JP4842139B2 - 皮膚瘢痕の縮小 - Google Patents
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Description
本願は、全ての目的のために参考として援用される、2003年11月24日出願の米国仮特許出願第60/524,993号の優先権の利益を主張する。
過剰な皮膚瘢痕はまだ対処されていない医学的に必要とされる分野であり、そして機能的、美容上の、および心理学的な病的状態を引き起こす。例えば、非特許文献1;非特許文献2を参照のこと。臨床的な瘢痕の取り扱いは、一連の処置を通じてしばしば調節される臨床レジメンと、体の位置および患者の過去の瘢痕の病歴を含む瘢痕の継続的な物理的評価の双方の考慮に関連する。肥大性瘢痕およびケロイドの一般に容認された従来の処置は手術、副腎皮質ステロイド注射、放射線治療、シリコンゲルシート、および圧迫治療に限定される。例えば、非特許文献3を参照のこと。瘢痕の取り扱いは最近、医師にとって新たな様相を経験したが、瘢痕の転帰はなおほとんど予測不可能である。肥大性瘢痕およびケロイドの原因である生物学的機序を特異的に標的とする処置は、現存の治療を補完し、そして現在の瘢痕の転帰を改善し得る。
Hunt,T.K.、World J Surg、1980年、第4巻、第3号、p.271−7 Nicolai,J.P.ら、Aesthetic Plast Surg、1987年、第11巻、第1号、p.29−32 Mustoe,T.A.ら、Plast Reconstr Surg、2002年、第110巻、第2号、p.560−71 Clark,R.A.F.著、R.A.F.Clark編、"Wound Repair:Overview and General Considerations"、THE MOLECULAR AND CELLULAR BIOLOGY OF WOUND REPAIR、1988年、p.3−35 Tredget,E.E.、Ann N Y Acad Sci、1999年、第888巻、p.165−82 Rockwell,W.B.ら、Plast Reconstr Surg、1989年、第84巻、第5号、p.827−37 Tsao,S.S.ら、Semin Cutan Med Surg、2002年、第21巻、第1号、p.46−75 Nemeth,A.J.、J Dermatol Surg Oncol、1993年、第19巻、第8号、p.738−46
本発明は瘢痕を減少させるための方法を提供する。いくつかの実施形態において、この方法は発現カセットを含むポリヌクレオチドを皮膚に投与する工程を包含し、この発現カセットはp21WAF1/Cip1をコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含む。いくつかの実施形態において、このポリヌクレオチド(必要に応じてベクターに含まれる)は被験体の皮膚上の創傷に投与される。
本明細書で用いられる場合、「p21WAF1/Cip1」は野生型の全長p21WAF1/Cip1タンパク質、その活性断片、その活性改変体、および全長p21WAF1/Cip1タンパク質、またはその活性断片、またはその活性改変体を含む融合物をいい、この融合物はp21WAF1/Cip1活性を保持する。この野生型p21WAF1/Cip1タンパク質は細胞制御機能を有する164アミノ酸のタンパク質である。例えば米国特許第5,302,706号を参照のこと。p21WAF1/Cip1は科学文献においてp21、p21sdi、p21waf1、p21cip1、およびp21pic1としても公知である。用語「p21WAF1/Cip1ポリヌクレオチド」はp21WAF1/Cip1をコードするポリヌクレオチド配列をいい、例えばヒト野生型タンパク質および他の生物体由来の相同配列、ならびに野生型p21WAF1/Cip1タンパク質と本質的に同じ機能を示すその任意の突然変異または短縮体(truncation)、あるいは融合体を含む。
(I.導入)
本発明は傷つけられた皮膚における瘢痕の縮小および処置のための方法および組成物を提供する。本発明は、創傷部位へのp21WAF1/Cip1の送達と発現が肉芽組織および線維芽細胞の発達を減少させることを提供する。本発明の範囲を限定することを意図することなく、結果として別のやり方で創傷治癒の間の過剰な瘢痕および細胞の増殖につながる炎症性細胞(例えば、好中球、マクロファージおよびリンパ球、線維芽細胞など)の影響を、p21WAF1/Cip1が阻害すると考えられる。
本発明は、皮膚への任意の創傷に由来する瘢痕の縮小に用いられ得る。本発明の範囲を限定することなく、例えば火傷、穿刺、切断および/または磨耗に起因する皮膚の損傷は本発明の方法に従って処置され得る創傷を含む。本発明の方法は、美容手術を含む手術後の瘢痕の縮小に有用である。
p21をコードするポリヌクレオチド配列を導入するために、p21ポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含む裸のプラスミドを、創傷中の細胞に組み込むことが可能である。あるいは、このp21WAF1/Cip1ポリヌクレオチドをウイルス送達システムまたは非ウイルス送達システムに組み込み、次いで創傷に導入する。
創傷へp21WAF1/Cip1ポリヌクレオチドの発現を支配し得る非ウイルス送達システムは発現プラスミドを含む。発現プラスミドは自律的に複製する染色体外の環状DNA分子であり、正常なゲノムとは異なり、そして標的細胞中でのDNA配列の発現に影響し得る非選択的条件下では細胞の生存に非必須である。プラスミドは細菌中で自律的に複製して細菌の生産を促進するが、サイクリン依存性キナーゼ遺伝子を含むこのようなプラスミドが治療効果を達成するために標的細胞中で複製することは必要ではない。導入遺伝子はまた組織特異的プロモーター領域の制御下にあり得、特定の細胞種(例えば、炎症性細胞(例えば、好中球、マクロファージおよびリンパ球が挙げられる)、ならびに線維芽細胞およびケラチノサイト)においてのみ導入遺伝子の発現が許容される。本発明の実施に有用であり得る種々の発現プラスミドを、当業者は容易に理解する。
他の例では、このDNA配列は、標的細胞への感染が可能なウイルスゲノムにp21WAF1/Cip1ポリヌクレオチドを組み込み、そしてp21WAF1/Cip1ポリヌクレオチドを発現配列および制御配列に作動可能に連結して、このポリヌクレオチドが適切な条件下で標的細胞内で発現されるようにしたウイルス送達システムによって送達される。本発明の実行に有用なベクターはまたウイルスゲノムに由来する。用いられ得るベクターとしては、好ましくはバキュロウイルス類、パルボウイルス類、ピコルナウイルス類、ヘルペスウイルス類、ポックスウイルス類またはアデノウイルス類から選択される、組換え的に改変された、エンベロープを持つまたは持たないDNAウイルスおよびRNAウイルスが挙げられる。親ベクターの性質のそれぞれの有利なエレメントを利用するキメラベクターもまた利用され得る。例えば、Fengら、Nature Biotechnology 15:866−870(1997)を参照のこと。このようなウイルスゲノムは組換えDNA技術によってp21WAF1/Cip1ポリヌクレオチドを含むように改変され得、そして複製能欠失、条件的に複製する、または複製適格になるように操作され得る。代表的には、このベクターは複製能を欠失しているか、または条件的に複製する。例示的なベクターはアデノウイルスゲノム、アデノ関連ウイルスゲノム、およびレトロウイルスゲノムに由来する。いくつかの実施形態では、このベクターはヒトアデノウイルスゲノム由来の複製不能ベクターである。導入遺伝子はまた組織特異的プロモーター領域の制御下におかれ、特定の細胞種でのみこの導入遺伝子が発現され得る。
本発明はさらに、投与のためのウイルス送達システムまたは非ウイルス送達システムにおけるp21WAF1/Cip1ポリヌクレオチドを含む薬学的処方物を提供する。本発明の組成物は、哺乳動物被験体、好ましくはヒトへの投与が許容可能な当該分野で公知の様式による投与のために処方される。特に、局所的投与のための送達システムが処方され得る。
送達システムが溶液または懸濁液として処方される場合、この送達システムは許容可能なキャリア、好ましくは水性キャリア中にある。種々の水性キャリアが用いられ得る(例えば、水、緩衝化された水、0.9%生理食塩水、0.3%グリシン、ヒアルロン酸など)。これらの組成物は、従来の周知の滅菌技術によって滅菌されるか、または滅菌濾過され得る。結果として得られる水性溶液は、投与の前に滅菌溶液と合わせられる凍結乾燥調製物として使用のためにパッケージされるか、または凍結乾燥され得る。
本発明の薬学的処方物は、必要に応じて1つ以上の送達を亢進させる因子を含み得る。用語「送達亢進因子(delivery enhancing agent)」は、核酸分子またはタンパク質分子の標的細胞への移送を促進する因子を含む。このような送達亢進因子の例としては、洗浄剤、アルコール、グリコール、界面活性剤、胆汁酸塩、ヘパリンアンタゴニスト、シクロオキシゲナーゼインヒビター、高張性塩溶液、およびアセテートが挙げられる。アルコールとしては例えば脂肪族アルコール(例えば、その全体の教唆が本明細書で参考として援用される、米国特許第5,789,244号に記載されるような、エタノール、N−プロパノール、イソプロパノール、ブチルアルコール、アセチルアルコール)が挙げられる。グリコールとしてはグリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、および他の低分子量グリコール(例えばグリセロールおよびチオグリセロール)が挙げられる。
(実施例1)
発明者らは、rAd−p21WAF1/Cip1がヒト一次線維芽細胞の増殖およびI型プロコラーゲンの沈着を効果的に弱め得ることを示す。さらに発明者らは、rAd−p21WAF1/Cip1がラットPVAスポンジ創傷治癒モデルにおける肉芽組織およびECMの沈着を弱めることを示す。発明者らの結果は、p21WAF1/Cip1の外因性の発現が、過剰な瘢痕を調節するための治療的選択肢であることを示唆する。
(組換えアデノウイルスベクターの構築および精製)
ヒトp21WAF1/Cip1を含む組換えアデノウイルスは過去に記載された(Perkins,T.W.ら、Arch Ophthalmol.120(7):941−9(2002))。手短に言うと、Willsら、Hum Gene Ther.5(9):1079−88(1994)に記載される方法を用いて、構成的なサイトメガロウイルス最初期プロモーター(CMV)の制御下にあるp21WAF1/Cip1コード領域を、E1/部分的なE3を欠失した組換えアデノウイルスにクローン化した。発現カセット中に導入遺伝子を工作しない点を除いてrAd−p21WAF1/Cip1と同様の形式で、rAd−空コントロールアデノウイルスベクターを構築した。rAd−PDGF−Bは、E1欠失部位にクローン化されたCMV−PDGF−B発現カセットを含む、E1/部分的なE3を欠失したアデノウイルスベクターである。PDGF−B cDNAをヒト胎盤cDNAライブラリー(Clonetech、Palo Alto、CA)からPCR増幅し、そしてGenbankクローンM12738との配列アラインメントにより100%の相同性を確認した。CMVプロモーターおよびE1BpIXポリ−A発現カセットを含むアデノウイルスE1移行プラスミドにこのcDNAをクローン化した。Chartierらの方法によるE.coli BJ5183株における相同組換えを用いて感染性ウイルスDNAを産生し、続いてヒト腎臓293細胞にトランスフェクトしてウイルスを産生かつ増殖させた(Chartier,C.ら、J.Virol、70(7):4805−10(1996))。カラムクロマトグラフィーによりウイルス粒子を精製し(Shabram,P.W.ら、Hum Gene Ther、8(4):453−65(1997))、定量し、そして食品医薬品局の指導(Guidance for Human Somatic Cell Therapy and Gene Therapy、Center for Biologics Evaluation and Research、1998年3月)に基づく粒子数(PN)によって投薬した。
正常成人ヒト皮膚線維芽細胞をCambrex Bio Science(Rutherford、NJ)から入手し、そして推奨される増殖培地中に維持した。継代数が4以下の細胞を用いて実験を行った。
ウシ胎仔血清(FBS)欠失培地に2日間プレートすることで細胞をG0/G1期に同期化し、引き続いてFBS欠失培地中の変化する用量(1×108〜3×109PN/ml)のrAd−p21WAF1/Cip1またはrAd−空のいずれかで処理した。24時間後に培地を除き、そして20%FBSを含む培地を加えて細胞をG0/G1期の拘束から開放した。解放の24時間後に細胞を10μMブロモデオキシウリジン(BrdU;Boeheringer−Mannheim、Indianapolis、IN)で4時間パルス標識し、そして70%エタノール中での固定によって二変数BrdU/DNAフローサイトメトリー解析のために収集し、続いて0.08%ペプシンで37℃にて30分間消化した。細胞を1500RPMで遠心分離し、2NのHClに再懸濁し、そして37℃で20分間インキュベートした。1Mホウ酸ナトリウムを加え、そして細胞をIFA/Tween20(0.01MのHEPES、0.005%のアジ化ナトリウム、0.5%のTween20、5%のFBS、0.15MのNaCl)中で洗浄し、そしてTween20を含まない1:10希釈の抗BrdU抗体(Becton−Dickinson、Franklin Lakes、NJ)と共に30分間インキュベートした。最後に、細胞をIFA/Tween20中で洗浄し、IFA/Tween20/RNase中で37℃にて15分間インキュベートし、ヨウ化プロピジウム(50μg/ml)で染色し、そしてCellQuest(Becton Dickinson)ソフトウェアを用いてFACS canフローサイトメーター(Becton Dickinson)によってFL−1チャネル上で解析した。
細胞を10%のFBSを含む完全培地にプレートし、コンフルーエンシーまで増殖させ、そしてFBSを欠く培地中で24時間アデノウイルス構築物と感染させた。次いで細胞を洗浄し、PIP解析に先立ってFBSを含まない培地中で24時間培養した。PIPの検出を、製造者の指示書に従って1×106細胞を含む細胞溶解物に対してELISA(TaKaRa Bio Inc.、Japan)によって評価した。
75%エタノール/PBS中で4℃にて30分間細胞を固定し、そして0.1%BSA/PBSと共に37℃にて30分間非特異的抗体結合をブロックした。FITC(Ab−1、Oncogene、San Diego、CA)と結合体化した抗p21WAF1/Cip1抗体2μg/mlを細胞と共に室温で60分間インキュベートした。細胞を0.1%のBSAで洗浄し、PBSに再懸濁し、そしてFL−1チャネル上のFACSで解析した。
National Institutes of Health Guide for the Care and Use of Laboratory Animalsに従って動物の世話および実験を行い、そして適切な監査委員会の認可を受けた。350〜400gの体重の雄性のSprague−Dawley系ラット(Harlan、Indianapolis、IN)をケタミン/キシラジンで麻酔し、そしてそれぞれのラットの腹部表面に6つの完全な厚さの5mmの直線切開を作製した。単一の滅菌ポリビニルアルコール(PVA)スポンジ(グレード3:12.7mm×3mm;M−PACT、Eudora、KS)をそれぞれの切開中に皮下に挿入し、そして創傷クリップで閉じた。スポンジの移植4日後に、200μlの膠原溶液(Cohesion Technologies、Palo Alto、CA)または200μlのビヒクルコントロール中に処方された1×109PNのrAd−PDGF−BまたはrAd−空を、それぞれのスポンジの内部に注入した。最初の注入の3日後、100μlのvPBS(PBS、3%のショ糖(v/v))中に処方した1×109PN、1×1010PNまたは5×1010PNのrAd−p21WAF1/Cip1をそれぞれのスポンジに注入した。第二の注入の5日後に動物を安楽死させ、そしてそれぞれのスポンジの中心部分を収集し、4%のパラホルムアルデヒド中で固定し、パラフィンで包埋し、そして6μmの厚さを切り出した。増殖インデックス研究のために、安楽死の24時間前に50mg/kgのBrdU(Calbiochem−Novabiochem Corp.、San Diego、CA)をラットの腹腔内に注入した。
p21WAF1/Cip1タンパク質の検出のために、6μmのPVAスポンジパラフィン切片を−20℃のエタノール/酢酸(2:1)中に10分間浸し、次いで、高pH緩衝液(Dako、Carpinteria、CA)中で20分間蒸すことにより抗原を回復した。内因性ペルオキシダーゼを3%(v/v)のH2O2とのインキュベートでクエンチした。スライドを20%(v/v)のヤギ血清中でブロックし、次いでマウスモノクローナル抗ヒトp21WAF1/Cip1抗体(1:100、BD−PharMingen、San Diego、CA)と共に1時間インキュベートした。PBS中で洗浄した後(5分間×3回)、スライドをビオチン化ヤギ抗マウスIgG二次抗体(1:200、Zymed、San Francisco、CA)と共に30分間インキュベートした。スライドをPBS中でリンスし(5分間×3回)、ストレプトアビジン/HRP結合体(Dako)と共に10分間インキュベートし、そしてAEC クロマゲン(chromagen)/基質(Dako)で発色させ、続いてヘマトキシリン対比染色を行った。BrdU検出のために、ZymedのBrdU染色キットおよびVectastain Elite ABCキット(Vector Labs、Burlingame、CA、)からの合わせたプロトコールおよび試薬を用いた。手短に言うと、組織切片をシアライト化した(sialyted)スライドガラスに置き、そして5分間50%の出力でマイクロ波をあてた。切片を予熱したクエン酸緩衝液(pH6.0)中で20分間蒸し、リンスし、そして3%(v/v)のH2O2で10分間、内因性ペルオキシダーゼをクエンチした。Zymedのキットのプロトコールを続け、そしてこれはビオチン化マウス抗BrdU一次抗体とのインキュベートを包含した。続いてスライドをPBS中でリンスし、Vectastain Elite ABC試薬と共に30分間インキュベートし、再度リンスし、そしてVector Nova red クロマゲン/基質(Vector Labs)で5〜15分間発色させた。Ki67の検出のために、パラフィン組織切片に、10mMクエン酸緩衝液(pH6.0)中にて最大出力でマイクロ波をあて、PBS中で洗浄し(5分間×3回)、そして20%(v/v)のヤギ血清で30分間ブロックした。切片をマウス抗ヒトKi67一次抗体(1:100;PharMingen)と共に1時間インキュベートし、PBS中でリンスし(5分間×3回)、そして1:200希釈のビオチン化ヤギ抗マウスIgG(PharMingen)で30分間反応させた。キットの指示書を通してジアミノベンジジン(DAB;Vector Labs)をKi67陽性細胞のクロマゲン検出のために用い、続いてヘマトキシリンにより対比染色した。
肉芽組織充填(fill)の程度の評価のために、PVAスポンジの組織学的切片をMasson Trichrome染色法を用いて加工処理した。Nikon E600顕微鏡および4倍Plan−Fluor対物レンズ(Nikon USA、Melville、NY)で得た目盛りを定めたデジタル写真と共にImage Pro PlusTMソフトウェア(Media Cybernetics、Silver Spring、MD)を用いて、コンピューターで補助した定量解析を行った。解析は、肉芽組織充填のパーセントのための、スポンジの内部に含まれる肉芽組織領域を全体のスポンジ領域内部で割り100を掛けたものを定量する工程からなる。サンプルの大きさは1処理群あたり6スポンジの平均にある。インビボでの増殖インデックスのために、BrdUおよびKi67の免疫組織化学的切片からの画像を40倍または4倍の顕微鏡対物レンズでデジタル的に取得し、そしてAdobe Photoshop 5.0ソフトウェア(Adobe Systems Inc.、San Jose、CA)に読み込んだ。観察されたそれぞれの視野について陽性の細胞の数(赤または茶)および全ての細胞の数(紫の核)をスコアづけした。BrdUについて、1組織切片あたり3つの400倍の視野(最小で1500細胞)を、それぞれの群から計数した。Ki67について、1つの群あたり3つの全体の組織切片(最小で13,000細胞/切片)を評価した。染色強度にかかわらず、BrdUまたはKi67の核染色は陽性と考えられた。増殖インデックスのパーセントを、赤色または茶色の細胞集団数を、赤色または茶色+紫色の細胞集団数で割り、100を掛けることで計算した。
データを、記述される算術平均±SDまたは平均±SEMとして示す。データの統計学的解析を、独立スチューデントt−検定(StatView、SAS Institute Inc、Cary、NC)を用いて行った。差異を、pが0.05以下の場合有意であると考えた。
(ヒト皮膚線維芽細胞は外因性p21WAF−1/Cip−1タンパク質を発現し、そしてrAD−p21WAF1/Cip1に応答して細胞周期の拘束を示す)
p21WAF−1/Cip−1遺伝子発現を、漸増する用量のrAd−p21WAF1/Cip1またはrAd−空で48時間処理したヒト一次皮膚線維芽細胞中にて評価した。FACS解析(図1A)により決定されるように、rAd−p21WAF1/Cip1に応答してp21WAF−1/Cip−1の発現は用量に依存する様式で増加したが、rAd−空には応答しなかった。1×108PN/mlに応答して、p21WAF1/Cip1の発現は未処理細胞を超えて、4.1±1.0(未処理)から6.0±0.2(p=0.005)まで増加した。最も高い用量である1×109PN/mlのrAd−p21WAF1/Cip1に応答して、発現は未処理細胞を超えて、4.1±1.0から35.1±1.5(p=0.001)まで増加した。従って、p21WAF−1/Cip−1を用量に依存する様式で一次皮膚線維芽細胞中で効率的に発現し得た。
p21WAF1/Cip1の送達後にPIPペプチドが減少するかどうかを決定するために、ヒト皮膚線維芽細胞を漸増する用量のrAd−p21WAF1/Cip1またはrAd−空で48時間処理した(図1C)。当量の細胞由来の溶解物に対するELISAを行い、細胞内のPIPレベルを定量した。このデータは、コントロール群と比較してrAd−p21WAF1/Cip1でヒト皮膚線維芽細胞を処理した後に、2分の1より大きいPIPの減少を示した。PIPの減少は、未処理細胞と比較した場合、最も高い濃度のrAd−p21WAF1/Cip1(3.0×109PN/ml)での処理において検出された(それぞれ、60.0±6.3ng/mlのタンパク質対165.1±9.0ng/mlのタンパク質)。最も高い用量のrAd−空処理では170.2±10.3ng/mlの細胞内PIPを示し、未感染細胞と変わらなかった。発明者らの過去の研究は、FACS解析で評価したように、100%のヒト皮膚線維芽細胞がこのアッセイ系における導入遺伝子発現について陽性であることを示している(データは示さず)。アネキシンV染色およびFACSによるアポトーシスアッセイを行い、細胞の生存度を決定し、そしてそのデータは細胞がアポトーシスしないことを示した(データは示さず)。これらのデータは、細胞外関連ペプチドがrAd−p21WAF1/Cip1処理の後に減弱されることを示す。
インビボでのrAd−p21WAF1/Cip1の肉芽組織に対する効果を決定するために、ラットPVAスポンジモデルを用いた(Buckley,A.ら、Proc Natl Acad Sci U S A、82(21):7340−4(1985))。肉芽組織の刺激物質として1スポンジあたり1×109PNのrAd−PDGF−Bをラット中のPVAスポンジに注入し(Liechty,K.W.ら、J Invest Dermatol、113(3):375−83(1999))、そして3日後にrAd−p21WAF1/Cip1をスポンジあたり5.0×1010PN投与した(図2)。rAd−空ウイルスもまたrAd−PDGF−BおよびrAd−p21WAF1/Cip1と同じ用量レベルでスポンジに送達し、組換えアデノウイルスがこのモデル系に寄与し得る一般的な効果について照らし合わせた。rAd−p21WAF1/Cip1送達後5日におけるPVAスポンジ中のトリクローム染色から評価して、rAd−PDGF−B/rAd−p21WAF1/Cip1処理スポンジでは量および細胞密度の双方において肉芽細胞が減少した(図3)。ビヒクル/ビヒクル群(図3)およびrAd−空/rAd−空群(示さず)は、rAd−PDGF−B/rAd−p21WAF1/Cip1処理群(図3)と同様の肉芽組織形態を有した。公開された報告と一致して、最も高い肉芽組織充填はrAd−PDGF−B/ビヒクル処理群において観察され(77%;図3)、刺激物質であるPDGF−Bがこのモデルにおいて増殖応答を亢進することを示した(Liechty,K.W.ら、J Invest Dermatol、113(3):375−83(1999))。発明者らは、rAd−PDGF−B/rAd−空処理群において53%の肉芽組織充填を、rAd−PDGF−B/rAd−p21WAF1/Cip1処理群において28%の肉芽組織充填を、ビヒクル/ビヒクル処理群において24%の肉芽組織充填を、そしてrAd−空/rAd−空処理群において18%の肉芽組織充填を観察した(図3)。rAd−PDGF−B/ビヒクル処理およびrAd−PDGF−B/rAd−空処理と比較して、rAd−PDGF−B処理に続くrAd−p21WAF1/Cip1処理は、それぞれ2.7倍および1.9倍の肉芽組織充填の減弱を誘導した(p<0.001およびp=0.05)。対照的に、ビヒクル/ビヒクル処理群、rAd−空/rAd−空処理群、およびrAd−PDGF−B/rAdp21WAF1/Cip1処理群の間では有意な差異は観察されなかった(p>0.3)。ビヒクル/ビヒクル処理群、rAd−PDGF−B/ビヒクル処理群、およびrAd−PDGF−B/rAd−空処理群は、全て互いに有意に異なった(それぞれ、p<0.001およびp=0.01)。別個の研究において、rAd−p21WAF1/Cip1の用量応答を1×109PN/ml〜5×1010PN/mlの間で行った(表1)。1×109PN/mlにおいて、rAd−PDGF−B/ビヒクルにおける最大の充填と比較したとき23%の肉芽含量の低下があり、1.0×1010PN/mlにおいては37%の減少があり、そして5×1010PN/mlにおいては47%の減少があった。これらのデータは、rAd−p21WAF1/Cip1処理後の肉芽組織の量的および質的な減少を示す。
インビボでの形質転換を確認し、そしてp21WAF−1/Cip−1の発現と肉芽組織の減少を関連付けるために、発明者らは抗ヒトp21WAF−1/Cip−1特異的抗体を用いて、ラットPVAスポンジモデルにおけるp21WAF−1/Cip−1発現細胞を同定した。rAd−p21WAF1/Cip1による処理の5日後、p21WAF−1/Cip−1タンパク質は肉芽組織細胞に局在化し、形態学的に炎症細胞(図5C、小さい矢印)および線維芽細胞様細胞に類似した。発明者らは、ビヒクル/ビヒクル処理群またはrAd−PDGF−B/ビヒクル処理群のいずれにおいても、p21WAF−1/Cip−1陽性染色細胞を認めなかった。p21WAF−1/Cip−1発現細胞の優勢な集団が、rAd−p21WAF1/Cip1投与の5日後に強い染色を示したが、発明者らは現在のところ、このモデルにおけるp21WAF−1/Cip−1タンパク質発現の応答最高点および持続を明らかにしていない。しかし、RT−PCRによるrAd−p21WAF1/Cip1の発現は、緑内障濾過手術のウサギモデルにおいて1週間以内に最高点に達し、そして30日を越えて持続した(Perkins,T.W.ら、Arch Ophthalmol、120(7):941−9(2002))。これらのデータは、肉芽組織の減少とp21WAF−1/Cip−1のインビボでの発現との間の関連付けを支持する。
rAd−p21WAF1/Cip1送達後の肉芽組織の増殖状態を決定するために、PVAスポンジ組織上にてBrdU免疫組織化学的染色およびKi67免疫組織化学的染色を行った。ビヒクル/ビヒクル処理群、rAd−PDGF−B/ビヒクル処理群、rAd−PDGF−B/rAd−空処理群およびrAd−PDGF−B/rAd−p21WAF1/Cip1処理群におけるBrdU陽性細胞およびKi67陽性細胞のパーセントを図4に示す。最も高いBrdU染色をrAd−PDGF−B/ビヒクル処理群およびrAd−PDGF−B/rAd−空処理群において認め(それぞれ25%および24%)、rAd−PDGF−Bが組織増殖を促進することを示し、そしてまたrAd−空処理がインビボにおける増殖状態に対して最小限の影響しか有しないことを示唆した。最も低いBrdU染色細胞のパーセントを、rAd−PDGF−B/rAd−p21WAF1/Cip1処理群において同定した(9%)。rAd−PDGF−B/rAd−p21WAF1/Cip1処理群におけるBrdUの取り込みは、rAd−PDGF−B/ビヒクルおよびrAd−PDGF−B/rAd−空と比較した場合に有意に低かった(それぞれの比較についてp<0.01)。さらに、ビヒクル/ビヒクル処理群は、rAd−PDGF−B/rAd−p21WAF1/Cip1処理群と比較した場合に2倍を超える数のBrdU陽性細胞を有した(それぞれ18%対9%)。
肥大性瘢痕およびケロイドの病因は未知であるが、正常な創傷の治癒応答における調節不全から起きるようである。正常な創傷治癒は、線維性瘢痕に発達する線維増殖的応答として進む。重要なことには、最良の場合においてすら、傷害部位は「回復される」よりは「パッチ状に」なり、そして形態および機能の双方が、組織再生に対する(verses)置換の原因である機序によって影響を受ける。正常な創傷の治癒カスケードは、炎症、増殖および再構築を含む、3つの経過順の重なる応答を含む。全ての期において、増殖促進因子および増殖反応の下方制御の原因となる因子に関与する異化プロセスと代謝プロセスの間の平衡状態が存在する。重要な進歩が治癒のために創傷刺激をすることに関与する因子を明らかにするためになされたが、正常な創傷の治癒反応に関連する細胞周期制御およびプログラム細胞死を含む分子的プロセスについてはほとんどなされていない。本明細書に示したデータは、創傷修復および瘢痕形成に関与するプロセスにおいて細胞周期制御が有する重要な役割を強調する。
本実施例は、創傷におけるrAd−p21の送達およびp21WAF−1/Cip−1の発現を説明する。
ウサギの耳ごとに、2〜4つの直径6mmの創傷を誘導した。解析のサンプルの大きさは、処理群ごとに3〜8つの創傷からなった。両耳の同じ創傷部位由来の2つの創傷をプールし、そして単一のチューブにおいて、組織をRT−PCRアッセイおよびPCRアッセイの必要条件に合わせた。このチューブは2つの創傷および1つのアッセイサンプルの平均を表した。PCRアッセイおよびRT−PCRアッセイのために、8時間、1、3、5、7および10日目の収集時点において、N=1または4は全てで2または8創傷を表す。14日目に、1つの創傷を1つのサンプルとして単一のチューブに入れ、したがってN=1または4は、群あたり全てで1または4創傷を表した。形態学的評価のために、1つの創傷は1サンプルをあらわし、そして2〜4サンプルを群ごとに評価した。
rAd−p21およびrAd−空:本研究の0日目にストックウイルスをvPBS希釈剤中に希釈し、氷上で維持した。動物への皮下注入の半時間前に、希釈したウイルスを室温に移した。
雌性のニュージーランドホワイトラビットを、体重1kgあたり70mgのケタミン、5mgのキシラジン、および0.1mgのブトルファノールの筋肉内注射で麻酔した。脱毛剤(NairTM)を耳に適用して毛を除き、そして耳を暖かい水道水でリンスし、そして手術領域をベータダインおよびイソプロパノールで洗った。動物を手術前室から手術室に移した。
滅菌条件下において、トレフィンを用いてそれぞれの耳の腹側に軟骨の深さまで2〜4つの6mmの創傷を作った。それぞれの創傷から軟骨および覆う皮膚を止血鉗子を用いて除いた。創傷の縁の領域をMastisol(登録商標)で調製し、そして創傷をOpSite(登録商標)包帯で覆って乾燥を防いだ。研究の期間の間包帯を創傷に残した。1創傷あたり2×106PNまたは2×1010PNのrAd−p21を、28G1/2インシュリン注射シリンジを用いて創傷あたり100μLの総量にて創傷の縁の領域の周りに皮下注射した。創傷の注射部位は、創傷の縁の領域の3時、6時、9時および12時方向の点に2〜3mm以内であった。第1群、第3群および第4群の全てのウサギの両耳に、手順を繰り返した。1日目、3日目および10日目の時点でrAd−空処理群においてウサギごとに1つの耳を傷つけた。動物をケージに戻し、そして適宜食餌および水を与えた。
特定の屠殺時点において、動物を過量のEuthasol CIII 200mg/kg,ivにて安楽死させ、ウサギの耳を基部で切断した。完全な厚さの創傷を10mmの組織生検パンチを用いて切除し、そして250μLのQIAGEN RNAlaterTM(RNA安定化試薬)を含む微量遠心分離チューブに入れた。全ての組織をこのRNA安定化試薬に浸し、そしてPCR解析およびRT−PCR解析のために4℃で保存した。14日目の時点で、同じ耳の創傷部位由来の1つの創傷を微量遠心分離チューブに入れて1つのサンプルを表す点を除いて、全ての手順を上記と同じようにした。形態学的な評価のために、創傷を二分し、創傷の半分を最適凍結切片温度化合物(Optimum Cryosection Temperature Compound)(OCT)中で凍結させ、そして残りの半分を4℃にて4時間、4%パラホルムアルデヒド中で固定し、70%EtOHに移し、そしてトリクローム染色のために処理した。形態学的検査を創傷組織切片において炎症応答および創傷治癒応答について行った。
定量的PCRおよびRT−PCR(QPCRおよびQRT−PCR)手順を用いて、Wenら、Exp Eye Res.77(3):355−65(2003)によって過去に記載されたようにrAd−p21 DNAおよび導入遺伝子発現を数量化した。Tri−Reagent(登録商標)を用いて、約50〜100mgの組織からDNAおよびRNAを共抽出した。
rAd−p21の送達およびヒトp21WAF−1/Cip−1遺伝子の発現を、ウサギ耳過剰瘢痕モデルにおいて、単一の皮内用量を創傷後即座に送達した後に、期間を通して特徴付けた。QPCR技術およびQRT−PCR技術を実行して、創傷領域におけるrAd−p21 DNAおよびヒトp21WAF−1/Cip−1遺伝子の発現を数量化した。
創傷あたり2×106PNまたは2×1010PNのrAd−p21を、ウサギ耳創傷へ単一の皮内注射によって送達した。それぞれのrAd−p21解析サンプルは、合わせられた2つの創傷それぞれごとに2×106PNまたは2×1010PNであり、従ってそれぞれ合計4×106PNまたは4×1010PNになった。14日目にサンプルごとにたった1つの創傷があった。
ウサギの創傷の形態学的変化を、迅速な創傷治癒プロセスの典型的な期の次に行った。手短に言うと、創傷後8時間において創傷への炎症細胞の侵入を認めた。炎症細胞流入は全ての創傷において1日目および3日目に増加した。5日目までに、肉芽組織が創傷ベッドを充填し始め、そして創傷の縁の周りに上皮性移動舌(epithelial migrating tongue)を認めた。7日目、10日目および14日目に創傷ベッドを肉芽組織が充填し、そして上皮が覆った。10日目および14日目に残りの群と比較した場合、低rAd−p21用量処理群においてはより薄い肉芽組織および上皮層を認めた。しかし、低用量のrAd−p21群は14日目において高用量群よりも緻密な細胞充実性を示した。このデータは、rAd−p21が創傷瘢痕における肉芽組織の体積および上皮の厚さを減弱し得ることを示唆する。
ウサギ耳の創傷における高用量および低用量のrAd−p21処理群の双方において、ヒトrAd−p21 DNAの送達およびp21WAF−1/Cip−1RNAの発現を検出した。高用量群および低用量群の双方において、14日間の期間を通してp21WAF−1/Cip−1RNAのレベルは維持された。
本実施例は、rAd−p21処理が瘢痕の厚さを阻害することを例証する。
Claims (18)
- 創傷を有する被験体の皮膚において瘢痕を減少させるための組成物であって、該組成物は、発現カセットを含むポリヌクレオチドを含み、該発現カセットはp21WAF1/Cip1をコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含む、組成物。
- 前記DNAがベクターの一部であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
- 前記ベクターがウイルスベクターである、請求項2に記載の組成物。
- 前記ウイルスベクターがアデノウイルスベクターである、請求項3に記載の組成物。
- 前記アデノウイルスベクターが複製能欠失アデノウイルスベクターである、請求項4に記載の組成物。
- 前記組成物の投与が、未処置の創傷における瘢痕と比較して、前記創傷におけるケロイドまたは肥大性瘢痕を減少させることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
- 前記アデノウイルスベクターが前記創傷1cm2あたり105〜109粒子数(PN)の用量で投与されることを特徴とする、請求項4に記載の組成物。
- 前記ベクターが生体適合性マトリックス中で投与されることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
- 請求項8に記載の組成物であって、ここで前記マトリックスは、膠原性の組成物、金属組成物、ヒドロキシアパタイト組成物、バイオガラス組成物、アルミン酸塩組成物、バイオセラミック物質組成物、精製されたタンパク質の組成物または細胞外マトリックス組成物を含む、組成物。
- 前記マトリックスが膠原マトリックスである、請求項8に記載の組成物。
- 前記皮膚が火傷をしている、請求項1に記載の組成物。
- 創傷の閉鎖を阻害せずに、創傷を有する被験体の皮膚において瘢痕を減少させるための薬学的組成物であって、該薬学的組成物は、発現カセットおよび薬学的に受容可能な賦形剤を含み、ここで該発現カセットはp21WAF1/Cip1をコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含む、薬学的組成物。
- 前記発現カセットが生体適合性マトリックスに含まれる、請求項12に記載の薬学的組成物。
- 前記マトリックスが前記発現カセットを含むウイルスベクターを含む、請求項12に記載の薬学的組成物。
- 前記ウイルスベクターがアデノウイルスベクターである、請求項14に記載の薬学的組成物。
- 前記アデノウイルスベクターが複製能欠失アデノウイルスベクターである、請求項15に記載の薬学的組成物。
- 請求項12に記載の薬学的組成物であって、前記マトリックスが、膠原性の組成物、金属組成物、ヒドロキシアパタイト組成物、バイオガラス組成物、アルミン酸塩組成物、バイオセラミック物質組成物、精製されたタンパク質の組成物または細胞外マトリックス組成物を含む、薬学的組成物。
- 前記マトリックスが膠原マトリックスである、請求項12に記載の薬学的組成物。
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