
8b…屋根板
8c…仕切板
8d…底板
8e…下仕切板
9 …レール
11…釉薬受け
12…隙間
13…送風管(気流発生手段)
14…通気孔
15…カバー領域
T …タイル(被施釉物)

Claims (2)

  1. 平行な2列のチェーン間に多数のステーピンを簀の子状に差し渡した無端状のコンベヤと、前記チェーンを案内するレールと、前記コンベヤの上に載せた被施釉物に対してコンベヤの上方から釉薬を霧状にして吹き付ける吹付け装置と、前記コンベヤの下方にあってそのコンベヤの下方に抜けた釉薬を回収する釉薬受けと、前記コンベヤの施釉領域に対応配置された前記チェーンを覆うための釉薬除けのチェーンカバーと、を有する施釉装置であって、
    前記チェーンカバーは、前記チェーン及びそのチェーンを案内するレールの外側を囲う縦板と、チェーン及び前記レールの上面を覆うように前記縦板の上端位置に形成した屋根板と、チェーン及び前記レールの内側上方を囲うように前記屋根板の前縁位置に形成した下向きの仕切板と、チェーン及び前記レールの下面を囲うように前記縦板の下端位置に形成した底板と、チェーン及び前記レールの内側下方を囲うように前記底板の前縁位置に上向きに形成されると共に前記仕切板との間にコンベヤの前記ステーピン挿通用の隙間を設けてなる下仕切板と、を備えたほぼ筒状形態に形成し、
    一方、前記チェーンカバーの仕切板と下仕切板の間に形成される前記隙間を横切るように下向きに流れる気流を強制的に発生させる気流発生手段を設け、その気流によって前記チェーンカバー内への釉薬の侵入を防止するようにしたことを特徴とする施釉装置。
  2. 前記気流発生手段は、チェーンカバーの前記仕切板に取り付けた送風管で構成し、その送風管の通気孔からコンベヤに向けて下向きにエアーを吐出させるようにしてなることを特徴とする請求項1記載の施釉装置。
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