JP4836131B2 - 急速加熱冷却が可能な金型 - Google Patents

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Description

本発明は、射出成形機等に使用される金型に関し、特に急速に加熱と冷却を行うことができる入れ子付き金型の構造に関する。
特許文献1に示す従来例の金型は、熱媒体(冷却、加熱)用流路溝付きキャビテイ入れ子と断熱板と主型で構成されており、図21に示すように入れ子101と主金型102の間の全面に断熱板を挟んで、熱媒体用流路溝135をシールするようにしている。断熱板138の断熱効果により金型の入れ子部を加熱、冷却する熱量が主金型102に熱伝達する熱量損を防ぐと共に、断熱板138が熱媒体用流路溝135間をシールするようになっている。しかし、熱媒体用流路溝135用の断熱材138が入れ子101の全面に設けられたときは、樹脂圧Pjにより、凸部135fと同溝135とでは軟質の断熱材138が不均一に変形し、入れ子101のキャビテイ面が変形することにより、高精度の成形品が得られなくなる可能性がある。
また、特許文献2に示す従来例(図19)の金型構造は、特許第3407259号(図5)に示す金型を補強する構成であり、キャビテイに面する型材を型盤取付け本体にリブで繋いで補強し、金型本体と補強リブと型材とで形成される空間に熱媒体を流通させ、且つリブと金型本体との繋ぎ面に熱媒体のシールを兼ねた断熱材を挟むか、又は、リブと本体とで形成する空間に熱媒体の流路を避けて断熱材を埋めるようにして金型の補強と断熱性の向上を図ったものである。
また、特許文献3に示す従来例の金型は、固定側金型、可動側金型とも入れ子を備えており、型締めしたときにその両入れ子がキャビテイを形成するようになっている。この入れ子の温度制御を効率良く行うため、両方の入れ子にそれぞれ複数の小径の金型温度調整用の流路と、この流路を纏めて結合しているマニホールドと、同マニホールドへ熱媒体用熱交換器から熱媒体を供給または排出するホースが設けられている。入れ子とマニホールドは着脱可能な別体になっており,両者の間に流路を避けてシール材が挟設されて入れ子の熱量がマニホールドへ伝わり難くなるようにしている。
特開2003−145538号公報(図1) 特開2005−329555号公報(図2、図19) 特許第3751383号公報(図1、図2)
特許文献1の従来例は、溶融樹脂の射出充填時金型の入れ子に加わる樹脂圧により、入れ子が断熱板を介して主型に圧し付けられ、断熱板が潰れ、入れ子が変形して成形品の肉厚が不均一となったり、断熱板に亀裂や割れ等の不具合を生じる虞がある。
また、特許文献2の従来例は、金型内部に大きな空間が存在するため、射出充填のための型締力により金型が変形しやすく、成形品の形状精度が低下する。また、金型の複雑な内面に断熱コーティングを施したり、断熱材を詰めたりするので製作工程が多く高コストになる。
特許文献3の従来例は、入れ子とマニホールド間に挟設されたシール材は、経年劣化や各部材の熱変形等で熱媒体の洩れが生じやすい。また、入れ子とマニホールドが着脱可能な別体であるため、両者を組付ける構造部分が大きくなり、熱媒体の熱量が該構造部分へ奪われる熱損失も大きくなるので、入れ子の加熱、冷却の温度変化のレスポンスが悪くなってしまうと言う問題がある。
本発明は、構造が簡単で、主金型と組み合わせたときの剛性を高くして樹脂充填時の樹脂圧に充分耐えることができ、加熱、冷却時の熱量伝達ロスが少なく、入れ子の温度変化のレスポンスが良く、低コスト化に有効な金型を提供することを目的とする。
上記の問題点に対し、本発明は以下の各手段により課題の解決を図る。
(1) 第1の手段の急速加熱冷却が可能な金型は、固定側金型と可動側金型のそれぞれに入れ子を嵌め込んで入れ子と入れ子が当接したとき合わせ面にキャビテイが形成される樹脂成形用金型において、それぞれの入れ子は片側に熱媒体の入口を備えた中空部を有する入口側マニホールド部と該マニホールド部と対称側に熱媒体の出口を備えた中空部を有する出口側マニホールド部と両マニホールド部を連通する複数の熱媒体通路を一体に設け、該入れ子の成形品対応領域とマニホールド部領域の境界の片面、又は、両面にノッチを設けたそれぞれの入れ子と、固定側金型と可動側金型とそれぞれの入れ子との間に挟設した断熱板とで構成され、入れ子の成形品対応領域とマニホールド部領域間の熱伝導面積を少なくして熱伝導を減少し、断熱板により入れ子から主金型への熱量の伝達を抑えることにより熱媒体から入れ子への熱伝導効率を高めたことを特徴とする。
第2の手段の急速加熱冷却が可能な金型は、上記第1の手段の金型において、固
定側金型と可動側金型のそれぞれの入れ子に備えた熱媒体通路は、入れ子の主金型と接する面に設けた複数の溝を熱媒体通路とし、溝2条毎に溝間に断熱板を挟める空間を設けることができる高さの高い凸部を設け、該凸部間に溝2条を同時にシールできる幅を有するシールを兼ねた断熱板を挟んだことを特徴とする。
(3) 第3の手段の急速加熱冷却が可能な金型は、上記第1の手段の金型において、入れ子の熱媒体通路となる複数の溝の3条以上を同時にシールできるように所定の溝間に断熱板を挟める空間を設けることができる高さの高い凸部を設け、所定のシール幅を有するシールを兼ねた断熱板を挟んだことを特徴とする。
(4) 第4の手段の急速加熱冷却が可能な金型は、上記第1〜3のいずれか1つの手段の金型において、入れ子の熱媒体通路となる複数の溝のそれぞれの開口部両側に断熱板を挟める空間を設けることができる段差形状を頂部に有する高さの高い凸部を設け、該段差幅のシールを兼ねた断熱板を挟んだことを特徴とする。
第5の手段の急速加熱冷却が可能な金型は、上記第1の手段の金型において、固
定側金型と可動側金型の入れ子のそれぞれに備えられた熱媒体通路は、入れ子の片端に備えられた熱媒体を供給するマニホールド部と該マニホールド部の反対側に備えられた熱媒体を排出するマニホールド部と両マニホールド部の間を連通する複数の管状の熱媒体通路とが一体になっている構成であることを特徴とする。
(6) 第6の手段の入れ子付き金型は、上記第1〜第5のいずれか1つの手段の入れ子付き金型において、入れ子のノッチ部のそれぞれの熱媒体流路間に入れ子の表面に垂直に貫通孔を追加して更に熱伝導面積を縮小させたことを特徴とする
) 第の手段の入れ子付き金型は、上記第1〜第いずれか1つの手段の入れ子付き金型において、入れ子のマニホールド部を1側面に開放した溝形状とし蓋板で液密に塞いだことを特徴とする。
) 第の手段の入れ子付き金型は、上記第1〜第いずれか1つの手段の入れ子付き金型において、入れ子のマニホールド部の中空流路を複数平行に設け、該中空流路を複数箇所で流通可能としたことを特徴とする。
) 第の手段の入れ子付き金型は、上記第1〜第いずれか1つの手段の入れ子付き金型において、マニホールド部と入れ子部それぞれ別個に加工した後、接着剤接合、摩擦溶接等で一体に接合加工したことを特徴とする。
10) 第10の手段の入れ子付き金型は、上記第1〜第いずれか1つの手段の入れ子付き金型において、マニホールド部の入れ子部との接続部を除く2面又は3面に断熱材を貼り付けたことを特徴とする。
11) 第11の手段の入れ子付き金型は、上記第1、第5〜10いずれか1つの手段の入れ子付き金型において、入れ子の成形品対応領域の主型と接する面に多数の浅い平行溝、又は、縦横溝を適当な間隔で加工して断熱性を持たせたことを特徴とする。
請求項1に係わる発明は上記第1の手段の入れ子金型であり、入れ子とマニホールドが一体に作られているので、組立方式と比べ、コンパクトに収まり、継ぎ目に生じやすい熱媒体の洩れも無く、また、該入れ子の成形品対応領域とマニホールド領域の境界の片面、又は、両面に(溝形状の)ノッチを設けて熱伝導面積を少なくし、主金型とそれぞれの入れ子の間に断熱板を挟設しているので、入れ子の成形品対応領域とマニホールド領域間の熱伝導量を少なくし、入れ子から主金型への熱量の伝達を抑えて入れ子の温度変化のレスポンスを改善する効果がある。
請求項2〜請求項4に係わる発明は上記第2〜第4の手段の入れ子金型であり、この入れ子金型は、金型を型締め、溶融樹脂を射出充填時、樹脂圧による圧し力を直接主型で受け止め、断熱板は圧し力を直接に受けることがないので、断熱板は潰れや破損することなく、成形品の肉厚や形状精度を良好に保つことができ、また、構造簡単で断熱板も少量であり、コストを抑える効果がある。
請求項5〜請求項10に係わる発明は上記第5〜第10の手段の入れ子金型であり、溶融樹脂を射出充填時、樹脂圧による圧し力を断熱板全面で受けるので、入れ子の局部変形及び局部破損を避けることができ、また、特に、請求項6に係わる発明の上記第6の手段の入れ子金型は、入れ子とマニホールドの間の断面積を更に小さくし熱伝達を減らしているので、加熱、冷却時の熱量伝達ロスがより少なく、入れ子の温度変化のレスポンスが更に良くなる効果がある。
また、請求項に係わる発明の上記第の手段の入れ子金型は、マニホールド流路の側面を開けて蓋を被せるようにしてあるので、上記第6の手段の入れ子の効果を有すると同時に、入れ子の熱媒体流路の加工、マニホールドの熱媒体流路の加工が容易となる効果がある。
また、請求項に係わる発明の上記第の手段の入れ子金型は、大きな流量を得るために、流路を複数本設けたマニホールド中空部は、加工が容易な円形孔流路にて形成しているので、上記第6の手段の入れ子の効果を有すると共に、大流量を流すことができるマニホールド中空部の熱媒体流路の加工が容易となる効果がある。
請求項11に係わる発明は上記第11の手段の入れ子金型であり、溶融樹脂を射出充填時、樹脂圧による圧し力を入れ子を介して主型が均一に受け止めて入れ子の変形を避けると同時に、入れ子に加工された溝は断熱の効果がある。
本発明の急速過熱冷却が可能な金型は、その金型に収められた入れ子が樹脂充填時の樹脂圧に対して変形を起こさないような簡単で強靭な構造であり、しかも、急速に加熱と冷却を行っても、熱量伝達ロスが少なく、入れ子の温度変化のレスポンスが良く、低コスト化に有効な構成を有するものであり、射出成形機等に用いて好適な金型である。固定金型と可動金型を図示しているが、樹脂注入通路、射出ユニット等の図示は省いて、入れ子の構成と入れ子の成形品領域から他の領域への熱量移動減少構造に限定して図示説明している。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態を図に基づいて説明する。 図1は本発明の第1の実施の形態に係わる急速加熱冷却が可能な金型の側面断面図、図2は図1のA−A断面で示す金型の平面図、図3は図2のC−C断面で示す金型の側面断面図、図4は図3のD部の拡大図(その1)(請求項2に相当する)、図5は図3のD部の拡大図(その2)(請求項3に相当する)、図6は図3のD部の拡大図(その3)(請求項4に相当する)である。
図1の急速加熱冷却金型10において、固定側金型2には熱媒体通路4dを備えた入れ子4が嵌め込まれ、4辺を押さえ板6A、6B、6C、6Dで押さえて固定側金型2に固定され、また、可動側金型3には、熱媒体通路5dを備えた入れ子5が嵌め込まれ、4辺を押さえ板板6A、6B、6C、6Dで押さえて可動側金型3に固定されている。可動側金型3が固定側金型2に近づき入れ子4と入れ子5が当接したとき、合わせ面に成形品7を成形するキャビテイが形成される。
それぞれの入れ子4,5は両側にマニホールド部4A,4E,5A,5Eを一体に形成し、マニホールド中空部4a、4e、5a、5eを設けている。入れ子4のマニホールド中空部4a、4eにはそれぞれ熱媒体入口11と熱媒体出口12が備えられ、同様に、入れ子5のマニホールド中空部5a、5eにも熱媒体入口11と熱媒体出口12が備えられている。
固定側金型2の入れ子4の両側のマニホールド中空部4a、4eを連通する熱媒体通路4dは、入れ子4の固定側金型2と接する側の面に複数の平行等間隔の溝形状の熱媒体通路であり、可動側金型3の入れ子5も同様に、両側のマニホールド中空部5a、5eを連通する熱媒体通路5dは、入れ子5の可動側金型3と接する側の面に複数の平行等間隔の溝形状の熱媒体通路であり、入れ子4は入れ子5と同様につき、入れ子5について説明する。図4に示すように、熱媒体通路5dの2条毎に1枚の断熱板8が挟めるような空間を設けることができる高さの高い凸部5fを設け、2条の熱媒体通路5d、5dを同時にシールできる幅を有するシールを兼ねた断熱板8を挟設している。
断熱板8の幅を広げ、図5に示すように, 熱媒体通路4d又は5dを3条以上同時に挟み、シールするようにした断熱板8を採用しても良い。或いは、図6に示すように入れ子4、5の熱媒体通路4d、5dの各条毎に段差を設け、熱媒体通路4d、5dより広い幅のシールを兼ねた断熱板8を挟んでも良い。9は熱媒体通路溝4d、5dから熱媒体シールを兼ねた断熱板8を越えて熱媒体が洩れて来た場合に、シールするシール材である。
もし図21に示した特許文献1のように、熱媒体用流路溝135用の断熱材138が入れ子101の全面に設けられたときは、樹脂圧Pjにより、凸部135fと同溝135とでは軟質の断熱材138が不均一に変形し、入れ子101のキャビテイ面が変形若しくはキャビティ厚さが拡大することにより、高精度の成形品が得られなくなる可能性があるが、本発明の入れ子4,5のように断熱板8を挟設して熱媒体通路4d、5dをシールしたときは、熱媒体が同通路4d、5dから洩れることを防ぎ、成形時、キャビテイに大きな樹脂圧がかかったときは、入れ子4,5の構成材である熱媒体通路4d、5dの間の高さの高い凸部5fでその力を受け、断熱板8は樹脂圧の力を受けないので潰れる虞が無い為、入れ子4、5の変形も無く、高精度の成形品が得られる。
図1に示す、入れ子4、5の成形品対応領域Nとマニホールド部領域M、Mの境界の片面に溝形状のノッチ4b、5bを設け、入れ子4、5の成形品対応領域Nとマニホールド部領域M、M間の熱伝導面積を少なくして熱伝導を減少し、断熱板8により入れ子4、5から主金型2、3への熱量の伝達を抑えることにより、熱媒体から入れ子4、5への熱伝導効率を高めている。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態を図に基づいて説明する。図7は第2の実施の形態に係わる急速加熱冷却が可能な金型の側面断面図、図8は図7のE−E断面で示す金型の平面図、図9は図8のF−F断面で示す金型の側面断面図、図10は図7の金型入れ子のノッチを示すG部の拡大図、図11は図10の金型入れ子のX1−X1断面図、図12は図10の金型入れ子のX2−X2断面図、図13は金型入れ子のノッチ部に縦孔を設けた図10のX1−X1断面相当図、図14は図7の金型入れ子の他のマニホールド部形状(その1)(請求項8に相当する)を示すG部の拡大図、図15は図7の金型入れ子の他のマニホールド部形状(その2)(請求項8に相当する)を示すG部の拡大図、図16は図7の金型入れ子の他のマニホールド部形状(その3)(請求項9に相当する)を示すG部の拡大図、図17は図7の金型入れ子の他のマニホールド部形状(その4)(請求項10に相当する)を示すG部の拡大図、図18は図7の金型入れ子の他のマニホールド部形状(その5)(請求項11に相当する)を示すG部の拡大図である。
図7の急速加熱冷却金型20において、固定側金型2には熱媒体通路21aを備えた入れ子21が嵌め込まれ、4辺を押さえ板6A、6B、6C、6Dで押さえて固定側金型2に固定され、また、可動側金型3には、熱媒体通路22aを備えた入れ子22が嵌め込まれ、4辺を押さえ板6A、6B、6C、6Dで押さえて可動側金型3に固定されている。可動側金型3が固定側金型2に近づき入れ子21と入れ子22が当接したとき、合わせ面に成形品27を成形するキャビテイ
形成がされる。
入れ子21は両側にマニホールド部21A、21Eを一体に形成し、夫々に円形孔が明けられてマニホールド中空部21b、21eを形成し、マニホールド中空部21b、21eには、それぞれの開口部に熱媒体入口11と熱媒体出口12が取付けられている。同様に、入れ子22の両側にマニホールド部22A、22Eを一体に形成し、夫々に円形孔が明けられてマニホールド中空部22b、22eが形成し、両マニホールド中空部22b、22eの開口部にもそれぞれ熱媒体入口11と熱媒体出口12が取付けられている。
熱媒体通路21aは入れ子21の両側のマニホールド中空部21b、21eを連通する複数の円孔が平行等間隔に明けられている構成である。入れ子22の熱媒体通路22aも同様に、入れ子22の両側のマニホールド中空部22b、22eを連通する複数の円孔が平行等間隔に明けられている構成である。熱媒体通路21a、22aを加工するときは図10のようにマニホールド中空部21b、21e、22b、22eを突き通して貫通孔を明け、孔の両端を塞ぎ栓50で密封してマニホールド中空部間の貫通孔を熱媒体通路21a、22aとする。
図7に示す、入れ子21、22の成形品対応領域Nとマニホールド部領域M、Mの境界の両面に図10に示すような、溝形状のノッチ21c1、21c2、22c1、22c2を設け、入れ子21、22の成形品対応領域Nとマニホールド部領域M,M間の熱伝導面積を少なくして熱伝導を減少し、また、入れ子21と固定側金型2の間、入れ子22と可動側金型3の間に、断熱板28、28を挟むことにより入れ子21、22から主金型2、3への熱量の伝達を抑えることにより熱媒体から入れ子への熱伝導効率を高めている。以降、ノッチとマニホールド部の形状と作用については、入れ子21も入れ子22も全く同じであるので、可動側金型3の入れ子22、ノッチ22c、マニホール中空部22bを代表例として説明する。
図13に示した入れ子23は、ノッチ23c1、23c2を形成して縦方向の貫通孔23eを明けることにより、さらに、熱伝導面積を少なくしたものである。図11〜図13において、cは熱媒体通路22aの間隔(ピッチ)を示している。
図12はノッチ22c1、22c2の無い位置の熱媒体通路22aの1ピッチあたりの熱伝導面積S0を示す。この熱伝導面積S0に比べ、ノッチ22c1、22c2を設けた入れ子22のこの部分の熱伝導面積S1は半分以下に減少でき、図13のノッチ部の熱伝導面積S2は更に小さくすることができる。このように、ノッチ22c1、22c2の深さ、入れ子23の貫通孔23eの径を変えることにより、入れ子の強度が許す限り、ノッチ部の面積比を種々の比率に変えることができる。
これらの入れ子は熱媒体通路とマニホールド中空部とノッチを一体物として機械加工できることが大きなメリットであるが、このメリットを生かしたマニホールド部の形状を以下に説明する。マニホールド部とその近辺以外の成形品対応領域については、入れ子21、22、23とで同じである。
図14に示す入れ子24は、熱媒体通路24a、ノッチ24c1、24c2を一体に形成し、角型のマニホールド中空部24bの端面を開口し、開口部を蓋35により液密に塞いだ入れ子である。35eは押さえ板6で押さえられる当接部である。また、図15に示す入れ子25は、熱媒体通路25a、ノッチ25c1、25c2を一体に形成し、角型のマニホールド中空部25bの主金型側端面を開口し、開口部を蓋36により液密に塞いだ入れ子である。25eは押さえ板6で押さえられる当接部である。
図16に示す入れ子31は、熱媒体通路31a、ノッチ31c1、31c2を一体に形成し、入れ子22と同じ円形形状のマニホール中空部ド31b1、31b2を複数平行に設け、マニホールド中空部31b1とマニホールド中空部31b2を複数箇所で流通可能とした入れ子である。また、図17に示す入れ子32は、入れ子部34とマニホールド部35とをそれぞれ別個に加工した後、接着剤接合、摩擦溶接等により接合部46で一体に接合加工した入れ子である。34a、35aは熱媒体通路、35bはマニホールド中空部、34c1、34c2、35c1、35c2はノッチ部を示す。
図18に示す入れ子33は、マニホールド部と入れ子部との接続部、即ち、ノッチ部を除くマニホールド部外面の2面又は3面に断熱板37、38、39を貼り付けた入れ子であり、マニホールド中空部22bを通る熱媒体から熱量が逃げることを防止する効果がある。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態を図に基づいて説明する。図19は、急速加熱冷却が可能な金型の(図7)の金型入れ子の主金型との接触面の形状(その1)の例を示す斜視図、図20は、図19の金型入れ子の主金型との接触面の形状(その2)の例を示す斜視図である。
第3の実施の形態の入れ子は、前述の入れ子の全てにそのまま応用が可能である入れ子で、図19に示す入れ子40は、熱媒体通路40b、ノッチ40c1、40c2を一体に形成し、成形品対応領域Nの主金型と接する面に多数の浅い平行溝40fを設けた入れ子で、また、図20に示す入れ子41は、、熱媒体通路41b、ノッチ41c1、41c2を一体に形成し、成形品対応領域Nの主金型と接する面に、縦横の溝を適当な間隔で加工して多数の均等に分布された角状突起41gを設けた入れ子で、両入れ子とも、主金型との間に空気層による断熱性を持たせた入れ子である。
本発明の第1の実施の形態に係わる急速加熱冷却が可能な金型の側面断面図である。 図1のA−A断面で示す金型の平面図である。 図2のC−C断面で示す金型の側面断面図である。 図3のD部の拡大図(その1)で、請求項2に相当する側面断面図である。 図3のD部の拡大図(その2)で、請求項3に相当する側面断面図である。 図3のD部の拡大図(その3)で、請求項4に相当する側面断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係わる急速加熱冷却が可能な金型の側面断面図である。 図7のE−E断面で示す金型の平面図である。 図8のF−F断面で示す金型の側面断面図である。 図7の金型入れ子のノッチを示すG部の拡大図である。 図10の金型入れ子のX1−X1断面図である。 図10の金型入れ子のX2−X2断面図である。 金型入れ子のノッチ部に縦孔を設けた図10のX1−X1断面相当図である。 図7の金型入れ子のマニホールド部形状(その1)を示すG部の拡大図である。 図7の金型入れ子のマニホールド部形状(その2)を示すG部の拡大図である。 図7の金型入れ子のマニホールド部形状(その3)を示すG部の拡大図である。 図7の金型入れ子のマニホールド部形状(その4)を示すG部の拡大図である。 図7の金型入れ子のマニホールド部形状(その5)を示すG部の拡大図である。 本発明の第3の実施の形態に係わる急速加熱冷却が可能な金型の(図7)の金型入れ子の主金型との接触面の形状(その1)の例を示す斜視図である。 図19の金型入れ子の主金型との接触面の形状(その2)の例を示す斜視図である。 主金型と入れ子の接触面に断熱材を挟んだ従来の入れ子付き金型において、充填するときの樹脂圧により断熱材が変形する状態を示す図である。
符号の説明
2 固定側金型
3 可動側金型
4、5、21、22、24、25、32、33、40、41 入れ子
4A、4E、5A、5E、21A、21E、22A、22E、35 マニホールド部
4a、5a、4e、5e、21b、21e、22b、22e マニホールド中空部
24b、25b、31b1、31b2,35b マニホールド中空部
4b、5b、21c1、21c2、22c1、22c2、23c1、23c2 ノッチ
25c1、25c2、31c1、31c2、34c1、34c2、 ノッチ
35c1、35c2、40c1、40c2、41c1、41c2 ノッチ
4d、5d、21a、22a、24a、25a、31a、 熱媒体通路
34a、35a、40a、41a 熱媒体通路
5f 突部
5g 段差
6A、6B、6C、6D 押さえ板
7、27 成形品
8、18、28、37、38、39 断熱板
9 シール材
10、20 急速加熱冷却金型
11 熱媒体入口
12 熱媒体出口
M マニホールド部領域
N 成形品対応領域
S0 有効伝熱面積(ノッチ無し部)
S1 有効伝熱面積(ノッチ部)

Claims (11)

  1. 固定側金型と可動側金型のそれぞれに入れ子を嵌め込んで入れ子と入れ子が当接したとき合わせ面にキャビテイが形成される樹脂成形用金型において、それぞれの入れ子は片側に熱媒体の入口を備えた中空部を有する入口側マニホールド部と該マニホールド部と対称側に熱媒体の出口を備えた中空部を有する出口側マニホールド部と両マニホールド部を連通する複数の熱媒体通路を一体に設け、該入れ子の成形品対応領域とマニホールド部領域の境界の片面、又は、両面にノッチを設けたそれぞれの入れ子と、固定側金型と可動側金型とそれぞれの入れ子との間に挟設した断熱板とで構成され、入れ子の成形品対応領域とマニホールド部領域間の熱伝導面積を少なくして熱伝導を減少し、断熱板により入れ子から主金型への熱量の伝達を抑えることにより熱媒体から入れ子への熱伝導効率を高めたことを特徴とする急速加熱冷却が可能な金型。
  2. 請求項1に記載する急速加熱冷却が可能な金型において、固定側金型と可動側金型のそれぞれの入れ子に備えた熱媒体通路は、入れ子の主金型と接する面に設けた複数の溝を熱媒体通路とし、溝2条毎に溝間に断熱板を挟める空間を設けることができる高さの高い凸部を設け、該凸部間に溝2条を同時にシールできる幅を有するシールを兼ねた断熱板を挟んだことを特徴とする急速加熱冷却が可能な金型。
  3. 請求項1に記載する急速加熱冷却が可能な金型において、入れ子の熱媒体通路となる複数の溝の3条以上を同時にシールできるように所定の溝間に断熱板を挟める空間を設けることができる高さの高い凸部を設け、所定のシール幅を有するシールを兼ねた断熱板を挟んだことを特徴とする急速加熱冷却が可能な金型。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載する急速加熱冷却が可能な金型において、入れ子の熱媒体通路となる複数の溝のそれぞれの開口部両側に断熱板を挟める空間を設けることができる段差形状を頂部に有する高さの高い凸部を設け、該段差幅のシールを兼ねた断熱板を挟んだことを特徴とする急速加熱冷却が可能な金型。
  5. 請求項1に記載する急速加熱冷却が可能な金型において、固定側金型と可動側金型の入れ子のそれぞれに備えられた熱媒体通路は、入れ子の片端に備えられた熱媒体を供給するマニホールド部と該マニホールド部の反対側に備えられた熱媒体を排出するマニホールド部と両マニホールド部の間を連通する複数の管状の熱媒体通路とが一体になっている構成であることを特徴とする急速加熱冷却が可能な金型。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載する急速加熱冷却が可能な金型において、上記入れ子のノッチ部のそれぞれの熱媒体流路間に入れ子の表面に垂直に貫通孔を追加して更に熱伝導面積を縮小させたことを特徴とする急速加熱冷却が可能な金型。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載する急速加熱冷却が可能な金型において、上記入れ子のマニホールド部を1側面に開放した溝形状とし蓋板で液密に塞いだことを特徴とする急速加熱冷却が可能な金型。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載する急速加熱冷却が可能な金型において、上記入れ子のマニホールド部の中空流路を複数平行に設け、該中空流路を複数箇所で流通可能としたことを特徴とする急速加熱冷却が可能な金型。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載する急速加熱冷却が可能な金型において、上記入れ子の成形品対応領域とマニホールド部領域をそれぞれ別個に加工した後、接着剤接合、又は、摩擦溶接等で一体に接合加工したことを特徴とする急速加熱冷却が可能な金型。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載する急速加熱冷却が可能な金型において、上記成形品対応領域との接続部を除くマニホールド部の2面又は3面に断熱材を貼り付けたことを特徴とする急速加熱冷却が可能な金型。
  11. 請求項1、5〜10のいずれか1項に記載する急速加熱冷却が可能な金型において、上記入れ子の成形品対応領域の主金型と接する面に多数の浅い平行溝、又は、縦横溝を適当な間隔で加工して断熱性を持たせたことを特徴とする急速加熱冷却が可能な金型。
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