JP4843785B2 - 気相ダイヤモンド膜のコーティング方法及び装置 - Google Patents
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Description
一方、気相成長法によれば比較的簡単な装置を用いて、水素ガスで希釈したメタンなどの炭化水素ガスからダイヤモンド膜が得られる。ダイヤモンドの気相合成で必要な条件は、
(1)減圧された原料ガスを2000°Cに加熱すること、
(2)材質によって異なるがコーティングする基板を700〜1000°Cに加熱すること、である。
加熱用熱源としてマイクロ波などの電磁波を用いる場合と、タングステン線などのフィラメントを用いる方法がある。前者は消耗がないのでコーティング工程は極めて簡単であるが、試料形状が平面に限定される特徴がある。後者は真空容器と加熱用電源のみの簡単な装置によって、比較的形状が複雑な試料に気相ダイヤモンドを合成できる特徴がある。
この時にフィラメント周囲に発生するラジカルは、2000°C以上に加熱されたフィラメントから5mm以内の範囲で、ダイヤモンド合成に有効な作用をする。従って、コーティング対象試料はフィラメントから5mm以内に固定して、基板温度が700°C〜1000°Cに保持されるようにフィラメントの発熱量を調整する。
この際、コーティング対象試料を回転させることで試料の全面に均一にダイヤモンド膜をコーティングすることが可能と考えられるが、減圧中、高温の細いフィラメント群の中で高温の試料を回転させるには真空シール、断熱、電気絶縁を施した複雑で高価な回転機構が必要である。また、剥離して飛散するダイヤモンド粉末による真空シール不良の問題もある。
また、特許文献2ではV型のくぼみを有する2枚以上の基板に気相合成ダイヤモンドをコーティングする方法を記載している。またフィラメントの材料に関して特許文献3は炭素系フィラメントを記載している。
しかしながら、フィラメントにタングステンあるいはタンタルを使用し、大きさの異なる試験片に対して気相ダイヤモンドをコーティングする方法は示されていない。
本願発明はこの知見に基づき、
1.熱フィラメントによる気相ダイヤモンド膜のコーティング方法又は装置であって、コーティング装置の内部に、加熱用フィラメント、該加熱用フィラメントの近傍に配置した被コーティング試料及びフィラメント加熱用の上部電極と下部電極を配置し、コーティング装置本体に上部電極を固定すると共に、該上部電極にフィラメントの上端部を固定し、フィラメントの下端部を移動自在な下部電極に固定して、下部電極がフィラメントにより吊持された状態とし、下部電極の重量及びフィラメントの自重によりフィラメントを緊張させると共に、該緊張したフィラメントを通電加熱し、かつダイヤモンド原料となるガスを供給して、ダイヤモンド膜を前記試料にコーティングする気相ダイヤモンド膜のコーティング方法及び装置を、を提供する。
そして、これにより被コーティング材料の均一加熱が容易となるので、コーティング厚さも均一性を維持できるという優れた特徴を有している。
2.被コーティング試料を装置本体に取り付けられた試料支持台に設置すると共に、下部電極を張りのない導線によって装置本体の電極盤に結合させる上記1の気相ダイヤモンド膜のコーティング方法及び装置、を提供する。
被コーティング試料となる部品とその支持台を装置本体に支持されるようにし、下部電極と切り離した構造とすることができる。この場合は、下部電極と切り離されているので、外部から支持台を独立に加熱する構造とすることも可能である。
また、下部電極は、加熱用フィラメントに吊持された構造とするので、下部電極を介して加熱用フィラメントを変形するような力が作用することは極力避ける必要がある。したがって、下部電極には重力だけが作用し加熱用導体の接続はこれに適合した形状、すなわち張りのない銅線とすることが望ましい。
この銅線自体にも重力がかかり、結果として加熱用フィラメントへの錘力として作用することもあるが、全体としてはその量は小さいので殆ど無視できる。
3.上部電極及び下部電極に細長い縦溝を形成し、この縦溝内に加熱用フィラメントを挿入する上記1又は2記載の気相ダイヤモンド膜のコーティング方法及び装置、を提供する。
細線である加熱用フィラメントの保持は極めて重要である。この加熱用フィラメントに給電した2000°C以上に発熱させるのであるが、発熱により加熱用フィラメントが膨張及び変形し易い。これを避けるために、加熱用フィラメントに重力を発生させ、膨張及び変形を吸収させるが、複数の加熱用フィラメントを整列させること及び上部電極との接続が重要となる。
4.上部電極及び/又は下部電極の周囲に、前記縦溝と交差する細長い横溝を1又は複数本形成し、前記縦溝内にフィラメントを配置した後、その上から横溝内に耐熱性の紐を巻いて、縦溝内にフィラメントを上部電極及び/又は下部電極に押し付け、固定する上記3記載の気相ダイヤモンド膜のコーティング方法及び装置、を提供する。
細線である加熱用フィラメントの保持は、上記の通り極めて重要である。加熱用フィラメントに錘力がかかるので、これを上部電極との接触を十分に行う必要がある。この場合横溝を設けて、それに耐熱性の紐を巻きつけて固定するのが有効である。しかし、この方法は好適な固定手段を説明するものであって、他の手段を用いることを妨げるものではない。また、試料を回転することなく装置が簡単であるという特徴もある。
5.電極を構成する材料として、合金鋼若しくは銅、モリブデン、チタン、タングステン又はこれらを主成分とする合金を用いるのが特に有用である。本発明は、これらの金属を用いた上記1〜4のいずれかに記載の気相ダイヤモンド膜のコーティング方法及び装置、を提供する。
上部電極及び下部電極は耐熱性と導電性を必要とする。上記電極材は好適な材料である。しかし、耐熱性と導電性を備えていれば、他の電極材料の使用を妨げるものではない。
6.下部電極にさらに錘を設け、該錘により張力を調整することを特徴とする上記1〜5のいずれかに記載の気相ダイヤモンド膜のコーティング方法及び装置、を提供する。上記の通り、フィラメントに張力を作用させて変形及び膨張を吸収するものであるが、重量が不足する場合には、錘をさらに付加することができる。
7.被コーティング試料及び試料台を下部電極に取り付け、被コーティング試料及び試料台を下部電極の重量及びフィラメントの自重によりフィラメントを緊張させることを特徴とする上記1〜6のいずれかに記載の気相ダイヤモンド膜のコーティング方法及び装置、を提供する。
前記2においては、被コーティング試料及び試料台を装置本体に固定したものを説明したが、この被コーティング試料及び試料台を下部電極に設置しても良い。この場合は、加熱用フィラメントにその重量が加算される。
8.フィラメントにかかる張力を100gから3kg/mm2とする上記1〜7のいずれかに記載の気相ダイヤモンド膜のコーティング方法及び装置、を提供する。加熱用フィラメントにかかる張力によって、その変形及び膨張を吸収するものであるが、破断しない程度の張力をかける必要がある。経験的に上記の張力が望ましいと言える。しかし、これは加熱用フィラメントの種類と寸法(径)にもよるので、上記数値の範囲外であっても、その状況に応じて、変更できることは言うまでもない。本願発明は、これらを全て包含する。
9.平面形状が円、楕円形、三角形、正方形、矩形、多角形を呈している上部電極及び下部電極を用いる上記1〜8のいずれかに記載の気相ダイヤモンド膜のコーティング方法及び装置、を提供する。
上部電極及び下部電極の形は特に制限がないが、加熱用フィラメントを所定位置に寸法精度良く配置する役割を担うので、上記の形状とするのが特に望ましい。しかし、この形状に特に制限されるものではなく、状況に応じて、他の形状に変更できることは言うまでもない。本願発明は、これらを全て包含する。
10.上部電極及び下部電極から突き出たフィラメントの上下余剰端部を束ねられていることを特徴とする上記1〜9のいずれかに記載の気相ダイヤモンド膜のコーティング方法及び装置、を提供する。
フィラメント束ねることは、それほど重要なことではないが、フィラメントの電極への固定力をますことができるので、望ましいことである。しかし、これは任意に選択できるもので、特にこの形態に制限されるものではない。
11.上部電極及び下部電極を、複数に分割された等形の複数の電極部材とこれを支持する電極支持板から構成し、この電極部材の最外周にフィラメントを挿入する溝を形成すると共に、さらに電極支持板上で前記電極部材相互が一点を中心にしてスライド可能に支持し、前記電極部材相互の拡張及び縮小によって、電極部材の周囲に配置したフィラメント相互及び被コーティング試料との距離を調節する上記1〜10のいずれかに記載の気相ダイヤモンド膜のコーティング方法及び装置、を提供する。
この装置の機能は重要である。この場合、加熱用フィラメントを保持する電極板が拡張と縮小が可能であれば、試料の大きさに応じて、また加熱用フィラメントの相互間の距離及び配列した加熱用フィラメントの径を任意に変更できるという著しい効果がある。この場合、上部電極と下部電極の位置は整列させることが必要である。
12.電極支持板に電極の中心から外周方向に向かう細長いねじ孔又は貫通孔を設け、この孔に電極部材固定用ねじ又はボルト等の固定具を貫通させ、電極部材を電極支持板の任意の位置に固定する上記1〜11のいずれかに記載の気相ダイヤモンド膜のコーティング方法及び装置、を提供する。
電極とは別に、電極と同形か又はそれよりも少しサイズの小さい電極支持板を設け、この上で、上下の電極板をスライドさせて上部電極又は下部電極の径を拡張又は縮小させた後、ねじ止め又はボルトナットにより固定することができる。
(1)複数の加熱用フィラメントを使用した場合、その中央に被コーティング試料を配置することで、回転機構なしに3次元形状の被コーティング試料にダイヤモンド膜をコーティングすることができ、試料のサイズに合せてフィラメントの距離、間隔、本数、太さを選ぶことによって、試料の温度を調整できる。
(2)フィラメントは加熱時に熱膨張すると共に、使用中に炭化するなどの物理的な変化がおき、このため張力を加えなければ変形によってフィラメントと試料間の距離が変化するが、本発明においては、下部電極自体の重量、電極のフィラメント、フィラメントの近傍又は中央に置かれる被コーティング試料となる部品及び試料支持台などをフィラメントに吊持する構造とする場合には、これらの重量は全て、フィラメントに張力として作用するので、コーティング中にフィラメントの変形を防止し、均一なダイヤモンド膜のコーティングが達成することができる。
(4)フィラメントを固定するための上下電極にスライド機構をもたせることで、大きさの異なる試料に合せてフィラメントと試料との距離を調整することができる。
(5)中心から外周に向かって細長い孔を設けることで、スライドが容易に達成でき、固定具によって固定することで、電極と電極部の電気的接触を良好にする。
なお、このための方法として、ドリル孔にフィラメントを通してボルトで固定することが考えられるが、2000°Cに加熱される熱フィラメント法の場合はボルトが焼け付くので使用できない。また、靴ヒモのように小孔にフィラメントを一度ずつ通す方法は接触抵抗が大きく、また、タングステン線は硬いので実施が容易ではない。さらに小孔に何度もフィラメントを巻きつけると電気的な接触は向上するが、この方法によって多数の硬いフィラメントを同じ長さで固定することは困難である。したがって、上記が優れた手法であることが容易に理解される。
(8)張力を調整することで、コーティング中のフィラメントの曲がりや断線を防ぐことができる。
(9)下部電極を装置本体の固定電極と張りのない細い導線の束等により電気的に接続することにより、フィラメントへの張力調整ができる。
(10)電極に銅、合金鋼、モリブデン、チタン、タングステン、を使用することで、その加工が容易になり溝等の形成が容易にできる。
(11)被コーティング試料となる部品とその支持台を装置本体に支持されるようにし、下部電極と切り離した構造とする場合には、下部電極と切り離されているので、外部から支持台を独立に加熱する構造とすることもできる。
図1のダイヤモンド膜形成装置は、装置内部に等間隔に6本の加熱用フィラメント1を配置し、被コーティング試料4とその試料4を保持する試料支持台5を加熱用フィラメント1の中央に配置した構造を示す。複数の加熱用フィラメント1を用いる場合には、その本数を、例えば8本、12本など任意の数にすることができる。
この上部電極2に給電するための装置は特別な構造とする必要はなく、周知の構造の給電装置で十分であり、特に制限はない。
符号17は導体18と下部電極12のロッド8との接続具である。下部電極3のロッド8に追加の錘を取り付けることは、図1では示していないが、構造的にそれが可能であることは容易に理解されるであろう。
この場合、被コーティング試料4と試料支持台5は、下部電極3と別体になるので、加熱用フィラメント1を下方への張力を発生する錘の役目はしない。試料支持台5については、装置本体に設置した加熱装置を用いて、補助的な加熱を行うこともできる。これは、必要に応じて設計変更可能である。
この場合、溝に加熱用フィラメント1が挿入されるだけでは、上部電極2及び下部電極3との接続が十分でない場合が多い。
前記上部電極2及び下部電極3から加熱用フィラメント1の端を延長して突き出させ、これを束ねることにより、より強固な接続を確保することができる。
しかし、これは横溝に入れた紐10で十分な接続が可能であれば、これは不要であり、必要に応じてそのようにすることができる。
上部電極2及び下部電極3の外周に横溝を形成する場合、加熱用フィラメント1の個数で良いが、その個数を増やしたり、減らしたりする場合に対応させて、上部電極2及び下部電極3の外周に、事前に多くの溝を形成しておくこともできる。
上部電極支持板2は、コーティング装置本体7にロッド6を介して固定されている。分割された等形の上部電極11にスリット16が形成されており、また上部電極支持板2にもスリット20が形成されている。このスリット16とスリット20にボルト又はねじの固定具15が挿入され、相互に固定及び開放ができるようになっている。
いずれの場合も、電極相互間及び加熱用フィラメント1との距離の調節が可能である。上部電極11と下部電極11の構造は、原則として同一形状である。
すなわち、図2〜4は、本発明のフィラメント法によるダイヤモンド膜形成装置の概要を説明する図であり、装置の側面図である。この場合、ダイヤモンド膜形成装置は、装置内部に等間隔に6本の加熱用フィラメント1を配置し、被コーティング試料4とその試料4を保持する試料支持台5を加熱用フィラメント1の中央に配置した構造を持つ。
したがって、この被コーティング試料4と試料支持台5は、下部電極3と同様に、加熱用フィラメント1を下方への張力を発生する錘の役目をする。また、下部電極支持板も同様に錘の役目をすることは容易に理解できるであろう。
この場合、被コーティング試料4と試料支持台5は、下部電極3と別体になるので、加熱用フィラメント1を下方への張力を発生する錘の役目はしない。試料支持台5については、装置本体に設置した加熱装置を用いて、補助的な加熱を行うこともできる。これは、必要に応じて設計変更可能である。
前記上部電極11及び下部電極12から加熱用フィラメント1の端を延長して突き出させ、これを束ねることにより、より強固な接続を確保することができる。
なお、この場合、溝数と加熱用フィラメント数は、図1とは異なるが、気相ダイヤモンドをコーティング際に、実質的な差異となるものではない。
上部電極2及び下部電極3にステンレス鋼製の円盤を用い、ロッド6、8に長さが20mmのステンレス鋼丸棒を用い、さらに試料支持台5にもステンレス鋼丸棒を用いた。
また、上部電極2はロッド6を介して装置本体の固定電極7と接続し、下部電極3はロッド8を介し、直径0.3mmの銅線18を束ねた導体をして、接続具17により、装置本体の固定電極9と接続した。
この操作によって、タングステン線1はまっすぐに引き伸ばされた。下部電極2、3の中央に超硬試料4を置くと、下部電極3、試料支持台5及び試料4の重さの合計は70gとなり、上部電極2を装置の電極6に固定するとフィラメント1にかかる張力は280g/mm2となって加熱時間中にフィラメント1が曲がることはなかった。
ステンレス鋼と銅の融点は1450°Cと1083°Cなので、フィラメントの温度2000°Cよりも低いが、熱伝導と熱容量の関係で局部的にも溶融することはなく、電極として利用することが十分可能であった。
この場合、分割できる上部電極又は下部電極を使用した例を示していないが、構造的には同等なので、同様の結果を得ることができる。
また、1本の加熱用フィラメントを使用して、部品の一部にダイヤモンドをコーティングする場合にも、同様に下部電極等がフィラメントにより吊持された状態とし、下部電極等の重量及びフィラメントの自重によりフィラメントを緊張させると共に、該緊張したフィラメントを通電加熱し、かつダイヤモンド原料となるガスを供給して、ダイヤモンド膜を前記部品の目的とする箇所にコーティングすることができる。本発明は、これらを全て包含するものである。
以上から、本発明の方法及び装置は、特に3次元形状を持つ部品の表面気相ダイヤモンドをコーティングに有用である。また、これによって、製品の耐摩耗性、潤滑性、放熱性の向上させることができる。
2:上部電極
3:下部電極
4:被コーティングとなる試料
5:試料台
6:ロッド
7:給電部材
8:ロッド
9:給電部材
10:横溝に挿入した耐熱性の紐
11:上部電極
12:下部電極
13:上部電極支持板
14:下部電極支持板
15:ボルト又はねじの固定具
16:分割電極に形成したスリット
17:固定具
18:導体(銅線の束)
20:支持板に形成したスリット
Claims (26)
- 熱フィラメント法による気相ダイヤモンド膜のコーティング方法において、コーティング装置の内部に、加熱用フィラメント、該加熱用フィラメントの近傍に配置した被コーティング試料及びフィラメント加熱用の上部電極と下部電極を配置し、コーティング装置本体に上部電極を固定すると共に、該上部電極にフィラメントの上端部を固定し、フィラメントの下端部を移動自在な下部電極に固定して、下部電極がフィラメントにより吊持された状態とし、下部電極の重量及びフィラメントの自重によりフィラメントを緊張させると共に、該緊張したフィラメントを通電加熱し、かつダイヤモンド原料となるガスを供給して、ダイヤモンド膜を前記試料にコーティングする気相ダイヤモンド膜のコーティング方法。
- 被コーティング試料を装置本体に取り付けられた試料支持台に設置すると共に、下部電極を張りのない導線によって装置本体の電極盤に結合させることを特徴とする請求項1記載の気相ダイヤモンド膜のコーティング方法。
- 上部電極及び下部電極に細長い縦溝を形成し、この縦溝内に加熱用フィラメントを挿入することを特徴とする請求項1又は2記載の気相ダイヤモンド膜のコーティング方法。
- 上部電極及び下部電極の周囲に等間隔で2本以上の細長い縦溝を形成し、この縦溝内に加熱用フィラメントを挿入することを特徴とする請求項3記載の気相ダイヤモンド膜のコーティング方法。
- 上部電極及び/又は下部電極の周囲に、前記縦溝と交差する細長い横溝を1又は複数本形成し、前記縦溝内にフィラメントを配置した後、その上から横溝内に耐熱性の紐を巻いて、縦溝内にフィラメントを上部電極及び/又は下部電極に押し付け、固定することを特徴とする請求項3又は4記載の気相ダイヤモンド膜のコーティング方法。
- 電極を構成する材料として、合金鋼若しくは銅、モリブデン、チタン、タングステン又はこれらを主成分とする合金を使用することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の気相ダイヤモンド膜のコーティング方法。
- 下部電極にさらに錘を取り付け、該錘により張力を調整することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の気相ダイヤモンド膜のコーティング方法。
- 被コーティング試料及び試料台を下部電極に取り付け、被コーティング試料及び試料台を下部電極の重量及びフィラメントの自重によりフィラメントを緊張させることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の気相ダイヤモンド膜のコーティング方法。
- フィラメントにかかる張力を100gから3kg/mm2に調整することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の気相ダイヤモンド膜のコーティング方法。
- 平面形状が円、楕円形、三角形、正方形、矩形、多角形を呈している上部電極及び下部電極を使用することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の気相ダイヤモンド膜のコーティング方法。
- 上部電極及び下部電極から突き出たフィラメントの上下余剰端部を束ねることを特徴とする請求項4〜10のいずれかに記載の気相ダイヤモンド膜のコーティング方法。
- 上部電極及び下部電極を、複数に分割された等形の複数の電極部材とこれを支持する電極支持板から構成し、この電極部材の最外周にフィラメントを挿入する溝を形成し、さらに電極支持板上で前記電極部材相互が一点を中心にしてスライド可能に支持し、前記電極部材相互の拡張及び縮小によって、電極部材の周囲に配置したフィラメント相互及び被コーティング試料との距離を調節することを特徴とする請求項4〜10のいずれかに記載の気相ダイヤモンド膜のコーティング方法。
- 電極支持板に電極の中心から外周方向に向かう細長いねじ孔又は貫通孔を設け、この孔に電極部材固定用ねじ又はボルト等の固定具を貫通させて、電極部材を電極支持板の任意の位置に固定することを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の気相ダイヤモンド膜のコーティング方法。
- 熱フィラメント法による気相ダイヤモンド膜のコーティング装置において、コーティング装置の内部に、加熱用フィラメント、該加熱用フィラメントの中央に配置した被コーティング試料及びフィラメント加熱用の上部電極と下部電極を配置し、コーティング装置本体に上部電極を固定すると共に、該上部電極にフィラメントの上端部を固定し、フィラメントの下端部を移動自在な下部電極に固定して、下部電極がフィラメントにより吊持された状態とし、下部電極の重量及びフィラメントの自重によりフィラメントを緊張させると共に、該緊張したフィラメントを通電加熱し、かつダイヤモンド原料となるガスを供給して、ダイヤモンド膜を前記試料にコーティングする気相ダイヤモンド膜のコーティング装置。
- 被コーティング試料は装置本体に取り付けられた試料支持台に設置され、下部電極は張りのない導線によって装置本体の電極盤に結合していることを特徴とする請求項14記載の気相ダイヤモンド膜のコーティング装置。
- 上部電極及び下部電極に細長い縦溝が形成されており、その縦溝内に加熱用フィラメントが挿入されていることを特徴とする請求項14又は15記載の気相ダイヤモンド膜のコーティング装置。
- 上部電極及び下部電極の周囲に等間隔で2本以上の細長い縦溝が形成されており、その縦溝内に加熱用フィラメントが挿入されていることを特徴とする請求項16記載の気相ダイヤモンド膜のコーティング装置。
- 上部電極及び/又は下部電極の周囲に、前記縦溝と交差する細長い横溝が1又は複数本形成されており、前記縦溝内にフィラメントを配置した後、その上から横溝内に耐熱性の紐を巻いて、縦溝内にフィラメントを上部電極及び/又は下部電極に押し付け、固定することを特徴とする請求項17記載の気相ダイヤモンド膜のコーティング装置。
- 電極を構成する材料が、合金鋼若しくは銅、モリブデン、チタン、タングステン又はこれらを主成分とする合金であることを特徴とする請求項14〜18のいずれかに記載の気相ダイヤモンド膜のコーティング装置。
- 下部電極にさらに錘を設け、該錘により張力を調整することを特徴とする請求項14〜19のいずれかに記載の気相ダイヤモンド膜のコーティング装置。
- 被コーティング試料及び試料台を下部電極に取り付け、被コーティング試料及び試料台を下部電極の重量及びフィラメントの自重によりフィラメントを緊張させることを特徴とする請求項14〜20のいずれかに記載の気相ダイヤモンド膜のコーティング装置。
- フィラメントにかかる張力が100gから3kg/mm2であることを特徴とする請求項14〜21のいずれかに記載の気相ダイヤモンド膜のコーティング装置。
- 上部電極及び下部電極は、それぞれ平面形状が円、楕円形、三角形、正方形、矩形、多角形を呈していることを特徴とする請求項14〜22のいずれかに記載の気相ダイヤモンド膜のコーティング装置。
- 上部電極及び下部電極から突き出たフィラメントの上下余剰端部は、束ねられていることを特徴とする請求項14〜23のいずれかに記載の気相ダイヤモンド膜のコーティング装置。
- 上部電極及び下部電極が、複数に分割された等形の複数の電極部材とこれを支持する電極支持板からなり、この電極部材の最外周にフィラメントを挿入する溝が形成され、さらに電極支持板上で前記電極部材相互が一点を中心にしてスライド可能に支持されており、電極部材相互の拡張及び縮小によって、電極部材の周囲に配置したフィラメント相互及び被コーティング試料との距離を調節することを特徴とする請求項14〜24のいずれかに記載の気相ダイヤモンド膜のコーティング装置。
- 電極支持板に電極の中心から外周方向に向かう細長いねじ孔又は貫通孔が設けられており、この孔に電極部材固定用ねじ又はボルト等の固定具を貫通させ、電極部材を電極支持板の任意の位置に固定することを特徴とする請求項14〜25のいずれかに記載の気相ダイヤモンド膜のコーティング装置。
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JP2007230799A (ja) | 2007-09-13 |
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