JP4835609B2 - レジオネラ属菌の管理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、レジオネラ属菌の管理方法に関する。より詳しくは、循環水系におけるレジオネラ属菌の管理をより簡便に、効率的に行う技術に関する。
レジオネラ属菌は、自然界の土壌中や淡水中に生息する好気性グラム陰性桿菌で、他の細菌類や藻類の代謝産物を利用し、アメーバなどの細菌捕食性原生動物等に寄生して増殖する細菌である。
レジオネラ属菌は、土埃や補給水に含まれて混入することにより、冷却塔や循環式浴槽等の人工環境水を汚染すると考えられている。そして、この人工環境水中で、アメーバなどの細菌捕食性原生動物を宿主として、或いは、バイオフィルム(生物膜)中で増殖・定着することが近年分かってきた。
これらのレジオネラ属菌を含有する人工環境水に、ヒトが直接接触したり(接触感染)、或いは、レジオネラ属菌を含有する人工環境水がエロゾルを形成してヒトに空気感染することにより、レジオネラ属菌はヒトに侵入して、レジオネラ症を発症することがある。
このレジオネラ症は、その臨床的症状から、重症肺炎であるレジオネラ肺炎と、一過性の発熱が見られるポンティアック熱に分けられ、特に、レジオネラ肺炎は、傾眠、昏睡、幻覚などの中枢神経症状を初期から合併する場合も多く、死亡率の高い疾患である。
冷却塔や循環式浴槽等の人工環境水は、自然界の水に比べて高い水温になることが多いため、レジオネラ属菌等の微生物が増殖し易い環境である。そのため、これらの人工環境水中のレジオネラ属菌等の微生物の徹底した管理が求められている
レジオネラ属菌の管理方法として、例えば、特許文献1では、循環水として軟水を用い、かつ、アルカリ金属の炭酸水素塩、アルカリ金属の炭酸塩およびアルカリ金属の水酸化物からなる群から選ばれた少なくとも一つのアルカリ金属化合物を循環水へ添加することにより循環水のpHを9.0以上に維持することで、レジオネラ属菌の繁殖を抑制する技術が開示されている。
その他、環境水中からレジオネラ属菌が検出された場合の除菌方法として、特許文献2では、下記化学式1で表される化合物を水系中に添加することにより、従来のレジオネラ属菌用の殺菌剤では除菌できなかったようなアメーバ共存下の水系中のレジオネラ属菌を効果的に除菌できる技術が開示されている。
Figure 0004835609
ところで、従来、レジオネラ属菌を管理する際のレジオネラ属菌の検出は、環境水中のレジオネラ属菌数を培養法等で測定する方法が一般的である。例えば、特許文献3では、水中のレジオネラ属菌を平板培地による培養法によって検出するレジオネラ属菌の検査方法であって、検査対象サンプルを酸性リン酸緩衝液で処理する酸処理工程を有することで、レジオネラ属菌以外の微生物の影響を受けにくく、より正確なレジオネラ属菌の検査が可能な技術が開示されている。
また、培養法以外の方法としては、環境水中のレジオネラ属菌を、PCR(Polymerase Chain Reaction)法、LAMP(Loop-Mediated Isothermal Amplification)法(特許文献4参照)、イムノアッセイなどを用いて、検出する方法が行われている。
特開2006−175298号公報 特開2006−21105号公報 特開2005−237275号公報 特開2005−265680号公報
前記の通り、従来レジオネラ属菌の管理は、環境水中のレジオネラ属菌の検出結果に基づいて、循環水中のレジオネラ属菌を除菌することにより行われている。
しかし、従来の方法では、環境水中からレジオネラ属菌が検出されない限り、除菌等の対策を取ることができず、確実にレジオネラ属菌を管理することができない。特に、培養法を用いたレジオネラ属菌の検出では、培養に5〜7日程度必要であるため、レジオネラ属菌が検出された場合には、対策の遅れが問題となっている。
また、PCR(Polymerase Chain Reaction)法、LAMP(Loop-Mediated Isothermal Amplification)法を用いれば、培養法に比べて、迅速な検出を行うことができるが、測定方法が煩雑であり、現場で迅速に検査することができない。
一方、イムノアッセイを用いる方法は、前記PCR(Polymerase Chain Reaction)法、LAMP(Loop-Mediated Isothermal Amplification)法に比べれば、測定方法は簡便であるが、環境水中のレジオネラ属菌を検出するためには、濃縮等の操作が必要であり、また、環境水を用いているため事後的な対応となることには変わりなく、対策の遅れの問題は解決できない。
そこで、本発明では、循環水系におけるレジオネラ属菌の管理をより簡便に、より効率的に行うことが可能な技術を提供することを主目的とする。
本願発明者らは、上記課題を解決すべく、循環水系におけるレジオネラ属菌の管理方法について鋭意研究を行った。その結果、従来の「環境水中のレジオネラ属菌の検出結果に基づいてレジオネラ属菌の管理をする」という常識から発想を転換することにより、循環水系における堆積物及び/又は生物膜中のレジオネラ属菌と、環境水中のレジオネラ属菌とが相関関係を示すことを見出し、本発明に係るレジオネラ属菌の管理方法を完成させた。
本発明では、まず、循環水系におけるレジオネラ属菌の管理方法であって、
循環水系の堆積物及び/又は生物膜中のレジオネラ属菌をイムノアッセイにより検出する検出ステップと、
該検出ステップにおける検出結果に基づき前記循環水系の殺菌処理の必要性を判定する判定ステップと、
を少なくとも行うレジオネラ属菌の管理方法を提供する。
本発明に係るレジオネラ属菌の管理方法では、前記検出ステップ及び/又は判定ステップの結果に基づき前記殺菌処理の制御を行う制御ステップを更に行うことも可能である。
前記検出ステップでは、堆積物及び/又は生物膜中から採取されたサンプルを用いてイムノアッセイによりレジオネラ属菌を検出すれば、そのサンプルの形態は特に限定されないが、1%以上の懸濁物質(Suspended Solid:SS)を少なくとも含むサンプルを用いるとより好適である。
本発明に係るレジオネラ属菌の管理方法は、あらゆる循環水系に用いることができるが、一例を挙げると、開放循環式冷却水系、蓄熱槽、循環式浴槽中のレジオネラ属菌の管理に、好適に用いることが可能である。
本発明に係るレジオネラ属菌の管理方法は、環境水としてヒト等が接触する前段階において、レジオネラ属菌を迅速に検出し、その結果を用いて殺菌処理を行うため、レジオネラ属菌の管理を簡便に、効率的に、かつ確実に行うことができる。
以下、本発明を実施するための好適な形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
図1は、本発明に係るレジオネラ属菌の管理方法の概要を示すフロー図である。本発明に係るレジオネラ属菌の管理方法は、レジオネラ属菌をイムノアッセイにより検出する検出ステップ(I)と、殺菌処理の必要性を判定する判定ステップ(II)と、を少なくとも行う方法である。以下、各ステップについて、詳細に説明する。
(I)検出ステップ
検出ステップ(I)では、循環水系の堆積物及び/又は生物膜中のレジオネラ属菌について、イムノアッセイによる検出を行う。
従来のレジオネラ属菌の管理においては、ヒト等が接触する環境水中でレジオネラ属菌が検出されると、その情報を循環水系にフィードバックして循環水系中のレジオネラ属菌の殺菌処理を行っていたため、レジオネラ属菌が検出された水が実際に殺菌処理されるまでには、時間的な差が生じていた。しかし、本発明に係るレジオネラ属菌の管理方法においては、循環水系の堆積物及び/又は生物膜中のレジオネラ属菌の検出を行うため、レジオネラ属菌が検出された水をその場で即座に殺菌処理することが可能である。
この検出ステップ(I)ではレジオネラ属菌の検出に、イムノアッセイを用いた検出方法を採用している。培養法では検出までに長い時間がかかり、PCR(Polymerase Chain Reaction)法やLAMP(Loop-Mediated Isothermal Amplification)法では実際の作業が煩雑であるため、簡便で、時間もコストも軽減できるイムノアッセイを採用した。
また、従来のレジオネラ属菌の管理方法のように、環境水からレジオネラ属菌を検出する場合には、イムノアッセイを行う際、環境水の濃縮等の操作が必要であったが、本発明では、循環水系における堆積物及び/又は生物膜中のレジオネラ属菌の検出を行うため、イムノアッセイを採用した場合であっても、濃縮等の操作を必要とせずに、作業時間の短縮を図ることができる。
検出ステップ(I)で行うイムノアッセイの具体的方法は特に限定されず、イムノアッセイで採用されている公知の方法を自由に選択することができる。例えば、EIA法(Enzyme Immunoassay)、イムノクロマト法(immtnochromatography)、ELISA法(Enzyme-linked immunosorbent assay)FIA法(Fluoroimmunoassay)、TR−FIA法(Time-resolved fluoroimmunoassay)、IRMA法(Immunoradiometic Assay)、TR−IFMA法(Time-resolved immunofluorometic assay)、IFMA法(Immunoflurometric assay)など、いずれを採用することも可能である。迅速性を考慮すれば、この中でも特にイムノクロマト法(immtnochromatography)が好ましい。
検出ステップ(I)では、堆積物及び/又は生物膜中から採取されたサンプルを用いてイムノアッセイによりレジオネラ属菌を検出すれば、そのサンプルの形態は特に限定されないが、1%以上の懸濁物質(Suspended Solid:SS)を少なくとも含むサンプルを用いるとより好適である。また、懸濁物質(Suspended Solid:SS)の20%以上が、有機物であることが好ましい。堆積物や生物膜の採取量が少ない場合や、堆積物や生物膜中の生物汚れが少ない場合に、リスク診断できない可能性が生じる場合があるからである。
(II)判定ステップ
判定ステップ(II)では、検出ステップ(I)における検出結果に基づき循環水系の殺菌処理の必要性を判定する。
判定ステップ(II)における判定方法は特に限定されず、環境水の用途等に応じて、自由に設計することができる。例えば、検出ステップ(I)において、レジオネラ属菌が微量でも検出された場合に一律に殺菌処理の必要性ありと判定してもよく、或いは、殺菌処理を必要とする測定値の基準を予め設定し、検出ステップ(I)でのレジオネラ属菌の実測値を基準に照らして殺菌処理の必要性を判定してもよい。
このように本発明に係るレジオネラ属菌の管理方法では、環境水としてヒト等が接触する前段階において、レジオネラ属菌を迅速に検出し、その結果に基づいて、判定ステップ(II)において循環水系の殺菌処理の必要性を即座に判定するため、環境水としてヒト等が接触する前段階で、レジオネラ属菌の殺菌処理を迅速に、かつ確実に行うことが可能である。
また、判定ステップ(II)を設けることで、レジオネラ属菌が検出されなかった場合に、無駄な殺菌処理を行うことがなくなり、その結果、レジオネラ属菌の管理に必要な時間やコストの削減にも貢献することができる。
(3)制御ステップ(III)
制御ステップ(III)では、検出ステップ(I)及び/又は判定ステップ(II)の結果に基づき、殺菌処理の制御を行う。この制御ステップ(III)は、本発明に係るレジオネラ属菌の管理方法に必須のステップではないが、より効率的なレジオネラ属菌の管理を行うために、判定ステップ(II)の後に行うことが可能である。
制御ステップ(III)における制御方法は特に限定されず、自由に設計することができる。例えば、判定ステップ(II)において、殺菌処理の必要性がないと判定されれば、制御ステップ(III)では殺菌処理を行わないように制御し、判定ステップ(II)において殺菌処理の必要性があると判定されれば、制御ステップ(III)では殺菌処理を行うように制御する。
また、殺菌処理の有無の制御のみならず、検出ステップ(I)におけるレジオネラ属菌の測定値に基づいて、殺菌処理で必要な薬品等の量的制御や時間的制御を行うことも可能である。
(IV)殺菌処理ステップ
殺菌処理ステップ(IV)では、前記判定ステップ(II)及び/又は制御ステップ(III)の結果に基づいて、循環水系中のレジオネラ属菌の殺菌処理を行う。この殺菌処理ステップ(IV)は、前記判定ステップ(II)において殺菌処理の必要性ありと判定された場合にのみ行うステップである。
循環水系の殺菌処理は、レジオネラ属菌の殺菌ができれば、その方法は特に限定されず、公知の殺菌処理方法のいずれも自由に採用することが可能である。例えば、グルタルアルデヒド、2−ブロモ2−ニトロプロパン1,3−ジオール、塩素、過酸化水素、イソチアゾリン化合物、などのレジオネラ属菌に対する殺菌剤を単独もしくは併用して添加する方法、これらの殺菌剤とスライムコントロール剤、防食剤、防スケール剤等を併用して添加する方法、或いは、紫外線を用いて殺菌処理を行う方法などを挙げることができる。
以上説明した本発明に係るレジオネラ属菌の管理方法は、あらゆる循環水系に用いることができる。例えば、開放循環式冷却水系、蓄熱槽、循環式浴槽中のレジオネラ属菌の管理に、好適に用いることが可能である。
実施例1では、環境水中のレジオネラ属菌数と循環水系のスラッジ中のレジオネラ属菌数を、それぞれ培養法にて測定し、その関係を調べた。
(1)環境水中のレジオネラ属菌数の測定
まず、500mL滅菌瓶(栄研化学株式会社製)にサンプルを採取し、6〜18℃で分析施設へ搬送した。そして、滅菌遠心管にサンプル100〜200mLを入れ、5000〜7000rpm、15〜25℃にて30分間遠心を行った。遠心後、上澄みを捨て、0.5mLまたは1mLの滅菌蒸留水で管内壁を洗浄し、残渣を懸濁して濃縮サンプルを調製した。
前記で調製した濃縮サンプルとpH2.2±0.2の0.2MHCl(キシダ化学株式会社製)・KCl(キシダ化学株式会社製)緩衝液を当量混合し、室温に5〜20分放置した。これを0.1mL、WYOα寒天培地(栄研化学株式会社製)に塗布し、36±1℃において、8日間培養した。培養5日目に、レジオネラ属菌と思われるコロニーを数え、菌数(CFU/100mL)を算出した。なお、レジオネラ属菌の算出では、B−CYEα寒天培地(栄研化学株式会社製)とL−システイン不含有培地(栄研化学株式会社製)に殖菌し、B−CYEα寒天培地にのみ発育したグラム陰性桿菌をレジオネラ属菌と推定することにより行った。
(2)スラッジ中のレジオネラ属菌数の測定
シリンジ(テルモ株式会社製)を用いて冷却塔ピットより、スラッジを1mLサンプルチューブに0.5〜1mL採取した。この際、スラッジ中の生物汚れが少ない場合に備え、サンプル中の懸濁物質(Suspended Solid:SS)を1〜2%含む様に注意した。そして、採取したサンプルを、ペストルで約1分間ホモジナイズしてスラッジ中サンプルを調製した。
前記で調製したスラッジ中サンプルを用いて、前記(1)環境水中のレジオネラ属菌数の測定と同様の方法で培養を行い、レジオネラ属菌数の測定を行った。
(3)測定結果
環境水中のレジオネラ属菌数とスラッジ中のレジオネラ属菌数の測定結果を表1に示す。
Figure 0004835609
表1に示すように、環境水からレジオネラ属菌が検出された場合には、スラッジ中からもレジオネラ属菌が検出され(サンプル1、3、及び4参照)、スラッジ中からレジオネラ属菌が検出されなかった場合には、環境水中からもレジオネラ属菌が検出されない(サンプル2、8、9、11、12、及び14参照)ことが分かった。即ち、循環水系のスラッジ中にレジオネラ属菌が検出されない場合には、ほぼ確実に環境水からもレジオネラ属菌が検出されないことが分かった。これは、レジオネラ属菌が、堆積物や生物膜内部で増殖し、水中に放出されるという性質に起因すると考えられる。
実施例1では、堆積物や生物膜中のレジオネラ属菌を測定することにより、環境水中のレジオネラ属菌の存在の可能性を判断することができることが分かった。
実施例2では、堆積物中のレジオネラ属菌をイムノアッセイを用いて検出した結果と、環境水中のレジオネラ属菌を培養法を用いて検出した結果との関係を調べた。
(1)堆積物中のレジオネラ属菌の検出
シリンジ(テルモ株式会社製)を用いて冷却塔ピットより、堆積物を1mLサンプルチューブに0.5〜1mL採取した。この際、堆積物中の生物汚れが少ない場合に備え、サンプル中の懸濁物質(Suspended Solid:SS)を1〜2%含む様に注意した。そして、採取したサンプルを、ペストルで約1分間ホモジナイズした。
分析キット(BinaxNOWレジオネラ:第一三共株式会社製)に附属の綿棒を、前記堆積物に接触させ、この綿棒を分析キットのパネルの所定場所に挿入した。その後、分析キットに附属の添加試薬を挿入部に2〜3滴滴下し、分析キットのパネルを張り合わせた。5〜60分後、CONTROL及びSAMPLEにラインが出た場合を陽性、CONTROLのみにラインが出た場合は陰性としてレジオネラ属菌の検出を行った。
なお、本実施例で使用したBinaxNOWレジオネラ(第一三共株式会社製)は、レジオネラニューモフィラ血清型1LIS抗原を特異的に認識するポリクロナール抗体を利用したイムノクロマト法(immtnochromatography)を原理とする検査キットであり、約15分で迅速・簡便にレジオネラ属菌の検出が可能なキットである。付属の綿棒を検体に浸し綿棒挿入口に挿入し添加試薬を滴下することで、検体中のジオネラニューモフィラ血清型1LPS抗原を抽出する。この抽出された抗1LPS原はテストパネルを張り合わせることで、メンブレン試薬のコンジュゲートパッドに移動し、コンジュゲートパッドに乾燥含有されている抗レジオネラニューモフィラ血清型1LPSポリクローナルウサギ抗体感作金コロイド粒子と抗原−抗体反応を起こして抗原−抗体複合体となり、毛細管現象によってメンブレン試薬上を展開する。抗原−抗体複合体がサンプル検出部に達すると、サンプル検出部に固定化されている抗レジオネラニューモフィラ血清型1LPSポリクローナルウサギ抗体に捕捉され、抗体−抗原−抗体のサンドイッチ状の結合体を作り、サンプル検出部に赤紫色の線(サンプルライン)が出現する。
(2)環境水中のレジオネラ属菌の検出
前記堆積物中のレジオネラ属菌の検出で陽性であった100例と、陰性であった42例について、それぞれの環境水中のレジオネラ属菌を、培養法を用いて検出した。培養法の具体的な方法は、実施例1と同様の方法を用いた。
(3)検出結果
循環水系の堆積物中のレジオネラ属菌の検出結果(イムノアッセイ法)と、環境水中のレジオネラ属菌の検出結果(培養法)を表2に示す。
Figure 0004835609
表2に示す通り、イムノアッセイを用いて堆積物中のレジオネラ属菌を検出したときに「陰性」であった場合に、培養法を用いて環境水中のレジオネラ属菌を検出したいときに「陽性」となったのは、全体142件中、僅か3件(2%)であった。
実施例2では、堆積物や生物膜中のレジオネラ属菌をイムノアッセイを用いて検出することにより、環境水中のレジオネラ属菌の存在の可能性を判断することが可能であることが分かった。
また、環境水中では検出不能な微量のレジオネラ属菌も、堆積物や生物膜中であれば検出される可能性が高いため、本発明に係るレジオネラ属菌の管理方法を用いれば、確実に、環境水中のレジオネラ属菌を管理することができることも分かった。
本発明に係るレジオネラ属菌の管理方法は、環境水としてヒト等が接触する前段階において、レジオネラ属菌を迅速に検出し、その結果を用いて即座に殺菌処理を行うため、レジオネラ属菌の管理を簡便に、効率的に、かつ確実に行うことができる。そのため、人工環境水からのレジオネラ属菌感染によるレジオネラ症の予防に大きく貢献することが可能である。
本発明に係るレジオネラ属菌の管理方法の概要を示すフロー図である。

Claims (4)

  1. 循環水系におけるレジオネラ属菌の管理方法であって、
    循環水系の堆積物及び/又は生物膜中のレジオネラ属菌をイムノアッセイにより検出する検出ステップと、
    該検出ステップにおける検出結果に基づき前記循環水系の殺菌処理の必要性を判定する判定ステップと、
    を少なくとも行うレジオネラ属菌の管理方法。
  2. 前記検出ステップ及び/又は判定ステップの結果に基づき前記殺菌処理の制御を行う制御ステップを更に行うことを特徴とする請求項1記載のレジオネラ属菌の管理方法。
  3. 前記検出ステップでは、1%以上の懸濁物質(Suspended Solid:SS)を少なくとも含むサンプルを用いることを特徴とする請求項1または2に記載のレジオネラ属菌の管理方法。
  4. 前記循環水系が、開放循環式冷却水系、蓄熱槽、循環式浴槽中から選択される一以上の循環水系であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のレジオネラ属菌の管理方法。
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