JP4849819B2 - 液体濃縮装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液中に固形物質等の浮遊物を含んでいる液体を、その浮遊物の濃度を高めるよう濃縮する液体濃縮装置に関するものである。
液中の浮遊物の濃度を高めるよう濃縮する液体濃縮装置は、いろいろな分野で必要とされている。例えば食品産業の分野では、果汁の濃度を高めるのに必要とされている。汚水処理産業の分野では、廃棄処理をし易くするため、汚水に含まれる固形物質等の濃度を高めることが必要とされている。
因みに、汚水を発生する産業としては酪農業や養豚業等があるが、これらの産業では、糞尿が混じった汚水が毎日大量に発生する。水産加工業や食品製造業でも、魚のはらわたや各種食材からの汚水が、毎日大量に発生する。これらは、勿論そのまま河川等へ排出することは禁じられている。何らかの処理を施し、廃棄基準を満たすようにしてからでないと、廃棄することは出来ない。
従来の汚水処理方法の1例としては、微生物を利用した処理方法がある。これは、汚水中に含まれる汚染物質を微生物により分解するものである。微生物による浄化作用を活発に行わせるには、汚水に含まれる汚染物質の濃度を、微生物が活動し易い濃度に調整してやる必要がある(濃度調整)。その濃度は、前記のような産業から排出されて来る汚水に比べて相当薄いものである。そのため、大量の水を加えて薄めた上で(原汚水の数十倍の水を加える場合もある)、微生物による処理を行っていた。
しかし、これでは大量のきれいな水が手に入る場所でなくては実施出来ないし、大量の水や汚水を収容するための大きな処理設備を必要とする等の欠点があった。
そこで、本願の出願人は、そのような欠点を有することのない装置を、既に提案している。それは特願2004−317431号(特開2006−122859号公報)であるが、これは汚水を低圧下で加熱し、蒸発濃縮して処理するという液体濃縮装置である。
図2は、その液体濃縮装置の概要を示す図である。図2において、41は汚水供給部、42は蒸気熱源、43は加熱缶部、43Vは圧力調整弁、44は上部連通管、45は下部連通管、46は蒸発缶、46Vは圧力調整弁、47は気泡分離缶、48は冷却水供給部、49はエア源発生部、L6 は液面レベルである。
汚水供給部41は、事業所から排出されて来た汚水を貯めておく部分であり、例えば、ポンプが付設された汚水貯留槽とされる。蒸気熱源42は例えば蒸気ボイラーで構成され、加熱缶部43に導入された汚水を加熱するための蒸気を提供する。
加熱缶部43は、汚水供給部41から送られて来た汚水を加熱する部分である。ここは、一般的な熱交換器と同様の構造をしており、蒸気の熱をパイプ壁面ごしに汚水に伝えて汚水を加熱している。
蒸発缶46は、加熱缶部43の汚水通流部分と、上部連通管44及び下部連通管45を介して連通されており、下部には加熱された汚水が貯められ、上部には汚水からの蒸気が充満される。加熱缶部43と蒸発缶46とは連通しており、図示の液面レベルL6 は汚水の液面レベルを示している。
気液分離缶47は、蒸発缶46から蒸気を導入し、これを冷却水供給部48からの冷却水で冷やし、蒸気中に含まれる水分を液化するためのものである。気液分離缶47の構造も、一般的な熱交換器と同様の構造とされている。エア源発生部49は、その入力側では空気を吸い込むことにより、吸い込み先である気液分離缶47や蒸発缶46や加熱缶部43内を低圧にする。一方、その出力側へは、圧縮して高温にした空気を吐き出す。その高温圧縮空気は、加熱缶部43へ送られ、加熱源の一部として利用される。
汚水処理動作は、次のように行われる。
汚水供給部41の汚水は、上部連通管44より加熱缶部43,下部連通管45,蒸発缶46へ入れられる。そして、その液面レベルL6 は、上部連通管44内に位置するように調節される。その位置に調節する理由は、加熱された汚水が上部連通管44,加熱缶部43,下部連通管45,蒸発缶46を循環的に移動し得るようにするためである。なお、液面レベルL6 の調節は、図示しない液面レベル検出器と汚水供給用ポンプとで行われる。液面レベルL6 が所定レベルより下がれば、汚水供給部41から汚水を供給する汚水供給用ポンプを駆動し、所定レベルより上がれば該ポンプを停止する。
エア源発生部49は、気液分離缶47からのみならず、そこを通して蒸発缶46や加熱缶部43からも空気を吸い込み、その中を低圧にする。気液分離缶47の空気は蒸発缶46内の空気とつながっているため、気液分離缶47が低圧にされることにより、蒸発缶46の中も低圧にされる。しかし、あまりに低圧にすると危険な面も出て来るので、圧力調整弁46Vを設けて所定の低圧以下にはならないようにしておく。即ち、所定圧力以下になると、圧力調整弁46Vが開いて外の空気を入れ、所定圧力以下になるのを防ぐ。更に、蒸発缶46の空気は加熱缶部43の空気とつながっているので、加熱缶部43の中も低圧にされる。
かくして、汚水が加熱されている加熱缶部43や蒸発缶46内は低圧に保たれるので、汚水の沸点は下がる。そのため、蒸気熱源42等から加えられる熱がそれほど多くなくても、汚水からは盛んに蒸気が発生する。この蒸気は、蒸発缶46に充満する。
蒸発缶46の蒸気は気液分離缶47に引き込まれるが、ここで冷却水供給部48からの冷却水により冷却されて、液化する。液化した水は、図示しないポンプにより気液分離缶47から吸い出される。この水は、蒸気を冷却したものであるから、かなり浄化された蒸留水となっているので、河川等へ放流することが出来る。
一方、汚水に含まれる固形の汚染物質は次第に沈下するが、汚水に含まれる水分はどんどん蒸発されるため、下部連通管45付近に濃度大になって溜まることになる。そこで、この固形汚染物質が濃度大に含まれた汚水液(どろどろとした汚泥状の液…固形汚染物質液)を、下部連通管45の途中から図示しないポンプで吸い出し、別途乾燥処理して(汚泥状なので水分少なく、乾燥処理も容易)、固形物として廃棄する。
ところで、気液分離缶47等から空気を吸い込むためのエア源発生部49は、自ずと空気圧縮動作を行っているわけであるが、圧縮空気をそのまま大気中に放出してしまうのではなく、加熱缶部43に供給する。空気を圧縮すると高温になることはよく知られた現象であるが、その高温空気を大気中に逃がしてしまわず、加熱缶部43の熱源の一部として利用することにより、エア源発生部49で使用するエネルギーを再利用することが出来る。
空気を高温ならしめたエネルギーは、エア源発生部49の運転のために使われた電気エネルギーであるから、その電気エネルギーを再利用することになる。
なお、蒸発缶46より蒸気を吸引するエア源発生部49の吐出側排気圧を、加熱缶の熱交換部の原水加熱昇温用熱源として再利用する場合は、蒸発缶内発生蒸気を気液分離缶47を経ないで、直接に吸引することが好ましい。
その理由は、次の通りである。蒸気を気液分離缶47に導入し、冷却して凝縮水(回収水)を生ずる過程を経ると、その過程で潜熱が失われ、エア源発生部49に吸入される蒸気の温度がその分低下する(例、20℃程度になる)。しかし、気液分離缶47を経ないでエア源発生部49に直接吸入されるようにすると、エア源発生部49では僅かな圧縮圧力を加えるだけで、蒸気の温度を高温にすることが出来、熱回収の効率が良くなる。
特開2002−361489号公報
前記した液体濃縮装置には、次のような問題点があった。
第1の問題点は、加熱缶部と蒸発缶とを別体として作り、それらを連通管で結ぶという構成になっていたので、製造コストが高くついていたという点である。即ち、缶体を2個作らなければならないということは、製造コストを高くする。また、放熱する恐れがある表面(各缶体の表面および連結管の表面)は断熱材で覆う必要があるが、それらの表面積を合計した表面積は大であるので、断熱材も多く要し、断熱工事の費用も大となる。
第2の問題点は、放熱ロスが多いという点である。上記のように断熱工事を施したとしても、断熱が100%うまくいくとは限らないし、経年変化により断熱機能が劣化することもあり、幾らかの放熱は避けられない。ところが、構造上、放熱面積が広いので、どうしても放熱ロスが多くなる。
第3の問題点は、蒸発缶での蒸発の効率が良くないという点である。蒸発缶で蒸発する際には液体からガスが発生し、液面に泡を生ずる。一般に、泡が液面を広く覆うほど、蒸発の効率は妨げられるという現象があり、蒸発を効率良く行わせるには、出来るだけ泡を消してやる必要がある(消泡)。消泡のためには、液を流れさせたり、上空からシャワーのように液をふり注いだりすると効果があるとされているが、前記した液体濃縮装置では、消泡があまり良く行われてはいなかった。
本発明は、以上のような問題点を解決することを課題とするものである。
前記課題を解決するため、本発明の液体濃縮装置では、内部を低圧にするようエア源発生部が付設されると共に、濃縮対象である原水を所定範囲の液面レベルまで供給する手段が付設された蒸発缶部と、該蒸発缶部と一体となるようその下部に続いて設けられ、該蒸発缶部からの原水を通流させ、蒸気熱源からの蒸気により該原水を加熱する熱交換部と、該熱交換部と一体となるようその下部に続いて設けられ、該熱交換部から流下して来た原水に含まれる固形物質並びに濃縮溶液を沈殿させる濃縮沈殿部と、該濃縮沈殿部で得られた原水の濃縮液を外部へ排出する排出部とを具えることとした。
なお、蒸発缶部内には、原水の液面を所定範囲に接触するよう吊り下げられ、回転駆動部により回転される攪拌羽根を具えるようにしてもよい。更に、蒸発缶部の下部から熱交換部を貫通して濃縮沈殿部の上部に至るよう設けられた流水管と、該流水管の内部に設けられ、攪拌羽根と同じ回転軸に取り付けられた送水翼とを具えてもよい。
そして、濃縮沈殿部内の流水管の直下方向の部分には、原水の流れを整える整流体を必要に応じて設けてもよい。
前記の熱交換部は、蒸発缶部と濃縮沈殿部との間に原水を通流させる複数の液体通流管と、該液体通流管の周囲に形成され、蒸気熱源からの蒸気が導入される蒸気通流隙間とを具えた構造とすることが出来る。また、熱交換部は、その水平方向断面のほぼ中央に配置された流水管と、その周囲に配設された複数の液体通流管と、該液体通流管および前記流水管の周囲に形成され、蒸気熱源からの蒸気が導入される蒸気通流隙間とを具えた構造とすることが出来る。
本発明の液体濃縮装置によれば、次のような効果を奏する。
(1)製造コストを大幅に低減することが出来る。
本発明の液体濃縮装置では、蒸発を行う缶と加熱を行う缶とを別々に作らず一体に作るので、連結管も不用となり、製造コストが少なくなる。それに伴い、装置の保温のために行う断熱工事も簡単となり、断熱材の量も少なくなるので、この点でも製造コストが少なくなる。
(2)放熱ロスが少なくなる。
液体濃縮装置全体の表面積が従来のものより大幅に少ないので、自ずと放熱ロスも少なくなる。
(3)蒸発作用の効率が向上する。
蒸発缶内の原水の液面付近が攪拌羽根で攪拌されるので、液面が泡で覆われるのが防止されると共に、飛沫が飛び散る液面となり、表面積が大となる。そのため、蒸発作用が格段に良く行われるようになる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の液体濃縮装置を示す図である。図1において、1は原水供給ポンプ、2は原水供給管、3は回転駆動部、4は圧力調整弁、5はエア吸引管、6はエア源発生部、7Aは液面上限レベル検出器、7Bは液面下限レベル検出器、8は原水、9は泡、10は攪拌羽根、11は吊下支持体、12は回転軸、13は送水翼、14は軸受、15は液面、16は流水管、17は蒸発缶、18は蒸発缶部、19は蒸気熱源、20は熱交換部、21は液体通流管、22は蒸気通流隙間、23は濃縮沈殿部、24は整流体、25は支持帯板、26は濃縮沈殿槽、27は濃縮液、28は濃縮液収受室、29は排出管、30はポンプ、31は排出部である。
濃縮する前の原果汁や原汚水等は、液中に固形物質等の浮遊物を含んでいるが、本願ではこのような液体を総称して、説明の便宜上、原水と言うことにする。
(1)構成
先ず、本発明の構成を説明する。本発明の液体濃縮装置の主な構成部分は、蒸発缶部18と熱交換部20と濃縮沈殿部23である。
蒸発缶部18は蒸発缶17を主体とし、これに原水を供給したり蒸発させたりするための装置が付設される。蒸発缶17は、内部に原水8を収容する容器の形状をしており、それに、外部から原水を供給する原水供給管2が接続される。
原水は、必要に応じて原水供給ポンプ1を用いて供給される。供給された原水8の液面15の上にある泡9は、原水8から発生した泡である。
液面15の位置は、次のようにして、液面上限レベル検出器7Aと液面下限レベル検出器7Bとの間の範囲内に保たれる。原水の供給により、液面15が液面上限レベル検出器7Aにより検出される位置まで上昇すると、液面上限レベル検出器7Aからの検出信号により、原水供給ポンプ1が停止される。蒸発の進行等により、液面15が液面下限レベル検出器7Bにより検出される位置まで下降すると、液面下限レベル検出器7Bからの検出信号により、原水供給ポンプ1の運転が開始される。このようにして、液面15は前記した所定範囲内に保たれる。
蒸発缶17の下部中央には縦方向に流水管16が設けられるが、流水管16の上部は蒸発缶17の原水8収容部分に突出するようにし、下部は熱交換部20を貫通して濃縮沈殿部23の上部に至るようにする。
蒸発缶17の上部中央からは、吊下支持体11および軸受14に支持されて、先端が流水管16の中に入るように、回転軸12が吊り下げられる。そして、回転軸12には、次の2つのものが取り付けられる。即ち、液面15付近の位置には攪拌羽根10が取り付けられ、流水管16の中に入れられている先端には、送水翼13が取り付けられる。回転軸12の上端には、回転軸12を回転させるための回転駆動部3が設置される。回転駆動部3は、例えばモータや、モータの回転数を所望の回転数に減速する減速機等で構成される。

エア源発生部6は、蒸発缶17内部の空気を吸引して低圧とするためのエアを発生する。それには、例えば真空ポンプ等を用いることが出来る。空気はエア吸引管5を通って吸引されるが、その途中には圧力調整弁4が設けられる。圧力調整弁4は、蒸発缶17内が所定圧力より低くならないよう調整するためのものである。所定圧力より低くなると、圧力調整弁4が開放して大気を取り入れ、内部の圧力を上げる。所定圧力まで上がると、再び閉じる。
熱交換部20は、蒸発缶17と一体となるようその下部に続いて設けられ、主として液体通流管21と蒸気通流隙間22とで構成される。中央部には前記の流水管16が縦方向に貫通されているが、その周囲にそれと平行して多数の液体通流管21が設けられる。液体通流管21の上端開口は蒸発缶17内に通じ、下端開口は濃縮沈殿部23内に通じている。これにより、原水8は、液体通流管21を通って、蒸発缶17と濃縮沈殿部23との間を通流することが可能となる。
熱交換部20内の液体通流管21同士の隙間や流水管16と液体通流管21との隙間が、すなわち蒸気通流隙間22となる。この蒸気通流隙間22には、ボイラー等の蒸気熱源19より蒸気が循環供給される。この蒸気が、液体通流管21の管壁を介し、液体通流管21内を通流している原水8を加熱する。
濃縮沈殿部23は、熱交換部20と一体となるようその下部に続いて設けられ、原水に含まれる固形物質等が沈殿する場を提供する濃縮沈殿槽26と、沈殿物を収受する濃縮液収受室28とで構成される。
流水管16の下端開口は濃縮沈殿部23に臨んでいるが、その真下付近には整流体24が設置される。整流体24はほぼ円錐形状をしており、流水管16から下りて来る原水の流れを、下方に直進させず、側方へ進むよう案内する。支持帯板25は、濃縮沈殿槽26の内壁に、整流体24を支持するためのものである(なお、このような整流体24は公知である。)。整流体24を設置しておくと、下方に沈殿している濃縮液27が乱されるのを防止することが出来る。
濃縮液収受室28は、原水の沈殿物が豊富に含まれる濃縮液27(濃縮原水)を収受する所であるが、この収受に好都合となるよう、濃縮沈殿槽26の下部は下方が徐々に細くなる漏斗状の形としておくのが望ましい。排出部31は、溜まった濃縮液27を排出する部分であり、濃縮液収受室28に接続された排出管29と、その途中に設置されたポンプ30とで構成される。
(2)動作
次に、本発明装置の動作を説明する。原水は原水供給管2を経て蒸発缶17へ供給され、液面上限レベル検出器7A,液面下限レベル検出器7Bからの検出信号に応じた原水供給ポンプ1の制御により、液面15が所定範囲内に保たれる。蒸発缶17内の空気はエア源発生部6により吸引され、蒸発缶17内は低圧とされる。
蒸発缶17は、流水管16および熱交換部20の液体通流管21を通じて、濃縮沈殿部23とつながっているので、蒸発缶17に入れられた原水8は、濃縮沈殿部23との間で循環通流する。流水管16内に設けられている送水翼13は、回転駆動部3により回転され、原水8を下方に送出し、原水8の循環通流を促進する(もし回転方向を逆にすると、流水管16内の原水8を上に向かって流れるようにすることが出来る。回転方向は適宜選定出来る。)。
熱交換部20の蒸気通流隙間22には、蒸気熱源19より蒸気が供給されるので、液体通流管21内を通流する原水8は、熱交換により加熱される。加熱による自然対流の力と、送水翼13による流れの力とにより、原水8は、蒸発缶17と濃縮沈殿部23との間をゆっくりと循環する。
かくして、蒸発缶17では、加熱された原水8が低圧下に置かれることになるが、周知のように、低圧下においては通常の大気圧の場合に比べてはるかに低温(例、摂氏40度)で蒸発させることが出来る。この蒸発により原水8は濃縮される。
蒸発に際しては、原水8に含まれる種々のガスが発生し、液面15には泡9を生ずる。泡9が液面15を覆うと蒸発効率を悪くするが、攪拌羽根10が液面15をかき混ぜるよう回転しているので、液面15が泡9で覆われるのを防止し、蒸発効率の悪化を防止する。なお、攪拌羽根10は、次の2つの作用で液面15が泡9で覆われるのを防止する。
第1は、攪拌羽根10の回転により、攪拌羽根10の周辺の泡9を押し退け、蒸発缶17の壁方向に押しやるという作用である。これにより、先ず液面15の中央付近が泡9で覆われるのが防止される。第2は、攪拌羽根10の回転により生ずる原水8の飛沫が、壁方向に押しやられた泡9の上に降りかかり、泡9を消すという作用である。
また、攪拌羽根10によって飛沫が飛散されるということは、蒸発作用にとっても好都合となる。なぜなら、蒸発は液の表面から行われるわけであるが、液面15が静止液面でなく飛沫飛散液面とされると、液の表面積は何倍にもなり(飛沫の立て方によっては数百倍にもなる)、蒸発作用は何倍にも増大されるからである。
ところで、濃縮沈殿部23に循環して来る原水8の濃度は、蒸発の進行に伴い大となり、流れが緩やかになっている濃縮沈殿槽26において、固形物質等は多く沈殿する。その結果、濃縮沈殿部23の底部付近には、極めて濃度の高い濃縮液27が溜まる。これら固形物質や濃縮溶液を最下部にある濃縮液収受室28で収受し、ポンプ30により排出管29を経て外部へ排出する。排出は、一定の時間間隔で行うようにしてもよいし、任意の時期に行ってもよい。 外部へ取り出した濃縮液27は、乾燥機等を用いる乾燥工程を経て、適宜の形に固形化することも出来る(例えば、粉末の形態にする)。
本発明の液体濃縮装置では、加熱や蒸発の缶やそれらを連結する連結管を有しておらず、一体として作っているので、保温のためにそれらを包む断熱材も少なくて済むし、断熱工事も簡単となる。そのため、製造コストが大幅に低減される。
また、装置全体の表面積が従来のものより大幅に少ないので、放熱ロスも少なくなる。更に、蒸発が行われる液面15が泡9で覆われるのを防止する構造(攪拌羽根10)を具えているので、蒸発作用が効率よく行われるようになる。
前記した例では、原水を供給するのに原水供給ポンプ1を用いるようにしたが、蒸発缶17内部の低圧の程度によってはそれは不用となる。なぜなら、原水供給管2が液面15よりも上の位置に取り付けられ、且つ蒸発缶17内が相当程度の低圧にされるという設計の場合には、原水は吸い込まれる形で入っていくからである。従って、その場合には、原水供給ポンプ1の代わりに原水供給弁とでも言うべき制御弁を設けておき、液面上限レベル検出器7A,液面下限レベル検出器7Bからの検出信号に応じて、その弁を開閉制御することにより、供給量を制御出来る。
一方、もし蒸発缶17の下部の側壁に原水供給管2を接続するような構成とした場合は、そこには原水8の水圧がかかっており、吸い込んでくれるどころではない。従って、この場合には、その水圧に打ち勝って原水を送り込むに充分な力を有する原水供給ポンプ1を付ける必要がある。
なお、流水管16および送水翼13も必須というものではない。これらを設ければ、原水8の循環通流が促進されるが、設けなかったとしても、加熱による自然対流により、一応、循環通流は行われるからである。
整流体24も必須というものではない。濃縮沈殿部23のサイズを大にしたり、深さを深くしたりすると、流水管16から流下する原水8の流れは、濃縮沈殿部23の下部までは乱さないからである。
また、攪拌羽根10も必須というものではない。なぜなら、蒸発缶17への原水の供給の仕方を、内壁に沿って周方向に流れるようにするなど、或る程度の消泡作用をするような供給の仕方でする場合や、濃縮対象の原水があまり泡を発生しない種類の原水である場合には、省略することが出来るからである。
本発明の液体濃縮装置を示す図 以前に提案した液体濃縮装置の概要を示す図
符号の説明
1…原水供給ポンプ、2…原水供給管、3…回転駆動部、4…圧力調整弁、5…エア吸引管、6…エア源発生部、7A…液面上限レベル検出器、7B…液面下限レベル検出器、8…原水、9…泡、10…攪拌羽根、11…吊下支持体、12…回転軸、13…送水翼、14…軸受、15…液面、16…流水管、17…蒸発缶、18…蒸発缶部、19…蒸気熱源、20…熱交換部、21…液体通流管、22…蒸気通流隙間、23…濃縮沈殿部、24…整流体、25…支持帯板、26…濃縮沈殿槽、27…濃縮液、28…濃縮液収受室、29…排出管、30…ポンプ、31…排出部、41…汚水供給部、42…蒸気熱源、43…加熱缶部、44…上部連通管、45…下部連通管、46…蒸発缶、47…気泡分離缶、48…冷却水供給部、49…エア源発生部

Claims (1)

  1. 内部を低圧にするようエア源発生部が付設されると共に、濃縮対象である原水を所定範囲の液面レベルまで供給する手段が付設された蒸発缶部と、該蒸発缶部と一体となるようその下部に続いて設けられ、該蒸発缶部からの原水を通流させ、蒸気熱源からの蒸気により該原水を加熱する熱交換部と、該熱交換部と一体となるようその下部に続いて設ける一方前記蒸発缶の上方に設置された回転駆動部により回転する回転軸が吊下支持体および軸受に支持され、且つ該回転軸の上方に原水の液面に接触するよう撹拌羽根が設置され、且つ前記熱交換部から流下して来た原水に含まれる固形物質並びに濃縮溶液を沈殿させる濃縮沈殿部と、該濃縮沈殿部で得られた原水の濃縮液を外部へ排出する排出部とを具えた液体濃縮装置において、
    前記蒸発缶の下部中央に、前記熱交換部を貫通して濃縮沈殿部の上部に至るよう縦方向に流水管を設置すると共に、該流水管の上部は蒸発缶の原水収容部分に突出させ、且つ下部は熱交換部を貫通して濃縮沈殿部の上部に至るように設置され、更に前記回転軸の先端部は前記流水管の上端よりやや下方位置まで挿入してその先端に送水翼を具えたことを特徴とする液体濃縮装置。
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