JP4849819B2 - 液体濃縮装置 - Google Patents
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Description
しかし、これでは大量のきれいな水が手に入る場所でなくては実施出来ないし、大量の水や汚水を収容するための大きな処理設備を必要とする等の欠点があった。
図2は、その液体濃縮装置の概要を示す図である。図2において、41は汚水供給部、42は蒸気熱源、43は加熱缶部、43Vは圧力調整弁、44は上部連通管、45は下部連通管、46は蒸発缶、46Vは圧力調整弁、47は気泡分離缶、48は冷却水供給部、49はエア源発生部、L6 は液面レベルである。
加熱缶部43は、汚水供給部41から送られて来た汚水を加熱する部分である。ここは、一般的な熱交換器と同様の構造をしており、蒸気の熱をパイプ壁面ごしに汚水に伝えて汚水を加熱している。
気液分離缶47は、蒸発缶46から蒸気を導入し、これを冷却水供給部48からの冷却水で冷やし、蒸気中に含まれる水分を液化するためのものである。気液分離缶47の構造も、一般的な熱交換器と同様の構造とされている。エア源発生部49は、その入力側では空気を吸い込むことにより、吸い込み先である気液分離缶47や蒸発缶46や加熱缶部43内を低圧にする。一方、その出力側へは、圧縮して高温にした空気を吐き出す。その高温圧縮空気は、加熱缶部43へ送られ、加熱源の一部として利用される。
汚水供給部41の汚水は、上部連通管44より加熱缶部43,下部連通管45,蒸発缶46へ入れられる。そして、その液面レベルL6 は、上部連通管44内に位置するように調節される。その位置に調節する理由は、加熱された汚水が上部連通管44,加熱缶部43,下部連通管45,蒸発缶46を循環的に移動し得るようにするためである。なお、液面レベルL6 の調節は、図示しない液面レベル検出器と汚水供給用ポンプとで行われる。液面レベルL6 が所定レベルより下がれば、汚水供給部41から汚水を供給する汚水供給用ポンプを駆動し、所定レベルより上がれば該ポンプを停止する。
蒸発缶46の蒸気は気液分離缶47に引き込まれるが、ここで冷却水供給部48からの冷却水により冷却されて、液化する。液化した水は、図示しないポンプにより気液分離缶47から吸い出される。この水は、蒸気を冷却したものであるから、かなり浄化された蒸留水となっているので、河川等へ放流することが出来る。
空気を高温ならしめたエネルギーは、エア源発生部49の運転のために使われた電気エネルギーであるから、その電気エネルギーを再利用することになる。
その理由は、次の通りである。蒸気を気液分離缶47に導入し、冷却して凝縮水(回収水)を生ずる過程を経ると、その過程で潜熱が失われ、エア源発生部49に吸入される蒸気の温度がその分低下する(例、20℃程度になる)。しかし、気液分離缶47を経ないでエア源発生部49に直接吸入されるようにすると、エア源発生部49では僅かな圧縮圧力を加えるだけで、蒸気の温度を高温にすることが出来、熱回収の効率が良くなる。
第1の問題点は、加熱缶部と蒸発缶とを別体として作り、それらを連通管で結ぶという構成になっていたので、製造コストが高くついていたという点である。即ち、缶体を2個作らなければならないということは、製造コストを高くする。また、放熱する恐れがある表面(各缶体の表面および連結管の表面)は断熱材で覆う必要があるが、それらの表面積を合計した表面積は大であるので、断熱材も多く要し、断熱工事の費用も大となる。
本発明は、以上のような問題点を解決することを課題とするものである。
そして、濃縮沈殿部内の流水管の直下方向の部分には、原水の流れを整える整流体を必要に応じて設けてもよい。
(1)製造コストを大幅に低減することが出来る。
本発明の液体濃縮装置では、蒸発を行う缶と加熱を行う缶とを別々に作らず一体に作るので、連結管も不用となり、製造コストが少なくなる。それに伴い、装置の保温のために行う断熱工事も簡単となり、断熱材の量も少なくなるので、この点でも製造コストが少なくなる。
液体濃縮装置全体の表面積が従来のものより大幅に少ないので、自ずと放熱ロスも少なくなる。
(3)蒸発作用の効率が向上する。
蒸発缶内の原水の液面付近が攪拌羽根で攪拌されるので、液面が泡で覆われるのが防止されると共に、飛沫が飛び散る液面となり、表面積が大となる。そのため、蒸発作用が格段に良く行われるようになる。
図1は、本発明の液体濃縮装置を示す図である。図1において、1は原水供給ポンプ、2は原水供給管、3は回転駆動部、4は圧力調整弁、5はエア吸引管、6はエア源発生部、7Aは液面上限レベル検出器、7Bは液面下限レベル検出器、8は原水、9は泡、10は攪拌羽根、11は吊下支持体、12は回転軸、13は送水翼、14は軸受、15は液面、16は流水管、17は蒸発缶、18は蒸発缶部、19は蒸気熱源、20は熱交換部、21は液体通流管、22は蒸気通流隙間、23は濃縮沈殿部、24は整流体、25は支持帯板、26は濃縮沈殿槽、27は濃縮液、28は濃縮液収受室、29は排出管、30はポンプ、31は排出部である。
(1)構成
先ず、本発明の構成を説明する。本発明の液体濃縮装置の主な構成部分は、蒸発缶部18と熱交換部20と濃縮沈殿部23である。
蒸発缶部18は蒸発缶17を主体とし、これに原水を供給したり蒸発させたりするための装置が付設される。蒸発缶17は、内部に原水8を収容する容器の形状をしており、それに、外部から原水を供給する原水供給管2が接続される。
液面15の位置は、次のようにして、液面上限レベル検出器7Aと液面下限レベル検出器7Bとの間の範囲内に保たれる。原水の供給により、液面15が液面上限レベル検出器7Aにより検出される位置まで上昇すると、液面上限レベル検出器7Aからの検出信号により、原水供給ポンプ1が停止される。蒸発の進行等により、液面15が液面下限レベル検出器7Bにより検出される位置まで下降すると、液面下限レベル検出器7Bからの検出信号により、原水供給ポンプ1の運転が開始される。このようにして、液面15は前記した所定範囲内に保たれる。
蒸発缶17の上部中央からは、吊下支持体11および軸受14に支持されて、先端が流水管16の中に入るように、回転軸12が吊り下げられる。そして、回転軸12には、次の2つのものが取り付けられる。即ち、液面15付近の位置には攪拌羽根10が取り付けられ、流水管16の中に入れられている先端には、送水翼13が取り付けられる。回転軸12の上端には、回転軸12を回転させるための回転駆動部3が設置される。回転駆動部3は、例えばモータや、モータの回転数を所望の回転数に減速する減速機等で構成される。
熱交換部20内の液体通流管21同士の隙間や流水管16と液体通流管21との隙間が、すなわち蒸気通流隙間22となる。この蒸気通流隙間22には、ボイラー等の蒸気熱源19より蒸気が循環供給される。この蒸気が、液体通流管21の管壁を介し、液体通流管21内を通流している原水8を加熱する。
流水管16の下端開口は濃縮沈殿部23に臨んでいるが、その真下付近には整流体24が設置される。整流体24はほぼ円錐形状をしており、流水管16から下りて来る原水の流れを、下方に直進させず、側方へ進むよう案内する。支持帯板25は、濃縮沈殿槽26の内壁に、整流体24を支持するためのものである(なお、このような整流体24は公知である。)。整流体24を設置しておくと、下方に沈殿している濃縮液27が乱されるのを防止することが出来る。
次に、本発明装置の動作を説明する。原水は原水供給管2を経て蒸発缶17へ供給され、液面上限レベル検出器7A,液面下限レベル検出器7Bからの検出信号に応じた原水供給ポンプ1の制御により、液面15が所定範囲内に保たれる。蒸発缶17内の空気はエア源発生部6により吸引され、蒸発缶17内は低圧とされる。
蒸発缶17は、流水管16および熱交換部20の液体通流管21を通じて、濃縮沈殿部23とつながっているので、蒸発缶17に入れられた原水8は、濃縮沈殿部23との間で循環通流する。流水管16内に設けられている送水翼13は、回転駆動部3により回転され、原水8を下方に送出し、原水8の循環通流を促進する(もし回転方向を逆にすると、流水管16内の原水8を上に向かって流れるようにすることが出来る。回転方向は適宜選定出来る。)。
かくして、蒸発缶17では、加熱された原水8が低圧下に置かれることになるが、周知のように、低圧下においては通常の大気圧の場合に比べてはるかに低温(例、摂氏40度)で蒸発させることが出来る。この蒸発により原水8は濃縮される。
第1は、攪拌羽根10の回転により、攪拌羽根10の周辺の泡9を押し退け、蒸発缶17の壁方向に押しやるという作用である。これにより、先ず液面15の中央付近が泡9で覆われるのが防止される。第2は、攪拌羽根10の回転により生ずる原水8の飛沫が、壁方向に押しやられた泡9の上に降りかかり、泡9を消すという作用である。
ところで、濃縮沈殿部23に循環して来る原水8の濃度は、蒸発の進行に伴い大となり、流れが緩やかになっている濃縮沈殿槽26において、固形物質等は多く沈殿する。その結果、濃縮沈殿部23の底部付近には、極めて濃度の高い濃縮液27が溜まる。これら固形物質や濃縮溶液を最下部にある濃縮液収受室28で収受し、ポンプ30により排出管29を経て外部へ排出する。排出は、一定の時間間隔で行うようにしてもよいし、任意の時期に行ってもよい。 外部へ取り出した濃縮液27は、乾燥機等を用いる乾燥工程を経て、適宜の形に固形化することも出来る(例えば、粉末の形態にする)。
また、装置全体の表面積が従来のものより大幅に少ないので、放熱ロスも少なくなる。更に、蒸発が行われる液面15が泡9で覆われるのを防止する構造(攪拌羽根10)を具えているので、蒸発作用が効率よく行われるようになる。
一方、もし蒸発缶17の下部の側壁に原水供給管2を接続するような構成とした場合は、そこには原水8の水圧がかかっており、吸い込んでくれるどころではない。従って、この場合には、その水圧に打ち勝って原水を送り込むに充分な力を有する原水供給ポンプ1を付ける必要がある。
整流体24も必須というものではない。濃縮沈殿部23のサイズを大にしたり、深さを深くしたりすると、流水管16から流下する原水8の流れは、濃縮沈殿部23の下部までは乱さないからである。
また、攪拌羽根10も必須というものではない。なぜなら、蒸発缶17への原水の供給の仕方を、内壁に沿って周方向に流れるようにするなど、或る程度の消泡作用をするような供給の仕方でする場合や、濃縮対象の原水があまり泡を発生しない種類の原水である場合には、省略することが出来るからである。
Claims (1)
- 内部を低圧にするようエア源発生部が付設されると共に、濃縮対象である原水を所定範囲の液面レベルまで供給する手段が付設された蒸発缶部と、該蒸発缶部と一体となるようその下部に続いて設けられ、該蒸発缶部からの原水を通流させ、蒸気熱源からの蒸気により該原水を加熱する熱交換部と、該熱交換部と一体となるようその下部に続いて設ける一方、前記蒸発缶の上方に設置された回転駆動部により回転する回転軸が吊下支持体および軸受に支持され、且つ該回転軸の上方に原水の液面に接触するよう撹拌羽根が設置され、且つ前記熱交換部から流下して来た原水に含まれる固形物質並びに濃縮溶液を沈殿させる濃縮沈殿部と、該濃縮沈殿部で得られた原水の濃縮液を外部へ排出する排出部とを具えた液体濃縮装置において、
前記蒸発缶の下部中央に、前記熱交換部を貫通して濃縮沈殿部の上部に至るよう縦方向に流水管を設置すると共に、該流水管の上部は蒸発缶の原水収容部分に突出させ、且つ下部は熱交換部を貫通して濃縮沈殿部の上部に至るように設置され、更に前記回転軸の先端部は前記流水管の上端よりやや下方位置まで挿入してその先端に送水翼を具えたことを特徴とする液体濃縮装置。
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