JP4837023B2 - Dc/dc電力変換装置 - Google Patents

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Description

この発明は、直流電圧を昇圧あるいは降圧した直流電圧に変換する、DC/DC電力変換装置に関するものである。
図2は、例えば、特許文献1に示される従来のDC/DC電力変換装置の一例を示すもので、従来のDC/DC電力変換装置は、半導体スイッチング素子から成る高圧側素子Mos1H〜Mos4Hおよび低圧側素子Mos1L〜Mos4Lを直列接続して、平滑コンデンサCs1〜Cs4の正負端子間に接続して成る複数の回路A1〜A4を直列に接続すると共に、複数回路A1〜A4の高圧側素子と低圧側素子との接続点を中間端子として、複数の回路A1〜A4の内、所定の1回路A1の中間端子と他の回路A2、A3、A4の中間端子との間にそれぞれエネルギ移行用のコンデンサとインダクタの直列体LC12、LC13、LC14を接続した構成であり、上記複数の回路の内、所定の回路を駆動用インバータ回路に用い、他の回路を整流回路に用いて、LC共振現象を利用してコンデンサへの充放電電流を増大させ、大きな電力を移行しても効率の低下が少ない電力変換装置を実現している。
WO2008/032424公報
特許文献1に示される従来のDC/DC電力変換装置では、複数の回路を駆動用インバータ回路と整流回路に用い、コンデンサの充放電を利用して直流/直流電力変換を行うものであり、また、エネルギ移行用コンデンサと直列にインダクタを接続してLC共振現象を利用することで高効率で大きな電力が移行できる。
しかしながら、従来のDC/DC電力変換装置では、低電圧側直流電圧に応じた耐圧の半導体スイッチング素子が必要であった。
また、エネルギ移行用コンデンサとインダクタの直列体は、所定の1回路の中間端子と他の回路の中間端子との間にそれぞれ接続されるため、エネルギ移行用コンデンサとインダクタの直列体は上記回路の個数に対して1個少ない数が常に必要となる。
この発明は、上記のような課題を解決するために成されたものであって、低電圧側電圧に対して低い耐電圧の半導体素子を用いることができ、また、エネルギ移行用コンデンサとインダクタの直列体の個数を少なくすることができ、且つ、LC共振現象を利用して大きなエネルギ量を効率よく移行することのできるDC/DC電力変換装置を提供することを目的とする。
この発明に係るDC/DC電力変換装置は、 半導体スイッチング素子から成る高圧側素子低圧側素子を直列接続して、エネルギ移行のための電圧源として機能する平滑コンデンサの正負端子間に接続して成り、上記高圧側素子と低圧側素子との接続点を中間端子とする回路(A1〜A4)を少なくとも4個以上直列に接続すると共に、上記直列接続された回路(A1〜A4)の内の複数個の所定の回路(A1、A2)に低電圧側直流電圧を印加し、低電圧側直流電圧が印加された各所定の回路(A1、A2)の中間端子と、低電圧側直流電圧が印加されないその他の回路(A3、A4)の中間端子との間に、所定の組み合わせで、コンデンサ、またはコンデンサとリアクトルの直列体からなるエネルギ移行用のコンデンサを接続し、上記エネルギ移行用のコンデンサで接続された所定の組合せの回路の高圧側素子と低圧側素子のオンオフを制御することにより、上記平滑コンデンサと移行用のコンデンサの間でエネルギを移行させ、上記エネルギ移行用コンデンサの充放電により直流/直流変換を行うものである。
この発明のDC/DC電力変換装置によれば、低電圧のコンデンサと半導体スイッチング素子を用いることができ、またエネルギ移行用コンデンサとインダクタの直列体の個数を少なくすることができ、且つ、LC共振現象を利用して大きなエネルギ量を効率よく移行することのできるDC/DC電力変換装置を得ることができる。
上述した、またその他の、この発明の目的、特徴、効果は、以下の実施の形態における詳細な説明および図面の記載からより明らかとなるであろう。
以下、この発明の実施の形態のDC/DC電力変換装置について、図面を参照して説明する。なお、各図中、同一符号は、同一あるいは相当部分を示すものとする。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるDC/DC電力変換装置の構成を示す図である。この実施の形態1では、電圧端子VLとVcom間に入力された電圧V1を、約2倍に昇圧された電圧V2にして電圧端子VHとVcom間に出力する機能と、電圧端子VHとVcom間に入力された電圧V2を、約1/2倍に降圧された電圧V1にして電圧端子VLとVcom間に出力する機能を有する双方向のDC/DC電力変換装置について示す。
図1において、DC/DC電力変換装置の主回路部は、入出力電圧V1、V2を平滑化し、またエネルギ移行のための電圧源としても機能する平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4と、複数の半導体スイッチング素子であるMOSFETとを備え、低圧側素子、高圧側素子としての2つのMOSFET(Mos1L、Mos1H)(Mos2L、Mos2H)(Mos3L、Mos3H)(Mos4L、Mos4H)を直列接続して、各平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4の両端子間に接続した回路A1、A2、A3、A4を直列接続して構成されている。そして、各回路A1、A2、A3、A4内の2つのMOSFETの接続点を中間端子として、回路A1と回路A3の中間端子間と、回路A2と回路A4の中間端子間に、コンデンサCr13、Cr24およびインダクタLr13、Lr24の直列体で構成されエネルギ移行素子として機能するLC直列体LC13、LC24を接続する。
なお、各MOSFETは、ソース、ドレイン間に寄生ダイオードが形成されているパワーMOSFETである。
DC/DC電力変換装置の接続の詳細について説明する。
平滑コンデンサCs1の両端子は、それぞれ電圧端子VM1とVcomに接続され、電圧端子Vcomは接地されている。平滑コンデンサCs1の電圧端子VM1側は、平滑コンデンサCs2の一方の端子に接続され、平滑コンデンサCs2の他方の端子は電圧端子VLと平滑コンデンサCs3の一方の端子に、平滑コンデンサCs3の他方の端子は電圧端子VM2と平滑コンデンサCs4の一方の端子に、平滑コンデンサCs4の他方の端子は電圧端子VHに接続されている。
Mos1Lのソース端子は電圧端子Vcomに、ドレイン端子はMos1Hのソース端子に、Mos1Hのドレイン端子は電圧端子VM1に接続されている。Mos2Lのソース端子は平滑コンデンサCs2の低電圧側の端子に、Mos2Lのドレイン端子はMos2Hのソース端子に、Mos2Hのドレイン端子は平滑コンデンサCs2の高電圧側の端子に接続されている。Mos3Lのソース端子は平滑コンデンサCs3の低電圧側の端子に、Mos3Lのドレイン端子はMos3Hのソース端子に、Mos3Hのドレイン端子は平滑コンデンサCs3の高電圧側の端子に接続されている。Mos4Lのソース端子は平滑コンデンサCs4の低電圧側の端子に、Mos4Lのドレイン端子はMos4Hのソース端子に、Mos4Hのドレイン端子は平滑コンデンサCs4の高電圧側の端子に接続されている。
バランス抵抗Rs1は平滑コンデンサCs1に並列に接続され、バランス抵抗Rs2は平滑コンデンサCs2に並列に接続されている。
LC直列体LC13の一端は、Mos1LとMos1Hの接続点に接続され、他端はMos3LとMos3Hの接続点に接続されている。LC直列体LC24の一端は、Mos2LとMos2Hの接続点に接続され、他端はMos4LとMos4Hの接続点に接続されている。
各段のインダクタLrとコンデンサCrのインダクタンス値と容量値から定まる共振周期の値は、それぞれ等しくなるように設定されている。
Mos1L、Mos1Hのゲート端子はゲート駆動回路111の出力端子に接続され、ゲート駆動回路111の入力端子には、それぞれのゲート駆動信号Gate1L、Gate1Hが入力される。ゲート駆動回路は、一般的なブートストラップ方式の駆動回路であり、ハーフブリッジインバータ回路駆動用のドライバICや高電圧側のMOSFETを駆動するためのコンデンサ等で構成されている。Mos2L、Mos2Hのゲート端子はゲート駆動回路112の出力端子に接続され、ゲート駆動回路112の入力端子には、それぞれのゲート駆動信号Gate2L、Gate2Hが入力される。Mos3L、Mos3Hのゲート端子はゲート駆動回路113の出力端子に接続され、ゲート駆動回路113の入力端子には、それぞれのゲート駆動信号Gate3L、Gate3Hが入力される。Mos4L、Mos4Hのゲート端子はゲート駆動回路114の出力端子に接続され、ゲート駆動回路114の入力端子には、それぞれのゲート駆動信号Gate4L、Gate4Hが入力される。
各回路A1、A2、A3、A4内の高圧側MOSFET(Mos1H〜Mos4H)、低圧側MOSFET(Mos1L〜Mos4L)を駆動するためのゲート信号Gate1H〜Gate4H、Gate1L〜Gate4Lは、マイクロコンピュータ等の信号処理回路から成る制御回路より出力される。
電源Vs1、Vs2、Vs3、Vs4は、それぞれMos1L、Mos2L、Mos3L、Mos4Lのソース端子を基準とした、MOSFET、ゲート駆動回路を駆動するために備えられた電源である。
直流電圧を2倍に昇圧あるいは1/2倍に降圧した直流電圧に変換する動作(直流電圧V2を直流電圧V1の2倍と同等とする動作)について説明する。
平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4の容量値は、LC直列体のコンデンサCr13、Cr24の容量値と比較して十分大きな値に設定される。上述したように、電圧端子VH−Vcom間の電圧V2は、電圧端子VL−Vcom間の電圧V1の約2倍となる。
電圧V2が2×V1よりも少し低い値のときは、電圧V1を電圧V2に昇圧する昇圧回路として動作する。
昇圧回路として動作するときは、回路A1、A2は電圧端子VL−Vcom間に入力されるエネルギを、MOSFET(Mos1L、Mos1H)(Mos2L、Mos2H)のオンオフ動作により高電圧側に送る駆動用インバータ回路として用いられる。また、回路A3、A4は、駆動用インバータ回路A1、A2で駆動された電流を整流し、エネルギを高電圧側へ移行する整流回路として用いられる。
また、電圧V2が2×V1よりも少し大きい値のときは、電圧V2を電圧V1に降圧する降圧回路として動作する。
降圧回路として動作するときは、回路A3、A4は電圧端子VH−Vcom間に入力されるエネルギを、MOSFET(Mos3L、Mos3H)(Mos4L、Mos4H)のオンオフ動作により低電圧側に送る駆動用インバータ回路として用いられる。また、回路A1、A2は、駆動用インバータ回路A3、A4で駆動された電流を整流し、エネルギを低電圧側へ移行する整流回路として用いられる。
ゲート信号は、Gate1L〜Gate4Lは同等の信号であり、Gate1H〜Gate4Hも同等の信号である。また、インダクタLrとコンデンサCrによるLC直列体LC13、LC24にて定まる共振周期と同等の周期Tでデューティー約50%のオンオフ信号であり、Gate1H〜Gate4HとGate1L〜Gate4Lはオンとオフとが相反する信号である。
定常状態では、平滑コンデンサCs1、Cs2にはV1/2の電圧が充電されており、平滑コンデンサCs3、Cs4には平均的に(V2-V1)/2の電圧が充電されている。電圧V2は電圧V1のほぼ2倍となるので、各平滑コンデンサ、各半導体スイッチング素子の印加電圧はほぼV1/2となる。
昇圧回路としての動作を以下に説明する。
ゲート信号Gate1L、Gate3LによりMos1L、Mos3Lがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCs1、Cs2に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCr13に移行する。
Cs1⇒Cs2⇒Mos3L⇒Lr13⇒Cr13⇒Mos1L
次いで、ゲート信号Gate1H、Gate3HによりMos1H、Mos3Hがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCr13に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCs2、Cs3に移行する。
Cr13⇒Lr13⇒Mos3H⇒Cs3⇒Cs2⇒Mos1H
コンデンサCr13の充放電により、平滑コンデンサCs1から平滑コンデンサCs3へエネルギが移行する。
また、ゲート信号Gate2L、Gate4LによりMos2L、Mos4Lがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCs2、Cs3に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCr24に移行する。
Cs2⇒Cs3⇒Mos4L⇒Lr24⇒Cr24⇒Mos2L
次いで、ゲート信号Gate2H、Gate4HによりMos2H、Mos4Hがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCr24に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCs3、Cs4に移行する。
Cr24⇒Lr24⇒Mos4H⇒Cs4⇒Cs3⇒Mos2H
コンデンサCr24の充放電により、平滑コンデンサCs2から平滑コンデンサCs4へエネルギが移行する。
電圧端子VL−Vcom間に入力されるエネルギが、平滑コンデンサCs1、Cs2に分割され、分割された平滑コンデンサCs1、Cs2のエネルギの一部が平滑コンデンサCs3、Cs4へ移行し、電圧端子VH-Vcom間にエネルギが送られる。
降圧回路としての動作を以下に説明する。
ゲート信号Gate1H、Gate3HによりMos1H、Mos3Hがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCs2、Cs3に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCr13に移行する。
Cs2⇒Cs3⇒Mos3H⇒Lr13⇒Cr13⇒Mos1H
次いで、ゲート信号Gate1L、Gate3LによりMos1L、Mos3Lがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCr13に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCs1、Cs2に移行する。
Cr13⇒Lr13⇒Mos3L⇒Cs2⇒Cs1⇒Mos1L
コンデンサCr13の充放電により、平滑コンデンサCs3から平滑コンデンサCs1へエネルギが移行する。
また、ゲート信号Gate2H、Gate4HによりMos2H、Mos4Hがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCs3、Cs4に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCr24に移行する。
Cs3⇒Cs4⇒Mos4H⇒Lr24⇒Cr24⇒Mos2H
次いで、ゲート信号Gate2L、Gate4LによりMos2L、Mos4Lがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCr24に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCs2、Cs3に移行する。
Cr24⇒Lr24⇒Mos4L⇒Cs3⇒Cs2⇒Mos2L
コンデンサCr24の充放電により、平滑コンデンサCs4から平滑コンデンサCs2へエネルギが移行する。
電圧端子VH−Vcom間に入力されるエネルギが、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4に分割され、分割された平滑コンデンサCs3、Cs4のエネルギが平滑コンデンサCs1、Cs2へ移行し、電圧端子VL-Vcom間にエネルギが送られる。
このように、実施の形態1のDC/DC電力変換装置によれば、電圧V1を平滑コンデンサCs1、Cs2により分圧するため、各コンデンサCs1〜Cs4と各半導体スイッチング素子に印加される電圧はV1/2となる。回路A1〜A4を4直列接続しているが、回路A1、A3間にLC直列体LC13を接続し、回路A2、A4間にLC直列体LC24を接続しているため、LC直列体は2個であり、特許文献1の従来装置(図2参照)に比して個数が少なくなっている。
また、昇圧動作および降圧動作において、コンデンサCr13の充放電により平滑コンデンサCs1と平滑コンデンサCs3の間でエネルギを移行し、コンデンサCr24の充放電により平滑コンデンサCs2と平滑コンデンサCs4の間でエネルギを移行する。
また、コンデンサCr13、Cr24の平均電圧はV1と等しくなる。
各エネルギ移行用コンデンサCr13、Cr24には、インダクタLr13、Lr24が直列に接続されてLC直列体LC13、LC24を構成するため、上記エネルギの移行は共振現象を利用したものとなり、大きなエネルギ量を効率よく移行できる。
なお、本実施の形態1では、平滑コンデンサCs1、Cs2間、Cs3、Cs4間でエネルギを移行する必要がなく、平滑コンデンサCs1、Cs2間、Cs3、Cs4間の電圧バランスを自然に取れる。しかし、実際には、部品のバラツキがあり、バランス抵抗Rs1、Rs2が無い場合には、平滑コンデンサCs1、Cs2間、Cs3、Cs4間の電圧バランスが崩れる可能性がある。そこで、バランス抵抗Rs1、Rs2により、平滑コンデンサCs1、Cs2間の電圧バランスをとることができる。コンデンサCr13の充放電により、平滑コンデンサCs1とCs3はほぼ電圧が等しくなる。また、コンデンサCr34の充放電により、平滑コンデンサCs2とCs4は電圧がほぼ等しくなる。そのため各平滑コンデンサCs1〜Cs4の電圧を等しくすることが出来る。なお、平滑コンデンサCs1、Cs2にバランス抵抗を接続したが、バランス抵抗を平滑コンデンサCs3、Cs4に接続しても、同様の効果を得られる。また、平滑コンデンサCs1〜Cs4のすべてに、バランス抵抗を接続してもよい。
また、実施の形態1の変形例として、図3に示すように、LC直列体LC13、LC24の代わりに、LC直列体LC14、LC23を用いた構成であってもよく、この場合も図1による実施の形態と同様に、直流電圧を2倍に昇圧あるいは1/2倍に降圧した直流電圧に変換する機能(直流電圧V2を直流電圧V1の2倍と同等とする機能)を持たせることができる。
図1による実施の形態1ではLC直列体LC13の一端は、Mos1LとMos1Hの接続点に、他端はMos3LとMos3Hの接続点に接続され、LC直列体LC24の一端は、Mos2LとMos2Hの接続点に、他端はMos4LとMos4Hの接続点に接続されていたが、図3による実施の形態では、LC直列体LC14の一端は、Mos1LとMos1Hの接続点に、他端はMos4LとMos4Hの接続点に接続され、LC直列体LC23の一端は、Mos2LとMos2Hの接続点に、他端はMos3LとMos3Hの接続点に接続されている。
図3の実施の形態においても、図1による上記実施の形態と同様に、電圧V1を平滑コンデンサCs1、Cs2により分圧するため、各コンデンサCs1〜Cs4と各半導体スイッチング素子に印加される電圧はV1/2となる。また、昇圧動作および降圧動作において、コンデンサCr14の充放電により平滑コンデンサCs1と平滑コンデンサCs4の間でエネルギを移行し、コンデンサCr23の充放電により平滑コンデンサCs2と平滑コンデンサCs3の間でエネルギを移行する。
各エネルギ移行用コンデンサCr14、Cr23には、インダクタLr14、Lr23が直列に接続されてLC直列体LC14、LC23を構成するため、エネルギの移行は共振現象を利用したものとなり、大きなエネルギ量を効率よく移行できる。
また、回路A1〜A4を4直列接続しているが、回路A1、A4間にLC直列体LC14を接続し、回路A2、A3間にLC直列体LC23を接続しているため、LC直列体は2個であり、特許文献1の従来装置に比し個数が少なくなっている。
更に、実施の形態1の変形例として、図4に示すように、回路A3、A4の代わりに、低圧側素子、高圧側素子としての2つのダイオード(Di3L、Di3H)(Di4L、Di4H)を直列接続して各平滑コンデンサCs3、Cs4の両端子間に接続した回路A3b、A4bを用いた構成
としてもよく、この場合には、直流電圧を2倍に昇圧した直流電圧に変換する機能のみを有することになる。
図1による実施の形態では回路A3、A4を用いていたが、図4による実施の形態では、回路A3、A4の代わりに、低圧側素子、高圧側素子としての2つのダイオード(Di3L、Di3H)(Di4L、Di4H)を直列接続して各平滑コンデンサCs3、Cs4の両端子間に接続した回路A3b、A4bを用い、LC直列体LC13の一端は、Mos1LとMos1Hの接続点に、他端はDi3LとDi3Hの接続点に接続され、LC直列体LC24の一端は、Mos2LとMos2Hの接続点に、他端はDi4LとDi4Hの接続点に接続されている。
図4の実施の形態においても、図1による上記実施の形態と同様に、電圧V1を平滑コンデンサCs1、Cs2により分圧するため、各コンデンサCs1〜Cs4と各半導体スイッチング素子、ダイオードに印加される電圧はV1/2となる。回路A1〜A4を4直列接続しているが、回路A1、A3b間にLC直列体LC13を接続し、回路A2、A4b間にLC直列体LC24を接続しているため、LC直列体は2個であり、特許文献1の従来装置に比し個数が少なくなっている。
更にまた、実施の形態1の変形例として、図5に示すように、LC直列体LC13、LC24の代わりに、コンデンサCr13、Cr24のみを用いた構成とすることもできる。
この場合も、図1による上記実施の形態と同様に、各コンデンサCs1〜Cs4と各半導体スイッチング素子に印加される電圧はV1/2であり、エネルギ移行用のコンデンサCr13、Cr24は2個となる。ただし、図5による実施の形態では、共振現象を利用しないため、変換効率は共振現象を利用した上述の各実施の形態に比して悪化するが、部品点数が少なくなる。
実施の形態2.
図6はこの発明の実施の形態2によるDC/DC電力変換装置の構成を示す図である。この実施の形態2では、電圧端子VLとVcom間に入力された電圧V1を、約2倍に昇圧された電圧V2にして電圧端子VHhとVHl間に出力する機能と、電圧端子VHhとVHl間に入力された電圧V2を、約1/2倍に降圧された電圧V1にして電圧端子VLとVcom間に出力する機能を有する双方向のDC/DC電力変換装置について示す。
図6に示すように、実施の形態2においては、図1にて示した実施の形態1における回路A1〜A4とMOSFETおよび平滑コンデンサの構成が同じ回路A1〜A4を用い、回路間に配設されるLC直列体および電圧端子の接続構成を異なるものとしている。
即ち、低電圧側の正極電圧端子VLは平滑コンデンサCs3とCs4の接続点に接続され、低電圧側の負極端子Vcomは平滑コンデンサCs1とCs2の接続点に接続されている。
また、高電圧側の正極電圧端子VHhは平滑コンデンサCs4の高電圧側端子に接続され、高電圧側の負極電圧端子VHlは平滑コンデンサCs1の低電圧側端子に接続されている。
回路A1と回路A2との中間端子間に、回路A3と回路A4との中間端子間に、コンデンサCr12、Cr34およびインダクタLr12、Lr34の直列体で構成されエネルギ移行素子として機能するLC直列体LC12、LC34を接続する。各段のインダクタLrとコンデンサCrのインダクタンス値と容量値から定まる共振周期の値は、それぞれ等しくなるように設定されている。
まず、DC/DC電力変換装置の動作について説明する。
平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4の容量値は、LC直列体のコンデンサCr12、Cr34の容量値と比較して十分大きな値に設定される。上述したように、電圧端子VHh-VHl間の電圧V2は、電圧端子VL−Vcom間の電圧V1の約2倍となる。
電圧V2が2×V1よりも少し小さい値のときは、電圧V1を電圧V2に昇圧する昇圧回路として動作する。昇圧回路として動作するときは、回路A2、A3は電圧端子VL−Vcom間に入力されるエネルギを、MOSFET(Mos2L、Mos2H)(Mos3L、Mos3H)のオンオフ動作により高電圧側に送る駆動用インバータ回路として用いられる。また、回路A1、A4は、駆動用インバータ回路A2、A3で駆動された電流を整流し、エネルギを高電圧側へ移行する整流回路として用いられる。
また、電圧V2が2×V1よりも少し大きい値のときは、電圧V2を電圧V1に降圧する降圧回路として動作する。降圧回路として動作するときは、回路A1、A4は電圧端子
VHh−VHl間に入力されるエネルギを、MOSFET(Mos1L、Mos1H)(Mos4L、Mos4H)のオンオフ動作により低電圧側に送る駆動用インバータ回路として用いられる。また、回路A2、A3は、駆動用インバータ回路A1、A4で駆動された電流を整流し、エネルギを低電圧側へ移行する整流回路として用いられる。
ゲート信号は、実施の形態1と同様に、Gate1L〜Gate4Lは同等の信号であり、Gate1H〜Gate4Hも同等の信号である。また、インダクタLrとコンデンサCrによるLC直列体LC12、LC34にて定まる共振周期と同等の周期Tでデューティー約50%のオンオフ信号であり、Gate1H〜Gate4HとGate1L〜Gate4Lはオンとオフとが相反する信号である。
定常状態では、平滑コンデンサCs2、Cs3にはV1/2の電圧が充電されており、平滑コンデンサCs1、Cs4には平均的に(V2-V1)/2の電圧が充電されている。電圧V2は電圧V1のほぼ2倍となるので、各平滑コンデンサ、各半導体スイッチング素子の印加電圧はほぼV1/2となる。
昇圧回路としての動作を以下に説明する。
ゲート信号Gate1H、Gate2HによりMos1H、Mos2Hがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCs2に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCr12に移行する。
Cs2⇒Mos2H⇒Lr12⇒Cr12⇒Mos1H
次いで、ゲート信号Gate1L、Gate2LによりMos1L、Mos2Lがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCr12に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCs1に移行する。
Cr12⇒Lr12⇒Mos2L⇒Cs1⇒Mos1L
即ち、コンデンサCr12の充放電により、平滑コンデンサCs2から平滑コンデンサCs1へエネルギが移行する。
また、ゲート信号Gate3L、Gate4LによりMos3L、Mos4Lがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCs3に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCr34に移行する。
Cs3⇒Mos4L⇒Lr34⇒Cr34⇒Mos3L
次いで、ゲート信号Gate3H、Gate4HによりMos3H、Mos4Hがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCr34に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCs4に移行する。
Cr34⇒Lr34⇒Mos4H⇒Cs4⇒Mos3H
即ち、コンデンサCr34の充放電により、平滑コンデンサCs3から平滑コンデンサCs4へエネルギが移行する。
即ち、電圧端子VL−Vcom間に入力されるエネルギが、平滑コンデンサCs2、Cs3に分割され、分割された平滑コンデンサCs2、Cs3のエネルギの一部が平滑コンデンサCs1、Cs4へ移行し、電圧端子VHh-VHl間にエネルギが送られる。
つづいて、降圧回路としての動作を以下に説明する。
ゲート信号Gate1L、Gate2LによりMos1L、Mos2Lがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCs1に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCr12に移行する。
Cs1⇒Mos2L⇒Lr12⇒Cr12⇒Mos1L
次いで、ゲート信号Gate1H、Gate2HによりMos1H、Mos2Hがオン状態となると、電圧差があるため、コンデンサCr12に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCs2に移行する。
Cr12⇒Lr12⇒Mos2H⇒Cs2⇒Mos1H
即ち、コンデンサCr12の充放電により、平滑コンデンサCs1から平滑コンデンサCs2へエネルギが移行する。
また、ゲート信号Gate3H、Gate4HによりMos3H、Mos4Hがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCs4に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCr34に移行する。
Cs4⇒Mos4H⇒Lr34⇒Cr34⇒Mos3H
次いで、ゲート信号Gate3L、Gate4LによりMos3L、Mos4Lがオン状態となると、電圧差があるため、コンデンサCr34に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCs3に移行する。
Cr34⇒Lr34⇒Mos4L⇒Cs3⇒Mos3L
即ち、コンデンサCr34の充放電により、平滑コンデンサCs4から平滑コンデンサCs3へエネルギが移行する。
即ち、電圧端子VHh−VHl間に入力されるエネルギが、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4に分割され、分割された平滑コンデンサCs1、Cs4のエネルギが平滑コンデンサCs2、Cs3へ移行し、電圧端子VL-Vcom間にエネルギが送られる。
このように、この発明の実施の形態2によれば、電圧V1を平滑コンデンサCs2、Cs3により分圧するため、各コンデンサCs1〜Cs4と各半導体スイッチング素子に印加される電圧はV1/2となる。回路A1〜A4を4直列接続しているが、回路A1、A2間にLC直列体LC12を接続し、回路A3、A4間にLC直列体LC34を接続しているため、LC直列体は2個であり、特許文献1の従来装置に比して個数が少なくなっている。
また、昇圧動作および降圧動作において、コンデンサCr12の充放電により平滑コンデンサCs1と平滑コンデンサCs2の間でエネルギを移行し、コンデンサCr34の充放電により平滑コンデンサCs3と平滑コンデンサCs4の間でエネルギを移行する。
また、コンデンサCr12、Cr34の平均電圧はV1/2にほぼ等しくなり、実施の形態1のコンデンサCr13、Cr24の平均電圧の約半分となる。
各エネルギ移行用コンデンサCr12、Cr34には、インダクタLr12、Lr34が直列に接続されてLC直列体LC12、LC34を構成するため、上記エネルギの移行は共振現象を利用したものとなり、大きなエネルギ量を効率よく移行できる。
本実施の形態2では、平滑コンデンサCs2、Cs3間の電圧バランスを取るために、バランス抵抗Rs2、Rs3を平滑コンデンサCs2、Cs3に並列に接続している。コンデンサCr12の充放電により、平滑コンデンサCs1とCs2はほぼ電圧が等しくなる。また、コンデンサCr34の充放電により、平滑コンデンサCs3とCs4は電圧がほぼ等しくなる。そのため、各平滑コンデンサCs1〜Cs4の電圧を等しくすることが出来る。
なお、平滑コンデンサCs2、Cs3にバランス抵抗を接続したが、バランス抵抗を平滑コンデンサCs1、Cs4に接続しても、同様の効果を得られる。また、平滑コンデンサCs1〜Cs4のすべてに、バランス抵抗を接続してもよい。
実施の形態3.
図7はこの発明の実施の形態3によるDC/DC電力変換装置の構成を示す図である。実施の形態1とは異なり、この実施の形態3では、電圧端子VLとVcom間に入力された電圧V1を、約3倍に昇圧された電圧V2にして電圧端子VHとVcom間に出力する機能と、電圧端子VHとVcom間に入力された電圧V2を、約1/3倍に降圧された電圧V1にして電圧端子VLとVcom間に出力する機能を有する双方向のDC/DC電力変換装置について示す。
図7に示すように、実施の形態3においては、図1にて示した実施の形態1におけるDC/DC電力変換装置に対して、MOSFET(Mos5L、Mos5H)(Mos6L、Mos6H)および平滑コンデンサCs5、Cs6で構成された回路A5、A6と、LC直列体LC15、LC26を追加し、電圧端子の接続構成を異なるものとしている。
即ち、低圧側素子、高圧側素子としての2つのMOSFET(Mos5L、Mos5H)(Mos6L、Mos6H)を直列接続して各平滑コンデンサCs5、Cs6の両端子間に接続した回路A5、A6が、実施の形態1のDC/DC電力変換装置の回路A1〜A4に対して直列に接続されている。また、回路A1と回路A5との中間端子間に、回路A2と回路A6との中間端子間に、コンデンサCr15、Cr26およびインダクタLr15、Lr26の直列体で構成されエネルギ移行素子として機能するLC直列体LC15、LC26が追加接続されている。
実施の形態1と同様に、各段のインダクタLrとコンデンサCrのインダクタンス値と容量値から定まる共振周期の値は、それぞれ等しくなるように設定されている。
実施の形態3のDC/DC電力変換装置の接続の詳細について更に説明する。
平滑コンデンサCs5の一方の端子は、平滑コンデンサCs4の高電圧側端子に接続され、平滑コンデンサCs5の他方の端子は、平滑コンデンサCs6の一方の端子に接続されている。また、低電圧側の正極電圧端子VLは、平滑コンデンサCs2とCs3の接続点に接続され、低電圧側の負極端子Vcomは、平滑コンデンサCs1の低圧側端子に接続され、高電圧側の正極電圧端子VHは平滑コンデンサCs6の高電圧側端子に接続されている。
Mos5Lのソース端子は平滑コンデンサCs5の低電圧側の端子に、Mos5Lのドレイン端子はMos5Hのソース端子に、Mos5Hのドレイン端子は平滑コンデンサCs5の高電圧側の端子に接続されている。
Mos6Lのソース端子は平滑コンデンサCs6の低電圧側の端子に、Mos6Lのドレイン端子はMos6Hのソース端子に、Mos6Hのドレイン端子は平滑コンデンサCs6の高電圧側の端子に接続されている。
Mos1L〜Mos4L、Mos1H〜Mos4Hのゲート端子およびゲート駆動回路111〜114は、実施の形態1におけるMos1L〜Mos4L、Mos1H〜Mos4Hのゲート端子およびゲート駆動回路111〜114と同様に接続される。Mos5L、Mos5Hのゲート端子はゲート駆動回路115の出力端子に接続され、ゲート駆動回路115の入力端子には、それぞれのゲート駆動信号Gate5L、Gate5Hが入力される。Mos6L、Mos6Hのゲート端子はゲート駆動回路116の出力端子に接続され、ゲート駆動回路116の入力端子には、それぞれのゲート駆動信号Gate6L、Gate6Hが入力される。
各回路A1〜A6内の高圧側MOSFET(Mos1H〜Mos6H)、低圧側MOSFET(Mos1L〜Mos6L)を駆動するためのゲート信号Gate1H〜Gate6H、Gate1L〜Gate6Lは、マイクロコンピュータ等の信号処理回路から成る制御回路より出力される。
電源Vs1、Vs2、Vs3、Vs4、Vs5、Vs6は、それぞれMos1L、Mos2L、Mos3L、Mos4L、Mos5L、Mos6Lのソース端子を基準とした、MOSFET、ゲート駆動回路を駆動するために備えられた電源である。
次に、実施の形態3のDC/DC電力変換装置の動作について説明する。
平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4、Cs5、Cs6の容量値は、LC直列体のコンデンサCr13、Cr15、Cr24、Cr26の容量値と比較して十分大きな値に設定される。
上述したように、電圧端子VH-Vcom間の電圧V2は、電圧端子VL−Vcom間の電圧V1の約3倍となる。
電圧V2が3×V1よりも少し低い値のときは、電圧V1を電圧V2に昇圧する昇圧回路として動作する。昇圧回路として動作するときは、回路A1、A2は、電圧端子VL−Vcom間に入力されるエネルギを、MOSFET(Mos1L、Mos1H)(Mos2L、Mos2H)のオンオフ動作により高電圧側に送る駆動用インバータ回路として用いられる。また、回路A3、A4、A5、A6は、駆動用インバータ回路A1、A2で駆動された電流を整流し、エネルギを高電圧側へ移行する整流回路として用いられる。
また、電圧V2が3×V1よりも少し大きい値のときは、電圧V2を電圧V1に降圧する降圧回路として動作する。降圧回路として動作するときは、回路A3、A4、A5、A6は電圧端子VH−Vcom間に入力されるエネルギを、MOSFET(Mos3L、Mos3H)(Mos4L、Mos4H) (Mos5L、Mos5H) (Mos6L、Mos6H)のオンオフ動作により低電圧側に送る駆動用インバータ回路として用いられる。また、回路A1、A2は、駆動用インバータ回路A3、A4、A5、A6で駆動された電流を整流し、エネルギを低電圧側へ移行する整流回路として用いられる。
ゲート信号は、Gate1L〜Gate6Lは同等の信号であり、Gate1H〜Gate6Hも同等の信号である。また、インダクタLrとコンデンサCrによるLC直列体LC13、LC15、LC24、LC26にて定まる共振周期と同等の周期Tでデューティー約50%のオンオフ信号であり、Gate1H〜Gate6HとGate1L〜Gate6Lはオンとオフとが相反する信号である。
定常状態では、平滑コンデンサCs1、Cs2にはV1/2の電圧が充電されており、平滑コンデンサCs3、Cs4、Cs5、Cs6には平均的に(V2-V1)/4の電圧が充電されている。
電圧V2は電圧V1のほぼ3倍となるので、各平滑コンデンサ、各半導体スイッチング素子の印加電圧はほぼV1/2となる。
昇圧回路としての動作を以下に説明する。
ゲート信号Gate1L、Gate3L、Gate5LによりMos1L、Mos3L、Mos5Lがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCr13、Cr15に移行する。
Cs1⇒Cs2⇒Mos3L⇒Lr13⇒Cr13⇒Mos1L
Cs1⇒Cs2⇒Cs3⇒Cs4⇒Mos5L⇒Lr15⇒Cr15⇒Mos1L
次いで、ゲート信号Gate1H、Gate3H、Gate5HによりMos1H、Mos3H、Gate5Hがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCr13、Cr15に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCs2、Cs3、Cs4、Cs5に移行する。
Cr13⇒Lr13⇒Mos3H⇒Cs3⇒Cs2⇒Mos1H
Cr15⇒Lr15⇒Mos5H⇒Cs5⇒Cs4⇒Cs3⇒Cs2⇒Mos1H
即ち、コンデンサCr13の充放電により、平滑コンデンサCs1から平滑コンデンサCs3へエネルギが移行する。コンデンサCr15の充放電により、平滑コンデンサCs1から平滑コンデンサCs5へエネルギが移行する。
また、ゲート信号Gate2L、Gate4L、Gate6LによりMos2L、Mos4L、Mos6Lがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCs2、Cs3、Cs4、Cs5に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCr24、Cr26に移行する。
Cs2⇒Cs3⇒Mos4L⇒Lr24⇒Cr24⇒Mos2L
Cs2⇒Cs3⇒Cs4⇒Cs5⇒Mos6L⇒Lr26⇒Cr26⇒Mos2L
次いで、ゲート信号Gate2H、Gate4H、Gate6HによりMos2H、Mos4H、Mos6Hがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCr24、Cr26に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCs3、Cs4、Cs5、Cs6に移行する。
Cr24⇒Lr24⇒Mos4H⇒Cs4⇒Cs3⇒Mos2H
Cr26⇒Lr26⇒Mos6H⇒Cs6⇒Cs5⇒Cs4⇒Cs3⇒Mos2H
即ち、コンデンサCr24の充放電により、平滑コンデンサCs2から平滑コンデンサCs4へエネルギが移行する。コンデンサCr26の充放電により、平滑コンデンサCs2から平滑コンデンサCs6へエネルギが移行する。
即ち、電圧端子VL−Vcom間に入力されるエネルギが、平滑コンデンサCs1、Cs2に分割され、分割された平滑コンデンサCs1、Cs2のエネルギの一部が平滑コンデンサCs3、Cs4、Cs5、Cs6へ移行し、電圧端子VH-Vcom間にエネルギが送られる。
つづいて、降圧回路としての動作を以下に説明する。
ゲート信号Gate1H、Gate3H、Gat5HによりMos1H、Mos3H、Mos5Hがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCs2、Cs3、Cs4、Cs5に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCr13、Cr15に移行する。
Cs2⇒Cs3⇒Mos3H⇒Lr13⇒Cr13⇒Mos1H
Cs2⇒Cs3⇒Cs4⇒Cs5⇒Mos5H⇒Lr15⇒Cr15⇒Mos1H
次いで、ゲート信号Gate1L、Gate3L、Gate5LによりMos1L、Mos3L、Mos5Lがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCr13、Cr15に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4に移行する。
Cr13⇒Lr13⇒Mos3L⇒Cs2⇒Cs1⇒Mos1L
Cr15⇒Lr15⇒Mos5L⇒Cs4⇒Cs3⇒Cs2⇒Cs1⇒Mos1L
即ち、コンデンサCr13の充放電により、平滑コンデンサCs3から平滑コンデンサCs1へエネルギが移行する。コンデンサCr15の充放電により、平滑コンデンサCs5から平滑コンデンサCs1へエネルギが移行する。
また、ゲート信号Gate2H、Gate4H、Gate6HによりMos2H、Mos4H、Mos6Hがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCs3、Cs4、Cs5、Cs6に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCr24、Cr26に移行する。
Cs3⇒Cs4⇒Mos4H⇒Lr24⇒Cr24⇒Mos2H
Cs3⇒Cs4⇒Cs5⇒Cs6⇒Mos6H⇒Lr26⇒Cr26⇒Mos2H
次いで、ゲート信号Gate2L、Gate4L、Gate6LによりMos2L、Mos4L、Mos6Lがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCr24、Cr26に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCs2、Cs3、Cs4、Cs5に移行する。
Cr24⇒Lr24⇒Mos4L⇒Cs3⇒Cs2⇒Mos2L
Cr26⇒Lr26⇒Mos6L⇒Cs5⇒Cs4⇒Cs3⇒Cs2⇒Mos2L
即ち、コンデンサCr24の充放電により、平滑コンデンサCs4から平滑コンデンサCs2へエネルギが移行する。コンデンサCr26の充放電により、平滑コンデンサCs6から平滑コンデンサCs2へエネルギが移行する。
即ち、電圧端子VH−Vcom間に入力されるエネルギが、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4、Cs5、Cs6に分割され、分割された平滑コンデンサCs3、Cs4、Cs5、Cs6のエネルギが平滑コンデンサCs1、Cs2へ移行し、電圧端子VL-Vcom間にエネルギが送られる。
このように、この発明の実施の形態3によれば、電圧V1を平滑コンデンサCs1、Cs2により分圧するため、各コンデンサCs1〜Cs6と各半導体スイッチング素子に印加される電圧はV1/2となる。
また、昇圧動作および降圧動作において、コンデンサCr13の充放電により平滑コンデンサCs1と平滑コンデンサCs3の間でエネルギを移行し、コンデンサCr15の充放電により平滑コンデンサCs1と平滑コンデンサCs5の間でエネルギを移行し、コンデンサCr24の充放電により平滑コンデンサCs2と平滑コンデンサCs4の間でエネルギを移行し、コンデンサCr26の充放電により平滑コンデンサCs2と平滑コンデンサCs6の間で、エネルギを移行する。各コンデンサCr13、Cr15、Cr24、Cr26には、インダクタLr13、Lr15、Lr24、Lr26が直列に接続されてLC直列体LC13、LC15、LC24、LC26を構成するため、エネルギの移行は共振現象を利用したものとなり、大きなエネルギ量を効率よく移行できる。
更に、回路A1〜A6を6直列接続しているが、回路A1、A3間、回路A1、A5間にLC直列体LC13、LC15を接続し、回路A2、A4間、回路A2、A6間にLC直列体LC24、LC26を接続しているため、LC直列体は4個であり、特許文献1の従来装置に比して個数が少なくなっている。
なお、実施の形態3の変形例として、図8に示すように、LC直列体LC15、LC26の代わりに、LC直列体LC35、LC46を用いた構成であっても、図7の実施の形態と同様に、直流電圧を3倍に昇圧あるいは1/3倍に降圧した直流電圧に変換する機能(直流電圧V2を直流電圧V1の3倍と同等とする機能)を持たせることができる。
図7による上記実施の形態ではLC直列体LC15の一端は、Mos1LとMos1Hの接続点に、他端はMos5LとMos5Hの接続点に接続され、LC直列体LC26の一端は、Mos2LとMos2Hの接続点に、他端はMos6LとMos6Hの接続点に接続されていたが、
図8による実施の形態では、LC直列体LC35の一端は、Mos3LとMos3Hの接続点に、他端はMos5LとMos5Hの接続点に接続され、LC直列体LC46の一端は、Mos4LとMos4Hの接続点に、他端はMos6LとMos6Hの接続点に接続されている。
図8の実施の形態においても、図7による上記実施の形態と同様に、電圧V1を平滑コンデンサCs1、Cs2により分圧するため、各コンデンサCs1〜Cs6と各半導体スイッチング素子に印加される電圧はV1/2となる。
回路A1〜A6を6直列接続しているが、回路A1、A3、A5をLC直列体LC13、LC35で数珠繋ぎに接続し、回路A2、A4、A6をLC直列体LC24、LC46で数珠繋ぎに接続しているため、LC直列体は4個であり、特許文献1の従来装置に比して個数が少なくなっている。
また、昇圧動作および降圧動作において、コンデンサCr13の充放電により平滑コンデンサCs1と平滑コンデンサCs3の間で、コンデンサCr35の充放電により平滑コンデンサCs3と平滑コンデンサCs5の間で、コンデンサCr24の充放電により平滑コンデンサCs2と平滑コンデンサCs4の間で、コンデンサCr46の充放電により平滑コンデンサCs4と平滑コンデンサCs6の間で、エネルギを移行する。各コンデンサCr13、Cr35、Cr24、Cr46には、インダクタLr13、Lr35、Lr24、Lr46が直列に接続されてLC直列体LC13、LC35、LC24、LC46を構成するため、エネルギの移行は共振現象を利用したものとなり、大きなエネルギ量を効率よく移行できる。
実施の形態4.
図9はこの発明の実施の形態4によるDC/DC電力変換装置の構成を示す図である。この実施の形態4では、電圧端子VLとVcom間に入力された電圧V1を、約2倍に昇圧された電圧V2にして電圧端子VHとVcom間に出力する機能と、電圧端子VHとVcom間に入力された電圧V2を、約1/2倍に降圧された電圧V1にして電圧端子VLとVcom間に出力する機能を有する双方向のDC/DC電力変換装置について示す。
図9に示すように、実施の形態4においては、図7にて示した実施の形態3における回路A1〜A6とMOSFETおよび平滑コンデンサの構成が同じ回路A1〜A6を用い、回路間に配設されるLC直列体および電圧端子の接続構成を異なるものとしている。
即ち、低電圧側の正極電圧端子VLは平滑コンデンサCs3とCs4の接続点に接続され、低電圧側の負極端子Vcomは平滑コンデンサCs1の低電圧側端子に接続され、高電圧側の正極電圧端子VHは平滑コンデンサCs6の高電圧側端子に接続されている。
回路A1と回路A4との中間端子間に、回路A2と回路A5との中間端子間に、回路A3と回路A6との中間端子間に、コンデンサCr14、Cr25、Cr36およびインダクタLr14、Lr25、Lr36の直列体で構成されエネルギ移行素子として機能するLC直列体LC14、LC25、LC36を接続する。各段のインダクタLrとコンデンサCrのインダクタンス値と容量値から定まる共振周期の値は、それぞれ等しくなるように設定されている。
まず、実施の形態4のDC/DC電力変換装置の動作について説明する。
平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4、Cs5、Cs6の容量値は、LC直列体のコンデンサCr14、Cr25、Cr36の容量値と比較して十分大きな値に設定される。上述したように、電圧端子VH-Vcom間の電圧V2は、電圧端子VL−Vcom間の電圧V1の約2倍となる。
電圧V2が2×V1よりも少し低い値のときは、電圧V1を電圧V2に昇圧する昇圧回路として動作する。昇圧回路として動作するときは、回路A1、A2、A3は電圧端子VL−Vcom間に入力されるエネルギを、MOSFET(Mos1L、Mos1H)(Mos2L、Mos2H)(Mos3L、Mos3H)のオンオフ動作により高電圧側に送る駆動用インバータ回路として用いられる。また、回路A4、A5、A6は、駆動用インバータ回路A1、A2、A3で駆動された電流を整流し、エネルギを高電圧側へ移行する整流回路として用いられる。
また、電圧V2が2×V1よりも少し大きい値のときは、電圧V2を電圧V1に降圧する降圧回路として動作する。降圧回路として動作するときは、回路A4、A5、A6は、電圧端子
VH−Vcom間に入力されるエネルギを、MOSFET(Mos4L、Mos4H) (Mos5L、Mos5H) (Mos6L、Mos6H)のオンオフ動作により低電圧側に送る駆動用インバータ回路として用いられる。また、回路A1、A2、A3は、駆動用インバータ回路A4、A5、A6で駆動された電流を整流し、エネルギを低電圧側へ移行する整流回路として用いられる。
ゲート信号は、Gate1L〜Gate6Lは同等の信号であり、Gate1H〜Gate6Hも同等の信号である。また、インダクタLrとコンデンサCrによるLC直列体LC14、LC25、LC36にて定まる共振周期と同等の周期Tでデューティー約50%のオンオフ信号であり、Gate1H〜Gate6HとGate1L〜Gate6Lはオンとオフとが相反する信号である。
定常状態では、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3にはV1/3の電圧が充電されており、平滑コンデンサCs4、Cs5、Cs6には平均的に(V2-V1)/3の電圧が充電されている。
電圧V2は電圧V1のほぼ2倍となるので、各平滑コンデンサ、各半導体スイッチング素子の印加電圧はほぼV1/3となる。
昇圧回路としての動作を以下に説明する。
ゲート信号Gate1L、Gate4LによりMos1L、Mos4Lがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCr14に移行する。
Cs1⇒Cs2⇒Cs3⇒Mos4L⇒Lr14⇒Cr14⇒Mos1L
次いで、ゲート信号Gate1H、Gate4HによりMos1H、Mos4Hがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCr14に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCs2、Cs3、Cs4に移行する。
Cr14⇒Lr14⇒Mos4H⇒Cs4⇒Cs3⇒Cs2⇒Mos1H
即ち、コンデンサCr14の充放電により、平滑コンデンサCs1から平滑コンデンサCs4へエネルギが移行する。
また、ゲート信号Gate2L、Gate5LによりMos2L、Mos5Lがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCs2、Cs3、Cs4に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCr25に移行する。
Cs2⇒Cs3⇒Cs4⇒Mos5L⇒Lr25⇒Cr25⇒Mos2L
次いで、ゲート信号Gate2H、Gate5HによりMos2H、Mos5Hがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCr25に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCs3、Cs4、Cs5に移行する。
Cr25⇒Lr25⇒Mos5H⇒Cs5⇒Cs4⇒Cs3⇒Mos2H
即ち、コンデンサCr25の充放電により、平滑コンデンサCs2から平滑コンデンサCs5へエネルギが移行する。
また、ゲート信号Gate3L、Gate6LによりMos3L、Mos6Lがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCs3、Cs4、Cs5に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCr36に移行する。
Cs3⇒Cs4⇒Cs5⇒Mos6L⇒Lr36⇒Cr36⇒Mos3L
次いで、ゲート信号Gate3H、Gate6HによりMos3H、Mos6Hがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCr36に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCs4、Cs5、Cs6に移行する。
Cr36⇒Lr36⇒Mos6H⇒Cs6⇒Cs5⇒Cs4⇒Mos3H
即ち、コンデンサCr36の充放電により、平滑コンデンサCs3から平滑コンデンサCs6へエネルギが移行する。
即ち、電圧端子VL−Vcom間に入力されるエネルギが、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3に分割され、分割された平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3のエネルギの一部が平滑コンデンサCs4、Cs5、Cs6へ移行し、電圧端子VH−Vcom間にエネルギが送られる。
つづいて、降圧回路としての動作を以下に説明する。
ゲート信号Gate1H、Gate4HによりMos1H、Mos4Hがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCs2、Cs3、Cs4に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCr14に移行する。
Cs2⇒Cs3⇒Cs4⇒Mos4H⇒Lr14⇒Cr14⇒Mos1H
次いで、ゲート信号Gate1L、Gate4LによりMos1L、Mos4Lがオン状態となると、電圧差があるため、コンデンサCr14に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCs1、Cs2、Cs3に移行する。
Cr14⇒Lr14⇒Mos4L⇒Cs3⇒Cs2⇒Cs1⇒Mos1L
即ち、コンデンサCr14の充放電により、平滑コンデンサCs4から平滑コンデンサCs1へエネルギが移行する。
また、ゲート信号Gate2H、Gate5HによりMos2H、Mos5Hがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCs3、Cs4、Cs5に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCr25に移行する。
Cs3⇒Cs4⇒Cs5⇒Mos5H⇒Lr25⇒Cr25⇒Mos2H
次いで、ゲート信号Gate2L、Gate5LによりMos2L、Mos5Lがオン状態となると、電圧差があるため、コンデンサCr25に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCs2、Cs3、Cs4に移行する。
Cr25⇒Lr25⇒Mos5L⇒Cs4⇒Cs3⇒Cs2⇒Mos2L
即ち、コンデンサCr25の充放電により、平滑コンデンサCs5から平滑コンデンサCs2へエネルギが移行する。
また、ゲート信号Gate3H、Gate6HによりMos3H、Mos6Hがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCs4、Cs5、Cs6に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCr36に移行する。
Cs4⇒Cs5⇒Cs6⇒Mos6H⇒Lr36⇒Cr36⇒Mos3H
次いで、ゲート信号Gate3L、Gate6LによりMos3L、Mos6Lがオン状態となると、電圧差があるため、コンデンサCr36に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCs3、Cs4、Cs5に移行する。
Cr36⇒Lr36⇒Mos6L⇒Cs5⇒Cs4⇒Cs3⇒Mos3L
即ち、コンデンサCr36の充放電により、平滑コンデンサCs6から平滑コンデンサCs3へエネルギが移行する。
即ち、電圧端子VH−Vcom間に入力されるエネルギが、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4、Cs5、Cs6に分割され、分割された平滑コンデンサCs4、Cs5、Cs6のエネルギが平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3へ移行し、電圧端子VL-Vcom間にエネルギが送られる。
このように、この発明の実施の形態4によれば、電圧V1を平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3により分圧するため、各コンデンサCs1〜Cs6と各半導体スイッチング素子に印加される電圧はV1/3となる。回路A1〜A6を6直列接続しているが、回路A1、A4間にLC直列体LC14を接続し、回路A2、A5間にLC直列体LC25を接続し、回路A3、A6間にLC直列体LC36を接続しているため、LC直列体は3個であり、特許文献1の従来装置に比し個数が少なくなっている。
また、昇圧動作および降圧動作において、コンデンサCr14の充放電により平滑コンデンサCs1と平滑コンデンサCs4の間で、コンデンサCr25の充放電により平滑コンデンサCs2と平滑コンデンサCs5の間で、コンデンサCr36の充放電により平滑コンデンサCs3と平滑コンデンサCs6の間でエネルギを移行する。
各コンデンサCr14、Cr25、Cr36には、インダクタLr14、Lr25、Lr36が直列に接続されてLC直列体LC14、LC25、LC36を構成するため、エネルギの移行は共振現象を利用したものとなり、大きなエネルギ量を効率よく移行できる。
この実施の形態4では、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3間の電圧バランスを取るために、バランス抵抗Rs1、Rs2、Rs3を平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3に並列に接続している。コンデンサCr14の充放電により、平滑コンデンサCs1とCs4はほぼ電圧が等しくなる。また、コンデンサCr25の充放電により、平滑コンデンサCs2とCs5は電圧がほぼ等しくなる。また、コンデンサCr36の充放電により、平滑コンデンサCs3とCs6は電圧がほぼ等しくなる。そのため、各平滑コンデンサCs1〜Cs6の電圧を等しくすることが出来る。なお、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3にバランス抵抗を接続したが、バランス抵抗を平滑コンデンサCs4、Cs5、Cs6に接続しても、同様の効果を得られる。また、平滑コンデンサCs1〜Cs6のすべてに、バランス抵抗を接続してもよい。
実施の形態5.
図10はこの発明の実施の形態5によるDC/DC電力変換装置の構成を示す図である。図10の実施の形態5によるDC/DC電力変換装置は、図1にて示した実施の形態1と同等の機能を有し、バランス回路以外の回路構成はすべて同じである。
図10に示すように、実施の形態5においては、バランス回路は半導体素子Ss1とバランス抵抗Rs1の直列体が平滑コンデンサCs1に並列に接続され、半導体素子Ss2とバランス抵抗Rs2の直列体が平滑コンデンサCs2に並列に接続されている。
半導体素子Ss1、Ss2はマイコンなどに接続されており、オン、オフを制御することが出来る。また、平滑コンデンサCs1、Cs2の電圧を検出する回路を備えている。
次に、実施の形態5におけるバランス回路の動作について説明する。
平滑コンデンサCs1の電圧が平滑コンデンサCs2の電圧よりも、ある所定量以上に大きい時には、半導体素子Ss1をオンとし、平滑コンデンサCs1の電荷を放電し、平滑コンデンサCs1の電圧を下げる。
また、平滑コンデンサCs2の電圧が平滑コンデンサCs1の電圧よりも、ある所定量以上に大きい時には、半導体素子Ss2をオンとし、平滑コンデンサCs2の電荷を放電し、平滑コンデンサCs2の電圧を下げる。
即ち、平滑コンデンサCs1、Cs2の電圧を検出し、半導体素子Ss1、Ss2をオン、オフ動作させることにより、平滑コンデンサCs1、Cs2の電圧を等しく保つことができる。
以上各実施の形態を用いて説明したように、この発明のDC/DC電力変換装置によれば、半導体スイッチング素子あるいはダイオードから成る高圧側素子および低圧側素子を直列接続して平滑コンデンサの正負端子間に接続して成る複数の回路を直列に接続すると共に、上記直列接続された回路の内の複数個に低電圧側直流電圧を印加し、上記低電圧側直流電圧が印加された回路とその他の回路間にエネルギ移行用のコンデンサを接続し、かつ、該コンデンサを充放電する経路にインダクタを配して複数段電力変換回路を構成することにより、低電圧の平滑コンデンサと半導体スイッチング素子を適用でき、エネルギ移行用のコンデンサとインダクタの個数を少なくすることができる。
この発明の実施の形態1によるDC/DC電力変換装置の構成を示す図である。 従来のDC/DC電力変換装置の構成の一例を示す図である。 この発明の実施の形態1の別例によるDC/DC電力変換装置の構成を示す図である。 この発明の実施の形態1の別例によるDC/DC電力変換装置の構成を示す図である。 この発明の実施の形態1の別例によるDC/DC電力変換装置の構成を示す図である。 この発明の実施の形態2によるDC/DC電力変換装置の構成を示す図である。 この発明の実施の形態3によるDC/DC電力変換装置の構成を示す図である。 この発明の実施の形態3の別例によるDC/DC電力変換装置の構成を示す図である。 この発明の実施の形態4によるDC/DC電力変換装置の構成を示す図である。 この発明の実施の形態5によるDC/DC電力変換装置の構成を示す図である。
符号の説明
A1〜A6、A3b、A4b:回路、Cs1〜Cs6:平滑コンデンサ、
Mos1L〜Mos6L、Mos1H〜Mos6H:MOSFET、
Di3L、Di4L、Di3H、Di4H:ダイオード、
LC13、LC24、LC14、LC23、LC12、LC34、LC15、LC26、LC35、LC46、
LC25、LC36:LC直列体、
Cr13、Cr24、Cr14、Cr23、Cr12、Cr34、Cr15、Cr26、Cr35、Cr46、Cr25、
Cr36:コンデンサ、
Lr13、Lr24、Lr14、Lr23、Lr12、Lr34、Lr15、Lr26、Lr35、Lr46、Lr25、
Lr36:インダクタ、
Gate1L〜Gate6L、Gate1H〜Gate6H:ゲート信号、
VH、VM、VL、Vcom:電圧端子、
111、112、113、114、115、116:ゲート駆動回路、
Vs1、Vs2、Vs3、Vs4、Vs5、Vs6:電源、
Ss1、Ss2:半導体素子。

Claims (10)

  1. 半導体スイッチング素子から成る高圧側素子低圧側素子を直列接続して、エネルギ移行のための電圧源として機能する平滑コンデンサの正負端子間に接続して成り、上記高圧側素子と低圧側素子との接続点を中間端子とする回路(A1〜A4)を少なくとも4個以上直列に接続すると共に、上記直列接続された回路(A1〜A4)の内の複数個の所定の回路(A1、A2)に低電圧側直流電圧を印加し、低電圧側直流電圧が印加された各所定の回路(A1、A2)の中間端子と、低電圧側直流電圧が印加されないその他の回路(A3、A4)の中間端子との間に、所定の組み合わせで、コンデンサ、またはコンデンサとリアクトルの直列体からなるエネルギ移行用のコンデンサを接続し、上記エネルギ移行用のコンデンサで接続された所定の組合せの回路の高圧側素子と低圧側素子のオンオフを制御することにより、上記平滑コンデンサと移行用のコンデンサの間でエネルギを移行させ、上記エネルギ移行用コンデンサの充放電により直流/直流変換を行うことを特徴とするDC/DC電力変換装置。
  2. 上記直列接続される回路数は、第1の回路(A1)〜第4の回路(A4)の4個であって、
    上記低電圧側直流電圧が印加される所定の回路数は第1の所定の回路(A1)と第2の所定の回路(A2)の2個とされ、上記エネルギ移行用のコンデンサは、第1の所定の回路(A1)の中間端子と第3の回路(A3)の中間端子との間、及び第2の所定の回路(A2)の中間端子と第4の回路(A4)の中間端子との間、あるいは、第2の所定の回路(A2)の中間端子と第3の回路(A3)の中間端子との間、及び第1の所定の回路(A1)の中間端子と第4の回路(A4)の中間端子との間に接続したことを特徴とする請求項1に記載のDC/DC電力変換装置。
  3. 上記低電圧側直流電圧が印加されないその他の回路(A3、A4)の高圧側素子と低圧側素子を、ダイオードで構成したことを特徴とする請求項2に記載のDC/DC電力変換装置。
  4. 上記直列接続される回路数は、第1の回路(A1)〜第4の回路(A4)の4個であって、上記低電圧側直流電圧が印加される所定の回路数は第2の所定の回路(A2)と第3の所定の回路(A3)の2個とされ、上記エネルギ移行用のコンデンサは、第2の所定の回路(A2)の中間端子と第1の回路(A1)の中間端子との間、及び第3の所定の回路(A3)の中間端子と第4の回路(A4)の中間端子との間に接続したことを特徴とする請求項1に記載のDC/DC電力変換装置。
  5. 上記直列接続される回路数は、第1の回路(A1)〜第6の回路(A6)の6個であって、上記低電圧側直流電圧が印加される所定の回路数は第1の所定の回路(A1)と第2の所定の回路(A2)の2個とされ、上記エネルギ移行用のコンデンサは、上記第1の所定の回路(A1)の中間端子と第3の回路(A3)の中間端子との間、第1の所定の回路(A1)の中間端子と第5の回路(A5)の中間端子との間、及び、上記第2の所定の回路(A2)の中間端子と第4の回路(A4)の中間端子との間、第2の所定の回路(A2)の中間端子と第6の回路(A6)の中間端子との間、に接続したことを特徴とする請求項1に記載のDC/DC電力変換装置。
  6. 上記直列接続される回路数は、第1の回路(A1)〜第6の回路(A6)の6個であって、上記低電圧側直流電圧が印加される所定の回路数は第1の所定の回路(A1)と第2の所定の回路(A2)の2個とされ、上記エネルギ移行用のコンデンサは、上記第1の所定の回路(A1)と第3の回路(A3)の中間端子との間と、第3の回路(A3)の中間端子と第5の回路(A5)の中間端子との間、及び上記第2の所定の回路(A2)の中間端子と第4の回路(A4)の中間端子の間と、第4の回路(A4)の中間端子と第6の回路(A6)の中間端子との間、に接続したことを特徴とする請求項1に記載のDC/DC電力変換装置。
  7. 上記直列接続される回路数は、第1の回路(A1)〜第6の回路(A6)の6個であって、上記低電圧側直流電圧が印加される所定の回路数は第1の所定の回路(A1)〜第3の所定の回路(A3)の3個とされ、上記エネルギ移行用のコンデンサは、上記第1の所定の回路(A1)の中間端子と第4の回路(A4)の中間端子との間、第2の所定の回路(A2)の中間端子と第5の回路(A5)の中間端子との間、及び、上記第3の所定の回路(A3)の中間端子と第6の回路(A6)の中間端子との間、に接続したことを特徴とする請求項1に記載のDC/DC電力変換装置。
  8. 上記平滑コンデンサに電圧バランス用回路を接続したことを特徴とする請求項1〜請求
    項7のいずれか1項に記載のDC/DC電力変換装置。
  9. 上記電圧バランス用回路が、上記平滑コンデンサに並列に接続された抵抗であることを
    特徴とする請求項8に記載のDC/DC電力変換装置。
  10. 上記電圧バランス用回路が、抵抗と半導体素子の直列体で構成されていることを特徴と
    する請求項8に記載のDC/DC電力変換装置。
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