以下に、図を用いて本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明はこれら実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。
なお、実施例1は、主に請求項1,8について説明する。また、実施例2は、主に請求項2、9について説明する。また、実施例3は、主に請求項3,10について説明する。また、実施例4は、主に請求項4,11について説明する。また、実施例5は、主に請求項5,12について説明する。また、実施例6は、主に請求項6,13について説明する。また、実施例7は、主に請求項7,14について説明する。
≪実施例1≫
<概要>
図1は、本実施例のオークション代行サーバ装置による代行落札への報酬額算出処理の一例を説明するための概念図である。この図1(a)にあるように、落札依頼者からの「バッグA」を「10010円」を上限金額として落札して欲しい、との落札依頼をオークション代行サーバ装置にて受付けた。ここで、図1(b)にあるように、上限金額の50%である5000円でバッグAを落札した場合、本実施例のオークション代行サーバ装置は、代行落札に対する報酬として「500円」を算出する。一方、上限金額ぎりぎりの10000円でバッグAを落札した場合、その代行報酬として「200円」を算出する。
このように本実施例のオークション代行サーバ装置では、金額を抑えて落札するほうが代行落札に対する報酬額が多くなるよう構成されている。そのため、できるだけ安く落札したいという落札依頼者と、報酬額を多くしたいという落札代行者と、双方の利益を実現することができる。
<機能的構成>
図2は、本実施例のオークション代行サーバ装置における機能ブロックの一例を表す図である。なお本発明の「オークション代行サーバ装置」は、例えばオークション運営者やその他第三者であるサービス提供者が、オークションサーバ装置と連動するよう構成し提供しても良い。あるいは、落札依頼者や落札代行者の端末に組み込まれても良い。
そして、この図2にあるように、本実施例の「オークション代行サーバ装置」(0200)は、「落札依頼受付部」(0201)と、「入札命令生成部」(0202)と、「入札実行部」(0203)と、「最終結果取得部」(0204)と、「算出ルール格納部」(0205)と、「報酬額算出部」(0206)と、を有する。
なお、以下に記載する本オークション代行サーバ装置の機能ブロックは、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの両方として実現され得る。具体的には、コンピュータを利用するものであれば、CPUや主メモリ、バス、あるいは二次記憶装置(ハードディスクや不揮発性メモリ、CDやDVDなどの記憶メディアとそれらメディアの読取ドライブなど)、情報入力に利用される入力デバイス、印刷機器や表示装置、その他の外部周辺装置などのハードウェア構成部、またその外部周辺装置用のインターフェース、通信用インターフェース、それらハードウェアを制御するためのドライバプログラムやその他アプリケーションプログラム、ユーザーインターフェース用アプリケーションなどが挙げられる。
そして主メモリ上に展開したプログラムに従ったCPUの演算処理によって、入力デバイスやその他インターフェースなどから入力されメモリやハードディスク上に保持されているデータなどが加工、蓄積されたり、上記各ハードウェアやソフトウェアを制御するための命令が生成されたりする。また、この発明は装置として実現できるのみでなく、方法としても実現可能である。また、このような発明の一部をソフトウェアとして構成することができる。さらに、そのようなソフトウェアをコンピュータに実行させるために用いるソフトウェア製品、及び同製品を記録媒体に固定した記録媒体も、当然にこの発明の技術的な範囲に含まれる(本明細書の全体を通じて同様である)。
「落札依頼受付部」(0201)は、オークションの出品特定情報を含む落札依頼を受付ける機能を有する。「出品特定情報」とは、オークションに出品されている商品を落札対象として特定するための情報をいい、例えばオークションIDのほか、商品の入札用ページのURL、商品名や商品ID、出品者名や出品者ID、出品/終了時刻、それら情報の組み合わせが挙げられる。
図3は、上記例のような出品特定情報を含む落札依頼の一例を表す概念図である。この図にあるように、落札依頼として、例えば「ユーザー名」や「連絡先」などの依頼者情報が含まれていても良い。また依頼内容として、出品特定情報である「オークションID」や「入札(落札)上限金額」などが含まれていても良い。
なお、この「落札依頼受付部」は、例えば通信IF(インターフェース)や入力デバイス、それらハードウェア用のアプリケーション、及び落札依頼入力用のGUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)で実現することができる。そして、ここで商品IDなどの出品特定情報を含む落札依頼を受付けることで、代理入札が実行されることになる。
「入札命令生成部」(0202)は、受付けた落札依頼に従ってオークションの入札命令を生成する機能を有する。この「入札命令生成部」は、例えばCPU(中央演算装置)や主メモリ、入札命令の生成プログラムなどによって自動的に実行する方法が挙げられる。なおこのような自動入札における入札金額や入札タイミングの決定処理などについては、従来の自動入札プログラムなどを利用して実現可能であるので詳細な説明は省略する。
また、このオークション代行サーバ装置が落札代行者の端末に組み込まれていれば、入力デバイスなどを介して入力される入札金額を利用して入札命令が生成されるよう構成することで、この入札命令生成部が実現されても良い。
「入札実行部」(0203)は、生成した入札命令を実行してオークションへの入札を実行する機能を有する。この入札実行部も例えばCPU(中央演算装置)や主メモリ、入札命令の実行プログラムなどによって、例えば他者による入札通知を受信したり、定期的に入札価格のチェック処理を行ったりすることで自動的に入札処理を実行する方法が挙げられる。あるいは、このオークション代行サーバ装置が落札代行者の端末に組み込まれていれば、入力デバイスなどを介して入力される入札実行操作などに応じて、入札命令が実行されるよう構成しても良い。
以上の構成によって落札依頼に基づく代理入札が実行される。そして、オークションサーバ装置によって、この入札命令による入札処理、およびその他の端末からの入札処理に基づく落札判定処理が実行される。なお、オークションサーバ装置の構成、および各端末からの入札処理に基づく落札判定処理については、従来のものが利用可能である。具体的に、例えば「オークションサーバ装置」は、「出品受付部」と、「出品表示部」と、「入札受付部」と、「落札決定部」と、を有する。「出品受付部」は、オークションに出品される商品の出品商品情報を受付ける機能を有する。具体的に、オークション出品者が自身の端末にて商品名や商品写真、オークション開始価格、出品者IDなどを出品商品情報として入力し送信する。するとオークションサーバ装置はその送信情報をこの出品受付部にて受付け、送信順にオークション出品物IDなどを付加し管理する、という具合である。
「出品表示部」は、受付けた出品商品情報に基づいてオークション入札用ページを生成する機能を有する。「入札受付部」(0913)は、オークション代行サーバ装置にて実行された入札命令に基づく入札を受付ける機能を有する。そして「落札決定部」は、入札受付部にて受付けた入札を利用して、出品物の落札を決定する機能を有する。具体的には、例えば出品受付部にて受付けた終了時刻までに一番高い金額で入札した入札者を落札者として決定する、と言う具合である。
そして、本実施例のオークション代行サーバ装置に受付けられた落札依頼による入札で落札された場合、その落札金額などを含む入札の最終結果がオークションサーバ装置から返信され、以降の構成による処理が実行される。
「最終結果取得部」(0204)は、入札の最終結果を取得する機能を有する。「入札の最終結果」とは、上記オークションサーバ装置から返信された落札金額などを含む情報をいう。また、この入札の最終結果の返信は、落札が成立した場合にのみオークション代行サーバ装置に対して返信されても良いし、全てのオークション代行サーバ装置や落札者端末に対して、落札した者の識別情報を含み一斉配信されても良い。
図4は、入札の最終結果の一例を表す概念図である。この図にあるように、入札の最終結果にて、例えば出品特定情報であるオークションIDや商品名、落札者IDが示されている。そしてオークション代行サーバ装置は、例えばこれらの情報を利用した論理演算処理によって自身の入札で落札が成立したか否かを判断する。具体的には、例えばオークションID(商品名)および落札者IDが自身の保持するものと一致するか、などの論理演算処理によって、自身の入札で落札が成立したかを判断することができる。そして自身の入札で落札が成立したとの判断結果が出力された場合には、図4に示す開始金額や落札限度額、落札額などの情報を利用して、代理入札が成功したことに対する報酬額を以下の構成によって決定する、と言う具合である。
「算出ルール格納部」(0205)は、報酬額の算出ルールを格納する機能を有し、例えばフラッシュメモリやハードディスクドライブなどの各種記憶装置によって実現することが出来る。また「報酬額の算出ルール」とは、CPUなどの演算装置が参照することで報酬額を算出できるよう定められたルールをいい、例えば、落札金額と報酬額との対応関係を示すテーブルデータなどが挙げられる。
図5は、そのテーブルデータの一例を表す概念図である。この図にあるように、フラッシュメモリなどの記憶装置に、平均落札相場に対する落札価格の割合と、報酬額とを対応付けたテーブルデータが格納されている。そして、例えば平均相場が10000円の商品を5000円(割合50%)で落札した場合、その報酬額は500円となり、6000円(割合60%)で落札した場合、その報酬額は300円となる、と言う具合である。
またその他にも、実施例5で後述するように落札金額や平均相場などの数値をパラメータとして報酬額を決定する演算式y=f(x)や、実施例6で後述するように、標準偏差などを利用して落札額に応じた報酬額を決定するルールなども挙げられる。
「報酬額算出部」(0206)は格納された算出ルールを利用して、出品特定情報と最終結果とに応じた報酬額を算出する機能を有する。図6は、この報酬額算出部での報酬額算出処理の一例を表す概念図である。この図にあるように、報酬額算出部は、例えばCPUや主メモリ、また報酬額算出プログラムなどによって実現され、取得した最終結果に含まれる出品特定情報を検索キーとして、例えば当該商品の平均相場情報を取得する。なお、商品ごとの平均相場情報は、これをデータベース化し別途サーバ装置や自身のHDD内に保持しておくと良い。あるいは、過去の落札履歴情報をオークションサーバ装置から取得し、当該商品の平均相場を算出するよう構成しても良い。
続いて上記算出された平均相場と、最終結果に含まれる落札金額とをパラメータとするCPUの演算処理によって、平均落札相場に対する落札価格の割合を算出する。そして、フラッシュメモリなどに格納されている例えば図5に示すような算出ルールを参照し、CPUの論理演算処理によって平均落札相場に対する落札価格の割合に応じた報酬額が決定される、と言う具合である。
もちろん、算出ルールが関数y=f(x)で示されるルールであれば、当該関数で利用されるパラメータが主メモリに読み出され、CPUによる演算処理によって報酬額yが決定される、など算出ルールに応じて様々な演算処理が実行されると良い。
以上のように落札金額に応じて代理落札への報酬額が決定されるので、代理で落札を行う者に対して安く落札することのインセンティブを付与することができる。そしてその結果、できるだけ安く落札したいという落札依頼者と、報酬額を多くしたいという落札代行者との双方の利益を実現することができる。
<ハードウェア構成>
図7は、上記機能的な各構成要件をハードウェアとして実現した際の、オークション代行サーバ装置における構成の一例を表す概略図である。この図を利用して代理落札成功に対する報酬額決定処理におけるそれぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。
この図にあるように、オークション代行サーバ装置は、入札命令生成部、入札実行部、および報酬額算出部である「CPU」(0701)と、「主メモリ」(0702)と、を備えている。また算出ルール格納部である「フラッシュメモリ」(0703)や、落札依頼受付部および最終結果取得部である「通信IF」(0704)も備えている。そしてそれらが「システムバス」などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
また、「主メモリ」にはプログラムが読み出され、「CPU」は読み出された当該プログラムを参照することで各種演算処理を実行する。また、この「主メモリ」や「フラッシュメモリ」にはそれぞれ複数のアドレスが割り当てられており、「CPU」の演算処理においては、そのアドレスを特定し格納されているデータにアクセスすることで、データを用いた演算処理を行うことが可能になっている。
ここで落札依頼者端末から図3に示すような落札依頼が送信されると、本実施例のオークション代行サーバ装置は「通信IF」にてその落札依頼を受信し、落札依頼受付プログラムに従い「主メモリ」のアドレス1に当該落札依頼を格納する。つづいて入札命令生成プログラムに従って、落札依頼に含まれるタグデータなどが参照され、出品特定情報(オークションIDや商品ID)、また指定があれば入札単位金額などが抽出される。そして出品特定情報を利用してオークションサーバ装置から当該商品の現在価格情報、例えば3000円を取得する。そしてそれら情報に基づいて、例えば「バッグA(オークションID:s799852xx)に対して3100円で入札する」と言った具合の入札命令が生成され、「主メモリ」のアドレス2に格納される。そして「主メモリ」に格納されている入札命令が、入札実行プログラムに従って、「通信IF」からオークションサーバ装置に対して送信される。
その後、タスクスケジューラによる定期的な商品の入札チェック処理や、他の入札があった場合にオークションサーバ装置から送信される他入札情報などの受信によって自身の入札を上回る他の入札があったことを検知すると、上記同様にしてさらに入札命令の生成、及び入札命令の送信処理を繰り返す。また、ここで落札依頼にて示される入札上限金額を他の入札金額が超過したか否かの判断処理を行い、超えていた場合、自身の入札命令の生成、送信処理を終了するよう構成すると良い。
そして上記入札命令の生成、送信を実行した結果落札が成功すると、オークションサーバ装置から図4に示すような入札の最終結果を示す情報が、例えば落札に成功したオークション代行サーバ装置に対して送信される。
本実施例のオークション代行サーバ装置では、その入札の最終結果を「通信IF」にて受信し、「主メモリ」のアドレス3に格納する。そして、最終結果に含まれる落札者IDが自身のIDと一致するかの判断処理を「CPU」の論理演算処理によって実行し、自身の入札によって落札が成功したか否か判断する。そして自身の入札によって落札が成功したとの判断結果が出力されると、代理入札が成功したことに対する報酬額を以下のようにして決定する。
まず、算出ルール取得プログラムに従った「CPU」の演算処理によって「フラッシュメモリ」に格納されている、例えば図5に示すような算出ルールが「主メモリ」のアドレス4に読み出される。つづいて、報酬額算出プログラムにしたがって例えばオークションサーバより当該商品の平均落札相場価格などを「通信IF」を介し取得し、「主メモリ」に格納する。また最終結果にて示される落札価格も「主メモリ」の別のアドレスに格納し、「CPU」の演算処理によって平均落札相場価格に対する落札価格の割合を算出する。そして、算出した数値をキーとして、「主メモリ」のアドレス4に格納されている図5に示すような算出ルールの検索処理が「CPU」の演算処理によって実行される。そしてその結果、報酬額として、例えば「200円」が取得され、「主メモリ」のアドレス5に格納された後、「通信IF」を介して落札依頼者端末に対して当該報酬額がメール送信処理などによって通知される、と言う具合である。
<処理の流れ>
図8は、本実施例のオークション代行サーバ装置における処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。
この図にあるように、まず、オークションの出品特定情報を含む落札依頼を受付ける(ステップS0801)と、落札依頼に従って入札命令を生成する(ステップS0802)。そしてその入札命令を、例えば入札プログラムで示される入札タイミング決定ルールや入札金額設定ルールなどにしたがって実行する(ステップS0803)。
その結果、例えば落札が成功すると、入札の最終結果をオークションサーバから取得する(ステップS0805)。すると、予めフラッシュメモリなどに格納されている報酬額の算出ルールを取得し(ステップS0805)、当該算出ルールを利用して出品特定情報と最終結果とに応じた報酬額を算出する(ステップS0806)。
<効果の簡単な説明>
以上のように本実施例のオークション代行サーバ装置によって、安く落札すればするほど入札代行者への報酬が高く算出される。したがって、入札代行者に対して安く落札することのインセンティブを付与することができ、その結果、落札希望者と入札代行者双方の利益が実現されることになる。
≪実施例2≫
<概要>
本実施例は、上記実施例を基本として、代理入札の対象となるオークションの出品を特定するために、当該出品の入札ページなどのURLを利用することを特徴とするオークション代行サーバ装置である。
このように、URLによってオークションの出品を特定することで一意に入札対象を特定することができ、例えば複数入札に伴うキャンセル処理などをしなくてすむのでスムーズな入札処理を行うことが出来る。
<機能的構成>
図9は、本実施例のオークション代行サーバ装置における機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の「オークション代行サーバ装置」(0900)は、上記実施例を基本として、「落札依頼受付部」(0901)と、「入札命令生成部」(0902)と、「入札実行部」(0903)と、「最終結果取得部」(0904)と、「算出ルール格納部」(0905)と、「報酬額算出部」(0906)と、を有する。
そして、本実施例のオークション代行サーバ装置は、その落札依頼受付部がさらに「URL取得手段」(0907)を有し、また、入札命令生成部がさらに「URL入札命令生成手段」(0908)を有することを特徴とする。
「URL取得手段」(0907)は、オークションの出品を特定するために落札依頼の中から出品情報のURLを取得する機能を有する。具体的に、例えば落札依頼入力用のGUIにおいて、URLが入力されるよう構成することで実現することができる。あるいは、落札依頼にて、オークションIDなどが取得されれば、当該オークションIDなどをキーとしてネットワーク上を自動的に検索し、URLを取得するよう構成しても良い。
「URL入札命令生成手段」(0908)は、取得されたURLで特定されるオークションの出品に対して入札をするための入札命令を生成する機能を有する。なお、入札対象がURLによって一意に特定される以外、入札命令の生成そのものは実施例1の入札命令生成部にて記載したものと同様であるのでその説明は省略する。
そして本実施例では、このようにURLによって出品が一意に特定され、入札命令の生成が実行されるので、例えば複数入札に伴うキャンセル処理などをしなくてすみ、スムーズな入札処理を行うことが出来る。
<処理の流れ>
図10は、本実施例のオークション代行サーバ装置における処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。
この図にあるように、まず、オークションの出品特定情報を含む落札依頼を受付ける(ステップS1001)と、落札依頼の中から出品のURLを取得する(ステップS1002)。そして、その取得されたURLで特定されるオークションの出品に対して入札するための入札命令を生成する(ステップS1003)。そしてその入札命令を、例えば入札プログラムで示される入札タイミング決定ルールや入札金額設定ルールなどにしたがって実行する(ステップS1004)。
その結果、例えば落札が成功すると、入札の最終結果をオークションサーバから取得する(ステップS1005)。すると、予めフラッシュメモリなどに格納されている報酬額の算出ルールを取得し(ステップS1006)、当該算出ルールを利用して出品特定情報と最終結果とに応じた報酬額を算出する(ステップS1007)。
<効果の簡単な説明>
以上のように、本実施例のオークション代行サーバ装置によって、落札依頼に含まれるURLによって出品が一意に特定され、入札命令の生成が実行されるので、例えば複数入札に伴うキャンセル処理などをしなくてすみ、スムーズな入札処理を行うことが出来る。
≪実施例3≫
<概要>
本実施例は、上記実施例1を基本として、商品名等の商品IDによって入札対象を特定することを特徴とするオークション代行サーバ装置である。つまり、URLによって一意に入札対象を特定する実施例2のオークション代行サーバ装置と異なり、入札対象の特定に商品IDを利用することで、本実施例では同じ商品が複数出品されていれば、例えば図11に示すようにそれら全て(あるいは一部)を対象とした複数入札を行うことを特徴とする。
このように構成することで、複数の落札成功の際にキャンセル処理などの手間がかかる一方で、落札成功の可能性を高めることができる。
<機能的構成>
図12は、本実施例のオークション代行サーバ装置における機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の「オークション代行サーバ装置」(1200)は、上記実施例を基本として、「落札依頼受付部」(1201)と、「入札命令生成部」(1202)と、「入札実行部」(1203)と、「最終結果取得部」(1204)と、「算出ルール格納部」(1205)と、「報酬額算出部」(1206)と、を有する。
そして、本実施例のオークション代行サーバ装置は、その落札依頼受付部がさらに「商品ID受付手段」(1207)を有し、また、入札命令生成部がさらに「特定商品出品情報取得手段」(1208)と「特定商品入札命令生成手段」(1209)を有することを特徴とする。
「商品ID受付手段」(1207)は、落札依頼の中からオークションに出品されている商品を特定するために商品IDを受付ける機能を有する。「商品ID」とは、商品を識別するための情報をいい、例えば商品名や商品の型番などが挙げられる。
また、この商品ID受付手段は具体的に、例えば落札依頼入力用のGUIにおいて、商品IDが入力されるよう構成することで実現することができる。あるいは、落札依頼にて、オークションIDやURLなどが取得されれば、当該オークションIDなどをキーとしてネットワーク上を自動的に検索し、そこで出品されている商品の商品名などの商品IDを取得するよう構成しても良い。
「特定商品出品情報取得手段」(1208)は、取得された商品IDに基づいて特定される商品の一以上の出品情報をオークションサーバ装置から取得する機能を有する。この「特定商品出品情報取得手段」における上記機能は、例えば以下のようにして実現する方法が挙げられる。すなわちオークション代行サーバ装置がプログラムにしたがって、予め登録されフラッシュメモリに格納されているオークションサイトのURLを参照し、当該サイトへのアクセスを実行する。そしてオークションサイトの出品検索機能などを利用して、取得した商品ID、例えば「バッグA」を検索キーとする検索の要求処理を実行し、その検索結果として特定商品出品情報を取得する、と言う具合である。
あるいは、オークションサイトに係るオークションサーバ装置にて管理されている図13に示すようなオークション管理用のマスタデータを、本実施例のオークション代行サーバ装置に送信するよう構成しても良い。そしてオークション代行サーバ装置では、特定商品出品情報取得プログラムにしたがって、商品ID、例えば「バッグA」をキーとする管理マスタデータの検索処理を実行し、特定商品出品情報として、そのURL「http://a.com/01abf」や「http://a.com/24ebc」などを取得すると良い。
また、一のオークションサイトのみならず、その他のオークションサイトに対しても続けてアクセスし、同様の検索要求の実行によって特定商品出品情報、例えば図13に示すオークションサイトBからバッグAの出品URL「http://b.com/・・・」を取得しても良い。
「特定商品入札命令生成部」(1209)は、取得した一以上の特定商品出品情報で特定される一以上のオークションの出品のいずれかに対して入札命令を生成する機能を有する。
このようにして同じ商品IDで示される出品が複数あれば、それら全て(あるいは一部)を対象とした複数入札を行うことができる。したがって複数の落札成功の際にキャンセル処理などの手間がかかる一方で、落札成功の可能性を高めることができる。
<処理の流れ>
図14は、本実施例のオークション代行サーバ装置における処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。
この図にあるように、まず、オークションの出品特定情報を含む落札依頼を受付ける(ステップS1401)と、落札依頼の中から商品IDを取得する(ステップS1402)。そして、その取得された商品IDに基づいて特定される一以上のオークションの出品情報をオークションサーバ装置から取得し(ステップS1403)、その取得した一以上のオークションの出品のいずれかに対して入札するための入札命令を生成する(ステップS1404)。そしてその入札命令を、例えば入札プログラムで示される入札タイミング決定ルールや入札金額設定ルールなどにしたがって実行する(ステップS1405)。
その結果、例えば落札が成功すると、入札の最終結果をオークションサーバから取得する(ステップS1406)。すると、予めフラッシュメモリなどに格納されている報酬額の算出ルールを取得し(ステップS1407)、当該算出ルールを利用して出品特定情報と最終結果とに応じた報酬額を算出する(ステップS1408)。
<効果の簡単な説明>
以上のように、本実施例のオークション代行サーバ装置によって、同じ商品IDで示される出品が複数あれば、それら全て(あるいは一部)を対象とした複数入札を行うことができる。したがって複数の落札成功の際にキャンセル処理などの手間がかかる一方で、落札成功の可能性を高めることができる。
≪実施例4≫
<概要>
図15は、本実施例のオークション代行サーバ装置における報酬額算出処理の一例を説明するための概念図である。この図にあるように、ある出品においては「バッグA」を落札するとチェーンアクセサリーが落札の「おまけ商品」としてプレゼントされる、という具合に出品者のサービスが提供されていることがある。このように出品商品に「おまけ商品」を付ける事は、他の同様出品との差別化を図るためによく行われている。すなわち、同様の商品が複数の出品者から多数出品されている場合など、それらの落札額は通常平均的なものになってしまい、そのまま出品したのでは出品者にとって自らの商品を差別化することが難しい。そこで出品者は差別化のために「おまけ商品」を付けて商品を出品する、というわけである。
そこで本実施例のオークション代行サーバ装置では、代理落札によってこのような「おまけ」つきの商品が落札された場合に、通常よりも増額などするように報酬額の算出処理を行うことを特徴とする。
<機能的構成>
図16は、本実施例のオークション代行サーバ装置における機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の「オークション代行サーバ装置」(1600)は、上記実施例3を基本として、「落札依頼受付部」(1601)と、「入札命令生成部」(1602)と、「入札実行部」(1603)と、「最終結果取得部」(1604)と、「算出ルール格納部」(1605)と、「報酬額算出部」(1606)と、「商品ID受付手段」(1607)と、「特定商品出品情報取得手段」(1608)と、「特定商品入札命令生成手段」(1609)を有する。
そして、本実施例のオークション代行サーバ装置は、報酬額算出部がさらに「落札商品ID取得手段」(1610)と、「判断部」(1611)と、「おまけ商品落札価格情報取得手段」(1612)と、「おまけ付報酬額算出手段」(1613)と、を有することを特徴とする。
「落札商品ID取得手段」(1610)は、最終結果から落札されることで譲渡対象となる商品IDを取得する機能を有する。この落札商品ID取得部は、例えば、図17に示すように、おまけ商品も含めた商品IDが最終結果に含まれていれば、その最終結果から取得する方法が挙げられる。また、その他にもオークションサイトの出品ページの紹介文章や出品データなどを形態素解析することで落札時に譲渡対象となる商品名などを取得するよう構成しても良い。具体的には、出品ページの紹介文やオークションサーバに保管されている出品データなどを取得し、それらデータ中に含まれる品番や商品名を、形態素解析及びパターンマッチング(典型的な商品名や品番列をパターンとする、あるいは、「商品」、「おまけ」などの指示的用語をパターンとし、それに隣接する名詞を抽出する)などの各種言語解析処理によって抽出し、落札商品IDを取得する、という具合である。
「判断手段」(1611)は、落札商品ID取得手段にて取得された商品IDと、落札依頼受付部の商品ID受付手段に受付けられた商品IDとを比較して、その結果落札依頼受付部の商品ID受付手段にて受付けられた商品ID以外の商品IDが落札商品IDに含まれているか判断する機能を有する。具体的にはCPUと判断プログラムなどによって実現され、判断プログラムに従ったCPUの論理演算処理によって商品IDの一致/不一致の判断処理を行い、落札商品IDにて取得された商品IDのうち、不一致との判断結果が出力された商品IDを特定する方法が挙げられる。そして、本実施例では、そのように特定された商品を「おまけ商品」ととらえて、以下の構成によって報酬額算出に反映させることを特徴とする。
「おまけ商品落札価格情報取得手段」(1612)は、判断手段での判断結果が含まれているとの判断結果である場合にはその商品IDで特定される商品であるおまけ商品の過去の落札結果をオークションサーバ装置から取得し、その落札価格情報を取得する機能を有する。
具体的には、例えば前記判断手段での判断処理の結果「おまけ商品」として特定された商品IDをオークションサーバ装置などに送信し、その商品IDで示される商品の過去の落札履歴データを受信することで取得する方法などが挙げられる。
図18は、上記オークションサーバ装置から返信された、あるおまけ商品の過去の落札価格の履歴データの一例を表す図である。この図にあるように、例えば過去1年間での当該おまけ商品の落札価格は、「520円」、「100円」、「240円」、・・・という具合である。そして、このデータから、例えばCPUの演算処理によって平均値や中央値などを算出することで、おまけ商品の落札価格情報を取得する、と言う具合である。
なおこのようなおまけ商品の過去の落札履歴データの取得は、オークション代行サーバ装置がこのような商品IDごとの落札価格のデータベースをHDDなどに保持しており、自身の保持するデータベースを参照すること実現されるよう構成しても良い。
「おまけ付報酬額算出手段」(1613)は、出品特定情報と最終結果の他におまけ商品の落札価格情報にも基づいて報酬額を算出する機能を有する。具体的には、図5に示すような報酬額算出用データと同様に、過去の落札価格平均と報酬額とを関連付けた「おまけ商品用テーブルデータ」を別途HDDなどに保持しておき、算出したおまけ商品に対する報酬額を落札依頼商品に対する報酬額に加算することで報酬額を算出する方法などが挙げられる。
また、例えば落札依頼にて、依頼者が所望するおまけ商品の商品IDを取得可能に構成し(例えばGUIにて入力させるなど)、当該おまけ商品IDにて特定される商品がおまけ商品であった場合にのみ、上記おまけ付の報酬額算出処理が実行されるよう構成しても良い。あるいはおまけ付の報酬額は増額するのみならず、落札依頼者の選択によって減額する方向でその報酬額が算出されるよう構成しても良い。
<ハードウェア構成>
図19は、上記機能的な各構成要件をハードウェアとして実現した際の、オークション代行サーバ装置における構成の一例を表す概略図である。この図を利用しておまけ付商品の代理落札成功に対する報酬額決定処理におけるそれぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。
この図にあるように、オークション代行サーバ装置は、実施例1で説明したように「CPU」(1901)と、「主メモリ」(1902)と、「フラッシュメモリ」(1903)と、「通信IF」(1904)と、を備えている。そして例えば上記「CPU」と「主メモリ」によって特定商品入札命令生成手段、判断手段、おまけ付報酬額算出手段が実現されている。また例えば「通信IF」によって商品ID受付手段、特定商品出品情報取得手段、落札商品ID取得手段、おまけ付商品落札価格取得手段が実現されている。
ここで、上記実施例1にて説明したような各ハードウェア構成の処理によって落札依頼が受付けられると、商品ID受付プログラムに従った「CPU」の演算処理によって落札依頼に含まれる商品IDが「主メモリ」のアドレス1に格納される。つづいて特定商品出品情報取得プログラムにしたがって、予め保持されているオークションサーバ装置のIPアドレスなどを利用して、その商品IDが特定商品出品情報の検索リクエストとして「通信IF」からオークションサーバ装置へと送信される。
オークションサーバ装置では、受信した商品IDを検索キーとする検索処理を行う。そして検索処理に該当する出品が複数あれば、その複数の出品URLやオークションIDなどの情報を特定商品出品情報として取得し、リクエストを送信してきたオークション代行サーバ装置に対して返信する。
オークション代行サーバ装置では、「通信IF」にて返信されてきた複数の特定商品出品情報を受信すると、特定商品出品情報取得プログラムにしたがって、その特定商品出品情報を「主メモリ」のアドレス2に格納する。続いて、特定商品入札命令生成プログラムに従った「CPU」の演算処理によって、複数の特定商品出品情報で示される出品URLそれぞれを送信先とする、複数の特定商品入札命令を生成し、「主メモリ」のアドレス3に格納する。
そして、実施例1で記載したような入札命令実行プログラムに従った処理によって入札処理が実行され、落札が成功すると、その旨を通知するための入札の最終結果が「通信IF」によって受信される。すると、本実施例のオークション代行サーバ装置では、落札商品ID取得プログラムに従った「CPU」の論理演算処理によって、最終結果に含まれる(複数の)落札商品IDが取得され、「主メモリ」のアドレス4などに格納される。
続いて、判断プログラムに従った「CPU」の論理演算処理によって、「主メモリ」のアドレス1に格納されている商品IDと、アドレス4などに格納されている(複数の)落札商品IDとが一致するか否かの判断処理が実行される。その結果、一の商品ID同士が一致し、それ以外の落札商品IDが不一致との判断結果が出力された場合、その不一致とされた落札商品IDに対して「おまけ商品」フラグが付加され、「主メモリ」の所定アドレスに格納される。
すると、今度はおまけ商品落札価格情報取得プログラムが「CPU」にて解釈され、以下の処理が実行される。すなわち、おまけ商品フラグが付加された落札商品IDを、例えばオークションサーバ装置に対しておまけ商品落札価格情報の検索リクエストとして送信する。
オークションサーバ装置では、受信したおまけの落札商品IDを検索キーとして過去の商品の落札履歴データベースを検索し、当該おまけの落札商品に関するおまけ商品の落札履歴を取得する。そしてそのデータを利用してCPUなどの演算処理によって平均値や中央値を算出し、おまけ商品落札価格情報を取得する。そしてそのおまけ商品落札価格情報を、リクエストを送信してきたオークション代行サーバ装置に対して返信する。
オークション代行サーバ装置では、「通信IF」にて受信したそのおまけ商品落札価格情報を「主メモリ」のアドレス5に格納する。すると、続いておまけ付報酬額算出プログラムが「CPU」によって解釈される。そしてプログラムの解釈結果に従って、まず「フラッシュメモリ」に格納されているおまけ商品に関する報酬額の算出ルールが読み出される。そして、例えばおまけ商品落札価格情報をキーとして前述のおまけ商品用の報酬額テーブルデータを検索し、おまけ商品の平均落札価格に対応した報酬額などを算出し、「主メモリ」のアドレス7に格納する、と言う具合である。そして実施例1で説明したような処理によって算出された報酬額と、上記のように「主メモリ」のアドレス7に格納されているおまけ商品の報酬額と、の加算処理が「CPU」の演算処理によって実行される。そしてその演算結果が報酬額として「通信IF」を介して落札依頼者端末に対して当該報酬額がメール送信処理などによって通知される、と言う具合である。
<処理の流れ>
図20は、本実施例のオークション代行サーバ装置における処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。
この図にあるように、まず、図14のステップS1405(商品IDで特定される出品に対する入札命令の実行)までの処理が実行される。
その結果、例えば落札が成功すると、入札の最終結果をオークションサーバから取得する(ステップS2001)。すると、入札の最終結果から落札商品IDを取得し(ステップS2002)、落札商品IDと、依頼を受付けた商品IDとの比較処理が「CPU」の論理演算処理によって実行される(ステップS2003)。その結果、受付けた商品ID以外のIDが落札商品IDに含まれている場合(ステップS2004)、その商品IDで特定されるおまけ商品の過去の落札結果をオークションサーバ装置から取得する(ステップS2005)。そして、取得した過去の落札結果から、おまけ商品落札価格情報を取得する(ステップS2006)。続いて予め格納されている報酬額の算出ルールを取得し(ステップS2007)、算出ルールを利用して、出品特定情報と最終結果と、おまけ商品落札価格情報と、に応じた報酬額を算出する(ステップS2008)。
<効果の簡単な説明>
以上のように本実施例のオークション代行サーバ装置によって、代理落札にて「おまけ」つきの商品が落札された場合に、通常よりも増額/減額などしておまけが付加されていることも加味して報酬額の算出処理を行うことができる。
≪実施例5≫
<概要>
図21は、本実施例のオークション代行サーバ装置における報酬額の算出ルールの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例では、報酬額をG、落札価格をB、開始価格をS、落札限定額をM、報酬最大額をRとして、「G={(M−B)/(M−S)}×R」という関数によって報酬額を算出することを特徴とする。そして、この算出式においては、図に示すように落札価格が高くなればなるほど報酬額が低く算出されるので、本実施例によってできるだけ安く落札したいという落札依頼者と、報酬額を多くしたいという落札代行者と、双方の利益を実現することができる。
<機能的構成>
図22は、本実施例のオークション代行サーバ装置における機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の「オークション代行サーバ装置」(2200)は、上記実施例1を基本として、「落札依頼受付部」(2201)と、「入札命令生成部」(2202)と、「入札実行部」(2203)と、「最終結果取得部」(2204)と、「算出ルール格納部」(2205)と、「報酬額算出部」(2206)と、を有する。なお、上記実施例2や3、4を基本として、上記その他の構成要件を有していても良い。なお、それら各構成要件は、上記記載済みであるので説明は省略する。
そして本実施例のオークション代行サーバ装置の特徴点は、算出ルール格納部に格納されている算出ルールが「報酬額(G)={(M−B)/(M−S)}×R」の関数(式(1))で表される点と、報酬額算出部がさらに「落札限度額取得手段」(2207)と「落札額取得手段」(2208)と「報酬最大額受付手段」(2209)と「開始価格取得手段」(2210)とを有する点である。
「落札限度額取得手段」(2207)は、落札依頼から落札限度額(M)を取得する機能を有し、例えばGUIなどで落札限度額の入力フォームを表示することで取得する方法などが挙げられる。
「落札額取得手段」(2208)は、最終結果から落札額(B)を取得する機能を有し、図4に示すような落札結果から、例えば「落札額」などのタグデータで示される金額データを取得する方法などが挙げられる。
「報酬最大額受付手段」(2209)は、報酬最大額(R)の入力を受付ける機能を有する。この報酬最大額については、例えば落札依頼者の端末にてその入力をGUIなどを利用して受付けても良いし、落札代行者の端末にてその入力を受付けても良い。また、その金額について、例えば定額を最大額の閾値として設けたり、基本料金+商品相場金額の所定パーセントを最大額の閾値として設けたりしても良い。
「開始価格取得手段」(2210)は、落札依頼から開始価格(S)を取得する機能を有する。具体的には、落札依頼の入力用GUIに開始価格を入力する欄を設けることで開始価格を取得するよう構成する方法が挙げられる。あるいは、複数出品されている商品が落札依頼の対象となっていて、落札依頼時にはそのうちのいずれが落札商品になるか分からないため、落札依頼時点では開始価格が特定できない場合もある。そのような場合には例えば落札依頼に応じてオークションサーバ装置から送信される図4に示すような落札結果から、例えば「開始金額」などのタグデータで示される金額データを取得する方法なども挙げられる。あるいは、落札依頼に応じて実際に落札した商品が決定した後に、その落札商品の出品データや入札用ページの紹介文データなどを取得し、それらデータから開始価格を抽出、取得する方法なども挙げられる。
そして以上のようにして取得した「落札額(B)」、「落札限度額(M)」、「報酬最大額(R)」、「開始価格(S)」を、算出ルール格納部に格納されている算出ルール「報酬額(G)={(M−B)/(M−S)}×R」に代入して演算処理が実行されることで、報酬額が算出される、と言う具合である。
<ハードウェア構成>
図23は、上記機能的な各構成要件をハードウェアとして実現した際の、オークション代行サーバ装置における構成の一例を表す概略図である。この図を利用して上記式(1)を利用した報酬額決定処理におけるそれぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。
この図にあるように、オークション代行サーバ装置は、実施例1などと同様に「CPU」(2301)と、「主メモリ」(2302)と、「フラッシュメモリ」(2303)と、「通信IF」(2304)と、を備えている。そして例えば上記「CPU」と「主メモリ」によって落札限度額取得手段、落札額取得手段、報酬最大額受付手段、開始価格取得手段が実現されている。
ここで実施例1にて説明したように「通信IF」にて取得した落札依頼から、例えば落札限度額取得プログラム、報酬最大額受付プログラム、開始価格取得プログラムなどに従った「CPU」の処理によってタグデータを参照することで、それぞれ落札限度額(M)、落札額(B)、報酬最大額(R)が取得される。そして、それぞれ「主メモリ」のアドレス1から3に格納される。なお、上記報酬最大額や開始価格が落札依頼中に含まれない構成であれば、別途GUIなどを介して入力された上記数値データを「通信IF」から取得するよう構成すると良い。また、報酬最大額は、落札依頼者端末からのみならず、図示しない代理落札者端末から入力され取得しても良いし、予め報酬最大額が設定などされていれば、「フラッシュメモリ」にその値を格納しておき、必要に応じて「主メモリ」に読み出す構成としても良い。
そして、実施例1などで説明したように落札依頼に基づく入札処理が実行され、落札が成功すると、オークションサーバ装置から送信されてくる入札の最終結果が「通信IF」にて受信される。すると、落札額取得プログラムに従った「CPU」の演算処理によって最終結果に含まれる落札額が「主メモリ」のアドレス4に格納される。
つづいて図示しない報酬額算出プログラムに従い「フラッシュメモリ」に格納されている算出ルール「報酬額(G)={(M−B)/(M−S)}×R」(式(1))が「主メモリ」のアドレス5に読み出される。そして、「主メモリ」のアドレス1から4に格納されている数値データが、それぞれ式(1)の該当する代数部分に代入され、「CPU」の演算処理によって報酬額(G)が算出される、と言う具合である。
<処理の流れ>
図24は、本実施例のオークション代行サーバ装置における処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。
この図にあるように、まず、オークションの出品特定情報を含む落札依頼を受付ける(ステップS2401)と、落札依頼から落札限度額(M)を取得する(ステップS2402)。また、落札依頼を利用して開始価格(S)を取得する(ステップS2403)。また、報酬最大額(R)の入力を受付け、報酬最大額を取得する(ステップS2404)。
また、落札依頼に従って入札命令を生成する(ステップS2405)。そしてその入札命令を、例えば入札プログラムで示される入札タイミング決定ルールや入札金額設定ルールなどにしたがって実行する(ステップS2406)。
その結果、例えば落札が成功すると、入札の最終結果をオークションサーバから取得し(ステップS2407)、最終結果から落札額(B)を取得する(ステップS2408)。そして予めフラッシュメモリなどに格納されている報酬額の算出ルールである式(1)をから報酬額(G)を算出する(ステップS2409)。
<効果の簡単な説明>
以上のように本実施例のオークション代行サーバ装置によって、落札価格が高くなればなるほど報酬額が低く算出されるので、本実施例によってできるだけ安く落札したいという落札依頼者と、報酬額を多くしたいという落札代行者と、双方の利益を実現することができる。
≪実施例6≫
<概要>
図25は、本実施例のオークション代行サーバ装置における報酬額の算出処理の一例を説明するための図である。この図にあるように、本実施例のオークション代行サーバ装置では、落札商品の同種商品の過去の履歴から落札額の分布を算出する。そして、当該分布の標準偏差から安い方に外れるほど報酬額が高くなり、逆に高く外れるほど報酬額が安くなるよう、その報酬額を決定する、という具合である。
<機能的構成>
図26は、本実施例のオークション代行サーバ装置における機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の「オークション代行サーバ装置」(2600)は、上記実施例1を基本として、「落札依頼受付部」(2601)と、「入札命令生成部」(2602)と、「入札実行部」(2603)と、「最終結果取得部」(2604)と、「算出ルール格納部」(2605)と、「報酬額算出部」(2606)と、を有する。なお、上記実施例2や3、4を基本としてその他の構成要件を有していても良い。なお、それら各構成要件は、上記記載済みであるので説明は省略する。
そして本実施例のオークション代行サーバ装置の特徴点は、報酬額算出部がさらに「落札履歴取得手段」(2607)と「偏差値算出手段」(2608)と「偏差値テーブル格納手段」(2609)と「偏差値報酬額決定手段」(2610)とを有する点である。
「落札履歴取得手段」(2607)は、同種商品の過去の落札履歴を取得する機能を有する。この落札履歴取得手段は、例えば落札した商品IDを利用してオークションサーバ装置に検索リクエストを送信し、その検索結果を受信する構成などによって実現できる。
「偏差値算出手段」(2608)は、取得した落札履歴と、最終結果とに基づいて最終結果で得られた落札価格が落札履歴全体で示される落札価格分布中における偏差値を求める機能を有し、例えばCPUや主メモリなどの演算装置によって実現することが出来る。
「偏差値テーブル格納手段」(2609)は、偏差値に応じて報酬額を定める偏差値テーブルを格納する機能を有する。
図27はこの偏差値テーブルの一例を表す図である。この図にあるように、例えば落札価格の偏差値が、標準偏差+3σ以上であれば報酬額は最大値の100%と算出される。一方標準偏差−3σ以下であれば報酬額が最大値の10%と算出される、と言う具合の算出ルールである。
「偏差値報酬額決定手段」(2610)は、算出された偏差値と、偏差値テーブルとに基づいて報酬額を決定する機能を有し、例えばCPUと主メモリなどの演算装置で実現することが出来る。具体的に、例えば偏差値算出手段で算出された落札価格の偏差値をキーとして、図に示すような偏差値テーブルの検索処理をCPUの論理演算処理によって実行し、その偏差値に対応する報酬額が算出される、という具合である。
以上のように、本実施例のオークション代行サーバ装置では、分布と偏差値を利用して代理落札の報酬額を算出する。したがって、報酬最大額と落札額以外の報酬額決定要因が落札依頼者や落札代行者の意図に左右されないため、公平な報酬額を算出することが出来る。
<ハードウェア構成>
図28は、上記機能的な各構成要件をハードウェアとして実現した際の、オークション代行サーバ装置における構成の一例を表す概略図である。この図を利用して偏差値テーブルを利用した報酬額決定処理におけるそれぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。
この図にあるように、オークション代行サーバ装置は、実施例1などと同様に「CPU」(2801)と、「主メモリ」(2802)と、「フラッシュメモリ」(2803)と、「通信IF」(2804)と、を備えている。そして例えば上記「CPU」と「主メモリ」によって落札履歴取得手段、偏差値算出手段、偏差値報酬額決定手段が実現されている。また、例えば「フラッシュメモリ」によって偏差値テーブル格納手段が実現されている。商品IDが取得され「主メモリ」のアドレス1に格納される。そして、それに応じて入札命令の生成や入札処理が実行される。
その後、落札が成功し、入札の最終結果を取得すると、本実施例のオークション代行サーバ装置は、以下の処理を実行する。すなわち落札履歴取得プログラムに従った「CPU」の処理によって商品IDを用いた当該商品の過去の落札履歴の検索リクエストを生成し、「通信IF」からオークションサーバ装置に送信する。そして、そのリクエストに応じて返信された当該商品の過去の落札履歴を「通信IF」にて受信し、「主メモリ」のアドレス2に格納する。
つづいて、偏差値算出プログラムに従い、まず例えばタグデータなどを参照し入札の最終結果から落札価格を取得し、「主メモリ」のアドレス3に格納する。続いて、「CPU」の演算処理によって落札価格が落札履歴全体で示される落札価格分布中における偏差値を算出し、「主メモリ」のアドレス4に格納する。そして、最後に偏差値報酬額決定プログラムに従った「CPU」の演算処理によって、偏差値をキーとして「フラッシュメモリ」に格納されている偏差値テーブルの検索処理が実行される。そして、その検索の結果、偏差値に対応する報酬額が取得され、「主メモリ」のアドレス5に格納される、と言う具合である。
<処理の流れ>
図29は、本実施例のオークション代行サーバ装置における処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。
この図にあるように、まず、例えば図8のステップS0803(商品IDで特定される出品に対する入札命令の実行)までの処理が実行される。
その結果、例えば落札が成功すると、入札の最終結果をオークションサーバから取得する(ステップS2901)。つづいて入札の最終結果から例えば落札商品IDを取得するなどして、その商品IDなどを含むリクエストをオークションサーバ装置に送信する。そしてそのリクエストに応じて返信されてきた同種商品の過去の落札履歴を取得する(ステップS2902)。そして、取得した過去の落札履歴と、最終結果にて示される落札価格とから偏差値を算出する(ステップS2903)。そして、予め格納されている偏差値テーブルと、求めた偏差値と、に基づいて報酬額を算出する(ステップS2904)。
<効果の簡単な説明>
以上のように、本実施例のオークション代行サーバ装置によって、分布と偏差値を利用して代理落札の報酬額を算出することができる。したがって、報酬最大額と落札額以外の報酬額決定要因が落札依頼者や落札代行者の意図に左右されないため、公平な報酬額を算出することが出来る。
≪実施例7≫
<概要>
本実施例は、上記実施例を基本として、図30に示すように代理落札によって落札された商品に例えば傷などの商品価値を下げるような瑕疵があった場合などに、その代理落札に対する報酬額を減額するなどの機能を備えるオークション代行サーバ装置である。
<機能的構成>
図31は、本実施例のオークション代行サーバ装置における機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の「オークション代行サーバ装置」(3100)は、上記実施例1を基本として、「落札依頼受付部」(3101)と、「入札命令生成部」(3102)と、「入札実行部」(3103)と、「最終結果取得部」(3104)と、「算出ルール格納部」(3105)と、「報酬額算出部」(3106)と、を有する。なお、上記実施例2から6を基本としてその他の構成要件を有していても良い。なお、それら各構成要件は、上記記載済みであるので説明は省略する。
そして、本実施例のオークション代行サーバ装置の特徴点は、報酬額算出部がさらに「商品状態情報取得手段」(3107)と、「商品状態依存算出手段」(3108)と、を有する点である。
「商品状態情報取得手段」(3107)は、出品特定情報に基づいて落札対象となる商品の商品状態情報を取得する機能を有する。「商品状態情報」とは、傷やいたみ具合などを示す情報をいい、例えば傷や痛みなどが商品の全表面積上に占める割合や、痛み具合などをランク付けした指数情報などが挙げられる。
またその商品状態情報の取得は、例えば落札商品の出品紹介ページなどの紹介文を形態素解析し、その中に「痛み」「傷」「汚れ」「難」などの単語を抽出し、その単語や前後の単語から点数を付与するなどの方法で取得しても良い。あるいは出品時に予め状態を示す指数をGUIを介して入力などさせておき、その入力された指数を商品状態情報として入札の最終結果に含み通知することで取得する方法なども挙げられる。
「商品状態依存算出手段」(3108)は、取得した商品状態情報をも利用して報酬額を算出する機能を有する。この商品状態依存算出手段は、例えば商品状態情報と減額率などを関連付けたテーブルデータを利用して、商品状態情報で示される分だけ報酬額を減額する、などの処理を行う。
<処理の流れ>
図32は、本実施例のオークション代行サーバ装置における処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。
この図にあるように、まず、例えば図8のステップS0803(商品IDで特定される出品に対する入札命令の実行)までの処理が実行される。
その結果、例えば落札が成功すると、入札の最終結果をオークションサーバから取得する(ステップS3201)。つづいて出品特定情報に基づいて商品状態情報を取得する(ステップS3202)。そして、予め格納されている報酬額の算出ルールを取得し(ステップS3203)、その算出ルールを利用して、出品特定情報と、最終結果と、商品状態情報と、に基づいて報酬額を算出する(ステップS3204)。
<効果の簡単な説明>
以上のように、本実施例のオークション代行サーバ装置によって、 本実施例は、上記実施例を基本として、代理落札によって落札された商品に例えば傷などの商品価値を下げるような瑕疵があった場合などに、その代理落札に対する報酬額を減額することなどができる。