JP4842245B2 - トリプレクサ回路 - Google Patents

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Description

本発明は、無線LAN(Local Area Network)帯、UWB(Ultra Wide Band)帯、WiMAX(Worldwide lnteroperability for Microwave Access)帯、いわゆる次世代PHS(Persona1 Handyphone System)帯のようなマルチバンドのシステムに対応した携帯型の無線通信装置等に用いられるトリプレクサ回路に関する。より詳しくは、アンテナから入力される高周波信号を複数の周波数帯の信号に分離する際に、それぞれの周波数帯で良好な通過・減衰特性を低コストで実現する小型のトリプレクサ回路に関する。
近年、携帯型の無線通信装置は、小型化及びマルチメディア化が進んでいる。そのため、無線通信装置の高周波(RF)フロントエンド部は、マルチバンドに対応したアンテナから複数の周波数帯の信号を分離できるようになっている。
アンテナから複数の周波数帯に信号を分離させる回路として、トリプレクサ回路が用いられる。トリプレクサ回路は、HPF(高域通過フィルタ),LPF(低域通過フィルタ)、及び、BPF(帯域通過フィルタ)を組み合わせることで、入力された信号を3つの異なる周波数帯の信号に分離して出力するものである。
従来のこの種のトリプレクサ回路の例を説明する。
図12(a)に示すトリプレクサ回路は、信号入力端INから入力された信号を、それぞれHPF及びLPFを通過させることで、各フィルタから異なる2つの周波数帯の信号を出力させる。出力される各信号のうち、HPF通過後の信号は、更にLPF又はBPF、及び、HPF又はBPFを通過して更に2つの信号に分離し、分離された信号が、信号出力端OUT-1,OUT-2から出力される。LPFを通過した信号は、信号出力端OUT-3からそのまま出力される。この構成のトリプレクサ回路の例として、特許文献1に開示されたものが挙げられる。
しかし、トリプレクサ回路をこのように構成すると、使用周波数帯の信号がフィルタを2回通過することになるために挿入損失が大きく、また、分離する周波数よりも多くのフィルタを必要とするため、部品点数が多くなるという課題が残る。
図12(b)に示すトリプレクサ回路は、分離用に、特定条件でインピーダンス調整したLPF、BPF及びHPFを用いている。信号入力端INから入力された信号は、これらのフィルタによって3つの信号に直接分離され、各フィルタに対応する信号出力端OUT-1,OUT-2,OUT-3から出力される。この構成のトリプレクサ回路の例として、特許文献2及び特許文献3に開示されたものがある。
しかし、このようなトリプレクサ回路は、各フィルタ間で共振回路を形成するという特定の条件でフィルタを構成することになるため、いずれかのフィルタのパラメータを調整すると他のフィルタにその影響が必ず及ぶ。つまり、一方を調整すれば他方のパラメータも変わる「入れ子」状態となるため、個々のフィルタの特性インピーダンス調整が非常に困難な作業となる。
図12(c)に示すトリプレクサ回路は、3つのフィルタの入力インピーダンスは固定のままで、インピーダンス調整(位相調整)のために、信号入力端INと3つのフィルタ入力間に、4つの移相線路を付加し、信号入力端INから入力された信号を各フィルタに分岐入力させる際に、通過周波数帯域の周波数を伝送させる移相線路については、それ以外の周波数帯域で無限大のインピーダンスを呈するようにしたものである。各フィルタを通過した信号は、信号出力端OUT-1,OUT-2,OUT-3から出力される。この構成のトリプレクサ回路の例として、特許文献4に開示されたものがある。
しかし、特許文献4に開示されているトリプレクサ回路では、信号入力端INからみたインピーダンスを無限大にするので、フィルタもインピーダンス調整のための要素の一つとなり、フィルタ依存性が高くなる。そのため、各フィルタは、単体で周波数の設定を行うことはできない。また、移相線路がすべて同じ特性インピーダンス(50Ω)なので、インピーダンス調整は、移相線路長のみで行うことになる。そうすると、使用周波数帯が2GHz以上となると、波長が短すぎて調整が物理的に困難となる。また、複数の使用周波数帯域が非常に近接している場合には、通過周波数帯域でのインピーダンスが近づいてくるため、移相線路の線路長調整だけでは、周波数帯域の分離も非常に困難となる。
特許文献4の図2(特性図)を参照しても、600MHz以上の間隔がないと、通過周波数帯域の分離はできないことがわかる。そのため、特許文献4に開示されたトリプレクサ回路は、例えば、2G−WiMAX帯(2.3〜2.7GHz),3G−WiMAX帯(3.3〜3.9GHz),5G−WiMAX帯(5.15〜5.9GHz)のような、互いに隣接する通過周波数帯域間の間隔が600MHz以上のシステムの使用に、その用途が限定される。
また、現在、従来のトリプレクサ回路は、セルラー帯(824〜894MHz),GPS帯(1574.42〜1576.42MHz)、PCS帯(1850〜1990MHz)において、互いに隣接する通過周波数帯域間の間隔が270MHzと非常に近接した周波数帯のシステムでも使用されてはいるが、使用周波数帯は、2GHz帯未満に限られていた。
特開2006−108824号公報 特開2005−123910号公報 特開2006−333258号公報 特開2007−266897号公報
上述したように、従来のトリプレクサ回路は、信号がフィルタを2回通過することによる損失の問題、フィルタの入力インピーダンスの調整が困難であるという問題、さらに、使用周波数帯が近接している場合の分離が困難という問題があった。
そのため、近年需要の高い複数のシステムへの対応、例えば2.4G無線LAN帯(2400〜2500MHz)、UWB・ローバンド帯(3100〜4900MHz)、及び、5G無線LAN帯(5150〜5725MHz)のように、2GHz以上の使用周波数帯(通過させる周波数帯)で、且つ、250MHzしか離れていない非常に近接した周波数の信号を簡易に分離することができなかった。
このような問題は、急峻な通過・減衰特性が得られるSAW(Surface Acoustic Wave)フィルタや水晶フィルタ等を用いることで解決できる可能性がある。しかし、このような優れた特性を有するフィルタは非常に高価であり、量産型の無線通信装置用のトリプレクサ回路として用いるには限界があった。
本発明はこのような問題を解決するもので、2GHz以上の使用周波数帯で、非常に近接した周波数の複数の信号を、十分に急峻な通過・減衰特性を有しながら良好且つ低コストで分離できるトリプレクサ回路を提供することを主たる課題とする。
本発明のトリプレクサ回路は、信号入力端と、この信号入力端に入力された高周波信号を3経路に分配させる信号分配手段と、それぞれ前記信号分配手段で分配された経路の高周波信号のうち設定された周波数帯の信号を通過させる3個のフィルタとを備えている。前記3個のフィルタは、それぞれ単体で前記周波数帯の設定が可能なフィルタであり、例えば通過させる周波数帯が2GHz以上で、且つ、互いに隣接する通過周波数帯域間の間隔が600MHz未満に設定される。
前記信号分配手段は、前記3個のフィルタの各々の入力端から他のフィルタの入力端をみた入力インピーダンスを、通過させる信号以外の周波数帯で開放状態とする、それぞれ個別の特性インピーダンスを持つ複数の伝送線路を含む。
このように構成されるトリプレクサ回路は、複数の伝送線路により、信号入力端からではなく、フィルタの各々の入力端から他のフィルタをみた入力インピーダンスを、通過させる信号以外の周波数帯で開放状態とするため、各伝送線路のインピーダンスの決定に際して、他のフィルタとの依存性がない、つまり、個々のフィルタの回路構成等に拘束されない信号分配部を実現することができる。しかも、各伝送線路は、それぞれ個別の特性インピーダンスを持つので、すべて同じ特性インピーダンスの伝送線路の移相調整量だけでインピーダンスを無限大にする従来技術(特に特許文献4の技術)に比べて、分離できる周波数帯域の間隔を著しく狭くすることもできる。さらに、各フィルタが、他のフィルタの影響を受けることなく、単体で通過周波数を設定(調整)することができるため、近接する通過周波数帯域の高周波信号を分離する際のフィルタ間の相互干渉を低減させることがきわめて容易となる。
前記3個のフィルタは、第1周波数帯の信号を通過させるコムライン型の第1フィルタと、前記第1周波数帯よりも高い第2周波数帯の信号を通過させ且つ前記第1周波数帯及び前記第2周波数帯よりも高い第3周波数帯の通過を阻止するインターデジタル型の第2フィルタと、前記第3周波数帯の信号を通過させるコムライン型の第3フィルタで構成する。これにより、良好な通過・減衰特性を簡易に実現することができる。
前記フィルタをLTCC基板に形成された分布定数型フィルタとすることもでき、この場合は、量産化が容易となり、低コスト化を促進することができる。
前記信号分配手段は、例えば、その一端が前記第1フィルタの入力側に接続される第1伝送線路、その一端が前記第2フィルタの入力側に接続される第2伝送線路、その一端が前記第3フィルタの入力側に接続される第3伝送線路、並びに、その一端が前記信号入力端及び前記第3伝送線路の他端に接続され、その他端が前記第1伝送線路の他端及び前記第2伝送線路の他端に接続される第4伝送線路を有するY分岐回路を有し、(1)前記第1ないし第4伝送線路は、それぞれの選択通過帯域に対する特性インピーダンスが、Z1>Z2>Z3>Z4の関係を満たし(但し、Z1 は第1伝送線路の特性インピーダンス、Z2は第2伝送線路の特性インピーダンス、Z3は第3伝送線路の特性インピーダンス、Z4は第4伝送線路の特性インピーダンス)、且つ、(2)前記第1ないし第3フィルタの入力側からみた特性インピーダンスが、阻止帯域に対して開放となる、それぞれ異なる位相差をもつように構成する。
この2つの条件(上記の(1)及び(2))を満たすことの相乗効果によって、相互干渉の抑制効果がより完全となり、分離された各周波数帯において良好な通過・減衰特性を簡易に実現することができる。
本発明の実施の一態様では、前記第1フィルタと前記第3フィルタから出力される高周波信号を合成する合成回路を有し、この合成回路から出力される合成信号を、それぞれ前記第1フィルタから出力される高周波信号及び前記第3フィルタから出力される高周波信号に代えて、回路出力信号の一つとすることができる。これにより、各フィルタを通過した信号を出力するための信号出力端の数を少なくすることができる。
本発明によれば、例えば2GHz帯以上の周波数帯で、且つ、600MHz未満の非常に近接した異なる周波数帯でも、コストを上げることなく、急峻な通過・減衰特性で信号を分離することができるという特有の効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態例を説明する。
図1は、本発明を3信号出力タイプのトリプレクサ回路に適用した場合の実施形態例を示した図である。この本実施形態のトリプレクサ回路は、図示しないアンテナ部からの高周波信号が入力される信号入力端Si1と、この信号入力端Si1に入力された高周波信号を、周波数の低い順から第1周波数帯、第2周波数帯、第3周波数帯に3分配する信号分配部10と、3分配された高周波信号を通過させる3つのフィルタ、例えば分布定数型の第1フィルタ20、第2フィルタ30、及び、第3フィルタ40と、各フィルタ20,30,40からの出力信号に対応して設けられた3つの信号出力端So1,So2,So3とを備えている。各フィルタ20,30,40は、単体で通過周波数帯を設定して動作させることができるもので、入力インピーダンスは50Ωである。
[フィルタの構成例]
第1フィルタ20は、中心周波数Foが約2450MHzで、誘導リアクタンスX1と容量リアクタンスX2の直列共振回路を2つ有する2共振素子コムライン型のフィルタであり、入力端201に入力された第1周波数帯の信号を出力端202から出力させる。
第2フィルタ30は、中心周波数Foが約3950MHzの7共振素子インターデジタル型のフィルタであり、入力端301に入力された高周波信号のうち、第1周波数帯よりも高い第2周波数帯の信号を出力端302から出力させ、且つ、第1周波数帯及び第2周波数帯よりも高い第3周波数帯の信号の通過を阻止する。
第3フィルタ40は、中心周波数Foが約6000MHzの上記直列共振回路を3つ有する3共振素子コムライン型のフィルタであり、入力端401に入力された第3周波数帯の信号を出力端402から出力させる。
本例では、第1周波数帯は2.4[GHz]無線LAN帯(2400〜2500MHz)、第2周波数帯はUWB・ローバンド帯(3100〜4900MHz)、第3周波数帯は5[GHz]無線LAN帯(5150〜5725MHz)とする。
第1、第3フィルタをコムライン型とするのは、コムライン型フィルタは、一般に共振素子の相互結合を利用した減衰極の特性により通過帯域外の低域又は高域の任意の帯域で急峻な減衰特性が得られることによる。
また、第2フィルタをインターデジタル型とするのは、インターデジタル型のフィルタは、低域、高域同時に通過帯域外で急峻な減衰特性が得られることによる。
そのため、第1フィルタ20を第2フィルタ30及び第3フィルタ40の通過帯域に対応した高域で急峻な減衰特性が得られるように、また、第3フィルタ40を第1フィルタ20及び第2フィルタ30の通過帯域に対応した低域で急峻な減衰特性が得られるように、それぞれ減衰極を形成することにより、第1フィルタ20では第2、第3周波数帯に、第2フィルタ30では第1、第3周波数帯に、第3フィルタ40では第1、第2周波数帯に対して、それぞれ急峻な通過・減衰特性を得ることができ、低コストでありながら、SAWフィルタの出力特性に匹敵するような急峻な通過・減衰特性を得ることができる。
[信号分配部の構成例]
信号分配部10は、特定の伝送路設定条件で各々の入力インピーダンス及び位相を調整できる複数の伝送線路により構成される。
具体的には、第1フィルタ20の入力端201に接続される特性インピーダンスZ1の第1伝送線路(TL1)101と、第2フィルタ30の入力端301に接続される特性インピーダンスZ2の第2伝送線路(TL2)102と、信号入力端Si1と第3フィルタ40の入力端401に接続される特性インピーダンスZ3の第3伝送線路(TL3)103とを有し、さらに、特性インピーダンスZ4の第4伝送線路(TL4)104を含んで信号分配部10を構成する。第4伝送線路(TL4)104は、その入力側の一端が、第3伝送線路(TL3)103と信号入力端Si1との接続点J2に接続され、その他端は、第1伝送線路(TL1)101と第2伝送線路(TL2)102の接続点J1とに接続される。各伝送線路101〜104は、ストリップライン、マイクロストリップライン、コプレナー線路等で形成することができる。
このような複数の伝送線路を有するY分岐回路で構成される信号分配部10は、信号入力端Si1から入力された高周波信号が、接続点J2で第3伝送線路103と第4伝送線路104とに分岐される。第3伝送線路103に分岐した高周波信号は、第3フィルタ30の入力端301に到達する。第4伝送線路104を介した第3周波数帯以外の高周波信号は、接続点J1で第1伝送線路101と第2伝送線路102とに分岐される。第1伝送線路101に分岐した高周波信号は、第1フィルタ20の入力端201に到達し、他方、第2伝送線路102に分岐した高周波信号は、第2フィルタ30の入力端301に到達する。各フィルタ20,30,40を通過する高周波信号の周波数帯については、上述したとおりである。
信号入力端Si1と各フィルタ20,30,40との間に、信号分配部10を設けたのは、以下の理由による。
従来技術のように各入力端201,301,401と信号入力端Si1とを直接接続すると、それぞれ他のフィルタ間同士で入力インピーダンスの不整合による相互干渉が起こり、良好に信号が分離せず、特性が劣化してしまう。これは、使用周波数帯が近接しているためである。すなわち、分布定数型フィルタの性質上、第1フィルタ20は、第2、第3周波数帯に対して短絡状態(低インピーダンス)に近くなり、第2フィルタ30は第1、第3周波数帯に対して短絡状態に近くなり、第3フィルタ40は第1周波数帯に対して短絡状態に近く、第2周波数帯に対して開放状態(高インピーダンス)に近くなるためである。そこで、本実施形態では、以下の2つの条件を満たす伝送線路を有する信号分配部10を設けることで、入力インピーダンスの不整合による各フィルタ間同士の相互干渉を低減させたものである。
(1)接続点J1において、第1伝送線路101の特性インピーダンス(Z1)が第2周波数帯に対して大きくなり、第2伝送線路102の特性インピーダンス(Z2)が第1周波数帯に対して大きくなるようにし、且つ、接続点J2において、第3伝送線路103の特性インピーダンス(Z3)が第1、第2周波数帯に対して大きくなり、第4伝送線路40の特性インピーダンス(Z4)が第3周波数帯に対して大きくなるようにすること。すなわち、各伝送線路101〜104の選択通過帯域における特性インピーダンス条件が、Z1>Z2>Z3>Z4の関係を満たすようにすること。
(2)第1フィルタ20の入力端201から他のフィルタ側を見た入力インピーダンス(ZTL1)、第2フィルタ30の入力端301から他のフィルタ側を見た入力インピーダンス(ZTL2)、及び、第3フィルタの入力端401から他のフィルタ側を見た入力インピーダンス(ZTL3)が、それぞれ阻止帯域で開放状態となる(そのような状態になるような、それぞれ異なる位相差を伝送線路間で持つ)こと。
特性インピーダンス条件は、伝送線路幅、GND間隔等を変え、また、入力インピーダンスは線路長を変えることにより、容易に実現することができる。ある実施の態様では、第1伝送線路101の線路長を13.4mm、特性インピーダンスZ1を87.5Ω、第2伝送線路102の線路長を10.9mm、特性インピーダンスZ2を61.0Ω、第3伝送線路103の線路長を2.7mm、特性インピーダンスZ3を51.0Ω、第4伝送線路の線路長を8.4mm、特性インピーダンスZ4を47.0Ωにすることにより、上記の条件を充たすことができる。
このように、各伝送線路が、上記(1)の条件を満たす個別の特性インピーダンスZ1、Z2、Z3、Z4を持ち、(2)の条件を満たす位相差を持つことで、非常に近接した周波数の信号でを簡易、且つ、確実に分離することができる。この点が、信号分配の手段として、Y分岐回路の伝送線路を使用した従来技術、特に特許文献4の技術と大きく異なる点である。
[通過・減衰特性例]
図2は、この実施形態のトリプレクサ回路において、第1フィルタ20から出力される信号(2.4G無線LAN帯)P11の通過・減衰特性の実測図であり、 図3は第2フィルタ30から出力される信号(UWB・ローバンド帯)P12の通過・減衰特性の実測図であり、図4は第1フィルタ20から出力される信号(5G無線LAN帯)P13の通過・減衰特性の実測図である。結局、このトリプレクサ回路全体の通過・減衰特性は、図5に示すものとなる。図5から、本実施形態のトリプレクサ回路では、2GHz帯で、且つ互いに隣接する通過周波数帯域間の間隔が250MHz程度という非常に近接した周波数帯でも急峻な通過・減衰特性を有しながら、3つの異なる周波数帯の信号を確実に分離できていることがわかる。
[実装例]
本実施形態のトリプレクサ回路は、様々な形態で実装することができる。
図6は積層基板上に一体形成したトリプレクサ回路の構造例を示す。図6(a)は上面図、(b)は外観斜視図である。
このトリプレクサ回路は、例えばPPE(ポリフェニレンエーテル)製の積層基板上に、上述した第1〜第3フィルタ20,30,40に対応する3つのフィルタF11,F12,F13、上述した信号分配部10に対応する伝送線路L11、複数の接地端子G、信号入力端Si1に対応する信号入力端IN11、及び、信号出力端So1〜So3に1対1に対応する信号出力端O11〜O13等の部品を実装し、各部品を図示しない線路で接続することにより製造することができる。なお、部品間の接続は、積層基板内に内装した線路であっても良く、静電結合により行っても良い。このような構造のトリプレクサ回路は、薄型且つ低い製造コストで実現することができる利点がある。
本実施形態のトリプレクサ回路は、LTCC(Low Temperature Co-fired Ceramics;低温同時焼成セラミックス)による基板に形成することも可能である。
LTCC基板は、誘電体セラミックスにガラスなどを添加することにより、融点の低い導体と共に比較的低い温度で同時焼成できるもので、信号入力端、信号出力端、フィルタの入力端及び出力端等の導体の設置や分布定数回路のパターン形成が容易になる利点がある。LTCC基板にトリプレクサ回路を形成するときは、まず、誘電体セラミックスとガラスなどの焼結助剤より成る原料粉末、有機バインダ、可塑剤と溶剤を混合して液状の混合物を作り、柔軟性のある所定厚みのシートを作る。このシートを扱い易い大きさに打ち抜き、必要に応じて各シートに貫通孔を開けたり、いずれかのシート上に伝送線路やフィルタのパターンを形成する。これらのシートを正確に積み重ね、加熱加圧により積層して一体化した後、焼成する。このようにして、その内部に、上述した信号入力部10及び第1〜第3フィルタ20,30,40に対応する部品が3次元に形成されることになる。
なお、LTCC基板への形成は、信号入力部10と第1〜第3フィルタ20,30,40の一方のみとしても良い。
図7は、上記の手順でLTCC基板に形成されたトリプレクサ回路の構造説明図であり、(a)は上面図、(b)は外観斜視図である。
上述した第1〜第3フィルタ20,30,40に対応する3つのフィルタ、上述した信号分配部10に対応する伝送線路は、すべてLTCC基板内にFL20として組み込まれている。LTCC基板の表面には、複数の接地端子G、信号入力端Si1に対応する信号入力端IN21、及び、信号出力端So1〜So3に1対1に対応する信号出力端O21〜O23のみとなる。このような構造のトリプレクサ回路は、信号伝送部(伝送線路)やフィルタを含めて小型一体形成が容易であり、同じ特性での量産が可能なので、低コスト化を図ることができる利点がある。
[発明の他の実施の形態]
本発明のトリプレクサ回路は、2信号出力タイプのものとして実施することもできる。
図8は、2信号出力タイプのトリプレクサ回路の構成例を示す図である。基本的な部分は、3信号出力タイプの例を示した図1のトリプレクサ回路と同じであり、第1フィルタ20の出力端202から出力される第1周波数帯の高周波信号と、第3フィルタ40の出力端402から出力される第3周波数帯の高周波信号とを合成回路50で合成し、この合成出力を信号出力端So4から出力するようにした点が異なる。
図9は、2信号出力タイプのトリプレクサ回路において、信号出力端So4から出力される信号(2.4G無線LAN帯及び5G無線LAN帯)P21の通過・減衰特性の実測図である。図10は、このトリプレクサ回路の信号出力端So2から出力される信号(UWB・ローバンド帯)P22の通過・減衰特性の実測図である。結局、このトリプレクサ回路全体の通過・減衰特性は、図11に示すものとなる。図11を参照すると、2信号出力タイプのトリプレクサ回路でも、3信号出力タイプのトリプレクサ回路同様、2GHz帯以上で、且つ互いに隣接する通過周波数帯域間の間隔が250MHz程度という非常に近接した周波数帯でも急峻な通過・減衰特性を有しながら、3つの異なる周波数帯の信号を確実に分離できていることがわかる。
なお、図6及び図7の実装例は、2信号出力タイプのトリプレクサ回路についても同様に適用できることは、いうまでもない。
また、以上の説明では、信号入力端Si1に入力された高周波信号を3つの経路に分配する場合の例を示したが、各フィルタの各々の入力端から信号分配部10側をみた入力インピーダンスが、それぞれ通過させる信号以外の周波数帯で開放状態となるという条件であれば、分配経路が2つあるいは4つ以上のマルチプレクサ回路を構成しても構わない。この場合、フィルタの数は分配経路数となる。
また、各フィルタ20,30,40は、使用周波数帯及び通過・減衰特性により、共振素子数、結合電極、入出力電極、ビアホール、結合容量値を任意に設定することができる。
本発明のトリプレクサ回路は、無線LAN帯、UWB帯,WiMAX帯、次世代PHS帯等のシステムにおいて広く利用することができる。そのため、携帯端末、及び無線通信装置の用途を大幅に拡張することができ、携帯端末及び無線通信装置などの機能の多様化に貢献することができる。
3信号出力タイプのトリプレクサ回路の構成図。 3信号出力タイプのトリプレクサ回路において、第1フィルタから出力される信号の通過・減衰特性の実測図。 3信号出力タイプのトリプレクサ回路において、第2フィルタから出力される信号の通過・減衰特性の実測図。 3信号出力タイプのトリプレクサ回路において、第3フィルタから出力される信号の通過・減衰特性の実測図。 3信号出力タイプのトリプレクサ回路全体の通過・減衰特性の実測図。 (a)はPPE積層基板へ実装したときの上面図、(b)は外観斜視図。 (a)はLTCC基板に形成したときの上面図、(b)は外観斜視図。 2信号出力タイプのトリプレクサ回路の構成図。 2信号出力タイプのトリプレクサ回路において、合成回路から出力される信号の通過・減衰特性の実測図。 2信号出力タイプのトリプレクサ回路において、第2フィルタから出力される信号の通過・減衰特性の実測図。 2信号出力タイプのトリプレクサ回路全体の通過・減衰特性の実測図。 (a)〜(c)は従来のトリプレクサ回路の構成例。
符号の説明
10 信号分配部
101〜104,L11 伝送線路
20,30,40,F11,F12,F13 フィルタ
Si1,IN,IN11,IN21 信号入力端
So1〜So4,O11〜O13,O21〜O23,OUT-1〜OUT-3 信号出力端
G 接地端子

Claims (6)

  1. 信号入力端と、この信号入力端に入力された高周波信号を3経路に分配させるY分岐回路で構成される信号分配手段と、
    それぞれ前記信号分配手段で分配された経路の高周波信号のうち設定された周波数帯の信号を通過させる3個のフィルタとを備えており、
    前記3個のフィルタは、それぞれ単体で前記周波数帯の設定が可能なフィルタであり、
    前記信号分配手段は、前記3個のフィルタの各々の入力端から前記信号分配手段をみた各々の入力インピーダンスを、各々の阻止帯域で開放状態とする、それぞれ個別の特性インピーダンスを持つ複数の伝送線路を含む、
    トリプレクサ回路。
  2. 前記3個のフィルタは、それぞれ通過させる周波数帯が2[GHz]以上で、且つ、互いに隣接する通過周波数帯域間の間隔が600[MHz]未満に設定される、
    請求項1記載のトリプレクサ回路。
  3. 前記3個のフィルタは、第1周波数帯の信号を通過させるコムライン型の第1フィルタと、前記第1周波数帯よりも高い第2周波数帯の信号を通過させ且つ前記第1周波数帯及び前記第2周波数帯よりも高い第3周波数帯の通過を阻止するインターデジタル型の第2フィルタと、前記第3周波数帯の信号を通過させるコムライン型の第3フィルタである、
    請求項2記載のトリプレクサ回路。
  4. 前記フィルタがLTCC基板に形成された分布定数型フィルタである、
    請求項3項記載のトリプレクサ回路。
  5. 前記信号分配手段は、その一端が前記第1フィルタの入力側に接続される第1伝送線路、その一端が前記第2フィルタの入力側に接続される第2伝送線路、その一端が前記第3フィルタの入力側に接続される第3伝送線路、並びに、その一端が前記信号入力端及び前記第3伝送線路の他端に接続され、その他端が前記第1伝送線路の他端及び前記第2伝送線路の他端に接続される第4伝送線路を有するY分岐回路で構成し、
    前記第1伝送線路の他端及び第2伝送線路の他端の接続点において、前記第1伝送線路の特性インピーダンスが前記第2周波数帯に対して大きくなるとともに、前記第2伝送線路の特性インピーダンスが前記第1周波数帯に対して大きくなり、且つ、前記信号入力端及び前記第3伝送線路の他端の接続点において、前記第3伝送線路の特性インピーダンスが前記第1周波数帯及び前記第2周波数帯に対して大きくなるとともに、前記第4伝送線路の特性インピーダンスが前記第3周波数帯に対して大きくなり、前記第1ないし第3フィルタの入力側からみた入力インピーダンスが、それぞれ阻止帯域に対して開放となる、それぞれ異なる位相差をもつ、
    請求項3記載のトリプレクサ回路。
  6. 前記第1フィルタと前記第3フィルタから出力される高周波信号を合成する合成回路を有し、この合成回路から出力される合成信号を、それぞれ前記第1フィルタから出力される高周波信号及び前記第3フィルタから出力される高周波信号に代えて、回路出力信号の一つとする、
    請求項3、4又は5記載のトリプレクサ回路。
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