JP4846504B2 - 動画像符号化装置、プログラム及び動画像符号化方法 - Google Patents
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非特許文献1や非特許文献2をはじめとする符号化方式では、符号化の単位となる画像はフレーム画像又はフィールド画像であり、フレーム画像は2枚のフィールド画像から構成されることがある。
動画像再符号化装置500は、入力される第1の符号化動画像情報を、水平及び垂直方向の画素数の間引きとフレームレートの削減を施した上で、第2の符号化動画像情報に再符号化して出力する。
符号化情報復号部503は、第1の符号化動画像情報を復号してフレーム画像を出力する。間引き部504は、フレーム画像の画素を間引いて縮小する。ビデオメモリ505は、入力された画像を蓄積する。
画像情報符号化部506は、第2の符号化方式を用いて画像を符号化する。符号量の制御には後述のコンプレキシティを用いる。動きベクトル合成部507は、第1の符号化動画像情報で用いられた動きベクトルから、再符号化に用いる動きベクトルを合成する。
動きベクトル検出部508は、与えられた動きベクトルに基づいてより高精度な動きベクトルを検出する。情報バッファ509は、量子化幅と符号量を蓄積する。コンプレキシティ算出部510は、符号量と量子化幅の積であるコンプレキシティの算出及び推定を行なう。
シーンチェンジ検出部511は、コンプレキシティの変動量によってフレーム画像間のシーンチェンジを検出する。GOP構造決定部512は、フレーム毎にピクチャタイプを選択し、GOPの構造を決定する。
この動画像再符号化装置500では、ピクチャタイプ判別部501に入力される第1の符号化動画像情報を符号化情報復号部503が復号化し、その第1の符号化動画像情報を構成する各フレーム画像を、画像情報符号化部506で第2の符号化動画像情報に再符号化する。
また、特許文献2には、再符号化において再符号化対象のピクチャの近隣ピクチャにおける動きベクトルを用いて再符号化対象のピクチャの動きベクトルを推定する技術が開示されている。また、非特許文献3には、画像間差分の非類似度に基づくシーンチェンジの検出方法の技術が開示されている。
図14(a)では、時間の経過とともに、フレーム画像が41、42、43と変化している。フレーム画像42は、フレーム画像42の奇数ラインの画像からなるフィールド画像421と、フレーム画像42の偶数ラインの画像からなるフィールド画像422とからなる。フレーム画像41はシーンAに属しており、フレーム画像42、43はシーンBに属している。フレーム画像41とフレーム画像42との間で、シーンAからシーンBへ変化するシーンチェンジが起こっている。このようなシーンチェンジを、以降ではフレーム間シーンチェンジと呼ぶ。
図14(a)及び図14(b)に示すフレーム画像は、第1の符号化動画像情報の一部であり、フレーム画像42とフレーム画像45がともにIピクチャである。
一方、フィールド画像451は、フレーム画像44と相関が高いにもかかわらず画面間予測モードを利用せず、画面内予測モードを用いている。いずれの場合においても、従来技術では、シーンチェンジが存在する動画像を再符号化する際に符号化効率が悪くなるという問題があった。
本発明では、1枚のフレーム画像を2枚のフィールド画像にフレーム−フィールド変換部が変換し、2枚のフィールド画像間にシーンの切り替わり点であるシーンチェンジが含まれているか否かをシーンチェンジ検出部が検出し、シーンチェンジ検出部の検出結果に基づいて2枚のフィールド画像のそれぞれを画面内予測モード又は画面間予測モードを用いて画像情報符号化部が符号化するようにしたので、2枚のフィールド画像のそれぞれに適した画面内予測モード又は画面間予測モードを用いて符号化することにより、情報量を1枚のフレーム画像よりも削減して符号化することができる。
本発明では、2枚のフィールド画像間に相関がある場合に、情報量を1枚のフレーム画像よりも削減して符号化することができる。
本発明では、GOPを構成するフィールド画像ごとに画面内予測モード又は画面間予測モードを選択して符号化するため、GOPを構成するフィールド画像間の相関を利用してGOPの情報量を削減して符号化することができる。
本発明では、フレーム画像に用いられていた予測モードに応じて、2枚のフィールド画像に用いる最適な予測モードの組み合わせを選択することにより、フレーム画像よりも情報量を削減して符号化することができる。
本発明では、シーンチェンジ前のフィールド画像に用いられていた予測モードを画面間予測モードとすることにより、そのフィールド画像を他のフィールド画像から予測することができ、シーンチェンジ前のフィールド画像の情報量を削減して符号化することができる。
本発明では、2枚のフィールド画像のうち一方のフィールド画像を、もう一方のフィールド画像との差分が減少するように変換するので、一方のフィールド画像をもう一方のフィールド画像から容易に予測することができるようになり、フレーム画像を符号化する際の情報量を削減することができる。
本発明では、2枚のフィールド画像のうち一方のフィールド画像を、もう一方のフィールド画像と同一のフィールド画像に変換するので、一方のフィールド画像の情報量を0にすることができるようになり、フレーム画像を符号化する際の情報量を削減することができる。
本発明では、符号化対象のフレーム画像を構成しシーンチェンジ前のシーンに属するフィールド画像の符号化に用いられる平均量子化幅を増加させて情報量を削減することにより、フレーム画像を符号化する際の情報量を削減することができる。
本発明では、符号化対象のフレーム画像を構成しシーンチェンジ後のシーンに属するフィールド画像の符号化に用いられる平均量子化幅を小さくするようにしたので、シーンチェンジ前のシーンに属するフィールド画像に対して、シーンチェンジ後のシーンに属するフィールド画像の情報量を増加させることができる。
図1は、2枚のフィールド画像fld1及びfld2が、1枚のフレーム画像frmを構成する例を示した図である。フレーム画像frmの高さhの半分の高さh/2である2枚のフィールド画像fld1とフィールド画像fld2とが、飛び越し走査でそれぞれフレーム画像frmの奇数ラインと偶数ラインを占めるように交互に格納されている。このような構造をとる場合、フィールド画像fld1とフィールド画像fld2の映像の時刻は異なる。なお、図1のフィールド画像fld1は、映像の時刻の順序及び符号化の順序において、フィールド画像fld2よりも先の画像である。
画面内予測モードは、画素値の空間方向における相関性を利用した予測モードである。また、画面間予測モードは、画素値の時間方向における相関性を利用した予測モードである。マクロブロック毎に選択可能な予測モードの組み合わせは、ピクチャ毎にピクチャタイプとして選択する。ピクチャタイプには基本的にI・P・Bの3種類がある。
画面間予測モードが利用できるPピクチャ及びBピクチャは、過去に符号化済みのピクチャとの差分だけを符号化するため、符号化対象のピクチャと参照ピクチャとの相関が高いほど、効率の良い符号化が可能である。
後述する第1〜第3の実施形態では、画面間予測モードとしてPピクチャを用い、画面内予測モードとしてIピクチャを用いる場合について説明する。
同一のシーンに属するピクチャ間であれば、シーンの映像が大きく変化しない限りは高い相関があるが、参照ピクチャと符号化対象のピクチャが異なるシーンに属する場合には相関が低い。具体的に説明すると、フレーム画像frm1とフレーム画像frm2とは、円のパターンm1がフレーム画像内を移動している点で類似しており、相関が高い。また、フレーム画像frm3とフレーム画像frm4とは、四角形のパターンm2がフレーム画像内を移動している点で類似しており、相関が高い。一方、フレーム画像frm2とフレーム画像frm3とは、フレーム画像内に含まれるパターンが異なっており、相関が低い。
あるシーンから異なるシーンへの切り替わりをシーンチェンジといい、シーンチェンジを挟んだピクチャ間での画面間予測モードの利用は一般に符号化効率が低く画質の劣化につながるため、画面内予測モードを利用するのが望ましい。図2では、フレーム画像frm2とフレーム画像frm3との間で、シーンチェンジが起こっている。
図3は、本発明の第1の実施形態における動画像再符号化装置100(動画像符号化装置とも称する)の構成を示すブロック図である。この動画像再符号化装置100は、動きベクトル合成部101、フレーム−フィールド変換部102、画像情報符号化部103、フレーム内シーンチェンジ検出部104、GOP構造決定部105、ピクチャタイプ判別部201、符号化情報解析部202、符号化情報復号部203、ビデオメモリ205、動きベクトル検出部208、情報バッファ209、コンプレキシティ算出部210を備えている。
なお、第1の符号化方式とは、画面内符号化モードと画面間符号化モードがピクチャ毎に選択できる方式であり、例えば、ISO/IEC 13818−2に規定されている方式を用いることができる。
また、第2の符号化方式とは、フィールド画像単位での符号化ができる方式であり、例えば、ISO/IEC 14496−10に規定されている方式を用いることができる。
なお、第1の符号化方式と第2の符号化方式とで同じ符号化方式を用いてもよい。
フレーム−フィールド変換部102は、ビデオメモリから出力されるフレーム構造の画像情報をフィールド構造に変換し、フレーム−フィールド変換部102に出力する。
画像情報符号化部103は、フレーム−フィールド変換部102から出力されるフィールド画像に対して、第2の符号化方式を用いて符号化し、動画像再符号化装置100の外部に出力する。
フレーム内シーンチェンジ検出部104は、フレーム−フィールド変換部102から出力されるフィールド画像に基づいて、フレーム内シーンチェンジの有無を検出し、その検出結果であるシーンチェンジフラグをGOP構造決定部105に出力する。
GOP構造決定部105は、フレーム内シーンチェンジ検出部104が出力するシーンチェンジフラグに基づいてピクチャタイプを選択してGOPの構造を決定し、そのピクチャタイプを画像情報符号化部103に出力する。
フレーム−フィールド変換部102は、フレーム画像とフィールド画像の関係に基づいてフレーム画像を飛び越し走査し、フレーム画像の奇数ラインと偶数ラインそれぞれのみから成る2枚のフィールド画像に変換し、画像情報符号化部103に出力する。
具体的には、フレーム内シーンチェンジ検出部104は、2枚のフィールド画像の非類似度が所定の閾値よりも大きい場合には2枚のフィールド画像間にシーンチェンジが存在すると判定し、真のシーンチェンジフラグscをGOP構造決定部105に出力する。一方、2枚のフィールド画像の非類似度が所定の閾値以下である場合には2枚のフィールド画像間にシーンチェンジが存在しないと判定し、偽のシーンチェンジフラグscをGOP構造決定部105に出力する。
ステップS10でピクチャタイプがIピクチャである場合(pt=I)には、GOP構造決定部105(図3)は、フレーム内シーンチェンジ検出部104が出力するシーンチェンジフラグが真であるか偽であるか否か、つまり、sc=trueであるか否かについて判定する(ステップS11)
つまり、ステップS11でシーンチェンジフラグが真である場合(sc=true)は、再符号化対象のフレーム画像frm内にシーンチェンジが含まれている場合であり、フレーム画像内に2つのシーンが存在している。この場合、フィールド画像fld1は、同じシーンに属する時間的に前方のピクチャを参照ピクチャとして画面間予測モードを用いると、符号化効率を高めることができる。これに対してシーンチェンジ後のシーンの最初の画像であるフィールド画像fld2は、時間的に前のピクチャから予測することが難しいために画面内予測モードを用いる。
つまり、GOP構造決定部105は、フィールド画像fld1に適用するピクチャタイプとしてPピクチャを選択し、フィールド画像fld2に適用するピクチャタイプとしてIピクチャを選択(pt1=P,pt2=I)する(ステップS12)。
ここで、再符号化対象のフレーム画像frmはIピクチャであって動きベクトルを有しないため、フィールド画像fld1に対する新たな動きベクトルが必要となる。不足する動きベクトルに対しては、動きベクトル検出部208で動きベクトルを新規に検出してもよいし、他の方法を用いてもよい。すなわち、動きベクトルを他のピクチャの動きベクトルから推定するようにしてもよい。
したがって、フィールド画像fld1はIピクチャとし、フィールド画像fld2は第1の符号化動画像情報におけるピクチャタイプであるIを継承せずにPピクチャとする(pt1=I,pt2=P)。つまり、GOP構造決定部105は、フィールド画像fld1に適用するピクチャタイプとしてIピクチャを選択し、フィールド画像fld2に適用するピクチャタイプとしてPピクチャを選択する(ステップS13)。
図5は、本発明の第1の実施形態による第1の符号化動画像情報の模式図である。図5では、時間の経過とともに、フレーム画像がI0、P1、P2、I3、P4、P5、I6、P7、P8と変化している。フレーム画像I0、I3、I6には、ピクチャタイプとしてIピクチャが適用されており、ランダムアクセスが可能である。また、フレーム画像P1、P2、P4、P5、P7、P8には、ピクチャタイプとしてPピクチャが適用されている。
フレーム画像I0、P1、P2は、フレーム画像の集まりであるGOP・g1を構成している。同様に、フレーム画像I3、P4、P5はGOP・g2を構成し、フレーム画像I6、P7、P8はGOP・g3を構成している。
図6(a)では、フィールド画像fld1に対応するピクチャを、I0t、P1t、P2t、I3t、P4t、P5t、I6t、P7t、P8tで示し、フィールド画像fld2に対応するピクチャを、P0b、P1b、P2b、P3b、P4b、P5b、P6b、P7b、P8bで示している。
また、図6(b)では、フィールド画像fld1に対応するピクチャを、I0t、P1t、P2t、P3t、P4t、P5t、I6t、P7t、P8tで示し、フィールド画像fld2に対応するピクチャを、P0b、P1b、P2b、I3b、P4b、P5b、P6b、P7b、P8bで示している。
また、図6(c)では、フィールド画像fld1に対応するピクチャを、I0t、P1t、P2t、I3t、P4t、P5t、I6t、P7t、P8tで示し、フィールド画像fld2に対応するピクチャを、P0b、P1b、P2b、I3b、P4b、P5b、P6b、P7b、P8bで示している。
図6(a)〜図6(c)では、フィールド画像fld1とフィールド画像fld2とを合わせたフレーム画像を単位としてGOPが構成されている。
以上のようにしてGOP構造決定部105は、フレーム画像毎にピクチャタイプpt1及びピクチャタイプpt2を選択してGOP構造を決定する。なお、ピクチャタイプpt1及びピクチャタイプpt2の選択方法は、フィールド画像fld1に対しては画面間予測モード、フィールド画像fld2に対しては画面内予測モードが利用できるようなピクチャタイプを選択する方法を用いることができる。
さらに、図3で示した構成に加えてフレーム間シーンチェンジを検出する機能を設け、フレーム内シーンチェンジの有無及びフレーム間シーンチェンジの有無に基づいてピクチャタイプを制御するようにしてもよい。例えば、フレーム間シーンチェンジとフレーム内シーンチェンジがともに存在しない場合には、ピクチャタイプpt1及びピクチャタイプpt2を、pt1=P、pt2=Pとしてもよい。
フレーム−フィールド変換部102は、符号化情報復号部203が復号化した1枚のフレーム画像を2枚のフィールド画像に変換する。
フレーム内シーンチェンジ検出部104は、フレーム−フィールド変換部102が変換した2枚のフィールド画像間にシーンの切り替わり点であるシーンチェンジが含まれているか否かを検出する。
GOP構造決定部105は、フレーム内シーンチェンジ検出部104のシーンチェンジの検出結果に応じてフィールド画像毎にピクチャタイプ(Iピクチャ又はPピクチャ)を選択してGOP構造を決定する。
画像情報符号化部103は、フレーム内シーンチェンジ検出部104の検出結果に基づいて、GOP構造決定部105が選択するピクチャタイプを用いて2枚のフィールド画像のそれぞれを符号化する。
図7は、本発明の第2の実施形態における動画像再符号化装置110の構成を示すブロック図である。本実施形態による動画像再符号化装置110が、第1の実施形態による動画像再符号化装置100(図3)と同じ構成を取る部分については、同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
フレーム−フィールド変換部111は、ビデオメモリ205が出力するフレーム構造の画像情報をフィールド構造に変換し、画像情報符合化部103に出力する。
GOP構造決定部112は、ピクチャタイプ判別部201が出力するピクチャタイプに基づいて、GOPの構造及びピクチャタイプを決定する。
GOP構造決定部112は、GOP構造決定部105と同様に、2枚のフィールド画像fld1及びフィールド画像fld2に対してそれぞれピクチャタイプpt1とピクチャタイプpt2を選択してGOPの構造を決定する。
まず、ステップS20では、再符号化対象のフレーム画像frmのピクチャタイプptがIであるか否か、つまり、pt=Iであるか否かについて判定する。
ステップS21は、ステップS20でピクチャタイプpt=Iの場合に行われる処理である。ここでフレーム内シーンチェンジが検出されていない場合には、フィールド画像fld1とフィールド画像fld2とは相関が高いため、フィールド画像fld2はフィールド画像fld1を参照ピクチャとする画面間予測によって符号化(pt1=I,pt2=P)すれば、符号化効率を向上できる。
一方、フレーム内シーンチェンジが検出されている場合には、フレーム−フィールド変換部111からは、フィールド画像fld1及びフィールド画像fld2として同一の画像が出力される。したがって、フィールド画像fld2は、フィールド画像fld1を参照ピクチャとする画面間予測によって、ほとんど符号量を消費せずに符号化が可能である。結局、フレーム内シーンチェンジが検出されているか否かに関わらず、ピクチャタイプpt1とピクチャタイプpt2は、pt1=I、pt2=Pとする。
GOP構造決定部112の動作例を、図5と図10を例に説明する。図10は図6と同様に再符号化後の第2の符号化動画像情報の模式図であり、第1の符号化動画像情報のフレーム画像I3(図5)がフレーム内シーンチェンジを有した場合の例である。フレーム画像I3は、図9のステップS21の処理によってフィールド画像I3tとフィールド画像P3bとに分けて再符号化される。このとき、フレーム−フィールド変換部111の処理により、フィールド画像I3tはフィールド画像P3bと同一の画像となっており、フィールド画像P3bの参照ピクチャはフィールド画像I3tである。フィールド画像I3tはGOPの先頭ピクチャであるため、ランダムアクセスが可能である。
さらに、第1の実施形態と同様に、本実施形態の構成に加えてフレーム間シーンチェンジを検出する機能を設け、フレーム内シーンチェンジの有無及びフレーム間シーンチェンジの有無に基づいてピクチャタイプを制御するようにしてもよい。
図11は、本発明の第3の実施形態による動画像再符号化装置120の構成を示すブロック図である。本実施形態による動画像再符号化装置120が、第1の実施形態による動画像再符号化装置100(図3)と同じ構成を取る部分については、同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
画像情報符号化部121は、第2の符号化方式を用いて画像情報を符号化する点については、画像情報符号化部103と同様である。画像情報符号化部103と異なるのは、ピクチャタイプについては、第1の符号化動画像情報におけるフレーム画像のピクチャタイプptを継承して、フィールド画像fld1とフィールド画像fld2のピクチャタイプpt1及びピクチャタイプpt2とする点と、符号量制御の際にシーンチェンジフラグscを参照して量子化幅を決定する点である。
まず、ステップS30では、シーンチェンジフラグscの値を判定する。
ステップS31では、画像情報符号化部121は、フレーム内シーンチェンジ検出部104がシーンチェンジscを検出した場合に、符号化対象のフレーム画像を構成しシーンチェンジ前のシーンに属するフィールド画像の符号化に用いられる平均量子化幅ΔQ1を、同一の予測モードで直前のフィールド画像の符号化に用いられる平均量子化幅ΔQ2よりも増加させる。具体的には、シーンチェンジ前のフィールド画像fld1における量子化幅Q1がQ1’よりも大きく、シーンチェンジ後のフィールド画像fld2における量子化幅Q2がQ2’よりも小さくなるようにΔQ1及びΔQ2を定める。本実施形態では、量子化幅の補正量を、ΔQ1=+a,ΔQ2=−aにより算出する。ここで、aは変数である。なお、ΔQ1、ΔQ2の算出方法として他の方法を使用してもよい。
変数aに正の値を与えればフィールド画像fld1の量子化幅Q1がより大きくなり、フィールド画像fld2の量子化幅Q2がより小さくなる。すなわち、シーンチェンジ前であるフィールド画像fld1の割当て符号量が減少し、シーンチェンジ後であるフィールド画像fld2の割当て符号量が増加することになる。用いる符号化方式に従ってaの絶対値を変えることによって、画質の変化の度合いを調節できる。
このようにして画像情報符号化部121では、フレーム画像frmがフレーム内シーンチェンジを有する場合にも適切な符号量制御を行なう。なお、量子化幅の算出方法は、シーンチェンジ前のシーンに属するフィールドに割り当てる符号量を相対的に減らすか、シーンチェンジ後のシーンに属するフィールドに割当てる符号量を相対的に増やす方法であれば、本実施形態の方法に限定されるものではない。
例えば、画像情報符号化部121は、フレーム内シーンチェンジ検出部104がシーンチェンジscを検出した場合に、符号化対象のフレーム画像を構成しシーンチェンジ後のシーンに属するフィールド画像の符号化に用いられる平均量子化幅を、符号化対象のフレーム画像を構成しシーンチェンジ前のシーンに属するフィールド画像の符号化に用いられる平均量子化幅よりも小さくするようにしてもよい。このような処理を行なうことにより、シーンチェンジ前のシーンに属するフィールド画像に対して、シーンチェンジ後のシーンに属するフィールド画像の情報量を増加させることができる。
第2の実施形態の場合には、フレーム内シーンチェンジの直前のフィールド画像をシーンチェンジ直後のフィールド画像で代替してフレーム内シーンチェンジを解消することで上記効果を得ることができる。
第3の実施形態の場合には、フレーム内シーンチェンジが起こったフレーム画像を構成するフィールド画像の量子化幅を変化させることにより割り当てる符号量を調節し、符号化効率の低下を防ぐことができる。
Claims (5)
- 1枚の符号化されたフレーム画像を第1及び第2のフィールド画像に変換するフレーム−フィールド変換部と、
前記第1及び第2のフィールド画像間にシーンの切り替わり点であるシーンチェンジが含まれているか否かを検出するシーンチェンジ検出部と、
前記フレーム画像のピクチャタイプを判別するピクチャタイプ判別部と、
前記ピクチャタイプ判別部がピクチャタイプをIピクチャであると判別した場合であって、前記シーンチェンジ検出部がシーンチェンジが含まれていることを検出した場合には、前記第1のフィールド画像に適用するピクチャタイプとしてPピクチャを選択し、前記第2のフィールド画像に適用するピクチャタイプとしてIピクチャを選択するGOP構造決定部と、
前記GOP構造決定部が選択したPピクチャ又はIピクチャを用いて、前記第1及び第2のフィールド画像を符号化する画像情報符号化部と、
を備えることを特徴とする動画像符号化装置。 - 前記GOP構造決定部は、
前記ピクチャタイプ判別部がピクチャタイプをIピクチャであると判別した場合であって、前記シーンチェンジ検出部がシーンチェンジが含まれていないことを検出した場合には、前記第1のフィールド画像に適用するピクチャタイプとしてIピクチャを選択し、前記第2のフィールド画像に適用するピクチャタイプとしてPピクチャを選択することを特徴とする請求項1に記載の動画像符号化装置。 - 前記GOP構造決定部は、
前記第1のフィールド画像に適用するピクチャタイプを、第1のピクチャタイプとして記憶しておくとともに、前記第2のフィールド画像に適用するピクチャタイプを、第2のピクチャタイプとして記憶しておき、
前記ピクチャタイプ判別部がピクチャタイプをIピクチャではないと判別した場合には、前記第1のフィールド画像に適用するピクチャタイプとして前記第1のピクチャタイプを選択し、前記第2のフィールド画像に適用するピクチャタイプとして前記第2のピクチャタイプを選択することを特徴とする請求項2に記載の動画像符号化装置。 - コンピュータに、
1枚の符号化されたフレーム画像を第1及び第2のフィールド画像に変換する第1のステップと、
前記第1及び第2のフィールド画像間にシーンの切り替わり点であるシーンチェンジが含まれているか否かを検出する第2のステップと、
前記フレーム画像のピクチャタイプを判別する第3のステップと、
前記第3のステップでピクチャタイプをIピクチャであると判別した場合であって、前記第2のステップでシーンチェンジが含まれていることを検出した場合には、前記第1のフィールド画像に適用するピクチャタイプとしてPピクチャを選択し、前記第2のフィールド画像に適用するピクチャタイプとしてIピクチャを選択する第4のステップと、
前記第4のステップで選択したPピクチャ又はIピクチャを用いて、前記第1及び第2のフィールド画像を符号化する第5のステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。 - 1枚の符号化されたフレーム画像を第1及び第2のフィールド画像に変換するフレーム−フィールド変換過程と、
前記第1及び第2のフィールド画像間にシーンの切り替わり点であるシーンチェンジが含まれているか否かを検出するシーンチェンジ検出過程と、
前記フレーム画像のピクチャタイプを判別するピクチャタイプ判別過程と、
前記ピクチャタイプ判別過程でピクチャタイプをIピクチャであると判別した場合であって、前記シーンチェンジ検出過程でシーンチェンジが含まれていることを検出した場合には、前記第1のフィールド画像に適用するピクチャタイプとしてPピクチャを選択し、前記第2のフィールド画像に適用するピクチャタイプとしてIピクチャを選択するGOP構造決定過程と、
前記GOP構造決定過程で選択したPピクチャ又はIピクチャを用いて、前記第1及び第2のフィールド画像を符号化する画像情報符号化過程と、
を有することを特徴とする動画像符号化方法。
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