JP4839583B2 - FcγレセプターIIIaに特異的な抗体およびそれを用いたFcγレセプターIIIaの測定方法 - Google Patents
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(1)受託番号FERM BP-10062で寄託されているハイブリドーマにより産生される、FcγレセプターIIIaに特異的に結合するモノクローナル抗体MKGR155。
(2)受託番号FERM BP-10062で寄託されている、上記(1)に記載のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ。
(3)上記(1)に記載のモノクローナル抗体を用い、免疫学的測定方法により測定することを特徴とする、FcγレセプターIIIa量の測定方法。
(4)上記(1)に記載の抗体とFcγRIIIaに結合する抗体を用い、上記(3)に記載の方法で試料中の可溶性FcγレセプターIIIa量を測定し、その測定結果に基づいて判定することを特徴とする、慢性関節リュウマチの判定のためのデータを得るための方法。
(5)上記(1)に記載のモノクローナル抗体を含んでなる、FcγレセプターIIIa測定用キット。
(6)FcγレセプターIIIaに結合する抗体と、上記(1)に記載のモノクローナル抗体を含んでなる、RA判定用キット。
尚、本明細書において、RAか否かを「診断する」場合、FcγRIIIa量の測定結果に基づいて、RAか否かを「判定する」場合を含む。
さらに、Human FcγRIIIa cDNAの塩基配列(配列番号1)及びそれがコードするアミノ酸配列を図6に示す。
本発明は、FcγRIIIaに特異的に結合する抗FcγRIIIa特異抗体を提供するものであり、これを用いれば、簡便、迅速且つ精度よく、さらに生体由来試料に含有されるFcγRIIIbのアロタイプに左右されることなくFcγRIIIa量を測定することができる。さらに、該抗体を用いてRAの有用なマーカーであるsFcγRIIIa量を測定し、その結果に基づいてRAを診断することにより、イムノPCR等を用いていた従来よりも簡便且つ迅速に、さらに測定対象者のFcγRIIIb表現型を考慮せずにRAの診断を行うことが可能となった。
(1)FcγRIIIa蛋白遺伝子のクローニング
Human FcγRIIIa cDNA(GenBank accession No.BC017865)の塩基配列(配列番号1)をもとにして、2種類のプライマー用オリゴヌクレオチド(GAAGCTTGGCATCATGTGGCAGCTGCTC)(配列番号4)と(GCGGCCGCTTGGTACCCAGGTGGAAAGAATG)(配列番号5)を合成(SIGMA genesys 社製)した。
次いで、合成した2種類のオリゴヌクレオチドのうち、配列番号4のオリゴヌクレオチドをフォワードプライマーとして用い、配列番号5のオリゴヌクレオチドをリバースプライマーとして用い、Human Leucocyte cDNA(BioChain Institute, Inc.)を鋳型として、下記の通りPCRを行った。
まず、各0.4μMのフォワードプライマー及びリバースプライマー2 mM 硫酸マグネシウム、dATP、dCTP、dGTP、dTTPおよびPlatinumTaq ポリメラーゼ(Invitrogen社製)を含有する10 mM Tris-HCl緩衝液(pH 8.9)を調製し、PCR用反応液とした。
PCR用反応液25μLに、Human Leucocyte cDNA 1μgを添加したものをPCR用試料として用い、MJ Research社のDNAサーマルサイクラー(DNA Engine PTC200)にて、PCR(94℃、60秒:94℃、15秒、55℃、30秒、68℃、60秒を25サイクル)を行い、FcγRIIIa遺伝子を含む配列(配列番号3、配列番号1の塩基配列中、43位から672位にコードされている。FcγRIIIa蛋白の細胞膜外部分をコードする遺伝子を含む。)を増幅させた。得られた断片をHindIII((株)ニッポン・ジーン社)とNot I((株)ニッポン・ジーン社)で消化し、pcDNA3.1/myc-Hisベクター(Invitrogen製、ネオマイシン耐性遺伝子(neo)を持つ。)のHindIII、Not Iサイトに挿入した。これにより、FcγRIIIa遺伝子を含む配列(配列番号3)に続いて、その下流にmycエピトープタグ遺伝子、His tag遺伝子が配列された配列を持つpcDNA3.1/myc-Hisベクターが得られることになる。続いて得られたFcγRIIIa遺伝子を含む配列(配列番号3)を挿入したpcDNA3.1/myc-Hisベクターを用いてE. coli(JM109)を形質転換し、得られた形質転換体を大量培養後、Qiagen Endofree Maxi Kit(Qiagen製)を用いてプラスミド(発現プラスミド)を回収した。
上記(1)で得られた発現プラスミドを、GenePulser Xcell(Bio-Rad製)を用いたエレクトロポレーション法(Square wave、Voltage:160V、Pulse length:15 mSec、Cuvette:0.2 cm)によりCHO-K1細胞に導入した。目的の導入体はネオマイシン(ジェネテシン)耐性を獲得しているので、導入から24時間後にジェネティシン(和光純薬工業(株)製)を終濃度0.75 mg/mLとなるように培養液に添加し、約2週間ジェネティシン選択培養を行った。その後、限界希釈法によりジェネティシン耐性株のクローニングを行い、ジェネティシン耐性株72クローンを得た。
上記(2)で得られたジェネティシン耐性株72クローンをOpti−MEM培地(Gibco製)で培養後、培養上清(無血清培地)各200μLをサンプルとして用い、一次抗体として抗His tag抗体(Oncogene製)、二次抗体としてPOD標識抗マウスIgGウサギF(ab')2(和光純薬工業(株)製)、検出試薬としてECL plus(Amersham Bioscience製)を用いてドットウェスタンブロッティングを行い、化学発光の確認された10クローンを選択した。
選択した10クローンをOpti−MEM培地(Gibco製)培養後、培養上清を限外ろ過した10倍濃縮液20μLをサンプルとして用い、SDS-PAGE後、一次抗体として抗His tag抗体、二次抗体としてPOD標識抗マウスIgGウサギF(ab')2、検出試薬としてECL plusを用いてウェスタンプロッティングを行い、蛋白質(FcγRIIIa)の発現を確認した。
すなわち、上記(1)でFcγRIIIa遺伝子を含む配列(配列番号3)に続く下流側にmycエピトープタグ遺伝子、His tag遺伝子があるので、FcγRIIIaは、mycエピトープ及びHis tagと結合した融合蛋白質(FcγRIIIa−mycエピトープ−His tag)として発現する。従って、このHis tagの発現が確認されれば、その上流域のFcγRIIIa遺伝子を含む配列(配列番号3)の発現も確認されることになる。
また、対照としてFcγRIIIa蛋白遺伝子を含む配列(配列番号3)を挿入していないpcDNA3.1/myc-Hisベクターを上記(2)の方法でCHO細胞に導入し、取得したジェネティシン耐性株の培養上清10倍濃縮液20μLを用いて同様に泳動、ウェスタンブロッティングを行った。
図1から明らかな如く、クローンNo.3とNo.9においてバンドが強く確認された。尚、FcγRIIIa遺伝子を含む配列(配列番号3)を挿入していないpcDNA3.1/myc-Hisベクターを用いたジェネティシン耐性株のレーン11(対照)にはバンドは認められなかった。以上のことより、CHO-K1細胞を用いて、目的のFcγRIIIa(FcγRIIIa全250アミノ酸のうちの1番目〜208番目のアミノ酸までから成る。以下、「組換えFcγRIIIa蛋白」と記載する。)を発現する細胞株を取得することができた。
(1)免疫原(組み換えFcγRIIIa蛋白)の調製
実施例1で得られた、組換えFcγRIIIa蛋白を発現するCHO細胞株をGIT培地[和光純薬工業(株)製、10% 牛血清アルブミン(BSA)含有])中で500 cm2フラスコ10枚に100%コンフルエントの状態まで培養後、培地をOpti-MEM培地(GIBCO製、無血清)に置換した。3日間隔で3回培地交換を行い、培養上清を回収して集めた。
上記培養によって得られた培養上清2Lを、3000 rpmで30分間遠心分離し、その上清を限外ろ過により約100 mLにまで濃縮した。該濃縮液を、20 mMリン酸緩衝液(pH 7.4、500 mM NaCl、50 mM 3-[(3-コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]プロパンスルホン酸(CHAPS)、40 mMイミダゾール含有)で平衡化した5 mLのChelating Sepharose Fast Flow(Amersham Bioscience製)カラムに供して目的の組み換えFcγRIIIa蛋白を吸着させた。同カラムを20 mMリン酸緩衝液(pH 7.4、500 mM NaCl、100 mMイミダゾール含有)で十分洗浄した後、20 mMリン酸緩衝液(pH 7.4、500 mM NaCl、300 mMイミダゾール含有)を通液して、組み換えFcγRIIIa蛋白を含む画分を得た。
上記(1)で得られた組み換えFcγRIIIa蛋白をフロインド・コンプリート・アジュバンドと混合し、BALB/cマウス(♀)一匹あたり3μgとなるように腹腔内に投与して初回免疫を行った。初回免疫から二週間後に、組み換えFcγRIIIaをフロインド・コンプリート・アジュバンドと混合し、BALB/cマウス(♀)一匹あたり10μgとなるように腹腔内に投与し、二回目の免疫を行い、さらに二週間後、二回目と同様の方法で腹腔内に投与し、三回目の免疫を行った。三回目の免疫から1ヶ月後に、組み換えFcγRIIIa蛋白を生理食塩水と混合し、BALB/cマウス(♀)一匹あたり20μgとなるように腹腔内に投与し、最終免疫を行った。
最終免疫から3日後に脾臓を取り出した。脾臓は滅菌したステンレスメッシュ上でほぐし、ダイゴT培地(和光純薬工業製)に懸濁後、遠心分離操作を繰り返して洗浄した。採取した脾細胞1.5×108個と、ダイゴT培地で脾細胞と同様の方法で洗浄したマウスミエローマ細胞(P3X63Ag8U1)3×107個をダイゴT培地中で混合し、1450 rpmで10分間遠心分離した。
得られた沈査に50%ポリエチレングリコール1540 1 mLを37℃で1分間かけて攪拌しながら徐々に加えて細胞融合させ、さらに37℃のダイゴT培地9 mLを5分間かけて攪拌しながら加えた後、1450 rpmで10分間遠心分離した。得られた融合細胞をHAT培地60 mLに懸濁し、96ウェルのマイクロプレートに0.2 mLずつ分注し、2〜3日間隔でHAT培地を交換しながら培養を続けた。細胞融合から8〜10日後に培養上清を採取し、ELISAを用いて抗FcγRIIIa抗体活性のスクリーニングを行い、抗体活性の強いウェルの細胞について、限界希釈法によるクローニングを行った。クローニング実施から8日後、1コロニー/ウェルの培養上清を採取し、ELISAを用いて抗FcγRIIIa蛋白抗体活性のスクリーニングを行い、モノクローナル抗体産生ハイブリドーマを得た。
これらのクローンの中から、2クローンを選択し、モノクローナル抗体MKGR155を産生するハイブリドーマMKGR155および、モノクローナル抗体MKGR248を産生するハイブリドーマMKGR248と命名した。
(1)フローサイトメトリーによる抗体特異性評価
FITC標識したMKGR155、MKGR248、及び比較対照としてMKGR14(抗FcγRIIIaMφモノクローナル抗体)、CLBFcRgranI(抗FcγRIIIモノクローナル抗体)を用い、末梢血由来のNK細胞、好中球及び単球を含む白血球と氷上で反応させた。反応後、フローサイトメトリー解析を行った。
一方、抗FcγRIIIaMφモノクローナル抗体MKGR14は単球の一部とは結合したが、好中球やNK細胞とは反応しなかった。FcγRIIIモノクローナル抗体CLBFCRgranIは,検討した全ての細胞種と反応した。
以上のことより、モノクローナル抗体MKGR248はFcγRIIIと結合し、モノクローナル抗体MKGR155はFcγRIIIaに特異的に結合することが確認された。
4日間培養した単球、好中球、NK細胞を含むLGL分画に50μg/Lのフェニルメタンスルホニルフルオリド(PMSF)、1 mM Na-p-トシル-L-リシンクロロメチルケトンおよび40μg/mL大豆トリプシンインヒビターの存在下、1% NP-40(110 mM NaCl,50 mMトリス緩衝液(pH 7.5))をそれぞれ加えて溶解した。
得られた溶解液を、取得したモノクローナル抗体MKGR155,MKGR248,及び比較対照としてCLBFcRgranI(抗FcγRIIIモノクローナル抗体)を固定化したプロテインGセファロース4ファーストフロー(Amersham Bioscience製)、又はMKGR14(抗FcγRIIIaMφモノクローナル抗体)を固定化したセファロースCL-4Bビーズに加えて、4℃で1時間反応させた。次いで50μg/LのPMSF、1 mM Na-p-トシル-L-リシンクロロメチルケトンおよび40μg/mL大豆トリプシンインヒビターの存在下、1% NP-40(110 mM NaCl,50 mMトリス緩衝液(pH 7.5))で同ビーズを洗浄したのち、還元剤を含まないSDS-PAGEサンプル調製用緩衝液に懸濁して65℃、5分間加熱し、SDS-PAGEに供した。電気泳動後、ニトロセルロース膜にゲル中の蛋白を転写した後、抗FcγRIIIモノクローナル抗体CLB-LM6.30とペルオキシダーゼ標識抗マウスIgG(Jackson Immuno Research社製)を順次反応させた。膜上のペルオキシダーゼ活性の検出は、ECL検出システム(Boehringer Mannheim GmbH社(ドイツ)製)を用いた。
以上の結果から、モノクローナル抗体MKGR248はFcγRIIIに結合する抗体であり、モノクローナル抗体MKGR155はFcγRIIIaに特異的に結合する抗体であることが分かった。
(1)試料の調製
High Performance Elisa buffer(HPE緩衝液,CLB社、アムステルダム、オランダ)で100倍希釈した各EDTA加血漿を試料とした。尚、EDTA加血漿の由来は以下の通りである。
RA患者EDTA加血漿は、1994年4月から1996年4月までの関西医科大学リュウマチ科の来院患者で、米国リュウマチ協会(American Rheumatism Association, ARA)の基準においてRAと認定された患者43例から得た。対象となるOA患者EDTA加血漿は、関西医科大学来院患者14名より、健常者EDTA加血漿は、和光純薬工業(株)社員32名より得た。また、sFcγRIIIa等の濃度を測定する際に、100 AUを設定するためのプールEDTA加血漿は、任意に病院のスタッフから選んだ者(19-75歳、42.9±14.3歳)から得た。
(2)試薬の調製
・抗FcγRIIIaモノクローナル抗体MKGR155固定化ポリスチレンビーズ
FcγRIIIaに特異的に結合する抗体である抗FcγRIIIaモノクローナル抗体MKGR155の10μg/mL溶液に直径3.2 mmのポリスチレンビーズを浸漬後、非結合部分を2% BSA溶液でブロックすることにより、抗FcγRIIIaモノクローナル抗体MKGR155固定化ポリスチレンビーズを得た。
・POD標識抗FcγRIIIaモノクローナル抗体MKGR248
酵素免疫測定法、石川栄治、河合忠、室井潔編、第2版、医学書院、1982等に示された常法に従って行った。すなわち、FcγRIIIaに結合する抗体である抗FcγRIIIaモノクローナル抗体MKGR248をモル比で10倍量相当のN-Succinimidyl 3-[2-pyridyldithio] propionateとリン酸緩衝食塩水液(PBS)中で反応させた後、Sephadex G-25を用いてゲルろ過を行い、余分のN-Succinimidyl 3-[2-pyridyldithio]propionateを除去した後、DTTで還元してSH化した。これとは別に、PODをモル比で10倍量相当のm-Maleimidobenzyl-N-hydroxysuccinimide esterとPBS中で反応させた後、Sephadex G-25を用いてゲルろ過を行い、余分のm-Maleimidobenzyl-N-hydroxysuccinimide ester を除去してm-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシニミドを導入したPODを得た。さらに両者を反応させることにより、POD標識抗FcγRIIIaモノクローナル抗体MKGR248を得た。
RA患者、OA患者、および健常者由来のEDTA加血漿中のsFcγRIIIa濃度は、自動化学発光免疫装置Sphere Light180(スフィアライト180、オリンパス社製)を用いて化学発光法で以下のように行った。
抗FcγRIIIaモノクローナル抗体MKGR155固定化ポリスチレンビーズ1個が入った反応槽に、試料140μLを加え、37℃で7分間インキュベートした。PBSで洗浄後、140μLのPOD標識抗FcγRIIIaモノクローナル抗体MKGR248を加えて37℃で7分間インキュベートした。反応後、ポリスチレンビーズをPBSで洗浄後、ルミノール溶液(発光基質)70μLとH2O2溶液70μLを添加し、自動化学発光免疫装置Sphere Light180(スフィアライト180、オリンパス社製)を用いて各試料の化学発光量を測定した。
別に、健常者プールEDTA加血漿中のsFcγRIIIa量を基準値、すなわち100 arbitrary units(AU)に設定し、これをHPE緩衝液で希釈(1/5、1/10、1/20、1/40、1/80、1/160、1/320)した試料についても同様の試薬及び機器を用いて化学発光量を測定し、化学発光量を縦軸、sFcγRIIIa量(AU)を横軸にプロットした検量線を作成した(図4)。この検量線を用いてRA患者、OA患者あるいは健常者EDTA加血漿中のsFcγRIIIa量を求めた。
結果を図5に示す。なお、有意差検定はt検定により行った。
図5から明らかなごとく、RA患者のsFcγRIIIa量は、健常者およびOA患者に比して高値であり、健常者とOA患者のsFcγRIIIa量には有意な差が認められなかった。なお、健常者の値に対するRA患者の値の有意水準はp<0.01、OA患者の値に対するRA患者の値の有意水準はp<0.01である。
以上のことから、抗FcγRIIIaモノクローナル抗体MKGR155と抗FcγRIIIaモノクローナル抗体MKGR248を用いて測定したsFcγRIIIaは、RAの診断用マーカーとして有用であることが示唆された。
さらに、該抗体を用いてRAの有用なマーカーであるsFcγRIIIa量を測定して、その結果を用いれば、従来よりも簡便かつ迅速に、さらに測定対象者のFcγRIIIb表現型を考慮せずにRAの診断を行うことが可能となった。
Claims (18)
- 受託番号FERM BP-10062で寄託されているハイブリドーマにより産生される、FcγレセプターIIIaに特異的に結合するモノクローナル抗体MKGR155。
- 受託番号FERM BP-10062で寄託されている、請求項1に記載のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ。
- 請求項1に記載のモノクローナル抗体を用い、免疫学的測定方法により測定することを特徴とする、FcγレセプターIIIa量の測定方法。
- 更にFcγレセプターIIIaに結合する抗体を組み合わせて使用することを特徴とする、請求項3に記載の測定方法。
- 抗体の何れか一方が標識物質で標識されている請求項4に記載の測定方法。
- 抗体の何れか一方が不溶性担体に固定化されており、他方が標識物質で標識されている請求項4に記載の測定方法。
- 不溶性担体に固定化された抗体と、試料中の可溶性FcγレセプターIIIaと、標識物質で標識された抗体との複合体を形成させ、当該複合体中の、標識物質量に基づいて試料中の可溶性FcγレセプターIIIa量を測定することを特徴とする、請求項6に記載の測定方法。
- 不溶性担体に固定化された抗体と試料とを反応させて該固定化抗体と試料中の可溶性FcγレセプターIIIaとの複合体−1を形成させ、次いで、該複合体−1を、標識物質が結合した抗体と反応させて、複合体−1と該標識物質が結合した抗体との複合体−2を形成させ、更に、該複合体−2中の標識物質量に基づいて試料中の可溶性FcγレセプターIIIa量を測定する請求項6に記載の測定方法。
- FcγレセプターIIIaに結合する抗体がモノクローナル抗体である、請求項4〜8のいずれかに記載の測定方法。
- 請求項1に記載の抗体とFcγRIIIaに結合する抗体を用い、請求項3〜9に記載の方法で試料中の可溶性FcγレセプターIIIa量を測定し、その測定結果に基づいて判定することを特徴とする、慢性関節リュウマチの判定のためのデータを得るための方法。
- 測定結果を予め定められた量と比較して、その結果に基づいて行う請求項10記載の方法。
- 予め定められた量が、健常者検体由来試料中の可溶性FcγレセプターIIIa量に基づいて定められたものである、請求項11に記載の方法。
- i)請求項1に記載のモノクローナル抗体と、FcγレセプターIIIaに結合する抗体とを用い、請求項3〜9に記載の方法で健常者検体由来試料中の可溶性FcγレセプターIIIa量を測定し、その値を基準値として用い、
ii)請求項1に記載のモノクローナル抗体と、FcγレセプターIIIaに結合する抗体とを用い、請求項3〜9に記載の方法で診断すべき試料中の可溶性FcγレセプターIIIa量を測定し、
iii)診断すべき試料中の可溶性FcγレセプターIIIa量が、基準値に対して有意差があるか否かを判定することにより、慢性関節リュウマチを判定する、請求項10に記載の方法。 - 請求項1に記載のモノクローナル抗体を含んでなる、FcγレセプターIIIa測定用キット。
- 更にFcγレセプターIIIaに結合する抗体を含んでなることを特徴とする、請求項14に記載のキット。
- 抗体の何れか一方が不溶性担体に固定化されており、他方が標識物質で標識されている請求項15に記載のキット。
- 不溶性担体に固定化された、請求項1に記載のモノクローナル抗体と、標識物質で標識された、FcγレセプターIIIaに結合するモノクローナル抗体とを含んでなる、請求項16に記載のキット。
- FcγレセプターIIIaに結合する抗体と、請求項1に記載のモノクローナル抗体を含んでなる、慢性関節リュウマチ判定用キット。
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