JP4844782B2 - フレッシュコンクリートの単位水量測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フレッシュコンクリートの単位水量を測定する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
フレッシュコンクリートの品質を管理することは、コンクリート工事の信頼性や経済性を高める上できわめて重要な作業であり、現場においては、ミキサー等からフレッシュコンクリートを採取して様々な試験を行っている。
【0003】
フレッシュコンクリートの管理指標の一つとして、変形あるいは流動に対する抵抗性の程度を表すコンシステンシーがあるが、かかるコンシステンシーが小さいと、流動性が大きく打設が容易になる反面、材料分離が生じやすくなる。また、コンシステンシーが大きいと、材料分離が生じにくい反面、流動性に乏しく充填作業などが容易でない。
【0004】
したがって、打設部位の状況に応じてコンシステンシーが適切に設定されるよう、例えばスランプ試験で確認する必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、フレッシュコンクリートのコンシステンシーは、同じ水セメント比のコンクリートであれば、単位水量を小さくすればするほど大きくなり、ブリージングの発生も抑えることができる。
【0006】
そのため、フレッシュコンクリートの単位水量を計測することは、コンクリートの品質上、大きな意義があり、従来においても、加熱法、RI法などが提案されていた。
【0007】
しかしながら、加熱法は、試料が多くなると、当然ながら乾燥時間が長くなり、その間に水和反応で水量が減少し、単位水量を正確に把握することができないという問題を生じていた。
【0008】
また、放射線を照射するRI法では、他のコンクリート材料の影響を除外するための補正が必要になるというという問題を生じていた。
【0009】
そして、このように単位水量を測定する方法すら、十分に確立されていないため、単位水量を測定する装置にいたっては、未だ開発されていないのが現状である。
【0010】
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、フレッシュコンクリートの単位水量を簡便かつ正確に計測することが可能なフレッシュコンクリートの単位水量測定装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係るフレッシュコンクリートの単位水量測定装置は請求項1に記載したように、単位水量の計測対象であるフレッシュコンクリートの初圧力及び平衡圧力を計測する圧力計測部と、前記フレッシュコンクリートの質量を計測する質量計測部と、前記フレッシュコンクリートの容積V1を計測する容積計測部と、前記質量、前記容積、前記初圧力及び前記平衡圧力から前記フレッシュコンクリートの単位容積質量γ1及び空気量A1(%)をそれぞれ演算する演算処理部と、該演算処理部に所定のデータを伝送する入力部とからなり、該入力部は、前記フレッシュコンクリートを混練する前のコンクリート単位容積V0、単位水量W0、空気量A0(%)及び単位容積質量γ0を前記データとして入力することができるようになっているとともに、前記演算処理部は、前記入力部から伝送されてきた前記各データと、該演算処理部で演算された前記空気量A1(%)及び前記単位容積質量γ1とから、実際に製造されたフレッシュコンクリートの水量W1を、ρw、ρsをそれぞれ水、細骨材の密度として、次式、
1=W0+ΔWs (1)
ΔWs=((γ0/γ1)・V0・(1−A1/100)−V0・(1−A0/100))/(1/ρw−1/ρs) (2)
で算出し、次いで、算出されたW1と前記フレッシュコンクリートの容積V1を用いて該フレッシュコンクリートの単位水量W1′を次式、
1′=W1/V1 (3)
により演算するようになっているものである。
【0012】
また、本発明に係るフレッシュコンクリートの単位水量測定装置は、前記圧力計測部を、前記フレッシュコンクリートが収容される試料容器と、その内部空間に連通遮断自在でかつ空気を蓄積可能な空気室を設けた蓋体とで構成するとともに、前記試料容器及び蓋体で囲まれた気密空間のうち、前記試料容器を除く残余空間に注水された水と遮断された状態で内部の圧力が所望の初圧力になるように前記空気室内の空気圧を上昇させた後、前記空気室を前記気密空間に連通させて前記空気室及び前記気密空間の空気圧を平衡させてそのときの平衡圧力を計測できるように構成するとともに、前記演算処理部を、予め記憶された任意の初圧力及び平衡圧力とフレッシュコンクリートの空気容積との関連付けデータに前記圧力計測部で計測された前記初圧力及び平衡圧力を適用することによって前記フレッシュコンクリートに含まれる空気容積を算出し、該空気容積を前記フレッシュコンクリートの容積V1で除することで前記フレッシュコンクリートの空気量A1(%)を算出することができるように構成したものである。
【0013】
本発明は、以下の内容を原理とするものである。なお、以下の説明では、質量や容量に関して具体的な単位で説明するが、これはあくまで発明を理解しやすくするための便宜であって、例えばkgがgであっても、発明の本質からなんら逸脱するものではない。
【0014】
また、本発明において、フレッシュコンクリートを混練する前のコンクリート単位容積V0、単位水量W0、空気量(%)A0及び単位容積質量γ0とは、示方配合や現場配合で設定された数値のみならず、水、セメント、細骨材、粗骨材といった各コンクリート材料を計量したときの実測値をも含む概念であるが、ここでは、発明の理解の便宜のため、示方配合で設定された数値として説明する。
【0015】
まず、コンクリートの示方配合は、次式となる。
0+C0+S0+G0=M0 (11)
0/ρw+C0/ρc+S0/ρs+G0/ρG=V0・(1−A0/100) (12)
【0016】
ここで、
0;フレッシュコンクリート1m3当たりの水量(kg)
0;フレッシュコンクリート1m3当たりのセメント量(kg)
0;フレッシュコンクリート1m3当たりの細骨材量(kg)
0;フレッシュコンクリート1m3当たりの粗骨材量(kg)
0;フレッシュコンクリート1m3当たりの質量合計(kg)
ρw;水密度(g/cm3
ρc;セメント密度(g/cm3
ρs;細骨材密度(g/cm3
ρG;粗骨材密度(g/cm3
0;フレッシュコンクリートの容積=1m3
0;フレッシュコンクリートの空気量(%)
【0017】
したがって、フレッシュコンクリートの単位容積質量γ0(kg/m3)は、次式のように表すことができる。
γ0=M0/V0
=(W0+C0+S0+G0)/((W0/ρw+C0/ρc+S0/ρs+G0/ρG)/(1−A0/100)) (13)
【0018】
一方、実際に計測されたフレッシュコンクリートの単位容積質量(kg/m3)をγ1とすると、かかるγ1は、本来であれば示方配合通り、
γ1=M0/V0
=(W0+C0+S0+G0)/((W0/ρw+C0/ρc+S0/ρs+G0/ρG)/(1−A0/100)) (14)
となるはずである。
【0019】
しかしながら、実際には、計測されたγ1は、示方配合のγ0に一致しないことが多い。
【0020】
これは、細骨材がその貯留環境の違いによって湿り状態がさまざまであるため、細骨材の実際の表面水率が示方配合で予想された細骨材の表面水率とは相違し、両者の間に誤差を生じがちであることに主に起因し、さらに空気量がやはり示方配合上の空気量とは異なることも原因となる。
【0021】
本発明は、空気量を正確に計測すれば、細骨材の表面水率に関する誤差を逆に利用することで単位水量を推定することができるという画期的な技術思想である。
【0022】
すなわち、このように細骨材の表面水率に関して誤差が生じやすく、そのため、実際に計測されたフレッシュコンクリートの単位容積質量(kg/m3)γ1は、示方配合のγ0とは一般的には一致しない。
【0023】
ここで、示方配合で設定された細骨材量S0中に、実際にはΔWs(kg)の表面水が含まれていたとすると、フレッシュコンクリートの容積に関しては、実際には次式のようになる。すなわち、
(W0/ρw+ΔWs/ρw)+C0/ρc+(S0/ρs−ΔWs/ρs)+G0/ρG=V1・(1−A1/100) (16)
【0024】
ここで、
1;製造されたフレッシュコンクリートの容積(m3
1;製造されたフレッシュコンクリートの空気量(%)
【0025】
したがって、(12)式及び(16)式から
ΔWs(1/ρw−1/ρs
=V1・(1−A1/100)−V0・(1−A0/100) (17)
なる関係が導かれる。
【0026】
一方、表面水率に誤差があったとしても、フレッシュコンクリート1m3当たりの質量合計に関しては、示方配合と製造された実際のものとの間に差は生じないので、
1=M1/γ1
=M0/γ1
=γ0・V0/γ1
となる。
【0027】
この関係を用いて、(17)式をΔWsについて解くと、
ΔWs=((γ0/γ1)・V0・(1−A1/100)−V0・(1−A0/100))/(1/ρw−1/ρs) (19)
となるので、製造されたフレッシュコンクリートに含まれる実際の水量W1は、
1=W0+ΔWs (20)
となる。
【0028】
ここで、表面水率の設定が実際のものとは違っていたことに起因して、製造されたフレッシュコンクリートの容積は、示方配合上の容積V0ではなく、V1となる。
【0029】
したがって、製造されたフレッシュコンクリートの単位水量は、W1ではなく、次式で表されるW1′、すなわち
1′=W1/V1 (24)
となる。
【0030】
したがって、単位容積質量γ1と空気量A1とを実際に計測し、これを(19)式に代入してΔWsを算出すれば、(24)式により、製造されたフレッシュコンクリートの単位水量W1′(kg/m3)を求めることができる。
【0031】
ちなみに、単位セメント量C1′(kg/m3)、単位細骨材量S1′(kg/m3)、単位粗骨材量G1′(kg/m3)についても、以下の式でそれぞれ算出することができる。
1′=C1/V1 (24)
1′=S1/V1 (25)
1′=G1/V1 (26)
【0032】
本発明に係るフレッシュコンクリートの単位水量測定装置を用いてフレッシュコンクリートの単位水量を測定するには、まず、単位水量の計測対象であるフレッシュコンクリートの初圧力及び平衡圧力を圧力計測部で計測するとともに、前記フレッシュコンクリートの質量を質量計測部で、前記フレッシュコンクリートの容積V1を容積計測部でそれぞれ計測し、前記質量、前記容積、前記初圧力及び前記平衡圧力から前記フレッシュコンクリートの単位容積質量γ1及び空気量A1(%)を演算処理部で演算する。
【0033】
一方、前記フレッシュコンクリートを混練する前のコンクリート容積V0、水量W0、空気量A0(%)及び単位容積質量γ0を所定のデータとして入力部を用いて入力し、かかるデータを演算処理部に伝送する。
【0034】
次に、前記入力部から伝送されてきた前記各データと、演算処理部で演算された空気量A1(%)及び単位容積質量γ1とから、以下の演算を演算処理部にて行う。
【0035】
すなわち、実際に製造されたフレッシュコンクリートの水量W1を、ρw、ρsをそれぞれ水、細骨材の密度として、次式、
1=W0+ΔWs (1)
ΔWs=((γ0/γ1)・V0・(1−A1/100)−V0・(1−A0/100))/(1/ρw−1/ρs) (2)
で算出し、次いで、算出されたW1と前記フレッシュコンクリートの容積V1を用いて該フレッシュコンクリートの単位水量W1′を次式、
1′=W1/V1 (3)
により演算する。
【0036】
質量計測部は、例えばロードセルを用いた秤で構成することができるし、容積計測部は例えばフレッシュコンクリートの空気量を計測するための公知のエアメータを転用することができる。
【0037】
演算処理部は、専用の演算処理機で構成してもよいし、パソコンと該パソコンで動作するアプリケーションソフトとで構成してもよい。
【0038】
入力部は、例えばマウスやキーボードで構成することができる。
【0039】
圧力計測部は、どのように構成してもかまわないが、例えば前記フレッシュコンクリートが収容される試料容器と、その内部空間に連通遮断自在でかつ空気を蓄積可能な空気室を設けた蓋体とで構成するとともに、前記試料容器及び蓋体で囲まれた気密空間のうち、前記試料容器を除く残余空間に注水された水と遮断された状態で内部の圧力が所望の初圧力になるように前記空気室内の空気圧を上昇させた後、前記空気室を前記気密空間に連通させて前記空気室及び前記気密空間の空気圧を平衡させてそのときの平衡圧力を計測できるように構成するとともに、前記演算処理部を、予め記憶された任意の初圧力及び平衡圧力とフレッシュコンクリートの空気容積との関連付けデータに前記圧力計測部で計測された前記初圧力及び平衡圧力を適用することによって前記フレッシュコンクリートに含まれる空気容積を算出し、該空気容積を前記フレッシュコンクリートの容積V1で除することで前記フレッシュコンクリートの空気量A1(%)を算出することができるように構成してもよい。
【0040】
このようにすれば、初圧力を任意に設定することが可能となって、従来のように初圧力を100kPaという決められた値に設定する必要がなくなり、空気量の算定が容易になる(JISで規定された「フレッシュコンクリートの空気量の圧力による試験方法」参照)。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るフレッシュコンクリートの単位水量測定装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、従来技術と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0042】
図1は、本実施形態に係るフレッシュコンクリートの単位水量測定装置を示した全体ブロック図である。同図でわかるように、本実施形態に係るフレッシュコンクリートの単位水量測定装置1は、単位水量の計測対象であるフレッシュコンクリートの初圧力及び平衡圧力を計測する圧力計測部2と、フレッシュコンクリートの質量を計測する質量計測部3と、フレッシュコンクリートの容積V1を計測する容積計測部4と、質量計測部3で計測された質量と容積計測部4で計測された容積とからフレッシュコンクリートの単位容積質量γ1を演算するとともに圧力計測部2で計測された初圧力及び平衡圧力からフレッシュコンクリートの空気量A1(%)を算出する演算処理部5と、該演算処理部に所定のデータを伝送する入力部6とから概ね構成してある。
【0043】
ここで、圧力計測部2は図2に示すエアメータを改良して構成してあり、かかる圧力計測部2は、フレッシュコンクリートが収容される試料容器7と、その内部空間に連通遮断自在でかつ空気を蓄積可能な空気室8が設けられた蓋体9とを備え、蓋体9に設けられた作動弁10を下降させることでその先端で連通孔11を塞ぎ、試料容器7及び蓋体9で囲まれた気密空間と遮断された状態で内部の圧力が所望の初圧力になるように空気室8内の空気圧を図示しない空気圧ポンプ等で上昇させた後、作動弁10を上昇させることで空気室8を試料容器7及び蓋体9で囲まれた気密空間に連通させて空気室8と該気密空間の空気圧とを平衡させるようになっており、空気室8には、上述した初圧力と平衡圧力とを計測する圧力センサー12を設けてある。
【0044】
圧力センサー10は、従来公知のさまざまな圧力センサーで構成すればよいが、できるだけ精度の高いデジタルセンサを用いるのが望ましい。
【0045】
質量計測部3は、ロードセルを用いた秤で構成してある。
【0046】
容積計測部4は、上述したエアメータ13を用いて構成してある。なお、その場合、試料容器7と蓋体9で囲まれた気密空間の容積が既知か、又は事前に計測可能でなければならない。
【0047】
入力部6は、例えばマウスやキーボードで構成することができる。
【0048】
演算処理部5は、パソコンと該パソコンで動作するアプリケーションソフトとで構成することが可能であり、必要に応じて図示しないプリンターや記憶装置を設けるようにすればよい。
【0049】
ここで、演算処理部5は、圧力計測部2の一部を構成する圧力センサー12及びロードセル秤からなる質量計測部3とデータ転送可能に構成してあり、該演算処理部には、圧力センサー12から初圧力及び平衡圧力が、質量計測部3からさまざまな質量データが伝送されるようになっている。
【0050】
一方、演算処理部5には、任意の初圧力及び平衡圧力とフレッシュコンクリートの空気容積との関連付けデータを予め図示しない記憶装置に記憶させてあり、かかる関連付けデータに圧力計測部2で計測された初圧力及び平衡圧力を適用することによって、フレッシュコンクリートに含まれる空気容積を算出し、該空気容積をフレッシュコンクリートの容積V1で除する、すなわち、
空気量A1(%)=(空気容積/V1)・100
なる式によって、フレッシュコンクリートの空気量A1(%)を算出することができるようになっている。
【0051】
図3は、本実施形態に係るフレッシュコンクリートの単位水量測定装置を用いてフレッシュコンクリートの単位水量を測定する手順を示したフローチャートである。同図に示すように、本実施形態に係るフレッシュコンクリートの単位水量測定装置においては、まず、示方配合で定められた水、セメント、細骨材及び粗骨材を混練製造してなるフレッシュコンクリートの空気量A1(%)を圧力計測部2及び演算処理部5で演算するとともに、その質量Wを質量計測部3で、その容積V1を容積計測部4でそれぞれ計測し、次いで、計測された質量Wと容積V1とからフレッシュコンクリートの単位容積質量γ1を次式、
単位容積質量γ1=質量W/容積V1
を用いて演算処理部5で演算する(ステップ101)。
【0052】
ここで、ロードセル秤で構成された質量計測部3でフレッシュコンクリートの質量Wを測定するにあたっては、予め、空の試料容器7に蓋体9を取り付けた状態の質量W1を計測しておき、次いで、試料容器7にフレッシュコンクリートを入れた状態の質量W2を同様に計測し、しかる後、質量W2から質量W1を差し引いてフレッシュコンクリートの質量Wとすればよい。
【0053】
また、容積計測部4でフレッシュコンクリートの容積V1を計測するには、上述した質量計測が終了した後、該フレッシュコンクリートが収容された状態の試料容器7に蓋体9を取り付け、次いで、試料容器7及び蓋体9で囲まれた気密空間の残余空間に水を満たし、かかる状態の質量W3を再度計測し、しかる後、試料容器7及び蓋体9で囲まれた既知の内容積から注水量、すなわち(W3−W2)を差し引いてフレッシュコンクリートの容積V1とすればよい。
【0054】
また、フレッシュコンクリートの空気量A1(%)を圧力計測部2および演算処理部5で計測するには、上述したようにフレッシュコンクリートの容積計測が終わった後、水が満たされた状態のまま、作動弁10を下降させることでその先端で連通孔11を塞ぎ、上述した気密空間と遮断された状態で内部の圧力が所望の初圧力になるように空気室8内の空気圧を図示しない空気圧ポンプ等で上昇させ、次いで、作動弁10を上昇させることで空気室8を気密空間に連通させて空気室8内と気密空間内の空気圧を平衡させ、そのときの空気室8内の初圧力と平衡圧力とを圧力センサー12で計測する。
【0055】
そして、予め記憶された任意の初圧力及び平衡圧力とフレッシュコンクリートの空気容積との関連付けデータに圧力センサー12から伝送されてきた初圧力及び平衡圧力を適用することによって、試料容器7内のフレッシュコンクリートに含まれる空気容積を算出し、該空気容積をフレッシュコンクリートの容積V1で除する、すなわち、
空気量A1(%)=(空気容積/V1)・100
なる式によって、フレッシュコンクリートの空気量A1(%)を算出する。
【0056】
上述した関連付けデータは、さまざまな初圧力に対する平衡圧力とフレッシュコンクリートの空気容積との関係を例えばテーブルの形で演算処理部5の記憶装置に予め記憶させておき、これに圧力センサー12から伝送されてきた初圧力及び平衡圧力を当てはめるようにすればよい。なお、予め作成される関連付けデータは、できるだけ多くの初圧力及び平衡圧力に対して空気容積を計測して作成しておくのが望ましいが、多くの初圧力及び平衡圧力に対して計測することができないために、圧力センサー12から伝送されてきた初圧力及び平衡圧力を当てはめることができない場合には、適宜補間するようにしてもよいし、予め計測された任意の初圧力及び平衡圧力と空気容積との関係を用いて近似式を作成し、これを関連付けデータとしてもよい。
【0057】
一方、フレッシュコンクリートの示方配合におけるコンクリート単位容積V0(=1m3)、単位水量W0、空気量A0(%)及び単位容積質量γ0(kg/m3)を所定のデータとして入力部6を用いて入力し、かかるデータを演算処理部5に伝送する(ステップ102)。ここで、W0は、フレッシュコンクリート1m3当たりの水量(kg)である。なお、かかるステップ102とステップ101とは同時進行でもよいし、逆の手順になってもよいことは言うまでもない。
【0058】
次に、入力部6から伝送されてきた各データと、演算処理部5で演算された空気量A1(%)及び単位容積質量γ1とからフレッシュコンクリートの単位水量W1′を算出する演算を演算処理部5にて行う(ステップ103)。
【0059】
すなわち、実際に製造されたフレッシュコンクリートの水量W1を、ρw、ρsをそれぞれ水、細骨材の密度(g/cm3)として、次式、
1=W0+ΔWs (1)
ΔWs=((γ0/γ1)・V0・(1−A1/100)−V0・(1−A0/100))/(1/ρw−1/ρs) (2)
で算出し、次いで、算出されたW1とフレッシュコンクリートの容積V1を用いて該フレッシュコンクリートの単位水量W1′を次式、
1′=W1/V1 (3)
により演算する。
【0060】
以上説明したように、本実施形態に係るフレッシュコンクリートの単位水量測定装置によれば、細骨材の表面水率に関する当初の設定値が実際の表面水率と誤差を生じ、その結果、単位容積質量が示方配合と実際に製造されたものと違った値になったとしても、むしろ、これを利用し、実際に製造された単位容積質量γ1と空気量A1とを計測することによって、実際に製造されたフレッシュコンクリートの単位水量を簡便かつ高い精度で推定することが可能となる。
【0061】
なお、単位容積質量が示方配合と実際に製造されたものとの間で一致した場合には、細骨材の表面水率の設定値は実際のものと同じであり、したがって、単位水量は、示方配合の単位水量と同じであると考えることができる。
【0062】
本実施形態では、フレッシュコンクリートを混練する前のコンクリート単位容積V0、単位水量W0、空気量(%)A0及び単位容積質量γ0を示方配合で設定された数値としたが、これに代えて、現場配合で設定された数値を用いてもよいし、各コンクリート材料の計量に誤差があったにも本発明を適用することが可能である。
【0063】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のフレッシュコンクリートの単位水量測定装置によれば、細骨材の表面水率に関する当初の設定値が実際の表面水率と誤差を生じ、その結果、単位容積質量がフレッシュコンクリートを混練する前のものと実際に製造されたものとの間で違った値になったとしても、単位容積質量γ1と空気量A1とを実際に計測することによって、実際に製造されたフレッシュコンクリートの単位水量を高い精度で推定することが可能となる。
【0064】
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るフレッシュコンクリートの単位水量測定装置の全体ブロック図。
【図2】圧力計測部2を示した断面図。
【図3】本実施形態に係るフレッシュコンクリートの単位水量測定装置を用いて単位水量を算出する手順を示したフローチャート。
【符号の説明】
1 フレッシュコンクリートの単位水量測定装置
2 圧力計測部
3 質量計測部
4 容積計測部
5 演算処理部
6 入力部

Claims (2)

  1. 単位水量の計測対象であるフレッシュコンクリートの初圧力及び平衡圧力を計測する圧力計測部と、前記フレッシュコンクリートの質量を計測する質量計測部と、前記フレッシュコンクリートの容積V1を計測する容積計測部と、前記質量、前記容積、前記初圧力及び前記平衡圧力から前記フレッシュコンクリートの単位容積質量γ1及び空気量A1(%)をそれぞれ演算する演算処理部と、該演算処理部に所定のデータを伝送する入力部とからなり、該入力部は、前記フレッシュコンクリートを混練する前のコンクリート単位容積V0、単位水量W0、空気量A0(%)及び単位容積質量γ0を前記データとして入力することができるようになっているとともに、前記演算処理部は、前記入力部から伝送されてきた前記各データと、該演算処理部で演算された前記空気量A1(%)及び前記単位容積質量γ1とから、実際に製造されたフレッシュコンクリートの水量W1を、ρw、ρsをそれぞれ水、細骨材の密度として、次式、
    1=W0+ΔWs (1)
    ΔWs=((γ0/γ1)・V0・(1−A1/100)−V0・(1−A0/100))/(1/ρw−1/ρs) (2)
    で算出し、次いで、算出されたW1と前記フレッシュコンクリートの容積V1を用いて該フレッシュコンクリートの単位水量W1′を次式、
    1′=W1/V1 (3)
    により演算するようになっていることを特徴とするフレッシュコンクリートの単位水量測定装置。
  2. 前記圧力計測部を、前記フレッシュコンクリートが収容される試料容器と、その内部空間に連通遮断自在でかつ空気を蓄積可能な空気室を設けた蓋体とで構成するとともに、前記試料容器及び蓋体で囲まれた気密空間のうち、前記試料容器を除く残余空間に注水された水と遮断された状態で内部の圧力が所望の初圧力になるように前記空気室内の空気圧を上昇させた後、前記空気室を前記気密空間に連通させて前記空気室及び前記気密空間の空気圧を平衡させてそのときの平衡圧力を計測できるように構成するとともに、前記演算処理部を、予め記憶された任意の初圧力及び平衡圧力とフレッシュコンクリートの空気容積との関連付けデータに前記圧力計測部で計測された前記初圧力及び平衡圧力を適用することによって前記フレッシュコンクリートに含まれる空気容積を算出し、該空気容積を前記フレッシュコンクリートの容積V1で除することで前記フレッシュコンクリートの空気量A1(%)を算出することができるように構成した請求項1記載のフレッシュコンクリートの単位水量測定装置。
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