JP4836180B2 - 変位計測装置 - Google Patents
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Description
(1)計測精度が良好ではないため、該計測精度を向上させたい場合には、ほかにさらに計測装置を用意しなければならず、そのため計測装置や計測システムが複雑になり、ほかの計測装置の分についてはコスト高となる(特開2005−61985号公報)。
(2)上記従来提案の計測装置はあくまで2次元変位計測装置にとどまり、いわゆる3次元変位を測定したい場合には、やはり別途ほかの計測装置を必要とせざるを得ない。
(3)尚、いわゆるFBG方式の光ファイバセンサを利用すれば計測精度の向上が見込めるが、前記FBG方式の光ファイバセンサを使用して、従来のB−OTDR方式のような装置及び方法(パイプひずみ計のような測定装置及び方法)で測定する構成としなくてはならず、該装置や方法では例えば地盤の変形モードなどの違いを把握できないとの課題があった。
掘削されたボーリング孔内に取り付けられ、該ボーリング孔の深さ方向へ向かい連結された、柔軟性を有する複数個の棒状計測基体と、
前記棒状計測基体の外周面上で、棒状計測基体の軸に対して略対称となる2箇所位置に設置された一組の第1ファイバグレーティング部と、前記第1ファイバグレーティング部の設置位置より棒状計測基体の軸回りへ回転させた外周面上の位置で、かつ棒状計測基体の軸に対して略対称となる2箇所位置に設置された一組の第2ファイバグレーティング部と、前記一組の第1ファイバグレーティング部と、前記一組の第2ファイバグレーティング部とをそれぞれ連結する1本の光ファイバと、を備えて形成された計測部と、
前記棒状計測基体の軸方向端部側に設けられ、外周面に前記ボーリング孔内壁に係止する保持部を有し、前記棒状計測基体の各々の端部を、内孔に伸縮許容部となる空隙部を設けて対向方向から挿入できる様にし、前記複数個の棒状計測基体をボーリング孔の深さ方向に連結して保持係止する地中固定部と、
前記棒状計測基体の端部を連結した地中固定部の高さ幅内に設置され、かつ前記棒状計測基体の軸方向へ向かう様設置された、伸縮計用ファイバグレーティング部と、該伸縮計用ファイバグレーティング部に連結された伸縮計用ファイバと、を備えた、
ことを特徴とし、または、
前記第2ファイバグレーティング部は、前記第1ファイバグレーティング部の設置位置より棒状計測基体の軸回りへ略90度回転させた位置で、かつ前記棒状計測基体の軸に対して略対称となる2箇所位置に設置された、
ことを特徴とし、または、
前記計測部は、前記第1ファイバグレーティング部の設置位置より第2ファイバグレーティング部の設置位置方向に向かって、棒状計測基体の軸回りに回転させた位置に複数個のファイバグレーティング部を設置して構成された、
ことを特徴とし、または、
前記計測部は、前記棒状計測基体の軸方向に向かい間隔をあけて、少なくとも2カ所に設置されて構成された、
ことを特徴とし、または、
前記棒状計測基体は軸方向へ向かい複数個連結され、かつ各々の棒状計測基体に設置された前記計測部も連結された、
ことを特徴とし、または、
前記棒状計測基体を連結した地中固定部には、棒状計測基体の少なくとも軸方向いずれかの端部側に軸方向への伸縮が許容される伸縮許容部が形成された、
ことを特徴とし、または、
前記棒状計測基体を連結する地中固定部は略短筒状に形成され、該地中固定部には、連結する棒状計測基体の軸方向一端側に軸方向外側に向かって開口する嵌合凹部が設けられ、
連結する棒状計測基体側には、前記嵌合凹部へ遊嵌する嵌入部が設けられ、
前記嵌合凹部と嵌入部との間に伸縮許容部が形成された、
ことを特徴とし、または、
地中固定部において、前記嵌合凹部の外周面形状は、前記棒状計測基体より外側へ膨出する膨出部形状として構成された、
ことを特徴とし、または、
地中固定部において、前記嵌合凹部の外周面に、ボーリング孔内に棒状計測基体を保持する保持部が設けられた、
ことを特徴とし、または、
前記棒状計測基体の外周面には軸方向へ向かって軸方向伸縮変位を計測する伸縮用ファイバグレーティング部が設けられた第2計測部が形成された、
ことを特徴とし、または、
前記棒状計測基体は円筒状部材で形成され、中空部内には温度補正用ファイバグレーティング部が設置され、かつ前記温度補正用ファイバグレーティング部は前記光ファイバに接続されている、
ことを特徴とし、または、
前記棒状計測基体は円柱状部材で形成され、外周面上には中空チューブが軸方向へ向かって取り付けられると共に、該中空チューブ内には温度補正用ファイバグレーティング部が設置され、かつ前記温度補正用ファイバグレーティング部についても前記光ファイバに接続されている、
ことを特徴とし、または、
前記軸方向への伸縮許容部が設けられた棒状計測基体からなる構成において、計測値の温度補正が可能な構成とした、
ことを特徴とし、または、
前記棒状計測基体は柔軟性を有する長尺の棒状部材により構成され、該棒状計測基体の軸方向に向かっては間隔をあけて光ファイバに連結された複数のファイバグレーティング部が設置されると共に、軸方向へ向かい間隔をあけて前記光ファイバを固定する固定具が取り付けられ、
前記棒状計測基体を複数個連結した状態と同様の構成に形成可能とした、
ことを特徴とし、または、
前記計測部より計測された計測データを取り込む取込手段と、
取り込まれた計測データを通信回線網を介して送信する送信手段と、
送信された計測データを受信する受信手段と、
予め計測すべき箇所の位置データが入力され、該位置データに基づき計測箇所の変位前画像を描画する描画手段と、
前記計測データに基づき計測箇所の変位後画像を描画する変位後画像描画手段と、を備えたことを特徴とするものである。
従って、反射光5の波長を計測することで歪み率εが得られることとなる。
図1から理解されるように、前記光ファイバ1は、平面状に展開された棒状計測基体7を示す図1の棒状計測基体7の上側0度の位置から棒状計測基体7の軸方向下方に向かって敷設され、図1の棒状計測基体7の下端で0度の位置を通過すると共に、略半円状に湾曲させて棒状計測基体7の下側180度の角度位置から再び軸方向上方に向かって敷設され、棒状計測基体7の上側180度の位置から上方外側に突設される。この間において、0度の位置及び180度の位置には複数の第1ファイバグレーティング部9が所定の間隔をあけて取り付けられている。
地盤の深さ方向の変位、すなわち略垂直方向の変位を測定する場合も、前記地盤の深さ方向へ向かってボーリング孔18を掘削し、該ボーリング孔18内に前記棒状計測基体7を取り付ける。
そして、地盤の深さ方向の変位、すなわち略垂直方向の変位を特に、精度よく正確に測定するためには、棒状計測基体7の軸方向の変位を前記地盤の挙動に自由に追随できるように計測部11を取り付ける必要がある。
図12は、棒状計測基体7とこの棒状計測基体7に連結される他の棒状計測基体7との嵌合により連結される連結状態を示す。しかして、嵌合凹部47の底部と嵌入部49の先端部との間には空隙部が形成され、該空隙部が棒状計測基体7の伸縮を許容する伸縮許容部36となっている。
すでに述べたように、相隣る棒状計測基体7、7の連結を、一方側棒状計測基体7の嵌合凹部47へ他方側棒状計測基体7の嵌入部49を挿入する形で一体化されており、地盤の水平方向変位により水平方向に発生したモーメントは、連結され、一体化された他方側棒状計測基体7に設けられている計測部11にも正確に伝わることになる。したがって長尺一体の棒状計測基体7を使用した場合と変わらず、全く同様の状態で地盤の水平方向変位が計測できることになる。
該A−A断面部は、棒状計測基体7外周面に曲げ計測用センサとして、第1ファイバグレーティング部9、第2ファイバグレーティング部10が接着などにより取り付けられている部分の断面に該当する。そして接着された4本のファイバグレーティング部9、10を熱収縮チューブ40で棒状計測基体7に融着させていることを示している。そして、伸縮計用ファイバ43は前記熱収縮チューブ40の外周を沿わせる形で設置されるものとなる。
該B−B断面部は、地中固定部37外周面がボーリング孔18内壁に係止し、該箇所で棒状計測基体7がボーリング孔18内壁に固着されている部分の断面に該当する。
地中固定部37の厚さ部分(地中固定部37外径と嵌合凹部47内径の差の部分)は、いわゆるスリーブ部44として形成される。該スリーブ部44には、第1、第2ファイバグレーティング部用ファイバ42と伸縮計用ファイバ43の貫通孔が穿設されている。そして該貫通孔内には前記の各ファイバ42,43がその外周を中空チューブ17で保護被覆されて貫通敷設されている。
前記スリーブ部44の内部には、該スリーブ部44の軸心部を中心軸として略放射状に、かつ軸心方向へ貫通する複数の既設孔50が設けられている。ここで、この複数の既設孔50の数及びその形状については何ら限定されるものではなく、各ファイバ42,43の配線、設置が簡単に行えるものであればよい。
すなわち、
そうすると、各棒状計測基体7の軸心方向の伸縮は発生せず、当該伸縮による第1ファイバグレーティング部9及び第2ファイバグレーティング部10のひずみは発生しない。 すなわち、第1ファイバグレーティング部9及び第2ファイバグレーティング部10は、地盤に略垂直方向の変位が発生したとしてもその影響は受けないものである。
つまり第1ファイバグレーティング部9及び第2ファイバグレーティング部10が設置されている計測基体7の断面を示す図8において、時刻t1における各ファイバグレーティング部(1)乃至(4)に検知されるひずみをε11,ε21, ε31, ε41とし、これらの平均ひずみをεt1とした場合、この各ファイバグレーティング部(1)乃至(4)に検知されるひずみのうち曲げによるひずみε’11,ε’21, ε’31, ε’41が、当該式により算出することができる。
したがって前記温度補正用ファイバグレーティング部12を設けなくとも、曲げ計測用の第1ファイバグレーティング部9及び第2ファイバグレーティング部10の計測信号の演算により伸縮計用ファイバグレーティング部38の計測信号に対する温度補正が可能となる。
また、図1に示すように、棒状計測基体7の軸方向上下両端には前記複数のファイバグレーティング部を取り付けた光ファイバ1の端部がコネクタ16あるいは融着接続を介して連結できるよう配置されており、もって該光ファイバ1の端部が他の光ファイバ1と連結できるよう構成されている。
次に、本発明の使用状態につき説明する。
FBG光測定装置20ではそれぞれの反射光5を測定し、多点位置での3次元変位を測定することになる。
サーバPC24ではその受信部25で前記計測データ32が取り込まれ、ハードディスクなどの保存部26に保存される。
描画された変位前画像及び変位後画像は瞬時にディスプレイなどの表示部34により画像表示され、計測すべき地盤31においてどのように変位したかがリアルタイムにかつ確実詳細に認識することが出来る。
2 コア
3 ブラッグ回析格子
4 入射光
5 反射光
6 ファイバグレーティング
7 棒状計測基体
8 固定具
9 第1ファイバグレーティング部
10 第2ファイバグレーティング部
11 計測部
12 温度補正用ファイバグレーティング部
16 コネクタ
17 中空チューブ
18 ボーリング孔
19 透過光
20 FBG光測定装置
21 PC
22 送信部
23 通信回線網
24 サーバPC
25 受信部
26 保存部
27 描画手段
28 変位後画像描画手段
29 送信部
30 制御部
31 地盤
32 計測データ
33 位置データ
34 表示部
35 光スイッチ
36 伸縮許容部
37 地中固定部
38 伸縮計用ファイバグレーティング部
39 第2計測部
40 熱収縮チューブ
41 伸縮計用ファイバ接着部
42 第1、第2ファイバグレーティング部用ファイバ
43 伸縮計用ファイバ
44 スリーブ部
45 プラスチックボルト
46 仮止め用ボルト孔
47 嵌合凹部
48 保持部
49 嵌入部
50 既設孔
Claims (15)
- 掘削されたボーリング孔内に取り付けられ、該ボーリング孔の深さ方向へ向かい連結された、柔軟性を有する複数個の棒状計測基体と、
前記棒状計測基体の外周面上で、棒状計測基体の軸に対して略対称となる2箇所位置に設置された一組の第1ファイバグレーティング部と、前記第1ファイバグレーティング部の設置位置より棒状計測基体の軸回りへ回転させた外周面上の位置で、かつ棒状計測基体の軸に対して略対称となる2箇所位置に設置された一組の第2ファイバグレーティング部と、前記一組の第1ファイバグレーティング部と、前記一組の第2ファイバグレーティング部とをそれぞれ連結する1本の光ファイバと、を備えて形成された計測部と、
前記棒状計測基体の軸方向端部側に設けられ、外周面に前記ボーリング孔内壁に係止する保持部を有し、前記棒状計測基体の各々の端部を、内孔に伸縮許容部となる空隙部を設けて対向方向から挿入できる様にし、前記複数個の棒状計測基体をボーリング孔の深さ方向に連結して保持係止する地中固定部と、
前記棒状計測基体の端部を連結した地中固定部の高さ幅内に設置され、かつ前記棒状計測基体の軸方向へ向かう様設置された、伸縮計用ファイバグレーティング部と、該伸縮計用ファイバグレーティング部に連結された伸縮計用ファイバと、を備えた、
ことを特徴とする変位計測装置。
- 前記第2ファイバグレーティング部は、前記第1ファイバグレーティング部の設置位置より棒状計測基体の軸回りへ略90度回転させた位置で、かつ前記棒状計測基体の軸に対して略対称となる2箇所位置に設置された、
ことを特徴とする請求項1記載の変位計測装置。
- 前記計測部は、前記第1ファイバグレーティング部の設置位置より第2ファイバグレーティング部の設置位置方向に向かって、棒状計測基体の軸回りに回転させた位置に複数個のファイバグレーティング部を設置して構成された、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の変位計測装置。
- 前記計測部は、前記棒状計測基体の軸方向に向かい間隔をあけて、少なくとも2カ所に設置されて構成された、
ことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載の変位計測装置。
- 前記棒状計測基体は軸方向へ向かい複数個連結され、かつ各々の棒状計測基体に設置された前記計測部も連結された、
ことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4記載の変位計測装置。
- 前記棒状計測基体を連結した地中固定部には、棒状計測基体の少なくとも軸方向いずれかの端部側に軸方向への伸縮が許容される伸縮許容部が形成された、
ことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5記載の変位計測装置。
- 前記棒状計測基体を連結する地中固定部は略短筒状に形成され、該地中固定部には、連結する棒状計測基体の軸方向一端側に軸方向外側に向かって開口する嵌合凹部が設けられ、
連結する棒状計測基体側には、前記嵌合凹部へ遊嵌する嵌入部が設けられ、
前記嵌合凹部と嵌入部との間に伸縮許容部が形成された、
ことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5又は請求項6記載の変位計測装置。
- 前記請求項7記載の地中固定部において、前記嵌合凹部の外周面形状は、前記棒状計測基体より外側へ膨出する膨出部形状として構成された、
ことを特徴とする変位計測装置。
- 前記請求項7記載の地中固定部において、前記嵌合凹部の外周面に、ボーリング孔内に棒状計測基体を保持する保持部が設けられた、
ことを特徴とする変位計測装置。
- 前記棒状計測基体の外周面には軸方向へ向かって軸方向伸縮変位を計測する伸縮用ファイバグレーティング部が設けられた第2計測部が形成された、
ことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8又は請求項9記載の変位計測装置。
- 前記棒状計測基体は円筒状部材で形成され、中空部内には温度補正用ファイバグレーティング部が設置され、かつ前記温度補正用ファイバグレーティング部は前記光ファイバに接続されている、
ことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8、請求項9又は請求項10記載の変位計測装置。
- 前記棒状計測基体は円柱状部材で形成され、外周面上には中空チューブが軸方向へ向かって取り付けられると共に、該中空チューブ内には温度補正用ファイバグレーティング部が設置され、かつ前記温度補正用ファイバグレーティング部についても前記光ファイバに接続されている、
ことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8、請求項9又は請求項10記載の変位計測装置。
- 前記軸方向への伸縮許容部が設けられた棒状計測基体からなる構成において、計測値の温度補正が可能な構成とした、
ことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8、請求項9又は請求項10記載の変位計測装置
- 前記棒状計測基体は柔軟性を有する長尺の棒状部材により構成され、該棒状計測基体の軸方向に向かっては間隔をあけて光ファイバに連結された複数のファイバグレーティング部が設置されると共に、軸方向へ向かい間隔をあけて前記光ファイバを固定する固定具が取り付けられ、
前記棒状計測基体を複数個連結した状態と同様の構成に形成可能とした、
ことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8,請求項9、請求項10、請求項11、請求項12又は請求項13記載の変位計測装置。
- 前記計測部より計測された計測データを取り込む取込手段と、
取り込まれた計測データを通信回線網を介して送信する送信手段と、
送信された計測データを受信する受信手段と、
予め計測すべき箇所の位置データが入力され、該位置データに基づき計測箇所の変位前画像を描画する描画手段と、
前記計測データに基づき計測箇所の変位後画像を描画する変位後画像描画手段と、を備えた、
ことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8,請求項9、請求項10、請求項11、請求項12、請求項13又は請求項14記載の変位計測装置。
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