JP4840201B2 - 歯車の騒音低減装置 - Google Patents

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Description

この発明は、歯車に制振合金を取り付けた歯車の騒音低減装置に関するものである。
従来、動力源の動力を被駆動部材に伝達する伝動装置には、歯車伝動装置、巻き掛け伝動装置などがある。このうち歯車伝動装置においては、動力の伝達時に、相互に噛み合っている歯車同士の歯当たりにより生じる衝撃ないし歯車固有の振動により、騒音が発生する可能性がある。そこで、歯車の振動を低減するための騒音低減装置が用いられており、その一例が、特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載された歯車においては、その歯車のリムおよびハブには高振動減衰能を有する合金が取り付けられている。また、前記歯車に対する合金の固定方法として、前記リムの内周に、リング形状の合金を圧入する方法、前記リムの内周に、リング形状の合金を冷やしばめにより取り付ける方法が記載されている。このように、高振動減衰能を有する合金が取り付けられた歯車においては、前記歯車の噛み合い部に作用する変動、衝撃荷重などの加振力に対して、前記歯車のリムやハブはその振動モードによって多数の固有振動数を有するので、これらが共振を起こして弾性変形を生じるが、リング形状の合金も振動による変形を受ける。すると、合金内部の微細結晶粒同士に流動摩擦を生じ、振動エネルギーを吸収する。したがって、前記歯車のリムおよびハブに生じた振動は急速に減衰してしまい、大きな騒音を発生しないと記載されている。なお、歯車の振動低減装置の他の例が、特許文献2、3にも記載されている。
実願昭59−76794号(実開昭60−189655号)のマイクロフィルム 特開2000−220726号公報 特開2005−226767号公報
ところで、特許文献1に記載されている歯車の振動低減装置においては、高振動減衰能を有する合金の性能を充分に生かすことができない虞れがあった。
この発明は上記事情を背景としてなされたものであり、歯車に取り付けられた制振合金の性能を充分に発揮させることの可能な歯車の騒音低減装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため請求項1の発明は、歯車と、この歯車に取り付けられ、かつ、振動減衰機能を有する環状の制振合金とを有する、歯車の騒音低減装置において、対面する前記制振合金の側面と前記歯車の側面とは互いに傾斜しており、前記制振合金の振動減衰率が予め定められた値を確保できるように、前記制振合金は、前記歯車の回転軸線方向における荷重により、互いに傾斜していた前記制振合金の側面と前記歯車の側面とが面接触し、前記歯車の回転軸線方向に前記制振合金の内周側とその外周側とが相対的にたわむことで、塑性変形もしくは弾性変形して静的歪みを与えられているともに、回転方向における前記歯車との相対滑りが生じないように前記歯車の側面に取り付けられていることを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、歯車同士の噛み合い力により動力伝達がおこなわれて、歯車に振動、例えば、歯車の回転軸線に沿った方向の面振動が発生した場合に、制振合金を構成する微細結晶粒同士の流動摩擦により、振動が減衰される。また、制振合金には、予め静的歪みが与えられた状態で歯車に取り付けられているため、その振動減衰率が高い領域で振動減衰機能を発揮できる。
まず、この発明の概念について説明すると、この発明の歯車の騒音低減装置は、車両用の動力源から被駆動部材に至る動力伝達経路に設けられた歯車伝動装置に用いることが可能である。前記駆動力源には、エンジン、モータ・ジェネレータ、油圧モータ、フライホイールなどが含まれる。この駆動力源から、車輪に至る動力伝達経路に配置される変速機、差動装置、トランスファなどを構成する歯車伝動装置として用いることができる。ここで、相互に噛み合わされる歯車の回転軸線同士が平行に配置される場合と、回転軸線同士が同軸上に配置される場合と、回転軸線同士が交差して配置される場合がある。すなわち、歯車伝動装置は、平行軸歯車、交差軸歯車、食い違い軸歯車などのいずれでもよい。なお、エンジン、または電動機の動力を、ウォーターポンプ、またはエアコン用コンプレッサなどの被駆動装置に伝達する歯車伝動装置に、この発明を用いることも可能である。
つぎに、この発明の実施例を、図面に基づいて具体的に説明する。この実施例では、車両用の駆動力源から車輪に至る経路に設けられた変速機に、この発明を用いた場合について説明する。図2において、駆動力源(図示せず)のトルクが変速機1の入力軸2に伝達されるように構成されており、入力軸2と平行にカウンタ軸3が設けられており、入力軸2と同軸上に出力軸4が設けられている。この変速機1は有段式の変速機であり、その変速比を段階的に変更するために常時噛み合い式の歯車変速機構を有している。具体的には、入力軸2およびカウンタ軸3には、第1速用歯車列5、第2速用歯車列6、第3速用歯車列7、第4速用歯車列8が設けられている。そして、各歯車列5,6,7,8と、前記カウンタ軸3との間の動力伝達経路を選択的に接続・遮断するクラッチ機構(図示せず)が設けられている。
前記第1速用歯車列5は、第1速用駆動歯車9と第2速用従動歯車10とを噛合させて構成され、前記第2速用歯車列6は、第2速用駆動歯車11と第2速用従動歯車12とを噛合させて構成され、前記第3速用歯車列7は、第3速用駆動歯車13と第3速用従動歯車14とを噛合させて構成され、前記第4速用歯車列8は、第4速用駆動歯車15と第4速用従動歯車16とを噛合させて構成されている。そして、第1速用駆動歯車9および第2速用駆動歯車11および第3速用駆動歯車13および第4速用駆動歯車15が、前記入力軸2に取り付けられている。これに対して、第1速用従動歯車9および第2速用従動歯車12および第3速用従動歯車14および第4速用従動歯車16が、前記カウンタ軸3に取り付けられている。さらに、前記カウンタ軸3と一体回転するカウンタ軸用駆動歯車17が設けられ、前記出力軸4と一体回転する出力軸用従動歯車18が設けられている。上記の歯車は、いずれも「はすば歯車」で構成されている。したがって、何れの変速段が選択された場合においても、各歯車同士の噛み合い力により、回転軸線に沿った方向の荷重、スラスト力が発生する。
これらの歯車として用いられる歯車の構成例を、図1に基づいて説明する。この図1は、前記回転軸線に沿った方向における歯車20の断面図である。前記歯車20は内周側に形成された環状のボス部21と、このボス部21の外周に連続して形成されたアーム22と、このアーム22に連続して形成された環状部23とを有している。すなわち、前記歯車20の半径方向で、前記ボス部21と前記環状部23との間に前記アーム22が配置されている。そして、前記ボス部21が、前記入力軸2またはカウンタ軸3または出力軸4にスプライン嵌合されて、前記歯車と前記各軸とが一体回転するように連結されている。そして、前記環状部23の外周に歯(外歯)24が形成されている。さらに、前記回転軸線A1に沿った方向で、前記アーム22の一方の側面25に制振合金26が取り付けられている。この制振合金26は、高弾性率・高振動減衰金属から構成されている。例えば、強磁性型高振動減衰金属または転位型高振動減衰金属であるK1X1(Mg−Zr合金)、Fe−Cr系合金、双晶型高振動減衰金属であるM2052(Mn−Cu合金)等が採用される。この制振合金26の振動減衰特性を、図3の線図により説明する。この図3では、実施例で用いる制振合金26と、ADT4(アルミダイキャスト材)とが比較されている。前記制振合金26およびADT4は、共に、歪み振幅量が大きくなるほど振動減衰率(tan φ)が高まる特性を有している。しかしながら、歪み振幅量の変化割合に対する振動減衰率の変化割合は、制振合金26の方がADT4よりも大きいことが分かる。
上記の制振合金26は、前記歯車20のアーム22に対して、溶接、リベット止め、ボルトによる締め付けなどの方法で固定されている。より具体的に説明すると、前記アーム22の側面25に制振合金26が固定されている。この制振合金26は環状に構成されており、その制振合金26の中心と前記歯車20の回転軸線とを一致させるとともに、前記アーム22の側面25と、前記制振合金26の側面27とを面接触、具体的には密着させた状態で、前記歯車20と前記制振合金26とが、離脱不可能に固定されている。この実施例において、前記歯車20は前記制振合金26よりも機械的強度が低い金属材料で構成されている。この歯車20としては、機械構造用合金鋼、炭素鋼、鋳鉄、クロム鋼、モリブデン鋼などの金属材料を用いることができる。
ここで、前記ボルトまたはリベットを用いて、前記制振合金26を前記歯車20に固定する場合、前記歯車20の円周方向で等間隔おきに、複数のリベットまたはボルトが配置されている。また、制振合金26を溶接により固定する場合、前記制振合金26の全周に亘って接合されている。前記ボルトを用いて歯車20に制振合金26を固定する場合、前記制振合金26およびアーム22に軸孔(図示せず)を設けておき、その軸孔にボルトを挿入し、かつ、ナット(図示せず)を用いてボルトを締め付ける構造を採用可能である。なお、前記ボルトを予め制振合金26に埋め込んでおくスタットボルトとしてもよい。この他に、前記アーム22に雌ねじ(図示せず)を形成しておき、ボルトで締め付ける構成を採用することも可能である。また、リベットにより制振合金26を前記歯車20に固定する場合は、前記制振合金26およびアーム22に軸孔を設けておき、その軸孔にリベットを挿入し、かつ、リベットにカシメを施すことにより、制振合金26を固定可能である。さらに、溶接により制振合金26を歯車20に固定する場合、前記制振合金26の内周縁または外周縁のいずれかを溶接すればよい。
さらに、前記制振合金26は、静的歪みが与えられた状態で前記歯車20に固定されている。この制振合金26に与えられる静的歪みを、図4に基づいて説明する。この図4において、横軸に静的歪み量が示され、縦軸に振動の減衰率が示されている。この特性線図により、静的歪み量が所定領域B1内にある場合は、振動の減衰率が所定値C1以上である。この所定値C1は、減衰率の最大値C2の90%以上、望ましくは95%以上の値である。これに対して、所定領域B1よりも静的歪み量が少ない領域B2、および、その所定領域B1よりも静的歪み量が多い領域B3では、振動の減衰率が所定値C1未満である。この実施例では、所定値C1以上の振動減衰率となるように、前記制振合金26に、所定領域B1に相当する静的歪み量が与えられている。この実施例において、振動とは、主として、前記歯車20の回転軸線に沿った方向(歯車20の幅方向)の振動、すなわち面振動を意味している。また、この実施例においては、主として歯車同士の噛み合いにより生じる1次振動を対象として、振動の減衰率を判断している。そして、減衰率の最大値C2の90%以上、望ましくは95%以上の値である場合に、歯車同士の噛み合いにより生じる1次振動を有効に減衰できる。これに対して、静的歪み量が領域B3では、制振合金26の組成もしくは結晶にクラックが発生する可能性があり、好ましくない。また、静的歪み量が領域B2では、歯車同士の噛み合いにより生じる1次振動を有効に減衰できない可能性がある。
つぎに、前記制振合金26に静的歪みを与えた状態で前記歯車20に固定する構成を順次説明する。まず、図5に示す具体例に基づいて、前記歯車20の構成を説明すると、前記歯車20のアーム22の側面25が、前記回転軸線と垂直でない形状に構成されている。具体的には、前記アームの幅が歯車20の外周側であるほど厚さが減少する方向にテーパが施された平坦面により、前記側面25が構成されている。つまり、前記回転軸線A1と垂直であり、かつ、前記歯車20の厚さ方向の中心を通過する中心面D1を想定した場合、前記歯車20の外周側であるほど前記側面25が、前記中心面D1に近づく方向に傾斜している。一方、図5に示す具体例において、前記歯車20に固定される以前における前記制振合金26の構成を説明する。前記制振合金26に形成された両方の側面27は、前記回転軸線A1と垂直でない形状に構成されている。
具体的には、前記回転軸線A1に沿った方向における前記制振合金26の厚さが、その制振合金26の外周側であるほど減少する(薄くなる)方向にテーパが施された平坦面により、前記側面27が構成されている。つまり、前記回転軸線A1と垂直であり、かつ、前記制振合金26の内周縁に接する平面E1を想定した場合、前記制振合金26の外周側であるほど前記側面27が、前記平面E1から離れる方向に傾斜している。すなわち、前記平面E1と前記側面27とのなす角度θ1が「零度」よりも大きく設定されている。そして、前記制振合金26を前記歯車20に固定する過程で、前記回転軸線A1に沿った方向の固定力が、前記歯車20および前記制振合金26に与えられると、前記歯車20の方が制振合金26よりも機械的強度が高いため、その制振合金26が弾性変形または塑性変形して静的歪みが与えられ、かつ、前記側面25と前記側面27とが密着した状態で、前記制振合金26が前記歯車20に固定される。なお、図5の具体例においては、前記制振合金26の両方に配置された側面27が、共に前記平面E1に対して傾斜する構成となっている。つまり、前記制振合金26は、厚さ方向の中心線(図示せず)を境として左右対称に構成されている。このため、前記歯車20に対して前記制振合金26を固定する場合に、前記制振合金26の何れの側面27が、前記歯車20の側面25に向けられて固定された場合でも、その制振合金26の静的歪み量が同じとなる。
つぎに、図6に示す具体例に基づいて、前記歯車20の構成を説明する。図6において、図5と同じ構成部分については、図5と同じ符号を付してある。図6の具体例では、前記歯車20のアーム22の側面25が、前記回転軸線A1と垂直でない形状に構成されている。具体的には、前記アーム22の幅が歯車20の外周側であるほど厚さが増加する方向にテーパが施された平坦面により、前記側面25が構成されている。つまり、前記歯車20の外周側であるほど前記側面27が、前記中心面D1から離れる方向に傾斜している。一方、図6に示す具体例において、前記歯車20に固定される以前における前記制振合金26の構成を説明する。前記制振合金26における両方の側面27は、前記回転軸線A1と垂直でない形状に構成されている。具体的には、前記制振合金26の厚さが、その制振合金26の外周側であるほど厚さが増加する方向にテーパが施された平坦面により、前記側面27が構成されている。この側面27と、前記回転軸線A1と垂直な平面F1とのなす角度θ2は、「零度」よりも大きく設定されている。この平面F1は、前記制振合金26の軸方向の端部に接する平面である。
この図6の具体例においても、前記制振合金26を前記歯車20に固定する過程で、図5の具体例と同様の原理で前記制振合金26に静的歪みが与えられ、かつ、前記側面25と前記側面27とが密着した状態で、前記制振合金26が前記歯車20に固定される。なお、図6の具体例においては、前記制振合金26に形成された両側の側面27が、共に前記平面F1に対して傾斜する構成となっている。つまり、前記制振合金26は、厚さ方向の中心線(図示せず)を境として左右対称に構成されている。このため、前記歯車20に対して前記制振合金26を固定する場合に、前記制振合金26の何れの側面27が、前記歯車20の側面25に向けられていた場合でも、その制振合金26の静的歪み量が同じとなる。
つぎに、図7に示す具体例に基づいて、前記歯車20に固定される以前における前記制振合金26の構成を説明する。図7において、図6と同じ構成部分については、図6と同じ符号を付してある。図7の具体例では、前記制振合金26の片方の側面27は、図6の具体例と同様に構成されている。これに対して、前記制振合金26の残りの側面28は、前記平面F1と同一平面上に配置されている。この図7の具体例においては、前記側面27が前記側面28よりも前記歯車20に近くなる向きとし、前記制振合金26を前記歯車20に固定する。この図7の具体例においても、前記制振合金26を前記歯車20に固定する過程で、図6の具体例と同様の原理で前記制振合金26に静的歪みが与えられ、かつ、前記側面25と前記側面27とが密着した状態で、前記制振合金26が前記歯車20に固定される。
つぎに、図8に示す具体例に基づいて、前記歯車20に固定される以前における前記制振合金26の構成を説明する。図8において、図5と同じ構成部分については、図5と同じ符号を付してある。図8の具体例では、前記制振合金26の片方の側面27は、図5の具体例と同様に構成されている。これに対して、前記制振合金26の残りの側面28は、図7の具体例と同様に構成されている。この図8の具体例においては、前記側面27が前記側面28よりも前記歯車20に近くなる向きとし、前記制振合金26を前記歯車20に固定する。この図8の具体例においても、前記制振合金26を前記歯車20に固定する過程で、図5の具体例と同様の原理で前記制振合金26に静的歪みが与えられ、かつ、前記側面25と前記側面27とが密着した状態で、前記制振合金26が前記歯車20に固定される。
つぎに、図9に基づいて、前記制振合金26を前記歯車20に固定する参考例を説明する。図9においては、前記アーム22の側面25から、前記回転軸線A1に沿った方向に突出された突起29が形成されている。そして、前記側面25は前記回転軸線A1と垂直に構成されている。また、前記突起29は、前記回転軸線A1を中心とする円周上に、前記歯車20の全周に亘って形成されている。そして、前記突起29の先端面30と前記アーム22の側面25とが湾曲面31によって連続されている。この湾曲面31は、前記回転軸線A1と垂直な平面内で湾曲している。この湾曲面31も、前記回転軸線A1を中心とする円周上に、前記歯車20の全周に亘って形成されている。また、前記湾曲面31は前記先端面30の外周側に配置されている。また、前記湾曲面31と前記先端面30との境界部分にエッジ32部が形成されている。このエッジ部32も、前記回転軸線A1を中心とする円周上に、前記歯車20の全周に亘って形成されている。
一方、前記制振合金26は、その両側面27が前記回転軸線A1と垂直に構成されている。そして、一方の側面27と、前記制振合金26の内周端33とが湾曲面34により連続されている。この湾曲面34は、前記回転軸線A1と垂直な平面内で湾曲している。この湾曲面34も、前記回転軸線A1を中心とする円周上に、前記制振合金26の全周に亘って形成されている。前記湾曲面34および前記湾曲面31の湾曲形状は相似している。そして、前記制振合金26が前記歯車20に固定される前の状態で、前記制振合金26の内周端33の内径は、前記エッジ部32の外径よりも小さく構成されている。そして、前記内周端33の反対に位置する側面27を、他方の前記側面27よりも前記歯車20に近くなるように配置し、前記制振合金26と前記歯車20とを同軸上に配置し、前記制振合金26と前記歯車20とを近づける荷重を与えると、前記湾曲面31と前記湾曲面34とが接触するとともに、前記歯車20よりも前記制振合金26の方が機械的強度が低いため、前記制振合金26が外側に拡径する向きで塑性変形または弾性変形して静的歪みが与えられ、前記湾曲面31と前記湾曲面34とが密着した状態で、前記歯車20と前記制振合金26とが固定される。なお、図9の具体例において、前記ボス部21の外周側に前記湾曲面31を形成すれば、前記突起29を設けずに済む。
つぎに、図10に基づいて、前記制振合金26を前記歯車20に固定する他の参考例を説明する。図10においては、前記アーム22の側面25から、前記回転軸線A1に沿った方向に突出された突起35が形成されている。そして、前記側面25は前記回転軸線A1と垂直に構成されている。また、前記突起35は、前記回転軸線A1を中心とする円周上に、前記歯車20の全周に亘って形成されている。そして、前記突起35の先端面36と前記アーム22の側面25とが湾曲面37によって連続されている。この湾曲面37は、前記回転軸線A1と垂直な平面内で湾曲している。また、前記先端面36の内周側に前記湾曲面37が配置されている。この湾曲面37も、前記回転軸線A1を中心とする円周上に、前記歯車20の全周に亘って形成されている。また、前記湾曲面37と前記先端面36との境界部分にエッジ部38が形成されている。このエッジ部38も、前記回転軸線A1を中心とする円周上に、前記歯車20の全周に亘って形成されている。一方、前記制振合金26は、その両側面27が前記回転軸線A1と垂直に構成されている。そして、一方の側面27と、前記制振合金26の外周端39とが湾曲面40により連続されている。この湾曲面40は、前記回転軸線A1と垂直な平面内で湾曲している。この湾曲面40も、前記回転軸線A1を中心とする円周上に、前記制振合金26の全周に亘って形成されている。前記湾曲面37および前記湾曲面40の湾曲形状は相似している。
そして、前記制振合金26が前記歯車20に固定される前の状態で、前記制振合金26の外周端39の外径は、前記エッジ部38の外径よりも大きく構成されている。そして、前記外周端39の反対に位置する側面27を、他方の側面27よりも前記歯車20に近くなるように配置し、前記制振合金26と前記歯車20とを同軸上に配置し、前記制振合金26と前記歯車20とを近づける荷重を与えて、前記湾曲面37と前記湾曲面40とを接触させるとともに、前記制振合金26を縮径させる荷重を与えると、前記制振合金26が縮径する向きで塑性変形または弾性変形して静的歪みが与えられ、前記湾曲面37と前記湾曲面40とが密着した状態で、前記歯車20と前記制振合金26とが固定される。なお、上記の具体例の他に、前記制振合金26を前記歯車20に固定した後、ストレスピーニングのごとき表面処理を施して、前記制振合金26に静的歪みを与えることも可能である。また、前記歯車20の側面25、または前記制振部材26の側面27は、平坦ではなく湾曲していてもよいし、円周方向で波形となるようにうねりが与えられていてもよい。さらには、前記制振合金26がバネ座金のような形状に構成されており、その制振合金26を歯車に固定する力で変形して密着する構成とすることも可能である。
上記のように、前記制振合金26を取り付けた歯車20を前記変速機1に用いるとともに、前記入力軸2から前記カウンタ軸3を経由させて出力軸4にトルクを伝達する過程で前記歯車20に面振動が発生すると、前記歯車20と前記制振合金26とが、溶接、リベット、ボルトなどの固定機構により固定されているため、前記歯車20の振動に追従して前記制振合金26が振動する。このため、前記歯車20と前記制振合金26との接触面で相対滑りが発生することがなく、前記制振合金26の内部の微細結晶粒同士に流動摩擦が生じ、振動エネルギーを吸収する。したがって、前記歯車20の面振動が減衰されて、騒音(ギヤノイズ)および異音を低減できる。特に、前記制振合金26の振動減衰率が所定値以上となるように、前記静的歪み量が与えられているため、前記制振合金26の振動減衰性能を一層高く保持することができる。
この発明における歯車20の騒音低減装置を示す断面図である。 この発明における歯車20の騒音低減装置の使用例である変速機のスケルトン図である。 この発明における歯車20の騒音低減装置で用いる制振合金26の特性を示す線図である。 この発明における歯車20の騒音低減装置で用いる制振合金26に与える静的歪み量を示す線図である。 この発明における歯車20の騒音低減装置の具体例を示す断面図である。 この発明における歯車20の騒音低減装置の具体例を示す断面図である。 この発明における歯車20の騒音低減装置の具体例を示す断面図である。 この発明における歯車20の騒音低減装置の具体例を示す断面図である。 この発明における歯車20の騒音低減装置の具体例を示す断面図である。 この発明における歯車20の騒音低減装置の具体例を示す断面図である。
符号の説明
20…歯車、 26…制振合金。

Claims (1)

  1. 歯車と、この歯車に取り付けられ、かつ、振動減衰機能を有する環状の制振合金とを有する、歯車の騒音低減装置において、
    対面する前記制振合金の側面と前記歯車の側面とは互いに傾斜しており、
    前記制振合金の振動減衰率が予め定められた値を確保できるように、前記制振合金は、前記歯車の回転軸線方向における荷重により、互いに傾斜していた前記制振合金の側面と前記歯車の側面とが面接触し、前記歯車の回転軸線方向に前記制振合金の内周側とその外周側とが相対的にたわむことで、塑性変形もしくは弾性変形して静的歪みを与えられているともに、回転方向における前記歯車との相対滑りが生じないように前記歯車の側面に取り付けられていることを特徴とする歯車の騒音低減装置。
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