JP4844096B2 - 有機複合被覆鋼板 - Google Patents
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Description
また、特許文献7には、亜鉛系合金めっき鋼板の表面に、リン酸化合物を主体とする化成処理を施し、その上に有機樹脂、導電性顔料および防錆顔料からなる有機皮膜を形成した技術が開示されている。しかし、この技術は、従来の結晶性のリン酸塩処理を施したものであるため加工性が劣り、また、防錆顔料として6価クロム酸系の防錆顔料を使用しているため環境面でも問題がある。
また、バリアー性の向上に関して、特許文献10には有機樹脂にヒドラジン誘導体を付与することで、酸素や塩化物イオンなどの腐食因子に対するバリアー性を向上させる技術が示されている。しかしながら、このような有機樹脂では、長期にわたってバリアー性を確保し、腐食を抑制することは困難である。
[1]亜鉛系めっき鋼板の表面に、溶剤系有機樹脂(A)と、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機アルミニウム化合物の中から選ばれる1種以上の有機金属化合物(B)と、非クロム系防錆添加剤(C)とを含有し、前記溶剤系有機樹脂(A)100質量部(固形分)に対する前記有機金属化合物(B)の含有量が0.1〜10質量部(固形分)である表面処理組成物を塗布し、乾燥することにより形成された膜厚が0.1〜3μmの有機複合皮膜を有することを特徴とする有機複合被覆鋼板。
[2]上記[1]の有機複合被覆鋼板において、有機金属化合物(B)が、分子構造中にエステル結合を有することを特徴とする有機複合被覆鋼板。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかの有機複合被覆鋼板において、非クロム系防錆添加剤(C)が、下記(a)〜(g)の中から選ばれる1種以上からなることを特徴とする有機複合被覆鋼板。
(a)カルシウム化合物
(b)酸化ケイ素
(c)難溶性リン酸化合物
(d)モリブデン酸化合物
(e)バナジウム化合物
(f)トリアゾール類、チオール類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類の中から選ばれる1種以上の、S原子を含有する有機化合物
(g)ヒドラジド化合物、ピラゾール化合物、トリアゾール化合物、テトラゾール化合物、チアジアゾール化合物、ピリダジン化合物の中から選ばれる1種以上の、N原子を含有する有機化合物
[6]上記[1]〜[5]のいずれかの有機複合被覆鋼板において、有機複合皮膜の下層に、さらに、膜厚が0.01〜2μmのクロムを含まない有機系皮膜または無機系皮膜若しくは有機・無機複合皮膜を有することを特徴とする有機複合被覆鋼板。
本発明の有機複合被覆鋼板は、亜鉛系めっき鋼板の表面に、特定の成分を含有する表面処理組成物を塗布し、乾燥することにより形成された有機複合皮膜を有する。
本発明の有機複合被覆鋼板のベースとなる亜鉛系めっき鋼板の種類に特別な制限はないが、例えば、亜鉛めっき鋼板、Zn−Ni合金めっき鋼板、Zn−Fe合金めっき鋼板(電気めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板)、Zn−Cr合金めっき鋼板、Zn−Mn合金めっき鋼板、Zn−Co合金めっき鋼板、Zn−Co−Cr合金めっき鋼板、Zn−Cr−Ni合金めっき鋼板、Zn−Cr−Fe合金めっき鋼板、Zn−Al合金めっき鋼板(例えば、Zn−5%Al合金めっき鋼板、Zn−55%Al合金めっき鋼板)、Zn−Mg合金めっき鋼板、Zn−Al−Mg合金めっき鋼板(例えば、Zn−6%Al−3%Mg合金めっき鋼板、Zn−11%Al−3%Mg合金めっき鋼板)、さらには、これらのめっき鋼板のめっき皮膜中に金属酸化物、ポリマーなどを分散した亜鉛系複合めっき鋼板(例えば、Zn−SiO2分散めっき鋼板)などを用いることができる。
また、めっき鋼板としては、鋼板面に予めNiなどの薄目付めっきを施し、その上に上記のような各種めっきを施したものであってもよい。
めっき方法としては、電解法(水溶液中での電解または非水溶媒中での電解)、溶融法、気相法のうち、実施可能ないずれの方法を採用することもできる。
さらに、めっきの黒変を防止する目的で、めっき皮膜中にNi,Co,Feの1種以上の微量元素を1〜2000ppm程度析出させたり、或いはめっき皮膜表面にNi,Co,Feの1種以上を含むアルカリ性水溶液または酸性水溶液による表面調整処理を施し、これらの元素を析出させるようにしてもよい。
表面処理組成物に含有される溶剤系有機樹脂(A)は、水分散性樹脂や水溶性樹脂などに比べて腐食因子である水に対するバリアー性が高く、より優れた耐食性が得られる。また、溶剤系有機樹脂は、アルカリ脱脂などに対する耐薬品性に関しても、水分散性樹脂や水溶性樹脂などに比べて優れていることから、ユーザーで塗油した後にプレス加工が施され、さらに油を除去するためのアルカリ脱脂が行われた後でも、初期の耐食性と変わらない耐食性を維持することができる。
上記変性エポキシ樹脂としては、エポキシ樹脂骨格中のエポキシ基またはヒドロキシル基に各種変性剤を反応させたものが挙げられる。例えば、乾性油脂肪酸中のカルボキシル基を反応させたエポキシエステル樹脂、アクリル酸、メタクリル酸などで変性したエポキシアクリレート樹脂、イソシアネート化合物を反応させたウレタン変性エポキシ樹脂などが挙げられる。
以上述べた点から耐食性および加工性を考慮すると、溶剤系有機樹脂(A)としては溶剤系熱硬化性のエポキシ系樹脂が最も好ましい。
この有機金属化合物(B)が耐食性を向上させる理由は必ずしも明らかではないが、有機樹脂の架橋性や密着性を高めることで、酸素や塩化物イオンなどの腐食促進因子に対するバリアー性が向上するためであると考えられる。さらに、非クロム系防錆添加剤(C)とともに複合添加することにより、皮膜内での防錆添加剤の分散性を向上させるとともに、有機樹脂と防錆添加剤の密着性を向上させることで、バリアー性がより優れたものとなり、耐食性が向上するものと考えられる。
TTS(アシレートタイプ)、KR38S(キレートタイプ)、KR44(キレートタイプ)、(株)松本交商製のオルガチックスTA30(アルコキシタイプ)、オルガチックスTPHS(アシレートタイプ)、オルガチックスTC200(キレートタイプ)などが挙げられる(以上、いずれも商品名)。
有機アルミニウム化合物としては、味の素ファインテクノ(株)製のプレンアクトAL−M(キレートタイプ)、(株)松本交商製のオルガチックスAL−80(アシレートタイプ)などが挙げられる(以上、いずれも商品名)。
この非クロム系防錆添加剤(C)としては、特に下記(a)〜(g)の中から選ばれる1種以上を用いることが好ましい。
(a)カルシウム化合物
(b)酸化ケイ素
(c)難溶性リン酸化合物
(d)モリブデン酸化合物
(e)バナジウム化合物
(f)トリアゾール類、チオール類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類の中から選ばれる1種以上の、S原子を含有する有機化合物
(g)ヒドラジド化合物、ピラゾール化合物、トリアゾール化合物、テトラゾール化合物、チアジアゾール化合物、ピリダジン化合物の中から選ばれる1種以上の、N原子を含有する有機化合物
上記(a)の成分であるカルシウム化合物は、カルシウム酸化物、カルシウム水酸化物、カルシウム塩のいずれでもよく、これらの1種または2種以上を使用できる。また、カルシウム塩の種類にも特に制限はなく、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムなどのようなカチオンとしてカルシウムのみを含む単塩のほか、リン酸カルシウム・亜鉛、リン酸カルシウム・マグネシウムなどのようなカルシウムとカルシウム以外のカチオンを含む複塩を使用してもよい。この(a)の成分は、腐食環境下においてめっき金属である亜鉛やアルミニウムよりも卑なカルシウムが優先溶解し、これがカソード反応により生成したOH−と緻密で難溶性の生成物として欠陥部を封鎖し、腐食反応を抑制する。また、シリカとともに配合された場合には、表面にカルシウムイオンが吸着し、表面電荷を電気的に中和して凝集する。その結果、緻密で且つ難溶性の保護皮膜が生成して腐食が封鎖し、腐食反応を抑制する。
コロイダルシリカとしては、例えば、日産化学(株)製のスノーテックスO、20、30、40、C、S(いずれも商品名)を用いることができ、また、ヒュームドシリカとしては、日本アエロジル(株)製のAEROSIL
R971、R812、R811、R974、R202、R805、130、200、300、300CF(いずれも商品名)を用いることができる。また、カルシウムイオン交換シリカとしては、W.R.Grace&Co.製のSHIELDEX C303、SHIELDEX AC3、SHIELDEX AC5(いずれも商品名)、富士シリシア化学(株)製のSHIELDEX、SHIELDEX
SY710(いずれも商品名)などを用いることができる。これらシリカは、腐食環境下において緻密で安定な亜鉛の腐食生成物の生成に寄与し、この腐食生成物がめっき表面に緻密に形成されることによって、腐食の促進を抑制する。
また、上記(e)のバナジウム化合物としては、例えば、5価のバナジウム化合物、4化のバナジウム化合物が適用できる。特に耐食性の観点から4価のバナジウム化合物が好ましい。
上記(a)〜(g)の防錆添加剤は、2種以上を複合添加してもよい。
本発明に適用できる固形潤滑剤としては、例えば、以下のようなものが挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
(1)ポリオレフィンワックス、パラフィンワックス:例えば、ポリエチレンワックス、合成パラフィン、天然パラフィン、マイクロワックス、塩素化炭化水素など
(2)フッ素樹脂微粒子:例えば、ポリフルオロエチレン樹脂(ポリ4フッ化エチレン樹脂など)、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂など
ポリエチレンワックスとしては、例えば、ヘキスト社製のセリダスト
9615A、セリダスト 3715、セリダスト 3620、セリダスト 3910、三洋化成(株)製のサンワックス 131−P、サンワックス 161−P、三井化学(株)製のケミパール
W−100、ケミパール W−200、ケミパール W−500、ケミパール W−800、ケミパール W−950などを用いることができる(以上、いずれも商品名)。
L−2、ルブロン L−5、三井・デュポン(株)製のMP1100、MP1200、旭アイシーアイフロロポリマーズ(株)製のフルオンディスパージョン AD1、フルオンディスパージョン
AD2、フルオン L141J、フルオン L150J、フルオン L155Jなどが好適である(以上、いずれも商品名)。
また、これらのなかで、ポリオレフィンワックスとテトラフルオロエチレン微粒子の併用により特に優れた潤滑効果が期待できる。
表面処理組成物中での固形潤滑剤の配合量は、溶剤系有機樹脂(A)100質量部(固形分)に対して、1〜30質量部、好ましくは1〜10質量部(いずれも固形分)とすることが望ましい。固形潤滑剤の配合量が1質量部未満では潤滑効果が乏しく、一方、配合量が30質量部を超えると塗装性が低下するので好ましくない。
有機複合皮膜は、表面処理組成物を亜鉛系めっき鋼板表面に塗布し、乾燥することにより形成される。なお、めっき鋼板の表面は、上記表面処理組成物を塗布する前に必要に応じてアルカリ脱脂処理し、さらに密着性、耐食性を向上させるために表面調整処理などの前処理を施すことができる。
加熱乾燥処理には、ドライヤー、熱風炉、高周波誘導加熱炉、赤外線炉などを用いることができる。加熱処理は、到達板温で80〜300℃、好ましくは120〜250℃の範囲で行うことが望ましい。
表面処理組成物の塗布、加熱乾燥後、通常は水冷を行うことなく空冷により冷却されるが、加熱乾燥後に水冷工程を実施しても構わない。
前記下層皮膜は、亜鉛系めっきとの反応層を有する皮膜であることが好ましい。このような皮膜は、亜鉛系めっきと強固な密着性が得られ、皮膜−亜鉛系めっき界面でのめっき金属の腐食を抑制する。このような反応層を有する下層皮膜と上述した有機複合皮膜との二層構造により、特に優れた耐食性を実現することができる。
下層皮膜には、このような非晶質性のリン酸化合物に加えて、コロイド状の無機酸化物微粒子などを配合することもできる。この酸化物微粒子としては、コロイダルシリカなどのような二酸化珪素が望ましく、コロイダルシリカとしては、例えば、日産化学(株)製のスノーテックスO、OS、OXS、OUP、AK、O40、OL、OZL(以上、酸性溶液)、スノーテックスXS、S、NXS、NS、N、QAS−25、LSS−35、LSS−45、LSS−75(以上、アルカリ性溶液)などを適用できる(以上、いずれも商品名)。また、触媒化成工業(株)製のカタロイドS、SI−350、SI−40、SA(以上、アルカリ性溶液)、カタロイドSN(酸性溶液)、旭電化工業(株)製のアデライトAT−20〜50、AT−20N、AT−300、AT−300S(以上、アルカリ性溶液)、アデライトAT20Q(酸性溶液)なども適用できる(以上、いずれも商品名)。また、これらの中でも、特に粒子径が14nm以下のもの、さらには8nm以下の微細なものが耐食性の観点から好ましい。また、乾式シリカ微粒子を皮膜組成物溶液に分散させたものを用いても良い。この乾式シリカとしては、日本アエロジル(株)製のAEROSIL
200、300、300CF、380など(いずれも商品名)を用いることができ、なかでも粒子径12nm以下、望ましくは7nm以下のものが好ましい。
なお、従来のリン酸塩処理(結晶性)は、加工性・溶接性が劣るため、好ましくない。
また、下層皮膜は、無機系皮膜、有機系皮膜、有機・無機複合皮膜のいずれでもよいが、自動車用鋼板として厳しいプレス加工を配慮すると、有機樹脂を配合したものであることが望ましく、有機樹脂としては、特に、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、ポリヒドロキシポリエーテル樹脂、ポリアルキレングリコール変性エポキシ樹脂、これらをさらに変性させた樹脂の中から選ばれる1種以上が好ましい。
以上述べた点からして、下層皮膜は、水溶性有機樹脂または/および水分散性有機樹脂と、リン酸または/およびリン酸化合物と、シランカップリング剤とを含有し、必要に応じて無機酸化物微粒子などを含有した水性処理液を亜鉛系めっき鋼板表面に塗布し、乾燥させたものが特に好ましい。
下層皮膜は、処理液(表面処理組成物)を亜鉛系めっき鋼板表面に塗布し、乾燥することにより形成される。さきに述べたように、めっき鋼板の表面は、処理液を塗布する前に必要に応じてアルカリ脱脂処理し、さらに密着性、耐食性を向上させるために表面調整処理などの前処理を施すことができる。
コーティングした処理液を加熱乾燥する方法は任意であり、例えば、ドライヤー、熱風炉、高周波誘導加熱炉、赤外線炉などの手段を用いることができる。
この加熱乾燥処理は到達板温で80〜300℃、望ましくは120〜250℃の範囲で行うことが好ましい。
処理液の塗布、加熱乾燥後、通常は水冷を行うことなく空冷により冷却されるが、加熱乾燥後に水冷工程を実施しても構わない。
このような方法で下層皮膜を形成した後、その上層に、さき述べたような方法で表面処理組成物を塗布し、乾燥させることにより、第2皮膜である有機複合皮膜を形成する。
第2層皮膜形成用の表面処理組成物は、表3に示す有機樹脂、表4に示す非クロム系防錆添加剤、表5に示す化合物を適宜配合し、塗料用分散機(サンドグラインダー)を用いて所定時間攪拌することで調製した。
次いで、上記第2層皮膜形成用の表面処理組成物をロールコーターにより塗布し、各種温度で加熱乾燥した。皮膜の膜厚は、表面処理組成物の固形分(加熱残分)または塗布条件(ロールの圧下力、回転速度など)により調整した。
このようにして得られた有機複合被覆鋼板の皮膜組成と品質性能(耐食性、アルカリ脱脂後耐食性、加工後耐食性、溶接性、塗装性)を評価した結果を表6〜表8に示す。なお、品質性能の評価は以下のようにして行った。
各サンプルについて、下記の複合サイクル試験(CCT)を施し、63サイクル経過後の白錆発生面積率および赤錆発生面積率で評価した。
塩水噴霧(JIS
Z 2371に基づく):2時間
↓
乾燥(60℃):4時間
↓
湿潤(50℃、>95%RH):2時間
その評価基準は以下の通りである。
◎ :白錆発生面積率5%未満
○+:白錆発生面積率5%以上10%未満
○ :白錆発生面積率10%以上30%未満で、赤錆発生なし
△ :赤錆発生ありで、赤錆発生面積率10%未満
× :赤錆発生面積率10%以上
各サンプルについて、日本パーカライジング(株)製「FC−4460」を用いて、60℃、2分間スプレー処理の条件で脱脂した後、下記の複合サイクル試験(CCT)を施し、63サイクル経過後の白錆発生面積率および赤錆発生面積率で評価した。
塩水噴霧(JIS
Z 2371に基づく):2時間
↓
乾燥(60℃):4時間
↓
湿潤(50℃、95%RH):2時間
その評価基準は以下の通りである。
◎ :白錆発生面積率5%未満
○+:白錆発生面積率5%以上10%未満
○ :白錆発生面積率10%以上30%未満で、赤錆発生なし
△ :赤錆発生ありで、赤錆発生面積率10%未満
× :赤錆発生面積率10%以上
各サンプルに対して、下記の条件によるドロービードで変形と摺動を付加し、このサンプルを日本パーカライジング(株)製「FC−4460」を用いて、60℃、2分間スプレー処理の条件で脱脂した後、前記「(1)耐食性」で行ったCCTを施し、36サイクル経過後の白錆発生面積率および赤錆発生面積率で評価した。
押付荷重:800kgf
引抜速度:1000mm/min
ビード肩R:オス側2mmR,メス側3mmR
押し込み深さ:7mm
使用油:プレトンR−352L
その評価基準は以下の通りである。
◎ :白錆発生面積率5%未満
○+:白錆発生面積率5%以上10%未満
○ :白錆発生面積率10%以上30%未満で、赤錆発生なし
△ :赤錆発生ありで、赤錆発生面積率10%未満
× :赤錆発生面積率10%以上
各サンプルについて、使用電極:CF型Cr−Cu電極、加圧力:200kgf、通電時間:10サイクル/50Hz、溶接電流:10kAの条件で連続打点性の溶接試験を行い、連続打点数で評価した。その評価基準は以下の通りである。
◎ :2000点以上
○ :1000点以上、2000点未満
△ :500点以上、1000点未満
× :500点未満
各サンプルにカチオン系電着塗料(関西ペイント(株)製「GT−10」)を膜厚30μmとなるように塗装した後、170℃×20分の焼付を行った。塗装したサンプルを40℃温水中に240時間浸漬し、直ちに碁盤目(10×10個、1mm間隔)のカットを入れて接着テープによる貼着・剥離を行い、塗膜の剥離面積率を測定した。その評価基準は以下の通りである。
◎ :剥離なし
○ :剥離面積率5%未満
△ :剥離面積率5%以上、20%未満
× :剥離面積率20%以上
*1:表1に記載のめっき鋼板No.
*2:表2に記載の表面処理組成物No.
*3:表3に記載の有機樹脂No.
*4:表4に記載の非クロム系防錆添加剤No.
*5:表5に記載の化合物No.
*6:質量部(固形分)
Claims (6)
- 亜鉛系めっき鋼板の表面に、溶剤系有機樹脂(A)と、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機アルミニウム化合物の中から選ばれる1種以上の有機金属化合物(B)と、非クロム系防錆添加剤(C)とを含有し、前記溶剤系有機樹脂(A)100質量部(固形分)に対する前記有機金属化合物(B)の含有量が0.1〜10質量部(固形分)である表面処理組成物を塗布し、乾燥することにより形成された膜厚が0.1〜3μmの有機複合皮膜を有することを特徴とする有機複合被覆鋼板。
- 有機金属化合物(B)が、分子構造中にエステル結合を有することを特徴とする請求項1に記載の有機複合被覆鋼板。
- 溶剤系有機樹脂(A)が、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、ポリヒドロキシポリエーテル樹脂、ポリアルキレングリコール変性エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、これらのエポキシ系樹脂をさらに変性させた樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、アクリル樹脂の中から選ばれる1種以上からなることを特徴とする請求項1または2に記載の有機複合被覆鋼板。
- 非クロム系防錆添加剤(C)が、下記(a)〜(g)の中から選ばれる1種以上からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の有機複合被覆鋼板。
(a)カルシウム化合物
(b)酸化ケイ素
(c)難溶性リン酸化合物
(d)モリブデン酸化合物
(e)バナジウム化合物
(f)トリアゾール類、チオール類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類の中から選ばれる1種以上の、S原子を含有する有機化合物
(g)ヒドラジド化合物、ピラゾール化合物、トリアゾール化合物、テトラゾール化合物、チアジアゾール化合物、ピリダジン化合物の中から選ばれる1種以上の、N原子を含有する有機化合物 - 表面処理組成物が、溶剤系有機樹脂(A)100質量部(固形分)に対して、非クロム系防錆添加剤(C)を1〜120質量部(固形分)含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の有機複合被覆鋼板。
- 有機複合皮膜の下層に、さらに、膜厚が0.01〜2μmのクロムを含まない有機系皮膜または無機系皮膜若しくは有機・無機複合皮膜を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の有機複合被覆鋼板。
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