JP4843992B2 - Blood purifier - Google Patents
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Description
本発明は、血液適合性に優れ、かつ分離特性のバランスが良く、安全性や性能の安定性の高い血液浄化器に関する。 The present invention relates to a blood purifier having excellent blood compatibility, a good balance of separation characteristics, and high safety and stability of performance.
腎不全治療などにおける血液浄化療法では、血液中の尿毒素、老廃物を除去する目的で、天然素材であるセルロース、またその誘導体であるセルロースジアセテート、セルローストリアセテート、合成高分子としてはポリスルホン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリルなどの高分子を用いた透析膜や限外濾過膜を分離材として用いた血液透析器、血液濾過器あるいは血液透析濾過器などのモジュールが広く使用されている。特に中空糸型の膜を分離材として用いたモジュールは体外循環血液量の低減、血中の物質除去効率の高さ、さらにモジュール生産時の生産性などの利点から透析器分野での重要度が高い。 In blood purification therapy for the treatment of renal failure, natural materials such as cellulose, cellulose diacetate, cellulose triacetate, synthetic polymers such as polysulfone, Modules such as hemodialyzers, hemofilters or hemodialyzers using dialysis membranes using polymers such as methyl methacrylate and polyacrylonitrile and ultrafiltration membranes as separation materials are widely used. In particular, modules using hollow fiber membranes as separation materials are important in the dialyzer field due to advantages such as reduction of the amount of blood circulating outside the body, high efficiency of removing substances in the blood, and productivity during module production. high.
上記した膜素材の中で透析技術の進歩に最も合致したものとして透水性能が高いポリスルホン系樹脂が注目されている。しかし、ポリスルホン単体で半透膜を作った場合は、ポリスルホン系樹脂が疎水性であるために血液との親和性に乏しく、エアーロック現象を起こしてしまうため、そのまま血液処理用などに用いることはできない。 Among the above-mentioned membrane materials, polysulfone-based resins having high water permeability are attracting attention as the best match with the progress of dialysis technology. However, when a semi-permeable membrane is made of a single polysulfone, the polysulfone resin is hydrophobic, so it has poor affinity with blood and causes an air lock phenomenon. Can not.
上記した課題の解決方法として、ポリスルホン系樹脂に親水性ポリマーを配合し製膜することにより、膜に親水性を付与する方法が提案されている。例えば、ポリエチレングリコール等の多価アルコールを配合する方法が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。
また、ポリビニルピロリドンを配合する方法が開示されている(例えば、特許文献3、4参照)。
特に、後者のポリビニルピロリドンを用いた方法が安全性や経済性の点より注目されており、該方法により上記した課題は解決される。しかしながら、ポリビニルピロリドンを配合することによる親水化技術に於いては、透析時にポリビニルピロリドンが溶出し浄化された血液に混入するという課題が発生する。該ポリビニルピロリドンの溶出が多くなると人体に取り異物であるポリビニルピロリドンの長期透析時の体内蓄積が増え副作用や合併症等を引き起こす可能性がある。そこで、ポリビニルピロリドンの溶出量は、透析型人工腎臓装置製造承認基準により定められている。該透析型人工腎臓装置製造承認基準においては、ポリビニルピロリドン等の溶出量はUV吸光度で定量されている。該透析型人工腎臓装置製造承認基準で溶出量制御の効果を判定した技術が開示されている(例えば、特許文献5〜7参照)。
上記方法により上記の課題は解決される。しかしながら、ポリビニルピロリドンを配合することによる親水性化技術に於いては、血液と接触する膜内面(内表面と称する)および反対面の膜外面(外表面と称する)に存在するポリビニルピロリドンの含有量により選択透過性中空糸膜の膜性能が大きく影響し、その最適化が重要となる。例えば、膜内面のポリビニルピロリドン含有量を高めることにより血液適合性を確保できるが、該表面含有量が高くなりすぎると該ポリビニルピロリドンの血液への溶出量が増加し、この溶出するポリビニルピロリドンの蓄積により長期透析時の副作用や合併症が起こるので好ましくない。 The above method solves the above problem. However, in the hydrophilization technology by blending polyvinylpyrrolidone, the content of polyvinylpyrrolidone present on the inner surface of the membrane (referred to as the inner surface) in contact with blood and the outer surface of the membrane (referred to as the outer surface) on the opposite side Therefore, the membrane performance of the selectively permeable hollow fiber membrane is greatly affected, and its optimization is important. For example, blood compatibility can be ensured by increasing the content of polyvinyl pyrrolidone on the inner surface of the membrane. However, if the surface content becomes too high, the amount of the polyvinyl pyrrolidone eluted into the blood increases, and the accumulation of the eluted polyvinyl pyrrolidone is increased. This is not preferable because side effects and complications occur during long-term dialysis.
一方、反対面の外表面に存在するポリビニルピロリドンの含有量が高すぎると、透析液に含まれる親水性の高いエンドトキシン(内毒系)が血液側へ浸入する可能性が高まり、発熱等の副作用を引き起こすことに繋がるとか、膜を乾燥させた時に外表面に存在するポリビニルピロリドンが介在し中空糸膜同士がくっつき(固着し)、モジュール組み立て性が悪化する等の新たな課題が引き起こされる。逆に、外表面に存在するポリビニルピロリドン量を低くすることは、エンドトキシンの血液側への浸入を抑える点では好ましいことであるが、外表面の親水性が低くなるため、モジュール組み立て後に組み立てのために乾燥した中空糸膜を湿潤状態に戻す際に、生理食塩水との馴染みが低くなるので、該湿潤操作の折の空気の追い出し性であるプライミング性が低下するという課題の発生に繋がるので好ましくない。 On the other hand, if the content of polyvinylpyrrolidone present on the outer surface of the opposite surface is too high, there is a high possibility that highly hydrophilic endotoxin (endotoxin) contained in the dialysate will enter the blood, causing side effects such as fever. This leads to new problems, such as the fact that the polyvinyl pyrrolidone present on the outer surface intervenes when the membrane is dried, and the hollow fiber membranes stick together (adhere) and the module assemblability deteriorates. Conversely, lowering the amount of polyvinyl pyrrolidone present on the outer surface is preferable in terms of suppressing the entry of endotoxin into the blood side, but the hydrophilicity of the outer surface is reduced, so that assembly is performed after module assembly. When the dried hollow fiber membrane is returned to the wet state, the familiarity with the physiological saline is lowered, and this leads to the occurrence of the problem that the priming property, which is the expelling property of the air during the wet operation, is reduced. Absent.
上記した課題解決の方策として、選択透過性中空糸膜の内表面の緻密層に存在するポリビニルピロリドンの含有量を特定範囲とし、かつ内表面の上記緻密層に存在するポリビニルピロリドンの含有量が外表面に存在するポリビニルピロリドンの含有量の少なくとも1.1倍以上にする方法が開示されている(特許文献5参照)。すなわち、上記技術は内表面の緻密層表面に存在するポリビニルピロリドンの含有量を高め血液適合性を改善し、逆に外表面に存在するポリビニルピロリドンの含有量を低くし、膜を乾燥させた時に発生する中空糸膜同士の固着の発生を抑える思想の技術である。本技術により固着発生の課題に加え、上記した課題の一つである透析液に含まれるエンドトキシン(内毒系)が血液側へ浸入する課題も改善されるが、外表面に存在するポリビニルピロリドンの含有量が低過ぎるために前記したもう一つの課題であるプライミング性が低下すると言う課題の発生に繋がるという問題が残されており、その改善が必要である。 As a measure for solving the above problems, the content of polyvinylpyrrolidone present in the dense layer on the inner surface of the selectively permeable hollow fiber membrane is within a specific range, and the content of polyvinylpyrrolidone present in the dense layer on the inner surface is outside. A method of at least 1.1 times the content of polyvinylpyrrolidone present on the surface is disclosed (see Patent Document 5). That is, the above technique increases the content of polyvinyl pyrrolidone present on the inner surface of the dense layer to improve blood compatibility, and conversely lowers the content of polyvinyl pyrrolidone present on the outer surface and dries the membrane. This is a technology based on the idea of suppressing the occurrence of sticking between the generated hollow fiber membranes. In addition to the problem of sticking generation, this technology also improves the problem of endotoxin (endotoxin) contained in dialysate, which is one of the above-mentioned problems, entering the blood side. Since the content is too low, there remains a problem that leads to the problem that the priming property, which is another problem described above, is reduced, and improvement is necessary.
また、赤外線吸収法で定量された表面近傍のポリビニルピロリドンの選択透過性中空糸膜の内表面、外表面および膜中間部におけるポリビニルピロリドンの含有量が特定化することにより、前記した課題の一つである透析液に含まれるエンドトキシン(内毒系)が血液側へ浸入する課題を改善する方法が開示されている(例えば、特許文献8参照)。該技術により上記課題の一つは改善されるが、例えば、前記技術と同様に、プライミング性が低下すると言う課題が解決されないし、また、該技術で得られた選択透過性中空糸膜は膜外表面の開孔率が25%以上と高くなるので膜強度が低くなり血液リーク等の課題に繋がるという問題を有している。
さらに、選択透過性中空糸膜の内表面のポリビニルピロリドンの表面含有量を特定化することにより、血液適合性とポリビニルピロリドンの血液への溶出量を改善する方法が開示されている(例えば、特許文献9〜11参照)。
上記技術は、いずれもが中空糸膜の外表面のポリビニルピロリドンの含有量に関しては全く言及されておらず、前記した外表面のポリビニルピロリドンの含有量による課題の全てを改善できてはいない。 None of the above-mentioned techniques has been mentioned at all regarding the content of polyvinylpyrrolidone on the outer surface of the hollow fiber membrane, and it has not been possible to improve all of the above-mentioned problems caused by the content of polyvinylpyrrolidone on the outer surface.
上記した課題の内、エンドトキシン(内毒系)が血液側へ浸入する課題に関しては、エンドトキシンが、その分子中に疎水性部分を有しており、疎水性材料へ吸着しやすいという特性を利用した方法が開示されている(例えば、特許文献12参照)。すなわち、中空糸膜の外表面における疎水性高分子に対するポリビニルピロリドンの比率を5〜25%にすることにより達成できる。確かに、該方法はエンドトキシンの血液側への浸入を抑える方法としては好ましい方法ではあるが、この特性を付与するには、膜の外表面に存在するポリビニルピロリドンを洗浄で除去する必要があり、この洗浄に多大の処理時間を要し、経済的に不利である。例えば、上記した特許の実施例では、60℃の温水によるシャワー洗浄および110℃の熱水での洗浄をそれぞれ1時間づつ掛けて行われている。
また、外表面に存在するポリビニルピロリドン量を低くすることは、エンドトキシンの血液側への浸入を抑える点では好ましいことであるが、外表面の親水性が低くなるため、モジュール組み立て後に組み立てのために乾燥した中空糸膜を湿潤状態に戻す際に、湿潤のために用いる生理食塩水との馴染みが低くなるので、プライミング性が低下すると言う課題の発生に繋がるので好ましくない。この点を改良する方法として、例えばグリセリン等の親水性化合物を配合する方法が開示されている(例えば、特許文献13、14参照)。しかし、該方法は親水性化合物が透析時の異物として働き、かつ該親水性化合物は光劣化等の劣化を受けやすいため、モジュールの保存安定性等に悪影響をおよぼす等の課題に繋がる。また、モジュール組み立てにおいて中空糸膜をモジュールに固定する時の接着剤の接着阻害を引き起こすという課題もある。
一方、膜の外表面の開孔率や孔面積を特定値化した膜が開示されている(例えば、特許文献15参照)。
また、内表面のポリビニルピロリドン含有量は、選択透過性中空糸膜の分離の選択性に関しても大きな影響を与える。すなわち、慢性腎不全患者の血液処理法に関しては有効蛋白質であるアルブミンの漏れは最小限に抑えつつ、その他の低分子蛋白を積極的に除去する必要がある。例えば、アルブミンの透過率が0.5〜0.0001%であるポリスルホン系選択分離膜に関する技術が開示されている(特許文献16参照)。確かに、該特許文献の技術はアルブミンの透過率が極めて低いレベルに抑えられている点では優れた技術であるが、該技術で得られた選択透過性中空糸膜は、例えばα1−マイクログロブリンの除去率が低いという課題がある。近年、長期透析患者の増加に伴う透析合併症が注目されており、尿素、尿酸、クレアチニンなどの低分子量物質だけでなく、分子量5000ダルトン前後の中分子量領域から分子量一万ダルトン以上の低分子量蛋白まで除去対象が広がっている。血中に存在するα1−マイクログロブリンに代表される分子量3万程度の尿毒症物質を効率よく除去できることが求められているが、特許文献16の技術は蛋白質分離の選択性が劣るので、この要求には答えることが出来ない。一方、卵白アルブミンの篩い係数が0.2以上のポリスルホン系選択分離膜に関する技術が開示されている(特許文献17参照)。該特許文献で得られた選択透過性中空糸膜は尿毒症物質を効率よく除去できる点では有効である。また、有効蛋白質の除去率との選択透過性がよいことや、血液適合性にも優れていることが記述されているが、該効果に関しての詳細については言及されていない。さらに、血液浄化器としての実用性において重要な特性である、血液透析の実施における経時によるこれらの特性変化、すなわち経時安定性に関しては全く言及されていない。従って、アルブミンとα1−マイクログロブリンの両者の除去バランスや血液適合性の付与およびこれらの特性の経時安定性が改善された選択透過性中空糸膜の開発が強く嘱望されている。
上記課題の一つである血液適合性に関しては、血液接触表面の凹凸を制御することによって該特性を向上させる技術が開示されている(特許文献18、19参照)。これらの技術においては表面の凹凸はいずれも白色干渉顕微鏡によって測定された値から規定されている。特許文献1では血小板の粘着として、10-6個/cm2−膜面積以下であるのが好ましいとされている。この特性を持つ膜は、本発明における血小板保持率(詳細については後述する)がほぼ100%と概算される。しかしながら、極端に血小板保持率が高い膜では、膜との接触によって活性化された血小板が血液中に放出され、これが引き金となって体内の循環血液全体の活性化を招き、結果として生体適合性悪化の原因となることが考えられ、むしろ好ましくない。また、経時安定性についても言及されていない。
本発明は、血液適合性に優れ、かつ分離特性のバランスが良く、安全性や性能の安定性の高い血液浄化器を提供することにある。 An object of the present invention is to provide a blood purifier having excellent blood compatibility, a good balance of separation characteristics, and high safety and stability of performance.
本発明は上記課題を解決するため、鋭意研究した結果、遂に本発明を完成するに到った。即ち本発明は、主としてポリスルホン系高分子とポリビニルピロリドンよりなる選択透過性中空糸膜のスキン層厚みが0.1〜1.2μmで、外表面最表層のポリビニルピロリドンの含有量が25〜50質量%で、かつ(外表面最表層のポリビニルピロリドンの含有量)/(内表面最表層のポリビニルピロリドンの含有量)≧1.1である選択透過性中空糸膜を用いて作製されてなる血液浄化器において、下記特性を同時に満足することを特徴とする血液浄化器である。
(1)ヘマトクリット30%、総タンパク濃度6〜7g/dl、クエン酸ナトリウムを添加した37℃の牛血液を200ml/分、濾過流量20ml/分で流したとき、15分後のアルブミンの篩い係数[A]が0.01以上0.1以下であること。(2)2時間後のアルブミンの篩い係数[B]が0.005以上0.04未満であること。(3)膜面積1.5m2(中空糸膜内径基準)の血液浄化器にヘパリン加ヒト全血を150mL/minの流量で灌流した際、60分後の血小板保持率が70%以上98%以下であること。
この場合において、2時間後のアルブミンの篩い係数[B]が15分後のアルブミンの篩い係数[A]より小さいことが好ましい。
また、この場合において、15分後のアルブミンの篩い係数[A]と2時間後のアルブミンの篩い係数[B]の関係が下記式を満足することが好ましい。
[B]/[A]=0.1〜0.4
また、この場合において、膜面積1.5m2(中空糸膜内径基準)の血液浄化器にヘパリン加ヒト全血を150mL/minの流量で灌流した際の、血液灌流前後の血小板第4因子の濃度比(PF4上昇率)が5倍以下であることが好ましい。
また、この場合において、カチオン性染料を含む溶液1000mLを血液浄化器の選択透過性中空糸膜の内側および外側に満たし、残りのカチオン性染料溶液を該血液浄化器に200mL/minの流量で灌流した際、5分後のカチオン性染料吸着率が40%以上70%以下であることが好ましい。
また、この場合において、選択透過性中空糸膜の膜厚が25〜50μmであることが好ましい。
また、この場合において、選択透過性中空糸膜における外表面の開孔率が20〜35%であることが好ましい。
In order to solve the above-mentioned problems, the present invention has finally been completed as a result of intensive studies. That is, according to the present invention, the skin layer thickness of the selectively permeable hollow fiber membrane mainly composed of a polysulfone polymer and polyvinyl pyrrolidone is 0.1 to 1.2 μm, and the content of polyvinyl pyrrolidone on the outermost surface layer is 25 to 50 mass. % And (purity of polyvinyl pyrrolidone on the outermost surface layer) / (content of polyvinyl pyrrolidone on the innermost surface layer) ≧ 1.1 Blood purification produced using a selectively permeable hollow fiber membrane The blood purifier satisfies the following characteristics at the same time.
(1) Albumin sieving coefficient after 15 minutes when bovine blood at 37 ° C. with hematocrit of 30%, total protein concentration of 6-7 g / dl, and sodium citrate is added at 200 ml / min and filtration flow rate of 20 ml / min [A] is 0.01 or more and 0.1 or less. (2) The sieving coefficient [B] of albumin after 2 hours is 0.005 or more and less than 0.04. (3) When heparinized human whole blood was perfused at a flow rate of 150 mL / min into a blood purifier with a membrane area of 1.5 m 2 (hollow fiber membrane inner diameter standard), the platelet retention after 60 minutes was 70% to 98%. The following.
In this case, the sieving coefficient [B] of albumin after 2 hours is preferably smaller than the sieving coefficient [A] of albumin after 15 minutes.
In this case, the relationship between the sieving coefficient [A] of albumin after 15 minutes and the sieving coefficient [B] of albumin after 2 hours preferably satisfies the following formula.
[B] / [A] = 0.1 to 0.4
Further, in this case,
In this case, 1000 mL of the solution containing the cationic dye is filled inside and outside the selectively permeable hollow fiber membrane of the blood purifier, and the remaining cationic dye solution is perfused through the blood purifier at a flow rate of 200 mL / min. In this case, the cationic dye adsorption rate after 5 minutes is preferably 40% or more and 70% or less.
In this case, the thickness of the selectively permeable hollow fiber membrane is preferably 25 to 50 μm.
In this case, it is preferable that the porosity of the outer surface of the selectively permeable hollow fiber membrane is 20 to 35%.
本発明の血液浄化器は、分離特性のバランスが良く、安全性や性能の安定性が高く、かつ本発明の血液浄化器に充填されている選択透過性中空糸膜は、内表面(血液接触側表面)の荷電状態や親水性−疎水性バランス等の尺度であるカチオン性染料吸着率が最適化されており、血液灌流時の血小板保持率が所定範囲にあることで、血液適合性、血液接触使用時の性能保持性が高レベルで実現されている。 The blood purifier of the present invention has a good balance of separation characteristics, high safety and stability of performance, and the selectively permeable hollow fiber membrane filled in the blood purifier of the present invention has an inner surface (blood contact). The cationic dye adsorption rate, which is a measure of the charge state of the side surface) and the hydrophilic-hydrophobic balance, is optimized, and the platelet retention rate during blood perfusion is within a predetermined range, so that blood compatibility, blood Performance retention at the time of contact use is realized at a high level.
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の血液浄化器に用いられる選択透過性中空糸膜(以下、単に中空糸膜と称することがある)は、ポリビニルピロリドンを含有するポリスルホン系樹脂で構成されているところに特徴を有する。本発明におけるポリスルホン系樹脂とは、スルホン結合を有する樹脂の総称であり特に限定されないが、例を挙げると
The selectively permeable hollow fiber membrane (hereinafter sometimes simply referred to as a hollow fiber membrane) used in the blood purifier of the present invention is characterized in that it is composed of a polysulfone resin containing polyvinylpyrrolidone. The polysulfone resin in the present invention is a general term for resins having a sulfone bond and is not particularly limited.
本発明に用いられるポリビニルピロリドンは、N−ビニルピロリドンをビニル重合させた水溶性の高分子化合物であり、例えばBASF社より「コリドン」、ISP社より「プラスドン」、第一工業製薬社より「ピッツコール」の商品名で市販されており、それぞれ各種の分子量の製品がある。一般には、親水性の付与効率では低分子量のものが、一方、溶出量を低くする観点では高分子量のものを用いるのが好適であるが、最終製品の中空糸膜の要求特性に合わせて適宜選択される。単一の分子量のものを用いても良いし、分子量の異なる製品を2種以上混合して用いても良い。また、市販の製品を精製し、例えば分子量分布をシャープにしたものを用いても良い。ポリビニルピロリドンの分子量としては質量平均分子量10,000〜1,500,000のものを用いることができる。具体的には、例えばBASF社より市販されている分子量9,000のもの(K17)、以下同様に45,000(K30)、450,000(K60)、900,000(K80)、1,200,000(K90)を用いるのが好ましく、目的とする用途、特性、構造を得るために、それぞれ単独で用いてもよく、適宜2種以上を組み合わせて用いても良い。 The polyvinyl pyrrolidone used in the present invention is a water-soluble polymer compound obtained by vinyl polymerization of N-vinyl pyrrolidone, for example, “Collidon” from BASF, “Prasdon” from ISP, “Pitz” from Daiichi Kogyo Seiyaku. It is marketed under the trade name "Cole", and there are products of various molecular weights. In general, it is preferable to use a low molecular weight in terms of imparting hydrophilicity, while it is preferable to use a high molecular weight from the viewpoint of lowering the elution amount. Selected. Those having a single molecular weight may be used, or two or more products having different molecular weights may be mixed and used. Moreover, you may use what refine | purified a commercial product and sharpened molecular weight distribution, for example. As the molecular weight of polyvinylpyrrolidone, those having a mass average molecular weight of 10,000 to 1,500,000 can be used. Specifically, for example, those having a molecular weight of 9,000 (K17) commercially available from BASF, and the same shall apply hereinafter, 45,000 (K30), 450,000 (K60), 900,000 (K80), 1,200 000 (K90) is preferable, and in order to obtain the intended use, characteristics, and structure, each may be used alone, or two or more may be used in combination as appropriate.
本発明の選択透過性中空糸膜は、ポリビニルピロリドンとして過酸化水素含有量が300ppm以下のものを用いて製造することが好ましい。250ppm以下がより好ましく、200ppm以下がさらに好ましく、150ppm以下がよりさらに好ましい。原料として用いるポリビニルピロリドン中の該過酸化水素含有量を300ppm以下にすることは、選択透過性中空糸膜中の過酸化水素溶出量を5ppm以下に安定させる第一の要素であり、選択透過性中空糸膜の品質安定化が達成できるので好ましい。 The permselective hollow fiber membrane of the present invention is preferably produced using polyvinyl pyrrolidone having a hydrogen peroxide content of 300 ppm or less. 250 ppm or less is more preferable, 200 ppm or less is more preferable, and 150 ppm or less is more preferable. Setting the hydrogen peroxide content in the polyvinylpyrrolidone used as a raw material to 300 ppm or less is the first factor that stabilizes the hydrogen peroxide elution amount in the selectively permeable hollow fiber membrane to 5 ppm or less. This is preferable because the quality of the hollow fiber membrane can be stabilized.
上記した原料として用いるポリビニルピロリドン中に含有される過酸化水素は、ポリビニルピロリドンの酸化劣化の過程で発生すると推定される。従って、過酸化水素含有量を300ppm以下にするには、ポリビニルピロリドンの製造工程でポリビニルピロリドンの酸化劣化を抑える方策をとることが有効である。また、ポリビニルピロリドンの搬送や保存時の劣化を抑える手段を取る事も有効であり推奨される。例えば、アルミ箔ラミネート袋を用いて、遮光し、かつ窒素ガス等の不活性ガスで封入するとか、脱酸素剤を併せて封入し保存することが好ましい実施態様である。また、該包装体を開封し小分けする場合の計量や仕込みは不活性ガス置換をして行い、かつその保存についても上記の対策を取るのが好ましい。また、中空糸膜の製造工程においても、原料供給系での供給タンク等を不活性ガス置換する等の手段をとることも好ましい実施態様として推奨される。また、再結晶法や抽出法で過酸化水素量を低下させる方法をとることも排除されない。また、該ポリビニルピロリドンを溶媒に溶解する場合は70℃以下の温度で溶解するのが好ましい。
該溶解を不活性ガス置換した状態で行うのも好ましい実施態様である。
It is presumed that hydrogen peroxide contained in the polyvinyl pyrrolidone used as the raw material is generated in the process of oxidative degradation of polyvinyl pyrrolidone. Therefore, to reduce the hydrogen peroxide content to 300 ppm or less, it is effective to take measures to suppress the oxidative degradation of polyvinylpyrrolidone in the production process of polyvinylpyrrolidone. It is also effective and recommended to take measures to suppress deterioration during transportation and storage of polyvinylpyrrolidone. For example, it is preferable to use an aluminum foil laminated bag to shield the light and enclose it with an inert gas such as nitrogen gas, or to enclose and store an oxygen scavenger together. In addition, when the package is opened and divided into small portions, it is preferable that the measurement and preparation be performed after replacing with an inert gas, and that the above-mentioned measures be taken for the storage. Also, in the manufacturing process of the hollow fiber membrane, it is also recommended as a preferred embodiment to take a means such as replacing the supply tank in the raw material supply system with an inert gas. In addition, it is not excluded to take a method of reducing the amount of hydrogen peroxide by a recrystallization method or an extraction method. Moreover, when dissolving this polyvinylpyrrolidone in a solvent, it is preferable to melt | dissolve at the temperature of 70 degrees C or less.
It is also a preferred embodiment that the dissolution is performed in a state where the inert gas is substituted.
このように、本発明においては、上記のポリビニルピロリドンのみを使用することが好ましいが、例えばポリグリコール等の他の親水性高分子を、本発明の目的の範囲内で併用しても構わない。 Thus, in the present invention, it is preferable to use only the above-mentioned polyvinyl pyrrolidone, but other hydrophilic polymers such as polyglycol may be used in combination within the scope of the present invention.
本発明の選択透過性中空糸膜の製造方法は何ら限定されるものではないが、例えば特開2000−300663号公報に知られるような中空糸膜タイプのものを製造する方法が好ましい。例えば、該特許文献に開示されているポリエーテルスルホン(4800P、住友化学社製)16質量部とポリビニルピロリドン(K−90、BASF社製)5質量部、ジメチルアセトアミド74質量部、水5質量部を混合溶解し、脱泡したものを製膜溶液として、50%ジメチルアセトアミド水溶液を芯液として使用し、これを2重管オリフィスの外側、内側より同時に吐出し、50cmの空走部を経て、75℃、水の凝固浴中に導き中空糸膜を形成し、水洗後まきとり、10000本束ねたところで筒状ポリプロピレン製フィルムに装填して27cmの長さにカットし、ウェットの中空糸膜を製造し、得られたウェットの中空糸膜を60℃のエアを中空糸膜束の長手方向に、一方向から20時間通風することによる乾燥が例示できる。 The method for producing the selectively permeable hollow fiber membrane of the present invention is not limited in any way, but for example, a method for producing a hollow fiber membrane type as disclosed in JP-A No. 2000-300663 is preferred. For example, 16 parts by mass of polyethersulfone (4800P, manufactured by Sumitomo Chemical Co., Ltd.) and 5 parts by mass of polyvinyl pyrrolidone (K-90, manufactured by BASF) disclosed in the patent document, 74 parts by mass of dimethylacetamide, 5 parts by mass of water Was dissolved and defoamed as a film-forming solution, and a 50% dimethylacetamide aqueous solution was used as a core solution, and this was simultaneously discharged from the outside and inside of the double-tube orifice, A hollow fiber membrane is introduced into a water coagulation bath at 75 ° C., washed, washed, and bundled up to 10,000 bundles, loaded into a cylindrical polypropylene film, cut into a length of 27 cm, and a wet hollow fiber membrane is formed. The drying of the wet hollow fiber membrane produced and obtained by passing air at 60 ° C. in the longitudinal direction of the hollow fiber membrane bundle for 20 hours from one direction can be exemplified.
上記のごとく、本発明の選択透過性中空糸膜は、その構成成分である上記のポリスルホン系高分子とポリビニルピロリドンとを溶媒に溶解した製膜溶液を用い、乾湿式製膜法で製造できる。そのような溶媒としては両成分を溶解することのできるジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系やジメチルスルホキサイド等のスルホキサイド系の極性溶媒が用いられる。また、10質量%以下であれば水やアルコール等のポリスルホン系高分子に対する非溶媒を併用しても良い。このことによりポリスルホン系高分子に対するポリビニルピロリドンの相分離の制御がしやすくなる。 As described above, the permselective hollow fiber membrane of the present invention can be produced by a dry and wet membrane formation method using a membrane-forming solution obtained by dissolving the above-described polysulfone-based polymer and polyvinyl pyrrolidone as constituents in a solvent. As such a solvent, an amide-based polar solvent such as dimethylformamide, dimethylacetamide, N-methylpyrrolidone or the like, which can dissolve both components, or a sulfoxide-based polar solvent such as dimethylsulfoxide is used. Moreover, if it is 10 mass% or less, you may use together the nonsolvent with respect to polysulfone type polymers, such as water and alcohol. This facilitates control of the phase separation of polyvinylpyrrolidone with respect to the polysulfone polymer.
本発明の血液浄化器は、上記組成よりなる選択透過性中空糸膜を装填して作製したモジュールに、ヘマトクリット30%、総タンパク濃度6〜7g/dl、クエン酸ナトリウムを添加した37℃の牛血液を200ml/分、濾過流量20ml/分で流したとき、15分後のアルブミンの篩い係数[A]が0.01以上0.1以下で、かつ2時間後のアルブミンの篩い係数[B]が0.005以上0.04未満であることが好ましい(要件1)。15分後のアルブミンの篩い係数は0.01以上0.09以下がより好ましく、0.01以上0.08以下がさらに好ましい。一方、2時間後のアルブミンの篩い係数[B]は0.005以上0.035以下がより好ましく、0.005以上0.03以下がさらに好ましい。15分後および2時間後のアルブミンの篩い係数がそれぞれ大きすぎる場合、有用蛋白質であるアルブミンの透過率が高くなり、患者に対する負担が大きくなる可能性がある。一方、15分後および2時間後のアルブミンの篩い係数がそれぞれ小さすぎる場合は、アルブミンの透過率が低い点では好ましいが、α1マイクログロブリン等の尿毒症物質を効率よく除去できない可能性がある。 The blood purifier of the present invention is a 37 ° C. cow with 30% hematocrit, a total protein concentration of 6-7 g / dl, and sodium citrate added to a module made by loading a selectively permeable hollow fiber membrane having the above composition. When blood was flowed at 200 ml / min and a filtration flow rate of 20 ml / min, the sieving coefficient [A] of albumin after 15 minutes was 0.01 or more and 0.1 or less, and the sieving coefficient of albumin after 2 hours [B] Is preferably 0.005 or more and less than 0.04 (requirement 1). The sieving coefficient of albumin after 15 minutes is preferably from 0.01 to 0.09, more preferably from 0.01 to 0.08. On the other hand, the sieving coefficient [B] of albumin after 2 hours is more preferably 0.005 or more and 0.035 or less, and further preferably 0.005 or more and 0.03 or less. If the sieving coefficients of albumin after 15 minutes and 2 hours are too large, the permeability of albumin, which is a useful protein, is increased, which may increase the burden on the patient. On the other hand, if the sieving coefficients of albumin after 15 minutes and 2 hours are too small, it is preferable in terms of low albumin permeability, but uremic substances such as α1 microglobulin may not be efficiently removed.
アルブミンは生体にとって有用なタンパク質であり、臨床においては血液透析治療1回(除水量3L)あたりのアルブミン漏出量は3g以下が適当と考えられている。アルブミン漏出量が多すぎると、食事摂取量の少ない患者では低アルブミン血症などの障害を引き起こす可能性がある。したがって、血液透析1回あたりのアルブミン漏出量は2.5g以下がより好ましく、2.0g以下がさらに好ましく、1.5g以下がよりさらに好ましい。逆に、生体内にはアルブミンに結合する毒素の存在も知られており、アルブミン漏出量が少なすぎても、種々の障害を引き起こすことがある。したがって、透析治療1回あたりのアルブミン漏出量は0.05g以上が好ましく、0.1g以上がより好ましく、0.15g以上がさらに好ましい。 Albumin is a protein useful for the living body, and it is considered clinically that the amount of albumin leakage per one hemodialysis treatment (water removal amount 3 L) is 3 g or less. Excessive albumin leakage can cause disorders such as hypoalbuminemia in patients with low dietary intake. Therefore, the amount of albumin leakage per hemodialysis is more preferably 2.5 g or less, further preferably 2.0 g or less, and further preferably 1.5 g or less. Conversely, the presence of toxins that bind to albumin is also known in vivo, and even if the amount of albumin leakage is too small, it may cause various disorders. Accordingly, the amount of albumin leakage per dialysis treatment is preferably 0.05 g or more, more preferably 0.1 g or more, and further preferably 0.15 g or more.
また、本発明においては、2時間後のアルブミンの篩い係数[B]が15分後のアルブミンの篩い係数[A]より小さいことがより好ましい実施態様である(要件2)。該要件を満たすことにより本発明の効果が顕著に発現できる。さらに、15分後のアルブミンの篩い係数[A]と2時間後のアルブミンの篩い係数[B]の関係が、[B]/[A]=0.1〜0.4を満足することがさらに好ましい実施態様である(要件3)。[B]/[A]=0.15〜0.38がより好ましい。[B]/[A]が大きすぎる場合は、有用タンパク質であるアルブミンの透過率が高くなり、患者に対する負担が大きくなることがある。一方、[B]/[A]が小さすぎる場合は、α1マイクログロブリン等の尿毒症物質を効率よく除去できなくなる可能性がある。 In the present invention, it is a more preferable embodiment that the sieving coefficient [B] of albumin after 2 hours is smaller than the sieving coefficient [A] of albumin after 15 minutes (requirement 2). By satisfying the requirements, the effects of the present invention can be remarkably exhibited. Furthermore, the relationship between the sieving coefficient [A] of albumin after 15 minutes and the sieving coefficient [B] of albumin after 2 hours satisfies [B] / [A] = 0.1 to 0.4. This is a preferred embodiment (Requirement 3). [B] / [A] = 0.15 to 0.38 is more preferable. When [B] / [A] is too large, the permeability of albumin, which is a useful protein, increases, and the burden on the patient may increase. On the other hand, when [B] / [A] is too small, uremic substances such as α1 microglobulin may not be efficiently removed.
本発明においては、α1マイクログロブリン(分子量33,000)のクリアランスが10ml/min(1.0m2)以上であることが好ましい実施態様である(要件4)。α1マイクログロブリンのクリアランスが小さすぎると、分子量30,000程度の物質の除去量が少ないため、透析合併症の予防効果や痒み・痛みといった臨床症状の改善効果を得られないことがある。したがって、α1マイクログロブリンのクリアランスは12ml/min(1.0m2)以上がより好ましく、15ml/min(1.0m2)以上がさらに好ましく、17ml/min(1.0m2)以上がよりさらに好ましく、20ml/min(1.0m2)以上が特に好ましい。また、α1マイクログロブリンの除去性を高める意味でクリアランスは大きい方が好ましいが、クリアランスを大きくしすぎると有用タンパクであるアルブミンの漏出量を抑えることが難しくなるので、α1マイクログロブリンのクリアランスは100ml/min(1.0m2)以下が好ましく、80ml/min(1.0m2)以下がより好ましく、60ml/min(1.0m2)以下がさらに好ましい。 In the present invention, the clearance of α1 microglobulin (molecular weight 33,000) is preferably 10 ml / min (1.0 m 2 ) or more (requirement 4). If the clearance of α1 microglobulin is too small, the removal amount of a substance having a molecular weight of about 30,000 is small, so that the effect of preventing dialysis complications and the improvement of clinical symptoms such as itch and pain may not be obtained. Therefore, the clearance of α1 microglobulin is preferably 12 ml / min (1.0 m 2 ) or more, more preferably 15 ml / min (1.0 m 2 ) or more, and even more preferably 17 ml / min (1.0 m 2 ) or more. 20 ml / min (1.0 m 2 ) or more is particularly preferable. In addition, it is preferable that the clearance is large in order to enhance the removal property of α1 microglobulin. However, if the clearance is too large, it becomes difficult to suppress the leakage of albumin, which is a useful protein, so the clearance of α1 microglobulin is 100 ml / ml. Min (1.0 m 2 ) or less is preferable, 80 ml / min (1.0 m 2 ) or less is more preferable, and 60 ml / min (1.0 m 2 ) or less is more preferable.
本発明において血液ろ過開始直後のろ液中タンパク濃度の測定を15分後としているのは以下の理由による。本発明において発明の目的から明らかなように血液ろ過直後の膜の細孔径がある値以上を取ることが必要であり、そのため血液ろ過開始後出来るだけ早い時間のろ液中タンパク濃度を正確に測定することが望ましい。しかしながら膜は血液と接触する前に予め生理食塩水でプライミング処理を施してあり膜中およびモジュール中のろ液側は生理食塩水で満たされている。このため血液を流しろ過を始めても最初に得られるろ液は生理食塩水で希釈された状態になっており、正確なろ液中タンパク濃度を得ることは困難である。ろ液流量が15ml/min程度の場合、生理食塩水による希釈の影響を無視できる最短時間はろ過開始後15分である。 In the present invention, the measurement of the protein concentration in the filtrate immediately after the start of blood filtration is 15 minutes later for the following reason. In the present invention, as apparent from the object of the invention, the pore diameter of the membrane immediately after blood filtration must be greater than a certain value, so that the protein concentration in the filtrate is accurately measured as early as possible after the start of blood filtration. It is desirable to do. However, the membrane is pre-primed with physiological saline before coming into contact with blood, and the filtrate side in the membrane and the module is filled with physiological saline. For this reason, even if blood is flowed and filtration is started, the filtrate obtained first is diluted with physiological saline, and it is difficult to obtain an accurate protein concentration in the filtrate. When the filtrate flow rate is about 15 ml / min, the shortest time in which the influence of dilution with physiological saline can be ignored is 15 minutes after the start of filtration.
本発明において120 分後のろ液中タンパク濃度は0.005以上0.04未満が必要である。120 分後のろ液中タンパク濃度が0.005以上であれば分子量3 万程度の分子量物質の除去が治療時間全域にわたって効率的に行われる。0.005未満の場合には治療開始初期の物質除去性能は高いが治療時間全域にわたって除去効果が持続できず好ましくない。また、120 分後のろ液中タンパク濃度が大きすぎると治療時間全域にわたってタンパク質の漏出が多くなり低タンパク血症を引き起こしやすくなる。 In the present invention, the protein concentration in the filtrate after 120 minutes should be 0.005 or more and less than 0.04. If the protein concentration in the filtrate after 120 minutes is 0.005 or more, the removal of the molecular weight substance having a molecular weight of about 30,000 is efficiently performed over the entire treatment time. If it is less than 0.005, the substance removal performance at the beginning of treatment is high, but the removal effect cannot be maintained over the entire treatment time, which is not preferable. Moreover, if the protein concentration in the filtrate after 120 minutes is too high, protein leakage increases throughout the treatment time, and hypoproteinemia tends to occur.
痒みやいらいら感の原因物質は分子量3 万程度と推定されているが、まだ特定されていない。また、分子量は同じでも分子の形が異なると膜で濾過した時の除去特性は一概に定義できない。われわれの検討では15分後のろ液中タンパク濃度が0.01以上のとき、α1マイクログロブリン(分子量33,000)のクリアランスが10ml/min(1.0m2)以上となることが認められている。われわれは実験室的に臨床効果を客観的に判断できる基準として、α1マイクログロブリン(分子量33,000)のクリアランスを導入し、このクリアランスが10ml/min(1.0m2)以上のときに痒みやいらいら感を解消できると考えた。 The causative agent of itchiness and irritation is estimated to have a molecular weight of about 30,000, but has not yet been identified. Also, if the molecular weight is the same but the molecular shape is different, the removal characteristics when filtered through a membrane cannot be defined unconditionally. In our study, when the protein concentration in the filtrate after 15 minutes is 0.01 or more, the clearance of α1 microglobulin (molecular weight 33,000) is found to be 10 ml / min (1.0 m 2 ) or more. Yes. We introduced α1 microglobulin (molecular weight 33,000) clearance as a standard for objectively judging clinical effects in the laboratory, and when this clearance is 10 ml / min (1.0 m 2 ) or more, I thought I could eliminate the irritation.
慢性腎不全患者の血液処理において、有用なタンパク質であるアルブミンの漏れを最小限に抑えることが重要であるが、これを抑えると、一方でα1マイクログロブリンなどの除去率が非常に低下してくる。その適正なバランスを持たせるために、選択透過性中空糸膜の性能について検討すると、ポリスルホン系高分子とポリビニルピロリドンよりなる選択透過性中空糸膜を装填して作製したモジュールに、ヘマトクリット30%、総タンパク濃度6〜7g/dl、クエン酸ナトリウムを添加した37℃の牛血液を200ml/min、ろ過流量20ml/minで流したとき、15分後のアルブミンの篩い係数[A]が0.01以上0.1以下で、かつ2時間後のアルブミンの篩い係数[B]が0.005以上0.04未満の範囲に収まるような特徴を有する選択透過性中空糸膜とすることが最適な条件であることを見出した。このような最適な条件を備えた分離膜を製造するためには、各種の材料、その仕様、製造プロセス、乾燥条件などを制御する重要があるが、この分離膜の構造的な特徴と、アルブミン篩い係数の関係を解析するのも一つの手法である。 In the blood treatment of patients with chronic renal failure, it is important to minimize leakage of albumin, which is a useful protein, but if this is suppressed, the removal rate of α1 microglobulin and the like is greatly reduced. . In order to have the appropriate balance, the performance of the selectively permeable hollow fiber membrane was examined. A module made by loading a selectively permeable hollow fiber membrane made of a polysulfone polymer and polyvinyl pyrrolidone into 30% hematocrit, When 37 ° C. bovine blood with a total protein concentration of 6-7 g / dl and sodium citrate was added at a flow rate of 200 ml / min and a filtration flow rate of 20 ml / min, the sieving coefficient [A] of albumin after 15 minutes was 0.01. Optimum conditions for a selectively permeable hollow fiber membrane having a characteristic that the sieving coefficient [B] of albumin after 2 hours falls within the range of 0.005 or more and less than 0.04 in the range of 0.1 or less I found out. In order to manufacture a separation membrane with such optimum conditions, it is important to control various materials, specifications, manufacturing processes, drying conditions, etc. One method is to analyze the relationship between the sieving coefficients.
本発明の分離膜の有する特性の最も典型的な特徴の一つである中空糸膜の内表面最表層のポリビニルピロリドンの含有量[C]と外表面最表層のポリビニルピロリドンの含有量[D]の関係における[D]/[C]と、15分後のアルブミン篩い係数[A]と2時間後のアルブミン篩い係数[B]との関係を表わしたものが図2である。これによると、本発明の請求項1で特定している[D]/[C]が1.1倍以上になると、アルブミン篩い係数[A]に関しては、実施例1〜3においては、所定の0.01以上0.1以下と、0.005以上0.04未満の範囲に適正に収まり、アルブミンとα1マイクログロブリンとのバランスの取れた、安定した分離膜が得られる。もちろん、ポリビニルピロリドンの分子量、分離膜中の含有量が、そのアルブミン篩い係数に影響するものと考えられるが、本件実施例において検証した範囲では、[D]/[C]が1.1超であることが、アルブミン篩い係数が所定の範囲に収まるという点で、大きな影響を与える要因の一つであることが容易に理解できる。 The content of polyvinyl pyrrolidone on the innermost surface of the hollow fiber membrane [C] and the content of polyvinyl pyrrolidone on the outermost surface of the outer surface [D], which are one of the most typical characteristics of the separation membrane of the present invention FIG. 2 shows the relationship between [D] / [C], albumin sieving coefficient [A] after 15 minutes, and albumin sieving coefficient [B] after 2 hours. According to this, when [D] / [C] specified in claim 1 of the present invention is 1.1 times or more, with respect to albumin sieving coefficient [A], in Examples 1 to 3, a predetermined value is used. A stable separation membrane can be obtained which is properly within the range of 0.01 or more and 0.1 or less and 0.005 or more and less than 0.04 and has a balance between albumin and α1 microglobulin. Of course, the molecular weight of polyvinylpyrrolidone and the content in the separation membrane are considered to affect the albumin sieving coefficient. However, within the range verified in this example, [D] / [C] is over 1.1. It can be easily understood that this is one of the factors having a great influence in that the albumin sieving coefficient falls within a predetermined range.
同様に、アルブミン篩い係数の比である[B]/[A]とポリビニルピロリドン含有比である[D]/[C]の関係を調べると(図3参照)、本件実施例1〜3においては、[D]/[C]が1.1超の場合に、[B]/[A]が、0.1〜0.4の範囲に適性に収まるが、比較例1、2および6においては、分布が大きく外れる。 Similarly, when the relationship between [B] / [A], which is the ratio of albumin sieving coefficient, and [D] / [C], which is the polyvinylpyrrolidone content ratio, is examined (see FIG. 3), When [D] / [C] is more than 1.1, [B] / [A] fits in the range of 0.1 to 0.4. , Distribution greatly deviates.
本発明において、選択透過性中空糸膜に上記した蛋白質分離の選択性バランスを付与する方法は限定されないが、本発明における血液浄化用中空糸膜は、内表面にスキン層を有し、外表面に向かって孔径が拡大する所謂非対称構造を有することが好ましい。さらに、スキン層の厚みは0.1〜1.2μmであることが好ましい(要件6)。実質の分離活性層であるスキン層の厚みは薄い方が、溶質の移動抵抗が小さくなるため好ましく、1.1μm以下がより好ましく、1.0μm以下がさらに好ましい。しかし、スキン層の厚みが薄すぎると、潜在的な細孔構造の欠陥が顕在化しやすくなり、有用タンパクであるアルブミンの漏出を抑えることができなくなるとか、耐圧性を確保するのが難しくなるなどの問題が発生することがある。したがって、スキン層厚みは0.2μm以上が好ましく、0.3μm以上がより好ましく、0.4μm以上がさらに好ましい。 In the present invention, the method for imparting the above-described protein separation selectivity balance to the selectively permeable hollow fiber membrane is not limited, but the blood purification hollow fiber membrane in the present invention has a skin layer on the inner surface, and the outer surface. It is preferable to have a so-called asymmetric structure in which the hole diameter increases toward the bottom. Furthermore, the thickness of the skin layer is preferably 0.1 to 1.2 μm (Requirement 6). A thinner skin layer, which is a substantial separation active layer, is preferable because the solute movement resistance is small, preferably 1.1 μm or less, and more preferably 1.0 μm or less. However, if the thickness of the skin layer is too thin, potential pore structure defects are likely to manifest, making it impossible to suppress leakage of albumin, a useful protein, and making it difficult to ensure pressure resistance, etc. Problems may occur. Therefore, the skin layer thickness is preferably 0.2 μm or more, more preferably 0.3 μm or more, and further preferably 0.4 μm or more.
また、前記の製造方法において、製膜溶液がポリスルホン系高分子、ポリビニルピロリドンおよび溶剤からなり、ポリスルホン系高分子に対するポリビニルピロリドンの比率が10〜18質量%であり、中空形成剤がアミド系溶剤を30〜60質量%含む水溶液であり、該中空形成剤の液温を製膜溶液の液温より30〜60℃低くし、かつその液温が0〜40℃である条件で吐出することも好ましい実施態様である。ポリビニルピロリドン比率としては12.0〜17.5質量%がより好ましく、13.0〜17.5質量%がさらに好ましい。中空形成剤のアミド系溶剤量は32〜58質量%がより好ましく、34〜56質量%がさらに好ましく、35〜54質量%がよりさらに好ましい。中空形成剤の液温を製膜溶液の液温の差は30〜60℃がより好ましく、30〜55℃がさらに好ましく、35〜50℃がよりさらに好ましい。中空形成剤の液温は0〜35℃がより好ましく、5〜30℃がさらに好ましく、10〜30℃がよりさらに好ましい。これらの条件を選ぶことにより選択透過性中空糸膜のスキン層厚み、内表面のポリビニルピロリドン含有量、平均孔径や孔径分布等の内表面特性が最適化され蛋白質の選択性が向上し、本発明の選択透過性中空糸膜が具備すべき必要特性が達成できる。 Further, in the above production method, the film-forming solution comprises a polysulfone polymer, polyvinyl pyrrolidone and a solvent, the ratio of polyvinyl pyrrolidone to the polysulfone polymer is 10 to 18% by mass, and the hollow forming agent is an amide solvent. It is also an aqueous solution containing 30 to 60% by mass, and it is also preferable that the liquid temperature of the hollow forming agent is lower by 30 to 60 ° C. than the liquid temperature of the film forming solution and the liquid temperature is discharged under the condition of 0 to 40 ° C. This is an embodiment. As a polyvinylpyrrolidone ratio, 12.0-17.5 mass% is more preferable, and 13.0-17.5 mass% is further more preferable. The amount of the amide solvent of the hollow forming agent is more preferably 32 to 58% by mass, further preferably 34 to 56% by mass, and still more preferably 35 to 54% by mass. The difference between the liquid temperature of the hollow forming agent and the liquid temperature of the film forming solution is more preferably 30 to 60 ° C, further preferably 30 to 55 ° C, and still more preferably 35 to 50 ° C. The liquid temperature of the hollow forming agent is more preferably 0 to 35 ° C, further preferably 5 to 30 ° C, and still more preferably 10 to 30 ° C. By selecting these conditions, the skin layer thickness of the selectively permeable hollow fiber membrane, the inner surface characteristics such as the polyvinylpyrrolidone content on the inner surface, the average pore size and the pore size distribution are optimized and the protein selectivity is improved. The required properties of the selectively permeable hollow fiber membrane can be achieved.
また、中空形成剤の温度を前記範囲に設定することにより、中空形成剤をノズルより吐出した際、溶け込んでいた溶存気体が気泡となって発生するのを抑制できる。すなわち、中空形成剤中の溶存気体の気泡化を抑制することにより、ノズル直下での糸切れや、ノブの発生を抑えるという副次効果も有する。 In addition, by setting the temperature of the hollow forming agent within the above range, it is possible to suppress the dissolved gas that has dissolved into bubbles when the hollow forming agent is discharged from the nozzle. That is, by suppressing the bubble formation of the dissolved gas in the hollow forming agent, there is also a secondary effect of suppressing the yarn breakage directly under the nozzle and the generation of the knob.
中空形成剤の液温と製膜溶液の液温に温度差を付ける方法も限定されないが、チューブインオリフィス型ノズルとして中空形成剤タンクからノズルまでの配管およびノズルブロック内に熱交換器が設けられ製膜溶液の温度とは別個に液温調整ができる中空形成剤熱媒循環型ブロックを用いるのが好ましい実施態様である。 There is no limitation on the method of making a temperature difference between the liquid temperature of the hollow forming agent and the liquid temperature of the film forming solution, but a tube-in-orifice type nozzle is provided with a heat exchanger in the pipe and nozzle block from the hollow forming agent tank to the nozzle. It is a preferred embodiment to use a hollow forming agent heating medium circulating block capable of adjusting the liquid temperature separately from the temperature of the film forming solution.
また、前記の蛋白質の選択性のバランスを付与する手段として、ポリビニルピロリドンが実質的に非架橋であることが挙げられる(要件8)。本発明においては、選択透過性中空糸膜中に存在するポリビニルピロリドンの血液通過による膨潤効果により、上記の蛋白質の選択性のバランスを付与することをその達成手段の一つの要素としている。すなわち、治療開始時は蛋白質の透過性を高くしておき、透析の進行(血液の通過)にともなって選択透過性中空糸膜中のポリビニルピロリドンの膨潤が進行することによりアルブミンの透過性を経時的に低下させることにより蛋白質分離の選択性を向上させるという効果を利用している。ポリビニルピロリドンが架橋されるとポリビニルピロリドンの分子運動性や血液による膨潤性が低下するので該作用機能が低下し蛋白質分離の選択性が低下することがある。 In addition, as a means for imparting the selectivity balance of the protein, it is mentioned that polyvinylpyrrolidone is substantially non-crosslinked (requirement 8). In the present invention, one of the means for accomplishing this is to provide a balance of the above-mentioned protein selectivity by the swelling effect of the polyvinyl pyrrolidone present in the selectively permeable hollow fiber membrane by the passage of blood. That is, at the start of treatment, the protein permeability is increased, and as the dialysis progresses (the passage of blood), the swelling of polyvinylpyrrolidone in the selectively permeable hollow fiber membranes progresses, so that the albumin permeability increases over time. The effect of improving the selectivity of protein separation by lowering the concentration is utilized. When polyvinylpyrrolidone is cross-linked, the molecular mobility of polyvinylpyrrolidone and the swelling property with blood are lowered, so that the function of action is lowered and the selectivity of protein separation may be lowered.
本発明において、不溶分の含有率は、選択透過性中空糸膜中に存在する全ポリビニルピロリドンに対して30質量%以下が好ましい。25質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましく、15質量%以下がよりさらに好ましく、10質量%以下が特に好ましく、5質量%未満が最も好ましい。該不溶分の含有率はポリビニルピロリドンの架橋度の尺度であり、不溶分の含有率が30質量%を超えた場合は、選択透過性中空糸膜中に存在するポリビニルピロリドンの架橋が進行しているということであり、上記の作用機能が低下し蛋白質の選択性の低下や、選択透過性中空糸膜の血液適合性低下に繋がることがある。ただし、本願発明の選択透過性中空糸膜は、乾燥後の含水率を1〜10質量%に保つのが好ましいため、照射滅菌時にわずかに存在する水分の影響によりある程度の架橋反応が起こる。また、極わずかに架橋(不溶化)させることにより、血液通液時の残血等に悪影響を及ぼさず、かつ溶出物量を減ずるという副次的な効果を発現することができる。したがって、不溶分の含有率は0.1質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上がさらに好ましく、0.5質量%以上がよりさらに好ましい。 In the present invention, the content of the insoluble component is preferably 30% by mass or less based on the total polyvinyl pyrrolidone present in the selectively permeable hollow fiber membrane. 25 mass% or less is more preferable, 20 mass% or less is more preferable, 15 mass% or less is further more preferable, 10 mass% or less is especially preferable, and less than 5 mass% is the most preferable. The content of the insoluble matter is a measure of the degree of crosslinking of polyvinyl pyrrolidone, and when the content of the insoluble content exceeds 30% by mass, the crosslinking of the polyvinyl pyrrolidone present in the selectively permeable hollow fiber membrane proceeds. In other words, the above-mentioned function and function may be reduced, leading to a decrease in protein selectivity and a decrease in blood compatibility of the selectively permeable hollow fiber membrane. However, since the selectively permeable hollow fiber membrane of the present invention preferably maintains the moisture content after drying at 1 to 10% by mass, a certain degree of cross-linking reaction occurs due to the influence of moisture slightly present during irradiation sterilization. In addition, by slightly cross-linking (insolubilizing), it is possible to exert a secondary effect of reducing the amount of the eluate without adversely affecting the residual blood during blood flow. Therefore, the content of insoluble matter is preferably 0.1% by mass or more, more preferably 0.2% by mass or more, further preferably 0.3% by mass or more, and further preferably 0.5% by mass or more.
上記の不溶分の含有量は、簡易的には選択透過性中空糸膜をジメチルホルムアミドに浸漬し溶解させて得られる溶液の不溶分の有無により判断ができる。すなわち、選択透過性中空糸膜10gを100mlのジメチルホルムアミドに溶解して目視で観察して不溶分が見えないものを非架橋と判定する。 The content of the insoluble matter can be simply determined by the presence or absence of insoluble matter in a solution obtained by immersing and dissolving the selectively permeable hollow fiber membrane in dimethylformamide. That is, 10 g of the selectively permeable hollow fiber membrane is dissolved in 100 ml of dimethylformamide and visually observed to determine that no insoluble matter can be seen as non-crosslinked.
本発明においては、選択透過性中空糸膜の膜厚が25〜50μmであることが好ましい(要件7)。膜厚が薄すぎると、耐圧性が低下することがある。また、選択透過性中空糸膜の腰が弱くなりモジュールの組み立て性が低下するという課題にも繋がることがある。したがって、膜厚は26μm以上がより好ましく、27μm以上がさらに好ましい。一方、膜厚が厚すぎると、α1マイクログロブリンのクリアランスの低下やポリビニルピロリドンの溶出量増大につながる。また、膜厚の増大に伴いモジュールを大きくする必要があるなど、例えば、中空糸膜の場合、モジュールがコンパクトであるというメリットを損なうおそれがある。したがって、膜厚は47μm以下がより好ましく、43μm以下がさらに好ましく、40μm以下がよりさらに好ましい。 In the present invention, the thickness of the selectively permeable hollow fiber membrane is preferably 25 to 50 μm (Requirement 7). If the film thickness is too thin, the pressure resistance may decrease. In addition, the permselective hollow fiber membrane may become weak, leading to a problem that the assemblability of the module is lowered. Therefore, the film thickness is more preferably 26 μm or more, and further preferably 27 μm or more. On the other hand, if the film thickness is too thick, it leads to a decrease in clearance of α1 microglobulin and an increase in the elution amount of polyvinylpyrrolidone. In addition, for example, in the case of a hollow fiber membrane, there is a possibility of losing the merit that the module is compact. Therefore, the film thickness is more preferably 47 μm or less, further preferably 43 μm or less, and still more preferably 40 μm or less.
本発明においては、選択透過性中空糸膜の内表面の最表層におけるポリビニルピロリドンの含有量が20〜40質量%であることが好ましい(要件9)。最表層のポリビニルピロリドン含有量が少なすぎると、中空糸膜内表面の親水性が低く血液適合性が悪化し中空糸膜表面で血液の凝固が発生しやすくなり、凝固した血栓による中空糸膜の閉塞が発生し中空糸膜の分離性能が低下したり、血液透析に使用した後の残血が増えたりすることがある。中空糸膜内表面の最表層のポリビニルピロリドンの含有量は、21質量%以上がより好ましく、22質量%以上がさらに好ましく、23質量%以上がよりさらに好ましい。一方、最表層のポリビニルピロリドン含有量が多すぎると、血液に溶出するポリビニルピロリドン量が増大し、該溶出したポリビニルピロリドンの長期的な体内蓄積による副作用や合併症が起こる可能性がある。中空糸膜内表面の最表層のポリビニルピロリドンの含有量は38質量%以下がより好ましく、36質量%以下がさら好ましい。 In the present invention, the content of polyvinyl pyrrolidone in the outermost layer on the inner surface of the selectively permeable hollow fiber membrane is preferably 20 to 40% by mass (Requirement 9). If the content of polyvinyl pyrrolidone in the outermost layer is too small, the hydrophilicity of the inner surface of the hollow fiber membrane is low and blood compatibility is deteriorated, and blood coagulation is likely to occur on the surface of the hollow fiber membrane. Occlusion may occur and the separation performance of the hollow fiber membrane may decrease, or residual blood after use for hemodialysis may increase. The content of polyvinyl pyrrolidone in the outermost layer on the inner surface of the hollow fiber membrane is more preferably 21% by mass or more, further preferably 22% by mass or more, and further preferably 23% by mass or more. On the other hand, if the polyvinyl pyrrolidone content in the outermost layer is too large, the amount of polyvinyl pyrrolidone eluted in the blood increases, and side effects and complications due to long-term accumulation of the eluted polyvinyl pyrrolidone in the body may occur. The content of polyvinyl pyrrolidone in the outermost layer on the inner surface of the hollow fiber membrane is more preferably 38% by mass or less, and further preferably 36% by mass or less.
また、血液適合性は血漿タンパクの吸着量によっても影響を受ける。すなわち、親水性の蛋白質である血漿タンパクが、選択透過性中空糸膜の内表面(血液接触側表面)に吸着されることにより、表面の親水性が増し血液適合性が向上する。本発明においては、臨床症状(痒み・痛み)改善効果および選択透過性中空糸膜の血液適合性の指標として、血漿タンパク中のα1マイクログロブリン(分子量33,000)の吸着量が2.0〜20mg/m2であることが好ましい(要件5)。また、α1マイクログロブリンは、血液(血漿)中で免疫グロブリン(分子量10万以上)と結合しやすい性質を有する。免疫グロブリンに結合したα1マイクログロブリンは選択透過性中空糸膜の細孔よりも大きくなるため、篩い効果だけでは十分に除去しきれない問題がある。そのため、臨床症状の改善効果を高める目的で、選択透過性中空糸膜への吸着という効果により除去量を高めるのが本発明の別の態様である。α1マイクログロブリンの吸着量が少なすぎると、血液適合性の低下や臨床症状改善効果が不足することがある。したがって、該吸着量は2.5mg/m2以上がより好ましく、3.0mg/m2で以上がさらに好ましく、3.5mg/m2がよりさらに好ましい。逆に、該吸着量が多すぎると、有効細孔径の減少につながり、ひいては中分子量物質〜低分子量タンパクの除去性が低下する可能性がある。したがって、該吸着量は19mg/m2以下がより好ましく、18mg/m2以下がさらに好ましく、17mg/m2がよりさらに好ましい。 Blood compatibility is also affected by the amount of plasma protein adsorbed. That is, plasma protein, which is a hydrophilic protein, is adsorbed to the inner surface (blood contact side surface) of the selectively permeable hollow fiber membrane, thereby increasing the hydrophilicity of the surface and improving blood compatibility. In the present invention, the adsorption amount of α1 microglobulin (molecular weight: 33,000) in plasma protein is 2.0 to 2.0 as an index of clinical symptoms (itch / pain) improving effect and blood compatibility of the selectively permeable hollow fiber membrane. It is preferably 20 mg / m 2 (Requirement 5). In addition, α1 microglobulin has a property of easily binding to immunoglobulin (molecular weight of 100,000 or more) in blood (plasma). Since α1 microglobulin bound to immunoglobulin becomes larger than the pores of the selectively permeable hollow fiber membrane, there is a problem that it cannot be sufficiently removed only by the sieving effect. Therefore, in order to enhance the effect of improving clinical symptoms, it is another aspect of the present invention that the removal amount is increased by the effect of adsorption to the selectively permeable hollow fiber membrane. If the amount of α1 microglobulin adsorbed is too small, the blood compatibility may be deteriorated and the effect of improving clinical symptoms may be insufficient. Therefore, the adsorption amount is more preferably 2.5 mg / m 2 or more, more preferably 3.0 mg / m 2 or more, and even more preferably 3.5 mg / m 2 . On the other hand, when the amount of adsorption is too large, it leads to a decrease in effective pore diameter, and as a result, the removability of medium molecular weight substances to low molecular weight proteins may decrease. Therefore, the amount of adsorption is more preferably 19 mg / m 2 or less, more preferably 18 mg / m 2 or less, 17 mg / m 2 even more preferably more.
α1マイクログロブリンの吸着量を上記範囲にするためには、前述の内表面の最表層ポリビニルピロリドンの含有量の最適化が大きく寄与している。その他、内表面の表層の形態によっても影響を受ける。これらの特性を付与する方法は限定されないが、例えば、前述および後述の製造条件を組み合わせることにより達成することができる。特に、中空形成剤の液温の影響を大きく受ける。従って、前述の中空形成剤の液温を製膜溶液の液温より30〜60℃低くし、かつその液温が0〜40℃である条件で吐出することが重要である。このことにより、内表面の最表層面ポリビニルピロリドンの含有量が最適化される。さらに、上記条件において製膜時のドラフト比を高めることで、内表面の表層に中空糸膜の長手方向に連続した筋状のミクロの凹凸が形成される。このミクロの凹凸により、内表面の表面積が増大し吸着量が最適化される。加えて、α1マイクログロブリンの吸着量は中空糸膜の内表面のポリビニルピロリドンの配向度の影響を受ける。配向度が高い方が吸着量が増大する。従って、図1に示すように、製膜時のチューブインオリフィスノズル内の製膜溶液の剪断応力を1×104〜1×108s-1の範囲にすることが好ましい実施態様である。剪断応力が小さすぎる場合には、中空糸膜内表面のポリビニルピロリドンの配向度が小さくなるためα1マイクログロブリンの吸着量が減少する可能性がある。したがって、ノズル内での剪断応力は5×104s-1以上がより好ましく、1×105s-1以上が更に好ましく、5×105s-1以上がより更に好ましい。また、剪断応力が大きすぎる場合には、中空糸膜内表面のポリビニルピロリドンの結晶化が進行し、溶質の透過性が低下する可能性がある。したがって、剪断応力は5×107s-1以下がより好ましく、1×107s-1以下がさらに好ましく、5×106s-1以下がよりさらに好ましい。また、同様に製膜原液が剪断応力を受ける時間を規定することも重要な要件である。剪断応力時間は1×10-5〜0.1secが好ましい。より好ましくは5×10-4〜5×10-2sec、さらに好ましくは1×10-4〜1×10-2secである。これらの要件を達成するための具体的なノズル形状としては、製膜原液吐出孔の最大外径が100〜700μm、ランド長が0.1〜5mmであることが好ましい。最大外径は150〜600μmがより好ましく、180〜550μmがさらに好ましく、200〜500μmがよりさらに好ましい。このようなノズルを用いることにより、ノズル内で剪断を受けた製膜原液が、ノズルより吐出後、適度に配向し、かつ血液接触表面にミクロな凹凸を形成することが可能となる。 In order to bring the adsorption amount of α1 microglobulin into the above range, the optimization of the content of the outermost surface polyvinylpyrrolidone on the inner surface greatly contributes. In addition, it is affected by the form of the surface layer on the inner surface. The method for imparting these characteristics is not limited, but can be achieved by combining the manufacturing conditions described above and below, for example. In particular, it is greatly affected by the liquid temperature of the hollow forming agent. Therefore, it is important that the liquid temperature of the hollow forming agent is 30 to 60 ° C. lower than the liquid temperature of the film-forming solution and the liquid temperature is 0 to 40 ° C. This optimizes the content of the innermost surface polyvinylpyrrolidone on the inner surface. Furthermore, by increasing the draft ratio at the time of film formation under the above conditions, streak-like micro irregularities that are continuous in the longitudinal direction of the hollow fiber membrane are formed on the surface layer of the inner surface. This micro unevenness increases the surface area of the inner surface and optimizes the amount of adsorption. In addition, the amount of α1 microglobulin adsorbed is affected by the degree of orientation of polyvinylpyrrolidone on the inner surface of the hollow fiber membrane. The higher the degree of orientation, the greater the amount of adsorption. Therefore, as shown in FIG. 1, it is a preferred embodiment that the shear stress of the film forming solution in the tube-in-orifice nozzle during film forming is in the range of 1 × 10 4 to 1 × 10 8 s −1 . If the shear stress is too small, the degree of orientation of the polyvinyl pyrrolidone on the inner surface of the hollow fiber membrane becomes small, which may reduce the amount of α1 microglobulin adsorbed. Therefore, the shear stress in the nozzle is more preferably 5 × 10 4 s −1 or more, further preferably 1 × 10 5 s −1 or more, and even more preferably 5 × 10 5 s −1 or more. When the shear stress is too large, crystallization of polyvinyl pyrrolidone on the inner surface of the hollow fiber membrane proceeds, and the solute permeability may be reduced. Therefore, the shear stress is more preferably 5 × 10 7 s −1 or less, further preferably 1 × 10 7 s −1 or less, and further preferably 5 × 10 6 s −1 or less. Similarly, it is an important requirement to define the time during which the film-forming stock solution is subjected to shear stress. The shear stress time is preferably 1 × 10 −5 to 0.1 sec. More preferably, it is 5 * 10 < -4 > -5 * 10 <-2 > sec, More preferably, it is 1 * 10 < -4 > -1 * 10 <-2 > sec. As a specific nozzle shape for achieving these requirements, it is preferable that the maximum outer diameter of the film-forming stock solution discharge hole is 100 to 700 μm and the land length is 0.1 to 5 mm. The maximum outer diameter is more preferably 150 to 600 μm, further preferably 180 to 550 μm, and still more preferably 200 to 500 μm. By using such a nozzle, it becomes possible for the film-forming stock solution that has been sheared in the nozzle to be appropriately oriented after ejection from the nozzle and to form micro unevenness on the blood contact surface.
また、該α1マイクログロブリンの吸着量は、中空糸膜の血液接触側表面の荷電状態の影響も受ける。本発明においては、中空糸膜の製造に用いる水はRO水を用いることが効果的である。例えば、中空糸膜の洗浄工程において、RO水を使用することで、膜に付着している帯電性物質を効率よく除去することができる。当然のことながら、RO水にはイオン性物質は含有されていないので、イオンが膜に吸着することもない。使用するRO水は比抵抗が0.3〜2MΩcmのものが好ましく、さらには0.4〜1.9MΩcmのものが好ましい。 The amount of α1 microglobulin adsorbed is also affected by the charged state of the blood contact surface of the hollow fiber membrane. In the present invention, it is effective to use RO water as the water used for producing the hollow fiber membrane. For example, in the washing process of the hollow fiber membrane, by using RO water, the chargeable substance adhering to the membrane can be efficiently removed. As a matter of course, since ionic substances are not contained in the RO water, ions are not adsorbed on the membrane. The RO water used preferably has a specific resistance of 0.3 to 2 MΩcm, more preferably 0.4 to 1.9 MΩcm.
前記α1マイクログロブリンの吸着量は、血液適合性の向上のみでなくα1マイクログロブリンの除去に対しても寄与しており、透析合併症の予防効果や痒み・痛みといった臨床症状の改善効果にも好結果を及ぼすものと思われる。 The adsorbed amount of α1 microglobulin contributes not only to the improvement of blood compatibility but also to the removal of α1 microglobulin, and is also favorable for the effect of preventing dialysis complications and clinical symptoms such as itching and pain. It seems to have an effect.
本発明においては、選択透過性中空糸膜の内表面の表面近傍層におけるポリビニルピロリドンの含有量が5〜20質量%であることが好ましい(要件10)。7〜18質量%がより好ましい。上記のごとく選択透過性中空糸膜における内表面の最表層のポリビニルピロリドンの含有量は、血液適合性の点より高い方が好ましいが、該含有量が増加すると血液へのポリビニルピロリドンの溶出量が増大するという二律背反の現象となる。本発明においては、選択透過性中空糸膜の最表層のポリビニルピロリドンの含有量を血液適合性が発現できる最低のレベルに設定した。ただし、該最表層の含有量では、初期の血液適合性は満足できるが長期透析をすると該最表層に存在するポリビニルピロリドンが少しずつであるが血液に溶出していき、透析の経過とともに段々と血液適合性が低下していくという課題が発生する。本発明は、該課題を表面近傍層に存在するポリビニルピロリドンの最表層への移動により補給することで解決するという技術思想により完成したものである。中空糸膜内表面近傍層のポリビニルピロリドンの含有量が少なすぎると、最表層へのポリビニルピロリドンの供給が行われないため、溶質除去性能や血液適合性の経時安定性が低下する可能性がある。したがって、中空糸膜内表面近傍層のポリビニルピロリドンの含有量は、6質量%以上がより好ましく、7質量%以上がさらに好ましい。一方、中空糸膜内表面近傍層のポリビニルピロリドンの含有量が多すぎると、血液に溶出するポリビニルピロリドンの量が増大し長期透析による副作用や合併症が起こる可能性がある。したがって、中空糸膜内表面近傍層のポリビニルピロリドンの含有量は、19質量%以下がより好ましく、18質量%以下がさらに好ましい。 In this invention, it is preferable that content of polyvinylpyrrolidone in the surface vicinity layer of the inner surface of a selectively permeable hollow fiber membrane is 5-20 mass% (requirement 10). 7-18 mass% is more preferable. As described above, the content of polyvinyl pyrrolidone in the outermost layer on the inner surface of the selectively permeable hollow fiber membrane is preferably higher than the blood compatibility point, but when the content increases, the amount of polyvinyl pyrrolidone eluted into the blood increases. It becomes a contradictory phenomenon of increasing. In the present invention, the content of polyvinyl pyrrolidone in the outermost layer of the selectively permeable hollow fiber membrane is set to the lowest level at which blood compatibility can be expressed. However, with the content of the outermost layer, the initial blood compatibility is satisfactory, but when dialysis is performed for a long time, the polyvinyl pyrrolidone present in the outermost layer gradually elutes into the blood, and gradually with the progress of dialysis. The problem that blood compatibility falls will generate | occur | produce. The present invention has been completed based on the technical idea that this problem is solved by replenishing the polyvinyl pyrrolidone present in the layer near the surface by movement to the outermost layer. If the content of polyvinyl pyrrolidone in the inner surface layer of the hollow fiber membrane is too small, the supply of polyvinyl pyrrolidone to the outermost layer will not be performed, which may reduce the solute removal performance and the stability over time of blood compatibility. . Therefore, the content of polyvinyl pyrrolidone in the hollow fiber membrane inner surface vicinity layer is more preferably 6% by mass or more, and further preferably 7% by mass or more. On the other hand, if the content of polyvinylpyrrolidone in the inner layer near the inner surface of the hollow fiber membrane is too large, the amount of polyvinylpyrrolidone eluted in the blood increases, which may cause side effects and complications due to long-term dialysis. Therefore, the content of polyvinyl pyrrolidone in the hollow fiber membrane inner surface vicinity layer is more preferably 19% by mass or less, and further preferably 18% by mass or less.
本発明においては、選択透過性中空糸膜における外表面最表層のポリビニルピロリドンの含有量が25〜50質量%であり、かつ(外表面最表層のポリビニルピロリドンの含有量)/(内表面最表層のポリビニルピロリドンの含有量)≧1.1であることが好ましい(要件11)。外表面の最表層におけるポリビニルピロリドンの含有量が少なすぎると、中空糸膜の支持層部分への血中タンパクの吸着量が増えるため血液適合性や透過性能の低下が起こる可能性がある。また、乾燥膜の場合、プライミング性が悪化することがある。したがって、外表面最表層のポリビニルピロリドンの含有量は27質量%以上がより好ましく、29質量%以上がさらに好ましく、31質量%以上がよりさらに好ましい。逆に、外表面のポリビニルピロリドンの含有量が多すぎると、透析液に含まれるエンドトキシン(内毒素)が血液側へ浸入する可能性が高まり、発熱等の副作用を引き起こすことに繋がるとか、膜を乾燥させた時に該表面に存在するポリビニルピロリドンが介在し、中空糸膜同士が固着し、モジュール組み立て性が悪化する等の課題を引き起こす可能性がある。外表面におけるポリビニルピロリドンの含有量は43質量%以下がより好ましく、41質量%以下がさらに好ましく、39質量%以下がよりさらに好ましい。 In the present invention, the content of polyvinylpyrrolidone in the outermost surface outermost layer in the selectively permeable hollow fiber membrane is 25 to 50% by mass, and (content of polyvinylpyrrolidone in the outermost surface outermost layer) / (the innermost surface outermost layer) The content of polyvinyl pyrrolidone) is preferably ≧ 1.1 (Requirement 11). If the content of polyvinyl pyrrolidone in the outermost surface layer of the outer surface is too small, the blood protein adsorption amount to the support layer portion of the hollow fiber membrane increases, so that blood compatibility and permeation performance may be lowered. In the case of a dry film, the priming property may be deteriorated. Accordingly, the content of polyvinyl pyrrolidone in the outermost outermost layer is more preferably 27% by mass or more, further preferably 29% by mass or more, and further preferably 31% by mass or more. Conversely, if the content of polyvinylpyrrolidone on the outer surface is too high, the endotoxin (endotoxin) contained in the dialysate may enter the blood side, leading to side effects such as fever, When it is dried, polyvinyl pyrrolidone present on the surface intervenes, and the hollow fiber membranes are fixed to each other, which may cause problems such as deterioration in module assembly. The content of polyvinylpyrrolidone on the outer surface is more preferably 43% by mass or less, further preferably 41% by mass or less, and further preferably 39% by mass or less.
また、外表面最表層のポリビニルピロリドンの含有量は、内表面の最表層のポリビニルピロリドンの含有量の1.1倍以上であることが好ましい。ポリビニルピロリドンの含有量は、製膜後の中空糸膜の収縮率に影響を与える。すなわち、ポリビニルピロリドンの含有量が高くなるに従い、中空糸膜の収縮率は大きくなる。例えば、内表面最表層のポリビニルピロリドンの含有量が外表面最表層のポリビニルピロリドンの含有量よりも高い場合、内表面側と外表面側の収縮率の違いにより、内表面側にミクロな皺が発生したり、中空糸膜が破断することがある。内表面側に皺が入ると、例えば、血液透析に使用した場合、血液を流したときに血中タンパク質等が膜面に堆積しやすくなるため、経時的に透過性能が低下するなどの問題に繋がる可能性がある。このような理由から、外表面側のポリビニルピロリドンの含有量を高くするのが好ましい。さらに、本発明の中空糸膜は、内表面に緻密層を有し、外表面に向かって次第に孔径が拡大する構造を有している。すなわち、内表面側に比較して外表面側の方が空隙率が高いため、より外表面側の収縮率が大きくなる特性を有している。そのあたりの影響も加味すると、外表面最表層のポリビニルピロリドンの含有量は、内表面最表層のポリビニルピロリドンの含有量の1.1倍以上であることが好ましい。より好ましくは、1.2倍以上、さらに好ましくは1.3倍以上である。
前記理由により、外表面最表層のポリビニルピロリドンの含有量は高い方が好ましいが、2.0倍を超えるとポリスルホン系高分子に対するポリビニルピロリドンの含有量が高くなりすぎ、強度不足や中空糸膜同士の固着、血液透析使用時のエンドトキシンの逆流入、ポリビニルピロリドン溶出などの問題を引き起こす可能性がある。したがって、より好ましくは1.9倍以下、さらに好ましくは1.8倍以下、よりさらに好ましくは1.7倍以下である。
In addition, the content of polyvinyl pyrrolidone on the outermost surface layer is preferably 1.1 times or more the content of polyvinyl pyrrolidone on the outermost surface layer on the inner surface. The content of polyvinyl pyrrolidone affects the shrinkage rate of the hollow fiber membrane after film formation. That is, as the content of polyvinyl pyrrolidone increases, the shrinkage rate of the hollow fiber membrane increases. For example, when the content of polyvinyl pyrrolidone in the outermost surface layer is higher than the content of polyvinyl pyrrolidone in the outermost surface layer, micro wrinkles are formed on the inner surface side due to the difference in shrinkage between the inner surface side and the outer surface side. May occur or the hollow fiber membrane may break. If wrinkles enter the inner surface, for example, when used for hemodialysis, blood proteins and the like are likely to be deposited on the membrane surface when blood is flowed, so the permeation performance deteriorates over time. There is a possibility of connection. For these reasons, it is preferable to increase the content of polyvinyl pyrrolidone on the outer surface side. Furthermore, the hollow fiber membrane of the present invention has a dense layer on the inner surface and a structure in which the pore diameter gradually increases toward the outer surface. That is, since the porosity on the outer surface side is higher than that on the inner surface side, the shrinkage rate on the outer surface side is larger. In consideration of the influence, the content of polyvinyl pyrrolidone in the outermost surface layer is preferably 1.1 times or more than the content of polyvinyl pyrrolidone in the outermost surface layer. More preferably, it is 1.2 times or more, and further preferably 1.3 times or more.
For the above reasons, it is preferable that the content of polyvinyl pyrrolidone on the outermost surface layer is higher. However, if the content exceeds 2.0 times, the content of polyvinyl pyrrolidone with respect to the polysulfone-based polymer becomes too high, resulting in insufficient strength or between the hollow fiber membranes. May cause problems such as adhering to the blood, reverse endotoxin flow during hemodialysis, and elution of polyvinylpyrrolidone. Therefore, it is more preferably 1.9 times or less, further preferably 1.8 times or less, and still more preferably 1.7 times or less.
内表面最表層と内表面近傍層に関して、詳細にその二層の違いをみると、親水性高分子の含有量差による二層構造であり、選択透過性中空糸膜は一般に、内表面のスキン層(緻密層)から外表面に向かうに従い、孔径が拡大する傾向にあるから、最表層部分と表面近傍部分で密度差のある二層構造となることもある。この各層の厚み及びその境界線は、選択透過性中空糸膜の製造条件により任意に変わるものであり、また、その層の構造は性能にも多少なりとも影響する。そうすると、溶媒交換による中空糸膜の製造工程から推測しても、最表層と表面近傍層がほとんど同時に、しかも両層が隣接して製造されている事情からすれば、一応二層が形成されることは認識できても、境界は鮮明に線引きできるようなものではなく、二層に跨る親水性高分子の含有量の分布曲線をみるなら、連続線で繋がるような場合が多く、ポリビニルピロリドンにおいて親水性高分子の含有量の分布曲線に断層ができるために、材料挙動の違う不連続な2つの層ができると仮定することは技術的に無理があろう。ポリビニルピロリドンの含有量を最表層で20〜40質量%、表面近傍層のそれを5〜20質量%ということが最適範囲として一応規定しているが、ポリビニルピロリドンが表面近傍層から最表層へと拡散移動するという機構からすれば、例えば、最表層が40質量%で表面近傍層が5質量%というような設計では機能上十分に作用しないこともありうる。要するに、二層に存在する単純なポリビニルピロリドンの含有量の較差に着目して設計することも重要である。その適正な較差値としては、すなわち、表面近傍層ポリビニルピロリドン含有量に対する最表層ポリビニルピロリドン含有量の比が1.1倍以上であるということは、具体的には、ニ層のポリビニルピロリドンの含有量の差が、1〜35質量%程度、最適には5〜25質量%程度の違いがあれば、ポリビニルピロリドンの表面近傍層から最表層への拡散移動が円滑に行なわれることを意味する。例えば、最表層を32質量%とすると、表面近傍層は、7〜27質量%程度の範囲にあることになり、これは1.1〜10倍という程度の要件を満たすことになる。 Regarding the innermost surface layer and the inner surface vicinity layer, the difference between the two layers in detail is a two-layer structure due to the difference in the content of the hydrophilic polymer. The permselective hollow fiber membrane is generally a skin on the inner surface. Since the pore diameter tends to increase from the layer (dense layer) toward the outer surface, a two-layer structure with a difference in density between the outermost layer and the vicinity of the surface may be formed. The thickness of each layer and its boundary line are arbitrarily changed depending on the manufacturing conditions of the selectively permeable hollow fiber membrane, and the structure of the layer has some influence on the performance. Then, even if guessed from the manufacturing process of the hollow fiber membrane by solvent exchange, if the outermost layer and the surface vicinity layer are manufactured almost at the same time and both layers are manufactured adjacent to each other, two layers are formed once. Even if it can be recognized, the boundary is not something that can be drawn clearly, and if you look at the distribution curve of the content of hydrophilic polymer across two layers, it is often connected by a continuous line, in polyvinylpyrrolidone It would be technically impossible to assume that there are two discontinuous layers with different material behaviors because of the fault in the distribution curve of the content of the hydrophilic polymer. The content of polyvinyl pyrrolidone is 20-40% by mass on the outermost layer and 5-20% by mass on the surface vicinity layer as the optimum range, but polyvinyl pyrrolidone is changed from the surface vicinity layer to the outermost layer. In terms of the mechanism of diffusion movement, for example, a design in which the outermost layer is 40% by mass and the surface vicinity layer is 5% by mass may not function sufficiently. In short, it is also important to design by paying attention to the difference in the content of simple polyvinyl pyrrolidone present in the two layers. As the appropriate difference value, that is, the ratio of the outermost layer polyvinylpyrrolidone content to the surface vicinity layer polyvinylpyrrolidone content is 1.1 times or more, specifically, the content of the two layers of polyvinylpyrrolidone If the difference in the amount is about 1 to 35% by mass, and optimally about 5 to 25% by mass, it means that the diffusion movement of the polyvinyl pyrrolidone from the surface vicinity layer to the outermost layer is smoothly performed. For example, when the outermost layer is 32% by mass, the surface vicinity layer is in the range of about 7 to 27% by mass, which satisfies the requirement of about 1.1 to 10 times.
なお、上記ポリビニルピロリドンの内外表面最表層の含有量は、後述のごとくESCA法で測定し算出したものであり、内外表面の最表層部分(表層からの深さ数Å〜数十Å)の含有量の絶対値を求めたものである。通常は、ESCA法では、表面より深さが10nm(100Å)程度までのポリビニルピロリドン含有量を測定可能である。また、表面近傍層のポリビニルピロリドンの含有量は、表面赤外分光法(ATR法)によって測定したもので、ATR法(表面近傍層)では、表面より深さ1000〜1500nm(1〜1.5μm)程度までのポリビニルピロリドン含有量を測定可能である。 In addition, the content of the innermost and outermost surface layers of the polyvinyl pyrrolidone is measured and calculated by the ESCA method as described later, and the content of the outermost surface layer portions (the depth from the surface layer to several tens of feet) on the inner and outer surfaces. This is the absolute value of the quantity. Usually, the ESCA method can measure the polyvinylpyrrolidone content up to about 10 nm (100 mm) deep from the surface. The content of polyvinyl pyrrolidone in the surface vicinity layer is measured by surface infrared spectroscopy (ATR method). In the ATR method (surface vicinity layer), the depth is 1000 to 1500 nm (1 to 1.5 μm from the surface). It is possible to measure polyvinylpyrrolidone content up to a degree.
内外表面最表層のポリビニルピロリドンの含有量は、ポリビニルピロリドンの分子量にも関係することがある。例えば、分子量120万程度という高い分子量のポリビニルピロリドンを使用した場合より、分子量45万程度の低い分子量のポリビニルピロリドンを使用すると、凝固において、ポリビニルピロリドンの溶解性や溶出量が大きいことや、拡散移動が大きいという理由などにおいて、ポリスルホン系高分子に対するポリビニルピロリドンの比率1〜20質量%に対して、最表層20〜40質量%および表面近傍層5〜20質量%というように、相対的に高いポリビニルピロリドンの含有量のものが製造できるという傾向にある。 The content of polyvinyl pyrrolidone on the innermost and outermost surface layers may be related to the molecular weight of polyvinyl pyrrolidone. For example, when polyvinyl pyrrolidone having a molecular weight of about 450,000 is lower than when using polyvinyl pyrrolidone having a high molecular weight of about 1,200,000, the solubility and elution amount of polyvinyl pyrrolidone is large in coagulation, Is relatively high, such as 20 to 40% by mass of the outermost layer and 5 to 20% by mass of the surface vicinity layer with respect to 1 to 20% by mass of the polyvinylpyrrolidone to the polysulfone polymer. A pyrrolidone content tends to be produced.
本発明における上記要件5、9、10および11を達成する方法としては、例えば、ポリスルホン系高分子に対するポリビニルピロリドンの構成割合を前記した範囲にすることや、選択透過性中空糸膜の製膜条件を最適化する等により達成できる。具体的には、選択透過性中空糸膜内表面側に形成される緻密層において最表層と表面近傍層で密度差のある2層構造とするのが好ましい。すなわち、詳細な理由はわからないが、製膜溶液中のポリスルホン系高分子とポリビニルピロリドンの質量割合および中空形成剤濃度と温度を後述するような範囲にすることにより、中空糸膜内表面の最表層と表面近傍層の凝固速度および/または相分離速度に差が生じ、かつポリスルホン系高分子とポリビニルピロリドンの溶媒/水への溶解性の違いが上記要件の特性を発現するのではないかと考える。また、要件9に対しては乾燥条件の適正化が重要なポイントである。すなわち、湿潤状態の中空糸膜を乾燥する際、水に溶解しているポリビニルピロリドンは水の移動に伴い、中空膜内部より表面側に移動する。ここで、後述するような乾燥条件を用いることにより、水の移動にある程度の速度を持たせ、かつ中空糸膜全体で移動速度を均一にすることができ、中空糸膜内部のポリビニルピロリドンは斑なく速やかに両表面側に移動する。膜面からの水の蒸発は中空糸膜内表面側よりも外表面側からの方がより多くなるので、したがって外表面側に移動するポリビニルピロリドンの量が多くなり本願発明の選択透過性中空糸膜の特徴である要件9を達成できるものと推測する。また、要件9を達成することに対しては、中空糸膜の洗浄方法や条件も重要であり最適化が望ましい。
Examples of a method for achieving the
本発明においては、選択透過性中空糸膜における外表面の開孔率が25〜35%であることが好ましい(要件12)。開孔率が小さすぎる場合には、中空糸膜間の固着が起こりやすくなる可能性がある。したがって、外表面の開孔率は27%以上がより好ましく、29%以上がさらに好ましい。逆に、開孔率が大きすぎると、選択透過性中空糸膜の空隙率が大きくなるため、所期のバースト圧を得ることが難しくなり、有用タンパクであるアルブミン等の漏出を抑えきれない可能性がある。したがって、外表面の開孔率は33%以下がより好ましく、31%以下がさらに好ましい。 In the present invention, the porosity of the outer surface of the selectively permeable hollow fiber membrane is preferably 25 to 35% (Requirement 12). When the open area ratio is too small, there is a possibility that sticking between the hollow fiber membranes is likely to occur. Therefore, the porosity of the outer surface is more preferably 27% or more, and even more preferably 29% or more. Conversely, if the open area ratio is too large, the porosity of the selectively permeable hollow fiber membrane will increase, making it difficult to obtain the desired burst pressure, and it may not be possible to suppress leakage of albumin, which is a useful protein. There is sex. Therefore, the porosity of the outer surface is more preferably 33% or less, and even more preferably 31% or less.
開孔率を上記範囲にする方法は限定されないが、例えば特許文献6に記載の方法に準じて実施する方法が挙げられる。ただし、該方法で実施した場合は、膜強度が低くなり血液リーク等の課題に繋がるという可能性を有している。従って、選択透過性中空糸膜のバースト圧が0.5MPa以上(要件13)がクリアできないので、この課題解決のための方策の導入が必要になる。なお、選択透過性中空糸膜のバースト圧とは、選択透過性中空糸膜の耐圧性能の指標で、中空糸膜内側を気体で加圧し、加圧圧力を徐々に上げていき、中空糸膜が内部圧に耐えきれずに破裂(バースト)したときの圧力である。バースト圧は高いほど使用時の中空糸膜の切断やピンホールの発生が少なくなるので0.55MPa以上がより好ましく、0.6MPa以上がさらに好ましい。バースト圧が0.5MPa未満では潜在的な欠陥を有している可能性がある。また、バースト圧は高いほど好ましいが、バースト圧を高めることに主眼を置き、膜厚を厚くしすぎたり、空隙率を下げすぎると所望の膜性能を得ることができなくなることがある。したがって、血液透析膜として仕上げる場合には、バースト圧は2.0MPa未満が好ましい。より好ましくは、1.7MPa未満、さらに好ましくは1.5MPa未満、よりさらに好ましくは1.3MPa未満、特に好ましくは1.0MPa未満である。
Although the method of making an open area ratio into the said range is not limited, For example, the method of implementing according to the method of
上記特性は、従来公知の膜強度等のマクロな特性により支配される血液リーク特性では長期透析における中空糸膜の安全性を十分に証明することができないという知見に基づいて見出したものである。すなわち、血液浄化器に用いられる選択透過性中空糸膜の物理的性質について検討した結果、通常、血液浄化に用いる中空糸膜は、製品となる最終段階で、中空糸膜や血液浄化器の欠陥を確認するため、中空糸膜内部あるいは外部をエアによって加圧するリークテストを行う。加圧エアによってリークが検出されたときには、血液浄化器は不良品として廃棄あるいは欠陥を修復する作業がなされる。このリークテストのエア圧力は血液浄化器の保証耐圧(通常500mmHg(0.067MPa))の数倍であることが多い。しかしながら、特に高い透水性を持つ中空糸型血液浄化膜の場合、通常の加圧リークテストで検出できない中空糸膜の微小な傷、つぶれ、裂け目などが、リークテスト後の製造工程(主に滅菌や梱包)、輸送工程、あるいは臨床現場での取り扱い(開梱や、プライミングなど)時に、中空糸の切断やピンホールの発生につながり、ひいては治療時に血液がリークする等のトラブルの元になっていることを本発明者らは見出した。上記事象に関して鋭意検討したところ、臨床使用時の中空糸膜の切断やピンホールの発生につながる潜在的な糸の欠陥は、通常の加圧エアリークテストにおける圧力では検出することができず、より高い圧力が必要であり、また中空糸膜の偏肉糸の混入を抑えることが、上記した潜在的な欠陥の発生抑制に対して有効であることを見出し、本発明に至った。 The above characteristics have been found based on the knowledge that the blood leak characteristics governed by the conventionally known macro characteristics such as the membrane strength cannot sufficiently prove the safety of the hollow fiber membrane in long-term dialysis. That is, as a result of examining the physical properties of the selectively permeable hollow fiber membranes used in blood purifiers, the hollow fiber membranes used for blood purification are usually defective in the hollow fiber membranes and blood purifiers at the final stage of production. In order to confirm this, a leak test is performed in which the inside or outside of the hollow fiber membrane is pressurized with air. When a leak is detected by the pressurized air, the blood purifier is discarded as a defective product or is repaired. The air pressure in this leak test is often several times the guaranteed pressure resistance of the blood purifier (usually 500 mmHg (0.067 MPa)). However, in the case of a hollow fiber type blood purification membrane having a particularly high water permeability, minute scratches, crushing, and tearing of the hollow fiber membrane that cannot be detected by a normal pressure leak test are caused by manufacturing processes (mainly sterilization) after the leak test. Or packing), transportation process, or clinical handling (unpacking, priming, etc.), leading to the occurrence of hollow fiber breakage or pinholes, which may cause blood leaks during treatment. The present inventors have found that. As a result of intensive studies on the above events, potential yarn defects that lead to the breakage of hollow fiber membranes and pinholes during clinical use cannot be detected by pressure in normal pressurized air leak tests, and are higher. The present inventors have found that pressure is required and that it is effective to suppress the occurrence of the above-described potential defects to suppress the mixing of the uneven thickness yarn of the hollow fiber membrane.
本発明は、従来公知の膜強度等のマクロな特性では中空糸膜の安全性を十分に保証することができないという知見に基づいて見出したものである。すなわち、本発明の中空糸膜においては、α1マイクログロブリンに代表される分子量3万程度の物質の透過性を向上させるために、膜厚およびスキン層を非常に薄くしている。そうすると、中空糸膜が潜在的に擁する欠陥(ピンホール、傷など)が特に臨床使用時に顕在化する可能性がある。本発明では、安全性を確保するために、マクロな特性に加え、上記したような潜在的な欠陥を無くすことが極めて重要である。 The present invention has been found based on the finding that conventionally known macro properties such as membrane strength cannot sufficiently guarantee the safety of a hollow fiber membrane. That is, in the hollow fiber membrane of the present invention, the film thickness and skin layer are made very thin in order to improve the permeability of a substance having a molecular weight of about 30,000 typified by α1 microglobulin. As a result, defects (pinholes, scratches, etc.) that the hollow fiber membranes potentially have may become apparent particularly during clinical use. In the present invention, in order to ensure safety, it is extremely important to eliminate the above-described potential defects in addition to macro characteristics.
本発明の血液浄化器は、該中空糸膜を用いて作成した膜面積1.5m2(中空糸膜内径基準)の血液浄化器の血液接触側にヘパリン加ヒト全血を150mL/minの流量で灌流した際、60分後の血小板保持率が70%以上98%以下であることが好ましい。 The blood purifier of the present invention has a flow rate of 150 mL / min of heparinized human whole blood on the blood contact side of a blood purifier having a membrane area of 1.5 m 2 (hollow fiber membrane inner diameter standard) prepared using the hollow fiber membrane. When the solution is perfused, the platelet retention after 60 minutes is preferably 70% or more and 98% or less.
血液適合性を示す指標として、血液と接触した際の血小板の粘着を評価する方法がある。従来、血液適合性向上のために、血小板粘着量を減少させること(血小板保持率を向上させること)を目標に検討がなされてきているが、生体にとって異物である材料との接触による血液成分の活性化は、その程度の差はあってもある意味で不可避であると考えられる。血小板保持率が非常に高い膜では、見かけの血液適合性は良好であると判断されてしまうが、見方を変えた場合、異物である材料との接触で活性化された血小板までもが血液中に放出されてしまっている可能性がある。このような観点から、さらに鋭意検討を行った結果、実は血小板の保持率は70%〜98%であることが好ましいということがわかり、本発明に到った。血小板保持率がこの範囲よりも小さいと血小板の粘着量が多くなり、血栓ができやすくなったり、血液浄化機能が低下したりすることがある。したがって、血小板保持率は74%以上がより好ましく、78%以上がさらに好ましい。また、この範囲よりも大きいと活性化された血小板までも血液中に放出されるため、生体内を循環する血球や血漿などの血液成分が刺激され、生体内の血液全体が活性化された状態となり、凝血傾向や、場合によっては塞栓を生じる危険性も否定できない。したがって、血小板保持率は97%以下がより好ましく、96%以下がさらに好ましく、95%以下がよりさらに好ましい。 As an index indicating blood compatibility, there is a method for evaluating adhesion of platelets when contacted with blood. Conventionally, in order to improve blood compatibility, studies have been made with the goal of reducing the amount of platelet adhesion (improving platelet retention). Activation is considered unavoidable in some sense, even if the degree of difference. In the case of a membrane with a very high platelet retention rate, the apparent blood compatibility is judged to be good, but if the view is changed, even the platelets activated by contact with foreign materials are in the blood. May have been released. From such a viewpoint, as a result of further intensive studies, it was found that the retention rate of platelets is actually preferably 70% to 98%, and the present invention has been achieved. If the platelet retention rate is less than this range, the amount of platelet adhesion increases, and blood clots may be easily formed or the blood purification function may be reduced. Therefore, the platelet retention rate is more preferably 74% or more, and further preferably 78% or more. In addition, if it is larger than this range, activated platelets are also released into the blood, so blood components such as blood cells and plasma circulating in the living body are stimulated, and the whole blood in the living body is activated Therefore, there is no denying the tendency to clot and in some cases the risk of embolization. Therefore, the platelet retention is more preferably 97% or less, still more preferably 96% or less, and even more preferably 95% or less.
本発明における血小板保持率とは、次の方法によって血液灌流前後の血液中の血小板数から算出した値を示す。
(1)採血バッグに、濃度が5U/mLとなるよう予めヘパリンカルシウムを入れておき、健康な成人の血液をひじの内側の静脈からこの採血バッグに採取する。血液灌流に先立ち、血液成分の分析用に血液のサンプリングを行う。
(2)膜面積1.5m2の血液浄化器の血液側、透析液側を生理食塩水でプライミングし、このモジュールの血液側に上記ヘパリン加ヒト全血を150mL/minの流量で灌流する。この際、採血バッグから流れ出た血液はモジュールの血液側を通過し、採血バッグに戻るように回路を組む。
(3)37℃の環境下で60分の血液灌流を行った後、血液のサンプリングを行い、血液成分の分析を行う。
(4)灌流前後の血液中の血小板数から、次の式により血小板保持率を算出する。
(血小板保持率)[%]=100×[{(灌流後の血液中の血小板数)×(灌流前の血液のヘマトクリット)}/(灌流後の血液のヘマトクリット)]÷(灌流前の血液中の血小板数)
The platelet retention in the present invention indicates a value calculated from the number of platelets in blood before and after blood perfusion by the following method.
(1) Heparin calcium is put in advance in a blood collection bag so that the concentration becomes 5 U / mL, and blood of healthy adults is collected from the vein inside the elbow into this blood collection bag. Prior to blood perfusion, blood is sampled for analysis of blood components.
(2) The blood side and dialysate side of a blood purifier with a membrane area of 1.5 m 2 are primed with physiological saline, and the heparinized human whole blood is perfused at a flow rate of 150 mL / min on the blood side of this module. At this time, a circuit is constructed so that the blood flowing out of the blood collection bag passes through the blood side of the module and returns to the blood collection bag.
(3) After blood perfusion for 60 minutes in an environment of 37 ° C., blood sampling is performed, and blood components are analyzed.
(4) From the number of platelets in the blood before and after perfusion, the platelet retention rate is calculated by the following formula.
(Platelet retention) [%] = 100 × [{number of platelets in blood after perfusion) × (hematocrit of blood before perfusion)} / (hematocrit of blood after perfusion)] ÷ (in blood before perfusion) Platelet count)
また、血液適合性の指標としては、血液浄化膜に血液を接触させて灌流した際の血小板第4因子(以下PF4と略記する)の上昇率がある。血液が異物と接触した際には、血球の粘着、活性化などが惹起され、同時に凝固系も活性化して最終的に血栓が生成する。このステップにおける血小板の活性化度合いを示すのがPF4濃度であり、血液灌流前後のPF4の濃度比(PF4上昇率)が低いということは血小板の活性化を招きにくいということであり、血液適合性に優れていることを意味する。本発明の血液浄化膜におけるPF4上昇率は好ましくは5倍以下、より好ましくは3倍以下であり、さらに好ましくは2倍以下である。下限は1.0倍である。 As an index of blood compatibility, there is an increase rate of platelet factor 4 (hereinafter abbreviated as PF4) when blood is brought into contact with a blood purification membrane and perfused. When blood comes into contact with a foreign substance, adhesion and activation of blood cells are induced, and at the same time, the coagulation system is activated to finally generate a thrombus. The degree of platelet activation in this step is the PF4 concentration, and a low concentration ratio of PF4 before and after blood perfusion (PF4 increase rate) means that platelet activation is unlikely to occur, and blood compatibility It means that it is excellent. The rate of increase in PF4 in the blood purification membrane of the present invention is preferably 5 times or less, more preferably 3 times or less, and even more preferably 2 times or less. The lower limit is 1.0 times.
さらに、血液適合性の性能保持性の指標としてC特性値が知られている。C特性値とは、血液を使用して測定した透水性の、血液灌流開始15分後の値に対する血液灌流開始120分後の値のパーセンテージであり、この値が小さいことは血液成分の吸着などによって性能が経時的に低下することを意味する。性能保持性の観点から、本発明の中空糸型血液浄化膜におけるC特性値は70%以上であることが好ましく、75%以上であることがより好ましく、80%以上であることがさらに好ましい。通常の血液透析においては、3〜5時間程度の治療時間が一般的であり、C特性値がこれ以下である場合には性能保持性が低いため、十分な治療効果を得られないことがある。また、血液灌流中の血液成分の吸着により透水性は経時的に低下していくので、C特性値が高いということは血液成分の吸着が低いと見ることもでき、血液適合性を示す値と考えることもできる。 Furthermore, a C characteristic value is known as an index of blood compatibility performance retention. The C characteristic value is a percentage of the value of water permeability measured using blood 15 minutes after the start of blood perfusion with respect to the value 15 minutes after the start of blood perfusion. Means that the performance decreases with time. From the viewpoint of performance retention, the C characteristic value in the hollow fiber blood purification membrane of the present invention is preferably 70% or more, more preferably 75% or more, and further preferably 80% or more. In normal hemodialysis, a treatment time of about 3 to 5 hours is common, and when the C characteristic value is less than this, the performance retention is low, so a sufficient therapeutic effect may not be obtained. . In addition, since water permeability decreases with time due to adsorption of blood components during blood perfusion, a high C characteristic value can be regarded as low adsorption of blood components, and a value indicating blood compatibility. You can also think about it.
本発明者等は、上記の血小板保持率は、中空糸膜のカチオン性染料の吸着率と相関があることを見出した。 The present inventors have found that the above-mentioned platelet retention rate has a correlation with the adsorption rate of the cationic dye in the hollow fiber membrane.
材料表面の血液適合性を考える上で重要な指標として挙げられるのが、例えば、荷電状態、親水性−疎水性バランス、非特異的な吸着能などである。本発明の中空糸膜はカチオン性染料の吸着率が40%〜70%であることが好ましいが、ここで言うカチオン性染料の吸着率は、上記荷電状態、親水性−疎水性バランス、非特異的な吸着能を示す指標として考えることができる。カチオン性染料の吸着率が40%〜70%の範囲にある時に、膜表面性状が最適化され、生体適合性に優れた膜が得られるものと考えられる。カチオン性染料の吸着率がこの範囲よりも小さいと陰性荷電が少なくなり過ぎてしまうため、表面が陰性に荷電している血小板との静電的な相互作用が大きくなって血小板が粘着しやすくなることがある。したがって、カチオン性染料の吸着率は43%以上がより好ましく、46%以上がさらに好ましい。また、この範囲よりも大きいと疎水性相互作用、非特異的な吸着が多くなって種々の血液成分の吸着を招きやすくなるため、経時的な血液浄化機能の低下が起こることがある。したがって、カチオン性染料の吸着率は68%以下がより好ましく、65%以下がさらに好ましく、63%以下がよりさらに好ましい。 Examples of important indexes for considering blood compatibility on the surface of the material include a charged state, a hydrophilic-hydrophobic balance, and a nonspecific adsorption ability. The hollow fiber membrane of the present invention preferably has a cationic dye adsorption rate of 40% to 70%, but the cationic dye adsorption rate herein refers to the charge state, hydrophilic-hydrophobic balance, non-specificity. It can be considered as an index indicating a typical adsorption capacity. When the adsorption rate of the cationic dye is in the range of 40% to 70%, it is considered that the film surface properties are optimized and a film having excellent biocompatibility can be obtained. If the adsorption rate of the cationic dye is smaller than this range, the negative charge becomes too small, and the electrostatic interaction with the negatively charged platelets on the surface increases and the platelets tend to stick. Sometimes. Therefore, the adsorption rate of the cationic dye is more preferably 43% or more, and further preferably 46% or more. On the other hand, if it is larger than this range, hydrophobic interaction and non-specific adsorption increase, and it becomes easy to cause adsorption of various blood components, so that the blood purification function may deteriorate over time. Therefore, the adsorption rate of the cationic dye is more preferably 68% or less, further preferably 65% or less, and further preferably 63% or less.
本発明におけるカチオン性染料吸着率とは、次の方法によってカチオン性染料溶液灌流前後の溶液中のカチオン性染料濃度から算出した値を示す。
(1)カチオン性染料を0.5ppmの濃度になるよう水に溶解してカチオン性染料溶液を調製する。
(2)膜と接触する前のカチオン性染料溶液をサンプリングしておく。
(3)カチオン性染料溶液1000mLを測り採り、膜面積1.5m2の中空糸膜モジュールの血液側、透析液側を満たす。
(4)モジュール充填後、余ったカチオン性染料溶液をプールし、モジュールの血液側に200mL/minの流量で灌流する。この際、溶液プールから流れ出た溶液はモジュールの血液側を通過し、プールに戻るように回路を組む。
(5)5分の灌流を行った後、モジュールに充填されたカチオン性染料溶液と、プールされたカチオン性染料溶液を併せ、サンプリングを行う。
(6)カチオン性染料溶液の紫外吸収スペクトルの最大吸収波長(λmax)の吸光度(Absλmax)から、検量線を作成し、膜接触前後のカチオン性染料溶液のカチオン性染料濃度を測定する。
(7)次の式からカチオン性染料吸着率を算出する。
(カチオン性染料吸着率)[%]=100×(灌流後の溶液のカチオン性染料濃度)/灌流前の溶液のカチオン性染料濃度)
The cationic dye adsorption rate in the present invention is a value calculated from the concentration of the cationic dye in the solution before and after perfusion of the cationic dye solution by the following method.
(1) A cationic dye solution is prepared by dissolving a cationic dye in water to a concentration of 0.5 ppm.
(2) Sampling the cationic dye solution before contacting the membrane.
(3) Measure 1000 mL of the cationic dye solution and fill the blood side and dialysate side of the hollow fiber membrane module having a membrane area of 1.5 m 2 .
(4) After filling the module, the remaining cationic dye solution is pooled and perfused at a flow rate of 200 mL / min to the blood side of the module. At this time, a circuit is constructed so that the solution flowing out of the solution pool passes through the blood side of the module and returns to the pool.
(5) After perfusion for 5 minutes, the cationic dye solution filled in the module and the pooled cationic dye solution are combined and sampled.
(6) A calibration curve is created from the absorbance (Absλmax) of the maximum absorption wavelength (λmax) of the ultraviolet absorption spectrum of the cationic dye solution, and the concentration of the cationic dye in the cationic dye solution before and after contact with the membrane is measured.
(7) The cationic dye adsorption rate is calculated from the following formula.
(Cationic dye adsorption rate) [%] = 100 × (cationic dye concentration in solution after perfusion) / cationic dye concentration in solution before perfusion)
本発明においてカチオン性染料とは、例えばメチレンブルー、クリスタルバイオレット、トルイジンブルー、アズールなど特に制限されないが、比較的安価で入手しやすく、有害性が低いことからメチレンブルーが好ましい。 In the present invention, the cationic dye is not particularly limited, such as methylene blue, crystal violet, toluidine blue, and azul, but methylene blue is preferable because it is relatively inexpensive and easily available and has low toxicity.
上記の血液適合性、性能安定性に寄与するのは、主として内表面最表層のポリビニルピロリドンであると考えられる。本発明の中空糸膜において、内表面最表層のポリビニルピロリドンの含有量は好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜40重量%、さらに好ましくは15〜40重量%である。該ポリビニルピロリドンの好ましい含有量は、前述した選択透過性を付与するのに適した範囲より広い。従って、前述の好ましい範囲である20〜40質量%であることが好ましい。本範囲にすることにより、両特性を同時に満足することが可能となる。 It is thought that polyvinyl pyrrolidone, which is the outermost layer on the inner surface, contributes mainly to the above blood compatibility and performance stability. In the hollow fiber membrane of the present invention, the content of polyvinyl pyrrolidone on the innermost outermost layer is preferably 5 to 50% by weight, more preferably 10 to 40% by weight, and further preferably 15 to 40% by weight. A preferable content of the polyvinyl pyrrolidone is wider than a range suitable for imparting the selective permeability described above. Therefore, it is preferable that it is 20-40 mass% which is the above-mentioned preferable range. By setting this range, both characteristics can be satisfied simultaneously.
架橋などの処理によって構造の一部を改変したポリビニルピロリドンは、本来そのポリビニルピロリドンが持つ特性と微妙に異なる挙動を示すことが考えられる。血液接触使用時の性能保持性を確保するために、本発明の中空糸膜に含まれるポリビニルピロリドンは実質的に不溶化されていないことが好ましい。この点も前述の選択透過性を付与するための好ましい実施態様と一致している。 Polyvinyl pyrrolidone whose structure is partially modified by treatment such as cross-linking may behave slightly different from the properties inherent to the polyvinyl pyrrolidone. In order to ensure the performance retention at the time of blood contact use, it is preferable that the polyvinylpyrrolidone contained in the hollow fiber membrane of the present invention is not substantially insolubilized. This point is also consistent with the preferred embodiment for imparting the selective permeability described above.
本発明が意図する血液適合性に優れた中空糸膜を得るための具体的な手段としては、以下に記すような手法が例示される。これらの手法を適当に組み合わせることによって血液適合性に優れた中空糸膜を得ることができる。 Examples of specific means for obtaining a hollow fiber membrane excellent in blood compatibility intended by the present invention include the following techniques. By appropriately combining these techniques, a hollow fiber membrane having excellent blood compatibility can be obtained.
1.ポリスルホン系樹脂の還元粘度の最適化
使用するポリスルホン系樹脂の還元粘度は0.15〜0.6であることが好ましい。詳細な機構は不明であるが、このような還元粘度のポリスルホン系樹脂を使用することで凝固浴内での凝固が適度に制御され、内表面でのポリビニルピロリドンの含量を好ましい範囲にするのに好適であると考えられる。還元粘度のより好ましい範囲は0.2〜0.6、さらに好ましくは0.3〜0.6、よりさらに好ましくは0.35〜0.58である。このような還元粘度を有するポリスルホン系樹脂としては、住友化学社製のポリエーテルスルホン、スミカエクセル(登録商標)3600P(還元粘度0.36)、4800P(同0.48)、5200P(同0.52)などを用いるのが好ましい。
1. Optimization of reduced viscosity of polysulfone resin The reduced viscosity of the polysulfone resin used is preferably 0.15 to 0.6. Although the detailed mechanism is unknown, the coagulation in the coagulation bath is appropriately controlled by using a polysulfone resin having such a reduced viscosity, so that the content of polyvinylpyrrolidone on the inner surface is within a preferable range. It is considered preferable. A more preferable range of the reduced viscosity is 0.2 to 0.6, more preferably 0.3 to 0.6, and still more preferably 0.35 to 0.58. Polysulfone resins having such reduced viscosity include polyethersulfone manufactured by Sumitomo Chemical Co., Sumika Excel (registered trademark) 3600P (reduced viscosity 0.36), 4800P (0.48), 5200P (0. 52) or the like is preferably used.
2.ノズル吐出直後の中空形成剤とドープの吐出線速度の最適化
中空糸膜を製造する際には、ドープを中空形成剤とともに二重管型のノズルから吐出し、空走部分を経て凝固浴に導き凝固させるのが一般的であることは既に述べた。この際、ノズルから吐出された直後の中空形成剤吐出線速度とドープ吐出線速度が、中空形成剤吐出線速度>ドープ吐出線速度の関係にあると中空糸膜内表面と中空形成剤の界面にてずり応力が働き、摩擦が生じ、適度な荷電が付与されるので好ましい。好ましい条件については後述する。
2. Optimization of discharge speed of hollow forming agent and dope immediately after nozzle discharge When manufacturing hollow fiber membranes, the dope is discharged from the double tube type nozzle together with the hollow forming agent, and then into the coagulation bath through the idle part. It has already been mentioned that it is common to guide and solidify. At this time, when the hollow forming agent discharge linear velocity immediately after being discharged from the nozzle and the dope discharge linear velocity are in the relationship of hollow forming agent discharge linear velocity> dope discharge linear velocity, the interface between the hollow fiber membrane inner surface and the hollow forming agent It is preferable because shear stress works, friction occurs, and appropriate charge is imparted. Preferred conditions will be described later.
3.製膜時の非伝導体との摩擦
製膜工程において、走行する中空糸膜と非伝導体とを接触させることにより中空糸膜が静電気を帯びて、本発明の意図する好ましい特性を付与するのに有用である。走行中の中空糸膜と非伝導体の接触は、具体的には、製膜機台の中空糸膜接触部分に非伝導体を使用するのが好ましい。ここで言う中空糸膜接触部分とは、例えば、ガイド、ローラーなどが例示される。使用できる非伝導体は、例えば、エボナイト、テフロン(登録商標)、セラミック、あるいはこれらをコーティングした金属材料などが例示される。
3. Friction with non-conductor during film formation In the film-forming step, the hollow fiber membrane is charged with static electricity by bringing the traveling hollow fiber membrane into contact with the non-conductor, thereby imparting the desirable characteristics intended by the present invention. Useful for. Specifically, the contact between the hollow fiber membrane and the non-conductor during travel is preferably performed using a non-conductor at the hollow fiber membrane contact portion of the film forming machine base. Examples of the hollow fiber membrane contact portion referred to here include a guide and a roller. Examples of the non-conductor that can be used include ebonite, Teflon (registered trademark), ceramic, or a metal material coated with these.
4.ミスト状の水の吹き付け
ミスト状の水は微弱に帯電しているので、製膜された血液浄化膜にミスト状の水を吹き付けることにより膜が静電気を帯びて、本発明の意図する好ましい特性を付与するのに有用である。上記の操作は、静電気付与による好ましい特性の実現と同時に、洗浄操作としても位置付けることができる。具体的には、例えば、中空糸膜紡糸工程において、走行中の中空糸膜に水を噴霧して洗浄を行った後乾燥工程を経て巻取る方法、紡糸工程を経て得られた中空糸膜を糸束としてこれに水を噴霧し、洗浄を行う方法などが例示される。
4). Spraying mist-like water Since mist-like water is weakly charged, spraying mist-like water on the formed blood purification membrane causes the membrane to be electrostatically charged. Useful for granting. The above operation can be positioned as a cleaning operation simultaneously with the realization of preferable characteristics by applying static electricity. Specifically, for example, in the hollow fiber membrane spinning process, water is sprayed on the running hollow fiber membrane to wash it, and then it is wound through a drying step, and the hollow fiber membrane obtained through the spinning step is used. Examples of the method include a method of spraying water as a yarn bundle to perform washing.
5.アルカリ土類金属含有水の使用
中空形成剤、凝固槽、洗浄槽等の中空糸膜の製造工程で使用する水に含まれるアルカリ土類金属の量が所定範囲にあることが好ましい。詳細な機構は不明であるが、2価陽イオンとして存在するアルカリ土類金属が、微弱に陰性荷電したポリビニルピロリドンのカルボニル基や水酸基、エーテル結合などの酸素原子を緩やかに架橋するように機能し、膜内におけるポリビニルピロリドンの静的および/または動的存在状態を最適化しているものと推定される。これによって親水性付与剤としてのポリビニルピロリドンの機能が最適化されると同時に溶出が抑制され、かつ、中空糸膜表面の荷電状態の最適化に寄与するものと考えられる。含まれるアルカリ土類金属の総量は、好ましくは0.02〜1ppm、さらに好ましくは0.03〜0.5ppmである。このような水を得るための手法は特に限定されない。製膜に使用する水は不純物除去のためにRO膜などで精製するのが好ましいが、例えば、精製後の水に金属塩を添加する方法が例示される。また、精製のプロセスで不純物混入回避を徹底するため、RO膜に供給する原水としてイオン交換水を使用する方法もあるが、例えば、あえてこの原水に通常の上水を使用し、得られる水に微量のアルカリ土類金属を残存させる方法も例示される。精製後の水に金属塩を添加する方法においては、該金属イオン調整水を限外濾過して不純物を除去して使用するのが好ましい。
5). Use of alkaline earth metal-containing water It is preferable that the amount of alkaline earth metal contained in the water used in the production process of the hollow fiber membrane such as a hollow forming agent, a coagulation tank, and a washing tank is within a predetermined range. Although the detailed mechanism is unknown, the alkaline earth metal existing as a divalent cation functions to gently bridge oxygen atoms such as carbonyl group, hydroxyl group, ether bond of weakly negatively charged polyvinylpyrrolidone. It is presumed that the static and / or dynamic existence state of polyvinylpyrrolidone in the membrane is optimized. It is considered that this optimizes the function of polyvinylpyrrolidone as a hydrophilicity imparting agent and at the same time suppresses elution and contributes to optimization of the charged state of the hollow fiber membrane surface. The total amount of alkaline earth metal contained is preferably 0.02 to 1 ppm, more preferably 0.03 to 0.5 ppm. The method for obtaining such water is not particularly limited. The water used for film formation is preferably purified with an RO membrane or the like in order to remove impurities. For example, a method of adding a metal salt to the purified water is exemplified. In addition, there is a method of using ion-exchanged water as the raw water supplied to the RO membrane in order to thoroughly avoid contamination by impurities in the purification process. For example, ordinary raw water is used for this raw water. A method of leaving a trace amount of alkaline earth metal is also exemplified. In the method of adding a metal salt to the purified water, it is preferable to use the metal ion-adjusted water after ultrafiltration to remove impurities.
6.中空糸膜の過乾燥の回避
また、カチオン性染料の吸着率は、中空糸膜内表面の最表層に存在するポリビニルピロリドンの劣化反応も重要な要因である。該最表層ポリビニルピロリドンの劣化反応は中空糸膜の乾燥工程において、過乾燥状態になると加速的に進行する。例えば、最表層のポリビニルピロリドン含有量が高い状態で中空糸膜を過乾燥するとポリビニルピロリドンの劣化反応が進行する。最表層のポリビニルピロリドンが高い場合は、本来は親水性が高くメチレンブルーの吸着は抑制され、血液適合性は良好であるはずであるが、該最表層のポリビニルピロリドンが劣化すると、カチオン染料の吸着率が高くなり、血液適合性が低下することを経験的に見出している。その理由は明確ではないが、ポリビニルピロリドン中のピロリドン環が開環しカルボキシル基が生成し、内表面の陰性荷電バランスが変化することによりカチオン性染料の吸着率が増大するものと推察している。
6). Avoiding over-drying of hollow fiber membranes In addition, the degradation rate of polyvinyl pyrrolidone present in the outermost layer on the inner surface of the hollow fiber membrane is also an important factor in the adsorption rate of the cationic dye. The deterioration reaction of the outermost layer polyvinyl pyrrolidone proceeds at an accelerated rate in the drying process of the hollow fiber membrane when it becomes overdried. For example, when the hollow fiber membrane is overdried in a state where the content of polyvinyl pyrrolidone in the outermost layer is high, the degradation reaction of polyvinyl pyrrolidone proceeds. When the outermost polyvinyl pyrrolidone is high, it should be inherently hydrophilic and methylene blue adsorption suppressed and blood compatibility should be good, but if the outermost polyvinyl pyrrolidone deteriorates, the adsorption rate of the cationic dye Has been found empirically to increase and decrease blood compatibility. The reason is not clear, but it is presumed that the adsorption rate of the cationic dye increases by opening the pyrrolidone ring in polyvinylpyrrolidone, generating a carboxyl group, and changing the negative charge balance on the inner surface. .
上記過乾燥による劣化反応は、中空糸膜の乾燥終了時の含水率の影響を大きく受ける。含水率が1質量%未満になると劣化反応が加速的に増大する。従って、乾燥は含水率が1質量%以上で停止するのが好ましい。 The deterioration reaction due to overdrying is greatly affected by the moisture content at the end of drying of the hollow fiber membrane. When the water content is less than 1% by mass, the deterioration reaction is accelerated. Therefore, drying is preferably stopped when the moisture content is 1% by mass or more.
上記の中空糸膜の過乾燥抑制は、後述する中空糸膜からの抽出液のUV吸光度を本発明で規制された好ましい範囲に制御することや部分固着抑制に対しても大きく影響することより二重の効果を奏することになるのでその効用は大きい。 The above-described suppression of overdrying of the hollow fiber membrane is largely due to controlling the UV absorbance of the extract from the hollow fiber membrane, which will be described later, within the preferable range regulated by the present invention and greatly affecting partial sticking suppression. The effect is great because of the heavy effect.
7.ポリビニルピロリドンの架橋の回避
ポリビニルピロリドンが架橋されることで、ポリビニルピロリドンが本来持つ特性と微妙に異なる挙動を示すことが考えられるので、血液接触使用時の性能保持性を確保するために、本発明の中空糸膜に含まれるポリビニルピロリドンは実質的に不溶化されていないことが好ましいことは既に述べた。具体的にポリビニルピロリドンの架橋を回避する手段としては、次のような手法が例示される。
7). Avoidance of cross-linking of polyvinyl pyrrolidone Since polyvinyl pyrrolidone is cross-linked, it can be considered that the behavior of polyvinyl pyrrolidone is slightly different from the original characteristics. Therefore, in order to ensure performance retention when using blood contact, the present invention As described above, it is preferable that the polyvinylpyrrolidone contained in the hollow fiber membrane is not substantially insolubilized. Specifically, the following techniques are exemplified as means for avoiding the crosslinking of polyvinylpyrrolidone.
中空糸膜の滅菌には、γ線などの高エネルギー線照射が利用されているが、ポリビニルピロリドンは、γ線照射によって架橋することが知られている。照射するγ線は20〜60kGyが好ましい。γ線量が少なすぎると、滅菌効果が不足することがある。また、γ線量が多すぎると、膜素材が劣化することがある。γ線架橋による不溶分の含有量を本発明が意図する範囲に制御するには、γ線照射する際に膜の含水率が好ましくは0.8〜5.0質量%、さらに好ましくは1.0〜4.0質量%、特に好ましくは1.5〜3.5質量%である、実質的にドライ膜であることが好ましい。前述した中空糸膜の過乾燥を回避する要件を考慮すると含水率の下限は1質量%であることがより好ましい。膜の含水率がこの範囲にあれば、γ線照射時のポリビニルピロリドンの劣化・分解の抑制および架橋抑制の両方の効果を得ることができる。また、30〜80質量%のグリセリンを含浸させておくこともγ線照射時の架橋を抑制するための好ましい態様である。ここで言う実質的にドライ膜であるとは、水あるいは水系溶媒に浸漬されておらず、膜を取出した時に水あるいは水系溶媒の滴下が見られず、膜表面を濾紙などで払拭した際に、払拭材(濾紙など)に水あるいは水系溶媒の移動が目視で確認できない膜であることを意味する。 For sterilization of hollow fiber membranes, irradiation with high energy rays such as γ-rays is used. Polyvinylpyrrolidone is known to be cross-linked by γ-ray irradiation. The γ-ray to be irradiated is preferably 20 to 60 kGy. If the γ dose is too small, the sterilization effect may be insufficient. In addition, when the γ dose is excessive, the film material may be deteriorated. In order to control the content of insoluble matter due to γ-ray crosslinking to the range intended by the present invention, the moisture content of the membrane is preferably 0.8 to 5.0% by mass, more preferably 1. It is preferably a substantially dry film of 0 to 4.0% by mass, particularly preferably 1.5 to 3.5% by mass. In consideration of the requirement to avoid the above-described overdrying of the hollow fiber membrane, the lower limit of the moisture content is more preferably 1% by mass. If the moisture content of the membrane is within this range, it is possible to obtain both the effects of suppressing the deterioration / decomposition of polyvinyl pyrrolidone during γ-ray irradiation and suppressing crosslinking. In addition, impregnation with 30 to 80% by mass of glycerin is also a preferable mode for suppressing cross-linking during γ-ray irradiation. The substantially dry membrane here is not immersed in water or an aqueous solvent, and when the membrane is removed, no dripping of water or aqueous solvent is seen, and when the membrane surface is wiped with filter paper or the like This means that the film cannot be visually confirmed on the wiping material (filter paper or the like).
従来、中空糸膜からの溶出物量は、透析型人工腎臓装置製造承認基準により定められている。該透析型人工腎臓装置製造承認基準においては、該膜からの溶出物量はUV吸光度で定量されている。本発明者等は該膜からの溶出挙動について、詳細な検討をした結果、主としてポリスルホン系高分子とポリビニルピロリドンからなる中空糸膜において、上記の透析型人工腎臓装置製造承認基準により定められた試験法で抽出された抽出液中には、従来公知のUV吸光度では測定できない過酸化水素が含まれていることを見出した。該過酸化水素が存在すると、例えばポリビニルピロリドンの酸化劣化を促進し、中空糸膜を保存した時に該ポリビニルピロリドンの溶出量が増加するという保存安定性が悪化する事を見出した。また、従来技術においては、いずれもが中空糸膜の特定部位について評価されたものである。例えば、モジュール組み立て等において中空糸膜を乾燥する等の処理を行うと、乾燥条件の変動等の影響により上記の過酸化水素溶出量が中空糸膜の長さ方向で大きく変動することを見出し、上記特定部位のみの評価では高度な安全性の要求に答えられないことを明らかにした。特に、本発明者らが明らかにした過酸化水素は、中空糸膜の特定部位に存在しても、その個所より中空糸膜素材の劣化反応が開始され中空糸膜の全体に伝播していく。したがって、用いられる中空糸膜の長さ方向の過酸化水素の含有量が全領域に渡り、一定量以下に維持する必要がある。 Conventionally, the amount of eluate from the hollow fiber membrane is determined by the dialysis-type artificial kidney device manufacturing approval standard. In the dialysis artificial kidney device manufacturing approval standard, the amount of eluate from the membrane is quantified by UV absorbance. As a result of detailed studies on the elution behavior from the membrane, the inventors of the present invention conducted a hollow fiber membrane mainly composed of a polysulfone polymer and polyvinyl pyrrolidone, and a test defined by the above dialysis-type artificial kidney device manufacturing approval criteria. It has been found that hydrogen peroxide which cannot be measured by a conventionally known UV absorbance is contained in the extract extracted by the method. It has been found that the presence of the hydrogen peroxide accelerates the oxidative degradation of, for example, polyvinyl pyrrolidone, and the storage stability of the polyvinyl pyrrolidone elution increases when the hollow fiber membrane is stored. Moreover, in the prior art, all were evaluated about the specific site | part of the hollow fiber membrane. For example, when processing such as drying the hollow fiber membrane in module assembly or the like, it is found that the hydrogen peroxide elution amount greatly varies in the length direction of the hollow fiber membrane due to the influence of variation in drying conditions, etc. It was clarified that the evaluation of only the specific part mentioned above cannot answer the high safety requirement. In particular, even when hydrogen peroxide revealed by the present inventors is present at a specific portion of the hollow fiber membrane, the degradation reaction of the hollow fiber membrane material is started from that location and propagates throughout the hollow fiber membrane. . Accordingly, the content of hydrogen peroxide in the length direction of the hollow fiber membrane to be used needs to be maintained below a certain amount over the entire region.
本発明においては、中空糸膜を長手方向に10分割し、各々について透析型人工腎臓装置製造承認基準に従い抽出した抽出液を用いて測定した時の過酸化水素の溶出量が全ての部位で5ppm以下であることが好ましい。4ppm以下がより好ましく、3ppm以下がさらに好ましい。該過酸化水素の溶出量が多すぎると、該過酸化水素による中空糸膜素材(特にポリビニルピロリドン)の酸化劣化等で保存安定性が悪化し、例えば、長期保存した場合にポリビニルピロリドンの溶出量が増大することがある。保存安定性としては、該ポリビニルピロリドンの溶出量の増加が最も顕著な現象であるが、その他、ポリスルホン系高分子の劣化が引き起こされて中空糸膜が脆くなるとか、モジュール組み立てに用いるポリウレタン系接着剤の劣化を促進し該劣化物の溶出量が増加し安全性の低下に繋がる可能性がある。該長期保存における過酸化水素の酸化作用により引き起こされる劣化起因の溶出物量の増加は透析型人工腎臓装置製造承認基準により設定されているUV(220−350nm)吸光度の測定により評価できる。 In the present invention, the hollow fiber membrane is divided into 10 in the longitudinal direction, and the elution amount of hydrogen peroxide when measured using an extract extracted according to the dialysis artificial kidney device manufacturing approval standard is 5 ppm at all sites. The following is preferable. 4 ppm or less is more preferable, and 3 ppm or less is more preferable. If the elution amount of the hydrogen peroxide is too large, the storage stability deteriorates due to oxidative degradation of the hollow fiber membrane material (particularly polyvinylpyrrolidone) due to the hydrogen peroxide. For example, the elution amount of polyvinylpyrrolidone when stored for a long period of time. May increase. In terms of storage stability, the increase in the amount of polyvinylpyrrolidone eluted is the most prominent phenomenon. In addition, deterioration of the polysulfone-based polymer causes the hollow fiber membrane to become brittle, or polyurethane-based adhesive used for module assembly. There is a possibility that the deterioration of the agent is promoted, the amount of elution of the deteriorated product is increased, and the safety is lowered. The increase in the amount of eluate caused by deterioration caused by the oxidizing action of hydrogen peroxide during the long-term storage can be evaluated by measuring UV (220-350 nm) absorbance set by the dialysis artificial kidney device manufacturing approval standard.
ここで、過酸化水素の溶出量は、透析型人工腎臓装置製造承認基準の溶出試験法に準じた方法で抽出された抽出液について定量されたものである。すなわち、該中空糸膜から任意に中空糸膜を取り出し、乾燥状態で1.0gをはかりとる。これに100mlのRO水を加え、70℃で1時間抽出を行う。 Here, the elution amount of hydrogen peroxide is quantified with respect to the extract extracted by a method according to the elution test method of the dialysis artificial kidney device manufacturing approval standard. That is, a hollow fiber membrane is arbitrarily taken out from the hollow fiber membrane, and 1.0 g is weighed in a dry state. 100 ml of RO water is added to this, and extraction is performed at 70 ° C. for 1 hour.
該過酸化水素溶出量を上記の規制された範囲に制御する方法としては、例えば、前述したごとく原料として用いるポリビニルピロリドン中の過酸化水素量を300ppm以下にすることが有効な方法であるが、該過酸化水素は上記した中空糸膜の製造過程でも生成するので、該中空糸膜の製造条件を厳密に制御する必要がある。特に、該中空糸膜を製造する際の乾燥工程での生成の寄与が大きいので、乾燥条件の最適化が重要である。特に、この乾燥条件の最適化は、中空糸膜の長手方向の溶出量の変動を小さくすることに関して有効な手段となる。 As a method for controlling the elution amount of hydrogen peroxide to the above regulated range, for example, as described above, it is effective to make the amount of hydrogen peroxide in polyvinylpyrrolidone used as a raw material 300 ppm or less. Since the hydrogen peroxide is also generated during the manufacturing process of the hollow fiber membrane described above, it is necessary to strictly control the manufacturing conditions of the hollow fiber membrane. In particular, since the contribution of the production in the drying process when producing the hollow fiber membrane is large, it is important to optimize the drying conditions. In particular, the optimization of the drying conditions is an effective means for reducing the variation in the elution amount in the longitudinal direction of the hollow fiber membrane.
また、過酸化水素の発生を抑制する他の方法として、製膜溶液を溶解する際、短時間に溶解することも重要な要件である。そのためには、通常、溶解温度を高くすることおよび/または撹拌速度を上げればよい。しかしながら、そうすると温度および撹拌線速度、剪断力の影響によりポリビニルピロリドンの劣化・分解が進行してしまう。事実、発明者らの検討によれば、製膜溶液中のポリビニルピロリドンの分子量は溶解温度の上昇に従い、分子量のピークトップが分解方向に移動(低分子側にシフト)したり、または低分子側に分解物と思われるショルダーが現れる現象が認められた。以上より原料の溶解速度を向上させる目的で温度を上昇させることは、ポリビニルピロリドンの劣化分解を促進し、ひいては中空糸膜中にポリビニルピロリドンの分解物をブレンドしてしまうことから、例えば、得られた中空糸膜を血液浄化に使用する場合、血液中に分解物が溶出するなど、製品の品質安全上、優れたものとはならなかった。そこで、ポリビニルピロリドンの分解を抑制する目的で低温で原料を混合することを試みた。低温溶解とはいっても氷点下となるような極端な条件にするとランニングコストもかかるため、通常5℃以上70℃以下が好ましい。60℃以下がより好ましい。しかし、単純に溶解温度を下げると溶解時間の長時間化によるポリビニルピロリドン劣化分解、操業性の低下や設備の大型化を招くことになり工業的に実施する上では問題がある。 In addition, as another method for suppressing the generation of hydrogen peroxide, it is an important requirement to dissolve the film forming solution in a short time. For this purpose, it is usually sufficient to increase the dissolution temperature and / or increase the stirring speed. However, when it does so, degradation and decomposition of polyvinyl pyrrolidone will proceed due to the influence of temperature, stirring linear velocity and shearing force. In fact, according to the study by the inventors, the molecular weight of polyvinylpyrrolidone in the film-forming solution moves in the direction of decomposition (shifts to the low molecular side) as the dissolution temperature increases, or the low molecular side. The appearance of a shoulder that appears to be a decomposition product was observed. From the above, increasing the temperature for the purpose of improving the dissolution rate of the raw material accelerates the degradation and decomposition of polyvinylpyrrolidone, and eventually blends the degradation product of polyvinylpyrrolidone into the hollow fiber membrane, so that it can be obtained, for example. When hollow fiber membranes were used for blood purification, degradation products were eluted in the blood, which did not improve the product quality and safety. Then, it tried to mix a raw material at low temperature in order to suppress decomposition | disassembly of polyvinylpyrrolidone. Even if it is low-temperature dissolution, it is usually preferable to have a temperature of 5 ° C. or higher and 70 ° C. or lower because it requires a running cost under extreme conditions that are below freezing. 60 degrees C or less is more preferable. However, simply lowering the melting temperature causes degradation of polyvinylpyrrolidone due to the longer melting time, lowering the operability and increasing the size of the equipment, which causes problems in industrial implementation.
低温で時間をかけずに溶解するための溶解条件について検討を行った結果、溶解に先立ち紡糸溶液を構成する成分を混練した後に溶解させることが好ましいことを見出し本発明に到達した。該混練はポリスルホン系高分子、ポリビニルピロリドンおよび溶媒等の構成成分を一括して混練しても良いし、ポリビニルピロリドンとポリスルホン系高分子とを別個に混練しても良い。前述のごとくポリビニルピロリドンは酸素との接触により劣化が促進され過酸化水素の発生につながるので、該混練時においても不活性ガスで置換した雰囲気で行う等、酸素との接触を抑制する配慮が必要であり別ラインで行うのが好ましい。混練はポリビニルピロリドンと溶媒のみとしてポリスルホン系高分子は予備混練をせずに直接溶解槽に供給する方法も本発明の範疇に含まれる。 As a result of examining the dissolution conditions for dissolving at low temperature without taking time, it was found that it is preferable to knead the components constituting the spinning solution prior to dissolution, and the present invention was reached. The kneading may be performed by kneading components such as polysulfone polymer, polyvinyl pyrrolidone and a solvent at once, or kneading polyvinyl pyrrolidone and polysulfone polymer separately. As mentioned above, polyvinylpyrrolidone is accelerated by contact with oxygen and leads to the generation of hydrogen peroxide. Therefore, consideration must be given to suppressing contact with oxygen, such as in an atmosphere substituted with an inert gas, even during kneading. It is preferable to carry out in a separate line. The method of kneading only polyvinylpyrrolidone and a solvent and supplying the polysulfone polymer directly to the dissolution tank without pre-kneading is also included in the scope of the present invention.
該混練は溶解槽と別に混練ラインを設けて実施し混練したものを溶解槽に供給してもよいし、混練機能を有する溶解槽で混練と溶解の両方を実施しても良い。前者の別個の装置で実施する場合の、混練装置の種類や形式は問わない。回分式、連続式のいずれであっても構わない。スタチックミキサー等のスタチックな方法であっても良いし、ニーダーや攪拌式混練機等のダイナミックな方法であっても良い。混練の効率より後者が好ましい。後者の場合の混練方法も限定なく、ピンタイプ、スクリュータイプ、攪拌器タイプ等いずれの形式でもよい。スクリュータイプが好ましい。スクリューの形状や回転数も混練効率と発熱とのバランスより適宜選択すれば良い。一方、混練機能を有する溶解槽を用いる場合の溶解槽の形式も限定されないが、例えば、2本の枠型ブレードが自転、公転するいわゆるプラネタリー運動により混練効果を発現する形式の混練溶解機が推奨される。例えば、井上製作所社製のプラネタリュームミキサーやトリミックス等が本方式に該当する。 The kneading may be carried out by providing a kneading line separately from the dissolving tank and supplied to the dissolving tank, or both kneading and dissolving may be carried out in a dissolving tank having a kneading function. The type and form of the kneading apparatus in the former separate apparatus are not limited. Either a batch system or a continuous system may be used. A static method such as a static mixer may be used, or a dynamic method such as a kneader or a stirring kneader may be used. The latter is preferred from the efficiency of kneading. The kneading method in the latter case is not limited, and any type such as a pin type, a screw type, and a stirrer type may be used. Screw type is preferred. What is necessary is just to select suitably the shape and rotation speed of a screw from the balance of kneading | mixing efficiency and heat_generation | fever. On the other hand, the type of dissolution tank when using a dissolution tank having a kneading function is not limited. Recommended. For example, a planetary mixer or a trimix manufactured by Inoue Seisakusho Co., Ltd. corresponds to this method.
混練時のポリビニルピロリドンやポリスルホン系高分子等の樹脂成分と溶媒との比率も限定されない。樹脂/溶媒の質量比で0.1〜3が好ましい。0.5〜2がより好ましい。 The ratio of the resin component such as polyvinyl pyrrolidone or polysulfone polymer and the solvent during kneading is not limited. A resin / solvent mass ratio of 0.1 to 3 is preferred. 0.5-2 are more preferable.
前述のごとくポリビニルピロリドンの劣化を抑制し、かつ効率的な溶解を行うことが本発明の技術ポイントである。従って、少なくともポリビニルピロリドンが存在する系は窒素雰囲気下、70℃以下の低温で混練および溶解することが好ましい実施態様である。ポリビニルピロリドンとポリスルホン系高分子を別ラインで混練する場合にポリスルホン系高分子の混練ラインに本要件を適用してもよい。混練や溶解の効率と発熱とは二律背反現象である。該二律背反をできるだけ回避した装置や条件の選択が本発明の重要な要素となる。そういう意味で混練機構における冷却方法が重要であり配慮が必要である。 As described above, the technical point of the present invention is to suppress the degradation of polyvinyl pyrrolidone and perform efficient dissolution. Therefore, a system in which at least polyvinylpyrrolidone is present is a preferred embodiment in which the system is kneaded and dissolved at a low temperature of 70 ° C. or lower in a nitrogen atmosphere. When the polyvinyl pyrrolidone and the polysulfone polymer are kneaded in separate lines, this requirement may be applied to the polysulfone polymer kneading line. The efficiency of kneading and dissolution and heat generation are two contradictory phenomena. Selection of an apparatus and conditions that avoid the trade-off as much as possible is an important element of the present invention. In this sense, the cooling method in the kneading mechanism is important and needs attention.
引き続き前記方法で混練されたものの溶解を行う。該溶解方法も限定されないが、例えば、攪拌式の溶解装置による溶解方法が適用できる。低温・短時間(3時間以内)で溶解するためには、フルード数(Fr=n2d/g)が0.7以上1.3以下、攪拌レイノルズ数(Re=nd2ρ/μ)が50以上250以下であることが好ましい。ここでnは翼の回転数(rps)、ρは密度(Kg/m3)、μは粘度(Pa・s)、gは重力加速度(=9.8m/s2)、dは撹拌翼径(m)である。フルード数が大きすぎると、慣性力が強くなるためタンク内で飛散した原料が壁や天井に付着し、所期の製膜溶液組成が得られないことがある。したがって、フルード数は1.25以下がより好ましく、1.2以下がさらに好ましく、1.15以下がよりさらに好ましい。また、フルード数が小さすぎると、慣性力が弱まるために原料の分散性が低下し、特にポリビニルピロリドンがダマ状になり、それ以上溶解することが困難となったり、均一溶解に長時間を要することがある。したがって、フルード数は0.75以上がより好ましく、0.8以上がさらに好ましい。 Subsequently, the material kneaded by the above method is dissolved. Although the dissolution method is not limited, for example, a dissolution method using a stirring type dissolution apparatus can be applied. In order to dissolve at a low temperature for a short time (within 3 hours), the Froude number (Fr = n 2 d / g) is 0.7 to 1.3 and the stirring Reynolds number (Re = nd 2 ρ / μ) is It is preferable that they are 50 or more and 250 or less. Where n is the blade rotation speed (rps), ρ is the density (Kg / m 3 ), μ is the viscosity (Pa · s), g is the gravitational acceleration (= 9.8 m / s 2 ), and d is the stirring blade diameter. (M). If the Froude number is too large, the inertial force becomes strong, so that the raw material scattered in the tank adheres to the walls and ceiling, and the desired film-forming solution composition may not be obtained. Therefore, the fluid number is more preferably 1.25 or less, further preferably 1.2 or less, and further preferably 1.15 or less. On the other hand, if the fluid number is too small, the inertial force is weakened, so that the dispersibility of the raw material is lowered. Particularly, polyvinylpyrrolidone becomes lumpy and it becomes difficult to dissolve further, or it takes a long time for uniform dissolution. Sometimes. Therefore, the fluid number is more preferably 0.75 or more, and further preferably 0.8 or more.
本願発明における製膜溶液は所謂低粘性流体であるため、撹拌レイノルズ数が大きすぎると、撹拌時、製膜溶液中への気泡のかみこみによる脱泡時間の長時間化や脱泡不足が起こるなどの問題が生ずることがある。そのため、撹拌レイノルズ数はより好ましくは240以下、さらに好ましくは230以下、よりさらに好ましくは220以下である。また、撹拌レイノルズ数が小さすぎると、撹拌力が小さくなるため溶解の不均一化が起こりやすくなることがある。したがって、撹拌レイノルズ数は、35以上がより好ましく、40以上がさらに好ましく、55以上がよりさらに好ましく、60以上が特に好ましい。さらに、このような紡糸溶液で中空糸膜を製膜すると気泡による曳糸性の低下による操業性の低下や品質面でも中空糸膜への気泡の噛み込みによりその部位が欠陥となり、膜の気密性やバースト圧の低下などを引き起こして問題となることがわかった。紡糸溶液の脱泡は効果的な対処策だが、紡糸溶液の粘度コントロールや溶剤の蒸発による紡糸溶液の組成変化を伴うこともありうるので、脱泡を行う場合には慎重な対応が必要となる。 Since the film-forming solution in the present invention is a so-called low-viscosity fluid, if the stirring Reynolds number is too large, a long defoaming time or insufficient defoaming occurs due to entrapment of bubbles in the film-forming solution during stirring. Problems may occur. Therefore, the stirring Reynolds number is more preferably 240 or less, further preferably 230 or less, and still more preferably 220 or less. On the other hand, when the stirring Reynolds number is too small, the stirring force becomes small, so that dissolution may be easily made nonuniform. Therefore, the stirring Reynolds number is more preferably 35 or more, further preferably 40 or more, still more preferably 55 or more, and particularly preferably 60 or more. Furthermore, when a hollow fiber membrane is formed with such a spinning solution, the operability is deteriorated due to a decrease in spinnability due to bubbles, and in terms of quality, the portion becomes defective due to the entrapment of bubbles in the hollow fiber membrane, and the airtightness of the membrane is reduced. It has been found that this causes problems such as decreased sex and burst pressure. Defoaming of the spinning solution is an effective countermeasure, but it may be accompanied by changes in the composition of the spinning solution due to viscosity control of the spinning solution or evaporation of the solvent, so careful handling is necessary when defoaming. .
さらに、ポリビニルピロリドンは空気中の酸素の影響により酸化分解を起こす傾向にあることから、紡糸溶液の溶解は不活性気体封入下で行うのが好ましい。不活性気体としては、窒素、アルゴンなどが上げられるが、窒素を用いるのが好ましい。このとき、溶解タンク内の残存酸素濃度は3%以下であることが好ましい。窒素封入圧力を高めてやれば溶解時間短縮が望めるが、高圧にするには設備費用が嵩む点と、作業安全性の面から大気圧以上2kgf/cm2以下が好ましい。 Furthermore, since polyvinylpyrrolidone tends to undergo oxidative degradation due to the influence of oxygen in the air, it is preferable to dissolve the spinning solution in an inert gas enclosure. Nitrogen, argon, etc. are raised as the inert gas, but nitrogen is preferably used. At this time, the residual oxygen concentration in the dissolution tank is preferably 3% or less. If the nitrogen filling pressure is increased, the melting time can be shortened. However, in order to increase the pressure, the equipment cost is increased, and from the viewpoint of work safety, atmospheric pressure and 2 kgf / cm 2 or less are preferable.
その他、本願発明に用いるような低粘性製膜溶液の溶解に用いられる撹拌翼形状としては、ディスクタービン型、パドル型、湾曲羽根ファンタービン型、矢羽根タービン型などの放射流型翼、プロペラ型、傾斜パドル型、ファウドラー型などの軸流型翼が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。 In addition, as the shape of the stirring blade used for dissolving the low-viscosity film forming solution used in the present invention, a radial turbine blade such as a disk turbine type, a paddle type, a curved blade fan turbine type, an arrow blade turbine type, or a propeller type An axial-flow type wing such as an inclined paddle type or a fiddler type can be mentioned, but is not particularly limited thereto.
以上のような低温溶解方法を用いることにより、親水性高分子の劣化分解が抑制された安全性の高い中空糸膜を得ることが可能となる。さらに付言すれば、製膜には原料溶解後の滞留時間が24時間以内の紡糸溶液を使用することが好ましい。なぜなら製膜溶液が保温されている間に熱エネルギーを蓄積し、原料劣化を起こす傾向が認められたためである。 By using the low-temperature dissolution method as described above, it is possible to obtain a highly safe hollow fiber membrane in which the degradation degradation of the hydrophilic polymer is suppressed. In addition, it is preferable to use a spinning solution having a residence time of 24 hours or less after dissolution of the raw material for film formation. This is because thermal energy was accumulated while the film forming solution was kept warm, and a tendency to cause deterioration of the raw material was recognized.
該過酸化水素溶出量およびその変動抑制に対しては、さらに、中空糸膜を絶乾しないことが好ましい。絶乾してしまうと、ポリビニルピロリドンの劣化が増大し、過酸化水素の生成が大幅に増大するので好ましくない。また、使用時の再湿潤化において濡れ性が低下したり、ポリビニルピロリドンが吸水しにくくなるため中空糸膜から溶出しやすくなる可能性がある。乾燥後の中空糸膜の含水率は0.5質量%以上が好ましく、0.7質量%以上がより好ましく、1.0質量%以上がさらに好ましい。一方、本発明においては前記のようにポリビニルピロリドンが実質的に非架橋であることが好ましい。例えば、血液浄化器用として使用する場合は、γ線照射による滅菌処理が実施されるが、該γ線照射によりポリビニルピロリドンが架橋される。本発明においては該γ線照射によるポリビニルピロリドンの架橋をできるだけ少なくするのが好ましい実施態様である。該ポリビニルピロリドンの架橋反応は中空糸膜の含水率の影響を受ける。含水率が10質量%を超えると架橋反応が顕著になる。従って、含水率は10質量%以下が好ましい。7質量%未満がより好ましく、4質量%未満がさらに好ましい。 In order to suppress the elution amount of hydrogen peroxide and its fluctuation, it is further preferable that the hollow fiber membrane is not completely dried. If it is completely dried, the deterioration of polyvinyl pyrrolidone increases, and the production of hydrogen peroxide is greatly increased. In addition, wettability may be reduced during re-wetting during use, and polyvinyl pyrrolidone may be difficult to absorb water, and thus may be easily eluted from the hollow fiber membrane. The moisture content of the hollow fiber membrane after drying is preferably 0.5% by mass or more, more preferably 0.7% by mass or more, and further preferably 1.0% by mass or more. On the other hand, in the present invention, it is preferable that polyvinylpyrrolidone is substantially non-crosslinked as described above. For example, when used for a blood purifier, sterilization by γ-ray irradiation is performed, and polyvinylpyrrolidone is crosslinked by the γ-ray irradiation. In the present invention, it is a preferred embodiment to minimize the crosslinking of polyvinylpyrrolidone by γ-ray irradiation. The crosslinking reaction of the polyvinyl pyrrolidone is affected by the water content of the hollow fiber membrane. When the water content exceeds 10% by mass, the crosslinking reaction becomes remarkable. Therefore, the water content is preferably 10% by mass or less. It is more preferably less than 7% by mass, and still more preferably less than 4% by mass.
乾燥工程に関しては従来技術では、例えば特開2000−300663号公報に開示されているように60℃のエアを中空糸膜束の長手方向に、一方向から20時間程度通風することにより中空糸膜束を乾燥させていた。しかし、この方法では過酸化水素溶出の中空糸膜束の長手方向での変動が大きく好ましい範囲を超える部分が多発し、本発明を満足することができなかった。この理由についてはよくわからないが、エアを一定方向から通風して中空糸膜束の乾燥を行うと、中空糸膜束のエア入口部より出口部に向かって順次乾燥が進行するため、エア入口部では速く乾燥が終了し、エア出口部で遅れて乾燥が終了する。すなわち、エア入口部では中空糸膜束が過乾燥になることによって、中空糸膜束素材の分解劣下が進行し、結果として入口部は該中空糸膜束の構成材料、特に、ポリビニルピロリドンの酸化劣化が増大することにより引き起こされたのではないかと推測する。そこで本発明者ら、中空糸膜束の部分的な過乾燥を防ぎ、均等に乾燥させることを目的とし、乾燥時のエアの向きを定時毎(例えば、1時間毎や30分毎)に180度反転しながら中空糸膜束の乾燥処理を行った。また、他の目的として、乾燥時の熱による酸化反応速度を抑制するために、乾燥器内温度および乾燥エアの温度を従来の60℃から40℃に低下させることによって本発明の中空糸膜束を得ることができた。上記のごとく、酸化劣化が過酸化水素溶出量の変動要因になっていると推定されることより、乾燥時の雰囲気を窒素ガス等の不活性ガスに置換して実施する方法も有効である。 Regarding the drying process, in the prior art, for example, as disclosed in JP 2000-300663 A, a hollow fiber membrane is obtained by passing air at 60 ° C. in the longitudinal direction of the hollow fiber membrane bundle for about 20 hours from one direction. The bundle was allowed to dry. However, in this method, fluctuations in the longitudinal direction of the hollow fiber membrane bundle eluted with hydrogen peroxide were large and many portions exceeding the preferred range occurred, and the present invention could not be satisfied. I do not know the reason for this well, but when air is ventilated from a certain direction and the hollow fiber membrane bundle is dried, the air inlet portion of the hollow fiber membrane bundle is sequentially dried from the air inlet portion to the outlet portion. Then, the drying is finished quickly, and the drying is finished with a delay at the air outlet. That is, when the hollow fiber membrane bundle is overdried at the air inlet portion, degradation of the hollow fiber membrane bundle material proceeds, and as a result, the inlet portion is made of the constituent material of the hollow fiber membrane bundle, particularly polyvinylpyrrolidone. It is presumed that it was caused by an increase in oxidative degradation. Therefore, the present inventors aim to prevent partial overdrying of the hollow fiber membrane bundle and to dry it uniformly, and the direction of air during drying is set to 180 at regular intervals (for example, every hour or every 30 minutes). The hollow fiber membrane bundle was dried while being inverted. As another object, the hollow fiber membrane bundle of the present invention is produced by lowering the temperature in the dryer and the temperature of the drying air from the conventional 60 ° C. to 40 ° C. in order to suppress the oxidation reaction rate due to heat during drying. Could get. As described above, it is presumed that oxidative degradation is a variable factor for the elution amount of hydrogen peroxide, and therefore a method of replacing the atmosphere during drying with an inert gas such as nitrogen gas is also effective.
乾燥器内の風量および風速は、中空糸膜束の量、総含水量に応じて通風乾燥器を調整すればよいが、通常は風量が0.01〜5L/sec(中空糸膜束1本)程度で足りる。通風媒体としては不活性ガスを用いるのが好ましいが、通常の空気を使用する場合には、除湿したものを使用するのが好ましい。乾燥温度は20〜80℃であればよいが、温度を高くすると、中空糸膜束の損傷を大きくし、乾燥が部分的にアンバランスになりがちであるから、常温から最高60℃程度までにするのが好ましい。例えば、含水率200〜1000質量%の状態では、60〜80℃と比較的高い温度で乾燥可能であるが、乾燥が進行し、例えば含水率が1〜50質量%程度に低下した場合、比較的温度の低い常温〜最高60℃程度の範囲において乾燥するのが好ましい。乾燥は、中空糸膜の中心部分および外周部分は勿論のこと、それを束ねた中空糸膜束の中心部分および外周部分の含水率に較差がないのが理想的である。実際には中空糸膜や中空糸膜束の中心部および外周部の含水率に若干の差がある。そして、中空糸膜束の中心部、中間部および外周部などの含水率の較差が小さいということは、品質のよい製品を造るための好ましい実施態様であるから、それを製造する乾燥方法に技術的な配慮をする必要がある。通風媒体として、例えば、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガスを使用する場合には、実質的に無酸素状態での乾燥であるため親水性高分子の劣化分解が起こりにくく、乾燥温度を高めることが可能である。 The air volume and speed in the dryer may be adjusted by the ventilation dryer according to the amount of the hollow fiber membrane bundle and the total water content. Usually, the air volume is 0.01 to 5 L / sec (one hollow fiber membrane bundle). ) Is enough. As the ventilation medium, it is preferable to use an inert gas. However, when normal air is used, it is preferable to use a dehumidified medium. The drying temperature may be 20 to 80 ° C. However, if the temperature is increased, damage to the hollow fiber membrane bundle is increased, and drying tends to become partially unbalanced. It is preferable to do this. For example, in a state where the water content is 200 to 1000% by mass, drying is possible at a relatively high temperature of 60 to 80 ° C., but when the drying proceeds, for example, when the water content is reduced to about 1 to 50% by mass, It is preferable to dry in the range of normal temperature where the target temperature is low to maximum 60 ° C. Ideally, the moisture content of the center portion and the outer peripheral portion of the hollow fiber membrane bundle, as well as the center portion and the outer peripheral portion of the hollow fiber membrane bundle in which the drying is performed, is ideally unchanged. Actually, there is a slight difference in the moisture content of the center portion and the outer periphery of the hollow fiber membrane or the hollow fiber membrane bundle. And since it is a preferable embodiment for producing a good quality product that the difference in moisture content of the hollow fiber membrane bundle such as the central part, the intermediate part and the outer peripheral part is small, it is technical to the drying method for producing it. It is necessary to give special consideration. For example, when an inert gas such as nitrogen gas or argon gas is used as the ventilation medium, since the drying is performed in a substantially oxygen-free state, the degradation and decomposition of the hydrophilic polymer hardly occur, and the drying temperature is increased. It is possible.
風量および乾燥温度は、中空糸膜束の含水率により決まる。含水率が高い場合に風量を例えば0.1〜5L/sec(中空糸膜束1本)という比較的高く設定し、温度も50〜80℃と比較的高く設定する。乾燥が進行し、中空糸膜束の水分含有量が低くなったら、風量を、例えば0.1L/sec(中空糸膜束1本)以下に徐々に下げるという風量を調整し、一方で、温度もそれに連動させ徐々に常温に近づける乾燥方法を採用することが乾燥の工夫の一つである。中空糸膜束の中心部、中間部および外周部などの含水率の較差が小さいということは、各部の乾燥を同時に均一に進行させることでもある。このため、中空糸膜束を通風乾燥するときに送風向きを交互に逆転させるということは、通風乾燥における中空糸膜束に対する送風の向きを180度変えた方向から交互に送風することである。勿論、その送風方向の反転は内容物である中空糸膜束それ自体を通風方向に対して180度交互に反転させるというように装置を工夫する場合もある。又、乾燥のための中空糸膜束を固定し、送風装置に工夫して通風方向を交互に180度程度変えた方向から送風する方法もあるが、送風手段に関しては特に限定する必要はない。特に循環型送風乾燥機の場合には、内容物の中空糸膜束それ自体を交互に180度反転させるような装置が設計上は勿論のこと、運転上も合理的に機能する。この一見ありふれたような反転を含む本発明の乾燥方法は、特に中空糸膜束という特殊な材料において、一束の部分固着を防ぐという品質管理において、汎用の材料の乾燥には見られない予期しえぬ成果をあげることができたというものである。 The air volume and the drying temperature are determined by the moisture content of the hollow fiber membrane bundle. When the moisture content is high, the air volume is set to a relatively high value of, for example, 0.1 to 5 L / sec (one hollow fiber membrane bundle), and the temperature is set to a relatively high value of 50 to 80 ° C. When drying progresses and the moisture content of the hollow fiber membrane bundle becomes low, the air volume is adjusted to gradually lower the air volume to, for example, 0.1 L / sec (one hollow fiber membrane bundle) or less. One of the ideas of drying is to adopt a drying method that gradually moves to room temperature in conjunction with it. The small difference in the moisture content of the hollow fiber membrane bundle such as the central part, the intermediate part and the outer peripheral part means that the drying of each part is simultaneously and uniformly progressed. For this reason, alternately reversing the blowing direction when the hollow fiber membrane bundle is air-dried means alternately blowing air from the direction in which the air blowing direction with respect to the hollow fiber membrane bundle is changed by 180 degrees. Of course, there is a case where the device is devised so that the reversal of the blowing direction is alternately reversed by 180 degrees with respect to the air flow direction as the contents of the hollow fiber membrane bundle itself. Further, there is a method in which a hollow fiber membrane bundle for drying is fixed and the blower is devised to blow air from the direction in which the ventilation direction is alternately changed by about 180 degrees, but the blower means is not particularly limited. In particular, in the case of a circulation type blower / dryer, an apparatus that alternately inverts the hollow fiber membrane bundle of the content itself by 180 degrees functions not only in design but also in operation. The drying method of the present invention including this seemingly common inversion is an anticipation not seen in the drying of general-purpose materials, particularly in the special control of hollow fiber membrane bundles, in quality control to prevent partial bundle fixing. It was that we were able to achieve unexpected results.
乾燥における通風の交互反転時間は、乾燥するための中空糸膜束の水分総量および風速、風量、乾燥温度、空気の除湿程度などの要因により変わる性格のものであるが、均一乾燥を求めるなら、送風方向をこまめに反転させることが好ましい。工業的に実用上設定される風向反転時間は乾燥開始後の含水率にも影響するが、例えば60〜80℃程度の高温で、例えば65℃で1〜4時間、25〜60℃において、例えば30℃程度において1〜20時間乾燥するという、総乾燥時間が24時間という時間を設定した場合に、30〜60分程度の間隔で機械的に風向を反転させることができる。水分総量が多い初期の乾燥段階において、例えば60〜80℃程度の高温において、0.1〜5L/sec(中空糸膜束1本)程度の比較的風量が多い条件で乾燥する場合には、最初に風の直接当たる部分の乾燥が比較的早いから、10〜120分程度の間隔で風向の反転を、1〜5時間程度繰り返す。特に、最初の段階は10〜40分間隔で風向を反転させることが好ましい。中空糸膜束の中心部および外周部の含水率の較差が小さくなるに従い、乾燥温度も徐々に30℃程度の常温に近づけ、反転時間も30〜90分程度の間隔で風向の反転を繰り返すことができる。その際の風量および温度の切り換えは、中空糸膜束の含水率を考慮して任意に決めることができる。より定量的に示せば、中空糸膜束の中心部および外周部の水分含有量を算定の根拠にした、含水率が50〜100質量%程度以下になったら、乾燥の状況を観察しながら乾燥時間と反転時間を適宜変更することができる。
乾燥は、固定した時間間隔で機械的に風向反転時間を設定して行うことができる。一方で、乾燥の進行の程度を観察しながら風向反転時間、総乾燥時間を決めるという状況判断や経験則に頼るような要素もある。なお、本発明の含水率(質量%)は、乾燥前の中空糸膜の質量(a)、乾燥後の中空糸膜の質量(b)を測定し、
含水率(質量%)=(a−b)/b×100
により容易に算定できる。
The alternating inversion time of ventilation in drying is of a nature that varies depending on factors such as the total moisture content of the hollow fiber membrane bundle for drying and the wind speed, air volume, drying temperature, degree of dehumidification of air, but if uniform drying is desired, It is preferable to reverse the blowing direction frequently. The wind direction reversal time that is practically set industrially affects the moisture content after the start of drying, for example, at a high temperature of about 60 to 80 ° C., for example, at 65 ° C. for 1 to 4 hours, at 25 to 60 ° C. When the total drying time of 24 hours is set at about 30 ° C. for 1 to 20 hours, the wind direction can be mechanically reversed at intervals of about 30 to 60 minutes. In the initial drying stage where the total amount of moisture is large, for example, when drying at a high temperature of about 60 to 80 ° C. and under a relatively large air volume of about 0.1 to 5 L / sec (one hollow fiber membrane bundle), Since the portion where the wind directly hits is dried relatively quickly, the reversal of the wind direction is repeated for about 1 to 5 hours at intervals of about 10 to 120 minutes. In particular, in the first stage, it is preferable to reverse the wind direction at intervals of 10 to 40 minutes. As the moisture content difference between the center and the outer periphery of the hollow fiber membrane bundle becomes smaller, the drying temperature gradually approaches the room temperature of about 30 ° C., and the reversal of the wind direction is repeated at intervals of about 30 to 90 minutes. Can do. Switching of the air volume and temperature at that time can be arbitrarily determined in consideration of the moisture content of the hollow fiber membrane bundle. If it shows more quantitatively, the moisture content of the center part and the outer peripheral part of the hollow fiber membrane bundle is based on the calculation, and when the moisture content is about 50 to 100% by mass or less, the drying is performed while observing the drying condition. The time and the inversion time can be changed as appropriate.
Drying can be performed by mechanically setting the wind direction reversal time at fixed time intervals. On the other hand, there are factors that rely on situation judgments and empirical rules to determine the wind direction inversion time and total drying time while observing the degree of progress of drying. The water content (% by mass) of the present invention is determined by measuring the mass (a) of the hollow fiber membrane before drying, the mass (b) of the hollow fiber membrane after drying,
Moisture content (mass%) = (ab) / b × 100
Can be easily calculated.
また、減圧下でマイクロ波を照射して乾燥するのも有効な手段の一つである。該乾燥方法の乾燥条件としては、20KPa以下の減圧下で出力0.1〜100KWのマイクロ波を照射することが好ましい実施態様である。また、該マイクロ波の周波数は1,000〜5,000MHzであり、乾燥処理中の中空糸膜束の最高到達温度が90℃以下であることが好ましい実施態様である。減圧という手段を併設すれば、それだけで水分の乾燥が促進されるので、マイクロ波の照射の出力を低く抑え、照射時間も短縮できる利点もあるが、温度の上昇も比較的小さく抑えることができるので、全体的には中空糸膜束の性能低下に与える影響が少ない。さらに、減圧という手段を伴う乾燥は、乾燥温度を比較的下げることができるという利点があり、特に親水性高分子の劣化分解を著しく抑えることができるという有意な点がある。適正な乾燥温度は20〜80℃で十分足りるということになる。より好ましくは20〜60℃、さらに好ましくは20〜50℃、よりさらに好ましくは30〜40℃である。 Moreover, it is one of the effective means to dry by irradiating a microwave under reduced pressure. As a drying condition of the drying method, it is a preferred embodiment to irradiate microwaves having an output of 0.1 to 100 kW under a reduced pressure of 20 KPa or less. Moreover, the frequency of this microwave is 1,000-5,000 MHz, and it is a preferable embodiment that the highest ultimate temperature of the hollow fiber membrane bundle during a drying process is 90 degrees C or less. If a means of decompression is additionally provided, drying of moisture is promoted by itself, so there is an advantage that the output of microwave irradiation can be suppressed and the irradiation time can be shortened, but the rise in temperature can also be suppressed relatively small. Therefore, the influence on the performance degradation of the hollow fiber membrane bundle is small as a whole. Furthermore, drying accompanied by means of reduced pressure has the advantage that the drying temperature can be relatively lowered, and has a significant point that deterioration and decomposition of the hydrophilic polymer can be remarkably suppressed. An appropriate drying temperature is sufficient from 20 to 80 ° C. More preferably, it is 20-60 degreeC, More preferably, it is 20-50 degreeC, More preferably, it is 30-40 degreeC.
減圧を伴うということは、中空糸膜束の中心部および外周部に均等に減圧が作用することになり、水分の蒸発が均一に促進されることになり、中空糸膜の乾燥が均一になされるために、乾燥の不均一に起因する中空糸膜束の障害を是正することになる。それに、マイクロ波による加熱も、中空糸膜束の中心および外周全体にほぼ等しく作用することになるから、均一な加熱と減圧が相乗的に機能することになり、中空糸膜束の乾燥において特有の効果を奏する。減圧度についてはマイクロ波の出力、中空糸膜束の有する総水分含量および中空糸膜束の本数により適宜設定すれば良いが、乾燥中の中空糸膜束の温度上昇を防ぐため減圧度は20kPa以下、より好ましくは15kPa以下、さらに好ましくは10kPa以下で行う。20kPa以上では水分蒸発効率が低下するばかりでなく、中空糸膜束を形成するポリマーの温度が上昇してしまい劣化してしまう可能性がある。また、減圧度は高い方が温度上昇抑制と乾燥効率を高める意味で好ましいが、装置の密閉度を維持するためにかかるコストが高くなるので0.1kPa以上が好ましい。より好ましくは0.25kPa以上、さらに好ましくは0.4kPa以上である。 The accompanying decompression means that the decompression is uniformly applied to the center part and the outer peripheral part of the hollow fiber membrane bundle, the evaporation of moisture is promoted uniformly, and the hollow fiber membrane is uniformly dried. Therefore, the failure of the hollow fiber membrane bundle due to non-uniform drying is corrected. In addition, since heating by microwaves acts almost equally on the center and the entire outer periphery of the hollow fiber membrane bundle, uniform heating and reduced pressure function synergistically, which is unique in drying the hollow fiber membrane bundle. The effect of. The degree of vacuum may be appropriately set according to the output of the microwave, the total moisture content of the hollow fiber membrane bundle, and the number of hollow fiber membrane bundles, but the degree of vacuum is 20 kPa to prevent the temperature of the hollow fiber membrane bundle during drying. Hereinafter, it is performed more preferably at 15 kPa or less, and further preferably at 10 kPa or less. If it is 20 kPa or more, not only the water evaporation efficiency is lowered, but also the temperature of the polymer forming the hollow fiber membrane bundle may be increased and deteriorated. Moreover, although the one where a pressure reduction degree is higher is preferable in the meaning which raises temperature rise suppression and drying efficiency, since the cost concerning maintaining the sealing degree of an apparatus becomes high, 0.1 kPa or more is preferable. More preferably, it is 0.25 kPa or more, and further preferably 0.4 kPa or more.
乾燥時間短縮を考慮するとマイクロ波の出力は高い方が好ましいが、例えばポリビニルピロリドンを含有する中空糸膜束では過乾燥や過加熱によるポリビニルピロリドンの劣化、分解が起こったり、使用時の濡れ性低下が起こるなどの問題があるため、出力はあまり上げないのが好ましい。また0.1kW未満の出力でも中空糸膜束を乾燥することは可能であるが、乾燥時間が延びることによる処理量低下の問題が起こる可能性がある。減圧度とマイクロ波出力の組合せの最適値は、中空糸膜束の保有水分量および中空糸膜束の処理本数により異なるものであって、試行錯誤のうえ適宜設定値を求めるのが好ましい。
例えば、本発明の乾燥条件を実施する一応の目安として、中空糸膜束1本当たり50gの水分を有する中空糸膜束を20本乾燥した場合、総水分含量は50g×20本=1,000gとなり、この時のマイクロ波の出力は1.5kW、減圧度は5kPaが適当である。
In consideration of shortening the drying time, a higher microwave output is preferable.For example, in hollow fiber membrane bundles containing polyvinylpyrrolidone, degradation or decomposition of polyvinylpyrrolidone occurs due to overdrying or overheating, and wettability decreases during use. Therefore, it is preferable not to increase the output so much. Further, the hollow fiber membrane bundle can be dried even with an output of less than 0.1 kW, but there is a possibility that the throughput will be reduced due to the extended drying time. The optimum value of the combination of the degree of decompression and the microwave output varies depending on the water content of the hollow fiber membrane bundle and the number of processed hollow fiber membrane bundles, and it is preferable to obtain a set value as appropriate through trial and error.
For example, as a temporary guide for carrying out the drying conditions of the present invention, when 20 hollow fiber membrane bundles having a moisture content of 50 g per hollow fiber membrane bundle are dried, the total moisture content is 50 g × 20 fibers = 1,000 g. At this time, it is appropriate that the microwave output is 1.5 kW and the decompression degree is 5 kPa.
より好ましいマイクロ波出力は0.1〜80kW、さらに好ましいマイクロ波出力は0.1〜60kWである。マイクロ波の出力は、例えば、中空糸膜の総数と総含水量により決まるが、いきなり高出力のマイクロ波を照射すると、短時間で乾燥が終了するが、中空糸膜が部分的に変性することがあり、縮れのような変形を起こすことがある。マイクロ波を使用して乾燥するという場合に、例えば、中空糸膜に保水剤のようなものを用いた場合に、高出力やマイクロ波を用いて過激に乾燥することは保水剤の飛散による消失の原因にもなる。それに特に減圧下の条件をともなうと中空糸膜への影響を考えれば、従来においては減圧下でマイクロ波を照射することは意図していなかった。本発明の減圧下でマイクロ波を照射するということは、水性液体の蒸発が比較的温度が低い状態においても活発になるため、高出力マイクロ波および高温によるポリビニルピロリドンの劣化や中空糸膜の変形等の中空糸膜の損傷を防ぐという二重の効果を奏することになる。 A more preferable microwave output is 0.1 to 80 kW, and a more preferable microwave output is 0.1 to 60 kW. The output of the microwave is determined by, for example, the total number of hollow fiber membranes and the total water content, but when suddenly high-power microwaves are irradiated, drying is completed in a short time, but the hollow fiber membrane is partially denatured. And may cause deformation such as curling. When drying using microwaves, for example, when using something like a water retention agent in the hollow fiber membrane, high power and extreme drying using microwaves will disappear due to scattering of the water retention agent It becomes the cause of. In consideration of the influence on the hollow fiber membrane, especially under conditions under reduced pressure, conventionally, irradiation with microwaves under reduced pressure was not intended. Irradiation of microwaves under reduced pressure according to the present invention means that the evaporation of aqueous liquid is active even in a relatively low temperature state, so that degradation of polyvinylpyrrolidone and deformation of hollow fiber membranes due to high output microwaves and high temperatures Thus, a double effect of preventing damage to the hollow fiber membrane is obtained.
本発明において、減圧下におけるマイクロ波照射による乾燥は、マイクロ波の出力を一定にした一段乾燥を可能としているが、別の実施態様として、乾燥の進行に応じて、マイクロ波の出力を順次段階的に下げる、いわゆる多段乾燥を好ましい態様として包含している。そこで、多段乾燥の意義を説明すると次のようになる。減圧下で、しかも30〜90℃程度の比較的低い温度で、マイクロ波で乾燥する場合に、中空糸膜束の乾燥の進み具合に合わせて、マイクロ波の出力を順次下げていくという多段乾燥方法が優れている。乾燥をする中空糸膜の総量、工業的に許容できる適正な乾燥時間などを考慮して、減圧の程度、温度、マイクロ波の出力および照射時間を決めればよい。多段乾燥は、例えば、2〜6段という任意に何段も可能であるが、生産性を考慮して工業的に適正と許容できるのは、2〜4段乾燥にするのが適当である。中空糸膜束に含まれる水分の総量にもよるが、比較的多い場合に、多段乾燥は、例えば、90℃以下の温度における、5〜20kPa程度の減圧下で、一段目は30〜100kWの範囲で、二段目は10〜30kWの範囲で、三段目は0.1〜10kWというように、マイクロ波照射時間を加味して決めることができる。マイクロ波の出力を、例えば、高い段で90kW、低い段で0.1kWのように、出力の較差が大きい場合には、その出力を下げる段数を例えば4〜8段と多くすればよい。本発明の場合に、減圧というマイクロ波照射に技術的な配慮をしているから、比較的マイクロ波の出力を下げた状態でもできるという有利な点がある。例えば、一段目は10〜20kWのマイクロ波により10〜100分程度、二段目は3〜10kW程度で5〜80分程度、三段目は0.1〜3kW程度で1〜60分程度という段階で乾燥する。各段のマイクロ波の出力および照射時間は、中空糸膜に含まれる水分の総量の減り具合に連動して下げていくことが好ましい。この乾燥方法は、中空糸膜束に非常に穏やかな乾燥方法であり、先行技術においては期待できないことから、本発明の作用効果を有意にしている。 In the present invention, drying by microwave irradiation under reduced pressure enables one-stage drying with a constant microwave output, but as another embodiment, the microwave output is sequentially stepped in accordance with the progress of drying. Therefore, so-called multistage drying is included as a preferred embodiment. Therefore, the significance of multi-stage drying will be described as follows. When drying with microwaves at a relatively low temperature of about 30 to 90 ° C. under reduced pressure, multi-stage drying in which the output of the microwaves is sequentially reduced in accordance with the progress of drying of the hollow fiber membrane bundle. The method is excellent. The degree of pressure reduction, temperature, microwave output, and irradiation time may be determined in consideration of the total amount of hollow fiber membranes to be dried, industrially acceptable drying time, and the like. Multistage drying can be performed in any number of stages, for example, 2 to 6 stages, but it is appropriate to use 2 to 4 stages for industrially acceptable in consideration of productivity. Depending on the total amount of water contained in the hollow fiber membrane bundle, when relatively large, multistage drying is performed at a temperature of 90 ° C. or lower, for example, at a reduced pressure of about 5 to 20 kPa, and the first stage is 30 to 100 kW. The range can be determined in consideration of the microwave irradiation time such that the second stage is in the range of 10 to 30 kW and the third stage is in the range of 0.1 to 10 kW. When the output difference of the microwave is large, for example, 90 kW at the high stage and 0.1 kW at the low stage, the number of stages to reduce the output may be increased to 4 to 8 stages, for example. In the case of the present invention, since technical consideration is given to the microwave irradiation called decompression, there is an advantage that the microwave output can be relatively lowered. For example, the first stage is about 10 to 100 minutes by 10 to 20 kW microwave, the second stage is about 3 to 10 kW and about 5 to 80 minutes, and the third stage is about 0.1 to 3 kW and about 1 to 60 minutes. Dry in stages. It is preferable that the microwave output and irradiation time of each stage are lowered in conjunction with the reduction in the total amount of moisture contained in the hollow fiber membrane. This drying method is a very gentle drying method for hollow fiber membrane bundles, and cannot be expected in the prior art, thus making the effects of the present invention significant.
別の態様を説明すると、中空糸膜束の含水率が400質量%以下の場合には、12kW以下の低出力マイクロ波による照射が優れている場合がある。例えば、一度に乾燥を行う中空糸膜束の水分総量が1〜7kg程度と比較的少量の場合には、80℃以下、好ましくは60℃以下の温度で、3〜10kPaの減圧下において、12kW以下の出力の、例えば1〜5kWのマイクロ波で10〜240分間中空糸膜束を均一に加熱した後、マイクロ波照射を停止すると同時に減圧度を1〜3kPaに上げることにより水分を蒸発させる。中空糸膜束の温度が下がり、水分が蒸発しにくくなったら、減圧度を3〜10kPaに戻し、マイクロ波照射を再開し0.5〜1kW未満のマイクロ波で1〜240分中空糸膜束を加熱する。中空糸膜束の温度が上がったら、マイクロ波照射を停止し、減圧度を0.5〜1.5kPaに上げ水分を蒸発させる。中空糸膜束より水分が蒸発しにくくなれば、再度減圧度を3〜10kPaに下げ、0.1〜0.5kW未満のマイクロ波を照射し1〜240分加熱するという、乾燥の程度に応じてマイク口波の照射出力および照射時間を調整すれば乾燥が均一に行われる。減圧度は各段において、一応0.1〜20kPaという条件を設定しているが、中空糸膜の水分含量の比較的多い一段目を例えば0.1〜5kPaと減圧を高め、マイクロ波の出力を10〜30kWと高める、ニ段目、三段目を5〜20kPaの減圧下で0.1〜5kWによる一段目よりやや高い圧力下でマイクロ波を照射するという、いわゆる各段の減圧度を状況に応じて適正に調整して変えることなどは、中空糸膜束の含水率の低下の推移を考慮して任意に設定することが可能である。各段において、減圧度を変える操作は、本発明の減圧下でマイクロ波を照射するという意義をさらに大きくする。勿論、マイクロ波照射装置内におけるマイクロ波の均一な照射および排気には常時配慮する必要がある。 To explain another aspect, when the moisture content of the hollow fiber membrane bundle is 400% by mass or less, irradiation with a low-power microwave of 12 kW or less may be excellent. For example, when the total amount of water of the hollow fiber membrane bundle to be dried at a time is as relatively small as about 1 to 7 kg, it is 12 kW under a reduced pressure of 3 to 10 kPa at a temperature of 80 ° C. or lower, preferably 60 ° C. or lower. After heating the hollow fiber membrane bundle uniformly for 10 to 240 minutes with a microwave of the following output, for example, 1 to 5 kW, the microwave irradiation is stopped, and at the same time, the degree of vacuum is increased to 1 to 3 kPa to evaporate water. When the temperature of the hollow fiber membrane bundle decreases and it becomes difficult for water to evaporate, the degree of vacuum is returned to 3 to 10 kPa, the microwave irradiation is resumed, and the hollow fiber membrane bundle is resumed for 1 to 240 minutes with a microwave of less than 0.5 to 1 kW. Heat. When the temperature of the hollow fiber membrane bundle rises, microwave irradiation is stopped, the degree of vacuum is increased to 0.5 to 1.5 kPa, and the water is evaporated. If the moisture is less likely to evaporate than the hollow fiber membrane bundle, the degree of vacuum is reduced again to 3-10 kPa, irradiated with microwaves of less than 0.1-0.5 kW and heated for 1-240 minutes, depending on the degree of drying If the irradiation power and the irradiation time of the microphone mouth wave are adjusted, drying is performed uniformly. The degree of vacuum is set to 0.1 to 20 kPa for each stage, but the first stage having a relatively high moisture content of the hollow fiber membrane is increased to 0.1 to 5 kPa, for example, and the microwave output is increased. The so-called depressurization degree of each stage is such that microwaves are irradiated at a slightly higher pressure than the first stage of 0.1 to 5 kW under a reduced pressure of 5 to 20 kPa in the second stage and the third stage. Appropriate adjustment and change according to the situation can be arbitrarily set in consideration of the transition of the moisture content of the hollow fiber membrane bundle. In each stage, the operation of changing the degree of reduced pressure further increases the significance of irradiating microwaves under reduced pressure according to the present invention. Of course, it is necessary to always consider the uniform irradiation and exhaust of the microwave in the microwave irradiation apparatus.
中空糸膜束の乾燥を、減圧下でマイクロ波を照射して乾燥することと、通風向きを交互に逆転する乾燥方法を併用することも乾燥において工程が煩雑にはなるが、有効な乾燥方法である。マイクロ波照射方法および通風交互逆転方法も一長一短があり、高度の品質が求められる場合に、これらを併用することができる。最初の段階で、通風交互逆転方法を採用して、含水率が20〜60質量%程度に進行したら、次の段階で減圧下でマイクロ波を照射して乾燥することができる。この場合に、マイクロ波を照射して乾燥した後に、次に通風向きを交互に逆転する乾燥方法を併用することもできる。これらは、乾燥により製造される中空糸膜の品質、特に中空糸膜における長さ方向において部分固着がないポリスルホン系中空糸膜束の品質を考慮して決めることができる。これらの乾燥方法を同時に行うこともできるが、装置の煩雑さ、複雑さ、価格の高騰などの不利な点があるため実用的ではない。しかし、遠赤外線等の有効な加熱方法を併用することは本発明の乾燥方法の範囲からは排除しない。 The drying of the hollow fiber membrane bundle is performed by irradiating with microwaves under reduced pressure, and using a drying method that alternately reverses the direction of ventilation also makes the process complicated in drying, but an effective drying method It is. The microwave irradiation method and the alternating ventilation reverse method also have merits and demerits, and these can be used together when high quality is required. In the first stage, when the air flow alternating reversal method is adopted and the moisture content proceeds to about 20 to 60% by mass, it can be dried by irradiating microwaves under reduced pressure in the next stage. In this case, after drying by irradiating microwaves, it is possible to use a drying method in which the ventilation direction is reversed alternately. These can be determined in consideration of the quality of the hollow fiber membrane produced by drying, particularly the quality of the polysulfone-based hollow fiber membrane bundle having no partial fixation in the length direction of the hollow fiber membrane. These drying methods can be performed simultaneously, but are not practical because of disadvantages such as the complexity and complexity of the apparatus and the price increase. However, the combined use of an effective heating method such as far infrared rays is not excluded from the scope of the drying method of the present invention.
乾燥中の中空糸膜束の最高到達温度は、不可逆性のサーモラベルを中空糸膜束を保護するフィルム側面に貼り付けて乾燥を行い、乾燥後に取り出し表示を確認することで測定することができる。この時、乾燥中の中空糸膜束の最高到達温度は90℃以下が好ましく、より好ましくは80℃以下に抑える。さらに好ましくは70℃以下である。最高到達温度が90℃以上になると、膜構造が変化しやすくなり性能低下や酸化劣化を起こしてしまう場合がある。特にポリビニルピロリドンを含有する中空糸膜束では、熱によるポリビニルピロリドンの分解等が起こりやすいので温度上昇をできるだけ防ぐ必要がある。減圧度とマイクロ波出力の最適化と断続的に照射することで温度上昇を防ぐことができる。また、乾燥温度は低い方が好ましいが、減圧度の維持コスト、乾燥時間短縮の面より30℃以上が好ましい。 The maximum temperature reached by the hollow fiber membrane bundle during drying can be measured by applying an irreversible thermolabel to the side of the film that protects the hollow fiber membrane bundle, drying, and checking the display after taking out the drying. . At this time, the maximum reached temperature of the hollow fiber membrane bundle during drying is preferably 90 ° C. or lower, more preferably 80 ° C. or lower. More preferably, it is 70 degrees C or less. If the maximum temperature reaches 90 ° C. or higher, the film structure is likely to change, which may cause performance degradation or oxidative degradation. In particular, in a hollow fiber membrane bundle containing polyvinylpyrrolidone, it is necessary to prevent the temperature rise as much as possible because polyvinylpyrrolidone is easily decomposed by heat. Temperature rise can be prevented by optimizing the degree of decompression and microwave output and irradiating intermittently. Moreover, although the one where a drying temperature is lower is preferable, 30 degreeC or more is preferable from the surface of the maintenance cost of pressure reduction degree, and the shortening of drying time.
マイクロ波の照射周波数は、中空糸膜束への照射斑の抑制や、細孔内の水を細孔より押出す効果などを考慮すると1,000〜5,000MHzが好ましい。より好ましくは1,500〜4,000MHz、さらに好ましくは2,000〜3,000MHzである。該マイクロ波照射による乾燥は中空糸膜束を均一に加熱し乾燥することが重要である。上記したマイクロ波乾燥においては、マイクロ波照射時に付随発生する反射波による不均一加熱が発生するので、該反射波による不均一加熱を低減する手段を取る事が重要である。該方策は限定されず任意であるが、例えば、特開2000−340356号公報において開示されているオーブン中に反射板を設けて反射波を反射させ加熱の均一化を行う方法が好ましい実施態様の一つである。 The microwave irradiation frequency is preferably 1,000 to 5,000 MHz in consideration of the suppression of irradiation spots on the hollow fiber membrane bundle and the effect of extruding water in the pores from the pores. More preferably, it is 1,500-4,000 MHz, More preferably, it is 2,000-3,000 MHz. In drying by microwave irradiation, it is important to uniformly heat and dry the hollow fiber membrane bundle. In the above-described microwave drying, non-uniform heating due to reflected waves generated during microwave irradiation occurs, so it is important to take measures to reduce non-uniform heating due to the reflected waves. The method is not limited and is arbitrary. For example, a method of providing a reflector in an oven disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 2000-340356 to reflect reflected waves and uniformize heating is a preferred embodiment. One.
以上、本発明を構成する主要件および該要件を達成するために必要な重要ポイントについて記述したが、本願発明の中空糸膜を得るための紡糸、後処理について具体例を挙げてより詳細に説明する。 As described above, the main matters constituting the present invention and important points necessary for achieving the requirements have been described, but the spinning and post-treatment for obtaining the hollow fiber membrane of the present invention will be described in more detail with specific examples. To do.
製膜溶液にはポリマーと溶媒、必要に応じて非溶媒の各成分を用いる。中空形成剤には製膜溶液に用いたのと同じ溶媒と水からなる混合液を用いるのが好ましいが、目的とする膜性能・膜特性を得るために適宜非溶媒を添加してもよい。ポリスルホン系高分子としては、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンは勿論のこと、二種のポリマーを混合して使うこともできる。溶媒としては、ポリスルホン系高分子とポリビニルピロリドンを共に溶解する溶媒を用いるのが好ましい。具体的には、例えばジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミドなどを使用することができる。ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンがより好ましい。本発明において非溶媒とは、溶媒とはある程度任意の割合で混合できるがポリスルホン系高分子を溶解する能力のないものをいう。本発明では、水、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどが好ましい。作業安全性、入手のしやすさ、コストの面より、水、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコールがより好ましい。 In the film forming solution, a polymer and a solvent, and if necessary, non-solvent components are used. As the hollow forming agent, it is preferable to use the same mixed solution composed of the same solvent and water as used for the film-forming solution, but a non-solvent may be appropriately added in order to obtain the desired film performance and film characteristics. As the polysulfone polymer, not only polysulfone and polyethersulfone but also two kinds of polymers can be mixed and used. As the solvent, it is preferable to use a solvent that dissolves both the polysulfone polymer and polyvinylpyrrolidone. Specifically, for example, dimethylacetamide, dimethylsulfoxide, N-methyl-2-pyrrolidone, dimethylformamide and the like can be used. Dimethylacetamide and N-methyl-2-pyrrolidone are more preferable. In the present invention, the non-solvent refers to a solvent that can be mixed at an arbitrary ratio to some extent but does not have the ability to dissolve the polysulfone polymer. In the present invention, water, ethylene glycol, triethylene glycol, polyethylene glycol, propylene glycol, polypropylene glycol, 1,3-butylene glycol, glycerin, diethylene glycol monoethyl ether, diethylene glycol monobutyl ether and the like are preferable. Water, triethylene glycol, and polyethylene glycol are more preferable from the viewpoints of work safety, availability, and cost.
製膜溶液を室温〜130℃に加温されたチューブインオリフィス型の二重管ノズルより吐出し、所謂乾湿式紡糸法により膜を形成させる。ノズルから製膜溶液と該製膜溶液を凝固させるための中空形成剤とを同時に空中に押し出し、外気と遮断された空中を通過後ノズル直下に設けた凝固浴槽に導き、ミクロ相分離により膜を形成させる。得られた中空糸膜は、引き続き水洗槽を通すことで過剰の溶媒・非溶媒・ポリビニルピロリドンを膜から除去する。一定本数を綛に巻きとり、中空糸膜束を保護するフィルムに挿入した後、一定長さに切断する。更に遠心分離により中空形成剤を除去した後、再度洗浄を行い過剰のポリビニルピロリドン、劣化分解物の除去および膜中の含有量の制御を行う。得られた中空糸膜は、低温で乾燥をおこなう。 The membrane-forming solution is discharged from a tube-in-orifice double tube nozzle heated to room temperature to 130 ° C., and a membrane is formed by a so-called dry and wet spinning method. A membrane-forming solution and a hollow forming agent for coagulating the membrane-forming solution are extruded from the nozzle into the air at the same time. Let it form. The obtained hollow fiber membrane is subsequently passed through a washing tank to remove excess solvent / non-solvent / polyvinylpyrrolidone from the membrane. A certain number is wound around a bag and inserted into a film that protects the hollow fiber membrane bundle, and then cut into a certain length. Further, after removing the hollow forming agent by centrifugation, washing is performed again to remove excess polyvinyl pyrrolidone and degraded degradation products and to control the content in the membrane. The obtained hollow fiber membrane is dried at a low temperature.
ノズルの製膜溶液吐出孔幅は100μm以下であることが好ましい。より好ましくは80μm以下、さらに好ましくは60μm以下である。該吐出孔幅は小さい方が膜厚を薄くできるため好ましいが、小さすぎるとノズル詰まりを起こしやすくなるとか、洗浄しにくくなるといった問題が発生することがあるため、20μm以上が好ましく、30μm以上がより好ましい。また、前述のごとく該製膜溶液流路の吐出外径(D)とランド長(L)との比であるL/D値は2〜6が好ましい。該対応で中空糸膜内表面のポリビニルピロリドンの配向が好ましい範囲となる。 The width of the film forming solution discharge hole of the nozzle is preferably 100 μm or less. More preferably, it is 80 micrometers or less, More preferably, it is 60 micrometers or less. The smaller discharge hole width is preferable because the film thickness can be reduced. However, if the discharge hole width is too small, nozzle clogging is liable to occur, or problems such as difficulty in cleaning may occur. More preferred. Further, as described above, the L / D value, which is the ratio between the discharge outer diameter (D) and the land length (L) of the film forming solution flow path, is preferably 2 to 6. Correspondingly, the orientation of polyvinyl pyrrolidone on the inner surface of the hollow fiber membrane is within a preferred range.
中空糸膜を紡糸する際には、ドープを中空形成剤とともに二重管型のノズルから吐出し、空走部分を経て凝固浴に導き凝固させる。ノズルから吐出された直後の中空形成剤吐出線速度とドープ吐出線速度が、中空形成剤吐出線速度>ドープ吐出線速度の関係にあると中空糸膜内表面と中空形成剤の界面にてずり応力が働き、摩擦が生じ、適度な荷電が付与されるので好ましい。中空形成剤吐出線速度はドープ吐出線速度の3倍〜10倍の大きさであることがより好ましい。3倍未満であると中空糸膜内表面と中空形成剤の界面での応力が小さく適度に荷電をコントロールできない可能性がある。10倍を超えると紡糸口金の圧損が大きくなり吐出むらが発生し膜の形状が不均一になることがある。また、ドープ吐出線速度は10000cm/min以下であることが好ましい。ドープ吐出線速度が大きすぎると、紡糸口金の圧損が大きくなり吐出むらが発生し紡糸が不安定になったり、膜構造も不均一となる可能性がある。
吐出線速度と線速度比は次の式で算出できる。
(吐出直後の吐出線速度)(cm/min)=吐出量(ml/min)/(吐出孔面積)(cm2)
(線速度比)=(中空形成剤の吐出線速度)/(ドープの吐出線速度)
When spinning a hollow fiber membrane, the dope is discharged from a double tube type nozzle together with a hollow forming agent, and is guided to a coagulation bath through a free running portion to be solidified. When the hollow forming agent discharge linear velocity immediately after being discharged from the nozzle and the dope discharge linear velocity are in the relationship of hollow forming agent discharge linear velocity> dope discharge linear velocity, shearing occurs at the interface between the inner surface of the hollow fiber membrane and the hollow forming agent. Since stress acts, friction arises and moderate charge is given, it is preferable. The hollow forming agent discharge linear velocity is more preferably 3 to 10 times the dope discharge linear velocity. If it is less than 3 times, the stress at the interface between the inner surface of the hollow fiber membrane and the hollow forming agent is small, and there is a possibility that the charge cannot be controlled appropriately. If it exceeds 10 times, the pressure loss of the spinneret becomes large and uneven discharge may occur, resulting in non-uniform film shape. The dope discharge linear velocity is preferably 10,000 cm / min or less. If the dope discharge linear velocity is too high, the pressure loss of the spinneret becomes large, and discharge unevenness may occur, spinning may become unstable, and the film structure may become non-uniform.
The discharge linear velocity and the linear velocity ratio can be calculated by the following equation.
(Discharge linear velocity immediately after discharge) (cm / min) = Discharge amount (ml / min) / (Discharge hole area) (cm 2 )
(Linear velocity ratio) = (Discharge linear velocity of hollow forming agent) / (Discharge linear velocity of dope)
中空形成剤としては、0〜80質量%のジメチルアセトアミド(DMAc)水溶液が好ましい。より好ましくは、20〜70質量%、さらに好ましくは25〜60質量%、よりさらに好ましくは35〜50質量%である。中空形成剤濃度をこの範囲で制御することにより、溶質透過性とポリビニルピロリドンおよびエンドトキシンカット性を両立する細孔径を得ることが可能となる。また、詳細な理由はわからないが、ジメチルアセトアミドと水との混合溶液を用いることにより、ポリスルホン系樹脂とポリビニルピロリドンのモビリティに変化が生じ、製膜後の中空糸膜の血液接触側表面の親疎水比が適度にバランスするものと考えられる。中空形成剤濃度が低すぎると、血液接触面の緻密層が厚くなるため、溶質透過性が低下する可能性がある。また中空形成剤濃度が高すぎると、緻密層の形成が不完全になりやすくポリビニルピロリドンや膜中に含まれるエンドトキシン(フラグメント)が血液側に溶出しやすくなり、生体(血液)適合性が低下することがある。 As a hollow formation agent, 0-80 mass% dimethylacetamide (DMAc) aqueous solution is preferable. More preferably, it is 20-70 mass%, More preferably, it is 25-60 mass%, More preferably, it is 35-50 mass%. By controlling the hollow-forming agent concentration within this range, it is possible to obtain a pore diameter that achieves both solute permeability and polyvinylpyrrolidone and endotoxin cutting properties. Moreover, although the detailed reason is not known, the use of a mixed solution of dimethylacetamide and water causes a change in the mobility of the polysulfone resin and polyvinylpyrrolidone, and the hydrophilicity / hydrophobicity of the blood contact side surface of the hollow fiber membrane after film formation The ratio is thought to be reasonably balanced. If the hollow forming agent concentration is too low, the dense layer on the blood contact surface becomes thick, which may reduce the solute permeability. If the hollow forming agent concentration is too high, the formation of a dense layer is likely to be incomplete, and polyvinylpyrrolidone and endotoxin (fragment) contained in the membrane are likely to elute to the blood side, resulting in decreased biocompatibility (blood) compatibility. Sometimes.
外部凝固液は、10〜80℃、0〜40質量%のN-メチル-2-ピロリドン(NMP)またはDMAc水溶液を使用するのが好ましい。外部凝固液の温度、濃度が高すぎる場合は、透析液側表面開孔率および透析液側表面平均孔面積が大きくなりすぎ、透析使用時エンドトキシン(フラグメント)の血液側への逆流入が増大する可能性がある。また、外部凝固液の温度、濃度が低すぎる場合には、製膜溶液から持ち込まれる溶媒を希釈するために大量の水を使用する必要があり、また廃液処理のためのコストが増大する。そのため、外部凝固液の温度、濃度はより好ましくは20〜80℃、0〜35質量%、さらに好ましくは30〜80℃、0〜30質量%、よりさらに好ましくは40〜80℃、5〜30質量%、特に好ましくは50〜80℃、10〜30質量%である。 As the external coagulation liquid, it is preferable to use N-methyl-2-pyrrolidone (NMP) or DMAc aqueous solution at 10 to 80 ° C. and 0 to 40% by mass. If the temperature and concentration of the external coagulation solution are too high, the dialysate-side surface porosity and the dialysate-side surface average pore area will be too large, and the backflow of endotoxin (fragment) into the blood will increase when using dialysis. there is a possibility. Further, when the temperature and concentration of the external coagulation liquid are too low, it is necessary to use a large amount of water to dilute the solvent brought in from the film forming solution, and the cost for waste liquid treatment increases. Therefore, the temperature and concentration of the external coagulation liquid are more preferably 20 to 80 ° C. and 0 to 35% by mass, further preferably 30 to 80 ° C. and 0 to 30% by mass, and still more preferably 40 to 80 ° C. and 5 to 30%. It is 50 mass%, Most preferably, it is 50-80 degreeC and 10-30 mass%.
本発明の中空糸膜の製造において、完全に中空糸膜構造が固定される以前に実質的に延伸をかけないことが好ましい。実質的に延伸を掛けないとは、ノズルから吐出された製膜溶液に過度の弛みや緊張が生じないように紡糸工程中のローラー速度をコントロールすることを意味する。吐出線速度/凝固浴第一ローラー速度比(ドラフト比)は0.7〜2・0が好ましい範囲である。前記比が0.7未満では、走行する中空糸膜に弛みが生じ生産性の低下に繋がることがあるので、ドラフト比は0.8以上がより好ましく、0.9以上がさらに好ましく、0.95以上がよりさらに好ましい。2.0を超える場合には中空糸膜の緻密層が裂けるなど膜構造が破壊されることがある。そのため、ドラフト比は、より好ましくは1.9以下、さらに好ましくは1.8以下である。ドラフト比をこの範囲に調整することにより細孔の変形や破壊を防ぐことができ、膜孔への血中タンパクの目詰まりを防ぎ経時的な性能安定性やシャープな分画特性を発現することが可能となると共に、前述の中空形成剤の液温の最適化との相乗効果により、内表面の表層に中空糸膜の長手方向に連続した筋状の凹凸が形成され、α1マイクログロブリンの吸着量の増大に繋げられるので好ましい。 In the production of the hollow fiber membrane of the present invention, it is preferable that stretching is not substantially applied before the hollow fiber membrane structure is completely fixed. The fact that the film is not substantially stretched means that the roller speed during the spinning process is controlled so that excessive slack or tension does not occur in the film forming solution discharged from the nozzle. The discharge linear speed / coagulation bath first roller speed ratio (draft ratio) is preferably in the range of 0.7 to 2.0. If the ratio is less than 0.7, the running hollow fiber membrane may be loosened, leading to a decrease in productivity. Therefore, the draft ratio is more preferably 0.8 or more, further preferably 0.9 or more, and More preferably 95 or more. When it exceeds 2.0, the membrane structure may be destroyed, for example, the dense layer of the hollow fiber membrane is torn. Therefore, the draft ratio is more preferably 1.9 or less, and still more preferably 1.8 or less. By adjusting the draft ratio to this range, deformation and destruction of the pores can be prevented, clogging of blood protein into the membrane pores can be prevented, and performance stability over time and sharp fractionation characteristics can be expressed. As a result of a synergistic effect with the optimization of the liquid temperature of the hollow forming agent described above, streaky irregularities that are continuous in the longitudinal direction of the hollow fiber membrane are formed on the surface of the inner surface, so Since it leads to increase of quantity, it is preferable.
適度な陰性荷電を持たせるためには、膜表面の静電気を少なくすることが好ましい。膜表面の静電気は主に乾燥や摩擦により発生する。中空糸膜の乾燥を防ぐ方法として、乾燥工程で絶乾しないことやグリセリン処理をすることが挙げられる。グリセリン処理に用いるグリセリン水溶液の濃度は10〜70質量%が好ましく、15〜65質量%がより好ましい。また、別の手段として、乾燥時のエアーを除電することが有効である。除電処理はプラスとマイナスを発生する除電機器を用いて、膜の帯電量に応じた中空糸膜の耐電極性とは反対極性のイオンを与えることによって膜の静電気を中和することによって行われる。帯電量に応じた反対極性のイオンを供給する方法としては、Ion Current Control方式を取り入れた除電機器を用いた方法を用いて中空糸膜を直接除電することができる。Ion Current Control方式とは、帯電物と除電機器のアース電極との電位差によって生じるイオン電流をセンシングすることで、帯電物の帯電状況を把握し、その帯電量に応じた反対極性のイオンを供給するように、プラス、マイナスそれぞれの電極針に高電圧をかける時間(パルス幅)を制御するものである。静電気を起こす摩擦を防ぐ方法として、紡糸機のローラーやガイドの素材を適正化することも効果的である。ローラーやガイドの素材としては、テフロン(登録商標)、ベークライト、ステンレス、プラスチックなどがあるが、中空糸型膜との摩擦を最小限にするステンレスが適している。またそれらの形状は中空糸との摩擦を最小限にするために、接触部が滑らかな曲線になっていることが好ましい。また、アースをつけることも好ましい。このように静電気や摩擦が起こらないような工程管理をすることにより、ポリスルホン系樹脂が本来もっている陰性荷電を適度にコントロールすることができる。 In order to have an appropriate negative charge, it is preferable to reduce static electricity on the film surface. Static electricity on the film surface is generated mainly by drying and friction. Examples of the method for preventing the hollow fiber membrane from drying include not drying completely in the drying step and glycerin treatment. 10-70 mass% is preferable and, as for the density | concentration of the glycerol aqueous solution used for glycerol treatment, 15-65 mass% is more preferable. As another means, it is effective to neutralize the air during drying. The neutralization treatment is performed by neutralizing the static electricity of the membrane by using a static elimination device that generates plus and minus and giving ions of the opposite polarity to the electrode resistance of the hollow fiber membrane according to the charge amount of the membrane. . As a method of supplying ions of opposite polarity according to the amount of charge, the hollow fiber membrane can be directly neutralized using a method using a static eliminator incorporating the Ion Current Control method. The Ion Current Control method senses the charged state of a charged object by sensing the ionic current caused by the potential difference between the charged object and the ground electrode of the static eliminator, and supplies ions of the opposite polarity according to the amount of charge. Thus, the time (pulse width) for applying a high voltage to the positive and negative electrode needles is controlled. As a method of preventing friction that causes static electricity, it is also effective to optimize the materials of the rollers and guides of the spinning machine. As materials for rollers and guides, there are Teflon (registered trademark), bakelite, stainless steel, plastic, and the like. Stainless steel that minimizes friction with the hollow fiber membrane is suitable. Further, in order to minimize the friction with the hollow fiber, it is preferable that the contact portion has a smooth curve. It is also preferable to attach a ground. By controlling the process so that static electricity and friction do not occur in this way, the negative charge inherent in the polysulfone resin can be appropriately controlled.
本発明においては、上記したポリビニルピロリドンの溶出量と内毒素であるエンドトキシンの血液側への浸入を阻止したり、中空糸膜を乾燥する際の中空糸膜同士の固着を防止する等の特性をバランスするために中空糸膜の外表面におけるポリビニルピロリドンの含有量を特定範囲にすることが求められる。該要求に答える方法として、例えば、ポリスルホン系高分子に対するポリビニルピロリドンの構成割合を前記した範囲にしたり、中空糸膜の製膜条件を最適化する等により達成できる。また、製膜された中空糸膜を洗浄することも有効な方法である。製膜条件としては、延伸条件、凝固浴の温度、凝固液中の溶媒と非溶媒との組成比等の最適化が、また、洗浄方法としては、温水洗浄、アルコール洗浄および遠心洗浄等が有効である。 In the present invention, the elution amount of the polyvinyl pyrrolidone and the endotoxin, which is an endotoxin, are prevented from entering the blood, and the hollow fiber membranes are prevented from sticking to each other when the hollow fiber membranes are dried. In order to balance, it is required that the content of polyvinyl pyrrolidone on the outer surface of the hollow fiber membrane be in a specific range. As a method for satisfying this requirement, it can be achieved, for example, by setting the composition ratio of polyvinyl pyrrolidone with respect to the polysulfone polymer to the above-mentioned range or optimizing the film forming conditions of the hollow fiber membrane. It is also an effective method to wash the formed hollow fiber membrane. As film forming conditions, optimization of stretching conditions, temperature of coagulation bath, composition ratio of solvent and non-solvent in coagulating liquid, etc. Also effective cleaning methods include hot water cleaning, alcohol cleaning and centrifugal cleaning. It is.
中空糸膜の洗浄方法として、本発明では、70〜130℃の熱水、または室温〜50℃、10〜40vol%のエタノールまたはイソプロパノール水溶液に中空糸膜を浸漬して処理するのが好ましい。
(1)熱水洗浄の場合は、中空糸膜を過剰のRO水に浸漬し70〜90℃で15〜60分処理した後、中空糸膜を取り出し遠心脱水を行う。この操作をRO水を更新しながら3、4回繰り返して洗浄処理を行う。
(2)加圧容器内の過剰のRO水に浸漬した中空糸膜を121℃で2時間程度処理する方法をとることもできる。
(3)エタノールまたはイソプロパノール水溶液を使用する場合も、(1)と同様の操作を繰り返すのが好ましい。
(4)遠心洗浄器に中空糸膜を放射状に配列し、回転中心から40℃〜90℃の洗浄水をシャワー状に吹きつけながら30分〜5時間遠心洗浄することも好ましい洗浄方法である。
前記洗浄方法は2つ以上組み合わせて行ってもよい。いずれの方法においても、処理温度が低すぎる場合には、洗浄回数を増やす等が必要になりコストアップに繋がることがある。また、処理温度が高すぎるとポリビニルピロリドンの分解が加速し、逆に洗浄効率が低下することがある。上記洗浄を行うことにより、外表面ポリビニルピロリドンの含有量の適正化を行い、固着抑制や溶出物の量を減ずることが可能となる。
As a method for cleaning the hollow fiber membrane, in the present invention, it is preferable to treat the hollow fiber membrane by immersing it in hot water at 70 to 130 ° C., or at room temperature to 50 ° C. and 10 to 40 vol% ethanol or isopropanol aqueous solution.
(1) In the case of hot water washing, the hollow fiber membrane is immersed in excess RO water and treated at 70 to 90 ° C. for 15 to 60 minutes, and then the hollow fiber membrane is taken out and subjected to centrifugal dehydration. This operation is repeated three or four times while updating the RO water to perform the cleaning process.
(2) A method of treating a hollow fiber membrane immersed in excess RO water in a pressurized container at 121 ° C. for about 2 hours can also be employed.
(3) When using an ethanol or isopropanol aqueous solution, it is preferable to repeat the same operation as in (1).
(4) It is also a preferable washing method that the hollow fiber membranes are arranged radially in a centrifugal washer and centrifugally washed for 30 minutes to 5 hours while spraying washing water at 40 ° C. to 90 ° C. from the rotation center in a shower shape.
Two or more cleaning methods may be combined. In any of the methods, if the processing temperature is too low, it is necessary to increase the number of times of cleaning, which may lead to an increase in cost. On the other hand, if the treatment temperature is too high, the decomposition of polyvinylpyrrolidone is accelerated, and conversely, the cleaning efficiency may be reduced. By performing the above-described cleaning, it is possible to optimize the content of the outer surface polyvinyl pyrrolidone, thereby suppressing sticking and reducing the amount of eluate.
本発明においては、中空糸膜を乾燥状態で保管する場合は、過酸化水素の発生を抑制する意味で、20℃以下の温度で保存するのが好ましい。また、脱酸素された状態で密封包装することも好ましい実施態様である。たとえば、酸素ガスおよび水蒸気をほぼ実質的に遮断できるアルミ箔を構成層とした外層がポリエステルフイルム、中間層がアルミ箔、内層がポリエチレンフイルムよりなる不透過性とヒートシール性を兼ね備えた素材よりなる包装袋に、不活性ガス置換あるいは脱酸素剤の存在下で封入方法が挙げられる。この場合、中空糸膜の含水率が1質量%〜飽和含水率の状態で保存するのが好ましい。より好ましくは1〜10質量%、さらに好ましくは1〜7質量%である。また、中空糸膜の含水率が1質量%未満の場合は、包装袋内雰囲気の室温における相対湿度が50%RH以上の状態で保存するか、または水分放出型の脱酸素剤を同梱するのが好ましい。 In the present invention, when the hollow fiber membrane is stored in a dry state, it is preferably stored at a temperature of 20 ° C. or lower in order to suppress the generation of hydrogen peroxide. It is also a preferred embodiment to carry out hermetic packaging in a deoxygenated state. For example, an outer layer composed of an aluminum foil that can substantially block oxygen gas and water vapor is composed of a polyester film, an intermediate layer is an aluminum foil, and an inner layer is made of a material having both impermeability and heat sealability. The packaging bag may be sealed in an inert gas or in the presence of an oxygen scavenger. In this case, it is preferable to store the hollow fiber membrane with a moisture content of 1% by mass to a saturated moisture content. More preferably, it is 1-10 mass%, More preferably, it is 1-7 mass%. If the water content of the hollow fiber membrane is less than 1% by mass, store it in a state where the relative humidity at room temperature of the atmosphere in the packaging bag is 50% RH or more, or bundle a moisture releasing oxygen scavenger. Is preferred.
本発明においては、γ線や電子線照射により滅菌する場合は、ポリビニルピロリドンの架橋反応を抑制する意味において中空糸膜束を乾燥状態で行うのが好ましい。該方法においては、γ線や電子線照射によるポリビニルピロリドンの劣化による過酸化水素生成を抑制する意味で上記の保存方法で記述したと同様の方法で行うのが好ましい。 In the present invention, when sterilizing by γ-ray or electron beam irradiation, it is preferable to carry out the hollow fiber membrane bundle in a dry state in order to suppress the crosslinking reaction of polyvinylpyrrolidone. In this method, it is preferable to carry out the same method as described in the above storage method in order to suppress the production of hydrogen peroxide due to the degradation of polyvinyl pyrrolidone by γ-ray or electron beam irradiation.
以下、本発明の有効性を実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の実施例における物性の評価方法は以下の通りである。 Hereinafter, the effectiveness of the present invention will be described with reference to examples, but the present invention is not limited thereto. In addition, the evaluation method of the physical property in the following examples is as follows.
1、アルブミンの篩い係数
(1%牛血漿アルブミン溶液の調製)
A液;純水3Lに対してNa2HPO4・12H2O53.72gとNaCl26.30gを溶解する。
B液;純水3Lに対してKH2PO420.42gとNaCl26.30gを溶解する。
A液にB液を添加し、pH=7.5±0.1にあわせる。このリン酸緩衝液3Lに牛血漿アルブミン(和光純薬社製)30gを溶解させる。溶解後、再度1N-NaOHを用いてpH=7.5±0.1に調整する。
(通液)
血液浄化器の透析液側流路に純水を500mL/minで5分間通液し、ついで血液側流路に200mL/minで5分間通液した。ついでモジュールの透析液側流路に先のリン酸緩衝液500mL/minで5分間通液し、ついで血液側流路に200mL/minで5分間通液した。その後血液側から透析液側にろ過をかけながら3分間通液した。
(測定)
回路を血液側に接続し、透析液側のプライミング液(リン酸緩衝液)を廃棄する。モジュールを37℃の恒温槽中に置き、透析液側を封止し、血液側の流量を200mL/minで1分間通液し、血液側に残っていたプライミング液を除去する。ついで透析液入り口部に回路を接続し、血液側200mL/min、透析液入り口部につないだ濾過回路の流量を30mL/minに設定し、血液側透過液、濾液ともに試験液に戻す循環系で試験を実施する。循環開始から15分後の試験液、血液側透過液、濾液をそれぞれ採取した。この採取したサンプルを純水で10倍希釈し(濾液は希釈なしが好ましい)280nmの波長で分光器により吸光度を測定した。アルブミンの篩係数はそれぞれの吸光度より下式を用いて算出した。
SCalb=2×Cf/(Cb+Co)
ここでCfは濾液の吸光度、Cbは試験液の吸光度、Coは血液側透過液の吸光度を表し、希釈した場合にはそれぞれの希釈倍率を乗じるものとする。
1. Albumin sieving coefficient (preparation of 1% bovine plasma albumin solution)
Solution A: 53.72 g of Na 2 HPO 4 · 12H 2 O and 26.30 g of NaCl are dissolved in 3 L of pure water.
Liquid B: 20.42 g of KH 2 PO 4 and 26.30 g of NaCl are dissolved in 3 L of pure water.
Add solution B to solution A and adjust to pH = 7.5 ± 0.1. 30 g of bovine plasma albumin (manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.) is dissolved in 3 L of this phosphate buffer. After dissolution, adjust the pH to 7.5 ± 0.1 again using 1N-NaOH.
(Liquid flow)
Pure water was passed through the dialysate side channel of the blood purifier at 500 mL / min for 5 minutes, and then passed through the blood side channel at 200 mL / min for 5 minutes. Subsequently, the phosphate buffer solution 500 mL / min was passed through the dialysate side channel of the module for 5 minutes, and then the blood side channel was passed at 200 mL / min for 5 minutes. Thereafter, the solution was passed for 3 minutes while filtering from the blood side to the dialysate side.
(Measurement)
Connect the circuit to the blood side and discard the priming solution (phosphate buffer) on the dialysate side. The module is placed in a 37 ° C. thermostat, the dialysate side is sealed, and the blood side flow rate is 200 mL / min for 1 minute to remove the priming solution remaining on the blood side. Next, a circuit is connected to the dialysate inlet, the blood side 200 mL / min, the flow rate of the filtration circuit connected to the dialysate inlet is set to 30 mL / min, and the blood permeate and filtrate are both returned to the test solution. Conduct the test. A test solution, a blood side permeate, and a filtrate 15 minutes after the start of circulation were collected. The collected sample was diluted 10 times with pure water (the filtrate is preferably undiluted), and the absorbance was measured with a spectrometer at a wavelength of 280 nm. The sieving coefficient of albumin was calculated from each absorbance using the following formula.
SCalb = 2 × Cf / (Cb + Co)
Here, Cf represents the absorbance of the filtrate, Cb represents the absorbance of the test solution, and Co represents the absorbance of the blood side permeate, and when diluted, the respective dilution factors are multiplied.
2、α1マイクログロブリンのクリアランス
ヒトα1マイクログロブリン(カタログ#133007 コスモ・バイオ社)を牛血液(クエン酸ナトリウム添加、ヘマトクリット30%、総蛋白質濃度6〜7g/dlに調整)に溶解し、100mL/Lの濃度になるように調製する。この牛血液を37℃に加温し、内径基準で1.0m2のモジュールの血液側(中空糸内部)へ小型ポンプで10ml/minで送り、透析液側は37℃に加温した透析液を同様に25ml/minで血液側と向流方向に流す。また、血液側出口流量を10ml/minに維持する。流量設定をした後、30分後に血液側入口、出口、透析液側出口からサンプリングをおこなった。イライザ(ELISA)法によりα1MGの濃度を測定して、次式によりクリアランスCLを算出した。
CL=(Cbi−Cbout)/Cbi×Qb
ここで、CL:クリアランス(ml/min)
Cbi:血液側入口濃度
Cbout:血液側出口濃度
Qb:血液流量(ml/min)
2. Clearance of α1 microglobulin Human α1 microglobulin (Catalog # 133007 Cosmo Bio) was dissolved in bovine blood (sodium citrate added, hematocrit 30%, adjusted to a total protein concentration of 6-7 g / dl), and 100 mL / Prepare to a concentration of L. This bovine blood is heated to 37 ° C., sent to the blood side (inside the hollow fiber) of the module of 1.0 m 2 on the basis of the inner diameter with a small pump at 10 ml / min, and the dialysate side is heated to 37 ° C. In the same direction at 25 ml / min. Further, the blood side outlet flow rate is maintained at 10 ml / min. After setting the flow rate, sampling was performed 30 minutes later from the blood side inlet, outlet, and dialysate side outlet. The concentration of α1MG was measured by the ELISA method, and the clearance CL was calculated by the following formula.
CL = (Cbi−Cbout) / Cbi × Qb
Where CL: clearance (ml / min)
Cbi: Blood side inlet concentration Cbout: Blood side outlet concentration Qb: Blood flow rate (ml / min)
3、α1マイクログロブリン吸着量測定
(100mg/Lα1MG溶液の調製)
A液;純水3LにNa2HPO4・12H2O53.72gとNaCl26.30gを溶解する。
B液;純水3LにKH2PO420.42gとNaCl26.30gを溶解する。
A液にB液を添加し、pH=7.5±0.1にあわせる。このリン酸緩衝液3Lに牛血漿アルブミン(和光純薬社製)300mgを溶解させる。溶解後、再度1N-NaOHを用いてpH=7.5±0.1に調製する。
(通液)
血液浄化器の透析液側流路に純水500mL/minで5分間通液し、ついで血液側流路に200mL/minで5分間通液した。ついでモジュールの透析液側流路に先のリン酸緩衝液500mL/minで5分間通液し、ついで血液側流路に200mL/minで5分間通液した。その後血液側から透析液側にろ過をかけながら3分間通液した。
(測定)
測定液回路を血液側に接続し、透析液側のプライミング液(リン酸緩衝液)を廃棄する。モジュールを37℃の恒温槽中に置き、透析液側を封止し、血液側の流量を200mL/minで1分間通液し、血液側に残っていたプライミング液を除去する。ついで透析液入り口部に回路を接続し、血液側の流量を200mL/min、透析液入り口部につないだ濾過回路の流量を30mL/minに設定し、血液側透過液、濾液ともに試験液に戻す循環系で試験を実施する。循環開始時と15分後の試験液をそれぞれ採取した。この採取したサンプルをイライザ法により濃度を決定し、吸着量を求めた。
α1MGの吸着量(mg)=Cb0×試験液量−Cb15×試験液量
ここでCb0、Cb15はそれぞれ循環開始時および15分後の試験液の濃度を表し、希釈した場合にはそれぞれの希釈倍率を乗じるものとする。
3. Measurement of α1 microglobulin adsorption (preparation of 100mg / Lα1MG solution)
Solution A: 53.72 g of Na 2 HPO 4 .12H 2 O and 26.30 g of NaCl are dissolved in 3 L of pure water.
Solution B: Dissolve 20.42 g of KH 2 PO 4 and 26.30 g of NaCl in 3 L of pure water.
Add solution B to solution A and adjust to pH = 7.5 ± 0.1. 300 mg of bovine plasma albumin (manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.) is dissolved in 3 L of this phosphate buffer. After dissolution, adjust to pH = 7.5 ± 0.1 again using 1N-NaOH.
(Liquid flow)
Pure water was allowed to flow at 500 mL / min for 5 minutes through the dialysate side channel of the blood purifier, and then passed through the blood side channel at 200 mL / min for 5 minutes. Subsequently, the phosphate buffer solution 500 mL / min was passed through the dialysate side channel of the module for 5 minutes, and then the blood side channel was passed at 200 mL / min for 5 minutes. Thereafter, the solution was passed for 3 minutes while filtering from the blood side to the dialysate side.
(Measurement)
Connect the measuring solution circuit to the blood side and discard the priming solution (phosphate buffer solution) on the dialysate side. The module is placed in a constant temperature bath at 37 ° C., the dialysate side is sealed, and the blood side flow rate is 200 mL / min for 1 minute to remove the priming solution remaining on the blood side. Next, connect the circuit to the dialysate inlet, set the flow rate on the blood side to 200 mL / min, set the flow rate of the filtration circuit connected to the dialysate inlet to 30 mL / min, and return both the blood-side permeate and filtrate to the test solution. Perform the test in the circulatory system. Test solutions at the start of circulation and after 15 minutes were collected. The concentration of the collected sample was determined by the Eliser method, and the amount of adsorption was determined.
α1MG adsorption amount (mg) = Cb0 x test liquid volume-Cb15 x test liquid volume where Cb0 and Cb15 represent the concentration of the test liquid at the start of circulation and 15 minutes later, respectively, and when diluted, the respective dilution factor Shall be multiplied.
4、透水性
血液浄化器の血液出口部回路(圧力測定点よりも出口側)を鉗子により流れを止め全ろ過とする。37℃に保温した純水を加圧タンクに入れ、レギュレーターにより圧力を制御しながら、37℃高温槽で保温した血液浄化器へ純水を送り、透析液側から流出した濾液量をメスシリンダーで測定する。膜間圧力差(TMP)は
TMP=(Pi+Po)/2
とする。ここでPiは血液浄化器入り口側圧力、Poは血液浄化器口側圧力である。TMPを4点変化させ濾過流量を測定し、それらの関係の傾きから透水性(mL/hr/mmHg)を算出する。このときTMPと濾過流量の相関係数は0.999以上でなくてはならない。また回路による圧力損失誤差を少なくするために、TMPは100mmHg以下の範囲で測定する。中空糸膜の透水性は膜面積と透析器の透水性から算出する。
UFR(H)=UFR(D)/A
ここでUFR(H)は中空糸膜の透水性(mL/m2/hr/mmHg)、UFR(D)は血液浄化器の透水性(mL/hr/mmHg)、Aは透析器の膜面積(m2)である。
4. Water permeability The blood outlet circuit (outlet side from the pressure measurement point) of the blood purifier is stopped by forceps and is subjected to total filtration. Purified water kept at 37 ° C is placed in a pressurized tank and the pressure is controlled by a regulator. The pure water is sent to a blood purifier kept in a high temperature bath at 37 ° C, and the amount of filtrate flowing out from the dialysate side is measured with a graduated cylinder. taking measurement. The transmembrane pressure difference (TMP) is TMP = (Pi + Po) / 2
And Here, Pi is the blood purifier inlet side pressure, and Po is the blood purifier mouth side pressure. The TMP is changed at four points, the filtration flow rate is measured, and the water permeability (mL / hr / mmHg) is calculated from the slope of the relationship. At this time, the correlation coefficient between TMP and the filtration flow rate must be 0.999 or more. In order to reduce the pressure loss error due to the circuit, TMP is measured in the range of 100 mmHg or less. The water permeability of the hollow fiber membrane is calculated from the membrane area and the water permeability of the dialyzer.
UFR (H) = UFR (D) / A
Here, UFR (H) is the water permeability of the hollow fiber membrane (mL / m 2 / hr / mmHg), UFR (D) is the water permeability of the blood purifier (mL / hr / mmHg), and A is the membrane area of the dialyzer. (M 2 ).
5、膜面積の計算
血液浄化器の膜面積は中空糸膜の内径基準として求める。
A=n×π×d×L
ここで、nは血液浄化器内の中空糸膜本数、πは円周率、dは中空糸膜の内径(m)、Lは血液浄化器内の中空糸膜の有効長(m)である。
5. Calculation of membrane area The membrane area of the blood purifier is determined as a reference for the inner diameter of the hollow fiber membrane.
A = n × π × d × L
Here, n is the number of hollow fiber membranes in the blood purifier, π is the circumference, d is the inner diameter (m) of the hollow fiber membrane, and L is the effective length (m) of the hollow fiber membrane in the blood purifier. .
6、血液リークテスト
クエン酸を添加し、凝固を抑制した37℃の牛血液を、血液浄化器に200mL/minで送液し、20mL/minの割合で血液を濾過する。このとき、ろ液は血液に戻し、循環系とする。60分間後に血液浄化器のろ液を採取し、赤血球のリークに起因する赤色を目視で観察する。この血液リーク試験を各実施例、比較例ともに30本の血液浄化器を用い、血液リークしたモジュール数を調べる。
6. Blood Leak Test A 37 ° C. bovine blood to which citric acid is added and coagulation is suppressed is fed to a blood purifier at 200 mL / min, and the blood is filtered at a rate of 20 mL / min. At this time, the filtrate is returned to blood to be a circulatory system. After 60 minutes, the filtrate from the blood purifier is collected, and the red color resulting from red blood cell leakage is visually observed. In this blood leak test, 30 blood purifiers were used in each example and comparative example, and the number of blood leaked modules was examined.
7、中空糸膜内外表面の最表層におけるポリビニルピロリドン(PVP)の含有量
中空糸膜の内外表面最表層のPVP含有量は、X線光電子分光法(ESCA法)で求めた。
中空糸膜1本を試料台にはりつけてESCAでの測定を行った。測定条件は次に示す通りである。
測定装置:アルバック・ファイ ESCA5800
励起X線:MgKα線
X線出力:14kV,25mA
光電子脱出角度:45°
分析径:400μmφ
パスエネルギー:29.35eV
分解能:0.125eV/step
真空度:約10-7Pa以下
窒素の測定値(N)と硫黄の測定値(S)から、次式により表面でのPVP含有量を算出した。
<PVP添加PES(ポリエーテルスルホン)膜の場合>
PVP含有量(Hpvp)[質量%]
=100×(N×111)/(N×111+S×232)
<PVP添加PSf(ポリスルホン)膜の場合>
PVP含有量(Hpvp)[質量%]
=100×(N×111)/(N×111+S×442)
7. Content of polyvinyl pyrrolidone (PVP) in the outermost layer on the inner and outer surfaces of the hollow fiber membrane The PVP content in the outermost layer on the inner and outer surfaces of the hollow fiber membrane was determined by X-ray photoelectron spectroscopy (ESCA method).
One hollow fiber membrane was attached to the sample stage and measured by ESCA. The measurement conditions are as follows.
Measuring device: ULVAC-Phi ESCA5800
Excitation X-ray: MgKα ray X-ray output: 14 kV, 25 mA
Photoelectron escape angle: 45 °
Analysis diameter: 400μmφ
Pass energy: 29.35 eV
Resolution: 0.125 eV / step
Degree of vacuum: about 10 −7 Pa or less From the measured value (N) of nitrogen and the measured value (S) of sulfur, the PVP content on the surface was calculated by the following formula.
<In case of PVP-added PES (polyethersulfone) membrane>
PVP content (Hpvp) [mass%]
= 100 × (N × 111) / (N × 111 + S × 232)
<In the case of PVP-added PSf (polysulfone) membrane>
PVP content (Hpvp) [mass%]
= 100 × (N × 111) / (N × 111 + S × 442)
8、中空糸膜全体でのPVP含有量の測定方法
サンプルを、真空乾燥器を用いて、80℃で48時間乾燥させ、その10mgをCHNコーダー(ヤナコ分析工業社製、MT−6型)で分析し、窒素含有量からPVPの含有量を下記式で計算し求めた。
PVPの含有量(質量%)=窒素含有量(質量%)×111/14
8. Measuring method of PVP content in the whole hollow fiber membrane The sample was dried at 80 ° C. for 48 hours using a vacuum dryer, and 10 mg of the sample was measured with a CHN coder (manufactured by Yanaco Analytical Industries, Model MT-6). Analysis was made and the content of PVP was calculated from the nitrogen content by the following formula.
PVP content (mass%) = nitrogen content (mass%) × 111/14
9、中空糸膜の内表面の表面近傍層でのPVPの含有量
測定はフーリエ変換赤外分光光度計(SPECTRA TECH社製IRμs/SIRM)を用い、ATR(Attenuated Total Reflection)法により測定した。上記7と同様の方法で準備した測定サンプルを使用し、内部反射エレメントとしてダイヤモンド45°を使用し赤外吸収スペクトルを測定した。赤外吸収スペクトルにおいて1675cm-1付近のPVPのC=Oに由来するピークの吸収強度Apと1580cm-1付近のポリスルホン系高分子に由来するピークの吸収強度Asの比Ap/Asを求めた。ATR法においては吸収強度が測定波数に依存しているため、補正値としてポリスルホン系高分子のピーク位置υsおよびPVPのピーク位置υp(波数)の比υp/υsを実測値にかけた。次の式で血液接触面の近傍層におけるPVPの含有量を算出した。
表面近傍層でのPVPの含有量(質量%)=Cav×Ap/As×υp/υs
ただし、Cavは前記8で求めたPVPの含有量(質量%)である。
9. The content of PVP in the surface vicinity layer of the inner surface of the hollow fiber membrane was measured by an ATR (Attenuated Total Reflection) method using a Fourier transform infrared spectrophotometer (IRμs / SIRM manufactured by SPECTRA TECH). Using a measurement sample prepared by the same method as in 7 above, an infrared absorption spectrum was measured using diamond 45 ° as an internal reflection element. In the infrared absorption spectrum, the ratio Ap / As of the peak absorption intensity Ap derived from C═O of PVP near 1675 cm −1 and the peak absorption intensity As derived from polysulfone-based polymer near 1580 cm −1 was determined. In the ATR method, since the absorption intensity depends on the measured wave number, a ratio υp / υs between the peak position υs of the polysulfone polymer and the peak position υp (wave number) of the PVP was applied to the measured value as a correction value. The content of PVP in the layer near the blood contact surface was calculated by the following formula.
Content (mass%) of PVP in the near surface layer = Cav × Ap / As × υp / υs
Cav is the PVP content (mass%) determined in 8 above.
10、中空糸膜外表面の開孔率
中空糸膜外表面を10,000倍の電子顕微鏡で観察し写真(SEM写真)を撮影する。その画像を画像解析処理ソフトで処理して中空糸膜外表面の開孔率を求めた。画像解析処理ソフトは、例えばImage Pro Plus (Media Cybernetics,Inc.)を使用して測定する。取り込んだ画像を孔部と閉塞部が識別されるように強調・フィルタ操作を実施する。その後、孔部をカウントした。その際、孔内部に下層のポリマー鎖が見て取れる場合には、下層のポリマー鎖を無視してカウントした。測定範囲の面積(A)、および測定範囲内の孔の面積の累計(B)を求めて開孔率(%)=B/A×100で求めた。これを10視野実施してその平均を求めた。初期操作としてスケール設定を実施するものとし、また、カウント時には測定範囲境界上の孔は除外しないものとする。
10. Opening ratio of outer surface of hollow fiber membrane The outer surface of the hollow fiber membrane is observed with an electron microscope of 10,000 times and a photograph (SEM photograph) is taken. The image was processed with image analysis processing software to obtain the porosity of the outer surface of the hollow fiber membrane. The image analysis processing software is measured using, for example, Image Pro Plus (Media Cybernetics, Inc.). The emphasis / filtering operation is performed on the captured image so that the hole and the blockage are identified. Thereafter, the holes were counted. At that time, if the lower layer polymer chain could be seen inside the hole, the lower layer polymer chain was ignored and counted. The area (A) of the measurement range and the cumulative area (B) of the areas of the pores within the measurement range were determined, and the area ratio (%) = B / A × 100. This was carried out for 10 views and the average was obtained. Scale setting is performed as an initial operation, and holes on the measurement range boundary are not excluded during counting.
11、中空糸膜の膜厚測定
倍率200倍の投影機で中空糸膜の断面を投影し、各視野内で最大、最小、中程度の大きさの中空糸膜の内径(A)および外径(B)を測定し、各中空糸膜の膜厚を次式で求め、
膜厚=(B−A)/2
1視野5個の中空糸膜の膜厚の平均を算出した。
11. Thickness measurement of hollow fiber membrane A cross-section of the hollow fiber membrane is projected by a projector with a magnification of 200 times, and the inner diameter (A) and outer diameter of the hollow fiber membrane of maximum, minimum, and medium sizes in each field of view. (B) is measured, and the film thickness of each hollow fiber membrane is determined by the following equation:
Film thickness = (B−A) / 2
The average film thickness of five hollow fiber membranes per field of view was calculated.
12、スキン層厚みの測定
本発明における中空糸膜のスキン層の厚みは、以下のようにして求めた。
中空糸膜断面を3000倍の倍率で走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察を行い、明らかに孔が観察されない部分をスキン層と定義し、その厚みを測定した。
12. Measurement of skin layer thickness The thickness of the skin layer of the hollow fiber membrane in the present invention was determined as follows.
The cross section of the hollow fiber membrane was observed with a scanning electron microscope (SEM) at a magnification of 3000 times, and the portion where no pore was clearly observed was defined as the skin layer, and the thickness was measured.
13、血小板保持率
次の方法によって血液灌流の前後の血液中の血小板数から算出した値を示す。
(1)採血バッグに、濃度が5U/mLとなるよう予めヘパリンカルシウムを入れておき、健康な成人の血液をひじの内側の静脈からこの採血バッグに採取する。血液灌流に先立ち、血液成分の分析用に血液のサンプリングを行う。
(2)膜面積1.5m2(中空糸膜内径基準)の血液浄化器の血液側、透析液側を生理食塩水でプライミングし、この血液浄化器の血液側に上記ヘパリン加ヒト全血を150mL/minの流量で灌流する。この際、採血バッグから流れ出た血液は血液浄化器の血液側を通過し、採血バッグに戻るように回路を組む。
(3)37℃の環境下で60分の血液灌流を行った後、血液のサンプリングを行い、血液成分の分析を行う。
(4)灌流前後の血液中の血小板数から、次の式により血小板保持率を算出する。
(血小板保持率)[%]=100×[{(灌流後の血液中の血小板数)×(灌流前の血液のヘマトクリット)}/(灌流後の血液のヘマトクリット)] ÷(灌流前の血液中の血小板数)
13. Platelet retention rate A value calculated from the number of platelets in blood before and after blood perfusion by the following method.
(1) Heparin calcium is put in advance in a blood collection bag so that the concentration becomes 5 U / mL, and blood of healthy adults is collected from the vein inside the elbow into this blood collection bag. Prior to blood perfusion, blood is sampled for analysis of blood components.
(2) Prime the blood side and dialysate side of the blood purifier with a membrane area of 1.5 m 2 (with reference to the inner diameter of the hollow fiber membrane) with physiological saline, and apply the heparinized human whole blood to the blood side of the blood purifier. Perfuse at a flow rate of 150 mL / min. At this time, a circuit is constructed so that the blood flowing out of the blood collection bag passes through the blood side of the blood purifier and returns to the blood collection bag.
(3) After blood perfusion for 60 minutes in an environment of 37 ° C., blood sampling is performed, and blood components are analyzed.
(4) From the number of platelets in the blood before and after perfusion, the platelet retention rate is calculated by the following formula.
(Platelet retention rate) [%] = 100 × [{(platelet number in blood after perfusion) × (hematocrit of blood before perfusion)} / (hematocrit of blood after perfusion)] / (in blood before perfusion) Platelet count)
14、カチオン性染料の吸着率
カチオン性染料吸着率とは、次の方法によってカチオン性染料溶液灌流前後の溶液中のカチオン性染料濃度から算出した値を示す。カチオン性染料としてはメチレンブルーを使用した。
(1)メチレンブルーを0.5ppmの濃度になるよう水に溶解してメチレンブルー溶液を調製する。
(2)膜と接触する前のメチレンブルー溶液をサンプリングしておく。
(3)メチレンブルー溶液1000mLを測り採り、膜面積1.5m2の血液浄化器の血液側、透析液側を満たす。
(4)血液浄化器充填後、余ったメチレンブルー溶液をプールし、血液浄化器の血液側に200mL/minの流量で灌流する。この際、溶液プールから流れ出た溶液は血液浄化器の血液側を通過し、プールに戻るように回路を組む。
(5)5分の灌流を行った後、血液浄化器に充填されたメチレンブルー溶液と、プールされたメチレンブルー溶液を併せ、サンプリングを行う。
(6)メチレンブルー水溶液の紫外吸収スペクトルの最大吸収波長490nmの吸光度から、検量線を作成し、膜接触前後のメチレンブルー溶液の濃度を測定する。
(7)次の式からメチレンブルー吸着率を算出する。
(メチレンブルー吸着率)[%]=100×(灌流後の溶液のメチレンブルー濃度)/灌流前の溶液のメチレンブルー濃度)
14, Adsorption rate of cationic dye The cationic dye adsorption rate is a value calculated from the concentration of the cationic dye in the solution before and after perfusion of the cationic dye solution by the following method. Methylene blue was used as the cationic dye.
(1) A methylene blue solution is prepared by dissolving methylene blue in water to a concentration of 0.5 ppm.
(2) Sampling the methylene blue solution before contact with the membrane.
(3) Measure 1000 ml of methylene blue solution and fill the blood side and dialysate side of the blood purifier with a membrane area of 1.5 m 2 .
(4) After filling the blood purifier, pool the excess methylene blue solution and perfuse the blood side of the blood purifier at a flow rate of 200 mL / min. At this time, a circuit is constructed so that the solution flowing out of the solution pool passes through the blood side of the blood purifier and returns to the pool.
(5) After perfusion for 5 minutes, the methylene blue solution filled in the blood purifier and the pooled methylene blue solution are combined and sampled.
(6) A calibration curve is created from the absorbance at the maximum absorption wavelength of 490 nm in the ultraviolet absorption spectrum of the methylene blue aqueous solution, and the concentration of the methylene blue solution before and after contact with the membrane is measured.
(7) The methylene blue adsorption rate is calculated from the following equation.
(Methylene blue adsorption rate) [%] = 100 × (methylene blue concentration of solution after perfusion) / methylene blue concentration of solution before perfusion)
15、PF4上昇率
ロシュ・ダイアグノスティクス社製のEIA(サンドイッチ法)による血小板第4因子(PF4)測定試薬を用いて、同社発行の日本標準商品分類番号:877422(承認番号:16200EZY0045300,2002年改訂版)記載の測定方法に準拠して測定した。
15, PF4 increase rate Japanese standard product classification number issued by the company using EIA (sandwich method) platelet factor 4 (PF4) measurement reagent manufactured by Roche Diagnostics, Inc .: Approval number: 16200EZY0045300, 2002 (Revised version) Measured according to the measurement method described.
16、C特性値
血液浄化器を使用し、ヘマトクリット35質量%の牛血液を200mL/minの流量で中空糸膜の内側に灌流した。同時に、中空糸膜内側から中空糸膜外側に向かって20mL/minの流量で濾過を行った。灌流・濾過開始15分後の膜間圧力と濾過液量から、牛血液系での透水率(以下MFRと略記する。)を算出した。この値を(A)とし、灌流・濾過開始120分後、同様の操作により求めたMFRの値(B)とから、100(%)×(B)/(A)の計算によりC特性値を算出した。
16, C characteristic value Using a blood purifier, hematocrit 35% by mass of bovine blood was perfused inside the hollow fiber membrane at a flow rate of 200 mL / min. At the same time, filtration was performed at a flow rate of 20 mL / min from the inside of the hollow fiber membrane toward the outside of the hollow fiber membrane. The water permeability in the bovine blood system (hereinafter abbreviated as MFR) was calculated from the transmembrane pressure and the amount of filtrate 15 minutes after the start of perfusion / filtration. With this value as (A), 120 minutes after the start of perfusion / filtration, the C characteristic value is calculated by the calculation of 100 (%) × (B) / (A) from the MFR value (B) obtained by the same operation. Calculated.
17、エンドトキシン透過性
エンドトキシン濃度200EU/Lの透析液を血液浄化器の透析液入り口より流速500ml/minで送液し、中空糸膜の外側から内側へエンドトキシンを含有する透析液を濾過速度15ml/minで2時間濾過を行い、中空糸膜の外側から中空糸膜の内側へ濾過された透析液を貯留し、該貯留液のエンドトキシン濃度を測定した。エンドトキシン濃度はリムルスESIIテストワコー(和光純薬工業社製)を用い、取り説の方法(ゲル化転倒法)に従って分析を行った。
17. Endotoxin permeability Dialysate with an endotoxin concentration of 200 EU / L is fed at a flow rate of 500 ml / min from the dialysate inlet of the blood purifier, and dialysate containing endotoxin is passed from the outside to the inside of the hollow fiber membrane at a filtration rate of 15 ml / Filtration was performed for 2 hours at min, the dialysate filtered from the outside of the hollow fiber membrane to the inside of the hollow fiber membrane was stored, and the endotoxin concentration of the stored solution was measured. Endotoxin concentration was analyzed using Limulus ESII Test Wako (manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.) according to the manual method (gelation overturning method).
18、プライミング性
血液浄化器の透析液側ポートに蓋をした状態で血液側入口ポートから200mL/minで注射用蒸留水を流し、出口側ポートに注射用蒸留水が到達した時点から10秒間カンシで5回血液浄化器ケースを軽くたたき脱泡した後、1分間の気泡の通過個数を目視にて確認した。
以下の基準で判定した。
10個/分以下:○
11〜30個/分:△
30個以上/分:×
18. Priming property Distilled water for injection is allowed to flow at 200 mL / min from the blood side inlet port with the lid on the dialysate side port of the blood purifier, and the water is injected for 10 seconds after the distilled water for injection reaches the outlet side port. Then, the blood purifier case was tapped 5 times to defoam, and the number of bubbles passed for 1 minute was visually confirmed.
Judgment was made according to the following criteria.
10 / min or less: ○
11-30 pieces / min: △
30 or more / minute: ×
19、PVP不溶物量の測定
血液浄化器に液体が充填されている場合は、まず充填液を抜き、つぎに透析液側流路に純水を500mL/minで5分間流した後、血液側流路に同じように純水を200mL/minで5分間流す。最後に血液側から透析液側に膜を透過するように200mL/minの純水を通液し洗浄処理を終了する。得られた血液浄化器より中空糸膜束を取り出し、フリーズドライしたものを不溶成分測定用サンプルとした。乾燥中空糸膜血液浄化器の場合も、同様の洗浄処理を行い測定用サンプルとした。
本発明におけるポリビニルピロリドンの架橋による不溶化は、架橋後の膜におけるジメチルホルムアミドに対する溶解性で判定される。すなわち、架橋後の膜10gを取り、100mlのジメチルホルムアミドに溶解した溶液の濁りを肉眼観察し、濁りのある場合を架橋あり、濁りの無い場合を架橋なしと判定した。
19, Measurement of the amount of insoluble PVP When the blood purifier is filled with liquid, the filling liquid is first withdrawn, then pure water is allowed to flow through the dialysate side flow path at 500 mL / min for 5 minutes, In the same way, pure water is allowed to flow at 200 mL / min for 5 minutes. Finally, 200 mL / min of pure water is passed through the membrane from the blood side to the dialysate side to finish the washing process. A hollow fiber membrane bundle was taken out from the obtained blood purifier and freeze-dried to obtain a sample for measuring insoluble components. In the case of a dry hollow fiber membrane blood purifier, the same washing treatment was performed to obtain a measurement sample.
Insolubilization due to crosslinking of polyvinylpyrrolidone in the present invention is determined by solubility in dimethylformamide in the crosslinked film. That is, 10 g of the crosslinked film was taken, and the turbidity of the solution dissolved in 100 ml of dimethylformamide was observed with the naked eye, and the turbid case was determined to be cross-linked and the non-turbid case was determined to be non-cross-linked.
20、過酸化水素溶出量
透析型人工腎臓装置製造基準に定められた方法で抽出液を得、該抽出液中の過酸化水素を比色法で定量した。該定量は、中空糸膜を長手方向に2.7cmずつ10個に等分し、各々の部位について行った。
乾燥中空糸膜の場合は中空糸膜束1gに純水100mlを加え、70℃で1時間抽出した。得られた抽出液2.6mlに塩化アンモニウム緩衝液(pH8.6)0.2mlとモル比で当量混合したTiCl4の塩化水素溶液と4−(2−ピリジルアゾ)レゾルシノールのNa塩水溶液との混合液を0.4mMに調製した発色試薬0.2mlを加え、50℃で5分間加温後、室温に冷却し508nmの吸光度を測定。標品を用いて同様に測定して求めた検量線にて、過酸化水素溶出量を定量した。
湿潤中空糸膜血液浄化器の場合は、血液浄化器の透析液側流路に生理食塩水を500ml/minで5分間通液し、ついで血液側流路に200ml/minで通液した。その後血液側から透析液側に200ml/minで濾過をかけながら3分間通液した後にフリーズドライをして乾燥膜を得て、該乾燥膜を用いて上記定量を行った。
20, Hydrogen peroxide elution amount An extract was obtained by a method defined in the manufacturing standard of dialysis artificial kidney device, and hydrogen peroxide in the extract was quantified by a colorimetric method. The quantification was carried out for each part by equally dividing the hollow fiber membrane into 10 pieces of 2.7 cm in the longitudinal direction.
In the case of a dry hollow fiber membrane, 100 ml of pure water was added to 1 g of a hollow fiber membrane bundle and extracted at 70 ° C. for 1 hour. Mixing of 2.6 ml of the resulting extract with 0.2 ml of ammonium chloride buffer (pH 8.6) in an equimolar ratio and a hydrogen chloride solution of TiCl 4 and an aqueous Na salt solution of 4- (2-pyridylazo) resorcinol Add 0.2 ml of coloring reagent adjusted to 0.4 mM, heat at 50 ° C. for 5 minutes, cool to room temperature, and measure absorbance at 508 nm. The elution amount of hydrogen peroxide was quantified using a calibration curve obtained by measuring in the same manner using a sample.
In the case of the wet hollow fiber membrane blood purifier, physiological saline was passed through the dialysate side flow path of the blood purifier at 500 ml / min for 5 minutes, and then passed through the blood side flow path at 200 ml / min. Thereafter, the solution was allowed to pass through for 3 minutes while filtering from the blood side to the dialysate side at 200 ml / min, and then freeze-dried to obtain a dry membrane, and the above quantification was performed using the dry membrane.
21、ポリビニルピロリドン(PVP)溶出量
上記方法で抽出した抽出液2.5mlに、0.2molクエン酸水溶液1.25ml、0.006規定のヨウ素水溶液0.5mlを加えよく混合し、室温で10分間放置した後に470nmでの吸光度を測定した。定量は標品のポリビニルピロリドンを用いて上記方法に従い求めた検量線にて行った。
21, Polyvinylpyrrolidone (PVP) elution amount To 2.5 ml of the extract extracted by the above method, 1.25 ml of 0.2 mol citric acid aqueous solution and 0.5 ml of 0.006 normal iodine aqueous solution were added and mixed well. The absorbance at 470 nm was measured after standing for a minute. Quantification was performed with a calibration curve obtained according to the above method using a standard polyvinylpyrrolidone.
22、アルブミン漏出量
クエン酸を添加し、凝固を抑制した37℃の牛血液を用いた。牛血漿で希釈し、ヘマトクリットを30%に調製した。該血液を血液浄化器に200mL/minで送液し、20mL/minの割合で血液をろ過した。このとき、ろ液は血液に戻し、循環系とする。溶血を防止する目的で血液浄化器は予め生理食塩水で十分に置換しておく。循環開始後5分後に所定のろ過流量を得ていることを確認し、開始15分後から15分おきにろ液を約1ccずつサンプリングした。また、開始後15分、60分、120分時に血液浄化器入り口側と出口側の血液をサンプリングし、遠心分離により血漿を得て、これを試験液とした。採取したサンプルをA/G B−テストワコー(和光純薬工業社製)を用いてブロムクレゾールグリーン(BCG法)により、ろ液及び血液・血漿中のアルブミン濃度を算出する。その濃度を基にアルブミンの篩係数を次式により求めた。
SCalb=2*Cf/(Ci+Co)
ここでCfはろ液中のアルブミン濃度、Ciは血液浄化器入り口での血液・血漿中のアルブミン濃度、Coは血液浄化器出口での血液・血漿中のアルブミン濃度をそれぞれ示す。この式に15分及び120分時のデータを代入することにより、15分及び120分でのアルブミンの篩係数を得ることができる。
また、3L除水換算のアルブミンリーク量は次のように求めることができる。30分、45分、60分、75分、90分、105分、120分時にサンプリングし、同様にA/G B−テストワコーのBCG法により、ろ液中のアルブミン濃度を算出する。これらのデータを用い、縦軸にアルブミンリーク(TAL[mg/dL])、横軸にln(時間[min])(lnT)をとり、表計算ソフト(ex.マイクロソフト社製EXCEL−XP)を用いて一次近似によりフィッティングカーブを描き、その関係式TAL=a×lnT+bにおける定数aおよびbを求める(相関係数は0.95以上が好ましく、0.97以上がさらに好ましく、0.99以上がより好ましい)。この式TAL=a×lnT+bを用いてT=0からT=240で積分し、これを240[min]で除することにより、平均のアルブミンリーク濃度[mg/dL]を算出する。求めた平均のアルブミンリーク濃度に30dLを乗ずることにより、本願での3L除水換算でのアルブミンリーク量を得ることができる。
22. Albumin leakage amount 37 ° C. bovine blood to which citrate was added to suppress coagulation was used. Dilute with bovine plasma and adjust hematocrit to 30%. The blood was fed to a blood purifier at 200 mL / min, and the blood was filtered at a rate of 20 mL / min. At this time, the filtrate is returned to blood to be a circulatory system. In order to prevent hemolysis, the blood purifier is sufficiently replaced with physiological saline in advance. It was confirmed that a predetermined filtration flow rate was obtained 5 minutes after the start of circulation, and about 1 cc of the filtrate was sampled every 15 minutes from 15 minutes after the start. In addition, blood at the inlet side and outlet side of the blood purifier was sampled at 15 minutes, 60 minutes, and 120 minutes after the start, and plasma was obtained by centrifugation, which was used as a test solution. The collected sample is subjected to bromcresol green (BCG method) using A / GB B-Test Wako (manufactured by Wako Pure Chemical Industries), and the albumin concentration in the filtrate and blood / plasma is calculated. Based on the concentration, the sieving coefficient of albumin was obtained by the following equation.
SCalb = 2 * Cf / (Ci + Co)
Here, Cf is the albumin concentration in the filtrate, Ci is the albumin concentration in blood and plasma at the blood purifier inlet, and Co is the albumin concentration in blood and plasma at the blood purifier outlet. By substituting the data at 15 minutes and 120 minutes into this equation, the sieving coefficient of albumin at 15 minutes and 120 minutes can be obtained.
Moreover, the amount of albumin leak in terms of 3L water removal can be determined as follows. Sampling is performed at 30 minutes, 45 minutes, 60 minutes, 75 minutes, 90 minutes, 105 minutes, and 120 minutes. Similarly, the albumin concentration in the filtrate is calculated by the BCG method of A / GB-Test Wako. Using these data, albumin leak (TAL [mg / dL]) on the vertical axis, ln (time [min]) (lnT) on the horizontal axis, and spreadsheet software (ex. Microsoft EXCEL-XP) To draw a fitting curve by linear approximation and obtain constants a and b in the relational expression TAL = a × lnT + b (correlation coefficient is preferably 0.95 or higher, more preferably 0.97 or higher, and 0.99 or higher. More preferred). The average albumin leak concentration [mg / dL] is calculated by integrating from T = 0 to T = 240 using this equation TAL = a × lnT + b and dividing this by 240 [min]. By multiplying the calculated average albumin leak concentration by 30 dL, the amount of albumin leak in terms of 3 L water removal in the present application can be obtained.
23、含水率
本発明における選択透過性中空糸膜の含水率は、以下の式により計算した。
含水率(質量%)=100×(Ww−Wd)/Wd
ここで、Wwは選択透過性中空糸膜質量(g)、Wdは、120℃の乾熱オーブンで2時間乾燥後(絶乾後)の選択透過性中空糸膜質量(g)である。また、Wwは1〜2gの範囲内とすることで、2時間後に絶乾状態(これ以上質量変化がない状態)にすることができる。
23, Moisture Content The moisture content of the selectively permeable hollow fiber membrane in the present invention was calculated by the following equation.
Moisture content (mass%) = 100 × (Ww−Wd) / Wd
Here, Ww is the mass of the selectively permeable hollow fiber membrane (g), and Wd is the mass of the selectively permeable hollow fiber membrane (g) after drying for 2 hours in a dry heat oven at 120 ° C. (after absolutely dry). Moreover, by setting Ww within the range of 1 to 2 g, it can be brought into a completely dry state (a state in which there is no further change in mass) after 2 hours.
(実施例1)
ポリエーテルスルホン(住化ケムテックス社製スミカエクセル(登録商標)5200P)18質量%、ポリビニルピロリドン(BASF社製コリドン(登録商標)K−90)3質量%、ジメチルアセトアミド(DMAc)27質量%を2軸のスクリュータイプの混練機で混練した。得られた混練物をDMAc47.5質量%および水4.5質量%を仕込んだ攪拌式の溶解タンクに投入し、3時間攪拌して溶解した。混練および溶解は溶液温度が30℃以上に上がらないように冷却しながら実施した。ついで製膜溶液の脱泡を行った。なお、ポリビニルピロリドンの過酸化水素含有量は100ppmであった。原料供給系の供給タンクや前記の溶解タンク内は窒素ガスで置換した。このときの溶解タンク内の酸素濃度は0.06%であった。また、溶解時のフルード数および撹拌レイノルズ数はそれぞれ1.1および120であった。得られた製膜溶液を15μm、10μmの2段の焼結フィルターに順に通した後、70℃に加温したチューブインオリフィスノズルから吐出量2.3cc/minで吐出し、同時に中空形成剤として予め脱気処理した25℃の46質量%DMAc水溶液を吐出し、紡糸管により外気と遮断された700mmの乾式部(エアギャップ部)を通過後、70℃の20質量%DMAc水溶液中で凝固させ、湿潤状態のまま綛に捲き上げた。またノズルスリット幅は平均60μmであり、ノズル内の圧力損失は2.9×108Pa・sであり、製膜溶液流路での剪断応力は1.5×106s-1、流路通過時間は1.3×10-3secと計算された。ドラフト比は1.04であった。吐出直後の線速度は中空形成剤、製膜溶液それぞれ17790cm/min、4840cm/minであった。線速度比は3.7であった。紡糸工程で用いた水は全てRO水に硝酸カルシウム、硝酸マグネシウムを添加してカルシウム含量を0.04ppm、マグネシウム含量を0.04ppmとなるよう調製し、さらに限外濾過膜を通した水を使用した。紡糸工程中、中空糸膜束が接触するガイドおよびローラーはテフロン(登録商標)で表面加工したものを用いた。また、巻き取り直前の走行中の中空糸膜束にミスト状の水を噴霧した。これらの製造条件の一部を表1に示す。
Example 1
Polyethersulfone (Suika Chemtex Co., Ltd. Sumika Excel (registered trademark) 5200P) 18% by mass, Polyvinylpyrrolidone (BASF Koridone (registered trademark) K-90) 3% by mass, Dimethylacetamide (DMAc) 27% by
該中空糸膜約10,000本の束の周りにポリエチレン製のフィルムを巻きつけた後、30℃の40vol%イソプロパノール水溶液で30分×2回浸漬洗浄し、洗浄処理後の中空糸膜束をRO水で軽く濯いでイソプロパノールを水に置換した後、遠心脱液器で600rpm×5min間脱液した。得られた湿潤中空糸膜束を乾燥装置内の回転テーブル上に12本×2段にセットし、以下の条件で乾燥処理を行った。7kPaの減圧下、1.5kWの出力で30分間中空糸膜束を加熱した後、マイクロ波照射を停止すると同時に減圧度を1.5kPaに上げ3分間維持した。つづいて減圧度を7kPaに戻すと同時にマイクロ波を照射し0.5kWの出力で10分間中空糸膜束を加熱した後、マイクロ波を切断し減圧度を上げ0.7kPaを3分間維持した。さらに減圧度を7kPaに戻し、0.2kWの出力で8分間マイクロ波の照射を行い中空糸膜束を加熱した。マイクロ波切断後、減圧度を0.5kPaに上げ5分間維持することにより中空糸膜束のコンディショニングを行い乾燥を終了した。この際の中空糸膜束表面の最高到達温度は65℃であった。乾燥前の中空糸膜束の含水率は310質量%、1段目終了後の中空糸膜束の含水率は38質量%、2段目終了後の中空糸膜束の含水率は14質量%、3段目終了後の中空糸膜束の含水率は2.3質量%であった。得られた中空糸膜の内径は199μm、膜厚は28μm、スキン層厚みは0.9μmであった。 A polyethylene film is wound around the bundle of about 10,000 hollow fiber membranes, and then immersed and washed in a 40 vol% isopropanol aqueous solution at 30 ° C. for 30 minutes × 2 times. After rinsing lightly with RO water to replace isopropanol with water, the solution was removed with a centrifugal separator for 600 rpm × 5 min. The obtained wet hollow fiber membrane bundles were set in 12 × 2 stages on a rotary table in a drying apparatus, and dried under the following conditions. After heating the hollow fiber membrane bundle for 30 minutes under a reduced pressure of 7 kPa at an output of 1.5 kW, the microwave irradiation was stopped and at the same time the degree of reduced pressure was increased to 1.5 kPa and maintained for 3 minutes. Subsequently, the degree of vacuum was returned to 7 kPa, and at the same time, microwaves were applied to heat the hollow fiber membrane bundle at an output of 0.5 kW for 10 minutes, and then the microwave was cut to increase the degree of vacuum and maintain 0.7 kPa for 3 minutes. Furthermore, the degree of vacuum was returned to 7 kPa, and microwave irradiation was performed at an output of 0.2 kW for 8 minutes to heat the hollow fiber membrane bundle. After microwave cutting, the degree of vacuum was raised to 0.5 kPa and maintained for 5 minutes to condition the hollow fiber membrane bundle and finish drying. The maximum temperature reached on the surface of the hollow fiber membrane bundle at this time was 65 ° C. The moisture content of the hollow fiber membrane bundle before drying is 310% by mass, the moisture content of the hollow fiber membrane bundle after the first stage is 38% by mass, and the moisture content of the hollow fiber membrane bundle after the second stage is 14% by mass. The moisture content of the hollow fiber membrane bundle after the third stage was 2.3% by mass. The obtained hollow fiber membrane had an inner diameter of 199 μm, a film thickness of 28 μm, and a skin layer thickness of 0.9 μm.
上記方法で調製した中空糸膜束をポリカーボネート製の血液浄化器ケースに挿入し、両端部をウレタン樹脂で固定するとともに樹脂端部を切断し中空糸膜中空部を開口させ、流入口を有するキャップを装着して膜面積1.5m2の血液浄化器を作製した。この血液浄化器に25kGyのγ線を照射して滅菌を行った。得られた血液浄化器のプライミング性は良好であった。 A cap having an inflow port by inserting the hollow fiber membrane bundle prepared by the above method into a blood purifier case made of polycarbonate, fixing both ends with urethane resin, cutting the resin end portion and opening the hollow portion of the hollow fiber membrane A blood purifier having a membrane area of 1.5 m 2 was prepared. This blood purifier was sterilized by irradiation with 25 kGy of γ rays. The priming property of the obtained blood purifier was good.
γ線滅菌後の中空糸膜中空糸膜を切り出し、溶出物試験に供したところ、ポリビニルピロリドン溶出量は5ppm、過酸化水素溶出量の最大値は2ppmでありγ線滅菌でポリビニルピロリドンの劣化は抑制されていた。 When hollow fiber membranes after γ-ray sterilization were cut out and subjected to the eluate test, the polyvinyl pyrrolidone elution amount was 5 ppm, and the maximum hydrogen peroxide elution amount was 2 ppm. It was suppressed.
血液浄化器は複数個作製し、完成した血液浄化器の2個を壊し、中空糸膜を取り出し10本束ねマイクロモジュールを作成し、血液適合試験およびカチオン性染料吸着率を測定した。カチオン性染料吸着率は適度な値を有しており、陰性荷電制御が適性であり、血液適合性は良好であった。また、アルブミンの篩い係数、α1マイクログロブリンのクリアランス、α1マイクログロブリン吸着量を評価した。これらの選択透過性は良好であった。また、血液リーク性やエンドトキシン透過性も良好であった。 A plurality of blood purifiers were produced, two of the completed blood purifiers were broken, 10 hollow fiber membranes were taken out to form a bundle of 10 micromodules, and blood compatibility tests and cationic dye adsorption rates were measured. The cationic dye adsorption rate had an appropriate value, negative charge control was appropriate, and blood compatibility was good. In addition, the sieving coefficient of albumin, the clearance of α1 microglobulin, and the amount of α1 microglobulin adsorbed were evaluated. These selective permeabilities were good. In addition, blood leakage and endotoxin permeability were good.
また血液浄化器より中空糸膜を取り出し、外表面を顕微鏡にて観察したところ傷等の欠陥は観察されずバースト圧も良好であった。いずれの特性も良好であり血液浄化器として実用性の高いものであった。これらの評価結果を表2に示した。 Further, when the hollow fiber membrane was taken out from the blood purifier and the outer surface was observed with a microscope, defects such as scratches were not observed, and the burst pressure was good. All the characteristics were good and the blood purifier was highly practical. The evaluation results are shown in Table 2.
(比較例1)
実施例1の方法において、製膜溶液組成をポリエーテルスルホン(住化ケムテックス社製スミカエクセル(登録商標)5200P)18.0質量%、ポリビニルピロリドン(BASF社製コリドン(登録商標)K−90)0.5質量%、ジメチルアセトアミド(DMAc)77.0質量%、RO水4.5質量%に、中空形成剤の温度を50℃に、また凝固液をRO水に変更する以外は、実施例1と同様にして比較例1の中空糸膜およびモジュールを得た。製膜溶液中のポリスルホン系高分子に対するポリビニルピロリドンの比率は2.8質量%、ノズル吐出時の製膜溶液温度と中空形成剤の温度差は20℃であった。製造条件の一部および特性値を表1および表2に示す。
(Comparative Example 1)
In the method of Example 1, the composition of the film-forming solution was polyethersulfone (Sumika Excel (registered trademark) 5200P manufactured by Sumika Chemtex Co., Ltd.) 18.0% by mass, polyvinylpyrrolidone (Collidon (registered trademark K-90 manufactured by BASF)) Example except that 0.5% by mass, dimethylacetamide (DMAc) 77.0% by mass, RO water 4.5% by mass, the temperature of the hollow forming agent is changed to 50 ° C., and the coagulation liquid is changed to RO water. In the same manner as in Example 1, the hollow fiber membrane and module of Comparative Example 1 were obtained. The ratio of polyvinylpyrrolidone to the polysulfone polymer in the film-forming solution was 2.8% by mass, and the temperature difference between the film-forming solution temperature and the hollow forming agent at the time of nozzle discharge was 20 ° C. Tables 1 and 2 show some of the manufacturing conditions and characteristic values.
本比較例で得られた中空糸膜は、中空糸膜の内表面最表層のポリビニルピロリドンの含有量が低すぎ、かつスキン層厚みが厚いため、蛋白質の選択透過性が劣っていた。また内表面のポリビニルピロリドンの含有量が低すぎるために残血性が劣っていた。さらに、中空糸膜の内表面および外表面のポリビニルピロリドンの含有量が低いためプライミング性が良くなかった。従って、本比較例で得られた血液浄化器は実用性の低いものであった。 The hollow fiber membrane obtained in this comparative example was inferior in protein permselectivity because the content of polyvinyl pyrrolidone on the innermost surface layer of the hollow fiber membrane was too low and the skin layer was thick. Moreover, since the content of polyvinylpyrrolidone on the inner surface was too low, the residual blood property was inferior. Furthermore, the priming property was not good because the content of polyvinyl pyrrolidone on the inner surface and outer surface of the hollow fiber membrane was low. Therefore, the blood purifier obtained in this comparative example has a low practicality.
(比較例2)
実施例1の方法において、製膜溶液組成をポリエーテルスルホン(住化ケムテックス社製スミカエクセル(登録商標)5200P)18.0質量%、ポリビニルピロリドン(BASF社製コリドン(登録商標)K−90)10.0質量%、ジメチルアセトアミド(DMAc)67.5質量%、RO水4.5質量%に、中空形成剤の濃度を65質量%、液温を45℃に変更する以外は、実施例1と同様にして比較例2の血液浄化器を得た。製膜溶液中のポリスルホン系高分子に対するポリビニルピロリドンの比率は55.5質量%であった。製造条件の一部および特性値を表1および表2に示す。
(Comparative Example 2)
In the method of Example 1, the composition of the film-forming solution was polyethersulfone (Sumika Excel (registered trademark) 5200P manufactured by Sumika Chemtex Co., Ltd.) 18.0% by mass, polyvinylpyrrolidone (Collidon (registered trademark K-90 manufactured by BASF)) Example 1 except that 10.0% by mass, 67.5% by mass of dimethylacetamide (DMAc), 4.5% by mass of RO water, the concentration of the hollow forming agent was changed to 65% by mass, and the liquid temperature was changed to 45 ° C. In the same manner, a blood purifier of Comparative Example 2 was obtained. The ratio of polyvinyl pyrrolidone to polysulfone polymer in the film forming solution was 55.5% by mass. Tables 1 and 2 show some of the manufacturing conditions and characteristic values.
本比較例で得られた血液浄化器は、充填されている中空糸膜の内表面最表層のポリビニルピロリドンの含有量が高く、細孔径が大きいので蛋白質の選択透過性に劣るものであった。また、ポリビニルピロリドンの溶出量が高かった。なお、蛋白質の選択性の低いことに関しては、内表面のポリビニルピロリドンの含有量が高いこと以外にも、内表面の平均孔径や孔径分布等の蛋白質の透過性に影響を及ぼす他の要因も実施例1の血液浄化器に充填されている中空糸膜とは異なっており、このことも影響を及ぼしているものと推察している。また、中空糸膜の外表面のポリビニルピロリドンの含有量が高いので中空糸膜同士の固着が発生した。また、エンドトキシンの透過が見られた。 The blood purifier obtained in this comparative example was inferior in protein permselectivity because of the high content of polyvinylpyrrolidone in the innermost surface layer of the filled hollow fiber membrane and the large pore diameter. Moreover, the elution amount of polyvinylpyrrolidone was high. Regarding the low protein selectivity, in addition to the high content of polyvinylpyrrolidone on the inner surface, other factors affecting the protein permeability such as the average pore size and pore size distribution on the inner surface were also implemented. It is different from the hollow fiber membrane filled in the blood purifier of Example 1, and this is presumed to have an influence. Further, since the content of polyvinyl pyrrolidone on the outer surface of the hollow fiber membrane was high, the hollow fiber membranes adhered to each other. In addition, permeation of endotoxin was observed.
また、本比較例で得られた血液浄化器は、エアリークテストの結果、モジュール接着部より気泡が発生するものがみられた。中空糸膜同士の固着に起因する接着不良を起こしたものと思われる。従って、本比較例で得られた血液浄化器は実用性の低いものであった。 Further, as a result of the air leak test, the blood purifier obtained in this comparative example was found to generate bubbles from the module adhesion part. It seems that the adhesion failure resulting from fixation of hollow fiber membranes was caused. Therefore, the blood purifier obtained in this comparative example has a low practicality.
(比較例3および4)
実施例1において、中空形成剤吐出線速度をそれぞれ12100および53240cm/minに変え、線速度比をそれぞれ2.5および11.0とし、紡糸工程のガイドおよびローラー表面のテフロン(登録商標)加工を省略し、金属製のものを用い、紡糸工程の巻き取り時のミスト水の噴霧およびモジュールハウジングへの中空糸膜束の装填作業時の徐電処理を省略するように変更する以外は、実施例1と同様の方法で比較例3および4の中空糸膜束および血液浄化器を得た。該製造条件の一部および血液浄化器の評価結果をそれぞれ表1および2に示す。
両比較例で得られた中空糸膜は血液適合性が劣っていた。比較例3で得られた中空糸膜は、吐出直後の線速度の比が2.5倍と低く、ドープと中空形成剤界面での摩擦が十分でない等、適度な陰性荷電にコントロールすることが出来なかったことの寄与が大きかったと考えられる。一方、比較例4で得られた中空糸膜は、吐出直後の線速度の比が11.0倍と高く、ドープと中空形成剤界面での摩擦が過剰であり、適度な陰性荷電にコントロールすることが出来なかったうえに、安定した紡糸ができなかったため、均一な中空糸膜が得られず、内表面の状態が悪くなったことの寄与が大きかったと考えられる。
(Comparative Examples 3 and 4)
In Example 1, the hollow forming agent discharge linear velocity was changed to 12100 and 53240 cm / min, respectively, the linear velocity ratio was 2.5 and 11.0, respectively, and the guide of the spinning process and the Teflon (registered trademark) processing of the roller surface were performed. Example, except that it is omitted and a metal one is used, and the spraying of mist water during winding of the spinning process and the slow current treatment during loading of the hollow fiber membrane bundle into the module housing are omitted. The hollow fiber membrane bundle and blood purifier of Comparative Examples 3 and 4 were obtained in the same manner as in Example 1. Tables 1 and 2 show part of the manufacturing conditions and the evaluation results of the blood purifier, respectively.
The hollow fiber membranes obtained in both comparative examples were inferior in blood compatibility. The hollow fiber membrane obtained in Comparative Example 3 can be controlled to an appropriate negative charge such that the ratio of the linear velocity immediately after ejection is as low as 2.5 times, and friction at the interface between the dope and the hollow forming agent is not sufficient. It is thought that the contribution of what could not be done was significant. On the other hand, in the hollow fiber membrane obtained in Comparative Example 4, the ratio of the linear velocity immediately after discharge is as high as 11.0 times, the friction at the interface between the dope and the hollow forming agent is excessive, and is controlled to an appropriate negative charge. In addition, since stable spinning could not be performed, a uniform hollow fiber membrane could not be obtained, and it was considered that the contribution of the deterioration of the inner surface state was great.
(比較例5)
比較例3において、中空糸膜の製造に用いた水はすべてRO水を使用し、カルシウム含量およびマグネシウム含量の調整、限外濾過膜での処理は行わず、かつγ線照射を空気中で行うように変更する以外は、比較例3と同様にして血液浄化器を得た。使用した水のカルシウム含量、マグネシウム含量はいずれも0.005ppm以下であった。得られた血液浄化器の特性を表3に示す。本比較例で得られた中空糸膜は、中空糸膜の製造に用いた水のカルシウムおよびマグネシウム含有量の調整を行わなかったために、比較例3よりも血液適合性が悪化した。中空糸膜の荷電状態が悪化したことにより引き起こされたものと考えられる。また、γ線照射によりポリビニルピロリドンの劣化がおこり過酸化水素が増大するために血液浄化器の保存安定性が劣っていた。該製造条件の一部および血液浄化器の評価結果をそれぞれ表1および2に示す。
(Comparative Example 5)
In Comparative Example 3, all the water used for the production of the hollow fiber membrane is RO water, the calcium content and the magnesium content are not adjusted, the treatment with the ultrafiltration membrane is not performed, and the γ-ray irradiation is performed in the air. A blood purifier was obtained in the same manner as in Comparative Example 3 except that the above was changed. The calcium content and magnesium content of the water used were both 0.005 ppm or less. Table 3 shows the characteristics of the obtained blood purifier. The hollow fiber membrane obtained in this Comparative Example was worse in blood compatibility than Comparative Example 3 because the calcium and magnesium contents of water used for the production of the hollow fiber membrane were not adjusted. This is considered to be caused by the deterioration of the charged state of the hollow fiber membrane. In addition, the storage stability of the blood purifier was inferior because polyvinylpyrrolidone was deteriorated by γ-ray irradiation and hydrogen peroxide increased. Tables 1 and 2 show part of the manufacturing conditions and the evaluation results of the blood purifier, respectively.
(比較例6)
比較例2において、中空形成剤吐出線速度を12100cm/minに変え、線速度比を2.5とし、紡糸工程のガイドおよびローラー表面のテフロン(登録商標)加工を省略し、金属製のものを用い、紡糸工程の巻き取り時のミスト水の噴霧およびモジュールハウジングへの中空糸膜束の装填作業時の徐電処理を省略し、かつ血液浄化器にRO水を充填してγ線照射をするように変更する以外は、比較例1と同様の方法で比較例6の血液浄化器を得た。該製造条件の一部および血液浄化器の評価結果をそれぞれ表1および2に示す。
本比較例で得られた血液浄化器は、比較例2で得られた血液浄化器の課題に加えて、比較例3と同様の理由で血液適合性が劣っていた。さらに、本比較例で得られた血液浄化器に充填されている中空糸膜はウエット状態でγ線照射が行われたために、ポリビニルピロリドンの架橋が進行するために、選択透過性が比較例2よりさらに低下した。
(Comparative Example 6)
In Comparative Example 2, the hollow forming agent discharge linear velocity was changed to 12100 cm / min, the linear velocity ratio was 2.5, the spinning step guide and the Teflon (registered trademark) processing of the roller surface were omitted, and the metallic one Used, omits the spraying of mist water during winding of the spinning process and the slow current treatment at the time of loading the hollow fiber membrane bundle into the module housing, and filling the blood purifier with RO water and irradiating with γ rays A blood purifier of Comparative Example 6 was obtained in the same manner as in Comparative Example 1 except that the above was changed. Tables 1 and 2 show part of the manufacturing conditions and the evaluation results of the blood purifier, respectively.
The blood purifier obtained in this comparative example was inferior in blood compatibility for the same reason as in Comparative Example 3 in addition to the problem of the blood purifier obtained in Comparative Example 2. Further, since the hollow fiber membrane filled in the blood purifier obtained in this comparative example was irradiated with γ-rays in a wet state, the cross-linking of polyvinyl pyrrolidone progressed, so that the selective permeability was comparative example 2. It was even lower.
(実施例2)
実施例1と同様の方法で、ポリエーテルスルホン(住化ケムテックス社製スミカエクセル(登録商標)4800P)18.0質量%、ポリビニルピロリドン(BASF社製コリドン(登録商標)K−90)2.5質量%、ジメチルアセトアミド(DMAc)74.5質量%、RO水5.0質量%よりなる製膜溶液を調製した。なお、製膜溶液中のポリスルホン系高分子に対するポリビニルピロリドンの比率は13.8質量%であった。原料ポリビニルピロリドンの過酸化水素含有量は100ppmであった。得られた製膜溶液を15μm、10μmの2段の焼結フィルターに順に通した後、70℃に加温したチューブインオリフィスノズルから製膜原液吐出量2.1cc/minで吐出し、同時に中空形成剤として予め脱気処理した30℃の50質量%DMAc水溶液を吐出し、紡糸管により外気と遮断された750mmのエアギャップ部を通過後、65℃の25質量%DMAc水溶液中で凝固させ、湿潤状態のまま綛に捲き上げた。ノズルスリット幅は平均60μmであり、ノズル内での製膜溶液の圧力損失は2.15×108Pa・sであり、剪断応力は1.1×106s-1、流路通過時間は1.2×10-3secであった。ドラフト比は1.06であった。吐出直後の線速度は中空形成剤、製膜溶液それぞれ17790cm/min、4840cm/minであった。線速度比は3.6であった。紡糸工程で用いた水は全てRO水に硝酸カルシウム、硝酸マグネシウムを添加してカルシウム含量を0.04ppm、マグネシウム含量を0.04ppmとなるよう調製し、さらに限外濾過膜を通した水を使用した。凝固浴から引き揚げられた中空糸膜は85℃の水洗槽を45秒間通過させ溶媒と過剰のポリビニルピロリドンを除去した後巻き上げた。これらの製造条件の一部を表1に示す。
(Example 2)
In the same manner as in Example 1, polyethersulfone (Sumikaexex (registered trademark) 4800P manufactured by Sumika Chemtex Co., Ltd.) 18.0% by mass, polyvinylpyrrolidone (Collidon (registered trademark) K-90 manufactured by BASF) 2.5 A film forming solution consisting of 5% by mass, 74.5% by mass of dimethylacetamide (DMAc) and 5.0% by mass of RO water was prepared. The ratio of polyvinyl pyrrolidone to polysulfone polymer in the film forming solution was 13.8% by mass. The hydrogen peroxide content of the raw material polyvinylpyrrolidone was 100 ppm. The obtained film-forming solution was sequentially passed through a two-stage sintered filter of 15 μm and 10 μm, and then discharged from a tube-in orifice nozzle heated to 70 ° C. at a film-forming stock solution discharge rate of 2.1 cc / min. As a forming agent, a 50% by mass DMAc aqueous solution at 30 ° C. that had been degassed in advance was discharged, passed through a 750 mm air gap portion that was blocked from outside air by a spinning tube, and then solidified in a 25% by mass DMAc aqueous solution at 65 ° C. It was rolled up in a wet state. The nozzle slit width is 60 μm on average, the pressure loss of the film forming solution in the nozzle is 2.15 × 10 8 Pa · s, the shear stress is 1.1 × 10 6 s −1 , and the passage time is It was 1.2 × 10 −3 sec. The draft ratio was 1.06. The linear velocities immediately after discharge were 17790 cm / min and 4840 cm / min, respectively, for the hollow forming agent and the film forming solution. The linear velocity ratio was 3.6. All the water used in the spinning process is prepared by adding calcium nitrate and magnesium nitrate to the RO water so that the calcium content is 0.04 ppm and the magnesium content is 0.04 ppm, and water that has passed through an ultrafiltration membrane is used. did. The hollow fiber membrane pulled up from the coagulation bath was passed through a water washing tank at 85 ° C. for 45 seconds to remove the solvent and excess polyvinylpyrrolidone, and then wound up. Some of these manufacturing conditions are shown in Table 1.
該中空糸膜約10,000本の束の周りにポリエチレン製のフィルムを巻きつけた後、30℃の30vol%エタノール水溶液で30分×3回浸漬洗浄し、洗浄処理後の中空糸膜束をRO水で軽く濯いでエタノールを水に置換した後、遠心脱液器で600rpm×5min間脱液した。得られた湿潤中空糸膜束を長手方向に流路のとられた通風乾燥機にて65℃、風量0.3L/secで3時間乾燥したのち、35℃、風量0.05L/secで20時間乾燥させた。乾燥開始から乾燥終了までの間、最初の3時間は20分おきに、後の20時間は1時間おきに通風の向きを180度反転させて乾燥を実施した。乾燥前の中空糸膜束の含水率は290質量%、乾燥3時間後の中空糸膜束の含水率は67質量%、乾燥終了後の中空糸膜束の含水率は2.4質量%であった。このとき通風媒体としては窒素ガスを用いた。得られた中空糸膜の内径は200μm、膜厚は29μmであった。スキン層厚みは0.7μmであった。 A polyethylene film is wound around the bundle of about 10,000 hollow fiber membranes, and then immersed and washed in a 30 vol% ethanol aqueous solution at 30 ° C. for 30 minutes × 3 times. After rinsing lightly with RO water and replacing ethanol with water, the solution was removed with a centrifugal separator for 600 rpm × 5 min. The obtained wet hollow fiber membrane bundle was dried for 3 hours at 65 ° C. and a flow rate of 0.3 L / sec in a ventilator having a flow path in the longitudinal direction, and then 20 ° C. and a flow rate of 0.05 L / sec. Let dry for hours. From the start of drying to the end of drying, drying was carried out by reversing the direction of ventilation by 180 degrees every 20 minutes for the first 3 hours and every hour for the next 20 hours. The moisture content of the hollow fiber membrane bundle before drying is 290% by mass, the moisture content of the hollow fiber membrane bundle after 3 hours of drying is 67% by mass, and the moisture content of the hollow fiber membrane bundle after drying is 2.4% by mass. there were. At this time, nitrogen gas was used as the ventilation medium. The resulting hollow fiber membrane had an inner diameter of 200 μm and a film thickness of 29 μm. The skin layer thickness was 0.7 μm.
上記方法で調製した中空糸膜を用いて実施例1と同様にして血液浄化器を組立て、滅菌処理をおこなった。得られた血液浄化器は、実施例1で得られた血液浄化器と同様に高品質で実用性の高いものであった。これらの評価結果を表2に示す。 Using the hollow fiber membrane prepared by the above method, a blood purifier was assembled and sterilized in the same manner as in Example 1. The obtained blood purifier was of high quality and high practicality like the blood purifier obtained in Example 1. These evaluation results are shown in Table 2.
(実施例3)
実施例1と同様の方法で、ポリスルホン(アモコ社製P−3500)18.5質量%、ポリビニルピロリドン(BASF社製コリドン(登録商標)K−60)3.0質量%、ジメチルアセトアミド(DMAc)74.5質量%、RO水4.0質量%よりなる製膜溶液を得た。なお、原料ポリビニルピロリドン中の過酸化水素含有量は150ppmのものを用いた。得られた製膜溶液を15μm、10μmの2段の焼結フィルターに順に通した後、50℃に加温したチューブインオリフィスノズルから吐出量2.4cc/minで吐出し、同時に中空形成剤として予め脱気処理した15℃の35質量%DMAc水溶液を吐出し、紡糸管により外気と遮断された650mmのエアギャップ部を通過後、60℃の15質量%DMAc水溶液中で凝固させ、湿潤状態のまま綛に捲き上げた。使用したチューブインオリフィスノズルのノズルスリット幅は平均60μmであり、ノズル内での製膜溶液の圧力損失は2.3×108Pa・s、剪断応力は1.2×106s-1、流路通過時間は1.5×10-3secであった。ドラフト比は1.3であった。吐出直後の線速度は中空形成剤、製膜溶液それぞれ17790cm/min、4840cm/minであった。線速度比は3.6であった。紡糸工程で用いた水は全てRO水に硝酸カルシウム、硝酸マグネシウムを添加してカルシウム含量を0.04ppm、マグネシウム含量を0.04ppmとなるよう調製し、さらに限外濾過膜を通した水を使用した。これらの製造条件の一部を表1に示す。
(Example 3)
In the same manner as in Example 1, 18.5% by mass of polysulfone (P-3500 manufactured by Amoco), 3.0% by mass of polyvinylpyrrolidone (Collidon (registered trademark) K-60 manufactured by BASF), dimethylacetamide (DMAc) A film forming solution consisting of 74.5% by mass and RO water 4.0% by mass was obtained. In addition, the hydrogen peroxide content in the raw material polyvinylpyrrolidone was 150 ppm. The obtained film-forming solution was passed through a two-stage sintered filter of 15 μm and 10 μm in order, and then discharged from a tube-in orifice nozzle heated to 50 ° C. at a discharge rate of 2.4 cc / min. A 35 mass% DMAc aqueous solution at 15 ° C that had been degassed in advance was discharged, passed through a 650 mm air gap portion that was blocked from the outside air by a spinning tube, and then solidified in a 15 mass% DMAc aqueous solution at 60 ° C. I whispered to the wall. The nozzle slit width of the tube-in-orifice nozzle used was an average of 60 μm, the pressure loss of the film forming solution in the nozzle was 2.3 × 10 8 Pa · s, the shear stress was 1.2 × 10 6 s −1 , The passage time was 1.5 × 10 −3 sec. The draft ratio was 1.3. The linear velocities immediately after discharge were 17790 cm / min and 4840 cm / min, respectively, for the hollow forming agent and the film forming solution. The linear velocity ratio was 3.6. All the water used in the spinning process is prepared by adding calcium nitrate and magnesium nitrate to the RO water so that the calcium content is 0.04 ppm and the magnesium content is 0.04 ppm, and water that has passed through an ultrafiltration membrane is used. did. Some of these manufacturing conditions are shown in Table 1.
該中空糸膜約10,000本の束の周りにポリエチレン製のフィルムを巻きつけた後、30℃の40vol%イソプロパノール水溶液で30分×2回浸漬洗浄し、洗浄処理後の中空糸膜束をRO水で軽く濯いでイソプロパノールを水に置換した後、遠心脱液器で600rpm×5min間脱液した。得られた湿潤中空糸膜束を均一加熱ができるように装置内にマイクロ波反射板を設置した乾燥装置内の回転テーブルに48本×2段にセットし、以下の条件で乾燥した。7kPaの減圧下、12kWの出力でマイクロ波を照射し15分間加熱処理を行った。つづいてマイクロ波照射を停止するとともに減圧度を1kPaに上げ3分間維持することにより水分を蒸発させた。次に減圧度を7kPaに戻すとともにマイクロ波を照射し、出力3.5kWにて7分問加熱処理を行った。加熱後、マイクロ波照射を停止し減圧度を0.7kPaに上げて3分間維持した。さらに減圧度を7kPaに戻してマイクロ波照射を再開し、出力を2.5kWにて6分間再加熱したのち、マイクロ波照射を停止し減圧度を0.5kPaに上げて7分間乾燥処理を行った。さらに、該中空糸膜束を通風乾燥器において35℃にて3時間含水率均一化処理を行った。マイクロ波乾燥前の中空糸膜束の含水率は306質量%、1段目終了後の含水率は33質量%、2段目終了後の含水率は16質量%、3段目終了後の含水率は6質量%、通風乾燥終了後の含水率は1.7質量%であった。乾燥処理中の中空糸膜束の最高到達温度は54℃であった。得られた中空糸膜の内径は199μm、膜厚は30μmであった。スキン層厚みは0.7μmであった。 A polyethylene film is wound around the bundle of about 10,000 hollow fiber membranes, and then immersed and washed in a 40 vol% isopropanol aqueous solution at 30 ° C. for 30 minutes × 2 times. After rinsing lightly with RO water to replace isopropanol with water, the solution was removed with a centrifugal separator for 600 rpm × 5 min. The obtained wet hollow fiber membrane bundle was set in a 48 × 2 stage on a rotary table in a drying apparatus provided with a microwave reflector in the apparatus so that it could be heated uniformly, and dried under the following conditions. Under a reduced pressure of 7 kPa, a microwave was irradiated with an output of 12 kW, and heat treatment was performed for 15 minutes. Subsequently, the microwave irradiation was stopped and the degree of vacuum was increased to 1 kPa and maintained for 3 minutes to evaporate water. Next, the degree of decompression was returned to 7 kPa, and microwaves were applied, and heat treatment was performed for 7 minutes at an output of 3.5 kW. After heating, microwave irradiation was stopped, the degree of vacuum was increased to 0.7 kPa, and maintained for 3 minutes. Furthermore, the degree of vacuum was returned to 7 kPa, microwave irradiation was resumed, the output was reheated at 2.5 kW for 6 minutes, microwave irradiation was stopped, the degree of vacuum was raised to 0.5 kPa, and drying was performed for 7 minutes. It was. The hollow fiber membrane bundle was further subjected to a water content homogenization treatment at 35 ° C. for 3 hours in an air dryer. The moisture content of the hollow fiber membrane bundle before microwave drying is 306% by mass, the moisture content after the first stage is 33% by mass, the moisture content after the second stage is 16% by mass, and the moisture content after the third stage is finished. The rate was 6% by mass, and the water content after completion of ventilation drying was 1.7% by mass. The highest temperature reached of the hollow fiber membrane bundle during the drying process was 54 ° C. The obtained hollow fiber membrane had an inner diameter of 199 μm and a film thickness of 30 μm. The skin layer thickness was 0.7 μm.
上記方法で調製した中空糸膜を用いて実施例1と同様にして血液浄化器を組立て、滅菌処理をおこなった。得られた血液浄化器は、実施例1で得られた血液浄化器と同様に高品質で実用性の高いものであった。これらの評価結果を表2に示す。 Using the hollow fiber membrane prepared by the above method, a blood purifier was assembled and sterilized in the same manner as in Example 1. The obtained blood purifier was of high quality and high practicality like the blood purifier obtained in Example 1. These evaluation results are shown in Table 2.
また、上記実施例および比較例の結果で得られた吐出線速度比と血小板保持率との関係を表す模式図を図7に示す。これらの図より、本発明の限定範囲が臨界的な範囲であることが理解できる。 Moreover, the schematic diagram showing the relationship between the discharge linear velocity ratio obtained by the result of the said Example and comparative example and platelet retention is shown in FIG. From these figures, it can be understood that the limited range of the present invention is a critical range.
本発明の血液浄化器は、分離特性のバランスが良く、安全性や性能の安定性が高く、かつ本発明の血液浄化器に充填されている中空糸膜は、内表面(血液接触側表面)の荷電状態や親水性−疎水性バランス等の尺度であるカチオン性染料吸着率が最適化されており、血液灌流時の血小板保持率が所定範囲にあることで、血液適合性、血液接触使用時の性能保持性が高レベルで実現されている。従って、産業界に寄与することが大である。 The blood purifier of the present invention has a good balance of separation characteristics, high safety and stability of performance, and the hollow fiber membrane filled in the blood purifier of the present invention has an inner surface (blood contact side surface). The cationic dye adsorption rate, which is a measure of the state of charge and hydrophilicity-hydrophobicity balance, is optimized, and the platelet retention rate during blood perfusion is within a predetermined range, so that blood compatibility and blood contact are used. Performance retention is achieved at a high level. Therefore, it is important to contribute to the industry.
1:中空形成剤吐出孔
2:製膜原液吐出孔
L:ランド長
D:ノズル外径
1: Hollow forming agent discharge hole 2: Film-forming stock solution discharge hole L: Land length D: Nozzle outer diameter
Claims (6)
(1)ヘマトクリット30%、総タンパク濃度6〜7g/dl、クエン酸ナトリウムを添加した37℃の牛血液を200ml/分、濾過流量20ml/分で流したとき、15分後のアルブミンの篩い係数[A]が0.01以上0.1以下であること。
(2)2時間後のアルブミンの篩い係数[B]が0.005以上0.04未満であること。
(3)膜面積1.5m2(中空糸膜内径基準)の血液浄化器にヘパリン加ヒト全血を150mL/minの流量で灌流した際、60分後の血小板保持率が70%以上98%以下であること。 Ri mainly Na than polysulfone-based polymer and polyvinyl pyrrolidone, open porosity 25 to 35% of the outer surface, the skin layer thickness 0.1 to 0.9 mu m, the content of the uppermost layer of the outer surface polyvinylpyrrolidone 25 -50% by mass, and (the content of polyvinyl pyrrolidone in the outermost surface outermost layer) / (content of the polyvinyl pyrrolidone in the outermost inner surface layer) ≧ 1.1. A blood purifier comprising: a blood purifier satisfying the following characteristics simultaneously:
(1) Albumin sieving coefficient after 15 minutes when bovine blood at 37 ° C. with hematocrit of 30%, total protein concentration of 6-7 g / dl, and sodium citrate is added at 200 ml / min and filtration flow rate of 20 ml / min [A] is 0.01 or more and 0.1 or less.
(2) The sieving coefficient [B] of albumin after 2 hours is 0.005 or more and less than 0.04.
(3) When heparinized human whole blood is perfused at a flow rate of 150 mL / min into a blood purifier having a membrane area of 1.5 m 2 (inside of hollow fiber membrane inner diameter), the platelet retention after 60 minutes is 70% to 98%. The following.
[B]/[A]=0.1〜0.4 The blood purifier according to claim 1 or 2, wherein the relationship between the sieving coefficient [B] of albumin after 2 hours and the sieving coefficient [A] of albumin after 15 minutes satisfies the following formula.
[B] / [A] = 0.1 to 0.4
L/minの流量で灌流した際の、血液灌流前後の血小板第4因子の濃度比(PF4上昇率)が5倍以下であることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の血液浄化器。 150m of heparinized human whole blood in a blood purifier with a membrane area of 1.5m 2 (inside of hollow fiber membrane inner diameter)
The blood purification according to any one of claims 1 to 3, wherein the concentration ratio (PF4 increase rate) of platelet factor 4 before and after blood perfusion when perfused at a flow rate of L / min is 5 times or less. vessel.
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