JP4846000B2 - 移動通信システムのためのユーザ選択装置 - Google Patents

移動通信システムのためのユーザ選択装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4846000B2
JP4846000B2 JP2009137197A JP2009137197A JP4846000B2 JP 4846000 B2 JP4846000 B2 JP 4846000B2 JP 2009137197 A JP2009137197 A JP 2009137197A JP 2009137197 A JP2009137197 A JP 2009137197A JP 4846000 B2 JP4846000 B2 JP 4846000B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
user
users
group
selection
transmission capacity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009137197A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009296598A (ja
Inventor
クリスティアン・グーティ
ヴォルフガンク・ウチック
グイド・ディートル
ヨーゼフ・アー・ノセック
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTT Docomo Inc
Original Assignee
NTT Docomo Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTT Docomo Inc filed Critical NTT Docomo Inc
Publication of JP2009296598A publication Critical patent/JP2009296598A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4846000B2 publication Critical patent/JP4846000B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B7/00Radio transmission systems, i.e. using radiation field
    • H04B7/02Diversity systems; Multi-antenna system, i.e. transmission or reception using multiple antennas
    • H04B7/04Diversity systems; Multi-antenna system, i.e. transmission or reception using multiple antennas using two or more spaced independent antennas
    • H04B7/0413MIMO systems
    • H04B7/0452Multi-user MIMO systems

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Radio Transmission System (AREA)
  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)

Description

本発明は、多入力多出力(MIMO: multiple-input-multiple-output)無線チャネルを用いた通信システムの分野に関する。
移動通信の発展により、できるだけ多くのユーザに高い品質のサービスを提供するために、各ユーザのデータ速度およびシステム容量の改善が常に求められている。例えば、移動通信システムのダウンリンクといった一対多(point to multipoint)通信システムにおいては、送信機は、時間、周波数、および空間といったリソースを、この送信機のサービス範囲内の受信機へ割り当てるという重要な機能を持つ。送信機が、各ユーザのチャネルを識別していれば、同じ時間に、かつ、複数のユーザを空間において多重化する同じ周波数を通して、これらのユーザにサービスを提供することができる。移動通信システムのアップリンクなどの多対一(multipoint to point)通信システムにおいては、この機能は、受信機が実行する必要がある。
以下の説明は、ダウンリンクに関するものであるが、アップリンクにも適用できる。このため、基地局またはアクセスポイントにおいては複数のアンテナ、移動ユーザにおいては複数のアンテナを使用する。これは、よく知られている多入力多出力(MIMO)システムである。ここで、MIMOシステムはK人のユーザを含み、送信機はMTx個のアンテナを備え、そして、第k番目の受信機がMRx,k個のアンテナを備えたMIMOシステムを対象とする。第k番目のユーザのチャネルは、以下の行列によって表現できる。
Figure 0004846000
送信機がこれらの行列を完全に認識していると仮定すると、考えられる一般的な最適化問題は、合計容量(sum capacity)の最大化である。この問題に対する最適解は、反復注水(iterative waterfilling)によって得ることができる。非特許文献1及び2を参照されたい。
この問題に対する効率的な非反復アプローチとして、連続符号化連続割当方法(SESAM: Successive Encoding Successive Allocation Method)が、非特許文献3に記載されており、これによれば、最適解を極めて正確に得ることができる。両方のアルゴリズムは、ダーティーペーパー符号化(DPC: Dirty Paper Coding)(非特許文献4)の原理によるものである。非特許文献4によれば、あるデータストリームが符号化されるときに知られている干渉は、完全にキャンセルでき、このストリームの実現可能な最大速度は、干渉があたかも存在しない場合と同じであるとされている。しかし、ほぼ最適なDPCを実際に実施することは、計算処理が複雑である。
さらに、両方のアルゴリズムの複雑度は、ユーザの数とともに線形に増加するが、実際にサービスを受けるユーザの数は、通常、送信アンテナの数よりも少ないかまたは送信アンテナの数に等しい。このために、いくつかのユーザ選択アルゴリズムが、提案されており、これらのアルゴリズムは、対応するアルゴリズムが実行されるときに用いられる単純な基準に基づいてユーザの部分集合を選択する。最適なアプローチのためのユーザ事前選択方法が、非特許文献5に記載されている。これは、構成されたチャネル行列の特異値分解(SVD: Singular Value Decomposition)に頼るものであり、そのためにかなり複雑なものとなる。構成されたチャネル行列Hは、1つの行列内に行単位(row-wise)にスタックされた全てのユーザのチャネル行列を含む。例えば、ユーザが3人の場合、構成されるチャネル行列は、以下のようになる。
Figure 0004846000
同様に、ブロック対角化(Block Diagonalization)またはゼロフォーシングビームフォーミング(ZFBF: Zero-Forcing Beamforming)のような線形のアプローチのみ合計速度(sum rate)の最大化に使用する場合のユーザ選択に関しても、多くの研究がなされている。非特許文献6および7を参照されたい。
非特許文献8は、空間干渉除去とも呼ばれる同時マルチユーザダウンリンクビームフォーミングを扱っている。個々のユーザに指向された複数のアンテナビームを生成するために、送信アンテナアレイを使用し、合計容量または合計速度によって測定されるスループットを増加させようとするものである。合計容量または合計速度は、個々のユーザアンテナ方位(user antenna diagram)とそれによって発生する対応する相互干渉とに依存する個々のユーザ容量を合計(accumulate)することによって決定できる。送信アンテナの数よりも多いユーザを有する場合を調査しており、これは、ユーザ選択を必要とするものである。この問題に対する最適解は、基地局においてオンラインで実施する場合、計算処理の負荷が大きい複雑なものになる可能性がある。別の解決方法は、合計容量のかなりの割合をより小さい複雑性コストで達成するために、マルチユーザダイバーシティーを利用することができる。非特許文献8は、次善のグリーディ方式に基づく事前符号化(sub-optimal greedy pre-coding)に基づいた方式のレイリーフェージングにおけるスループット性能を解析し、そして、単純なゼロフォーシングビームフォーミングに基づいたユーザ選択方法を提案している。
さらに詳細な説明は、非特許文献9に記載されており、また、ゼロフォーシングのためのさらなるアプローチは、非特許文献10および11に記載されている。
非特許文献12は、ブロック対角化と呼ばれる事前符号化を開示する。これは、ダウンリンクマルチユーザ多入力多出力システムにおけるユーザ間の干渉を除去する。著者は、全てのユーザが、同じ数の受信アンテナを有し、かつ、送信のためにスケジューリングされるときには、全ての受信アンテナを使用すると仮定している。ブロック対角化によって同時にサポートすることのできるユーザの数は、ユーザの受信アンテナの数に対する基地局送信アンテナの数の比によって制限される。多くのユーザを有するダウンリンクMIMOシステムにおいては、基地局は、総スループットを最大化するために、サービスを提供すべきユーザの部分集合を選択することができる。しかし、最適なユーザ集合を得るためのしらみつぶしの探索(brute-force search)は、計算処理の負荷が大きい。著者は、ブロック対角化によるマルチユーザMIMOシステムのための複雑度の低い2つの準最適ユーザ選択アルゴリズムを提案している。両者のアルゴリズムは、総スループットがほぼ最大となるようにユーザの部分集合を選択することを試みる。総スループットは、個々のユーザの容量またはスループットを合計することによって評価される。第1の方法は、総スループットをグリーディなやり方で最大化するのに対し、第2の方法は、チャネルエネルギーに基づくものである。開示されている両方のアルゴリズムは、線形複雑度とユーザ総数とを使用し、そして、シミュレーションにおいて、約95%の総スループットを有する完全探索を実行する。
さらに詳細な説明およびさらなるユーザ選択アプローチは、非特許文献13〜15に記載されている。
ユーザのグループ化のために、DPC(Dirty Paper Precoding(ダーティーペーパー事前符号化))を使用するSDMA(Space Division Multiple Access(空間分割多元接続))に基づくアプローチと、TDMA(Time Division Multiple Access(時分割多元接続))との間の最大合計速度の差を考慮することができる。選択されるユーザを集合Sに含めるとき、ユーザ選択の基準は以下のようになる。
Figure 0004846000
ここで、集合Sの濃度(cardinality)は、予め定めた値Nに等しくなければならない。そして、Rk,DPCは、DPCによって達成可能なユーザkの速度である。TDMAの最大合計速度は、単一ユーザの最大の速度Rk,suに等しい。これは、ユーザが全てのシステムリソースを受け取る場合にユーザが得ることのできる速度である。
図11は、従来技術のシナリオを示している。基地局において複数のアンテナが動作しており、複数の携帯端末がその領域内に存在する。領域内に存在する端末も、複数のアンテナを使用することができ、結果としてMIMO無線チャネルを確立する。以下においては、完全なチャネル情報が、例えば、携帯端末だけでなく基地局においても与えられると仮定する。これは、図11において、完全なCSI(Channel State Information(チャネル状態情報))が利用可能であることを表す矢印によって示されている。
図12は、ユーザが2人であるシナリオに適用される目的関数g(S)をグラフ化したものである。ユーザ1のサポート可能な速度は、横軸に示され、ユーザ2のサポート可能なデータ速度は、縦軸に示されている。図12によれば、ユーザ1は、単独で全てのリソースを使用すれば、速度10をサポートすることができ、同時に、ユーザ2は、最大データ速度8を達成できる。ここで、数値は、単に定性的な指標の役割をなすものであり、ユーザのデータ速度の単位は、図12には示されていない。このことは、他の図面にも当てはまることに注意されたい。
図12は、ユーザが2人である例としてのシナリオに対する目的関数をグラフとして示している。破線は、−1の傾きを有する。この破線は、最大合計速度である点において容量領域(capacity region)に接するので、合計速度の値は、軸との交点において読み取ることができる。限定する意味ではなく、簡単にするために、以下、単一キャリアシステムについて説明する。
しかし、グラフにおける破線と合計容量との交点によれば、空間チャネル分離(spatial channel separation)を用いて同じ時間に同じ周波数で両方のユーザにサービスを提供している場合には、システムの合計容量は、個々のユーザのサポート可能なデータ速度よりも大きいことが容易にわかる。
W.Yu, Sum-Capacity Computation for the Gaussian Vector Broadcast Channel, IEEE Transactions on Information Theory,52:754-759,2006 W.Yu, W.Rhee, S.Vishwanath, S.Jafar,and A.Goldsmith, Sum Power Iterative Waterfilling for Multi-antenna Gaussian Broadcast Channels,IEEE Transactions on Information Theory,51:1570-1580,2005 P.Tejera,W.Utschick,G.Bauch,and J.A.Nossek,Subchannel Allocation in Multiuser Multiple Input Multiple Output Systems,IEEE Transactions on Information Theory,52:4721-4733,Oct.2006 M.H.M.Costa,Writing on Dirty Paper,IEEE Transactions on Information Theory,29:439-441,May 1983 G.Aniba and S.Aissa,Multi-User Capacity Maximization for MIMO Gaussian Broadcast Channels,In Proc.of International Conference on Communications(ICC),2006 Q.H.Spencer,A.L.Swindlehurst,and M.Haardt,Zero-forcing Methods for Downlink Spatial Multiplexing in Multiuser MIMO Channels,IEEE Trans.on Signal Processing,52(2):461-471,February 2004 G.Caire and S.Shamai,On the Achievable Throughut of Multiantenna Gaussian Broadcast Channel,IEEE Transactions on Information Theory,49(7):1691-1706,July 2003 G.Dimic and N.D.Sidoropoulos,On Downlink Beamforming with Greedy User Selection,IEEE Transactions on Signal Processing,53(10):3857-3868,October 2005 J.Wang,D.J.Love,and M.Zoltowski,User Selection for the MIMO Broadcast Channel with a Fairness Constraint,In Proc.of IEEE International Conference on Acoustics,Speech,and Signal Processing(ICASSP),2007 T.Yoo and A.Goldsmith,On the Optimality of Multiantenna Broadcast Scheduling Using Zero-Forcing Beamforming,IEEE Journal on Selected Areas in Communications,24(3):528-541,March 2006 T.Yoo and A.Goldsmith,Sum-Rate Optimal Multi-Antenna Downlink Beamforming Strategy Based on Clique Search,In Proc.of Global Telecommunications Conference(GLOBECOM),2005 Z.Shen,R.Chen,J.G.Andrews,R.W.Heath,and B.L.Evans,Low Complexity User Selection Algorithms for Multiuser MIMO Systems with Block Diagonalization,IEEE Transactions on Signal Processing,54(9):3658-3663,September 2006 M.Fuchs,G.Del Galdo,and M.Haardt,Low-Complexity Space-Time-Frequency Scheduling for MIMO Systems With SDMA,IEEE Transactions on Vehicular Technology,56:2775-2784,September 2007 Q.H.Spencer and A.L.Swindlehurst,Channel Allocation in Multi-user MIMO Wireless Communications Systems,In Proc.of International Conference on Communications(ICC),2004 T.F.Maciel and A.Klein,A Convex Quadratic SDMA Grouping Algorithm Based on Spatial Correlation,In Proc.of International Conference on Communications(ICC),2007
本発明は、移動通信システムにおけるユーザ選択のための概念を提供することを目的とする。これは、合計容量の点において改善された結果を実現するとともに、複雑度はそれほど大きくない。
この目的は、請求項1に記載のユーザ選択装置および請求項17に記載のユーザのサブグループを選択する方法によって達成される。
本発明は、ユーザの空間互換性(spatial compatibility)を、例えば特異値分解を実行するかなり複雑なMIMOアルゴリズムによって行われるほど複雑には確認する必要がないという知見に基づくものである。理論的に最適化されるMIMOユーザまたはサブチャネルの選択および割当アルゴリズムが、実用的なものでないということが本発明のさらなる発見である。というのも、これらのアルゴリズムの計算処理の複雑度は極めて大きい負荷をもたらすからである。本発明の実施形態によれば、ユーザまたはサブチャネル割当MIMOアルゴリズムの計算の複雑度が計算処理として実行可能となる少数のユーザすなわちユーザの中間選択グループ(intermediate selection group)にまで、多数のユーザすなわち複数のユーザを縮小することができる。それによって、実施形態によれば、複数のユーザから中間選択グループを選択することができ、中間選択グループに含まれるユーザは、空間的に互換性があり、すなわち、かなり複雑なMIMOサブチャネルまたはユーザ選択方法を中間選択グループに対して実行するため、システムの高い性能が実現する。
あるユーザの組み合わせに対応する合計(combined)送信容量を考慮した合計送信容量指標により、あるユーザグループの空間互換性を評価できることが、本発明のさらなる発見である。一実施形態によれば、全ての順列(permutation)またはユーザの全ての組み合わせに対応する合計送信容量指標を決定し、例えば最大の合計送信容量指標を有するユーザの組み合わせを選択することによりユーザの部分集合を中間選択グループとして選択することによって、しらみつぶしに調べる方法、すなわち、全ての順列、例えば、複数のユーザのうちのユーザの全ての組み合わせを評価する方法を実行することができる。
ユーザのMIMO無線チャネルを表す該ユーザのMIMO無線チャネル行列の観点から、これらのユーザの空間互換性を評価することができることは、本発明のさらなる発見である。ある実施形態においては、ユーザのある組み合わせに対応する合計送信容量指標は、ユーザのその組み合わせのチャネルエネルギー行列を累積した累積行列(accumulated matrix)の行列式に基づくものである。
すなわち、ユーザのMIMO無線チャネル行列がわかれば、この行列自体に複素共役転置を乗ずることによって、チャネルエネルギー行列を決定することができる。この結果は、MIMO無線チャネル内の空間サブチャネルの対角エネルギー(diagonal energy)をもたらす。非対角成分は、これらのチャネル間におけるクロスカップリングまたはクロストークの指標を決定する。このような行列の行列式は、チャネルエネルギーとサブチャネル間におけるクロストークとの関係を決定する指標をもたらす。例えば、単純な加算によって、このような複数の行列を累積すると、その行列式は、サブチャネルの組み合わせ(combined sub-channels)のクロストークに関するサブチャネルの組み合わせにおけるエネルギーの指標を提供する。すなわち、ユーザの組み合わせに対応するチャネルエネルギー行列を累積すると、この行列の行列式は、これらのユーザの空間互換性に関する指標、すなわち、サブチャネルにおけるエネルギーとクロストークとの関係をもたらし、これはまた、MIMO無線チャネルの組み合わせ(combined MIMO radio channel)における複数の空間サブチャネルの空間分離の可能性に関する指標でもある。
一実施形態によれば、ユーザの組み合わせに対応する累積エネルギー行列を評価する観点から、合計した送信容量指標を使用することができる。それによって、例えば、空間互換性は、個々のユーザのMIMO無線チャネル行列の特異値分解または固有値分解および射影を使用する従来の概念ほど複雑なやり方で評価しなくてもよいという利点がある。良好のみならず最も大きい空間互換性を有するユーザの組み合わせを選択することにより、この組み合わせ、すなわち有効なユーザの数と比べて少ない数のユーザを含む中間選択グループに基づいて、より複雑なMIMOサブチャネル選択アルゴリズムまたはユーザ選択アルゴリズムを実行することにより、大容量を実現することができる。
MIMOサブチャネル割当方法が、ユーザのチャネルエネルギーまたはユーザ個々のデータ速度に関してバランスの取れたユーザグループに対して実行される場合には、制限された所定の複雑度に対して、大容量を実現できることが本発明のさらなる発見である。すなわち、制限された所定の複雑度に対して、あるユーザがその他のユーザよりも極めて大きな個人の容量またはデータ速度を有していたとしても、大きい容量のユーザを選択せず(de-select)、かつ、その大きい容量のユーザへその他のユーザと同時にサービスを提供しないことは、有益である。チャネル利得のバランスがとれたユーザグループにサービスを提供することにより、突出した1人のユーザを有することよりも大きな全体容量すなわち合計容量を得ることができる。したがって、一実施形態によれば、事前選択を実行し、バランスのとれたチャネル利得、チャネルエネルギー、個々のデータ速度または個々の容量を有する事前選択されたユーザグループへ複数のユーザを縮小することができる。
一実施形態によれば、以下の段階において、事前に選択されたユーザグループを中間選択グループへさらに縮小することができる。ここで、計算処理が複雑なMIMOサブチャネル選択方式またはユーザ選択方式は、最終的に、この中間選択グループに基づくものとすることができる。すなわち、一実施形態によれば、第1に、バランスのとれたチャネルエネルギーを有するユーザの部分集合を選択することによって、複数のユーザを事前選択されたユーザグループへ縮小し、第2に、その事前選択グループから空間互換性を有するユーザの部分集合を選択することによって、その事前選択グループを中間選択グループにまでさらに縮小し、そして、第3に、その中間選択グループに対して、複雑なMIMOサブチャネル割当方式またはユーザ選択方式を実行するという3段階の選択処理を実行することができる。この中間選択グループに含まれるユーザの数は、計算処理が複雑なMIMOサブチャネル割当アルゴリズムおよびユーザ選択アルゴリズムが実施可能な程度にまで縮小することができる。
本発明は、MIMOシナリオにおいて、ユーザ選択が最初に実行される場合には、大きなシステムスループットを達成するためのユーザ選択をあまり複雑に実行しなくても済むという発見に基づくものである。この選択は、極めて単純な基準を使用することができ、例えば、SESAMなどのような高性能のアルゴリズムほどの複雑さを必要としない。例えば、ユーザ事前選択、すなわち、全てのユーザからなるグループを、送信のためのサブグループを選択するために、より小さい中間選択グループにまで縮小することは、個々のユーザのチャネル利得またはチャネル容量に基づくものとすることができ、そのために、例えば、特異値分解(SVD: Singular Value Decomposition)、固有値解析または固有値分解のような複雑な処理をそれぞれ実行することを要しない。
全てのユーザからなるグループよりも小さい事前選択グループを、システムスループットを損なうことなく、単純な基準に基づいて決定することができることは本発明のさらなる発見である。さらに、事前選択は、複数の基準に基づいて実行することができる。この場合、送信のためのサブグループを事前選択グループから決定する際に、例えば、その事前選択グループに含まれるユーザの空間特性を考慮した、より高性能のアルゴリズムを使用することができる。
既存のユーザグループ化アプローチは、最大合計速度をもたらすユーザを特定することを目的とするが、一実施形態では、一部のユーザを空間的に多重化することによって実現可能な最大利得を得ることを目的とするユーザグループ化を実行することができる。したがって、送信のために選択されたユーザは、例えば、最大合計速度と、選択されたユーザのうちの1人が全体として得ることのできる送信電力または送信リソースによって達成可能な最大速度との差分が最大となるように、反復注水、SESAM、または類似のアプローチによりサービスを受けることができる。
このような選択ルールを持つ実施形態は、以下のように動機づけられる。合計容量を達成するか、または合計容量にアプローチするアルゴリズムは、とりわけ、これらのアルゴリズムがDPCを使用するときには、計算処理が非常に複雑なものとなる。したがって、多くの実際のシナリオにおいては、これらのアルゴリズムによって、全てのユーザへサービスを提供する余裕はない。それにもかかわらず、一実施形態においては、一部のユーザに対してこれらのアルゴリズムを使用することは、なおも可能であり、その他のユーザは、時分割多元接続のようなより単純なアプローチによって分離される。したがって、一実施形態においては、より複雑なアルゴリズムに注がれる余分な労力は、たった1人のユーザが同時に同じ周波数でサービスを提供されるシナリオと比較すれば、合計速度における最適化された利得をもたらすはずであり、それどころか、場合によっては、合計速度における最大の利得をもたらすはずである。
本発明の実施形態は、例えば、ダーティーペーパー符号化を使用する空間多重化アルゴリズムが適用される場合に、TDMAと比較すると、合計速度における最大または最適化された増加量をもたらすユーザを特定することを目的とするユーザ選択方法を含んでいる。一実施形態によれば、3つの段階を実行できる。第一の段階において、一部のユーザをソートし、そして、事前選択グループに含まれるユーザ間のチャネル利得においてある種のバランスを有する事前選択グループを決定するために、単純な選択基準を適用することができる。第二の段階では、第一の段階の後に残っているユーザの中から中間選択グループに含まれるユーザを探し出すために、より高性能の選択ルールを適用することができ、この中間選択グループは、それらのユーザのチャネル利得および空間互換性に関してバランスのとれたユーザを有する。一実施形態においては、例えば、費やそうとしている労力に応じて、それぞれの段階は、同様に単独で適用することができる。第三の段階において、例えば、その中間選択グループ内に含まれるユーザにSESAMを適用することができる。
実施形態によれば、これらの実施形態が理想的な最大の利得をもたらすという利点が提供され、これらの実施形態によれば、与えられた計算処理上の制約下において、合計速度における利得が提供される。実施形態によれば、複雑度の低減(scale)が可能となる。
以下、詳細な実施形態について添付の図面を用いて説明する。
ユーザ選択装置の実施形態を示す図である。 選択部の実施形態を示す図である。 選択部のさらなる実施形態を示す図である。 事前選択部を用いたユーザ選択装置の実施形態を示す図である。 ユーザを選択する方法の実施形態を示す図である。 事前に選択する方法を示す図である。 選択する方法を示す図である。 大きいチャネル利得を有する2人のユーザを有するシナリオに対する合計容量を示すグラフである。 小さいチャネル利得を有する2人のユーザを有するシナリオに対する合計容量を示すグラフである。 強い空間分離を有する2人のユーザを有するシナリオに対する合計容量を示すグラフである。 空間分離を有していない2人のユーザを有するシナリオに対する合計容量を示すグラフである。 バランスのとれたチャネルを有する2人のユーザを有するシナリオに対する合計容量を示すグラフである。 バランスのとれていないチャネルを有する2人のユーザを有するシナリオに対する合計容量を示すグラフである。 ユーザが2人であるシナリオにおける平均合計容量に関するシミュレーション結果を示すグラフである。 ユーザが4人であるシナリオにおける平均合計容量に関するシミュレーション結果を示すグラフである。 シミュレーションシナリオを示す図である。 平均利得に関するシミュレーションシナリオを示すグラフである。 さらなるシミュレーションシナリオを示す図である。 平均利得に関するシミュレーション結果を示すグラフである。 従来技術のMIMOシナリオを示す図である。 ユーザが2人である従来のシナリオにおける合計容量を示すグラフである。
以下、実施形態について詳細に説明する。図1Aは、移動通信システムにおいて動作するユーザ選択装置100であって、送信のために複数のユーザの中からユーザのサブグループを選択するユーザ選択装置100を示している。ここで、ユーザは、多入力多出力(MIMO: Multiple-Input-Multiple-Output)無線チャネルを介して通信することができる。ユーザ選択装置100は、複数のユーザの中に含まれるユーザのMIMO無線チャネルの空間互換性(spatial compatibility)に基づいて複数のユーザの中から、ユーザk(users k)の中間選択グループSとしてユーザを選択する選択部120を備えている。ユーザ選択装置は、MIMO無線チャネルに基づいて送信のためのユーザのサブグループを決定する処理部115をさらに備えている。
実施形態において、選択部120は、ユーザkを含む中間選択グループSとして、複数のユーザの中からユーザを選択することができる。ここで、空間互換性は、中間選択グループSに含まれるユーザの合計送信容量指標Csum(S)に対応する。
図1Bは、選択部120の実施形態を示している。複数のユーザは、一例として、3人のユーザ、すなわち、ユーザ1、ユーザ2、およびユーザ3を含む。選択部120は、複数のユーザ、すなわち、MIMO無線チャネルHを有する第1のユーザと、MIMO無線チャネルHを有する第2のユーザと、MIMO無線チャネルHを有する第3のユーザとからユーザを選択することができる。選択部120は、Hに基づいた第1の合計(combined)送信容量指標Csum(S)と、Hに基づいた第2の合計送信容量指標Csum(S)と、Hに基づいた第3の合計送信容量指標Csum(S)と、HおよびHに基づいた第4の合計送信容量指標Csum(S)12と、HおよびHに基づいた第5の合計送信容量指標Csum(S)13と、HおよびHに基づいた第6の合計送信容量指標Csum(S)23と、H、H、Hに基づいた第7の合計送信容量指標Csum(S)123とを評価することができる。選択部120は、合計送信容量指標が最大であるユーザの組み合わせを中間選択グループSとして選択することができる。
一実施形態において、ユーザk(users k)の中間選択グループSの合計送信容量指標は、以下の行列式に基づくものとすることができる。
Figure 0004846000
この行列式は、組み合わせたユーザの空間互換性を決定するために、一実施形態において使用できる。上述した行列式の値は、合計行列(sum matrix)またはエネルギー行列
Figure 0004846000
の対角成分が大きくなればなるほど、増加する。すなわち、行列式は、実施形態において、空間互換性の指標として使用できる。行列式は、S内に存在するユーザの組み合わせの上述した累積(accumulated)エネルギー行列または合計した(combined)MIMO無線チャネル行列の対角成分と非対角成分との間の関係を表現できる。行列式は、上述した合計MIMO無線チャネル行列内において空間サブチャネルをどれだけ分離することができるかに関する指標を提供することもでき、個々の空間サブチャネルが強くなればなるほど、より大きな値をもたらし、これは、対角成分によって表現され、S内における相互結合(cross coupling)に関しては、非対角成分によって表現される。
図1Cは、別の実施形態を示している。この実施形態においては、選択部120は、中間選択グループに含まれる第1のユーザと選択されていない第2のユーザとの第1の合計送信容量指標Csum(S)12を評価し、中間選択グループに含まれる第1のユーザと選択されていない第3のユーザとの第2の合計送信容量指標Csum(S)13を評価し、そして、第1の合計送信容量指標Csum(S)12が第2の合計送信容量指標Csum(S)13よりも大きければ、中間選択グループとして第2のユーザを選択し、もしそうでなければ、中間選択グループとして第3のユーザを選択することができる。
さらなる実施形態においては、選択部120は、複数のユーザから中間選択グループとしてユーザを選択することができる。その結果として、最大の送信容量指標を有するユーザよりも大きな合計送信容量指標を有するユーザを含む中間選択グループが得られる。すなわち、送信容量指標または中間選択グループがサポート可能なデータ速度が、全てのユーザの中で最大のデータ速度よりも大きい場合には、選択部120は、中間選択グループとして、複数のユーザからユーザを選択することができる。全体的な改善、すなわち、システム容量または合計速度における改善が達成される場合にのみ複数のユーザを選択することができる。
さらに、選択部120は、
Figure 0004846000
に基づく合計容量Csum(S)、または、
Figure 0004846000
に基づく推定合計容量Csum(S)に関して、合計送信容量指標が最適化または最大化されるユーザを複数のユーザ
Figure 0004846000
から中間選択グループSとして選択することができる。ここで、MRx,kは、あるユーザkの受信アンテナの数であり、PTxは送信電力であり、Hは、ユーザkのMIMO無線チャネル行列であり、Iは恒等行列(identity matrix)であり、NはSの濃度であり、MTxは、送信に使用する送信アンテナの数である。
選択部120は、
Figure 0004846000
に基づいて複数のユーザ
Figure 0004846000
に含まれるユーザの最も大きいフロベニウスノルム(Frobenius norm)を有するMIMO無線チャネル行列Hπ(1)によって表現されるMIMO無線チャネルを有するユーザπ(1)を中間選択グループSとして選択することができる。
そして、選択部120は、
Figure 0004846000
に基づいて合計容量または推定合計容量の増加量ΔCsum(S∪k)が最大となる場合に、選択されていないk人のユーザの中のユーザπ(i)を中間選択グループSへ追加することができる。ここで、
Figure 0004846000
であり、合計容量Csum(S)は、
Figure 0004846000
に基づいて決定され、あるいは、推定合計容量Csum(S)は、
Figure 0004846000
に基づくものである。また、MRx,kは、ユーザkの受信アンテナの数であり、PTxは送信電力であり、Hは、ユーザkのMIMO無線チャネル行列であり、Iは恒等行列であり、NはSの濃度であり、MTxは、送信に使用される送信アンテナの数である。
一実施形態において、処理部115は、処理されたMIMO無線チャネルを得るために、
中間選択グループに含まれるユーザのMIMO無線チャネルを処理することができるとともに、中間選択グループに含まれるユーザの処理されたMIMO無線チャネルの空間特性に基づいて、送信のためのユーザのサブグループを決定することができる。処理部115は、中間選択グループに含まれるユーザのMIMO無線チャネルの特異値分解に基づいて、中間選択グループの中のユーザをサブグループとして決定することができる。処理部115は、SESAM(Successive Encoding Successive Allocation Method(連続符号化連続割当方法))に基づいて、中間選択グループの中のユーザをサブグループとして決定することができる。
図1Dは、さらなる実施形態を示している。ユーザ選択装置100は、他のユーザの送信容量指標よりも予め定められた量だけ大きい送信容量指標を有するユーザを除外する事前選択部110をさらに備えている。その結果、選択されないユーザを含まない事前選択グループが得られる。選択部120は、事前選択グループからユーザを中間選択グループとして選択することができる。すなわち、本実施形態では、3つの段階が存在する。第1の段階において、事前選択部110は、例えば、事前選択グループ内に含まれるユーザの送信容量指標間で所定のバランスをとるために、ユーザの送信容量指標に基づいて、これらのユーザの部分集合すなわち事前選択グループを複数のユーザの中から選択する。第2の段階において、選択部120により、事前選択グループから中間選択グループが選択される。選択部120は、事前選択グループから中間選択グループとしてユーザの部分集合を選択するために、ユーザのMIMO無線チャネルの空間特性を考慮することができ、中間選択グループに含まれるユーザは、所定の空間互換性を有する。
事前選択部110は、ユーザのMIMO無線チャネル上において達成可能なデータ速度に基づいて、送信容量指標を決定することができる。さらに、事前選択部110は、MIMO無線チャネルに含まれるユーザの空間サブチャネルの達成可能な最大のデータ速度の観点から、送信容量指標を決定することができる。事前選択部110は、ユーザのMIMO無線チャネルを表現するユーザのMIMO無線チャネル行列の特異値分解を評価して、送信容量指標を決定することができる。事前選択部110は、ユーザのMIMO無線チャネル行列の最も大きい特異値により、送信容量指標を決定することができる。別の実施形態においては、事前選択部110は、ユーザのMIMO無線チャネル行列のフロベニウスノルムにより、送信容量指標を決定することができる。
事前選択部110は、ユーザの送信容量指標に基づいて、これらのユーザをソートすることができる。事前選択部110は、さらに、ユーザの送信容量指標を他のユーザの送信容量指標と比較することができ、他のユーザは、複数のユーザの中で次に小さいかまたは次に大きい送信容量指標を有する。ユーザが昇順にソートするか、降順にソートするかににより、異なる閾値を使用することができる。一実施形態において、事前選択部110は、あるユーザの送信容量指標と次に小さいかまたは次に大きい送信容量指標を有する他のユーザの送信容量指標との商を閾値と比較することを、ソートされたユーザの全体にわたって反復し、他のユーザの送信容量指標が次に小さな送信容量指標であれば、商が閾値よりも大きなユーザを事前選択グループから選択せず、あるいは、他のユーザの送信容量指標が次に大きな送信容量指標であれば、商が閾値よりも小さいユーザを事前選択グループから選択しないこととすることができる。
事前選択部110は、予め定められた数のユーザを有する事前選択グループを決定することができる。事前選択部110は、ユーザのMIMO無線チャネルに関するユーザの送信容量指標の制限られた差分を有し、かつ複数のユーザの中で制限された差分を含む最大の送信容量指標を有する所定数のユーザを複数のユーザの中から選択することにより、ユーザの事前選択グループを決定できる。すなわち、事前選択部110は、予め定められたサイズまたは濃度の事前選択グループを複数のユーザの中からそれぞれ選択することができる。事前選択グループ内のユーザは、それらのユーザのMIMO無線チャネルに関する送信容量指標において限られた差分を有する。すなわち、ユーザは、事前選択グループにおいて少なくともある程度バランスのとれた送信容量指標を有する。事前選択部110は、最も大きい送信容量指標を有し、かつ上述した基準を満たすユーザを複数のユーザの中から選択できる。
事前選択部110は、最大の送信容量指標と次に大きい送信容量指標との差分が予め定められた量を超える場合には、MIMO無線チャネルについて最大の送信容量指標を有するユーザを選択しないこととすることができる。この予め定められた量は、絶対的なものまたは相対的なものとすることができる。一実施形態において、事前選択部110は、最大の送信容量指標が次に大きい送信容量指標よりも2倍以上大きい場合には、最大の送信容量指標を有するユーザを選択しないこととすることができる。それにより、実施形態によれば、事前選択グループにおけるユーザのバランスのとれたチャネル利得を達成する。
図2Aは、移動通信システムにおける送信に際して、複数のユーザからユーザのサブグループを選択する方法の実施形態を示すフローチャートである。ユーザは、MIMO無線チャネルを介して通信することができる。複数のユーザの中のユーザのMIMO無線チャネルの空間互換性に基づいて、ユーザkを含む中間選択グループSとして複数のユーザからユーザを選択するステップ250と、MIMO無線チャネルに基づいて送信するためのユーザのサブグループを決定するステップとが含まれる。
一実施形態において、本方法は、事前選択グループを得るために、複数のユーザの中からユーザを除外する任意のステップ200をさらに含むことができ、中間選択グループとしてユーザを選択するステップ250は、事前選択グループに基づくものとすることができる。図2Bに示すフローチャートによれば、除外するステップ200は、事前選択グループの所定のサイズを受け取るステップ205と、複数のユーザのMIMO無線チャネルを表現する複数のユーザのMIMO無線チャネル行列のフロベニウスノルムまたは単一ユーザ速度に基づいて、複数のユーザを降順にソートするステップ210とを含むことができる。本方法は、さらに、全てのユーザを事前選択グループに含めるステップ215と、事前選択グループの中で最大のフロベニウスノルムまたは最大の単一ユーザ速度を有するユーザのフロベニウスノルムまたは単一ユーザ速度を、事前選択グループの中で次に大きいフロベニウスノルムまたは次に大きい単一ユーザ速度を有するユーザのフロベニウスノルムまたは単一ユーザ速度と比較するステップ220とを含むことができる。
さらにまた、本方法は、最大のフロベニウスノルムまたは最大の単一ユーザ速度が、事前選択グループのユーザの中で次に大きいフロベニウスノルムまたは次に大きい単一ユーザ速度に係数αを乗算した値よりも大きければ、最大のフロベニウスノルムまたは最大の単一ユーザ速度を有するユーザを事前選択グループから除外して、比較するステップ220へ戻るステップ225と、事前選択グループの中で最小のフロベニウスノルムまたは最小の単一ユーザ速度を有するユーザを除外して、予め定められたサイズに合わせるステップ230とを含むことができる。
図2Cに示されるフローチャートによれば、一実施形態において、選択するステップ250は、中間選択グループの予め定められたサイズを受け取るステップ255と、最大のフロベニウスノルムまたは最大の単一ユーザ速度を有するユーザを事前選択グループから選択するステップ260とを含むことができる。このユーザは、最も大きい個人のデータ速度をサポートするユーザであり、全てのリソースはこのユーザだけに割り当てられると仮定する。このユーザから始めて、第1のユーザおよび全ての潜在的な第2のユーザの合計容量または推定合計容量を評価することにより、サブグループとして選択される第2のユーザが選択される。そこで、最大の合計容量を提供する第1のユーザと第2のユーザとの組み合わせを選択することができる。第3のユーザをサブグループとして選択するとき、最初に選ばれた2人のユーザは、全ての潜在的な第3のユーザと組み合わせることができ、また、合計容量を再度評価することができる。
さらにまた、実施形態によれば、中間選択グループ内の選択されたユーザに基づいて、事前選択グループに含まれる選択されていないユーザに対する容量増加量または合計速度増加量を評価するステップ265と、最大の容量増加量または最大の合計速度増加量を有するユーザを中間選択グループとして選択するステップ270とを含むことができる。実施形態によれば、中間選択グループのサイズが中間選択グループの予め定められたサイズに到達するまで、評価するステップ265へ戻るステップを含むことができる。
事前選択部110は、最大の送信容量指標と次に大きい送信容量指標との差分が予め定められた量よりも大きければ、MIMO無線チャネル上で最大の送信容量指標を有するユーザを除外することができる。つまり、最良のユーザすなわち最大の送信容量指標を有するユーザは、事前選択グループとして選択せずに済み、それにより、送信のために選択せずに済む。なぜなら、このユーザの送信容量指標は、次に大きいユーザの送信容量指標よりも極めて大きいからである。すなわち、事前選択部110は、全てのユーザからなるグループから事前選択グループを選択することができ、それにより、ユーザ間のバランスは、ある種の要件を満たし、すなわち、事前選択グループに含まれるユーザの送信容量指標の差分は、ある種の制限を受ける。
別の実施形態では、その他の送信容量指標を使用することができ、ユーザを昇順にソートすることもでき、あるいは、異なるやり方でユーザの中から選択するだけでもよいことに注意されたい。ここで説明する実施形態は、限定的なものとして解釈されるべきではない。
式(1.1)の最適な解法は、考えられる全ての集合Sに対する全数探索を必要とする可能性がある。K人のユーザを有するシナリオにおいては、
Figure 0004846000
の考えられる集合の中で最良の集合を探索することが必要となる。これは、明らかに実際のシステムにおいては実行不可能であり、複雑度を低減するという所望の目的を妨げるものである。別の実施形態を詳細に説明する前に、目的関数g(S)に影響を与える3つの要因を導入する必要がある。以下の説明は、K=2であるユーザの場合を対象とするが、なされる説明は任意の数のユーザにも当てはまるものである。
明らかに、大きなチャネル利得を有するユーザを有するグループにおいては、ユーザの空間多重化の潜在的な利得は、より大きいものである。「チャネル利得」とは、送信容量指標、例えば、ユーザkのMIMO無線チャネルを表現するMIMO無線チャネル行列Hのフロベニウスノルム
Figure 0004846000
を意味する。これは、チャネルの全体的なエネルギーを示すものである。「Z.Shen,R.Chen,J.G.Andrews,R.W.Heath,and B.L.Evans,Low Complexity User Selection Algorithms for Multiuser MIMO Systems with Block Diagonalization,IEEE Transactions on Signal Processing,54(9):3658-3663,September 2006」を参照されたい。
代替的な実施形態においては、単一のユーザが達成することのできる最大送信速度である単一ユーザ速度Rk,suは、1人のユーザが単独で全ての送信リソースを受ける場合には、チャネル利得に対する送信容量指標の役割を持つ。図3Aおよび図3Bは、2人のユーザを含むシナリオにおける合計容量を示す2つのグラフである。図3Aの場合、2人のユーザは、いずれも、大きなチャネル利得すなわち大きな送信容量指標を有すると仮定される。図3Bの場合、対象となる2人のユーザは、小さなチャネル利得すなわちやや小さな送信容量指標を有すると仮定される。図3Aおよび図3Bは、2つのシナリオを示しており、ユーザ1およびユーザ3のチャネルは、同じ特異ベクトルを有するが、異なる特異値を有する。同様に、ユーザ2およびユーザ4のチャネルは、特異値だけが異なる。実施形態において、特異値は、チャネル利得または送信容量指標と考えることができる。図3においては、容量領域およびTDMAによって達成可能な領域がプロットされている。また、単一ユーザの最大速度は、チャネル利得が増加するにつれて大きくなり、また、両方のユーザが同時にサービスを提供されるときには、この速度と得ることのできる合計速度との差分は増加している。
合計容量を評価するときに考慮すべきさらなる点は、ユーザの無線チャネルの空間的な位置合わせ(spatial alignment)である。「H.Viswanathan,S.Venkatesan,and H.Huang,Downlink Capacity Evaluation of Cellular Networks With Known-Interference Cancellation,IEEE Journal on Selected Areas in Communications,21(6):802-811,June 2003」に記載されているように、最も大きなフロベニウスノルム、または、同等に、最も大きい単一ユーザ速度に基づいてユーザをSとして選択することは、事前選択のための単純な方法である。しかし、これは、最も大きなチャネル利得を有するユーザのチャネルが空間的に強力に(strongly)位置合わせされていると完全に失敗する。
図4Aおよび図4Bは、それぞれ、2人のユーザの空間分離が強い場合(図4A参照)、および、2人のユーザの空間分離が一過性のものである(evanescent)場合、すなわち2人のユーザが空間的に位置合わせされている場合(図4B参照)において、2人のユーザを含むシナリオにおける合計容量を示す2つのグラフである。図4Bは、極端な場合を示しており、2人のユーザのチャネルの領域は、完全に重なり合っている。さらにまた、ユーザの右特異ベクトルは、同じように選択されている。したがって、ユーザの空間分離は不可能であり、容量領域はTDMA速度領域と一致する。他方、図4Aに示されているように、ユーザのチャネルの空間的な位置合わせがされていなければ、すなわち、一方のユーザのチャネルの領域が、他方のユーザのチャネルのヌル空間(nullspace)内に完全に存在すれば、大きな利得が得られる。この場合、2人のユーザは互いに干渉することはなく、両方のユーザは、これらのユーザのチャネル利得により十分に利益を得ることができる。したがって、ユーザの無線チャネルの空間的な位置合わせは、合計容量に影響を与える第2の要因であることがわかる。
合計容量について考慮すべきもう1つの要因は、ユーザの無線チャネルのバランスである。これまでに説明した影響の要因は、ゼロフォーシングアプローチのためのグループ化アルゴリズムにおいて重要な役割を果たす。次の基準、すなわち、ユーザのチャネルのバランスは、目的関数g(S)に特有のものである。チャネルのバランスは、ユーザのチャネルのフロベニウスノルムの比を意味し、実施形態においてフロベニウスノルムは、送信容量指標としての役割をなすことができる。
図5Aおよび図5Bは、ユーザが2人のシナリオにおける合計容量を示す2つのグラフである。ここで、図5Aは、2人のユーザがバランスのとれたチャネルを有するシナリオ、すなわち、両方のユーザが類似するチャネル利得または送信容量指標を有するシナリオにおける合計容量を示している。図5Bは、シナリオにおける2人のユーザが大きく異なるチャネル利得、すなわちバランスのとれていないチャネルまたはバランスのとれていない送信容量指標を有する場合を示している。
バランスのとれていないシナリオが図5Bに示されている。ユーザ3は、ユーザ4よりも極めて大きなチャネル利得を有し、これは、より大きい単一ユーザ速度をこのユーザに提供することとなる。このようなバランスのとれていないシナリオにおいては、最大合計容量の点は、図5Bに示される例のように、最も大きなチャネル利得を有するユーザが全ての利用可能なシステムリソースを得る点の近くに、それどころか、そのような点上にさえも存在する。これは、他のユーザへのリソースのシフトが、わずかな利得(marginal gain)しか提供せず、逆に、それに伴う最も強力なユーザに対する損失は、合計容量に対して有害であるからである。他方、同じように大きなチャネル利得を有するユーザの場合、最大合計速度の点は、1人のユーザが全てのシステムリソースを受け取る端点(corner point)から遠く離れたところに存在する可能性が高い。これは、合計速度においてより大きい利得が得られる可能性を意味する。
これまでに説明した影響の要因から、チャネルの利得およびバランスは、比較的容易に決定することができるが、チャネルの空間的な配置(spatial alignment)は、フロベニウスノルムまたは送信容量指標のように単純には計算できないことがわかる。さらにまた、ユーザのそれぞれの組み合わせに対する送信容量指標特性をチェックするためには、新たな計算が必要となるが、その他の特性に対しては、全てのユーザごとに送信容量指標としてスカラーたるフロベニウスノルムを1回だけ計算して、それらを比較し、適切なグループを探し出せば十分である。
このことが、2段階でユーザをグループ化する実施形態の動機づけである。例えば、事前選択部110によって実行される段階Iにおいて、ユーザが単純な基準に基づいてソートされる。例えば、選択部120によって実行される段階IIにおいて、送信のためのサブグループ、すなわちサービスが提供されるサブグループが、DPCを用いたSDMAに基づくアプローチを用いて、さらに複雑な探索により段階Iにおいて得られる縮小した集合またはユーザの事前選択グループから選択される。以下、2つの段階の実施形態を詳細に説明する。
段階Iにおいては、SDMAによってサービスが提供されるユーザグループに対する候補ユーザを含む集合または事前選択グループ
Figure 0004846000
を探し出すことが目的である。後続の段階の複雑度をコントロールするために、
Figure 0004846000
の濃度を予め定めることを提案する。ただし、
Figure 0004846000
である。段階IIを省略する実施形態においては、
Figure 0004846000
として選択することができる。最初に、全てのユーザのチャネルのフロベニウスノルム
Figure 0004846000
が計算されて、例えば降順にソートされる。この実施形態においては、最も大きいフロベニウスノルムまたは送信容量指標を有するユーザから始めて、
Figure 0004846000
であるかどうかがチェックされる。ここで、αは予め定めた閾値であり、iは、降順にソートされたフロベニウスノルムのインデックスである。式(1.2)を満たす場合には、ユーザiは集合から排除されることはなく、テストは停止する。もし満たされなければ、このユーザは排除され、ユーザ(i+1)に対してテストを継続する。したがって、式(1.2)は、他のユーザよりも極めて大きなチャネル利得を有するユーザを排除または除外し、それゆえ、チャネルのバランスがとれていない状態を回避しようとする。その後、所望のサイズの集合
Figure 0004846000
である事前選択グループが、影響の第1の要因に基づき、最小のフロベニウスノルムを有するユーザを除外することにより得られる。同様に、実施形態では、さらに、
Figure 0004846000
において最小のフロベニウスノルムが、次に小さいフロベニウスノルムに1/αまたはその他の係数を乗算した値よりも大きくなるまで、ユーザを
Figure 0004846000
から除外することができる。異なる係数を任意に使用することができる。この場合、
Figure 0004846000
は、最初に意図したものよりも少ない数のユーザを有する。
以下、第2の段階すなわち段階IIの実施形態を説明する。この実施形態は、選択部120によって実行することができる。この段階において、ユーザの空間互換性がチェックされ、そして最終的な集合Sが選択される。互換性の指標として、例えば、「M.Fuchs,G.Del Galdo,and M.Haardt.Low-Complexity Space-Time-Frequency Scheduling for MIMO Systems With SDMA,IEEE Transaction on Vehicular Technology,56:2775-2784,September 2007」、または「T.F.Maciel and A.Klein,A Low-Comlexity SDMA Grouping Strategy for the Downlink of Multi-user MIMO Systems,In Proc.of IEEE International Symposium on Personal,Indoor and Mobile Radio Communications(PIMRC),2006」に記載されているものは、線形ゼロフォーシングアプローチを意図したものであるため、この実施形態では考慮しない。この実施形態においては、「J.Lee and N.Jindal,High SNR Analysis for MIMO Broadcast Channels,Dirty Paper Coding Versus Linear Precoding,IEEE Transaction on Information Theory,53:4787-4792,2007」に基づき、大きなSNRにおける合計容量の推定を考慮する。
ユーザ間の空間的な相関に加えて、この式は、DPCが送信機において利用できることと、それゆえ、集合内のユーザの信号空間どうしの直交性に単に頼るものではないこととを考慮する。送信電力PTxが無限大に近づくとき、合計容量Csum(S)は、
Figure 0004846000
に基づいて計算することができる。代替的には、推定合計容量Csum(S)を
Figure 0004846000
に基づいて評価することができる。ここで、MRx,kは、ユーザkの受信アンテナの数であり、Iは恒等行列である。したがって、大きなSNRにおいては、デュアルアップリンクにおける最適な共分散行列は、スケーリングされた(scaled)恒等行列となる。
「J.Lee and N.Jindal,High SNR Analysis for MIMO Broadcast Channels,Dirty Paper Coding Versus Linear Precoding,IEEE Transaction on Information Theory,53:4787-4792,2007」によれば、式(1.4)が満たされない場合、または中間のSNRにおいて、式(1.3)は実施形態において合計容量についての上述した推定に基づいて良好な近似を実現する。
図6Aおよび図6Bは、シミュレーション結果を表すグラフである。図6Aは、ユーザが2人であるシナリオにおける平均合計容量に関するシミュレーション結果を示している。図6Bは、ユーザが4人であるシナリオにおける類似のシミュレーション結果を示している。両方のグラフは、ユーザのSNR(Signal-to-Noise-Ratio(信号対雑音比))に対する平均合計容量を示している。
図6Aおよび図6Bは、ユーザ数がK=2、送信アンテナ数がMTx=4であり、k=1,2に対してMRx,k=2である受信アンテナを有するシステムにおけるSato boundと推定合計容量を比較したものを示している。容量は、「the WINNER(Wireless World Initiative New Radio) channel model D.S.Baum et al.,Final Report on Link Level and System Level Channel Models,Technical report,IST-2003-507581 WINNER D5.4 v.1.0,2005」に基づいて生成された10,000回の空間的屋内見通し外通信(spatial indoor Non-Line-of Sight (NLOS))のシナリオについて平均化されている。
式(1.4)が満たされる場合には、図6Aに示すように、推定値は、中間のSNRにおいて極めて良好に実際の容量に合致している。2つの受信アンテナを有する4人のユーザの場合には、条件(1.4)が満たされなければ誤差はより大きくなるものの、2つの曲線は同じ挙動を示している。事前選択、すなわちSDMAに最も適した事前選択グループを探し出すためには、この近似は、いくつかの実施形態においては十分なものである。式(1.4)を満たさないことに関連する誤差を避けるために、実施形態では、チャネル
Figure 0004846000
のSVDを計算し、そして、分離チャネルとしてそれぞれの積、すなわち
Figure 0004846000
を考慮することができる。これらの等価なチャネルは、左特異ベクトルを受信フィルタとして適用することにより得られる。しかし、これは、ユーザのチャネルのSVDを必要とするので、さらなる複雑な計算を強いられ、改善できる可能性は低い。
式(1.3)は、いくつかの実際の環境において
Figure 0004846000
の中から最良の集合Sを得るために全数探索を実行するにはまだ複雑すぎる可能性がある。したがって、実施形態では、集合すなわち中間選択グループSの逐次的な拡張(successive enlargement)を以下のように実行することができる。π(1)として表現される集合内の第1のユーザは、事前選択グループ
Figure 0004846000
内において最大のフロベニウスノルムを有するユーザ、すなわち
Figure 0004846000
とすることができる。
連続するステップのそれぞれにおいて、推定合計容量の最も大きな増加をもたらすユーザがサブグループSへ追加される。したがって、第i番目のユーザは以下の式に基づいて決定される。
Figure 0004846000
ただし、
Figure 0004846000
である。
その後、Sは、S=S∪π(i)に基づいて更新される。それぞれのステップにおいてCsum(S)を計算するために、最終的な電力割当を使用する。すなわち、係数1/Nが、式(1.3)内に残る。したがって、SがNよりも少ないユーザを含む限り、Csum(S)は与えられた送信電力によって達成可能な合計容量の推定値ではないかもしれないことに注意されたい。このアルゴリズムは、N回のステップの後に終了し、このとき、サブグループSは所望の濃度を呈する。
以下、シミュレーション結果を説明する。シミュレーションのために、単一キャリアシステムであるが、「the WINNER channel model D.S.Baum et al.,Final Report on Link Level and System Level Channel Models,Technical report,IST-2003-507581 WINNER D5.4 v.1.0,2005」を使用する。帯域幅は132KHzに等しく、MTx=4とするアンテナを備えた送信機が、120m×120mである屋内のシナリオの中央に配置される。第1のシミュレーションのために、30人のユーザがこの領域に無作為に配置する。それぞれのユーザは、MRx,k=2であり、送信機に対しては見通し外通信(no Line-of-Sight)である。図7はシナリオの例である。図7は、星印によって示す4つのアンテナを使用する基地局BSがシナリオの中央に配置されたシミュレーションシナリオを示している。図7において、×印は、120m×120mである屋内のNLOS(NLOS:None−Line−of Sight(見通し外通信))シナリオ全体に一様に分散して配置された30人のユーザを示している。
図8は、シミュレーション結果として、ユーザの平均利得とSNRとの比較を示すグラフである。4つの異なるグラフが示されている。それらは、全数探索(破線および×印によって示す)と、実施形態に基づく削減した全数探索(実線および×印によって示す)と、実施形態に基づく提案されたアプローチ(実線およびアスタリスクによって示す)と、実施形態に基づいたフロベニウスノルム(段階1のみ。実線および三角印によって示す)とである。
図8において、1,500回の無作為なシナリオについて平均化された利得g(S)が示されている。利得は、S内におけるSESAMによって達成可能な合計速度と最大単一ユーザ速度との差分として測定している。段階Iについて、事前選択グループ
Figure 0004846000
の集合の濃度は、
Figure 0004846000
とし、閾値αは、α=30として選択した。最終的な集合または中間選択グループSの濃度は、送信アンテナの数に等しい。すなわち、
Figure 0004846000
である。「削減した全数探索」として示す曲線は、式(1.5)に基づいて決定されるユーザπ(1)が、集合S内に強制的に含められる場合、すなわち、本実施形態において、全数探索がユーザπ(1)とともにサービスが提供される3人のさらなるユーザをSESAMによって探し出すためにだけ導入される場合に達成可能な利得を示している。
したがって、全数探索の実施形態と削減した全数探索の実施形態との差は、主として、発見的(heuristic)であるにしても単純なやり方で第1のユーザを選択できるという事実によるものである。このユーザがSの一部であれば、両方の実施形態は同じ性能をもたらす。最も下方に位置する曲線は、
Figure 0004846000
としてユーザのグループ化を行った場合、すなわち、段階IIを完全に省略した場合に達成可能な利得を示す。割合のチェック、すなわち式(1.2)は別として、このアルゴリズムは、「H.Viswanathan,S.Venkatesan,and H.Huang,Downlink Capacity Evaluation of Cellular Networks With Known-Interference Cancellation,IEEE Journal on Selected Areas in Communications,21(6):802-811,June 2003」に記載のアルゴリズムに類似するものであり、ユーザは、最大の単一ユーザ速度に基づいて選択される。
次に、ユーザが空間的に位置合わせされたシナリオについて説明する。図9は、中央に存在する基地局BSと、2つのクラスタすなわちクラスタ#1およびクラスタ#2として集まっているユーザを含むさらなるシミュレーションシナリオを示している。クラスタのサイズは20m×20mであり、10人のユーザが、クラスタ内に一様に分散して配置されている。図9によれば、異なるクラスタに配置されているユーザは、良好な空間分離を有するが、同じクラスタに配置されたユーザは、空間的にほとんど位置合わせされていない。20人のユーザは、(−50m,50m)および(100m,30m)に中心を有する2つのクラスタ内に無作為に配置され、ここで、送信機が座標系の中心を定める。それぞれのシナリオについて、ユーザは、これらの中心点を取り囲む20m×20mのサイズを有する正方形内に無作為に配置されている。図9はシナリオの一例を示す。結果として得られる5,000回のクラスタ化されたシナリオについて平均化された合計速度の利得を図10に示している。
図10は、ユーザのSNRに対する平均利得のシミュレーション結果を示すグラフである。5つのグラフ、すなわち、全数探索(×印を含む破線によって示す)と、実施形態に基づく削減した全数探索(×印を含む実線によって示す)と、実施形態に基づく提案されたアプローチ(段階IIのみ。丸印を含む実線によって示す)と、実施形態に基づく提案されたアプローチ(段階Iおよび段階II。アスタリスクを含む実線によって示す)と、実施形態に基づくフロベニウスノルムによるもの(段階Iのみ。三角形を含む実線によって示す)とが、図10に示されている。
また、図10は、段階Iが完全に省略されたシミュレーション結果を示している(丸印を含む実線によって示す)。すなわち、
Figure 0004846000
である。このアルゴリズムは、全数探索を行うことなく最良の性能をもたらす。その一方で、
Figure 0004846000
である実施形態よりもわずかに大きいだけである。段階Iだけを適用することは、性能の深刻な低下をもたらす可能性がある。
本発明の実施形態によれば、例えば、MIMO通信シナリオにおけるSESAMとして、改善された空間割当アルゴリズムを妥当な複雑度で実現することが可能となる。実施形態では、高い処理能力を必要とする空間アルゴリズムを、潜在的に送信に応じることのできる全てのユーザからなるグループよりも小さいユーザの事前選択グループまたは中間選択グループに対して実行できるという利点を有する。それによって、本発明の実施形態は、高性能の空間多重化またはMIMOアルゴリズムを実施することを可能とし、システム容量を増加させ、そして、ユーザ満足度を増加させる。さらにまた、本発明の実施形態は、より速い速度およびより高い品質のサービスを提供することを可能とするため、実施形態によれば、移動通信システムにおけるサービスポートフォリオを向上させるのに貢献することができる。
一般的に、マルチユーザMIMO送信技術に関する合計容量の計算処理の複雑度は、ユーザの数とともに増加する。したがって、大きな負荷のあるシステムにおいて、送信信号を処理するために全てのユーザを考慮するときの計算処理の負荷は、しばしば大きくなりすぎることがある。そのような場合、本発明の実施形態は、事前選択等によってユーザをグループ化し、そして、数値的に複雑なアルゴリズムを、事前選択グループまたは中間選択グループすなわち送信のためのユーザのサブグループだけに対して個々に適用することができるという利点を提供する。
本発明の実施形態は、複雑な送信信号処理アルゴリズムによってサービスが提供されるユーザの適切なグループを探し出すという問題に対処することができる。実施形態では、ダーティーペーパー符号化を使用しない類似のアプローチと比較して、これらのアルゴリズムのための計算処理が合計速度において可能な最大の利得をもたらすように、ユーザのグループ化またはユーザ事前選択を実行することができる。実施形態では、3つの段階を実行できる。最初に、例えば、チャネルのフロベニウスノルムから得られる計算効率の基準に基づいてユーザの事前選択をすることができる。そして、第2の段階において、計算処理のコストがかかる複雑な、中間選択グループに含まれるユーザの選択を空間互換性に基づいて行うことができる。第3の段階において、例えば、SESAMのような計算処理が最も複雑なアルゴリズムが、決定されたユーザに対して使用され、それらのユーザは、送信のために実際に選択される。第3段階のアルゴリズムは、本発明の実施形態によって、中間選択グループに含まれる削減された数のユーザに対して実行することができる。
本発明に係る方法のある実施要件に応じて、本発明に係る方法は、ハードウェアまたはソフトウェアとして実施することができる。この実施は、電子的に可読な制御信号を記憶したディジタル記憶媒体、特にフラッシュメモリ、ディスク、DVD、またはCDを用いて実行することができ、これらの記憶媒体は、本発明に係る方法を実行できるようにプログラミング可能なコンピュータシステムと協働する。したがって、一般的に、本発明は、コンピュータまたはプロセッサに対して本発明に係る方法を実行させることのできるプログラムコードを備えた機械可読キャリアである。したがって、言い換えれば、本発明に係る方法は、コンピュータまたはプロセッサに対し本発明に係る方法の少なくとも1つを実行させるプログラムコードを有するコンピュータプログラムである。
100 ユーザ選択装置
110 事前選択部
120 選択部

Claims (19)

  1. 移動通信システムにおいて動作し、複数のユーザの中からユーザのサブグループを送信のために選択するユーザ選択装置(100)であって、ユーザはMIMO無線チャネルを通して通信することができ、
    前記複数のユーザのMIMO無線チャネルの空間互換性に基づいて、ユーザkを含む中間選択グループSとして該複数のユーザの中からユーザを選択する選択部(120)と、
    MIMO無線チャネルに基づいて送信を行うために、ユーザのサブグループを決定する処理部(115)と
    を備え、
    前記空間互換性は、前記中間選択グループSに含まれるユーザの合計送信容量指標Csum(S)に対応するものであり、
    前記選択部(120)は、
    前記複数のユーザ中のユーザに対応するチャネルエネルギー行列を決定し、
    異なったユーザ組み合わせに対応して前記チャネルエネルギー行列を累積し、各ユーザ組み合わせに対応する累積行列を取得し、
    あるユーザ組み合わせに対応する前記空間互換性に関する前記指標が、当該ユーザ組み合わせに対応する前記累積行列の行列式に基づいて提供される、ように構成される、
    ユーザ選択装置(100)。
  2. 前記選択部(120)は、MIMO無線チャネルHを有する第1のユーザと、MIMO無線チャネルHを有する第2のユーザと、MIMO無線チャネルHを有する第3のユーザとを含む複数のユーザからユーザを選択し、Hに基づく第1の合計送信容量指標Csum(S)と、Hに基づく第2の合計送信容量指標Csum(S)と、Hに基づく第3の合計送信容量指標Csum(S)と、HおよびHに基づく第4の合計送信容量指標Csum(S)12と、HおよびHに基づく第5の合計送信容量指標Csum(S)13と、HおよびHに基づく第6の合計送信容量指標Csum(S)23と、H、H及びHに基づく第7の合計送信容量指標Csum(S)123とを評価して、最大の合計送信容量指標を有するユーザの組み合わせを中間選択グループSとして選択するものである、請求項1に記載のユーザ選択装置(100)。
  3. ユーザkを含むユーザの組み合わせの合計送信容量指標が、行列式
    Figure 0004846000
    に基づくものである、請求項2または3に記載のユーザ選択装置(100)。
  4. 前記選択部(120)は、中間選択グループ内の第1のユーザと選択されていない第2のユーザとの第1の合計送信容量指標を評価し、中間選択グループ内の第1のユーザと選択されていない第3のユーザとの第2の合計送信容量指標を評価して、前記第1の合計送信容量指標が前記第2の合計送信容量指標よりも大きい場合には、前記第2のユーザを中間選択グループとして選択し、さもなければ、前記第3のユーザを中間選択グループとして選択するものである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のユーザ選択装置(100)。
  5. 前記選択部(120)は、複数のユーザの中からユーザのある組み合わせを中間選択グループとして選択するものであり、その結果、複数のユーザの中で最大の送信容量指標を有するユーザよりも大きな合計送信容量指標を有するユーザの中間選択グループが得られる、請求項1〜4のいずれか一項に記載のユーザ選択装置(100)。
  6. 前記選択部(120)は、
    Figure 0004846000
    に基づく合計容量Csum(S)、または
    Figure 0004846000
    に基づく推定合計容量Csum(S)により、合計送信容量指標が最適または最大となるユーザを複数のユーザ
    Figure 0004846000
    から中間選択グループSとして選択するものであり、ここで、MRx,kは、ユーザkの受信アンテナの数であり、PTxは送信電力であり、Hは、ユーザkのMIMO無線チャネル行列であり、Iは恒等行列であり、NはSの濃度であり、MTxは、送信に使用される送信アンテナの数である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のユーザ選択装置(100)。
  7. 前記選択部(120)は、
    Figure 0004846000
    に基づいて複数のユーザ
    Figure 0004846000
    に含まれるユーザの中で最大のフロベニウスノルムを有するMIMO無線チャネル行列Hπ(1)によって表現されるMIMO無線チャネルを有するユーザπ(1)を中間選択グループSとして選択するものである、請求項1〜6のいずれか一項に記載のユーザ選択装置(100)。
  8. 前記選択部(120)は、
    Figure 0004846000
    に基づいて、選択されていないユーザkのうち、合計容量または推定合計容量の増加量ΔCsum(S∪k)が最大となるユーザπ(i)を前記中間選択グループへ追加するものであり、ここで、
    Figure 0004846000
    であり、合計容量Csum(S)は、
    Figure 0004846000
    に基づいて決定され、または推定合計容量Csum(S)は、
    Figure 0004846000
    に基づいて決定され、MRx,kは、ユーザkの受信アンテナの数であり、PTxは送信電力であり、Hは、ユーザkのMIMO無線チャネル行列であり、Iは恒等行列であり、NはSの濃度であり、MTxは、送信に使用される送信アンテナの数である、請求項7に記載のユーザ選択装置(100)。
  9. 前記処理部(115)は、処理されたMIMO無線チャネルを得るために、ユーザの中間選択グループに含まれるユーザのMIMO無線チャネルを処理し、さらに、前記中間選択グループに含まれるユーザの処理されたMIMO無線チャネルの空間特性に基づいて、送信のためにユーザのサブグループを決定するものである、請求項1〜8のいずれか一項に記載のユーザ選択装置(100)。
  10. 前記処理部(115)は、SESAMに基づいて、中間選択グループ内のユーザをサブグループとして決定するものである、請求項9に記載のユーザ選択装置(100)。
  11. 除外されたユーザを含まない事前選択グループを得るために、他のユーザの送信容量指標よりも所定量だけ大きな送信容量指標を有するユーザを除外する事前選択部(110)をさらに備え、
    それにより、事前選択グループは、互いに等しいかまたは所定量よりも少ない量だけ異なる2つの送信容量指標を有する2人のユーザを含むものとなり、
    前記選択部(120)は、事前選択グループのユーザを中間選択グループとして選択するものである、請求項1〜10のいずれか一項に記載のユーザ選択装置(100)。
  12. 前記事前選択部(110)は、MIMO無線チャネルに含まれるユーザの空間サブチャネルの最大達成可能データ速度から送信容量指標を決定するものであり、ここで、前記所定量は絶対的なものまたは相対的なものである、請求項11に記載のユーザ選択装置(100)。
  13. 前記事前選択部(110)は、ユーザのMIMO無線チャネルを表現するユーザのMIMO無線チャネル行列の特異値分解を評価することにより送信容量指標を決定するものであり、
    前記事前選択部(110)は、ユーザのMIMO無線チャネル行列の最大特異値から送信容量指標を決定するものである、請求項11または12に記載のユーザ選択装置(100)。
  14. 前記事前選択部(110)は、ユーザのMIMO無線チャネルを表現するユーザのMIMO無線チャネル行列のフロベニウスノルムから送信容量指標を決定するものである、請求項11〜13のいずれか一項に記載のユーザ選択装置(100)。
  15. 前記事前選択部(110)は、送信容量指標に基づいてユーザをソートするものであり、
    前記事前選択部(110)は、あるユーザの送信容量指標を他のユーザの送信容量指標と比較するものであり、ここで、該他のユーザは、前記複数のユーザの中で次に小さいかまたは次に大きな送信容量指標を有し、
    さらに、前記事前選択部(110)は、前記あるユーザの送信容量指標と前記他のユーザの送信容量指標との商を所定の閾値と比較して、商が閾値よりも大きい場合または商が閾値よりも小さい場合に前記あるユーザを事前選択グループから除外するものである、請求項11〜14のいずれか一項に記載のユーザ選択装置(100)。
  16. 移動通信システムにおいて複数のユーザの中からユーザのサブグループを送信のために選択する方法であって、ユーザはMIMO無線チャネルを通して通信することができ、
    複数のユーザのMIMO無線チャネルの空間互換性に基づいて、ユーザkを含む中間選択グループSとして複数のユーザの中からユーザを選択するステップ(250)と、
    前記MIMO無線チャネルに基づいて送信するために、ユーザのサブグループを決定するステップと
    を含み、
    前記空間互換性は、前記中間選択グループSに含まれるユーザの合計送信容量指標Csum(S)に対応するものであり、
    前記選択するステップ(250)において、
    前記複数のユーザ中のユーザに対応するチャネルエネルギー行列を決定し、
    異なったユーザ組み合わせに対応して前記チャネルエネルギー行列を累積し、各ユーザ組み合わせに対応する累積行列を取得し、
    あるユーザ組み合わせに対応する前記空間互換性に関する前記指標が、当該ユーザ組み合わせに対応する前記累積行列の行列式に基づいて提供される、
    方法。
  17. 事前選択グループを得るために複数のユーザの中からユーザを除外するステップ(200)をさらに含み、ここで、前記中間選択グループとしてユーザを選択するステップ(250)は、該事前選択グループに基づくものであり、
    前記除外するステップ(200)は、
    事前選択グループの所定のサイズを受け取るステップ(205)と、
    複数のユーザのMIMO無線チャネルを表現するこれらの複数のユーザのMIMO無線チャネル行列のフロベニウスノルムまたは単一ユーザ速度に基づいて、これらの複数のユーザを降順にソートするステップ(210)と、
    全てのユーザを前記事前選択グループに含めるステップ(215)と、
    前記事前選択グループの中で最大のフロベニウスノルムまたは最大の単一ユーザ速度を有するユーザのフロベニウスノルムまたは単一ユーザ速度を、前記事前選択グループの中で次に大きなフロベニウスノルムまたは次に大きな単一ユーザ速度を有するユーザのフロベニウスノルムまたは単一ユーザ速度と比較するステップ(220)と、
    最大のフロベニウスノルムまたは最大の単一ユーザ速度が、前記事前選択グループの中で次に大きなフロベニウスノルムまたは次に大きな単一ユーザ速度にある係数を乗算して得られる値よりも大きい場合には、最大のフロベニウスノルムまたは最大の単一ユーザ速度を有するユーザを前記事前選択グループから除外して、前記比較するステップ(220)へ戻るステップ(225)と、
    前記所定のサイズに合わせるために、最小のフロベニウスノルムまたは最小の単一ユーザ速度を有するユーザを事前選択グループから除外するステップ(230)と
    を含むものである、請求項16に記載の方法。
  18. 前記選択するステップ(250)は、
    前記中間選択グループの所定のサイズを受け取るステップ(255)と、
    最大のフロベニウスノルムまたは最大の単一ユーザ速度を有するユーザを前記事前選択グループから選択するステップ(260)と、
    前記中間選択グループ内の選択されたユーザに基づいて、前記事前選択グループ内で選択されていないユーザに対する容量増加量または合計速度増加量を評価するステップ(265)と、
    最大の容量増加量または最大の合計速度増加量を有するユーザを前記中間選択グループとして選択するステップ(270)と、
    前記中間選択グループのサイズが前記中間選択グループの所定のサイズに達するまで、評価するステップ(265)へ戻るステップと
    を含むものである、請求項17に記載の方法。
  19. 請求項17または18に記載の方法をプロセッサに実行させるプログラムコードを含むコンピュータプログラム。
JP2009137197A 2008-06-06 2009-06-08 移動通信システムのためのユーザ選択装置 Expired - Fee Related JP4846000B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP08010377.3 2008-06-06
EP20080010377 EP2134003B1 (en) 2008-06-06 2008-06-06 A user selection apparatus and method for a mobile communication system

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009296598A JP2009296598A (ja) 2009-12-17
JP4846000B2 true JP4846000B2 (ja) 2011-12-28

Family

ID=39938183

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009137197A Expired - Fee Related JP4846000B2 (ja) 2008-06-06 2009-06-08 移動通信システムのためのユーザ選択装置

Country Status (2)

Country Link
EP (1) EP2134003B1 (ja)
JP (1) JP4846000B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5355301B2 (ja) * 2009-08-21 2013-11-27 日本電信電話株式会社 無線通信システム、無線通信基地局、および無線通信方法
WO2013063750A1 (en) * 2011-10-31 2013-05-10 France Telecom Research & Development Beijing Company Limited Method and apparatus for data beamforming
JP6641937B2 (ja) 2015-12-01 2020-02-05 富士通株式会社 基地局、通信システム及び基地局の送信処理方法
KR101934097B1 (ko) 2017-08-18 2018-12-31 고려대학교 산학협력단 네트워크 미모 무선랜에서의 상향 링크 전송 제어 장치 및 방법
CN112491472B (zh) * 2020-12-03 2022-02-01 东南大学 一种优化可见光通信系统迫零预编码矩阵的方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1807991B1 (en) * 2004-11-05 2008-02-20 NTT DoCoMo Inc. Multiuser transmission system
CN1797987B (zh) * 2004-12-30 2011-02-16 都科摩(北京)通信技术研究中心有限公司 自适应调度的mimo通信系统及其自适应用户调度方法
CN1870461B (zh) * 2005-05-24 2011-06-01 都科摩(北京)通信技术研究中心有限公司 基于随机发射波束成形的mimo系统及其用户调度方法
CN1893308A (zh) * 2005-07-06 2007-01-10 都科摩(北京)通信技术研究中心有限公司 Mimo通信系统以及用户调度方法
US7839842B2 (en) * 2005-09-21 2010-11-23 Broadcom Corporation Method and system for a range reduction scheme for user selection in a multiuser MIMO downlink transmission
EP1863248B1 (en) * 2006-06-01 2009-03-04 NTT DoCoMo Inc. Method and apparatus for subchannel allocation
JP2008035257A (ja) * 2006-07-28 2008-02-14 Tokyo Institute Of Technology 無線通信システムにおけるスケジューリング方法,装置及び制御プログラム
KR100951381B1 (ko) * 2006-08-10 2010-04-08 삼성전자주식회사 다중 사용자 환경의 다중 입력 다중 출력 시스템에서 낮은복잡도를 가지는 스케쥴링 장치 및 방법

Also Published As

Publication number Publication date
EP2134003A1 (en) 2009-12-16
EP2134003B1 (en) 2011-12-28
JP2009296598A (ja) 2009-12-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4597170B2 (ja) 多重入力多重出力システムにおけるスケジューリングシステム及びその方法
JP4830001B2 (ja) 空間サブチャネル選択およびプリコーディング装置
US10212723B2 (en) User pairing method, device and system for realizing user scheduling
US9363815B2 (en) Method for SDMA transmission in multicarrier MU MIMO system and base station
JP4846000B2 (ja) 移動通信システムのためのユーザ選択装置
KR20070105284A (ko) 다중 안테나 시스템에서 송신 스트림 수 및 사용자 선택장치 및 방법
CN101615942B (zh) 一种数据通信方法、装置及系统
KR101080392B1 (ko) 다중 송수신 안테나 시스템에서의 스케줄링 방법
JP4809458B2 (ja) 移動通信システムにおけるユーザ選択装置
KR101953244B1 (ko) 다중 사용자 mimo 통신 시스템에서의 사용자 스케쥴링 방법 및 장치
CN110212957A (zh) 一种基于信漏噪比的mu-mimo系统用户调度方法
de Figueiredo et al. Uplink performance evaluation of massive MU-MIMO systems
CN106209186B (zh) 一种多用户分布式mimo多天线系统下行链路预编码方法
JP2009232256A (ja) 基地局、無線通信方法および通信プログラム
Venkatraman et al. Low complexity multiuser MIMO scheduling for weighted sum rate maximization
EP4295496A1 (en) Neural network for mu-mimo user selection
Wang et al. Efficient user selection algorithms for multiuser MIMO systems with zero-forcing dirty paper coding
Sun et al. Random beamforming for multiuser multiplexing in downlink correlated Rician channel
CN112703683A (zh) 用于mimo系统中的处理的方法、装置和计算机软件产品
Feng et al. A low complexity antenna selection algorithm for multiuser MIMO systems
Maciel‐Barboza et al. User Selection Algorithms for MU‐MIMO Systems with Coordinated Beamforming
Majidzadeh et al. A novel suboptimal SDMA grouping algorithm for multiuser MIMO-OFDMA systems
Kang et al. Joint optimization of user set selection and transmit power allocation for orthogonal random beamforming in multiuser MIMO systems
Guthy et al. A user grouping method for maximum weighted sum capacity gain
KR101036960B1 (ko) 다중 사용자 mimo 시스템에서의 데이터스트림 할당 방법 및 장치

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110614

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110815

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110830

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110908

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110930

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111011

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141021

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees