JP4845882B2 - 同軸コネクタ用のナット・シール・アセンブリ - Google Patents

Description

本発明の実施形態は、一般的にはデータ伝送システム部品に関するもので、特に、ねじが切られたポート接続部をシールする目的で、同軸ケーブル・コネクタと一緒に使用するためのナット・シール・アセンブリ、及びそのシール・アセンブリを組込んだ同軸ケーブル・コネクタに関する。

共同アンテナテレビ（ＣＡＴＶ）システムや多くの広帯域データ伝送システムは、僅かな量の損失と歪で広範囲の無線周波数（ＲＦ）通信を搬送するのに、同軸ケーブルのネットワークに頼っている。プラスチック又はゴムの被覆は、切断しないままの長さの同軸ケーブルを水、塩、油、ごみ、などの環境的要素から十分に封止する。しかし、ケーブルは、同軸ケーブルによって搬送される信号を分配する乃至は利用するためには、他のケーブル及び／又は装置（以下、「ポート」）へ取り付けなければならない。サービス技師やその他の作業者は、同軸ケーブルをポートへ繋ぐために、同軸ケーブル・コネクタ（以下、「コネクタ」）をある長さの同軸ケーブルの切断し予備処理した端部へ取り付けなければならない。これは一般的には野外で行われる。コネクタ及びポートの環境に露出された（通常ねじが切られている）部分は、接続部が一般に戸外の電柱、顧客の家屋、又は地下室内のタップに配置されるので、環境的要素やその他の原因による腐食や汚染の影響を受けやすい。これらの環境的要素は、結局、コネクタ内及びコネクタとそれに繋がっている部品の間に配置された電気接続部を腐食する。結果として生ずる腐食は影響を受けた接続部の効率を低下させ、コネクタを通しての無線周波数通信の信号品質を低下させる。コネクタ−ポート接続部のごく近傍における腐食は、しばしば修理のための手入れの原因となって、高額の保守費用をもたらす。

コネクタや接続部の耐湿及び耐食性を改善するために、多くの方法や装置が用いられて来た。それらは、絶縁テープでコネクタを包むこと、ケーブルからコネクタに被せられる可撓性のブーツ内へコネクタを封入すること、コネクタに収縮包装を適用すること、プラスチック又はゴム糊を被覆すること、及び、米国特許番号第４，６７４，８１８号（ＭｃＭｉｌｌｓ氏、他）と米国特許番号第４，８６９，６７９号（Ｓｚｅｇｄａ氏）などで考察されている型の管状グロメットを採用すること、などを含んでいる。

これらの方法は、もし適切に実行されれば、多少の効果はあるけれども、全て、技師や作業者の側での細部に亘る技能、忍耐、及び注意力の特別な組合せを必要とするものである。例えば、接続部が小さな囲われた領域に位置する場合、組み込まれた接続部へ絶縁テープを巻くことは困難であろう。収縮包装はある条件下では１つの改善ではあるが、収縮包装の適用には、利用できないか又は危険性があるかもしれないような熱又は化学薬品を用いることを要求されるのが一般的である。ゴムが主成分の糊は熱の必要性を排除するけれども、接続部は清浄でなければならず、糊はやや均一に塗られなければならない。これらの別な方法で達成可能な条件も、寒い気温、狭い又は汚い場所、などによって処理し難くなることがある。作業者達は、ゴムのグロメット又はシールを用いて同軸ケーブル接続部を封止するのに、訓練や用心が別途要求されるであろう。作業者は、最初に、適用するのに適したシールを選ばなければならず、その上、接続部を組み立てる前にこのシールを接続部材の１つへ設置することを覚えていなければならない。ある設計のゴム製シールは、半径方向の圧縮によってのみ封止がなされる。これらのシールはぴったり締め付けられていて、接合させる部品上又はその周りへ十分に押しつぶされなければならない。様々な直径の上にシールが拡がらなければならないので、シールは少なくとも幾つかの直径の１つに対しては非常にぴったりと締め付けられるであろう。ぴったり締め付けられたシールに起因する大きな摩擦は、実際にはゆるいままであっても、組み立てられた接続部が完全に締め付けられていると作業者に信じ込ませることがある。ゆるい接続部は高品質の無線周波数信号を効率よく伝達できず、腐食に類似した問題を引起こす。

その他のシール設計は、コネクタ・ナットとポートの対向する面との間で発生する、軸方向の圧縮力を必要とするものである。十分にナットと対向する面との間の距離に達する適切な長さのシールが、長過ぎることなく、選択されなければならない。シールが長すぎると、シールはコネクタの完全な組立を妨げることがある。シールが短すぎると、湿気が自由に通過する。異なる製造業者間でポート長さが異なることがあるので、選択は一層複雑なものになる。

以上に述べた欠点及び当業者に周知のそれ以外の欠点を考慮して、本発明者は、これらの短所に焦点を当て且つその他の長所や効率性を提供するような、シール及び封止コネクタに対する必要性を認識した。

本発明の実施形態は、シール・アセンブリと、記載された実施形態に従ってシール・アセンブリを含む同軸ケーブル・コネクタとを対象とする。

本発明の実施形態は、コネクタと一緒に用いるためのシール・アセンブリを対象とする。シール・アセンブリの意図された機能は、湿気と汚染物質の侵入、並びに圧力と温度の環境変化が同軸ケーブル接続部に及ぼす有害な影響を防ぐことである。例示的な実施形態において、シール・アセンブリは、ナット部品とベロー型のエラストマー・シールとを含み、シールはナット部品に取り付けられた弾性変形可能な管状本体を有し、シールとナットは一体化されたシール・アセンブリを形成している。ある態様においては、ナット部品が、少なくとも一部分にねじが切られている内面と、コネクタ把持部と、シール把持面部とを有する。シール把持面部は、ナット部品の内面又は外面の何れに在ってもよい。ある態様では、シール把持部の少なくとも一部が、平滑面であるか、又はシールの後部封止面と摩擦力で係合するのに適した粗面である。ある態様では、シール把持部の少なくとも一部が、シールの後部封止面と接着剤で係合するのに適した面である。別の実施形態においては、ナット部品は、更にナット部品の外周面に沿ったナット回転面部を含んでいる。ある態様では、ナット回転面部が、工具の顎と噛み合うのに適した少なくとも２つの平担面領域を有することができる。ある態様では、ナット回転面部が、手で操作するのに適したギザギザの付いた（ローレット加工）面である。

ある態様によれば、シールは、弾性変形可能な管状本体から成り、管状本体は、前部封止面と、ナット部品へ一体的に係合する封止面を含む後部封止部と、管状本体の前端と後端の間にある一体結合部とを有し、且つ管状本体は、管状本体が軸方向に圧縮されたとき一体結合部が半径方向に膨張するように設計されている。多様な態様において、シールは、圧縮成型されたエラストマー材料で作製される。ある態様では、材料はシリコーンゴム材料である。別の態様では、材料はプロピレン材料である。その他の適切なエラストマーが利用できる。

別の実施形態において、シール・アセンブリは更に内面と外面を備えた封止リングを含み、この内面は、シールの後部封止面の外面へ封止リングをプレス嵌めできるような直径を有する。ある態様では、封止リングは、封止リング後部の周囲に沿って外に向かって延伸するフランジを有する。ある態様では、封止リングの外面がギザギザを付けられて（ローレット加工されて）いる。

本発明の別の実施形態は、同軸ケーブルをポートへ接続するためのコネクタを対象とする。例示的な実施形態によれば、コネクタは、管状コネクタ本体と、コネクタ本体の第１端を同軸ケーブルへ取り付ける手段と、シール・アセンブリとを含む。ある態様においては、シール・アセンブリは、本明細書で上述した多様な態様におけるシール・アセンブリ並びに以下の詳細な説明におけるシール・アセンブリである。例示的なコネクタは、Ｆコネクタである。

これら及び本発明の目的を更に理解するために、添付の図面と関連付けて読まれるべき以下の本発明に関する詳細な説明を参照する。

本発明の実施形態は、同軸ケーブルと一緒に使用するためのシール・アセンブリと、記載された実施形態に従ってシール・アセンブリを含む同軸ケーブル・コネクタとを対象とする。全説明を通して、種々の図面における同じ符号は同じ部品を表す。

説明を容易にするために、本明細書で言及され図示されたコネクタは、ＣＡＴＶやその他のデータ通信用として、３／８インチ−３２ ＵＮＥＦ ２Ａのねじ山を有する雄ねじが切られたポートに用いられ、同軸ケーブル接続に適した型と形体のものである。しかし、例えばコネクタ本体、信号接続部品、及び雄ねじが切られた一般的なポートへコネクタを取り付ける雌ねじが切られたナット、などの一般的なコネクタの共通部品は別にして、特定の寸法、形状、及びコネクタ・アセンブリの細目は、本質的に本発明に影響しない形で変動することがあり、且つ本質的に本発明の一部ではないという点を、当業者は十分理解するであろう。同様に、ポートの雄ねじが切られた部分は、寸法（直径と長さ）及び形状が変ることもある。例えば、接続部分が約０．３２５インチの長さを有する場合、ポートは「短い」ポートと呼ばれる。「長い」ポートは、約０．５００インチの接続長さを有し得る。ポートの全ての接続部分にねじ山が付けられていてもよいし、又例えば、ねじ山が付けられた部分にすぐ隣接して、ねじ山が付けられていない肩部があってもよい。全ての場合において、コネクタとポートは協同して係合しなければならない。本発明の実施形態によれば、シール関係は、同軸ケーブル・コネクタ・ナットとポートの雄ねじが切られた接続部分の間の、そのままでは露出してしまう領域へ付与される。

本発明の好ましい実施形態は、同軸コネクタと一緒に使用するためのシール・アセンブリ９０を対象とし、その例示的な態様が図２〜５に図示されている。図２と３に図示された一般的態様９０−１において、シール・アセンブリ９０はシール６０とナット部品４０とを含んでいる。シールとナット部品は図２に示すように一体化された組立部品を形成する。

例示的なシール６０が図１Ａ、１Ｂ、１Ｃ、及び図２に図示されている。シール６０は、その材料特性と設計により本質的に弾性変形が可能な、概ね管状の本体を有する。一般的に、シール６０は、約−４０℃から＋４０℃の間の温度範囲にわたって適切な耐薬品性と材料安定性（即ち弾性）を備えた、圧縮成型エラストマー材料から作られた一体物の構成要素である。例示的な材料は、例えばシリコーン・ゴムがある。代りに、材料は、代表的なＯ−リング材料であるプロピレンであってもよい。この技術分野で周知のその他の材料も適合し得る。興味のある読者は、潜在的に適している可能性のあるシール材料の例示的な一覧表についてｈｔｔｐ：／／ｗｗｗ．ａｐｐｌｅｒｕｂｂｅｒ．ｃｏｍを参照されたい。シール６０の本体は前端５８と後端５９を有し、前端は最終的にポートと係合するための自由端であり、一方後端は最終的にシール・アセンブリのナット部品４０と接続するためのものである。シールは、前部封止面６８と、ナット部品と一体的に係合する（以下に更に詳細に説明）内部封止面６２を備えた後部封止部６１と、管状本体の前端５８と後端５９の間にある一体結合部６５とを有する。シール６０の前端５８の前部封止面６８は、ポートと共に封止部（シール）を形成するのを助けるように、環状面６８ａ、６８ｂ、及び６８ｃを含み得る。代りに、前部封止面６８は丸みを帯びている連続した環状面であってもよく、ポートに押し付けられたシールの内面及び端部の弾性変形によって、有効な封止部を形成する。一体結合部は、シール全長の一部を含み、それは半径方向の断面が相対的に薄くて、軸方向の圧縮に際しシールが外側に向かって膨張したり又は反ったりするのを助長する。この例示的な実施形態において、図示したようにナット把持面は、管状本体の内側に環状面を形成している内部封止面６２と、管状本体の後端５９に隣接した内側肩部６７とを含む。意図される用途においては、封止しようとするポートの長さによってシールの一端又は両端に軸方向圧縮力が加えられ得る。この力は、シールが一体結合部６５の近傍で半径方向に膨張するとき、シールを軸方向に圧縮するように働く。ある態様においては、一体結合部６５は、管状本体の前端５８と後端５９の間に、且つ内部封止面６２の前端６２’に隣接して、図示のように軸方向において非対称に配置される。好ましい実施形態においては、管状本体は、一体結合部６５において、非圧縮状態で約０．４４インチに等しい内径、Ｄ２を有する。管状本体は、前端５８から後端５９まで、非圧縮状態で約０．３６インチの長さ、Ｌを有する。しかし、結合部６５は、封止面６２と前端５８の間の何処に挿入するようにも設計できることが十分に予想される。シールは、シールが意図された機能を果たすために用いられた場合に、腐食性の要素の侵入を防ぐように設計される。

例として図２と３に図示したシール・アセンブリ９０のナット部品４０は、少なくともその一部４１にねじが切られている内面と、コネクタ把持部４２と、シール把持面部４７を含む外面４５とを有する。ある態様においては、シール把持面４７は、平坦な滑らかな面であってもよいし、又はシール６０の内部封止面６２と摩擦力により及び／又は接着剤で係合するのに適した平坦な粗面であってもよい。例示的な態様において、シール把持面４７はシール把持面と共に溝又は肩部を形成する隆起部４８を更に含む。溝又は肩部は、寸法と形状を適切にすることによって、図２に図示するようにナット部品４０とシール６０の間でのロッキング型の締り嵌めにおいて、内部封止面６２に隣接するシールの内側肩部６７と係合する。

例示的なナット部品４０は、更に面４５にナット回転面部４６を含む。図３に示した例示的な態様において、ナット回転面部４６は、スパナなどの工具の面と噛み合うことができる少なくとも２つの平坦面を有する。一般的には、この態様におけるナット回転面は六角形となる。或いは、ナット回転面は、ナット部品の手回しを容易にするようにギザギザの付いた（ローレット加工された）面であってもよい。シールのナット部品との係合に際して、シールの後部封止面６４が図２に示すようにナットの側面４３に突き当てられ、その領域における封止関係を形成する。

ある例示的な態様において、ナット部品４０のコネクタ把持部４２は、内側に向かって突き出た肩部であって、この肩部は、ナット部品（シール・アセンブリ９０も同様）がコネクタの一部として正しく保持されたとき自由に回転出来るような方式で、コネクタ・ポスト２３（以下で説明）のフランジ２５と係合する。

シール・アセンブリの更なる例示的な態様９０−２が図４に図示されている。本発明のシール・アセンブリは、内面１８２と外面１８４を有する封止リング１８０を更に含み得る。内面は、封止リングがナット部品を覆って嵌め込まれて、半径方向に内部封止面６２と隣接しているシールの外側後部面部６１へのプレス嵌めを形成するような直径を有する。シール６０の後端５９を覆うこのプレス嵌めは、ナット４０と後部封止面６２及び６４の間の封止特性を向上させる。ある例示的な態様において、封止リング１８０の外面１８４は、シール・アセンブリの手回しを容易にするようにローレット加工される。ナット回転面の平坦部４６は、アセンブリを回転するための工具が更に使い易いように露出したままであってもよい。

シール・アセンブリの更なる例示的な態様９０−３を図５に図示する。封止リング１８０’は封止リングの後部周辺から外側に向かって延伸するフランジ１８３を有する。上述した封止リング１８０の場合と同様に、封止リング１８０’ の内面１８２は、半径方向に内部封止面６２と隣接しているシールの外側表面部６１へのプレス嵌めを形成する。フランジ１８３は、封止リングを取り付け組み込み位置へ押し込むのを容易にする面を提供する。上述したように、アセンブリを回転するための工具が更に使い易いように、回転面の平坦部４６を露出したままにしてもよい。

本発明の他の実施形態は、図１０〜１２に例示して示すように、同軸ケーブルをポート１００、１１０、及び１２０へ接続するための、例えば図３と６に示すようなコネクタ１０を対象とする。図３の分解図に図示した例示的なコネクタ１０は、第１及び第２端２１と２２をそれぞれ有する管状コネクタ本体２０を含む。コネクタ本体２０は、この技術分野で周知の多くの方法のいずれか１つによって、図６に示すように、同軸ケーブル１２を受け入れて保持する。コネクタ本体をケーブルに取り付ける周知の方法は、六角形、円形、又は円錐状のクリンピング、及び、テーパを付けた又は段差を付けたスリーブ又はリングの、軸方向の又はねじを回転させる動きによってもたらされる、部品の半径方向への圧縮を含んでいる。例示的なコネクタ１０は、この技術分野で周知のように、同軸ケーブルの外側導体を電気的に係合させるように働くコネクタ・ポスト２３を含む。更に、ポスト２３はフランジ２５を有し、フランジは、コネクタ本体２０との組立の際にフランジと本体２０の第２端２２の間に細溝２６を形成する。コネクタ１０は更に、上述のナット部品４０のようなナット部品を含む。図２に示したナット部品４０のコネクタ把持肩部４２は、組立てた際に細溝２６と係合して、ナット部品がコネクタの回転可能な一体部品と成ることができる。この例示的なコネクタ１０において、圧縮リング２４はコネクタ本体２０を覆って嵌め込まれ、コネクタ・アセンブリの一体性が確保される。前述したように、シール６０とナット部品４０とは、コネクタ１０の一部としての一体化されたシール・アセンブリ９０を形成する。例示的なコネクタ１０の部分切断図が図６に、組立てた状態でのコネクタ１０−１が図７に示してある。シール・アセンブリ９０−２、９０−３をそれぞれ組込んだ代替的な例示的コネクタ１０−２、１０−３を、それぞれ図８と９に示す。

コネクタ１０の意図した用途及び外形についての例示的な実例を図１０〜１２に示す。図１０Ａを参照すると、コネクタ１０−１は雄ねじが切られた「短い」ポート１００に対して軸方向に位置合わせして配置されている。短いポート１００は、終端１０４から拡大肩部１０６に及ぶ長さの雄ねじ１０２を有する。雄ねじ１０２の長さは、シール６０（即ち、非圧縮状態のシール６０）の長さＬより短い。

図１０Ｂを参照すると、コネクタ１０−１と短いポート１００が「接続された状態で」示してある。シール６０は、ナット４０とポート１００の拡大肩部１０６との間で、軸方向に圧縮されている。後部封止面６４は、ナット４０の側面４３に対して軸方向に圧縮され、且つ前部封止面６８の端面６８ａは、拡大肩部１０６に対して軸方向に圧縮されて、それにより、ナット４０とポート１００の拡大肩部１０６の間における環境的要素の侵入を防いでいる。

図１１Ａを参照すると、コネクタ１０−１は雄ねじが切られた「長い」ポート１１０に対して軸方向に位置合わせして配置されている。長いポート１１０は、ポート１１０の終端１１４から、雄ねじ１１２の外径にほぼ等しい、ねじが切られていない直径１１６に及ぶ長さの雄ねじ１１２を有する。ねじが切られていない部分１１６は、次いで雄ねじ１１２から拡大肩部１１８に及んでいる。ねじが切られていない部分１１６に雄ねじ１１２を加えた長さは、シール６０が非圧縮状態にある時に、側面６３から外側に向かってシール６０が延伸する長さより長い。

コネクタ１０−１と長いポート１１０が接続された状態で図１１Ｂに示してある。シール６０は、ナット４０と拡大肩部１１８の間で、軸方向には圧縮されていない。むしろ、内側封止面６２はナット４０のシール把持面４７に対して半径方向に圧縮され、且つ前部封止面６８の内側部分６８ｂと６８ｃはねじが切られていない部分１１６に対して半径方向に圧縮されて、ナット４０とポート１１０のねじが切られていない部分１１６の間における環境的要素の侵入を防いでいる。ナット４０のシール把持面４７に対する内側封止面６２、並びにねじが切られていない部分１１６に対する前部封止面６８、の両方における半径方向の圧縮力は、封止面とそれぞれ対になる面との間の締り嵌めによって生ずる。

図１２Ａは、雄ねじが切られた別のポート１２０に対して軸方向に位置合わせして配置されているコネクタ１０−１を示す。別のポート１２０の部分１２６、１２２は、長いポート１１０（図１１）のそれらと類似しているが、ねじが切られていない部分１２６の直径は雄ねじ１２２の外径より大きい。

図１２Ｂに示すように、コネクタ１０−１は別のポート１２０へ接続されている。内側封止面６２はナット４０のシール把持面４７に対して半径方向に圧縮され、且つ前部封止面６８はねじが切られていない部分１２６に対して半径方向に圧縮されて、ナット４０とねじが切られていない部分１２６の間における環境的要素の侵入を防いでいる。ナット４０のシール把持面４７に対する内側封止面６２、並びにねじが切られていない部分１２６に対する前部封止面６８、の両方における半径方向の圧縮力は、封止面とそれぞれ対になる面との間の締り嵌めによって生ずる。

シール・アセンブリ９０’の変形実施形態を図１３と１４に図示する。このシール・アセンブリの変形実施形態における材料機能並びに操作は、シール６０’の後部がナット部品４０’の外面ではなくて内面に取り付けられる点を除いて、上述の例示的な実施形態と実質的に類似している。シールの変形実施形態も、材料特性と設計により本質的に弾性変形が可能な、ほぼ管状の本体を有する。シール６０’の管状本体は前端５８と後端５９を有し、前端は最終的にポートと係合するための自由端であり、一方後端は最終的にこの代替的なシール・アセンブリのナット部品４０’と接続するためのものである。シールは、小面又は連続的に湾曲した面の何れかを有する前部封止面６８と、ナット部品と一体的に係合する（以下に更に詳細に説明）外部封止面６２’を備えた後部封止部６１と、管状本体の前端５８と後端５９の間にある一体結合部６５とを有する。封止面６２’は、管状本体の外側の環状面である。シール６０’は更に、後端５９に隆起部６７’を含み、図示するように、隆起部は、ナット把持面６２’と一緒にナット部品４０’上の対応する肩部４８を締り嵌めによりロックする。意図される用途においては、封止しようとするポートの長さによって、シールの一端又は両端に軸方向圧縮力が加えられ得る。この力は、シールが一体結合部６５の近傍で半径方向に膨張するとき、シールを軸方向に圧縮するように働く。

例として図１３と１４に図示した変形シール・アセンブリ９０’及びコネクタ１０’のナット部品４０’は、少なくともその一部４１にねじが切られている内面と、コネクタ把持部４２と、シール把持面部４７を含む内面とを有する。ある態様においては、シール把持面４７は、平坦で滑らかな面であってもよいし、又はシール６０’の内部封止面６２’と摩擦力により及び／又は接着剤で係合するのに適した平坦な粗面であってもよい。ある態様において、シール把持面４７は肩部４８を含み、肩部は、適切に寸法と形状を決めることによって、図１３と１４に図示するようなロッキング型の締り嵌めにおいてシール６０’の後端５９の隆起部６７’と封止面溝６２’とに係合する。

変形ナット部品４０’は、更に面４５にナット回転面部４６を含む。シールのナット部品との係合に際して、シールの封止面６４’は図１３と１４に示すようにナットの端面４３’に突き当てられ、その領域の封止関係を形成する。上述のコネクタと封止リングを取り入れた代表的実施形態における、図４から９までの好ましいシール・アセンブリの代りに、このシール・アセンブリの変形実施形態を用いることもできる。

シール・アセンブリの第２変形実施形態を図１５と１６に図示する。シール把持面４７は、同様に、平坦で滑らかな面であってもよいし、又はシール６０の内部封止面を摩擦力により及び／又は接着剤で係合するのに適した平坦な粗面であってもよい。しかし、この変形実施形態においては、ナットとシールそれぞれの対応する肩部４８と６７の間を連結する締り嵌めを形成していた前部隆起部が、削除されている。むしろ、シール把持面４７上にあるシール部材のエラストマー材料の圧縮力、又はこれらの面間における摩擦力の何れかによって、単独で、又はナット４０のシール把持面４７とシール６０のナット把持面６２の間の接着結合（ボンド）と協働して、ナット・シールはシール把持面上で保持される。その他の全ての態様において、ナット・シール・アセンブリの第２変形実施形態及びそれを取り入れたコネクタは、上で考察し図１から１２までに図示したアセンブリの例示的な実施形態と同じ方式で動作する。

本発明は、例示的な実施形態とそれらの態様に関連づけ、且つ添付してある図面を参照して説明して来たが、本発明が例示した例示的な実施形態に限定されないことは、当業者によって理解されるであろう。むしろ、添付した特許請求の範囲に定義されている発明の範囲から逸脱せずに、種々の変更などをすることが可能であろう。

図１Ａ、Ｂ、Ｃは、本発明の例示的な実施形態によるシールの仕様図面である。 図２は、図１に示した、コネクタのシール・アセンブリ部の部分切断拡大斜視図である。 図３は、本発明の例示的な実施形態によるコネクタの分解斜視図である。 図４は、本発明の別の例示的な実施形態によるナット・シール・アセンブリの分解斜視図である。 図５は、本発明の別の例示的な実施形態によるナット・シール・アセンブリの分解斜視図である。 図６は、本発明の例示的な実施形態による同軸ケーブル・コネクタの部分切断斜視図である。 図７は、図３に示したナット・シール・アセンブリを組込んだコネクタの組立斜視図である。 図８は、図４に示したナット・シール・アセンブリを組込んだコネクタの組立斜視図である。 図９は、図５に示したナット・シール・アセンブリを組込んだコネクタの組立斜視図である。 図１０Ａは、雄ねじが切られたポートの実例へ係合する以前の、例示的なコネクタの平面図である。 図１０Ｂは、雄ねじが切られたポートの実例へ完全に係合した状態の、図１０Ａの例示的なコネクタの部分切断平面図である。 図１１Ａは、雄ねじが切られた別のポートの実例へ係合する以前の、例示的なコネクタの平面図である。 図１１Ｂは、雄ねじが切られたポートの実例へ完全に係合した状態の、図１１Ａの例示的なコネクタの部分切断平面図である。 図１２Ａは、雄ねじが切られた別のポートの実例へ係合する以前の、例示的なコネクタの平面図である。 図１２Ｂは、雄ねじが切られたポートの実例へ完全に係合した状態の、図１２Ａの例示的なコネクタの部分切断平面図である。 図１３は、本発明のシール・アセンブリ部における変形実施形態の部分断面図である。 図１４は、本発明のシール・アセンブリ部における別の変形実施形態の部分切断斜視図である。 図１５は、本発明のシール・アセンブリ部における第２変形実施形態の部分切断斜視図である。 図１６は、本発明のシール・アセンブリ部における第２変形実施形態の部分断面図である。

Claims (12)

1. 同軸ケーブルコネクタ・ナット・シール・アセンブリであって、
   少なくともその一部がねじ切りされた内面と、管状コネクタ本体と回転可能に接続されるコネクタ把持部と、隆起部を有するシール把持面とを備えたナット部品と、
   前記ナット部品に取り付けられ弾性変形が可能な管状本体を備えたシールであって、前記管状本体が、前記ナット部品の前記シール把持面の前記隆起部と協働して係合する肩部を有する後部封止面と、ポートと協働して係合するための前部封止面とを有するシールと、を含み、
   前記前部封止面が前記ナット部品を超えて延伸し、
   前記前部封止面が前記ポートと係合する前に、前記シールと前記ナット部品とが一体化されたシール・アセンブリを形成している、シール・アセンブリ。
2. 前記シール把持面の少なくとも一部が、平坦な滑らかな面であるか、または、前記シールの後部封止面に対して摩擦力により係合させるのに適した平坦な粗面である、請求項１に記載のシール・アセンブリ。
3. 前記シール把持面の前記隆起部が、前記ナット部品の外面上、又は前記ナット部品の前記内面上に設けられる、請求項１に記載のシール・アセンブリ。
4. 前記シール把持面の少なくとも一部が、前記シールの後部封止面に対して接着剤で接着させるのに適した平坦な粗面である、請求項１に記載のシール・アセンブリ。
5. 前記ナット部品が、その外周面に、工具との噛み合いを容易にし、又は手回しを容易にするためのナット回転面部を更に含む、請求項１に記載のシール・アセンブリ。
6. 前記シールの前記管状本体が一体結合部を含み、前記シールが異なる長さのＲＦポートを収容可能であり、前記シールの前記管状本体の前記一体結合部が、前記シールの前端と前記シールの後端の間に配置され、前記一体結合部が、前記一体結合部の近傍の断面よりも薄い断面を有する薄部を備える、請求項１に記載のシール・アセンブリ。
7. 前記管状本体が圧縮成型弾性材料、シリコーン・ゴム材料、又はプロピレン材料から作られている、請求項１に記載のシール・アセンブリ。
8. 前記コネクタ把持部が、前記ナット部品の内面に沿って肩部を形成している内側の表面突起である、請求項１に記載のシール・アセンブリ。
9. 封止リングを更に含み、前記封止リングが内面と外面を備えており、前記内面が、半径方向において前記後部封止面に隣接している前記シールの外面へ前記封止リングをプレス嵌めできるような直径を有する、請求項１に記載のシール・アセンブリ。
10. 前記封止リングは、前記封止リングの後部周囲に沿い外に向かって延伸するフランジを有し、及び／又は、前記封止リングの前記外面がローレット加工されている、請求項９に記載のシール・アセンブリ。
11. 前記シールは、前記ポートが前記シール・アセンブリと完全に接続された関係にあるとき、非圧縮状態において前記ポートの雄ねじの長さを完全に覆うのに十分な軸方向長さを有する、請求項６に記載のシール・アセンブリ。
12. 同軸ケーブルをＲＦポートへ接続するためのコネクタであって、
    第１端及び第２端を有する管状コネクタ本体と、
    前記コネクタ本体の前記第１端を前記同軸ケーブルへ取り付けるための手段と、
    少なくともその一部がねじ切りされた内面と、前記内面に沿って内側の表面突起を有するコネクタ把持部と、隆起部を有するシール把持面とを備え、前記コネクタ把持部の前記表面突起を介して前記管状コネクタ本体の前記第２端へ回転可能に接続されるナット部品と、
    前記ナット部品に取り付けられ弾性変形が可能な管状本体を備えたシールであって、前記管状本体が、前記ナット部品の前記シール把持面の前記隆起部と協働して係合する肩部を有する後部封止面と、前記ＲＦポートの少なくとも一部を覆うように前記ナット部品を超えて延伸する前部封止面とを有するシールと、
    を含み、
    前記前部封止面が前記ＲＦポートと係合する前に、前記シールと前記ナット部品とが一体化されたシール・アセンブリを形成し、
    前記一体化されたシール・アセンブリが異なる長さのＲＦポートを収容可能である、コネクタ。

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